自らの体と心と病を知り/自らの健康を創る/健康創造塾/自らの体と心と病を知り/自らの健康を創る/健康創造塾

健康ダイジェスト

2017年7月〜 1月〜6月 2016年7月〜12月 1月〜6月 2015年7月〜12月 1月〜6月 2014年7月〜12月 1〜6月 2013年6〜12月 5月 4月 3月 2月 1月 2012年12月 11 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月 2011年12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月 2010年12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月

 

■男性の精子も老化、不妊治療の専門医が大学で講演

 30歳代半ばを過ぎたころから女性が卵子の老化で妊娠しにくくなるのと同様に、男性の精子も同じころから老化することを知ってほしいと、不妊治療の専門医が千葉県の大学で講演し、学生たちに「正しい知識を持って人生設計を考えてほしい」と呼び掛けました。

 千葉工業大学で講演を行ったのは、東京都の国立成育医療研究センターの齊藤英和医師。

 齊藤医師は女性の社会進出が進む中で、後に不妊に悩む女性を多く診察してきた経験から、女性が30歳代半ばを過ぎたころから妊娠しにくくなる「卵子の老化」について啓発してきました。

 一方で、男性の精子も同じころから次第に老化し、不妊に関係することを若いうちから知ってほしいと、今回、千葉工業大学で講演することになり、男子学生を中心におよそ40人が集まって受講しました。

 講演の中で齊藤医師は海外の研究データを示しながら、男性も年を重ねるとともに、精子の遺伝子に異常がみられる割合が増えるなど、精子の老化が進むと説明しました。

 その上で、「男性が子どもを持ちたいと希望した時から、相手が妊娠するまでの期間」について、30歳代から40歳代前半の場合、平均で10カ月を超え、20歳代の時と比べておよそ1・5倍の時間がかかることや、男性が年を重ねるごとに相手の女性が流産するリスクが高くなること、男性の加齢とともに精子の遺伝子の質が低下し、赤ちゃんの先天異常のリスクも上がっていくこと、医学的な理由から男女とも体の妊娠適齢期が20歳代であることなどを解説しました。

 齊藤医師は、「男性は結婚について、経済的に安定してからと考える人が多いですが、相手がいつまでも妊娠すると思ってはいけません。男性も正しい知識を持って早い時期に結婚するなど、人生設計を考えてほしい」と呼び掛けました。

 講演を聴いた男子学生は、「精子が老化するとは思ってもいなかったので驚きました。30代後半では少し微妙かもしれないということなので、20代で結婚しようと思います」などと話していました。

 2015年6月30日(火)

 

■新出生前診断、2年目に1万人超が受診 検査後中絶、2年間で221人

 妊婦の血液で胎児のダウン症など3種類の染色体異常を調べる新出生前診断を実施している病院グループは26日、検査開始後2年間の実績を公表し、2年目の2014年度に1万60人が受診したことを明らかにしました。1年目の7740人から大幅に増えました。

 検査で異常が確定するなどして中絶したのは、2年間で221人でした。

 おなかに針を刺して子宮内の羊水を採取する羊水検査も、2013年に約2万600件と過去最多になったことが、25日に明らかになったばかり。「命の選別につながる」との倫理的な問題をはらみながら、胎児の遺伝疾患を調べる検査が広がる傾向が浮き彫りになりました。

 病院グループは、2013年4月の導入以来2年間の実績を集計。1万7800人が受診し、295人が陽性と判定されました。確定診断の羊水検査に進んだ253人のうち、230人の異常が確定しました。確定診断で異常なしとされた人も23人おり、誤って陽性と判定される「偽陽性」が9パーセントとなりました。

 陽性判定を受けた295人のうち、中絶したのは221人、妊娠を継続した人が4人、胎児が死亡してしまったのが41人などでした。確定診断を受ける前に中絶した人も、数人いました。

 集計は病院グループに参加する46の医療機関で使っている米シーケノム社の検査の実績で、別会社の検査を受けた人も86人います。

 新出生前診断は、遺伝情報の解析技術の進展により海外で開発され、妊婦の対象者や施設を限定する臨床研究として2013年4月に日本国内に導入されました。実施する医療機関も、当初の15施設から50施設以上に増えました。

 2015年6月28日(日)

 

■子供に多いリンゴ病が流行の兆し 東京都が初の警報

 顔のほおに赤い発疹ができ、体や手足に網目状に広がることから「リンゴ病」と呼ばれる「伝染性紅斑」の患者数が、6月15日からの1週間で警報基準を超えたとして、東京都が25日、都内全域に初の流行警報を出しました。

 東京都によると、6月15日から21日までの1週間で、都内264カ所の小児科医療機関から報告された定点当たりのリンゴ病の患者数は1・27人。

 保健所別にみると、31の保健所のうち台東や足立、八王子市など8カ所で、1小児科医療機関当たりの患者数が週に2人を超えて「警報レベル」に達しました。警報レベルの保健所管内の人口は東京都全体の33・3パーセントに当たることから、都は警報基準を超えたと判断し、都内全域に警報を出しました。

 流行は現在、住宅の多い、都心を囲むドーナツ状のエリアに広がっています。

 リンゴ病は、小学校入学前後の6歳以下の子供の感染が7割を占めるウイルス性の感染症で、約10日の潜伏期間の後、両ほおに赤い発疹が現れ、続いて体や手足に網目状の発疹が広がります。これらは通常1週間で消えますが、ほおに発疹ができる7~10日前に微熱や風邪のような症状がみられます。

 妊婦が感染した場合、まれに胎児の異常や流産につながる恐れもあります。

 国立感染症研究所では、せきやくしゃみ、接触で感染しワクチンなどはないため、手洗いやうがい、マスクの着用などによる予防を保育所や幼稚園、学校などに呼び掛けています。

 東京都によると、リンゴ病で警報を出したのは16年前の1997年の調査開始以来、今回が初めてだといいます。一度感染すると免疫ができるため、5年に1度流行するとされ、東京都内では前回、2011年に患者が増えました。

 2015年6月27日(土)

 

■精神疾患で労災、497人と最多 自殺者も最多、昨年度

 過労や職場の対人関係のトラブルからうつ病などの精神疾患を発症したとして、2014年度に労災認定された人は497人(前年度比61人増)に上り、過去最多を更新したことが25日、厚生労働省の集計でわかりました。

 厚労省は、「うつ病と診断される人が増えていることに加え、労災として申請できるとの認識が浸透してきたことが背景にある」と分析しています。

 厚労省によると、2014年度に精神疾患を理由に労災申請したのは1456人(同47人増)で、統計が残る1983年度以降で最多でした。労災認定された497人のうち、自殺者(未遂を含む)も過去最多の99人(同36人増)でした。精神疾患を発症しても労災と認められる人は限られ、実態はより深刻な可能性があります。

 厚労省は、「働く女性が増えていることを受け、女性の申請が増加傾向にある」としています。

 精神疾患で労災認定された人の発症原因は、「悲惨な事故や災害の体験・目撃」(72人)が最多。「嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」(69人)、「月80時間以上の時間外労働を行った」(55人)、「仕事内容・仕事量の変化」(50人)が続きました。「セクハラを受けた」(27人)、「上司とのトラブルがあった」(21人)も目立ちました。

 業種別にみると、製造業が81人で最多。次いで卸売・小売業の71人、運輸・郵便業の63人。年代別では、40歳代が140人、30歳代が138人と働き盛り世代が目立ち、20歳代が104人で続きました。就労形態別では、正社員が435人、パート・アルバイトが36人でした。

 一方、脳梗塞や心筋梗塞などで労災申請した人は前年度から21人減って763人となり、3年連続で減少。労災認定も29人減の277人で、2年連続減少しました。

 過労死や過労自殺を巡っては、昨年11月に施行された「過労死等防止対策推進法」に基づき、厚労省は国が取るべき対策をまとめた大綱案を策定。労働時間の削減や休暇取得率について数値目標を定め、過労死の発生要因を探る長期的な追跡調査を進める方針です。

 2015年6月27日(土)

 

■携帯電波で、ペースメーカー誤作動の恐れ非常に低い 総務省が初の指針案

 総務省は23日、携帯電話の電波が心臓ペースメーカーなど医療機器に影響を及ぼす恐れは非常に低い、と初めて指摘する指針案を公表しました。「15センチ以上離す」という距離基準は維持しますが、基準が患者の不安を生んでいるとの指摘を受け、それを和らげる表現を盛り込みました。

 総務省の検討会が発表。意見公募を経て、8月ごろにも正式決定する予定です。

 総務省は、これまでの調査で、心臓ペースメーカーを携帯電話に近付けると誤作動などの影響があったため、現行の指針では15センチ以上離すべきだとしています。今回はこれに加えて、人工心臓を動かす装置などの医療機器の影響を調査しました。一部の機器では、携帯が3センチまで近付くと誤作動などがあったとし、これまで同様、15センチ以上離すことを促す指針案をまとめました。

 ただし、検討過程で、一部の識者から調査について、携帯の電波を断続的に最大出力で、医療機器の感度も最大にした条件で行われており「現実では起こり得ない」との意見がありました。東京女子医科大の庄田守男教授は、「日常生活で携帯電波が医療機器の不具合を起こした例は報告がない。患者の不安を生むだけで弊害のほうが大きい」と指摘しています。

 指摘を受け、総務省も指針案に初めて「影響が発生するとは限らない」との文言を盛り込みました。

 指針案について、患者団体「日本心臓ペースメーカー友の会」の村林信一・東京支部長は、「過剰な心配は無用という、患者へのメッセージになる」と前向きに受け止めています。

 心臓ペースメーカーは、心臓から出る電気を感知し、装置側で電気を送るか、停止するかを決めるよう作られています。非常にデリケートな機械なので、体の外部から電気が流れた場合、心臓から電気が流れたと勘違いして作動を停止してしまうことがあります。

 そのため、心臓ペースメーカーを埋め込んだ患者は、体の外部にある電気が、装置に入ってこないように注意しなくてはなりません。電流が流れている場所や、強い電波、磁波が発生しやすい環境には近付かないほうがいいのです。

 2015年6月27日(土)

 

■韓国のMERS、死者29人感染者180人に 影響で夏の外国人旅行予約が激減

 韓国の保健福祉省は25日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染した男女2人が24日に死亡し、感染者の死者が29人になったと明らかにしました。感染確認者も1人増えて、180人になりました。

 韓国では新たな感染確認が相次ぎ、拡大が続いている疑いが強まっています。「情勢は落ち着きつつある」と先週分析していた保健福祉省当局者は、24日には「何ともいえない」と楽観的な見通しを撤回。

 新たに感染が確認された人は、釜山(プサン)の病院で、後から感染が確認された患者と同じ病室に入院していたということで、病院で隔離され、治療を受けているということです。

 また、病院の救急センターを訪れて感染者と接触した人が多いことから、保健福祉省は医療機関に対して、救急センターへの見舞いなどを制限するほか、医療従事者を含むすべての訪問者の名簿を作るよう指示しました。

 これまでに1万4000人以上を隔離対象にしてきましたが、対象者以外の感染が次々判明しています。多数の人と接触した後で感染がわかった人もおり、拡大を止められるか予断を許さない状況は変わっていません。

 一方、MERSなどの影響で、大韓航空とアシアナ航空は24日以降、日本発着の計230便の欠航を決めました。韓国では夏の観光シーズンの外国人旅行客の予約が前年より8割減り、日本人の旅行見合わせも相次いでいます。

 大韓航空は24日以降、岡山、秋田、小松、青森、鹿児島と仁川(ソウル)を結ぶ計122便を欠航します。欠航期間は路線で違い、最も長い岡山便は8月10日まで。同社は、「MERSの影響もあり乗客が減ったため」としています。アシアナ航空も30日~7月30日に成田、羽田、中部、広島、富山、松山を発着する計108便を欠航する予定。

 成田、羽田、中部以外の8空港は、ほかの航空会社の韓国路線が就航しておらず、欠航日は韓国に渡航できなくなります。

 韓国旅行業協会によると、7、8月に韓国旅行を予約した外国人旅行客は20万3000人で、前年同期の113万人から82パーセント減りました。日本の旅行客は84パーセント減の2万8000人、中国も84パーセント減の13万2000人。経済損失は日本円で約120億円に達し、担当者は「MERSの影響」と話しています。

 日本の旅行大手JTBでは、夏休みの韓国ツアー予約が例年より伸び悩み、「沈静化するか様子をみている人が多いのでは」としています。欠航が決まった秋田県内の旅行会社も、「8月以降の職場旅行やツアーを見合わせる動きが出ている」といいます。旅行会社の中には、秋田から仁川経由で東南アジアに向かうゴルフツアーを羽田経由に変えようという動きもあります。

 東京都の新大久保コリアンタウンで買い物をしていた神奈川県の主婦高杉登美子さん(62歳)は、昨年に続き今年も計画していた夏の韓国旅行を取りやめたといい、「いつになったら安全と判断できるのか見通しがほしい」と話しました。

 2015年6月26日(金)

 

■薬歴未記載、全国で81万件を超える 昨年、1220の調剤薬局で

 日本薬剤師会などは、昨年1年間に全国の1220の調剤薬局で、患者の薬剤服用歴(薬歴)が記録されていないケースが見付かり、少なくともおよそ2億8000万円の診療報酬が不適切に請求された疑いがあるとする報告をまとめました。

 日本薬剤師会、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会の3つの団体は、今年2月に大手薬局チェーンの「くすりの福太郎」(千葉県鎌ケ谷市)と「CFCコーポレーション」(横浜市)で、患者が服用している薬の種類や副作用がないかなどを記す薬歴が正確に記録されていないケースが見付かった問題を受け、傘下の調剤薬局を対象に実態調査を行い、24日に厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)に報告しました。

 それによりますと、昨年1年間に、全国におよそ5万7000ある調剤薬局のうち1220の調剤薬局で、薬歴が記録されていないケースが見付かったということです。

 その結果、診療報酬が不適切に請求された疑いがあるのは、件数にして81万2000件余り、少なくともおよそ2億8000万円に上るということです。薬剤師が薬歴を保管し患者に適切な指導をする対価として、薬を出すごとに340円か410円が、診療報酬として加算されているためです。

 これを受けて厚生労働省は、改めて実態を確認した上で、それぞれの調剤薬局に対し、不適切に支払われた診療報酬を自主的に返還するよう求めていくことにしています。

 くすりの福太郎の親会社のツルハホールディングスは5月、約41万件で未記載のまま診療報酬を請求していたとして、約1億7000万円を自主返還することを表明しています。

 2015年6月25日(木)

 

■熱中症搬送は全国で672人 前週より150人減少

 総務省消防庁は23日、15~21日の1週間に、熱中症のために全国で672人が救急搬送されたとの速報値を発表しました。前週の822人から150人減りました。

 各地で雨が多く、気温がそれほど上がらなかったためとみられます。搬送直後に死亡が確認されたのは、2人でした。

 集計によると、3週間以上の入院が必要な重症者は17人、短期の入院が必要な中等症は196人でした。65歳以上の高齢者が、5割を占めました。

 都道府県別では、沖縄県が57人で最も多く、東京都の46人、埼玉県の41人、千葉県の40人、大阪府の36人、兵庫県の34人と続きました。死亡者は、山形県と岡山県の各1人。

 前年同時期の搬送者は、全国で955人でした。

 2015年6月24日(水)

 

■不妊症の定義、2年から1年に短縮へ 産科婦人科学会

 希望しても2年以上妊娠できない状態と定義している不妊症について、日本産科婦人科学会は、この期間を「1年以上」に短縮する案をまとめました。全国の産婦人科医から意見を聞き、8月にも正式決定する方針。

 同学会は、「男女が2年間、避妊せずに性生活を続けても妊娠しない」ケースを不妊症と見なし、医師が不妊治療を始める目安としています。

 新たな案では、晩婚化が進んで早期の検査や治療が求められるようになった現状や、世界保健機関(WHO)が「1年間の不妊期間を持つもの」と定めているほか、欧米の生殖医学会も1年間としていることを踏まえ、「1年というのが一般的」と定義を改めました。ただし、卵巣や精巣の異常など、医学的介入が必要な場合は、期間を問わず不妊症と考えるとしています。

 国内では6組に1組のカップルが不妊症に悩み、約50万人が何らかの不妊治療を受けているとされています。通常は妊娠を望めば1年で約8割、2年で約9割が妊娠しますが、男女とも年齢が上がるほど妊娠しにくくなります。

 新たな案をまとめた日本産科婦人科学会の倫理委員長を務める苛原(いらはら)稔・徳島大医学部長によると、現状でも1年間妊娠しなかった場合に医療機関を受診し治療に入るケースが多いといいます。

 晩婚化や女性のキャリア志向などで妊娠を望む年齢が上昇する中、定義の変更で「患者数が大幅に増えることはないだろう。(不妊治療を希望する人には)より早期に適切な治療を受ける切っ掛けにしてほしい」と話しました。

 2015年6月22日(月)

 

■韓国のMERS、新たに3人増え感染者169人に 京都府大グループが感染予防薬を韓国に配布

 韓国では21日、重い肺炎などを引き起こすに中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が新たに3人確認され、感染者は死亡した25人を含む169人となりました。

 感染者数は4日から毎日更新され、7日に1日で最多の23人の感染が確認されましたが、17日は3人、18日は1人、19日と20日は0人と減る傾向にあるものの、韓国政府は引き続き感染拡大を防ぐため、全力を挙げています。

 21日に新たに感染が確認された3人は、いずれも病院の中で感染したということです。うち1人は、5月にサムスンソウル病院で院内感染し、10日に死亡した75歳の女性が次に受診した建国大病院で、この女性のエックス線検査を行った36歳の男性技師。もう1人は、サムスンソウル病院で院内感染した病院職員の治療に当たった34歳の男性医師。

 また、治療を受けていた7人が新たに退院し、感染者のうち退院した人は43人となりました。

 保健福祉省は新たに感染が確認される患者の数は減少する傾向にあるものの、今後もしばらくは病院内での感染が散発的に確認される可能性があるとしています。

 韓国政府は、今月中には感染の拡大を食い止めたいとしており、引き続き感染者と接触した人など4000人余りを自宅や医療機関での隔離の対象とするなど、感染の拡大を防ぐための対策を講じるほか、感染して入院している患者の中には容体が不安定な人もいるため、患者の治療にも全力を挙げています。

 一方、韓国で感染が拡大しているMERSコロナウイルスに強く結合する抗体を、京都府立大大学院の塚本康浩教授(動物衛生学)のグループが、ダチョウの卵を使って大量精製することに成功しました。

 共同で研究を進めている米国陸軍感染症医学研究所で検証中ですが、すでに韓国、米国に配布し、スプレー剤として大量生産を開始しました。抗体によって覆われたウイルスは、人の細胞に侵入できなくなり、感染予防に大きな効果があるといいます。

 今回、塚本教授らは、カイコの細胞で作製したコロナウイルス(ベータ・コロナウイルス)の表面タンパクの一部を抗原としてダチョウに投与。体内で生成された抗体をダチョウが産んだ卵から取り出して精製しました。

 コロナウイルスは表面タンパクによって人の細胞に取り付きますが、塚本教授は「この抗体で、人の細胞に侵入しようとするウイルスをマスキング(覆う)することにより、感染を防ぐことが期待できる」と説明しています。

 ダチョウは傷の治りが極めて早く、塚本教授はその免疫力に着目。抗体を作る能力も高いことを突き止め、2008年に卵から大量の抗体を取り出す技術を開発しました。

 同年に新型インフルエンザが流行した際に販売した抗体入りマスクが注目を浴び、昨年はエボラウイルスに結合するダチョウ抗体も作製。これに注目した米国のバイオベンチャー会社と陸軍感染症医学研究所が共同でMERS対策を進め、現在は精製した抗体の効果や副作用などを検証しています。

 抗体はMERSの感染が拡大している韓国のほか、米国にも配布。治療薬として認可されていないため人体へ直接投与することはできないものの、抗体を使ったスプレー剤はマスクやドアノブ、手などに噴射すれば感染予防になります。すでに大量生産しており、医療従事者や韓国と日本の空港への配布を考えているといいます。

 2015年6月21日(日)

 

■妊婦2万4000人がクラミジア感染し、若年層で高い割合に 大規模調査で推計

 国内の妊婦約32万人を対象にした大規模調査で、流産や早産につながる恐れのある性感染症「性器クラミジア」に2・4パーセントが感染していることが、公益財団法人「性の健康医学財団」(東京都)の集計で20日までにわかりました。

 年間約100万人の新生児が誕生していることから、妊婦全体ではおおむね2万4000人が感染していると推計されるといいます。

 性器クラミジアは自覚症状がないことが多く実態把握が難しかったものの、若年層で割合が高いことも判明しました。同財団の熊本悦明札幌医大名誉教授(泌尿器科学)は、「若い妊婦を中心に想像以上に広がっている。妊婦以外の一般女性も相当数が感染していると推定される」と話しました。

 大規模調査は2013年10月〜2014年3月に、開業医でつくる日本産婦人科医会の協力を得て、妊婦健診を受けた32万5771人のデータを集めました。

 その結果、2・4パーセントに相当する7690人が感染していました。年代別の感染率は、19歳以下が15・3パーセント、20〜24歳が7・3パーセント、25〜29歳が2・2パーセント、30〜34歳が1・2パーセントでした。大規模調査は初めてのため、過去からの詳しい増減などは不明。

 性器クラミジアは、クラミジア・トラコマチスという細菌が原因の性感染症。性行為で感染し、男性の症状としては尿道炎が最も多く、前立腺炎、精巣上体炎を起こすこともあります。

 女性の症状としては子宮の入り口に炎症が起きて、下り物が増えます。長期化すると卵子が通る卵管にも炎症が広がって、不妊症につながります。感染した妊婦は子宮で血流が悪くなるなどして流産や早産のリスクが高まり、母子感染も起こります。

 2011年から妊婦健診で性器クラミジアの検査が公費負担となり、2013年にはほぼすべての妊婦で検査が実施されることになりました。

 2015年6月21日(日)

 

■理研など、iPS網膜の移植を見送る 2例目に遺伝子の変異

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った世界初の臨床研究を行っている理化学研究所などの研究チームが17日、2例目の移植手術を見送っていたことを明らかにしました。患者から作製したiPS細胞の遺伝子の一部に変異などが見付かったためといいます。

 神戸市にある理化学研究所と先端医療センターの研究チームは、iPS細胞を使った世界初の臨床研究を行い、昨年9月に、滲出型加齢黄斑変性という重い目の病気の患者にiPS細胞から作製した目の網膜の組織を移植する手術を行いました。

 理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーによりますと、研究チームは2例目の移植手術を行う予定の患者本人からiPS細胞を作製する作業を昨年3月に始め、12月に網膜の組織を移植する準備を進めていましたが、作製されたiPS細胞を詳しく分析した結果、遺伝子の変異が複数見付かりました。

 中には、がんにかかわる変異もあったということで、研究チームは、安全性について明確な基準がないことなどから慎重に判断し、移植手術を見送ったということです。

 高橋さんはは、「医学的には移植しても大丈夫だと思うが、社会的コンセンサスがないことも踏まえ慎重を期して中止を決めた」と説明しました。

 研究チームは今後、患者本人からiPS細胞を作製するのではなく、京都大iPS細胞研究所から提供される患者以外の人のiPS細胞を利用するように移植手術の計画を変更し、2年以内の実施を目指すといいます。

 2015年6月19日(金)

 

■韓国のMERS、死者23人、感染者165人に タイでもMERS感染を初確認

 重い肺炎などを引き起こす中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が広がる韓国で、新たに3人の死亡が確認され、これで死亡した人は合わせて23人、感染者は165人となりました。

 韓国の保健福祉省は18日、MERSコロナウイルスに感染して治療を受けていた60歳代の男性2人と80歳代の女性1人、合わせて3人が死亡したと発表しました。

 また、新たに3人の感染が確認され、これで感染が確認されたのは165人となり、このうち死亡した人は23人となりました。

 新たに感染が見付かった3人のうち2人は、いずれも医療スタッフで、病院の中で感染しました。1人については、「感染経路を調査中だ」としています。

 なお、治療を受けていた5人が退院し、感染者のうちこれまでに退院したのは24人になりました。

 保健福祉省は、「今月末には新たな感染者が出ないようにするのが目標だ」としており、感染者と接触した人など合わせて6700人を自宅や医療機関での隔離の対象とする措置をとって、感染拡大を食い止めるため全力を挙げています。

 一方、タイの保健省は18日、病気治療のためタイに入国した75歳のオマーンの男性が、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染していたことが確認されたと発表しました。

 同省によると、タイでの感染者の確認は初めて。これまでに約20人が感染の疑いで検査を受けていましたが、いずれも陰性でした。

 男性は15日に民間機でスワンナプーム国際空港に到着、心臓病の治療のため入院した首都バンコクの私立病院で検査を受けた際、感染が疑われる症状がありました。当局は男性を国立感染症研究所の施設に移し、隔離して感染の有無を調べていました。症状は安定しているといいます。

 保健省によると、一緒に入国した親戚3人のほか、病院職員ら50人以上の感染の有無を調べています。

 2015年6月18日(木)

 

■韓国のMERS、隔離対象の日本人2人すでに帰国 発熱などの症状はなし

 韓国で感染が広がっている中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスで、患者がいた医療機関を訪れていたなどとして症状は出ていないものの、自宅での隔離の対象となっていた日本人2人が、いずれも15日までに日本へ帰国していることがわかりました。

 韓国で150人の感染者が出ているMERSコロナウイルスで、韓国の保健福祉省は15日、感染の拡大を防ぐため、医療機関や自宅での隔離の対象としている5200人の中に、日本人が含まれていることを明らかにしました。

 同省によりますと、日本人はいずれも症状が出ていないため、自宅での隔離の対象となっていましたが、関係者は隔離の対象となった日本人2人が、すでに日本に帰国していることを明らかにしました。

 関係者によりますと、2人は患者がいた医療機関を訪れたため、念のため、自宅での隔離の対象者になったということで、症状なども出ていないということです。

 また、日本の厚生労働省は16日、自宅での隔離の対象となっていて帰国した日本人2人のほかに、隔離対象とわかる前に6月中に帰国した日本人が複数人いることを明らかにしました。これら複数の人について、検疫所などが健康状態を確認しているということですが、いずれも現地で患者と接触しておらず、発熱などの症状はないということです。

 これについて国の専門家会議のメンバーで東北大学の賀来満夫教授は、「患者との接触歴がなければ、感染している可能性は低いし、仮に感染していても症状がなければ、ほかの人に感染を広げることも考えにくい。冷静に対応すべきで、行政は本人や家族に話を聞くなどして情報の把握を徹底してほしい」と話しています。

 検疫所などは 14日間、1日2回、発熱がないかなどを電話やメールで確認し、症状が出た場合はMERSコロナウイルスに感染していないかどうか検査を行うことにしています。

 2015年6月17日(水)

 

■現在の高齢者、10〜20年前に比べ5~10歳若返り 治療率低下し、歩く速度アップ

 日本老年学会は12日に横浜市で開かれたシンポジウムで、65歳以上の高齢者の身体機能や知的機能、健康状態についての分析結果を発表しました。

 最新の科学データを総合すると、「現在の高齢者は10~20年前に比べて、5~10歳は若返っていると想定される」と評価。高齢者の健康状態は個人差が大きいものの、「高齢者が就労やボランティア活動などに参加できる社会を創ることが今後の超高齢社会を活力あるものにするために大切だ」との声明を出しました。

 知的機能については、日本大の内藤佳津雄教授(心理学)らが、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)が大府市の40歳以上の住民約2300人に実施してきた知能検査のデータを分析。認知症がなく、健康状態のよい高齢者の集団では、ほとんどの検査項目で60~70歳代の成績が向上し、2010年の70歳代は10年前の10歳程度若い人たちと同等の成績でした。

 病気にかかる割合については、東京大の秋下雅弘教授(老年医学)が、全国の65~79歳の高齢者が1996~2011年に医療機関で治療を受けた割合を分析。75~79歳の女性では脳卒中で治療を受けた割合が3分の1近くになるなど、脳卒中、心筋梗塞、骨粗鬆症で大きく減っていました。このほかにもアルツハイマー病を除く、ほぼすべての病気で低下傾向にあり、これに伴い、要介護認定率もほぼすべての年代で低下しました。

 秋下教授は、「治療を受ける高齢者の割合は低下している。定期的な運動など生活習慣が改善したのが原因ではないか」と指摘し、「65~79歳の高齢者の健康状態は5~10歳程度改善している可能性がある」としました。

 身体機能では、桜美林大の鈴木隆雄教授(老年医学)が、1992年と2002年に秋田県で実施された高齢者の調査のデータを比較、歩行速度や握力、片足立ちの時間などが各年代で向上していたことを報告しました。

 身体能力を示す指標とされる歩行速度では、2002年の75~79歳男性の歩く速度はその10年前の10歳若いグループとほぼ同じ、2002年の80歳以上の女性も10年前の10歳若いグループとほぼ同じだったといいます。この地域では、その後の調査でも身体機能が改善しているデータも出ているといいます。

 鈴木教授は、「ものすごく大きな改善」と述べ、「交通機関の利用や金銭管理、家事など自立して生活できる能力の指標でも高齢者の点数は上昇している」としました。

 日本老年学会では今後、これらのデータを基に、現在65歳以上とされている高齢者の定義を変更する必要があるかどうかも検討します。

 2015年6月15日(月)

 

■韓国のMERS、隔離対象者に韓国在住の日本人も 保健福祉省が発表

 韓国保健福祉省の当局者は15日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスへの感染者に接触した可能性があるとして、日本人を含む外国人にも自宅隔離の措置を取っていることを明らかにしました。隔離対象者に日本人が含まれているのがわかったのは初めて。

 当局者は外国人は20~30人だとし、その中に日本国籍者もいるとしましたが、人数や性別は明らかにしませんでした。自宅隔離の対象者は、病人の付き添いや見舞いで感染者が出た病院を訪問し、感染者や感染の疑いがある人に接触した疑いがある人やその家族が主で、観光客ではなく韓国在住者だといいます。

 韓国政府の指針では、MERS感染者と接触した人について、症状がない場合は自宅で14日間隔離されると定めています。ただ、外国人が隔離された時期は明らかにされていないため、14日間の隔離期間がすでに解除された人もいるとみられます。

 保健福祉省の当局者は、「感染する確率はほとんどないと判断している」と述べました。現時点で施設に隔離されたケースはなく、症状が出たり、感染が確認されたりした人はいないとしています。

 中国や米国など当該国の大使館にも通知しているといい、ソウルにある日本大使館も韓国側から連絡があったことを認めた上で、「詳しい状況については確認中だ。ただ、感染が確認されたり、感染が疑われたりして隔離の対象となっているわけではないようだ」としています。

 韓国ではMERSへの感染が広がり続けており、保健福祉省の15日の発表では感染者は150人、死者は16人。隔離対象者は5216人に達しましたが、このうち3122人は感染していないことが確認され、隔離措置を解除されています。

 2015年6月15日(月)

 

■韓国のMERS感染者145人に スロバキアでは韓国人男性が入院

 韓国の保健福祉省は14日、新たに7人の中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が確認されたと発表しました。

 韓国での今回の流行で、MERSコロナウイルスに感染者した人は145人となりました。うち14人が死亡し、10人が回復して退院しています。

 新規患者のうち4人は、ソウルのサムスンソウル病院で感染しました。新規患者のうち1人は、感染者を搬送した救急車に乗っていた救急隊員だということです。

 感染の恐れがあるとして自宅や病院で隔離されている人は、14日時点で4856人。

 70人以上の感染者を出したサムスンソウル病院は14日、感染拡大を防ぐため、外来患者の治療、入院患者の新規受け入れ、急を要しない手術を含む業務の大半を停止しました。今月24日に、この措置を継続するか決めるといいます。

 一方、MERSコロナウイルスに感染していたとみられる韓国人男性が13日、訪問先のスロバキアの首都ブラチスラバで入院しました。男性はスロバキア国内で操業している起亜自動車の下請け企業の従業員で、今月3日にスロバキアに入国していたといいます。

 2015年6月14日(日)

 

■機能性表示食品、12日から販売始まる サプリや飲料など37商品が順次店頭へ

 体にどのようによい影響を与えるかを企業の責任で表示する「機能性表示食品」の販売が、12日から始まりました。

 消費者の健康志向が高まる中、食品メーカーや飲料メーカーなどは、美肌効果や脂肪の吸収を抑える効果などをうたった商品を順次投入していく方針で、メーカーの通販サイトやコンビニ、ドラッグストアなどの店頭で扱われます。ただ、消費者団体などからは、効果を疑問視する声も上がっています。消費者の信頼獲得が、商品の普及拡大のカギを握りそうです。

 12日に機能性表示食品の先陣を切って発売されたのは、キユーピー社のサプリメント(栄養補助食品)「ヒアロモイスチャー240」。ヒアルロン酸ナトリウムを含み、パッケージには「本品に含まれるヒアルロン酸ナトリウムは肌の水分保持に役立ち、乾燥を緩和する機能があることが報告されています」と表示し、インターネットと電話で通信販売します。

 キユーピー広報は、「従来の商品では『美しさを大切にする女性向け』などとしか記載できず、効能を具体的に消費者に伝えられなかった」とし、新たな表示制度を歓迎しています。年間の目標販売額は、3億円に設定しているといいます。

 飲料・酒メーカーなども、新制度に熱い視線を送っています。キリンホールディングスは、傘下の2社から16日以降、脂肪の吸収を抑える効果などをうたったノンアルコールビール「パーフェクトフリー」や茶系飲料「食事の生茶」を店頭に並べて発売します。アサヒグループホールディングスも、カルピスなど傘下の3社からキリンとほぼ同様の効果を表示したノンアルコールビールや、高血圧の人向けの清涼飲料水などを発売します。

 ファンケルヘルスサイエンス社も19日から、サプリメント「えんきん」と「健脂サポート」を発売予定。

 12日時点で、消費者庁は機能性表示食品として計37件の届け出を受理しており、今後、販売合戦が本格化していきそうです。

 一部の消費者団体から制度の信頼性を疑問視する声も出ていることについて、アサヒ広報は「自社の責任で特定の効果が期待できるかをしっかり調査している」として、消費者の理解を得ながら、販売増を図っていく構えです。

 機能性表示食品制度は、食品や飲料などが体にどのようによい影響を与えるかについて、企業の責任で商品の包装や容器、広告に表示できる制度で、政府が成長戦略の一環で4月1日に導入しました。政府が実際に健康によい効果があるかを審査し、「お墨付き」を与える「特定保健用食品(トクホ)」と違って、企業が定められた様式にのっとって「機能」があると主張する科学的根拠を公表し、効果の有無の判断を消費者に委ねているのが特徴です。

 企業にとっては、トクホの認可を得るより短期間の、届け出から60日で商品に表示できるメリットがあります。ただ、消費者団体などから「科学的根拠がわかりにくい」と効果を疑問視したり、制度の見直しを求めたりする声も出ています。

 2015年6月13日(土)

 

■韓国のMERSによる死者11人に サムスン病院で小学生に陽性反応

 韓国保健福祉省によると、重い肺炎などを引き起こす中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの暫定検査を受けたソウル郊外の7歳の小学生に12日、陽性反応が出ました。多数の感染者が出たソウルのサムスンソウル病院を父親とともに訪れ、父親はその後感染して自宅隔離中といいます。

 小学生に目立った症状はないものの、感染が確認されれば10歳以下で初の感染例となります。小学生は学校を休んでおり、不特定多数の人との接触はないとみられます。

 同省は12日、感染者の73歳と78歳の男性2人が死亡したと発表。死者は計13人となりました。感染者は新たに4人が確認され、計126人となりました。

 新たに感染が確認された4人のうち3人は、すでに感染者が見付かっているソウルの病院で確認されたということです。もう1人は、中部の平沢(ピョンテク)の病院で新たに確認され、これで韓国では合わせて10の病院で感染が確認されたことになります。

 また、保健福祉省は11日、「感染経路を調査中だ」としていた5人について、4人は同じソウルと平沢の病院で感染し、残る1人は「中間調査の結果、別の平沢の病院で感染した可能性がある」としています。

 韓国政府は今週を感染拡大を防ぐための山場だとしており、自宅や医療機関に隔離したおよそ3800人以外にも、感染者と接触した人などがいないかどうか追跡調査を徹底し、感染の拡大を食い止めるための対策に全力を挙げることにしています。

 一方、日本の防衛省は12日、防衛医科大の感染症の専門医を韓国に派遣したと発表しました。11~13日に日本人学校などで、在留邦人向けに基礎知識や予防対策について講演します。

 2015年6月13日(土)

 

■働く女性の4割近くが朝食をとらず 医師や管理栄養士が作るチームが調査

 働く女性たちの4割近くが朝食をとらず、一日に必要なエネルギーが不足していることが、医師などで作るチームの調査でわかりました。調査を行ったチームは、「健康を崩して仕事が続けられなくなるなどの影響が出る恐れがあり、意識して朝食をとることが必要だ」と指摘しています。

 調査は医師や管理栄養士などで作るグループが行ったもので、東京都丸の内で働く女性の健康診断などを行う「保健室」を訪れた、20歳代から30歳代の女性およそ750人を対象に、聞き取り調査を行いました。

 この中で、「朝食をとっているかどうか」を尋ねたところ、「1週間の中でとらない日がある」と回答した女性は、20歳代で38パーセント、30歳代で34パーセントに上り、働く時間が長い女性ほど朝食をとらない傾向が強かったということです。

 その理由について多くの人は、「夕食の時間が遅く、朝は食欲がない」、「睡眠時間を確保したい」と答えていました。

 さらに、女性たちが1カ月間にとった食事の内容を分析したところ、1日の摂取エネルギーは平均でおよそ1500キロカロリーで、20歳代から30歳代の女性に必要なエネルギーのおよそ2000キロカロリーを大きく下回っていたということです。

 調査を行った一般社団法人「ラブテリ」の細川モモさんは、「健康を崩して仕事が続けられなくなるほか、月経不順や妊娠がしにくくなるなどの影響が出る恐れがあり、忙しくても意識して朝食をとることが大切だ」と話しています。

 昨年10月に東京都丸の内に設けられた「保健室」によると、朝食をとるよう心掛けて体調が改善したという女性もいます。

 都内の人材派遣会社に勤める仲田ゆきえさん(31歳)は終電近くまで残業し、深夜に夜食をとることも少なくないといい、朝は空腹を感じないため紅茶だけですませていましたが、「保健室」を訪れたことを切っ掛けに食生活などを見直しました。

 仲田さんはやせ気味に近い「標準体型」ですが、管理栄養士から、これ以上やせると健康を崩したり月経不順などの女性ならではのリスクが高まると指摘され、朝食を毎日きちんととることや、肉や魚などのタンパク質を取り入れることを心掛けるようになったといいます。

 今では自宅で朝食をとる時間がなくても、小さなおにぎりを夜のうちに作り、会社で食べています。また、おやつは甘いお菓子からアーモンドやくるみなどに代え、意識してタンパク質やビタミンを補給しているといいます。

 仲田さんは、「簡単な工夫を取り入れただけですが、以前は昼前にはグッタリと疲れていたのが、今は1日体が元気だと感じています。健康を保ちながら好きな仕事を続けていきたいです」と話していました。

 2015年6月13日(土)

 

■腹腔鏡手術、4病院で死亡率が平均の10倍超える 学会が全国の病院を調査

 群馬大学附属病院で腹腔鏡による手術を受けた患者が相次いで死亡した問題を受け、専門の医師で作る日本肝胆膵外科学会が、全国210余りの病院を対象に調査したところ、患者の死亡率が全国平均の10倍を超える病院が4つあることがわかりました。これらの病院に対して、学会は詳しい手術内容の報告を求めることになりました。

 肝臓や膵臓の専門の医師で作る日本肝胆膵外科学会は、群馬大学附属病院と千葉県がんセンターで、腹腔鏡による肝臓や膵臓の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題を受け、難易度の高い手術を安全に行えると学会が認定している全国210余りの病院を対象に、昨年までの4年間に行われた手術の死亡率を調べました。

 その結果、腹腔鏡による肝臓の手術の死亡率は全国平均が0・49パーセントでしたが、この10倍以上に当たる5・88パーセントになっている病院が1つあることがわかりました。また、膵臓の手術の死亡率は全国平均が0・33パーセントでしたが、3つの病院で4パーセントから6・4パーセント余りと死亡率が10数倍から20倍近くに上っていることがわかりました。

 群馬大学附属病院の腹腔鏡を使った肝臓の手術の死亡率は5・88パーセント、千葉県がんセンターの腹腔鏡を使った膵臓の手術の死亡率は3・3パーセントで、これらの4つの施設の死亡率は同程度かそれよりも高いものになります。

 学会では、4つの施設の名前を明らかにしていませんが、今後、死亡した患者の年齢や病状、それに手術の詳しい内容や、死亡の経緯などについて報告を求め、詳しい状況を把握したいとしています。

 日本肝胆膵外科学会の宮崎勝理事長は、「死亡率が高いから必ず問題があるとは限らないが、学会として認定した病院の安全性を確保し、患者に安心して医療を受けてもらうため、しっかり調べたい」と話しています。

 肝臓の手術に詳しい日本大学医学部消化器外科の高山忠利教授は、「肝臓や膵臓は開腹して手術すれば死亡率は1パーセント未満となるはずで、内視鏡だからといって5パーセントを超えるのはおかしいと思う。死亡率が高い病院では本来、内視鏡でやるべきではない手術を無理してやったなどの問題があったのかもしれない。これまではほかの医療機関の手術の成績を外から知ることは難しく実態はよくわからなかったが、今回のような調査をしっかりと進めていけばより安全な手術につながるはずだ」と話しています。

 腹腔鏡を使った手術は、日本では1990年に胆囊の摘出で行われました。この手術が1992年に保険の対象となり、腹腔鏡手術が拡大する切っ掛けとなりました。日本内視鏡外科学会の調査では、腹腔鏡を含む内視鏡手術の症例数は1990年には2370例だったのが、2007年に10万例を超え、2013年は17万8000例に上りました。

 1990~2013年の合計でみると、症例数は胆囊や胃がんなどの腹部外科が約半分、次いで産婦人科で子宮筋腫や子宮内膜症などが多く、3番目は肺がんなどの呼吸器外科となっています。

 腹腔鏡手術は場所によって難易度が変わり、肝臓と膵臓は難しい領域となっています。

 2015年6月11日(木)

 

■韓国のMERSによる死者9人に 感染者は108人を数える

 韓国で、重い肺炎などを引き起こす中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染した人は100人を超え、韓国政府は感染が疑われる人が見付かった場合に診察を行う専門病院を全国に指定するなどして、感染拡大の防止策を強化しています。

 韓国の保健福祉省によりますと、MERSコロナウイルスに感染が確認された人は新たに13人増えて計108人となり、このうち9人が死亡しました。感染が新たに確認された13人のうち10人は、サムスンソウル病院で感染しました。

 一方で、感染していた人のうち10日、新たに1人が退院し、退院した人は、合わせて4人になりました。

 韓国政府は、感染が疑われる人が見付かった場合に、診察を行う専門の病院を新たに32カ所指定したことを発表し、感染者と接触した可能性のある人や、発熱などの症状が出た人は、こうした病院で診察を受けるよう呼び掛けています。

 一方、韓国入りしている世界保健機関(WHO)の専門家チームは10日、最も多くの感染者が確認されたサムスンソウル病院を視察しました。WHOは、韓国での感染の広がり方は中東での広がり方と似ているものの、韓国では状況が変化し続けているため、さらに調査を進めることにしています。

 韓国政府は、これまでの感染はすべて病院内で起き、感染経路も把握できているとしていて、冷静な対応を呼び掛けていますが、これまでに3400人が隔離の対象となっているほか、多くの幼稚園や小学校などが休校を続けており、影響が広がっています。

 WHOは休校措置については、これまで学校で感染が確認されたケースはないとして、学校の再開を検討することを勧告しています。

 2015年6月11日(木)

 

■新潟県の男児、デング熱に東南アジアで感染 

 新潟県は10日、東南アジアに長期滞在した後に帰国した6歳以下の男児が、蚊を媒介とするデング熱に感染したと発表しました。男児は帰国後、蚊に刺されていないため、渡航先の東南アジアで蚊に刺されて感染したとしています。

 新潟県によりますと、男児は帰国後の6月2日、発熱や頭痛の症状を訴えて上越保健所管内の医療機関を受診し、3日後にデング熱と診断されました。男の子は入院しましたが、現在は回復に向かっているということです。

 デング熱を巡っては昨年の夏、東京都の代々木公園などで蚊に刺された人たちに相次いで国内感染が確認されましたが、新潟県内でも、同公園で蚊に刺された男女3人が発症しています。今回は海外渡航先での感染であり、同県内では2006年、2008年、2010年などにも各1人の感染例があります。

 同県内でのデング熱の発生は今年初めてですが、全国では94人が海外でデング熱に感染したことが確認されています。

 新潟県福祉保健部健康対策課感染症対策係によると、デング熱の潜伏期間は2~15日程度とされ、突然の発熱や激しい頭痛の症状が現れます。ウイルスは蚊を媒介して侵入するため、人から人へ直接感染しません。

 男児の場合、帰国後は蚊に刺されていないため、感染が広がる恐れはないとして、新潟県は冷静な対応を呼び掛けるとともに、海外に旅行などで滞在する際の感染に注意してほしいとしています。

 2015年6月11日(木)

 

■韓国のMERSによる死者7人に 日本で感染時は家族の健康も確認へ

 重い肺炎などを引き起こす中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が拡大している韓国で、新たに1人が死亡し、これまでに死亡した人は7人となったほか、感染者も8人増えて95人となりました。

 韓国の保健福祉省は9日午前、MERSコロナウイルスに感染し、治療を受けていた68歳の女性が死亡したと発表しました。

 また、新たに8人の感染も確認され、これまでに感染が確認されたのは死亡した7人を含め95人となりました。新たに感染が確認された8人のうち4人については、これまで院内での感染が確認されていた6つの病院ではなく、ソウル市内の2つの病院と中部の華城(ファソン)市にある1つの病院での感染が確認されたということです。

 これについて保健福祉省は、「すべて病院内での感染であり、感染経路は把握できている」とした上で、今週が感染拡大を防ぐための重要な山場だという見方を改めて示しました。

 また、世界保健機関(WHO)の専門家チームも9日から5日間、韓国側と合同で感染経路やウイルスの特性を分析するなどの調査を行うことにしています。13日に調査結果を発表する予定。

 9日午前、保健福祉省を訪れたWHOのフクダ事務局長補は、「韓国政府はよく対処していると思うが今回は国際的な専門家も一緒に訪問している。ウイルスの発生は国家に難しい状況をもたらす。韓国側の専門家とすぐに活動を始めたい」と述べ、韓国政府と協力して感染拡大の防止を図る考えを示しました。

 一方、韓国でMERSコロナウイルスの感染が拡大していることを受けて、厚生労働省は、国内で患者が確認された場合は、同居する家族などについても健康状態を確認したり、外出の自粛を求めることを決めました。

 9日、厚労省で感染症などの専門家が出席して会議が開かれ、国内で患者が確認された場合の対応を協議した結果、患者と同居する家族などについても、発熱などの症状があるなど患者と同様に感染の疑いがある場合は、指定された医療機関に搬送したり検査を行ったりすることを決めました。症状がないケースについても、ウイルスの潜伏期間に当たる最長2週間は、自治体が健康状態を確認するとともに外出の自粛を求めるとしています。

 厚生労働省は、「韓国では医療機関での感染にとどまっていて、国内で感染が起きるリスクは高くはないが、仮に国内で患者が確認された場合には、感染が広がらないよう万全の態勢を取りたい」としています。

 2015年6月10日(水)

 

■韓国のMERSによる死者6人に 感染者87人、16歳の男子高校生も感染

 重い肺炎などを引き起こす中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が広がっている韓国で、新たに80歳の感染者が8日に死亡し、これまでに死亡した人は6人となりました。

 韓国の保健福祉省によりますと、新たに死亡したのは、MERSコロナウイルスに感染したことが確認されていた80歳の男性で、この男性は3月から韓国中部の大田(テジョン)市で肺炎で入院していましたが、先月末に、病院内で感染者と接触していたことが確認されているということです。

 これまでに感染が確認された人は87人で、このうち6人が死亡しました。新たに確認された感染者には、16歳の男子高校生が含まれています。韓国で未成年者の感染確認は初めて。

 この男子高校生含む17人は、京畿道平沢(キョンギドピョンテク)市の平沢聖母病院で国内最初の患者と同じ病棟だった35歳の男性が5月27~29日に、ソウル市南部のサムスンソウル病院の応急室に入院した際に、院内感染したとみられます。35歳の男性の感染が確認されたのは5月30日で、サムスンソウル病院では8日まで計34人の感染が確認されています。

 また、感染者に接触したことから医療機関や自宅に隔離する措置が取られている人は、2500人余りに上っています。

 韓国では、感染が広がる中、休校となる学校が増えており、ソウル市など感染が確認されている地域を中心に、幼稚園や小中高校、大学など合わせて1800以上が休校となっています。

 ソウル市では、韓国有数の大規模なサムスンソウル病院で感染した人が増えていることから感染への懸念がさらに高まっており、マスクをする人が増え、外出も控えるなど市民生活にも影響が広がっています。

 2015年6月9日(火)

 

■韓国のMERSによる死者5人に 隔離対象者は2000人を超える

 韓国の保健福祉省は7日、重い肺炎などを引き起こす中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が新たに14人確認され、うち末期の胃がんだった75歳の男性が5日に死亡したと発表しました。感染者は死者5人を含む計64人となり、隔離対象者は計2000人を超えました。 

 また、ソウル市のサムスンソウル病院は7日、記者会見を開き、MERSコロナウイルスの感染者を処置した病院内の施設を出入りした患者や医療スタッフら計約890人を隔離対象とし、追跡調査していると明らかにしました。韓国初の患者である68歳の男性から感染した35歳の男性が転院した同病院では、感染者が医師2人を含む計17人となり、人口が集中するソウル市での感染拡大に懸念が高まっています。

 朴元淳ソウル市長は、「サムスンソウル病院を通じた地域社会での感染が懸念される」と警戒感を示しました。

 一方、MERSコロナウイルスの感染者が増えていることを受け、日本感染症学会は7日、東京都内で感染症対策の講習会を開き、全国の病院で感染症対策を担う医師ら180人を対象に、国内で患者が出た場合に感染を早期に発見できるよう緊急の注意喚起を行いました。

 講習会では、韓国の状況について、中東から帰国した最初の患者が感染者となかなか気付けず、6つの医療機関に感染が広まったことなどが報告されました。

 その上で、国内で患者が出た場合に備えて、受診の受け付けや医師の診察の際など複数回、患者に渡航歴を聞く機会を設け、感染の早期発見ができるようにすることや、MERSコロナウイルスの院内感染を防ぐ対策の徹底などを呼び掛けました。

 参加した医師の一人は、「韓国の状況をみていると、日本にも入ってくるかも知れないと意識を一段上げて対応すべきだと思いました」と話していました。

 日本感染症学会の岩田敏理事長は、「韓国とは人の行き来も多いので、医療機関は改めて対策を徹底してほしい。MERSは重症化しやすく集中治療が必要になるので、万が一に備え集中治療の専門家との連携も進めていきたい」と話していました。

 2015年6月8日(月)

 

■医薬品承認の厚労省委員8人、規定違反で辞任 製薬企業などから報酬を得る

 医薬品などの承認を行う厚生労働省の専門家会議の委員8人が、規定に違反して製薬企業などから定期的な報酬を得ていたことがわかり、8人は委員を辞任することになりました。

 辞任するのは、厚労省の「薬事・食品衛生審議会薬事分科会」の委員を務める医師や大学教授など合わせて8人。

 薬事分科会の委員は、医薬品や医療機器の製造販売の承認を行うため、厚労省の規定では製薬企業などから定期的な報酬を得ることが認められていませんが、8人は昨年度、製薬企業などの役員や顧問、嘱託医などを務め定期的な報酬を受け取るなど規定に違反していたということです。

 今年3月、厚労省が委員の勤務状況を確認して発覚したということで、8人全員が辞任届けを提出したといいます。厚労省によりますと、規定に違反して委員が辞任するのは異例だということです。

 このほか、規定では年間50万円を超える講演料などを受け取った場合は議決に参加できないと定めていますが、7人が違反していたということです。厚労省が議事録などを調べた結果、いずれの委員についても、講演料などを受け取った企業に有利になる発言はしていなかったということです。

 厚生労働省は、「委員に対する周知や確認が不十分だった。こうした事例があったのは遺憾で、おわびする。今後は委員に注意を呼び掛けるとともに、委員から申告があった企業側への確認を徹底して再発防止に努めたい」とコメントしました。

 2015年6月7日(日)

 

■まつげエクステ、4人に1人が健康被害 異変を感じたらすぐ受診を

 目のおしゃれとして人気のまつ毛エクステンションについて、国民生活センターは4日、4人に1人が目の痛みなど何らかの健康被害を経験していたとする調査結果を発表しました。

 まつ毛エクステは、人工の毛を1本1本接着剤で貼り付けてまつげを長く見せるもので、つけまつげに比べて自然に見え、化粧の時間も短縮できるとして、20歳代から40歳代の女性を中心に人気が高まっています。

 しかし、このまつげエクステについて、全国の消費生活センターには「目が痛んだ」「充血した」「まぶたがはれた」などという相談が、2010年度からの5年間で600件以上寄せられているといいます。

 このため、国民生活センターは今年3月、過去1年間にまつ毛エクステをしたことのある10歳代から50歳代の女性1000人に、インターネットを通じてアンケート調査を行いました。

 それによると、目やその周辺に異変や違和感を経験した人が250人と、全体の25パーセントを占めていました。具体的には、「目の痛みや異物感」が最も多く46パーセント、次いで「目やまぶたのかゆみ」31パーセント、「目の充血」26パーセントの順。中には、「まつ毛が生えなくなった」(6パーセント)、「視力の低下、かすみ」(5パーセント)を挙げた人もいました。

 考えられる原因は、「施術中に接着剤が目に入った」とした回答が23パーセントで最も多く、「接着剤が目やまぶたに触れていた」が19パーセントと続き、施術者の知識や技術不足のほか、接着剤の成分の影響が大きいとみられます。

 国民生活センターは、国や業界団体により刺激の少ない製品が出回るよう要望するとともに、利用者に対しては、目に異変が出る恐れがあることを知った上で、施術の前には十分な説明を受けるよう注意を呼び掛けました。

 同センターの吉田梨沙さんは、「事前に十分な説明をしてくれるサロンを選ぶとともに、目に異変が出たらすぐに病院を受診してほしい」と話しています。

 2015年6月6日(土)

 

■韓国のMERSによる死者3人に 日本では中東滞在者以外も対策強化

 重い肺炎などを引き起こす中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が増えている韓国で、新たに男性1人の死亡が確認され、死亡した人は合わせて3人となりました。

 韓国の保健福祉省は4日夜、韓国中部の大田の病院で3日夜に死亡した82歳の男性が重い肺炎などを引き起こすMERSコロナウイルスに感染していたことが確認されたと発表しました。これで確認された感染者は36人、このうち死亡したのが3人となりました。

 韓国では先月、中東から帰国した男性がMERSコロナウイルスに感染していたことが確認され、その後、この男性が入院した首都圏の病院を中心に感染が広がっています。

 これまで死亡した2人は男性と同じ病棟にいた人たちでしたが、今回、新たに死亡が確認された82歳の男性は、ほかの病気で別の病院にいて、そこに転院してきた感染者から感染したということで、3次感染で死亡した初のケースとなりました。

 韓国政府は感染の拡大を防ぐため、感染者に接触した人を医療機関や自宅に隔離しており、4日には隔離する対象を、これまでより300人ほど多いおよそ1600人に拡大しました。

 韓国政府は現時点で確認されている感染は、すべて医療機関の中で起きているとしており、病院と協力して感染者に接触した可能性のある人の確認を急いでいます。

 韓国では感染者の増加を受けて不安が広がっており、幼稚園や小中高校などの休園・休校は首都圏の京畿道など約1000カ所に急増したほか、中国など海外からの観光客の予約のキャンセルが相次ぐなど、影響が出ています。

 一方、韓国でMERSコロナウイルスに感染した患者が増えていることを受けて厚生労働省は、主に感染が広がっている中東以外の地域に滞在した人についても感染が疑われる場合、指定した医療機関に搬送するなど対策を強化するよう全国の自治体と検疫所に求めました。

 全国の自治体と検疫所に出した通知では、空港などの検疫所や医療機関で、症状が出てから14日以内に感染が疑われる患者と接触するなどしていた人を確認した場合は、直ちに指定の医療機関に搬送するほか、検査を行うよう求めています。また、発熱などの症状が出ていなくても感染が疑われる患者と接触した人については、14日間、検疫所に健康状態の報告を求めるとしています。

 2015年6月4日(木)

 

■生活保護の受給者、3月時点で217万4331人に 人数、世帯数ともに過去最多を更新

 厚生労働省は3日、全国で生活保護を受けている人が今年3月の時点で217万4331人となり、過去最多を更新したと発表しました。前月比5166人増で、これまで最多だった昨年3月を超えました。

 受給世帯も3773世帯増の162万2458世帯で、こちらも過去最多でした。

 世帯別(一時的な保護停止を除く)では、65歳以上の「高齢者世帯」が前の月よりおよそ2万世帯増えて78万6634世帯と全体の約49パーセントを占めます。次いで、働くことができる世代を含む「その他の世帯」が前の月よりおよそ2000世帯減って27万6801世帯、けがや病気などで働けない「傷病者世帯」が25万8177世帯、「母子世帯」が10万5442世帯などとなっています。

 景気回復の影響で、その他の世帯や母子世帯は減少傾向にありますが、高齢者世帯の伸びが全体を押し上げています。

 現在、高齢者世帯のおよそ4割が、生活保護基準より低い収入で生活している「老後破産」状態にあるといいます。今年4月の老齢基礎年金額は、満額で年78万100円と、1カ月当たり6万5000円ほど。もともと年金額は、子ども世帯と同居することを前提に決められているので、子どもと別々に生活している高齢者が多い現状では、年金だけで生活するのは困難な状況となっています。

 厚生労働省は、「雇用情勢の改善などで、働くことができる世代を含むその他の世帯や、母子世帯などでは減少傾向が続いている。一方で、高齢者世帯の受給に歯止めがかからないことに加え、年度末に契約が切れ仕事を失う人が出たため全体として増加につながったのではないか」と分析しています。

 2015年6月4日(木)

 

■厚労省がMERS対策の徹底を求める 韓国での感染拡大を受けて

 韓国で重い肺炎などを引き起こす中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染した患者が増えていることを受けて、厚生労働省は、全国の自治体に対し国内で感染した人が確認された場合に備え、二次感染を防ぐための対策を徹底するよう求めました。

 韓国では、サウジアラビアなどに滞在して帰国した男性や、この男性と接触した家族や医療スタッフなど25人が感染し、このうち2人の死亡が確認されています。

 日本国内ではこれまでのところ患者は確認されていませんが、厚労省は「韓国では、診断の遅れや、院内感染を防ぐ対策が徹底しておらず感染が広がった」として、全国の自治体に通知を出し、国内で感染した人が確認された場合に備え、二次感染を防ぐための対策を徹底するよう求めました。

 具体的には医療機関で院内感染を防ぐ対策を徹底するとともに、中東地域に14日以内に滞在していた人で、38度以上の発熱やせきなどの症状が確認されたり感染が疑われる患者や、感染源の一つとされるヒトコブラクダに接触したりした患者が医療機関を受診した場合は、直ちに保健所に届け出ることを周知し検査を行うよう求めています。

 併せて、厚労省は全国110の検疫所に指示して、14日以内に中東に滞在歴のある人が入国する際に発熱などの症状がある場合は申し出るよう呼び掛けているほか、韓国に滞在していた人についても症状の申告を求めるかどうかなどについて検討しています。

 感染が疑われる患者が出た場合には、患者の鼻やのどの奥から取った検体の遺伝子検査を各地の地方衛生研究所で行い、結果が陽性だった場合には、さらに国立感染症研究所で確定検査を行います。患者の治療は、国や都道府県が定める感染症指定医療機関で行われ、院内で感染を広げないため、室内の空気が外に漏れないようにした感染症専用の病室が使われることになります。

 MERSコロナウイルスに詳しい国立感染症研究所の松山州徳室長は、「韓国で感染が広がっているが、今のところ感染のつながりは追えている。患者と接触した人も把握できているので、韓国から日本にウイルスが侵入する可能性は低いと考えられる。ただ、患者と接触した人が600人以上になっているので、体調の変化などを十分に把握できないなどの漏れがあるかもしれず、リスクはゼロではない」と話しています。

 その上で、「現状では、国内の一般の人が不安を感じる必要はないが、医療機関は韓国の例を教訓に、患者の渡航歴の確認の徹底や疑い患者が出たらどう対応するのかなど、今一度MERSへの対策を見直しておくことが大切だ」と指摘しています。

 2015年6月3日(水)

 

■韓国でMERSの感染者25人、死者2人、隔離750人に さらに増加の恐れも

 韓国で、重い肺炎などを引き起こす中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染した患者が増えている問題で、韓国政府は、感染した人に接触したおよそ750人を医療機関や自宅で隔離する措置を取るなど対策に全力を挙げています。

 MERSコロナウイルスは、昨年の春以降、中東を中心に感染が広がっています。韓国では先月、サウジアラビアなどに滞在して帰国した68歳の男性が感染していたことが初めて確認された後、この男性と接触した人への二次感染や、その人からさらに別の人への三次感染が確認されており、韓国の保健福祉省によりますと、これまでに25人が感染し、このうち58歳の女性と71歳の男性の2人が死亡しました。

 こうした事態を受けて、韓国政府は2日、感染が確認された25人に密接に接触した人を最大で14日間、隔離する対策を取ることを発表しました。

 対象者は、現時点で750人余りに上っており、このうち、およそ700人には自宅から出ないよう指示し、残る人たちは慢性疾患を抱えていることなどから医療機関での隔離を行うとしています。

 自宅で隔離される人たちに対しては、1日2回、保健当局が連絡を取り、症状を確認することにしており、連絡が取れない場合は、直接訪問して所在や症状を確認するということです。

 また、これまでのところ感染はすべて医療機関の中で起きていることから、医療機関内の感染対策を強化するほか、感染が確認された病院については病院や病棟自体を隔離するとしており、感染の拡大を防ぐことに全力を挙げています。

 韓国社会では、こうした事態に懸念が広がるとともに、政府の初期の対応や、感染が確認された病院の名前を公表していないことについて批判が高まっています。

 MERSコロナウイルスは、12年前に中国などで感染が拡大し、800人近くが死亡した新型肺炎「SARS」の原因と同じ、コロナウイルスの仲間です。3年前にサウジアラビアの病院に入院した患者から初めて検出され、先月31日までに中東を中心にアフリカやヨーロッパ、アメリカ、アジアなどの合わせて25カ国で1154人の感染が確認され、うち434人が死亡しています。

 患者の大半は中東地域で感染したとみられ、流行のピーク時の昨年4月から5月にかけては、サウジアラビアとアラブ首長国連邦で医療関係者に感染が相次いだこともあって、一時は1週間の患者数が100人を超える事態になりました。しかし、その後は患者数も減少し、多くても1週間に十数人程度の状況が続いていました。

 このMERSコロナウイルスに感染すると、発熱やせき、息切れなどの症状が現れ、多くの場合、肺炎を起こして呼吸困難に陥ります。とりわけ糖尿病や心臓病など慢性的な病気を抱えている人や高齢者が重症化しやすく、致死率は40パーセント程度に上るとみられています。

 患者のせきなどで出る飛まつを吸い込むことなどによって感染し、感染してから発症するまでの潜伏期間は長くて2週間程度とされ、予防のためのワクチンはなく治療法も確立されていません。

 もともと、動物の体内にいたウイルスが、人に感染するようになったとみられていますが、詳しい感染経路はわかっておらず、中東地域では、ヒトコブラクダの世話をしたり乳を飲んだりした人が感染していることなどから、ヒトコブラクダが感染源の1つと考えられています。

 これまでのところ、人から人への感染は医療機関の中や家族の間などに限られており、感染力は強くないと考えられていますが、MERSコロナウイルスは変異が起きやすい特徴があるため、感染者やウイルスの動向を注意深くみていく必要があるとされています。

 2015年6月3日(水)

 

■韓国でMERS感染疑いの女性が死亡 患者は18人に上る

 韓国では、重い肺炎などを引き起こす中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに感染した患者が18人に上る中、感染した疑いがあるとされていた女性が1日夕方、死亡しました。保健当局は検査を進めて、MERSコロナウイルスとの関連を調べています。

 MERSコロナウイルスは、重い肺炎などを引き起こすウイルスで、昨年の春以降、中東を中心に感染が広がっており、韓国では、サウジアラビアやバーレーンなどに滞在した後に帰国した68歳の韓国人男性が、感染していたことが先月確認されました。

 韓国の保健福祉省によりますと、これまでにMERSコロナウイルスへの感染が確認された人は、この男性のほか、男性と接触した家族や医療スタッフら、合わせて18人に上っています。全員が国内に分布する国家指定
入院治療病床に入院中であり、3~5人の状態がよくないとみなされています。

 さらに保健福祉省は、感染した疑いがあるとされていた58歳の女性が1日午後6時ころ、急性呼吸不全で死亡したと明らかにしました。死亡した女性は、男性が入院していた病院で、何らかの形で感染者に接触したとみられ、保健福祉省は、疫学調査や遺伝子検査を進め、MERSコロナウイルスとの関連を調べています。

 今回、韓国では、当局が感染者の隔離を迅速に行わなかったと指摘されており、感染者と接触し感染した疑いがあるとされて、検査のため医療施設に隔離されたり自宅待機を命じられたりした人は680人以上に上っています。この中から死亡した人が出たことで、当局への批判が強まりそうです。

 韓国のソウル新聞によると、韓国国内でMERSコロナウイルスの感染が拡大する中、市民が外出を控えたり、マスクや液体せっけんの売れ行きが急激に伸びるなどの現象が起きているといいます。

 2015年6月2日(火)

 

■エイズ感染、高水準が続き過去3番目 20歳代は過去最多に

 厚生労働省のエイズ動向委員会は5月27日、2014年の1年間で新たにエイズウイルス(HIV)への感染が判明した人とエイズ患者の数が、過去3番目に多い計1546人だったとの確定値を発表しました。今年2月に発表した速報値1520人から修正しました。

 新たな感染者と患者の報告は近年、計1500人以上の高水準が続いています。検査を受けないままエイズを発症して、初めて感染が判明した人の数は455人で、過去4番目に多くなりました。

 新たな感染者1091人のうち、20歳代が349人で、統計を取り始めた1985年以降で最多となり、年代別でも347人の30歳代を抜いて最も多くなりました。20歳代の感染者数が30歳代を上回ったのは、12年ぶりといいます。

 また、人口10万人当たりの感染率でみても、20歳代は他の年代に比べて増加傾向が目立っているといいます。

 エイズ動向委員会の岩本愛吉委員長は、「10歳代に向けたエイズに関する知識の普及啓発が、不足している可能性がある」と指摘しました。

 一方、エイズを発症した地域別の患者数は、東京、大阪、名古屋の三大都市を含む地域からの報告が約8割を占めますが、九州地方からの報告が2年連続で増加。人口10万人当たりのエイズ患者数では、沖縄県が最も多く、福井県が2位でした。

 岩本委員長は、「沖縄県は外国人観光客の多さなどが考えられるが、福井県が上位に入る要因はわからない」と述べ、分析が必要だとしました。

 2015年6月2日(火)

 

■マイナンバーで医療情報など一元管理へ 政府、2018年度から運用

 政府は29日、産業競争力会議の会合を開き、国民に番号を割り当てるマイナンバー制度で、加入する医療保険や受診歴などがわかるシステムを導入する方針を正式に決めました。2018年度から段階的に運用を始め、2020年の本格運用を目指します。

 医療の分野では、患者情報を一元化して、医者らがカルテや診療報酬明細(レセプト)などの医療情報を共有できるようにし、重複診療や処方薬の大量投与、重複投与を避けます。医療以外の分野でも、戸籍や旅券、自動車登録などにマイナンバー制度を幅広く活用して、国民の利便性を高める方針を決めました。

 新制度では、医療情報を管理するための医療番号を新たに作ります。医療番号はマイナンバーと連動するシステムであり、医療番号を使って医療機関や薬局、介護事業者らが情報を共有できるようにします。医療番号を使った情報管理は、個人の任意で実施します。

 マイナンバー制度が2016年1月から始まると、個人番号カードが配布されます。2017年7月以降、個人番号カードは健康保険証としても利用できます。ICチップが搭載されており、医療機関で認証すると、医者はマイナンバーと連動した患者の医療番号を把握できます。医者が扱う情報は医療分野のみにし、情報漏洩リスクを最小限にします。

 医療番号とカルテを連動させるには、カルテの電子化が必要。電子カルテを導入している400床以上の一般病院は、2011年度に57にとどまります。政府は2020年度に90パーセントに拡大する目標で、電子カルテの導入費用への予算措置を検討します。

 番号制度を通じて集まった病気や治療に関する医療情報は匿名にして、いわゆるビッグデータとして活用。製薬企業や大学に開放し、新薬開発などに生かします。政府は幅広い治療結果のデータを分析して、効果的な治療に役立てます。

 無駄な検査や投薬が見付けやすくなるため1兆円規模の医療費削減につながると期待される一方で、国民の不安感が根強い情報流出や、不正利用の対策が課題となります。

 2015年6月1日(月)

 

■韓国でMERS患者15人に拡大 1人は中国出張中に確認

 韓国の聯合ニュースは、重い肺炎などを引き起こす中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに、サウジアラビアやバーレーンなどに滞在した後に帰国した韓国人男性(68歳)が感染したことが今月初めて確認され、31日未明までに妻や医師ら韓国人計15人に感染が拡大したと報じました。

 こうした中、男性(68歳)と接触して感染が疑われていた別の男性(44歳)は、出張のため韓国の仁川から空路で香港入りした後、陸路で中国の広東省に移動。同省内の病院で隔離され、40度近くの高熱が出て肺炎の症状もみられるということで、29日夕方に感染が確認されました。中国での感染確認も初めて。

 一方、香港メディアは30日、感染が確認された韓国人男性(44歳)と同じ仁川発香港行きのアシアナ航空機に搭乗後、体調不良を訴えていた3人は検査の結果、いずれも陰性だったと報じました。香港の衛生当局は、韓国人男性と席が近かった29人を「濃厚接触者」と判断しましたが、3人は濃厚接触者ではありませんでした。

 香港の衛生当局は、29人の濃厚接触者のうち18人を強制隔離しましたが、残りの11人はすでに香港を離れていることも判明しました。

 世界保健機関(WHO)などによりますと、中東呼吸器症候群(MERS)は2012年に発見された「MERSコロナウイルス」に感染することで発症し、発熱やせきといった症状が出て、重い肺炎などを引き起こすのが特徴。詳しい感染経路はわかっていませんが、ラクダが感染源の1つと考えられています。人から人への感染は、二次感染対策などが整っていない医療機関の中や家族の間などで起こる可能性が指摘されています。

 WHOによりますと、サウジアラビアなど中東の国々を中心にこれまでに1139人の患者が確認され、このうち、およそ37パーセントに当たる431人が死亡しています。中東以外でも、アメリカやイギリスなどの欧米の先進国でも患者が確認されているほか、アジアではマレーシアやフィリピンで患者が報告されていました。

 2015年5月31日(日)

 

■認知症の社会的費用は年間14兆5000億円 家族介護も費用換算で4割占める

 高齢化に伴い、認知症の患者が増え続ける中、昨年1年間に認知症の人にかかった医療や介護などの費用は、およそ14兆5000億円に上るという初めての推計を厚生労働省の研究班が29日にまとめました。

 認知症の患者は高齢化に伴い増え続け、3年前の時点では全国でおよそ462万人、10年後の2025年には、多い場合でおよそ730万人に達すると推計されています。

 厚労省の研究班は、医療機関から発行される診療報酬明細書や介護サービスを受けた人のデータを基に、昨年1年間に認知症の人にかかった医療や介護などの費用を初めて推計しました。

 その結果、入院と外来を合わせた医療費はおよそ1兆9000億円、介護サービスの費用はおよそ6兆4000億円となることがわかりました。

 研究班ではさらに、家族の介護を担っている1482人を対象に介護に費やしている時間を調べ、無償の介護を介護サービスなどに置き換えたと仮定した費用、家族らが介護時間に働いていたらもらえたはずの賃金などを試算し、金額で示しました。

 その結果、家庭で行われている介護を費用に換算すると6兆1500億円余りで、昨年1年間に認知症の人にかかった医療や介護などの費用をすべて合わせると、およそ14兆5000億円と推計されることがわかりました。

 こうした費用は、2025年にはおよそ19兆4000億円、2060年には24兆2600億円余りに増加すると推計されています。

 厚生労働省の研究班の主任で、慶応大学医学部の佐渡充洋助教は、「認知症患者が増え続ける中、限りある財源をどのように使い、患者とその家族を支えていくか社会全体で考えていく必要がある」と話しています。

 2015年5月30日(土)

 

■生肉や生レバーの提供、豚も禁止 E型肝炎の危険性で6月中旬から

 厚生労働省は27日、豚の生肉や生レバーの飲食店での提供を禁止することを決めました。生で食べると、E型肝炎ウイルスの感染や寄生虫による食中毒の危険性があるためです。

 3年前の2012年7月に牛の生レバーの飲食店での提供が禁止された後、豚の生レバーを提供する店が後を絶たず、厚労省は規制が必要と判断。食品衛生法の基準を改正し、6月中旬から実施します。

 豚肉や豚の内臓を生で出すことを禁止し、「中心部を63度で3分間以上加熱する」か「これと同等以上の殺菌効果がある方法での加熱殺菌をする」ことを義務化し、焼くことを前提に提供する場合でも、飲食店側は十分に加熱して食べるよう、客に伝えなければならなくなります。

 違反した場合は、懲役2年以下または罰金200万円以下を科すことができます。

 E型肝炎は、感染から発症までの潜伏期間は平均で約6週間。発熱や腹痛、嘔吐のほか、黄疸が出ることもあります。安静にしていれば多くは自然に回復するものの、重症化したり死亡することもあります。

 国立感染症研究所によると、2014年のE型肝炎の国内報告数は暫定値で146件を数え、過去最多になりました。2012年〜2014年の報告症例から感染源を調べると、「不明」を除いた151例のうち豚が3〜4割を占め、食材では最も多かったといいます。

 同研究所の感染症疫学センター第2室の砂川富正室長は、「E型肝炎ウイルスは比較的、熱にも耐性がある。新鮮かどうかは関係なく、豚の肉やレバーはよく火を通して食べる必要がある」と話しています。

 牛の生レバーが禁止された2012年7月には、禁止前の駆け込み需要で生レバーを食べた人が多かったことから、食中毒の患者数が急増しました。そのため、厚労省は、6月中旬の禁止を前に、「駆け込みで生の豚を食べるのはやめてほしい」と呼び掛けています。

 牛の生レバーの提供が禁止されて以降、その味を忘れられない人たちにも支持されてきた豚の生肉。提供する飲食店はメニューの変更を迫られ、利用する客からは「生のほうがおいしいのに」と惜しむ声が漏れました。

 東京都大田区のもつ料理店「最後の楽園レバーランド」は4年前に開店した当初から、豚のレバ刺しを看板メニューにしてきました。毎日30皿前後の注文が入る人気だという26日夜、カウンターでレバ刺しをつまんでいた会社員男性(48歳)は、好物だった牛の生レバーが禁止されたためこの店を探し当て、今は週に1〜3回は通っているといいます。「豚肉は生で食べるイメージがなかったが、試してみたらおいしかった。禁止されるなら仕方ないが残念だ」。

 ほかの会社員男性(40歳)は、「サバやカキなど他にもあたりやすい食材はあるのに、豚だけ画一的に禁止するのはどうなのか」と納得していませんでした。

 2015年5月29日(金)

 

■医療保険制度改革関連法が成立 国保は都道府県に移管、入院食費の負担は200円増

 赤字が続く国民健康保険の財政基盤を強化するため、2018年度に運営主体を市町村から都道府県に移すことを柱とした医療保険制度改革関連法が27日、参議院本会議で自民党や公明党などの賛成多数で可決され、成立しました。

 医療保険制度改革関連法は、高齢者や非正社員の比率が高く、年間3000億円を超える赤字が続いている国民健康保険の財政基盤を強化するため、国が行う財政支援を拡充した上で、2018年度に運営主体を市町村から都道府県に移すことを柱としています。

 そして、国が行う財政支援の財源を確保するため、今年度から3年かけて、大企業のサラリーマンらが加入する健康保険組合の負担を段階的に引き上げるとしています。

 また、負担の公平を図るため、一般病床に入院している患者の食事代について、自己負担額を段階的に引き上げるほか、紹介状なしで大病院を受診した場合には追加負担を求めるとしています。

 入院時の食事代の自己負担額は、今の1食260円から2016年度に360円、2018年度に460円に2段階で値上げされます。難病患者などの負担額は、変わりません。住民税が非課税の低所得者の負担額も、今の210円か100円のまま据え置かれます。

 紹介状なしで大病院を受診する人は、2016年度から新たに定額負担が必要になります。大病院が重症患者の治療に専念しやすくするためで、対象は大学病院を中心とした「特定機能病院」やベッド数500床以上の病院を想定し、「5000円から1万円」の金額を目安に定額負担を求めるとしています。

 さらに、健康保険が適用される診療と適用されない診療を合わせて行う「混合診療」の範囲を拡大し、患者からの申し出を受けて、新しい治療や投薬を実施できるようにする制度を創設するとしています。

 2015年5月28日(木)

 

■後発医薬品、5年後8割以上の割合に 医療費1兆円以上抑制へ

 厚生労働省は医療費の抑制に向けて、価格が安い後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品の使用割合を5年後の2020年度までに80パーセント以上に引き上げ、1兆円以上を削減するほか、糖尿病の重症化の予防に取り組むなどとする方針をまとめました。

 厚労省は、基礎的財政収支を2020年度までに黒字化するとした政府の目標の達成に向けて、焦点となっている社会保障費の抑制の方針をまとめました。

 それによりますと、医薬品の特許が切れた後に販売される価格の安い後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品の使用割合を2017年度までに60パーセント以上に引き上げるとした目標を1年前倒しし、来年度までに達成した上で、5年後の2020年度までに80パーセント以上に引き上げ、1兆円以上の医療費を削減するとしています。

 さらに、生活習慣病である糖尿病が重症化して腎臓を悪くし人工透析を受ける患者が増えていることを踏まえ、データを活用した糖尿病の重症化予防に重点的に取り組むほか、C型肝炎の新薬を医療費助成して重症化予防を強化したり、高齢者の肺炎予防を推進し、合わせておよそ3000億円の医療費の抑制につなげたいとしています。

 塩崎恭久厚生労働大臣は、26日に首相官邸で開かれた政府の経済財政諮問会議で、こうした新たな方針を表明しました。

 2015年5月27日(水)

 

■酒を飲むとすぐ顔が赤くなる人、心臓発作に注意を 医師らが解明

 酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人は、安静時に心臓発作が起きる冠攣縮(かんれんしゅく)性狭心症を発症するリスクが高いことが、熊本機能病院(熊本市北区)の水野雄二副院長(循環器内科)らの研究で判明しました。研究成果は、米医学誌「サーキュレーション」に掲載されました。

 アルコールは体内で、まずアセトアルデヒドへ代謝され、さらにアルデヒド分解酵素により分解されて無毒化されます。しかし、日本人の約45パーセントでは、アルデヒド分解酵素の遺伝子型はアセトアルデヒドの分解能力が低いタイプのため、酒に弱く顔が赤くなる「アルコールフラッシング症候群」の人が多いといいます。

 冠攣縮性狭心症は、熊本機能病院・熊本加齢医学研究所の泰江弘文所長(元熊本大教授)が中心となって病態を解明し、治療が進んできました。心臓の冠動脈が異常に収縮して、心筋が酸素欠乏を来す狭心症で、夜間から朝方に多く、胸痛や息苦しさ、突然死を起こす原因の一つ。欧米人に比べ、日本人に多く、狭心症の4割以上が冠攣縮性狭心症という調査結果があります。

 水野医師らはこれまでに、飲酒によって冠攣縮性狭心症が誘発され、特にアルコールフラッシング症候群の人で発症の可能性が高いことを解明。今回新たに202人を分析したところ、冠攣縮性狭心症の患者ではアルコールフラッシング症候群の出現率が68パーセントに上り、冠攣縮性狭心症ではない人に比べ約27ポイント高くなりました。

 水野医師は、「冠攣縮性狭心症は従来、たばこの煙が主な原因と考えられてきたが、新たな原因がわかった。お酒を飲んだら赤くなる体質の方は、この心臓発作に注意が必要」と話しています。

 2015年5月26日(火)

 

■65歳のドイツ人女性、四つ子を出産 世界最高齢と報道

 ドイツの民放テレビRTLは23日、44歳の娘を筆頭に13人の子どもを持ち、ウクライナで人工授精により妊娠した65歳のドイツ人女性アンネグレート・ラウニヒクさんが、四つ子を帝王切開で無事出産したと伝えました。四つ子を産んだ母親としては、世界最高齢といいます。

 RTLによると子どもは男児3人と女児1人で、ベルリンの病院で生まれました。26週の未熟児で、40週で生まれた新生児と比べると未発達のため健康状態に問題が生じる恐れも否定できないものの、生存できる可能性が高いといいます。

 65歳のラウヒニクさんは、ベルリン在住の英語とロシア語の教師で、定年退職を間近に控えています。ドイツでは卵子提供が禁じられているため、ウクライナで提供された卵子に数回の人工授精をして四つ子を妊娠した彼女には、44歳を頭に13人の実子がいる上、すでに孫も7人います。四つ子の出産で、子どもは17人になりました。

 RTLは、四つ子の妊娠から出産までのラウヒニクさんを追う番組制作の権利を得たものの、出産時に病院での収録はしなかったといいます。

 ラウヒニクさんの四つ子妊娠はRTLで先月報道され、世界中の注目を集めていました。先月の報道でラウヒニクさんは、「9歳になる末娘が弟か妹を欲しがったため、人工授精に踏み切った」と語っていました。

 子どもが入学する頃には70歳を超える年齢での出産への批判には、「何が起きるかわからないでしょう。20歳代でいろいろなことが起きる人もいます」と述べ、子供を産む時期は各個人が決めることだと話していました。

 2015年5月24日(日)

 

■第三者からの精子や卵子の提供、「利用したい」が2割超

 晩婚化などの影響で不妊症に悩む夫婦が増える中、第三者からの精子や卵子の提供を利用したいと考える人が全体の20パーセント以上を占めたことが、厚生労働省の研究班の調査で判明しました。

 専門家は、「国内での生殖補助医療の法整備について議論を急ぐべきだ」と指摘しています。

 この調査は、厚労省の研究班が、昨年2月、インターネットを通じて2500人の男女を対象に行いました。

 この中で、自分が不妊症だった場合、第三者からの精子や卵子の提供を望むか尋ねたところ、「利用したい」「配偶者が賛成したら利用したい」と答えた人は、精子の提供については24・9パーセント、卵子の提供については26・8パーセントでした。

 また、妻が病気で子宮を失った場合などに別の女性に出産してもらう「代理出産」については、「利用したい」「配偶者が賛成したら利用したい」と答えた人は合わせて29・1パーセントでした。

 調査を行った東京大学大学院の大須賀穣教授は、「技術が進歩する中で、精子や卵子の提供など第三者がかかわる生殖補助医療を利用したいと考える人が少なくないことがわかった。海外で治療を受ける人が増える一方で倫理面などの議論が追い付いていないのが現状で、国内での法整備について議論を急ぐべきだ」と指摘しています。

 2015年5月24日(日)

 

■武田薬品に業務改善命令へ 降圧剤を誇大広告

 大手製薬会社、武田薬品工業の降圧剤「ブロプレス」の臨床研究データを使った医師向けの広告に、論文とは異なるグラフが使われた問題で、厚生労働省は22日、医薬品医療機器法(旧薬事法)で禁じられた「誇大広告」に相当するとして、同社に業務改善命令を出す方針を固めました。武田薬品側の弁明を改めて聞いた上で、正式に処分します。

 臨床研究は2001年~2005年、京都大、大阪大、慶応大などのチームが実施し、武田薬品が37億5000万円の資金を提供。高血圧の患者約4700人を対象に、ブロプレスと別の薬を投与し、脳や心臓の病気の発症を抑える効果を比較しました。

 他社製品と「有意差がない」とする解析結果が出ましたが、武田薬品が作った医師向けの広告では、長期間使うとブロプレスのほうが有効だと印象付けるグラフなどが使われていました。別の広告には、適応が認められていない糖尿病にも効くかのように印象付ける表現がありました。

 問題は昨年2月、臨床研究の論文のグラフと同社の広告のグラフが異なると専門家が指摘して発覚。厚労省が同社社員らから事情を聴いた上で資料分析した結果、広告は事実より効果を大きく見せていると判断したとみられます。

 武田薬品が調査を依頼した第三者機関は昨年6月、データの改ざんや捏造(ねつぞう)は確認できず、誇大広告はなかったとする報告書を発表。広告のグラフついても「意図的な変更を裏付ける証拠はなかった」としていました。

 武田薬品の広報担当者は、「現時点で当社としてコメントできることはない」としています。

 2015年5月22日(金)

 

■電子たばこから発がん性物質やニコチンを検出 厚労省が調査

 香りや味の成分などを含む液体を電気で熱し蒸発させて吸う「電子たばこ」のうち、国内で販売されている一部の製品から発がん性物質やニコチンが検出されたことが、厚生労働省の研究班の調査でわかりました。

 国内ではニコチンを含む電子たばこの販売は禁止されているため、厚労省は今後、電子たばこの健康への影響について調べ、規制が必要かどうか検討することにしています。

 厚労省の研究班は、国内で販売されている電子たばこの安全性を確認するため、9種類の吸入器具と103種類の液体を対象に調査を行いました。

 その結果、電子たばこを30秒間隔で10回吸った場合、4種類の吸入器具から発生した煙から発がん性物質の「ホルムアルデヒド」が検出されました。このうち2種類の吸入器具の煙からは120マイクログラムと100マイクログラムのホルムアルデヒドが検出され、たばこに含まれる76マイクログラムを上回りました。また、8種類の液体からは微量のニコチンが検出されたということです。

 調査を行った国立保健医療科学院の欅田尚樹生活環境研究部長は、「今回、電子たばこから検出された発がん性物質やニコチンは、通常のたばこに比べると微量なケースが多いが、健康被害につながるリスクがあるかどうか検証する必要がある。使用する際の電圧や吸入する間隔などによっても、発がん性物質の濃度は変化するので詳しく研究していく必要がある」と指摘しています。

 電子たばこを巡っては、国民生活センターなどの5年前の調査で、一部の製品からニコチンが検出されたため、厚労省は事業者に販売の中止と製品の回収を指導するとともに、妊娠している人などに対して使用しないよう注意を呼び掛けていました。

 海外では、たばこと同様にニコチンが含まれた電子たばこが販売され、欧米などで急速に市場が拡大していますが、国内ではニコチンを含む電子たばこの販売は医薬品医療機器法(旧薬事法)により禁止されています。このため、製品には「ニコチン0ミリグラム」や「ニコチンを含まない」などと表示され、たばこと異なって未成年者でも購入できます。

 世界保健機関(WHO)は、海外の電子たばこにはニコチンが含まれてることなどから、昨年8月に各国に対して「未成年者や胎児の健康に深刻な影響を及ぼす恐れがある」などとして、未成年者への販売を規制することなどを勧告し、アメリカでは未成年者への販売や飲食店や公共施設での使用を禁止するなど規制の動きも出ています。

 国内でも、たばこに代わるものとして、電子たばこはインターネットや路面店で販売されています。厚労省の研究班がインターネットを通じて8200人余りを対象に行った調査によりますと、全体の6・6パーセントが使用した経験があると推計されていますが、詳しい実態はわかっていません。

 国立がん研究センターの望月友美子たばこ政策研究部長は、「日本でも電子たばこが広がっているとみられるが、規制が追い付いていないので、無法地帯といえる状況だ。今はインターネットなどで海外からも簡単に入手できる以上、安全性をチェックするためにも何らかの規制を検討していく必要がある」と指摘しています。

 2015年5月22日(金)

 

■精子の凍結保存、患者の了承なく中止 大阪市立総合医療センター

 大阪市立総合医療センター(大阪市都島区)が、放射線治療を受けた患者の将来の不妊治療のために行ってきた2人分の精子の凍結保存を、本人の了承を得ずに中止していたことがわかりました。

 同病院は、精子を作る機能に悪影響を及ぼす恐れがある放射線治療を行う場合、将来の不妊治療のため患者の精子を無償で凍結保存してきました。3年前の2012年4月の時点で13人分の精子を保存していましたが、保存の責任者だった婦人科の男性元副部長が別の病院に異動するのに伴って、保存の中止を決定。

 患者に口頭で了承を得たり、「1年ごとに意思表示をしなければ廃棄する」とする文書を渡したりしていたということです。

 ところが、血液の病気を患って放射線治療を受けた大阪府と奈良県の30歳代の男性2人について、昨年9月に本人の了承を得ないまま、それぞれ2003年12月と2004年11月から始めていた凍結保存を続けるための液体窒素の補充を打ち切ったということです。

 今年4月、精子を使おうとした大阪府の男性が病院に問い合わせし、この男性と奈良県の男性について、了承が得られていなかったことが発覚。

 このうち奈良県の男性に対し、病院は謝罪したと説明しています。また、大阪府の男性については、3年前、4カ月以内に精子を保存する医療機関を自分で探すよう口頭で伝えたものの、男性から連絡はなく、了承を得ないまま保存を中止したということで、「説明が不十分だった」としています。

 大阪市立総合医療センターは、「大阪の男性には説明したが凍結保存継続の意思表示がなく、奈良の男性は了承を得たかどうか確認が取れていなかった。患者側との認識のずれが生じた可能性があり、説明が不十分だったことは否めない。本人の了承を文書で取るべきで、申し訳ない」と話しています。

 2015年5月21日(木)

 

■熱中症、1週間で480人搬送 2人死亡、11人重症

 総務省消防庁は19日、熱中症により5月11日~17日の1週間で480人が病院に救急搬送され、このうち2人が死亡したとの集計結果(速報値)を発表しました。

 前回週の5月4日〜10日の334人(速報値)と比べると、146人の増加となりました。また、今年の熱中症による搬送者数は、消防庁がカウントを始めた4月27日以降における累計としては1371人(速報値)に達しています。

 集計によると、3週間以上の入院が必要な重症が11人、短期間の入院が必要な中等症が131人でした。年齢別では、65歳以上の高齢者が全体の半数近くを占めました。

 今回週では、前半は台風6号の接近に伴い一部地域で激しい雷雨に見舞われ、気温も低下。しかし、その後は台風一過の言葉通り天候が回復し、気温も上昇したのに伴い、熱中症による搬送者数も増加しました。16日こそ前線の影響で再び天候が悪化したこともあり、搬送者数は減ったものの、翌17日には全国的に晴れ渡り、再び気温も上昇、搬送者数も多数に及ぶこととなりました。

 都道府県別では、東京都の39人が最多で、埼玉県37人、沖縄県33人、愛知県31人の順。死亡は長野、愛知両県で各1人でした。注意すべき動きは、埼玉県が前回週と前々回週で都道府県別で最多人数を記録しており、今回週も東京都に続き第2位の高値を付けていることです。

 消防庁は毎週集計し、火曜日にホームページで公表しています。一方、環境省は全国841地点に関し、熱中症の危険度を示す「暑さ指数」をホームページに掲載しており、熱中症予防に役立てるよう促しています。

 今後は暑さが本格化するとみられ、消防庁は「こまめな水分補給や室温が28℃を超えないよう、エアコンや扇風機を上手に使うことを心掛けてほしい」と呼び掛けています。

 2015年5月20日(水)

 

■1錠6万円のC型肝炎の新薬、医療費の助成対象に 月の患者負担1万~2万円

 厚生労働省は18日、C型肝炎の治療に高い効果がある新しい飲み薬「ソバルディ」(一般名ソホスブビル)による治療を、医療費助成制度の対象とすることを決めました。

 1日分となる1錠の薬価は6万1799円で、併用薬も含めて12週間服用すると約550万円かかりますが、助成により患者の月額の自己負担は2万円以下に抑えられます。世帯の市町村民税額が年23万5000円未満なら月額の自己負担は1万円、23万5000円以上なら2万円となります。

 C型肝炎の従来の治療は、注射によるインターフェロンなどの投与が主流で、人によって効果に差があるほか、発熱やうつなどの副作用があるために、高齢者では治療を続けられくなるケース多くありました。ソバルディは飲み薬で、治療期間の短縮と高い治療効果が期待されています。

 ソバルディは、アメリカの製薬会社「ギリアド・サイエンシズ」が開発。C型肝炎患者の2~3割を占める「2型」と呼ばれる遺伝子型が対象で、中外製薬の抗ウイルス薬「コペガス」(一般名リバビリン)と併せて服用する治療で、慢性肝炎と初期の肝硬変の患者への効果が認められています。

 2015年5月19日(火)

 

■PM2・5、全国の観測地点8割超で基準未達成 環境省が分析

 健康への影響が指摘されている大気汚染物質「PM2・5」について、環境省が2013年度の全国の観測地点の濃度を分析した結果、80パーセント以上で、健康を守るために望ましいとされる国の環境基準を達成できていなかったことがわかりました。

 PM2・5は粒径2・5マイクロメートル以下の微粒子で、ぜんそくや気管支炎、肺がん、不整脈などの病気を引き起こす恐れがあると指摘されている大気汚染物質でもあり、中国大陸などからの「越境汚染」の影響のほか、国内では自動車からの排ガスなどが原因物質として挙げられます。

 環境省は健康を守るために維持することが望ましい基準として、大気1立方メートル当たりの濃度を1日の平均で35マイクログラム以下、年間の平均で15マイクログラム以下と定めており、2014年3月までの1年間に全国492地点で観測されたPM2・5の濃度のデータを分析しました。

 その結果、環境基準を達成できたのは16・1パーセントに当たる79地点で、83・9パーセントに当たる413地点で環境基準を達成できていなかったことがわかりました。本格的に全国で測定を始めた2011年度の達成率27・6パーセント、2012年度の達成率43・3パーセントに比べて、最も低くなっています。

 また、環境基準を達成できなかった地点は、特に関東や西日本で多くなっています。月別では、7月と8月に1日平均の基準を超える日が多かったということです。

 その原因について環境省は、中国大陸からの越境汚染に加え、PM2・5を含んだ光化学スモッグが夏に多く発生したことや、関東を中心に、冬に風が弱く大気汚染物質が拡散しにくい時期があったため濃度が上がったことなどを挙げています。

 環境省は引き続き排出の抑制対策について、検討を進めていくことにしています。

 2015年5月18日(月)

 

■高齢者、1日30分の運動が長寿の秘訣 ノルウェーの調査

 高齢の男性で1日30分の運動を週6日間取り入れた人は、運動をしない同年代の人に比べて、死亡リスクが40パーセント低下する可能性があるとした調査結果が、15日の英スポーツ医学誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン」に発表されました。

 ノルウェー・スポーツ科学大学のインガル・ホルメ教授率いる研究チームが実施した調査によれば、高齢者が定期的に運動を行えば、強度にかかわらず少量の運動で、健康面で禁煙と同じくらい有益な効果がもたらされるといいます。

 「オスロ研究」と呼ばれる大規模な調査プロジェクトで、健康診断を受けた1923年~1932年生まれの男性数千人から、生活スタイルと運動について任意で情報を募りました。1972年~73年の調査開始当初は1万5000人近い男性が参加し、2000年の再調査の際には対象者1万2700人が存命していました。うち5700人に対して調査が続行されましたが、2011年には存命中の対象者が3600人以下となりました。

 研究チームは、調査対象者が70歳代から80歳代に差し掛かった2000年~2011年の間に取り入れた定期的な運動の効果に注目。運動の強度が軽いか激しいかには関係なく、1日30分の運動を週6日間取り入れることと、死亡率が40パーセント減少することの間に関連性がみられたといいます。

 さらに週に数回、きつい運動をこなす高齢者は、ほとんど動かない高齢者に比べて、寿命が5年も長かったといいます。

 研究チームは、高齢者の健康についての啓発活動では、喫煙と同様に運動に対しても焦点を当てるべきだと提言しています。

 2015年5月16日(土)

 

■C型肝炎の新薬、保険適応 米社製の飲み薬、96パーセント効果

 C型肝炎の治療に高い効果があるものの、価格も極めて高いことで世界的に注目を集めている新薬が、日本に上陸します。

 厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は13日、アメリカの製薬会社ギリアド・サイエンシズが開発した新薬「ソバルディ」(一般名ソホスブビル)について、公的医療保険の適用を承認しました。1日分となる1錠の薬価は、6万1799円に決まりました。

 肝臓がんの原因となるC型肝炎ウイルスの感染者は、日本国内に推計で100万人から150万人いるとされています。現在の治療は、注射によるインターフェロンなどの投与が主流ですが、人によって効果に差があるほか、発熱やうつなどの副作用があるために、高齢者では治療を続けられくなるケース多くありました。

 一方、5月内に発売されるソバルディは経口薬で、C型肝炎のうち2割から3割を占める「2型」と呼ばれる遺伝子型の患者に効果があります。日本の臨床試験(治験)では、患者140人に併用薬とともに12週間投与したところ、96パーセントでウイルスが消失しました。

 埼玉医科大学の持田智教授は、「飲み薬だけで治療できるようになったのは朗報」と話しています。C型肝炎の患者は高齢者が多く、手軽さは大きなメリットで、インターフェロンで治らなかった患者にとっても、新たな治療薬として期待が高まっています。

 中医協はこれまでにない画期的な効果を評価して保険適用を承認したものの、課題は価格が高いこと。薬価は治癒に必要な12週間の投与で、併用薬も含めると約550万円かかります。インターフェロンなどによる治療では、治癒までにかかる薬価は約220万円で、300万円以上高くなる計算。

 日本では国が肝炎治療を助成しており、ソバルディが助成の対象になるかは、18日開催の有識者会議で議論される見通しです。助成対象となった場合、患者の負担は高くても月額2万円ですみます。ただ、国の社会保障費の観点からは、仮に50万人の患者が利用すると薬剤費だけで2兆円を超えることになります。

 すでにソバルディの販売が始まっている米国での薬価は1錠1200ドル(約13万円)、英仏では7万円前後。医薬品の費用対効果に詳しい国際医療福祉大学の池田俊也教授は、「一見高額だが、肝臓がんになった際の医療費を考えると高いとはいい切れない」と話しています。

 2015年5月16日(土)

 

■日本の平均寿命は84歳で長寿世界一を維持 WHOが発表

 世界保健機関(WHO)が13日に発表した2015年版の「世界保健統計」によると、2013年の男女合わせた日本の平均寿命は84歳で、前年に続き世界一を維持しました。

 男女別では、日本の女性の平均寿命が87歳と世界一でしたが、男性は80歳で、83歳のサンマリノや81歳のシンガポールなどを下回りました。

 世界の平均寿命は71歳で、女性は73歳、男性は68歳でした。1990年に比べると、男女ともに6歳延びました。

 男女合わせた平均寿命が最低なのは、西アフリカのシエラレオネで46歳。レソトが50歳、中央アフリカが51歳など、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国での低さが目立っています。

 2015年5月15日(金)

 

■機能性食品で届け出の成分、安全性認められず トクホ審査の食品安全委

 特定保健用食品(トクホ)の安全性を審査している食品安全委員会は12日、リコム(東京都豊島区)が2009年に申請した飲料「蹴脂茶(しゅうしちゃ)」について、「安全性を確認できず、評価できない」とする評価書をまとめ、消費者庁に答申しました。一方で、リコムは蹴脂茶と同じ成分を含むサプリメント「蹴脂粒(しゅうしりゅう)」を4月に始まった機能性表示食品として発売する予定です。

 トクホで安全性が認められなかった成分が、機能性表示食品では「体によい成分」として表示されます。経済成長戦略の一環で導入され、企業が科学的根拠を示せば表示できる新制度は、早くも課題を突き付けられました。

 蹴脂茶は、エノキタケから抽出した成分を配合し、「体脂肪が気になる方や肥満気味の方に適する」との表示を目指していました。リコムが提出した論文では、肥満の男女38人に12週間飲ませたところ、体重が平均1・0キロ、体脂肪量が0・7キロ減ったとしています。

 しかし、食品安全委は、成分が脂肪細胞に作用するというメカニズムを問題視。同様の作用の医薬品に動悸や血圧上昇など心血管系や呼吸器系などに影響を与える副作用が報告されているため、評価書では、申請通りなら作用対象は脂肪細胞だけでなく、「多岐にわたる臓器に影響を及ぼす可能性は否定できない」と指摘しました。

 委員の一人は、「副作用を否定するデータが明確でなく、通すわけにはいかない」と話しています。

 過去の審査では、安全性が認められずにトクホとして許可されたケースはありません。一方、今回は安全性を完全に否定したわけではなく、消費者庁は「初めてのケース」と話しています。

 サプリメントの蹴脂粒は、4月に機能性表示食品として消費者庁に届け出て、受理されました。リコムは、「成分の作用は医薬品よりはるかに弱く、1日摂取目安量は生のエノキタケに換算すると約4グラム程度。人での試験でも心拍数や血圧などで副作用は認められなかった。予定通り販売する方針」と話しています。

 消費者庁は一般論として、「機能性表示食品が科学的根拠に基づかないと明らかになったら届け出の撤回を求める。応じずに販売した場合は、食品表示法に基づく指示や回収命令などを行う」と説明しています。

 2015年5月14日(木)

 

■血小板を短時間で大量に作る仕組みを発見 自治医科大学など

 出血を止める血液の成分である血小板を短時間で大量に作る仕組みを、栃木県下野市の自治医科大学などの研究チームが新たに発見し、献血で不足しがちな血小板の確保につながると期待されています。

 研究を行ったのは、自治医科大学の西村智教授や京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之教授などのチーム。

 研究チームは、動物の骨髄細胞まで観察できる新たな顕微鏡を開発し、血小板の生成過程を詳しく研究した結果、けがなどの炎症で血小板が必要になると、細胞が破裂するようにして、通常よりも短時間に大量の血小板が作られる仕組みがあることを新たに発見しました。

 この仕組みは、けがをした時や急激に血小板が減少した際に一時的に見られるため、これまでの研究では見逃されていたということです。

 血小板は体の傷口をふさぐ働きを持つ血液の重要な成分で、手術後の輸血などで使われていますが、長期間の保存ができないため、研究チームは献血だけでは不足しがちだった血小板の確保につながる発見だとしています。

 研究チームは、「今回の研究は医学の教科書を書き換えるような新しい発見で、人工的に血小板を作る技術に応用し、早く実用化を目指したい」としています。

 2015年5月13日(水)

 

■マダニ媒介の感染症で2人が死亡 宮崎県の男性と広島県の女性

 春から秋にかけて活動が盛んになる野生のマダニにかまれることで、感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のウイルスが、全国に広まっています。

 宮崎県と宮崎市は5月8日、延岡市の50歳代の女性と宮崎市の60歳代の男性がマダニにかまれてSFTSに感染し、男性が5月5日に死亡したと発表しました。宮崎県内での感染者と死亡者の確認は、今年初めて。

 宮崎県などによると、女性は4月中旬ごろにSFTSを発症しましたが、現在は快方に向かっています。一方、男性は4月27日から不調を訴えて30日に入院、5月1日にSFTSウイルス検査で陽性反応が出て治療を受けたものの、5日に死亡しました。2人とも最近の海外渡航や入山はなく、ダニの刺し口は確認できなかったといいます。

 同県内では昨年、SFTSは11件確認され、4人が死亡しています。

 また、広島県呉市は5月8日、市内の80歳代女性がマダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に感染し、5月5日に死亡したと発表しました。広島県によると、同県内での今年の感染者確認は2例目で、死者は2012年以来2人目。

 呉市保健所によると、女性は農作業後、不調を訴えて4月27日に病院に入院し、SFTSウイルス検査で陽性反応が出て治療を受けたものの、5日に死亡しました。

 SFTSウイルスに感染すると、発熱やせき、嘔吐や下痢など風邪のような症状が現れ、重症の場合は、血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、腎臓の機能が低下したりして死亡することもあります。感染してから発症するまでの潜伏期は6日から2週間とされ、血液などを介して人から人に感染することもあるとみられています。

 2011年にウイルスが特定されたばかりということもあって、今のところ有効なワクチンや薬はなく、対症療法が中心になります。

 SFTSを媒介するマダニは体長3~4ミリで、衣類や寝具など家庭内に生息するイエダニとは別種類。アジアやオセアニアに分布し、日本国内でも広く山野に生息しているとみられます。これまで西日本を中心にSFTSの感染者が出ていますが、SFTSウイルスを持ったマダニは関東や東北、北海道でも見付かっています。

 感染予防のポイントは、レジャーや作業などで、草むらややぶなどマダニが多く生息する場所に入る時は、肌をできるだけ出さないように、長袖、長ズボン、手袋、足を完全に覆う靴などを着用することです。また、肌が出る部分には、人用の防虫スプレーを噴霧し、地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないように、敷物を敷きます。帰宅後は衣類を家の外で脱ぎ、すぐに入浴し体をよく洗って、新しい服に着替えます。

 マダニにかまれた時は、つぶしたり無理に引き抜こうとせず、できるだけ病院で処理してもらうことです。マダニにかまれることでかかる感染症には、SFTSのほかにも、日本紅斑熱やつつが虫病などがありますので、山野などに出掛けた後、発熱などの症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診することが必要です。

 2015年5月12日(火)

 

■カネボウ化粧品による白斑症状に、紫外線療法が有効 皮膚科学会が調査

 カネボウ化粧品(東京都)の美白化粧品で約1万9000人に白斑症状が見付かった問題で、日本皮膚科学会の特別委員会(委員長・松永佳世子・藤田保健衛生大教授)が治療法について、患部に紫外線を当てる治療法が最も有効だとする調査結果をまとめました。5月31日に横浜市で開かれる市民公開講座で発表します。

 この問題は、カネボウ化粧品が製造・販売する「医薬部外品有効成分ロドデノール」配合の美白化粧品8ブランド、54製品の利用者に、肌がまだらに白くなる白斑症状が出たものです。

 特別委員会は白斑問題発覚後の2013年7月に設置。昨年12月~今年3月、白斑患者の治療を担当する医師を通じて3度目の全国調査をし、約1000例の経過や治療方法などを調べました。

 途中集計によると、医師側が「効果あり」と回答した割合が多かったのは、紫外線療法、外用剤の「タクロリムス」、「ステロイド」、「ビタミンD3」の順となりました。

 特別委員会によると、紫外線療法は、リンパ球を弱めることで炎症を鎮め、色素細胞を作り出す手助けをします。実際に紫外線療法を試した例の半数以上が、効果ありと回答しました。

 一方で全体の1割程度が、発症後の症状が「不変」と回答。特別委員会は、何らかの原因で色素細胞が減る「尋常性白斑」を合併している可能性もあるとみています。

 カネボウ化粧品によると、今年3月末現在、白斑様症状を確認した人は1万9461人、「完治または、ほぼ回復した人」は1万656人。

 2015年5月10日(日)

 

■リベリア、エボラ出血熱の終息宣言を発表 新たな患者が42日間報告されず

 西アフリカでエボラ出血熱の流行が続く中、世界保健機関(WHO)は4700人を超える死者が出たリベリアで9日、流行が終息したと発表し、現地で終息を宣言する式典が行われました。

 しかし、隣国のギニアとシエラレオネでは、まだ新たな患者が出ているため、WHOは今後も国際社会による継続的な支援が必要だと呼び掛けています。

 西アフリカのリベリアの首都モンロビアでは、現地時間の午前8時すぎからエボラ出血熱の流行の終息を宣言する式典が開かれ、WHOの現地の責任者が「患者がゼロになった。皆さんを祝福したい」と発表した後、リベリアのサーリーフ大統領が「世界に感謝したい。感染を止めることができた」と述べ、参加者からは大きな拍手が上がりました。

 昨年3月ごろに西アフリカで始まったエボラ出血熱の流行はリベリア、ギニア、シエラレオネの3カ国を中心に過去最悪の規模で広がり、WHOによりますと、アメリカとヨーロッパを含む9カ国で合わせて2万6600人以上の患者が報告され、その41パーセントに当たるおよそ1万1000人が死亡しました。

 中でもリベリアは最も多い4700人を超える死者が出ましたが、患者を隔離するなどの感染対策が浸透し、今年3月下旬以降9日までの42日間、新たな患者は報告されていませんでした。

 この42日間はエボラウイルスの潜伏期間とされる21日の2倍に当たり、WHOが示している流行が終息したと判断できる基準の日数で、流行が深刻な3カ国のうち、終息を宣言できたのはリベリアが初めてです。ただし、WHOは再び感染が広がることを警戒し、今年末までリベリアへの要員派遣などを続けます。

 リベリアは復興に向けて歩み出しますが、エボラ出血熱の患者への対応を最優先にしてきたため、妊産婦や乳幼児を診療する態勢が不十分であるなど、多くの課題に直面しています。

 また、ギニアとシエラレオネではまだ新たな患者が出ており、WHOは今後も国際社会による継続的な支援が必要だと呼び掛けています。

 2015年5月10日(日)

 

■デング熱、帰国後の発症者が増加 5月以降は蚊の活動に注意を

 海外でデング熱のウイルスに感染し、帰国後に発症する人が多くなっています。国立感染症研究所は、ウイルスを媒介する蚊が活動を始める5月以降、国内でも感染者が出る恐れがあるとして、注意を呼び掛けています。

 デングウイルスの感染症が主にみられるのは、媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカの存在する熱帯や亜熱帯の地域、特に東南アジア、南アジア、中南米、カリブ海諸国ですが、アフリカ、オーストラリア、中国、台湾、日本においても発生しています。全世界では、年間約1億人が非致死性の一過性熱性疾患であるデング熱を発症し、約25万人が重症型のデング出血熱を発症すると推定されています。

 日本国内にはデングウイルスは常在しておらず、海外でデング熱に感染して、帰国後に発症する人が年間200人ほど報告され、2013年にはこれまでで最も多い249人の発症者が確認されていました。

 しかし、昨年1月に日本を旅行したドイツ人の女性が帰国後にデング熱を発症し、8月下旬には、およそ70年ぶりに日本人女性が国内感染でデング熱を発症したのを皮切りに、東京都渋谷区の代々木公園を訪れた人を中心に160人以上が発症しています。これは海外旅行をした人などを通じてデング熱のウイルスが国内に持ち込まれ、さらにウイルスを媒介するヒトスジシマカを通じて広がったものとみられています。

 国立感染症研究所によりますと、今年に入って海外でデング熱に感染し、帰国後に発症した人は4月19日までに71人を数え、昨年の同じ時期の1・5倍に上っている上に、ウイルスを媒介するヒトスジシマカの活動も5月上旬から始まるとみられています。

 このため専門家は、自治体などに蚊を発生させない対策などを急いでほしいと呼び掛けています。

 国立感染症研究所の高崎智彦室長は、「大型連休後は海外の流行地域から帰国した人が発症するケースも多くなるので、自治体は早めに蚊の幼虫対策を始めてほしい。また、住民も自宅の庭やベランダで水のたまりやすい場所をなくすなど、感染を防ぐ対策を進めてほしい」と話しています。

 2015年5月9日(土)

 

■コーヒーや緑茶を飲む人、病気で死亡の危険性低下 国立がん研究センターが追跡調査

 コーヒーを1日に3杯から4杯飲む人はほとんど飲まない人に比べて、病気などで死亡する危険性が低くなるとする研究成果を、国立がん研究センターなどの研究チームがまとめました。

 国立がん研究センターや東京大学などの研究チームは、10都府県に住む40歳から68歳の男女、およそ9万人を対象にコーヒーを飲む習慣についてアンケート調査を行い、その後、19年間追跡して病気による死亡との関係を調べました。1990年以降の調査期間中に死亡したのは、1万2874人。

 その結果、コーヒーを1日に1杯から2杯飲むと答えた人は、病気などで死亡する危険性がほとんど飲まない人に比べ15パーセント低く、3杯から4杯飲むと答えた人では24パーセントと、さらに低くなったということです。死因別では、心疾患で36パーセント、脳血管疾患で43パーセント、呼吸器疾患で40パーセント低くなりました。

 また、緑茶についても同様の調査を行ったところ、毎日5杯以上飲む人では1杯未満の人と比べ、死亡の危険性が男性で13パーセント、女性で17パーセント低くなったということです。男性の死因別では、心疾患で13パーセント、脳血管疾患で24パーセント、呼吸器疾患で45パーセント低くなり、女性の死因別では、心疾患で37パーセント、脳血管疾患と呼吸器疾患で各13パーセント低くなりました。

 研究チームによりますと、コーヒーや緑茶に含まれるカフェインなどの成分が、病気になる危険性と関係している可能性があるということです。

 解析を担当した東京大学大学院医学系研究科の井上真奈美特任教授(がん疫学)は、「コーヒーに含まれるクロロゲン酸や緑茶に含まれるカテキンには血圧調整の効果、カフェインには血管保護や気管支拡張などの効果がある。詳しい仕組みは不明だが、常識的な範囲であればコーヒーや緑茶を飲むことは、健康的な習慣であることが確認できた」と話しています。

 2015年5月7日(木)

 

■リベリア、エボラ出血熱の終息宣言へ 隣国では流行続く

 エボラ出血熱が大流行したリベリアのアディ商務産業相は6日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で記者会見し、今月9日にリベリアでのエボラ出血熱の終息が宣言される見通しを明らかにしました。

 アディ氏は、「新たな感染者がなく、我々は『エボラなし』というゴールに近付きつつある。5月9日は特別な意味のある日になる」などと述べました。

 世界保健機関(WHO)の5日の発表によると、疑い例も含むリベリアの感染者は1万322人、死者は4608人。このうち、陽性が確認された感染者は3月下旬を最後に3151人から増えておらず、今月9日で目安の42日間を過ぎることから、終息を宣言できる見通しになりました。

 一方、同じ西アフリカの隣国シエラレオネとギニアでは、引き続き流行が続いています。

 2015年5月7日(木)

 

■近赤外線でがん細胞を選択的に破壊 米研究所、新治療法の臨床試験へ

 人体に無害な近赤外線を当ててがん細胞を壊す新しい治療法を米国立保健研究所(NIH)の小林久隆・主任研究員らが開発し、患者で効き目を調べる治験(臨床試験)を近く始めます。

 光を受けると熱を出す特殊な化学物質をがん細胞の表面に結び付け、がんだけを熱で選択的に破壊します。

 この治療法は、「光線免疫療法(PIT:photoimmunotherapy)」。小林研究員らが2011年、悪性がんのマウスに薬を注射して翌日に近赤外線を1日15分照射する治療を2日間実施し、1週間おきに4回繰り返すと、8割でがんが完治したと発表。副作用が少ない新治療法になると注目を集め、オバマ大統領が2012年の一般教書演説で取り上げました。

 今年4月末、米食品医薬品局(FDA)が治験を許可。通常、動物実験から治験開始まで早くても5年以上はかかるとされており、今回は異例の早さだといいます。米製薬ベンチャーと組んで準備を進め、新興企業に投資するベンチャーキャピタルなどを通して約10億円の資金も確保しました。

 治験ではまず、近赤外線を受けて発熱する化学物質を、特定のがん細胞に結び付くタンパク質(抗体)に結合させた薬を患者に注射。最初は、首や顔にできる頭頸部がんの患者10人前後で、近赤外線を当てずに副作用などがないことを確認。その後、患者20人前後で、人体を透過しやすい近赤外線を当てて効果を調べます。

 近赤外線は人体に無害で、発熱する化学物質も体の中ですぐに代謝され、「安全性は高い」といいます。

 肺がんや大腸がん、乳がんなどでは、がん細胞に結び付くタンパク質(抗体)が実用化されているため、がんの種類ごとに薬を作ることができるとい、3~4年後に、がん治療薬として米国での承認を目指します。

 2015年5月6日(水)

 

■介護休業制度を拡充し、分割取得を可能に 厚労省が2017年導入を検討

 家族の介護で仕事を休みやすくして、介護離職を減らするために、厚生労働省が育児・介護休業法の改正を検討しており、2017年からの導入を目指しています。

 病気やけがごとに1回のまとめ取りしかできない「介護休業」を、2〜3回に分けて取得できるようにします。年5日までの「介護休暇」も、細かく取りやすいように見直します。

 近年増えている認知症患者の場合、症状が安定せずに長期間の見守りが必要なケースも多く、公的な介護サービスを使っていても、家族による世話が必要な場合もあるため、断続的に休める仕組みを目指します。

 1日単位で取る介護休暇も、半日や時間単位でも休める制度を探ります。

 介護休業制度は、父や母など介護の対象者ごとに通算93日まで認められます。ただし、同じ病気では1回のまとめ取りしかできません。細切れで休む社員が増えると、業務管理が難しくなるという企業側の懸念に配慮している面もあります。制度の使い勝手が悪いこともあり、利用者は少数にとどまっています。

 総務省によると、介護をしている労働者は2012年で約240万人を数えますが、1999年に導入されて賃金の4割が雇用保険から出る介護休業の利用は3・2パーセント、2010年に導入されて賃金の補償はない介護休暇の利用は2・3パーセントにとどまります。厚労省の委託調査によると、介護のために連続して休んだ人の4割が、年次有給休暇を利用していました。

 ただ、働く側からは「仕事と介護を両立させるには分けて休めるほうがいい」といった声も強まっています。厚労省によると、介護の開始時に仕事に就いていた人のうち2割弱が辞めていたという調査もあります。こうした「介護離職」を少しでも減らす必要が出てきました。

 厚労省は昨年秋、有識者による研究会を立ち上げ、制度の見直しの検討を始めています。今年夏には報告をまとめ、今年秋からの労働政策審議会の議論をへて、2016年の育児・介護休業法の改正、2017年の施行につなげる考えです。

 2015年5月5日(火)

 

■熱中症、初の診療指針で重症度3分類 日本救急医学会

 日本救急医学会は、熱中症の診療指針を初めてまとめました。学校や職場、介護の現場、一般の人にも役に立つとしています。

 重症度を三つに分類し、体温などにかかわらず、めまいや立ちくらみ、生あくび、大量発汗、筋肉痛などがある状態を「1度」、頭痛や嘔吐、倦怠感、虚脱感などがあると「2度」、意識障害やけいれん発作などがあれば「3度」としました。

 1度は体の表面を冷やすことや水分・塩分の補給など現場で手当てをし、2度以上は医療機関を受診します。3度は入院が必要となります。

 指針づくりに当たった三宅康史・昭和大教授は、「1度の人でも、誰かがそばで見守り、回復しなければ医療機関を受診してほしい」と注意を促しています。

 予防や治療では、0・1~0・2パーセントの食塩水を飲むことを推奨。水だけでは、体内の塩分が薄まってけいれんを起こしやすくなります。予防には一般的なスポーツドリンクでも問題ないものの、塩分量が少なく糖分が多いとしています。梅昆布茶やみそ汁なども有効といいます。

 また、指針では、高齢者は重症例が多いと指摘。室内で熱中症になるのは、高齢の女性や一人暮らしの人に多く、高血圧や糖尿病、認知症などの持病があると重症化しやすいとしています。

 指針は、学会のウェブサイトに掲載されています。

 2015年5月4日(月)

 

■エボラ出血熱から回復した男性との性交渉で発症 リベリアの女性

 西アフリカのリベリアで、エボラ出血熱から回復して半年近くたった男性との性交渉で、女性がエボラ出血熱を発症した例が起きたとアメリカの疾病対策センター(CDC)が1日、発表しました。

 CDCは、体液に含まれるエボラウイルスがこれまで考えられていたよりも長期間、感染力を維持している可能性があるとして、注意を呼び掛けています。

 今年3月、リベリアの首都モンロビアでエボラウイルスへの感染が確認された44歳の女性について調べたところ、エボラ出血熱の流行地への渡航歴や患者と接触したことはなく、発症する1週間ほど前に、エボラ出血熱から回復した男性と性交渉をしていたことがわかりました。

 この男性の体液を調べた結果、エボラウイルスの一部が検出され、女性は男性との性交渉で、エボラウイルスに感染した可能性があるということです。

 男性がエボラ出血熱を発症したのは昨年9月で、CDCによりますと、これまで発症後およそ3カ月間は、体液からエボラウイルスが検出されることがわかっていましたが、今回、その倍のおよそ6カ月後に検出されたことから、これまで考えられていたよりも長期間、ウイルスが感染力を維持している可能性があるとしています。

 CDCは、「西アフリカでエボラ出血熱の流行が落ち着いても、エボラ出血熱から回復した人との性交渉で、感染するリスクがあることを認識する必要がある」と注意を呼び掛けています。

 2015年5月3日(日)

 

■薬の販売サイトの46パーセント、副作用などの情報提供せず 厚労省が496サイト調査

 厚生労働省は1日、一般用医薬品を販売するインターネットサイトの46・8パーセントが、販売時に副作用などの情報提供をしていなかったとする調査結果を公表しました。

 医薬品医療機器法(旧薬事法)は、一般用医薬品のうち副作用リスクが比較的高い第1類に関し、販売業者から購入者に必要な情報提供をするよう義務付けており、同省は自治体などと連携して改善指導を実施します。

 調査は、昨年10~12月、496の販売サイトを対象に実施。

 販売に際し、年齢や症状などの入力が必要だったサイトは83・9パーセントでしたが、副作用や使用上の注意などについて情報提供があったサイトは53・2パーセントにとどまりました。

 厚生労働省は、「インターネット販売が認められてから時間がたっていないため、ルールが徹底されていないのではないか。今後、自治体と連携して指導を行うとともに、業界団体に対してルールを守るよう要請していきたい」と話しています。

 2015年5月2日(土)

 

■2大学病院、特定機能病院の承認取り消し 女子医と群馬大

 患者が死亡する医療事故が起きた東京女子医科大学病院と群馬大学医学部附属病院について、厚生労働省は4月30日、医療安全の体制が確保されていないなどとして、高度な医療を提供する「特定機能病院」としての承認を取り消すことを決めました。聴聞手続きを経て、6月にも発効します。

 東京都新宿区にある東京女子医科大学病院では、人工呼吸器を付けて集中治療が行われている子どもへの投与が原則、禁止されている鎮静薬「プロポフォール」を、医師などが危険性を認識しないまま昨年までの6年間に60人余りの子どもに投与し、このうち2歳の男児が薬の副作用で死亡しています。

 また、群馬県前橋市にある群馬大学医学部附属病院では、昨年までの4年間に、腹腔鏡を使った肝臓手術を受けた患者8人が、その後3か月余りの間に相次いで死亡し、死因などを検証しないまま同じ手術を繰り返していたことが明らかになっています。

 専門家で作る厚労省の分科会は、いずれの病院も医師や看護師などの連携が不十分でチーム医療が機能しておらず医療安全が確保されていないなどとして、特定機能病院の承認の取り消しが相当だとする意見書をまとめました。その上で、承認を取り消した後も再発防止に向けた取り組み状況を確認するなど、2つの病院への指導を継続するべきだとしています。

 これを受け、厚生労働省は5月にも2つの病院から意見を聴いた上で、承認を取り消すことを決めました。

 特定機能病院は現在、全国86の医療機関が承認され、診療報酬に一定額が加算される優遇措置を受けています。承認の取り消しで2つの病院は、いずれも年間で数億円規模の減収になるとみられています。

 承認が取り消されるのは今回で4例目で、東京女子医科大学病院は2002年に続いて2回目。同病院では2001年、心臓の手術を受けた女の子が死亡した医療事故を巡って、医師がカルテを改ざんする事件が起き、2002年に特定機能病院の承認が取り消されました。

 病院は、その後、病院長の権限を強化するなど安全管理の体制を見直したほか、医療事故の原因を分析し、研修などを通じて再発を防ぐ対策をとっているなどとして、2007年に再び承認を受けました。しかし、実際にはこうした対策が病院全体でとられることはなく、形骸化していたことが、今回の医療事故を切っ掛けに明らかになりました。

 分科会では、医療安全を軽視する病院側の体質に厳しい意見が相次ぎ、承認を再び取り消す異例の処分となりました。

 厚生労働省は、大学病院を中心に全国に現在86ある特定機能病院を対象に、9月末にかけて集中立ち入り検査を実施します。検査では、病院の管理運営や医療安全確保策の実態を把握し、検査結果を基に承認要件の厳格化や、高難度の新医療技術導入プロセスの在り方を検討する方針。近く省内に検討組織を設置します。

 2015年5月1日(金)

 

■京大研究所、今秋から備蓄iPS細胞を提供開始 最多適応タイプ

 京都大学iPS細胞研究所は28日、再生医療用のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を備蓄する「iPS細胞ストック」について、最も多くの人たちに適合するタイプの細胞の提供を今秋にも始める計画を明らかにしました。

 体のあらゆる組織になるとされるiPS細胞は、病気やけがで失われた体の機能を取り戻す再生医療への応用が期待されていますが、患者1人1人から作り出すとコストがかかるのが課題です。このため京都大学iPS細胞研究所は、他人に移植しても拒絶反応が起きにくい細胞の型(HLA型ホモ)を持つ人に協力してもらい、その血液や臍帯血からiPS細胞を作製して備蓄し、誰にでも使えるようにするiPS細胞ストックを進めています。

 2017年度までに、日本人の30~50パーセントをカバーする約10種類のiPS細胞の作製、2022年度までには、90パーセントをカバーする約150種類のiPS細胞の作製を目指しています。

 iPS細胞研究所によると現在、日本人の20パーセントをカバーできる最も多くの人たちに適合するタイプを始めとして、数種類のiPS細胞の作製や品質評価を進めています。

 最も多くの人たちに適合するタイプについては、今秋をめどに希望する外部機関に提供を始め、目の網膜の病気や脊髄損傷などの再生医療を目指す臨床研究に応用してもらう予定だということです。

 iPS細胞研究所の金子新准教授は、「1日も早く患者に届けられるよう確実に進めていきたい」と話しています。

 2015年4月30日(木)

 

■今年のがん診断98万人と予測、大腸がんが最多 国立がん研究センター

 国立がん研究センターは28日、今年2015年に新しくがんと診断される人が国内で98万2100人になるとする予測を発表しました。昨年の予測で3位だった大腸がんが、胃がんや肺がんを追い抜いて1位になりました。

 予測は昨年に続き2回目で、がんと診断される人を男女別でみると、男性が56万300人、女性が42万1800人で、昨年より約10万人増えるとの結果になりました。

 同センターは、高齢化が進むほか、がん患者の情報の登録精度が向上したため、より実態に近い数字になったことが理由とみています。

 部位別では、大腸がんが13万5800人で最も多く、肺がん13万3500人、胃がん13万3000人、前立腺がん9万8400人、乳がん8万9400人の順。

 昨年1位だった胃がんが相対的に伸び率が低く、順位が変わりました。同センターは、衛生状態がよくなり胃がんの原因となるピロリ菌の感染率が下がっていることが主な理由とみています。

 男女別では、男性は前立腺がんが最多で、胃がん、肺がんの順に、女性は乳がんが最多で、大腸がん、肺がんの順になりました。

 死亡者数の予測は37万900人で、昨年の推計値より約4000人増えました。部位別では、肺がんが最多で7万7200人、大腸がん5万600人、胃がん4万9400人、膵臓がん3万2800人、肝臓がん2万8900人の順でした。

 国立がん研究センターは、「がんで死亡する人が、衛生状態の改善で胃がんなど感染で発症するがんは増えなくなる一方、肺がんなど生活習慣に由来するがんは増加傾向にあり、対策の強化が求められる」と話しています。

 2015年4月29日(水)

 

■介護保険料、初めて5000円台に達す 2025年には8000円超に

 厚生労働省は28日、65歳以上が支払う介護保険料が4月分から全国平均で5514円になると発表しました。2012~2014年度の4972円から542円増え、初めて5000円台に達しました。

 5年後の2020年度には月6771円、いわゆる「団塊の世代」がすべて75歳以上となる10年後の2025年度には月8165円まで上昇するとの推計も明らかにしました。

 65歳以上の保険料は市区町村や広域連合ごとに決められ、介護保険サービスの公定価格である介護報酬が改定される3年ごとに見直されます。

 高齢化の進行に伴いサービス利用の需要が高まり、保険料は急激に上昇。保険料を支払えば、誰もが1割の自己負担率で介護サービスを受けられるという介護保険制度が始まった2000年当時から、2倍近くに値上がりしました。

 保険料の最高8686円と最低2800円の差は約6000円となり、地域差が拡大しています。

 最も高い月8686円となったのは奈良県天川村で、これまで借入金により保険料上昇を抑えてきましたが、その返済で一気に3800円以上値上がりしました。一方、最も低額の月2800円だったのは鹿児島県三島村で、利用できるヘルパーや施設が不足し、サービス利用が少ないといいます。

 2015年4月29日(水)

 

■スギとヒノキの花粉飛散、ほぼ終息 5月以降はイネ科の花粉飛散がピーク

 今年のスギとヒノキの花粉の飛散について、環境省は、昨年と比べて東北、北陸、関東でかなり多くなったもののおおむね終息の時期を迎えたと発表しました。

 環境省によりますと、今年の花粉の飛散は、スギは2月下旬ごろから関東南部から西日本にかけての広い範囲で一斉に始まり、ヒノキは3月上旬以降、飛散する地域が広がりました。

 飛散したスギとヒノキの花粉の量は、昨年と比べて東北、北陸、関東でかなり多くなった一方、四国、中国では昨年の15パーセントほどと非常に少なくなりました。

 このうちスギの花粉の飛散は、九州から北陸にかけてすでに終息しているか、終息の時期を迎えており、大雪の影響で飛散の時期が遅れた東北でも来月上旬に終息する見込みです。

 一方、ヒノキの花粉の飛散は、九州、四国では一部の地域ですでに終息し、そのほかの地域でも終息の時期を迎えているということです。

 環境省によりますと、来月以降はカモガヤ、ススキノテッポウなどのイネ科の花粉飛散がピークを迎えるということで注意を呼び掛けています。

 2015年4月28日(火)

 

■急性心筋梗塞、男性は60歳代、女性は80歳代が最多 学会がビッグデータで病気分析

 全国70万人分の診療データを解析したところ、心臓の血管が突然詰まる急性心筋梗塞の入院患者は、男性では60歳代、女性では80歳代で最も多いことが、日本循環器学会の研究でわかりました。

 全国規模で患者の傾向が明らかになるのは、初めてといいます。数十万人単位の「ビッグデータ」を活用して、医療の質の向上につなげるのがねらいで、大阪市で開かれた同学会で24日、報告されました。

 国は、患者のビッグデータを使って、医療の質の向上や効率化などを目指す方針を打ち出しています。

 日本循環器学会は2004年から全国の医療機関で、心臓や血管など循環器病の患者数や入院中の死亡者数などを調べていますが、患者ごとの病気の程度や治療の詳細がわかりませんでした。

 同学会の研究チームは、診療報酬の算定に使われ、患者の性別や年齢、治療法などが記録された診療データ「DPC(診断群分類)」に注目。2012年度分について、匿名化した上で全国610施設の患者約70万人分のデータを解析しました。

 その結果、急性心筋梗塞の入院患者は約3万6000人。年代別にみると、男性は60歳代が約7500人と最も多く、女性は80歳代が約3500人で最多でした。重症であるほど、院内死亡率が高くなっていました。

 研究チームは、DPCを活用して心不全や不整脈のデータ解析も進めています。治療のために患者に使われた薬の種類を分析することなどにより、治療の指針づくりに生かせるといいます。

 国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の安田聡・心臓血管内科部門長は、「調査によって、循環器医療の質を向上させる役割を担うことが期待できる」と話しています。

 2015年4月27日(月)

 

■割高なスロージューサーの人気が拡大 健康志向受ける

 最近、新しいタイプのジューサーで、果物や野菜を「低速」回転するスクリューで押しつぶし、食材の栄養分がこれまでより残る「スロージューサー」が、人気を集めています。価格は3万円台と割高ながら、健康への関心の高まりから受けているようです。

 「スロージューサーは1年ほど前から、年配の方や子育て世代を中心に売れています」と、ビックカメラなんば店(大阪市中央区)の村田泰大店長代理が話すように、売れ筋ランキングの1~5位を占めました。

 通常、ジューサーといえば、金属製の刃が1分間に8000~1万5000の「高速」で回り、果物や野菜を切り刻む時に空気が入り込み、食材の栄養分が酸化してしまいます。

 一方、スロージューサーは、1分間に数十回ほどの「低速」で回り、果物や野菜を押しつぶすように回り、空気があまり入らず、食材に含まれるビタミンCなどの栄養分が酸化しにくいといいます。その代わり価格がやや高く、3万円台が中心。それでも年々、売れる勢いが増しています。

 全国の主な家電量販店を調査しているGfKジャパンによると、2014年度のジューサーの販売台数は、3年前に比べて約2割減りました。しかし、価格が高いスロージューサーの比率が半数を超えるまでに高まり、販売金額は約2倍になりました。

 韓国のジューサー専門メーカーであるヒューロムが出したのを皮切りに、シャープが2012年に発売して人気に火が付き始め、パナソニックも今年2月に売り出しました。

 シャープの推計では、スロージューサーの国内市場規模は2014年度で20万台弱。中国やアメリカ、韓国は100万台以上といいます。

 シャープ調理システム事業部の田村友樹副事業部長は、「スロージューサーのよさが知られれば、もっと市場は大きくなるはず」と話しています。

 2015年4月26日(日)

 

■慢性疲労症候群の患者、3割が寝たきり 厚労省が初の実態調査

 強い疲労や痛みなどが続く慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)の患者は全国で約30万人に上り、ほぼ3割が寝たきりであることが、厚生労働省から委託を受けた聖マリアンナ医科大難病治療研究センターによる初の実態調査でわかりました。

 慢性疲労症候群は、激しい倦怠感に襲われ、日常生活が著しく損なわれるほどの強い疲労とともに、頭痛や微熱、筋肉痛などの症状と思考力・集中力低下などをもたらします。原因は不明で、明確な治療法はないほか、難病に指定されていないため公的な支援が受けられないのが現状で、患者の生活実態もほとんど把握できていませんでした。

 今回の実態調査では、医療機関で診断された全国の11歳から84歳までの男性56人、女性195人の計251人(平均41・8歳)から聞き取りを行いました。

 発症年齢は平均30歳ほどで、罹病期間は6~7年でした。日常生活の困難度を10段階に分類したところ、最も重い「常に介助が必要で、終日寝たきり」は21人、「日中の半分以上寝たきり」も55人おり、両方を合わせた重症患者は30・2パーセントに上りました。「介助は不要でも軽作業に困難を感じる」中等度の患者は35・1パーセント、「週に数日以下の休息が必要」な軽症患者は31・5パーセントでした。

 また、75パーセントが眠れないほどの激しい痛みや強い痛みを感じており、63パーセントが痛みの影響で眠りが浅い状態だと回答しました。このほか、発症時に学生だった61人のうち、通学を続けられたのは26人のみで、全体の7割は仕事に就けていませんでした。

 患者会理事長で、自身も25年前に発症した篠原三恵子さん(57)は、「この病気は認知度が低く、怠けているなどと誤解され苦しんでいる患者がたくさんいる。今後理解が広がってほしい」と話しています。

 2015年4月25日(土)

 

■他人との交流、週1回未満で要介護リスク1・4倍 日本福祉大など健康追跡調査

 同居者以外の人との交流が週に1回未満の高齢者は、要介護や認知症のリスクが高くなり、月に1回未満だと死亡リスクも高くなるという研究成果を、日本福祉大や千葉大の研究チームがまとめました。

 社会的な孤立と健康状態との関連はこれまでも指摘されてきましたが、この研究で交流の頻度が具体的に示されました。

 研究チームは2003年に愛知県に住む65歳以上の健康な男女約1万2000人を対象に、同居者以外の人と会ったり、手紙やメールを出したり、電話をしたりする頻度を調査。約10年間にわたって追跡調査したところ、2272人が自力での立ち上がりや歩行が困難な「要介護2」以上となり、1986人が認知症を発症し、2920人が死亡しました。

 交流頻度と健康リスクとの関連を性別や年齢、世帯構成、病気の有無などの影響を取り除いて分析した結果、同居者以外の人との交流が月1回~週1回未満の人は、毎日頻繁に交流している人に比べて、排せつや入浴などに介助が必要な要介護2以上となるリスクが1・40倍、認知症の発症リスクが1・39倍でした。月1回未満の人では、死亡リスクが1・34倍でした。

 週1回以上の高齢者は、統計的に明確な差がありませんでした。

 日本福祉大の斉藤雅茂准教授(社会福祉学)は、「調査では、他人との交流が週1回未満のお年寄りが2割弱もいた。交流が少ないと健康に役立つ情報やサポートを得にくくなる。人付き合いは個人の価値観によるが、孤立状態が健康に悪影響を与える可能性があることを知ってほしい」と話しています。

 2015年4月24日(金)

 

■アトピー性皮膚炎、特定の細菌が増殖して発症 慶応大などがマウスで解明

 アトピー性皮膚炎は皮膚の表面で特定の細菌が異常に増えることで起きるという研究成果を、アメリカの国立衛生研究所(NIH)と慶応大学などの研究チームが発表しました。アトピー性皮膚炎の根本的な治療法の開発につながると注目されます。

 この研究成果は、NIHの永尾圭介主任研究員と慶応大学などの研究チームがアメリカの科学雑誌「イミュニティ」の電子版で発表したものです。

 研究チームでは、アトピー性皮膚炎を発症する特殊なマウスを使って皮膚の表面を調べたところ、症状が出てくるのと同時に「黄色ブドウ球菌」と「コリネバクテリウム」という2種類の細菌が異常に増えてくるのを突き止めたということです。

 このため抗生物質を投与して2種類の細菌が増えないようにしたところ、マウスはアトピー性皮膚炎を発症しなくなり、逆に抗生物質の投与を止めると2週間ほどでアトピー性皮膚炎を発症したということです。

 研究チームでは、アトピー性皮膚炎は乾燥などの環境や体質を切っ掛けに、皮膚の表面で2種類の細菌が異常に増殖して、常在菌のバランスが崩れることで引き起こされるとしています。

 NIHの永尾主任研究員は、「アトピー性皮膚炎はこれまでアレルギー疾患だと考えられてきたが、細菌の異常増殖などが複雑に関係して発症している可能性が出てきた。さらに発症の詳しいメカニズムが解明できれば新たな治療法の開発につながるはずだ」と話しています。

 2015年4月23日(木)

 

■胃がん検診に内視鏡を初めて推奨 がん研究センターが指針を改定

 国立がん研究センター(東京都中央区)は20日、胃がん検診ガイドライン(指針)の更新版を公表し、市区町村が実施する胃がん検診に初めて内視鏡検査を推奨しました。内視鏡検査の対象は、がんのリスクが高まる50歳以上が望ましく、受ける間隔は2~3年でもよいとしています。

 胃がん検診ガイドラインは、同センターの斎藤博・検診研究部長を主任研究者とする研究班が国内外の最新の研究報告をもとにまとめました。前回の2005年度版では、バリウムを飲むX線検査のみが推奨され、内視鏡を口や鼻から入れて胃の中を調べる内視鏡検査は「死亡率減少の効果の有無を判断する証拠が不十分」とされていました。

 今回、X線検査と並んで内視鏡検査が推奨された根拠の一つは、2013年に報告された韓国での胃がん検診の効果に関する20万人規模の調査結果で、X線検査と内視鏡検査で死亡率が57パーセント減少する効果が認められたといいます。また、新潟県と鳥取県で行われた研究でも、死亡率が30パーセント減少することがわかったといいます。

 国立がん研究センターの胃がん検診ガイドラインは、学術的な提言。市区町村の胃がん検診に内視鏡検査を導入するかどうかは、厚生労働省の検討会で議論されています。全面的に導入するには、担当できる医師が足りないことや検査費用がかさむことなどの課題があり、今夏をめどに方針を決める予定。

 現在、市区町村が実施している胃がん検診では、厚労省の指針に基づいて、40歳以上の住民を対象にX線検査を年1回行っています。独自に内視鏡検査を導入している市区町村もあります。

 2015年4月22日(水)

 

■医療被曝の抑制へ初の統一基準がまとまる CT検査やX線検査など対象

 CT検査やX線検査などの放射線検査の関連学会などでつくる団体が18日、検査方法の統一基準を初めてまとめました。日本は医療被曝(ひばく)大国といわれており、過剰な被曝を抑えていくことが狙い。

 日本は年間のCT(コンピューター断層撮影)検査が約3650万件(2000年)と、人口当たりの件数が世界で最も多い国の一つで、国民1人当たりの医療被曝は先進国平均の約2倍とのデータもあります。結論は出ていないものの、医療被曝でがんが増えるとする研究者もいます。

 放射線検査の統一基準を決めたのは、日本医学放射線学会や日本診療放射線技師会など12団体でつくる「医療被ばく研究情報ネットワーク」。東京電力福島第一原発事故で被曝に対する患者の意識が高まったのも背景の一つにあるといいます。

 対象はCT検査、X線検査、マンモグラフィー(乳房X線撮影)、歯科でのX線撮影、血管造影撮影、陽電子放射断層撮影(PET)など。

 設けられた基準は、例えばCT検査では、体重50~60キロの成人ならば頭部の被曝1350ミリグレイ・センチメートル(被曝量に換算すると3ミリシーベルト)、胸部の被曝550ミリグレイ・センチメートル(被曝量に換算すると8ミリシーベルト)を目安にすることとしました。1~5歳の小児では頭部が660ミリグレイ・センチメートル(被曝量に換算すると3〜4ミリシーベルト)、胸部は300ミリグレイ・センチメートルを目安としました。

 医療被ばく研究情報ネットワークによりますと、現状の検査で使う放射線の量は、医療機器のメーカーが推奨する値を参考にそれぞれの医療機関で決めており、高い線量を使えば鮮明な画像が得られることから、被曝量も医療機関ごとに異なるということです。

 統一基準は、学会などが行った実態調査の線量を低い順に並べ、原則として4分の3に位置する値としました。国際機関が推奨する方法で、実態調査と基準の見直しを繰り返し、全体の線量を段階的に減らすことを目指します。

 医療被ばく研究情報ネットワークによりますと、日本の実態を踏まえた今回の基準は、頭部のCT検査では成人が欧州より300ミリグレイ・センチメートル以上高く、1~5歳の小児もドイツやタイより約100ミリグレイ・センチメートル多くなっています。

 日本医学放射線学会の放射線防護委員会長の石口恒男・愛知医科大教授は、「今回の基準は出発点。基準よりも高い病院には、診断に支障がない限り基準まで下げてもらいたい」と話しています。

 医療被ばく研究情報ネットワーク代表の米倉義晴・放射線医学総合研究所理事長は、「今後は基準を使い、各病院の線量を必要最小限にしていくだけでなく、関連学会の指針などで疾病の種類ごとに被曝を伴う検査が本当に必要かどうかも精査してほしい。日本の医療被曝対策を欧米並みに進めたい」と語っています。

 2015年4月21日(火)

 

■若年性認知症の発症者、8割失職 企業の配慮が十分といえず

 65歳未満で発症した若年性認知症の人を対象にした厚生労働省研究班の生活実態調査で、就労経験がある約1400人のうち約8割が勤務先を自ら退職したり、解雇されたりしたと回答したことが、わかりました。働き盛りで家計を支えていた人も含まれ、仕事を失った後の生活への強い不安があります。

 若年性認知症の発症年齢は、平均51・3歳。症状には個人差があるものの、早期に適切な治療を始めれば、進行を遅らせることができる場合もあります。労働時間の短縮や配置転換など、仕事を続けるための配慮が十分とはいえず、企業側の意識改革が求められそうです。

 生活実態調査は、国や大学と認知症の共同研究をしている認知症介護研究・研修大府センター(愛知県大府市)が2014年夏から年末にかけて実施。秋田、岐阜、大阪、香川など15府県の医療機関や介護施設、障害者施設に調査票を送り、18~64歳の認知症患者2129人について、医療機関や施設の担当者などから回答を得ました。

 就労経験があると確認できた1411人のうち、定年前に自ら退職したのは996人、解雇されたのは119人で、合わせて79パーセントに上りました。定年退職したのは、135人でした。

 さらに、本人や家族から回答があった383人について詳細に分析。発症時に就労していたのは221人で、内訳は正社員・正職員120人、非常勤・パート40人など。

 221人のうち、その後に退職や解雇となったのは、合わせて約74パーセントでした。約20パーセントの人は、労働時間の短縮や配置転換、通勤などの配慮が全くなかったと回答。中重度の要介護者が多く、現実的に就労が難しいケースがある一方、職場での配慮があれば、働き続けることができたと見なされるケースもありました。

 発症を境に世帯収入が「減った」のは約59パーセント、家計が「とても苦しい」「やや苦しい」は合わせて約40パーセントで、今後の生活や経済状況について不安を感じている人は約75パーセントに上りました。

 認知症介護研究・研修大府センターの小長谷(こながや)陽子研究部長は、「若年性認知症の人は、解雇されると思って会社に打ち明けないことも多いが、結果的に状況は悪くなる。異変に気付いたら上司や産業医と話し合い、配置転換や障害者雇用枠の活用を一緒に探ることが望ましい。認知症への偏見を解消し、企業の理解を広めていくことが課題だ。調査では、障害者手帳を持っていなかったり、障害年金を受給していなかったりする人も多いとわかった。制度の情報が届いていない可能性がある」と話しています。

 2009年の厚生労働省研究班の推計によると、若年性認知症の発症者は全国に約3万8000人。女性よりも男性に多いとされ、脳卒中が原因で起こる血管性認知症とアルツハイマー病が大半を占めます。40歳以上であれば介護保険を利用できますが、デイサービスなどは主に高齢者向けで、使いづらいといった指摘があります。

 2015年4月20日(月)

 

■京大iPS研と武田薬品、新薬を共同研究へ 資金200億円、研究者100人

 京都大学iPS細胞研究所と大手製薬会社の武田薬品工業は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の技術を応用し、心不全や糖尿病などの新たな治療薬を開発する共同研究を始めることになりました。

 これは、研究所長の山中伸弥教授と武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長らが、17日に東京都内で記者会見して明らかにしたものです。

 再生医療研究の中核拠点であるiPS細胞研究所と、国内製薬会社の最大手である武田薬品は今後10年間、共同研究契約を結び、武田薬品側がおよそ200億円の資金を提供します。そして、神奈川県藤沢市にある武田薬品の研究施設で、両者の研究者50人ずつ、計100人程度が山中教授の指導のもとで研究を進めるということです。

 この中では、心不全や糖尿病、精神疾患、がんなどの患者から作ったiPS細胞を使って、武田薬品が持つ新薬の候補となる物質に治療効果があるかどうかや副作用がないかなどを調べ、新たな薬の開発につなげたり、病気で傷んだ部位に新たな細胞を移植する治療法を開発したりしていくことにしています。成果は知的財産権を確保した上で、公表するとしています。

 山中教授は、「大学の研究者にとっては武田薬品の科学者の協力と多くの資金の提供を受けることはとても大きい。医療への応用を一気に加速させたい」と話しています。

 ウェバー社長は、「iPS細胞研究所の能力で新薬を作り出す方法を大きく変え、革新的な治療を患者に届けられる」と話しています。

 2015年4月19日(日)

 

■生体肝移植手術、中止要請へ 肝移植研究会が神戸の病院に

 神戸市にある病院で、肝臓の移植手術を受けた患者7人のうち4人がいずれも手術後1カ月以内に死亡していたことについて、日本肝移植研究会は手術後の管理に不十分な点があるなど問題があったとして、病院側に手術の中止を求める方針を固めました。

 神戸市中央区の「神戸国際フロンティアメディカルセンター」では、今年3月末までに「生体肝移植」と呼ばれる肝臓の移植手術を受けた患者7人のうち4人がいずれも手術後、1カ月以内に死亡し、全国の移植手術の専門医でつくる日本肝移植研究会が検討委員会を立ち上げ、病院と合同で調査を進めていました。

 その結果、死亡した4人の中には、事前に肝臓の機能などを調べる検査を実施しておらず、手術をすべきかどうかの判断が適切に行われなかったとみられるケースがあったほか、手術後に起きた出血などの合併症の対応でも不十分な点があるなど、複数のケースで問題があったとしています。

 さらに、医師などのスタッフの数が少ない中で手術が実施されており、肝移植研究会は、今後、体制を作り直す必要があるとして、生体肝移植の手術の中止を病院側に求める方針を固め、近く病院側に伝えることにしています。

 病院側は、これまで肝移植研究会の判断を待っているとした上で、「亡くなったのはいずれも手術前の状態が悪く治療を尽くしたが助からなかった患者で、医療ミスがあったとは考えていない」として、4月も新たに1例の手術を行ったことを明らかにしていました。

 日本肝移植研究会が手術の中止を求める方針を固めたことについて、神戸国際フロンティアメディカルセンターの菊地耕三副院長は、「現時点で研究会からの正式な連絡がないのでコメントできない。正式に結果が知らされた時に記者会見を開くなどの対応をしたい」と話しています。

 神戸国際フロンティアメディカルセンタは、神戸市が進める医療産業都市構想の中核施設の一つとして、昨年11月に開院。手術目的で来日した外国人を積極的に受け入れており、死亡した4人のうち2人はインドネシア国籍でした。15歳未満の患者も2人いたといいます。

 2015年4月18日(土)

 

■家庭での子供の誤飲事故、薬が最多に 2013年度、たばこを初めて上回る

 2013年度にあった家庭での子どもの誤飲事故の品目は薬が最も多く、1979年度の調査開始以来初めてたばこを上回ったと、厚生労働省が発表しました。

 死亡の事例はありませんでしたが、「重篤な健康被害が出た事例もある。薬の保管には細心の注意が必要」と呼び掛けています。

 厚労省は、家庭用品による健康被害の監視に協力する全国の病院を通して子どもの誤飲事故を調査。2013年度は、9病院(小児科)からの報告計531件(前年度比146件増)を分析しました。

 医薬品や医薬部外品など薬の誤飲は96件(18・1パーセント)。意識障害や嘔吐などの症状が認められた事例が27件あり、うち7件で入院が必要でした。

 年齢別では、生後6カ月から1歳未満が147件と最も多く、1歳から1歳半未満が130件と続きました。

 2歳10カ月の男児が母親の精神神経用薬を誤飲して意識障害の症状で7日間入院したり、3歳2カ月の男児がタンスの上にあったてんかん治療薬などを菓子と間違えて誤飲して嘔吐したりした重篤な例もありました。1歳7カ月の男児が母親のバッグから風邪薬を取り出して14錠ほど食べ、軽いぜんそくの症状が出た例などのように、甘い味で飲みやすい薬も多く、大量誤飲も報告されているといいます。

 薬に次いで多かった品目は、たばこ94件(17・7パーセント)、プラスチック製品60件(11・3パーセント)、おもちゃ51件(9・6パーセント)、金属製品50件(9・4パーセント)でした。

 たばこの誤飲は、喫煙率の減少に伴って、2000年ごろから減少傾向にあります。しかし、1歳前後の乳幼児を中心に依然として多くみられます。

 厚労省は、「たばこを誤飲した場合、飲み物を飲ませるとニコチンが吸収されやすくなる。飲ませずに、直ちに受診するように」としています。

 2015年4月17日(金)

 

■機能性表示食品、消費庁への届け出108件に 6月にも新たな表示で販売

 4月1日から、市場規模が1兆2000億円とも見なされる健康食品のパッケージに、国の許可なく体にどのように機能するかを表示できる新たな「機能性表示食品」制度が始まりましたが、消費者庁は15日、この制度に基づいて108件の食品の届け出が寄せられたことを明らかにしました。

 これらの食品は書類に不備がなければ、届け出から60日後の6月ごろから新たな表示で販売できるようになります。

 健康食品はこれまで、特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品を除いては、体にどのように機能するのか表示することは法律で禁じられていました。

 これについて、国は、規制改革の一環として、消費者の購買意欲を刺激し市場を拡大させるため、一定の科学的な根拠のある健康食品には企業の責任で機能の表示を認める機能性表示食品制度を始めました。

 企業は、論文などで有効性などを証明できれば、販売を開始する60日前に消費者庁に届け出るだけで、「目の健康に役立つ」とか、「丈夫な骨をつくる」「おなかの調子を整える」など、サプリメントや加工食品、生鮮食品のパッケージに体の部位を示して機能を表示することができるようになりました。

 消費者庁は15日、こうした届け出が108件寄せられたことを明らかにしました。書類に不備がなければ、これらの食品は届け出から60日後の6月ごろから新たな表示で販売できるようになり、消費者庁は近く、書類を受理した食品をホームページで公表することにしています。

 一方、この機能性表示食品制度を巡っては、消費者団体から「科学的な根拠が乏しいのに機能を表示する製品が出回るのではないか」と懸念の声も上がっています。

 記者会見した消費者庁の板東久美子長官は、「食品メーカーなどの新しい表示制度に対する関心は非常に高いと感じている」と話しました。また、届け出された科学的な根拠について、「根拠がない、または根拠の在り方がおかしいという指摘があれば、届出要件を満たすものかどうかを(消費者庁が)確認することはある」と話していました。

 2015年4月15日(水)

 

■千葉県がんセンター、拠点病院の指定取り消し 腹腔鏡手術で11人が死亡

 腹腔鏡を使った手術で患者11人が相次いで死亡した千葉県がんセンターについて、厚生労働省は14日、高度ながん医療を提供する「がん診療連携拠点病院」としての指定を取り消しました。

 がん診療連携拠点病院は、高度ながん医療を提供し、一定の診療報酬が加算される医療機関で、全国で計401の医療機関が指定されています。

 厚労省は、千葉市中央区にある千葉県がんセンターについて、昨年2月までのおよそ6年間に、腹腔鏡を使って肝臓やすい臓などの手術を受けた50~80歳代の患者11人が相次いで死亡したことから「医療安全が確保できていない恐れがある」として、今年度の指定を更新するかどうか検討していました。

 その結果、3月に千葉県が設置した検証委員会が、死亡した患者11人のうち10人について、手術方法の選択や手術中の対応などに問題があったと指摘したことなどから、「センターではガバナンス(組織統治)が十分に確立されておらず、質の高いがん医療の提供ができていない」として、14日に指定を取り消しました。

 このほか、患者が死亡する医療事故が起きた東京都新宿区にある東京女子医科大学病院と、前橋市にある群馬大学医学部附属病院について、高度な医療を提供する「特定機能病院」としての承認を取り消す必要があるかどうか検討する、厚生労働省の分科会の5回目の会合が開かれました。

 14日は5回目となる会合が非公開で行われ、厚労省の説明によりますと、病院の安全管理態勢を中心に意見が交わされたということです。この中では、事案の重大性から承認を取り消すべきだとか、取り消すかどうかにかかわらず病院に対して改善点を提示することが必要だといった意見が出されたということです。

 分科会では、病院側が提出した再発防止策が確実に実行されるかどうか検討するなどして、特定機能病院としての指定の取り消しが必要かどうか結論をまとめたいとしています。

 2015年4月15日(水)

 

■新型出生前診断の拡大を検討 日産婦、ターナー症候群など

 妊婦の血液から胎児の染色体異常の有無を判定する新型出生前診断(NIPT)で、臨床研究を実施する研究者らが参加する組織「NIPTコンソーシアム」のメンバーが、検査対象の拡大を求める要望書を、日本産科婦人科学会(日産婦)に提出しました。

 これまでの検査対象は、ダウン症など3種類の染色体異常に限っていました。日産婦は10日、倫理委員会で検査対象を拡大するかどうか検討を始めることを明らかにしました。命の選別の拡大を懸念する声が上がる可能性もあります。

 NIPTコンソーシアムの関係者によると、新たな検査対象として想定するのは、▽超音波検査でターナー症候群などの性染色体の本数の異常が疑われ羊水検査で調べていたケース▽デュシェンヌ型筋ジストロフィーなど男児のみに発症する遺伝性の重い病気などを調べるための性別検査▽過去の妊娠で子どもに病気につながる染色体の微小な欠失が見付かったケース−−など。

 NIPTコンソーシアムが2013年4月に臨床研究として始まった当初から、対象を三つの染色体の異常に限定することには疑問の声がありました。一方、妊娠前の受精卵検査については、全染色体を調べる着床前スクリーニングが今年度から始まります。

 日産婦の苛原(いらはら)稔・倫理委員長は同日、「倫理委員会に小委員会を設置して、時間をかけて慎重に検討したい」と話しました。小委員会の設置時期などは、決まっていないといいます。

 新型出生前診断(NIPT)は、妊婦の血液から胎児の染色体異常の有無を高精度で調べられる検査で、認定施設で実施されています。従来の羊水検査などより早い妊娠10週前後から検査でき、流産や感染症の危険性がありません。35歳以上の年齢の高い妊婦や、過去に染色体異常の子を妊娠したことがある妊婦など、これまでに1万8000人超が受けています。導入後1年間で、陽性と判定され、羊水検査で診断が確定した妊婦の97パーセントが中絶を選んでいます。

 2015年4月14日(火)

 

■薬の飲み残し対策を強化して医療費抑制へ 厚労省、薬剤師の服薬整理を徹底

 厚生労働省は、薬の飲み残しがある場合に薬剤師が調剤する薬を減らすなどして、2012年度にはおよそ29億円の医療費が抑制できたことから、薬の情報を記録する「お薬手帳」の利用を促進するなど、患者の薬の量を正確に把握する取り組みを強化することにしています。

 薬剤師が薬局で患者に薬を手渡す際、患者が薬を飲み忘れたり、複数の医療機関から同じ薬を処方されたりして生じる薬の飲み残し、いわゆる「残薬」がないかを口頭で確認し、残薬がある場合は医師に確認の上、薬の量を調整することになっています。

 厚労省は、日本薬剤師会の調査をもとに、2012年度に全国で7億9000万件あった薬の処方箋について推計を行ったところ、180万件は残薬を理由に薬剤師が薬の量を減らすなどの対応を取り、それによって医療費をおよそ28億7000万円抑制できたとしています。

 これを受けて厚労省は、薬の情報を記録する「お薬手帳」の利用を促進するほか、長期間にわたる薬を一度に処方される患者に対する薬剤師の服薬指導を徹底するなど、患者の薬の量を正確に把握する取り組みを強化することにしています。

 残薬については、高齢者宅から薬が大量に見付かる事例が目立っています。複数の医療機関から多種類の薬を処方された場合など適切に服用できず、症状の悪化でさらに薬が増える悪循環もあり、年400億円を超えるとの推計もあります。薬剤師が薬を整理し、医師に処方薬を減らすよう求める試みも、すでに全国で広がっています。

 2015年4月13日(月)

 

■iPS細胞を使った網膜組織移植、一定の効果 理化学研究所が報告

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った世界初の臨床研究を行っている理化学研究所などの研究チームは、11日から始まった日本医学会の総会で、昨年、iPS細胞から作った目の網膜の組織を移植する手術を受けた女性の半年後の経過について、「がんなどは起きておらず、視力も低下していない」として一定の効果が出ていると報告しました。

 これは、11日から京都市で始まった日本医学会総会のシンポジウムで発表されました。

 この中で、神戸市にある理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーは、昨年9月、iPS細胞から作った目の網膜の組織を移植する世界初の手術を受けた兵庫県在住の70歳代の女性の経過について、「手術から半年が過ぎたが、がんなどは起きておらず、拒絶反応もない」と報告しました。

 また、滲出型加齢黄斑変性という重い目の病気のために、手術を行う前は徐々に低下していた視力が0・1から下がることなく、安定しているほか、症状などについて本人に継続して尋ねたところ、「見え方が明るい」、「はっきりと見える」などと答えているということで、「安全性が確認でき、一定の効果が出ている」と述べました。

 その上で、今後については、手術から1年となる今年秋ごろに安全性や効果を改めて評価するほか、2例目の手術は、京都大学から提供される患者以外の人のiPS細胞を使って、2年以内に行う方針を明らかにしました。

 2015年4月12日(日)

 

■iPS細胞、より安全な移植へ 産総研などが腫瘍化防ぐ薬を開発

 産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と和光純薬工業(大阪市)の研究チームは、目的の細胞に育たずに腫瘍になる恐れのあるヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を取り除く薬を開発したと発表しました。

 培養液にたらすと不完全なiPS細胞がほぼ死滅し、大量に培養したiPS細胞も選別できるといいます。

 あらゆる細胞に変化し、再生医療に役立つと期待されるiPS細胞は、目的の細胞を作製する際、元のiPS細胞が一部残ることがあります。不完全なiPS細胞が混ざったまま移植すると、それらが無秩序に増殖して腫瘍になる恐れがあるため、取り除く技術が求められていました。薬の開発は、再生医療の安全性を高めると期待できます。

 研究チームは、ヒトのiPS細胞の表面にある糖鎖に着目。この糖鎖と結合するレクチンというタンパク質に、細胞死を引き起こす緑膿菌の毒素を組み合わせた薬を開発しました。細胞を培養する際、培養液に薬を加えると、他の細胞に影響を与えることなく、約24時間で元のiPS細胞をほぼ完全に死滅させることができたといいます。

 研究チームは、別の万能細胞であるES細胞(胚性幹細胞)でも同じ効果を確かめたとしています。

 医療現場での実用化を視野に、和光純薬が今月半ばからサンプルの配布を始め、7月から薬を発売する予定。

 産総研の舘野浩章主任研究員は、「再生医療に使う移植用細胞の純度を高めるために役立つ。まずは試薬として活用し、将来は移植で使えるように研究を進めたい」と話しています。

 この研究成果は10日、アメリカの科学誌のオンライン版にも掲載されました。

 2015年4月11日(土)

 

■昨年のエイズウイルス感染者、20歳代過去最多に 東京都内で148人

 東京都は、2014年に都内の保健所や医療機関で新たに確認されたエイズ患者とエイズウイルス(HIV)感染者の合計が前年より43人多い512人となり、過去3番目に多かったと発表しました。

 20歳代のHIV感染者は148人で、統計を取り始めた1989年以降、過去最多でした。東京都は若者の間でエイズ予防の知識が不足しているとして、今後、啓発活動を強化することにしています。

 東京都によると、発症した患者は97人で前年より13人減りましたが、感染者は415人で56人増えました。患者・感染者の97パーセントは、男性が占めました。

 自己申告をもとにした患者・感染者の感染経路の推定では、同性間の性的接触が373人(73パーセント)で、異性間の性的接触が91人(18パーセント)、原因不明やその他(母子感染、注射針の使い回しなど)は48人でした。

 年齢別では、感染者は20歳代が最多で148人(36パーセント)、30歳代が135人(33パーセント)と20~30歳代で7割近くを占めました。40歳代が98人、50歳代が20人、60歳代以上が11人で、未成年も3人いました。

 一方、患者は30歳代が最多の35人、40歳代が31人と30~40歳代の割合が高くなりました。50歳代が12人、20歳代と60歳代以上がともに9人、未成年が1人でした。

 東京都の担当者は、「若年層の間でエイズ予防のための知識が不足しているので、今後、啓発活動を強化するなど対策を徹底したい」としています。

 2015年4月10日(金)

 

■市販薬の副作用、過去5年で死亡15件 消費者庁が初めて注意を促す

 消費者庁は8日、医師による処方箋が不要な市販薬の副作用が原因とみられる死亡例が、昨年3月までの5年間に15件あったと発表しました。後遺症が残ったケースも、15件ありました。

 消費者庁は、「市販薬を利用して初期症状が出たら、重症化を防ぐためにすぐ医師や薬剤師に相談してほしい」、「市販薬を購入する時は、アレルギーや持病などについて薬剤師とよく相談するようにしてほしい」と呼び掛けました。同庁がこうした注意喚起をするのは、初めて。

 劇薬などを除くすべての市販薬は昨年6月、インターネットでの販売が解禁されて簡単に購入できるようになりましたが、消費者庁は厚生労働省所管の独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)による副作用の症例数の集計に基づき、2009年4月~2014年3月の5年間に市販薬による副作用が疑われる報告が計1225件あったとしました。

 内訳をみると、風邪薬による副作用が原因とみられるのが400件と最も多く、続いて解熱鎮痛消炎剤279件、漢方製剤134件などとなっています。

 死亡した15件では、風邪薬が原因とみられるのが8件と最も多く、続いて解熱鎮痛消炎剤が3件、せき止め薬が2件、漢方製剤が1件、その他が1件でした。肝障害や腎障害、ぜんそくの発作などが悪化したとみられます。

 後遺症が残った15件でも、風邪薬が9件と最多で、解熱鎮痛消炎剤が2件。

 副作用の初期症状としては、▽目や唇などの粘膜のただれ▽肝障害による倦怠感や吐き気▽腎障害によるむくみなどが確認されているといいます。

 板東久美子長官は8日の記者会見で、「一般に売られている風邪薬の副作用で死に至ることもあるとは、あまり知られていない」として注意を呼び掛けました。

 2015年4月9日(木)

 

■カナダの西海岸でセシウム検出 福島第1原発の事故で放出

 東京電力福島第1原子力発電所の事故で海に放出されたとみられる放射性物質のセシウム134が、カナダの西海岸で検出されたとアメリカの研究所が発表しました。

 アメリカのウッズホール海洋研究所が6日、発表したところによりますと、太平洋に面したカナダ西部のブリティッシュ・コロンビア州にある町、ユークレットの海岸で、今年2月に採取した海水から放射性物質のセシウム134が検出されました。

 同研究所は、セシウム134は通常、自然界には存在せず、半減期が2年であることから、過去に行われた核実験などではなく、福島第1原発の事故で海に放出されたものとみられるとしています。

 同研究所は、北米やハワイなど60カ所以上で福島第1原発の事故の影響を15カ月にわたって調査してきました。これまでアメリカやカナダの沖合の海水からセシウム134は検出されていましたが、海岸で検出されたのは初めてだということです。

 なお、今回検出されたセシウム134の濃度は、1立方メートル当たり1・4ベクレルで、国際的な基準を大きく下回っていて人の健康や海洋生態系に影響を及ぼす恐れはないレベルだとしています。

 ウッズホール海洋研究所は、「検出されたセシウム134は極めて微量だが、今後、沿岸のほかの地域でも検出されるとみられ、引き続き注意深く状況をみていく必要がある」としています。

 2015年4月8日(水)

 

■岡山大病院、ハイブリッド移植成功 世界初、脳死肺と生体肺を同時に

 岡山大病院(岡山市北区)は4日、肺が硬くなり縮んで働かなくなる特発性間質性肺炎という難病を患う北海道在住の男性(59歳)への両肺移植で、左肺に脳死した人からの肺、右肺に生きている人からの肺を同時に移植する手術に成功したと発表しました。

 脳死肺と生体肺同時の「ハイブリッド移植」は、世界初といいます。

 執刀した大藤剛宏・臓器移植医療センター教授によると、脳死ドナーからの提供肺は医学的に状態が悪く、移植直後の呼吸機能が十分でないため、もう片方の肺に男性の息子(成人)の右肺下部の「下葉」という部分を移植して機能を補いました。

 日本では日本臓器移植ネットワークの年齢制限で、55歳以上60歳未満の患者は原則として、脳死ドナーからは片肺しか移植を受けることはできません。さらに、男性は体が大きく、生体肺の一部の移植では呼吸機能の安定性に欠けることから、脳死肺と生体肺を組み合わせる手術を選択しました。

 大藤教授は、「機能の優れた生体肺も使う今回の新たな方法によって従来、医学的な理由で移植を断念するような肺を移植することができ、命を助けることができた」と話しています。

 移植手術は午前8時39分から始まり、10時間後の午後6時38分に終了。男性はすでに人工呼吸器を外して、移植された肺で呼吸し、容体は安定しているといいます。3カ月ほどで退院の見込み。

 男性は肺胞壁に炎症を起こし、十分に呼吸ができなくなったため、3月27日に日本臓器移植ネットワークに登録しました。

 男性は、「もう駄目かと思っていたが、移植を受けられ、うれしい。ドナーやご家族、息子に感謝の気持ちでいっぱい」とコメントしました。

 日本臓器移植ネットワークによると、ドナーは神奈川県内の病院に低酸素脳症で入院していた成人男性。岡山大病院の脳死肺移植は64例目、生体と合わせて141例目。

 2015年4月7日(火)

 

■1日30分以上の早歩きで、やせなくても脂肪肝改善 筑波大の研究

 早歩き程度の少し強めの運動を毎日30分以上続けることによって、体重に変化がなくても肝臓に蓄積した脂肪を減少させる効果があることがわかったと、筑波大学(茨城県つくば市)の研究チームが3日、発表しました。

 今後、脂肪肝の診療のためのガイドラインを作成する際の基本データになるといいます。肥満やアルコールの摂取により、肝臓に脂肪が蓄積した脂肪肝になると、肝炎や肝硬変などの病気になるリスクが高まるとされています。

 筑波大学の医学医療系や体育系の教授や学生などで作る研究チームは、2009~2013年に、食事や運動療法に取り組んだ30歳代から60歳代の肥満の男性およそ170人を対象に、早歩き程度の有酸素運動を3カ月間続けてもらい、肝臓や体重がどのように変化するかを調べました。

 その結果、体重に変化がなくても脂肪肝の要因となる物質が減る一方、脂肪を燃焼させる物質が増える効果が確認され、肝臓の脂肪が減少することがわかったということです。

 特に1週間に250分以上、1日に換算して30分余り運動を続けた場合は、肝臓の脂肪が減る効果が大きくなるということです。

 今回の研究の対象としたのは、アルコールが原因ではなく、食べ過ぎや運動不足などによる脂肪性肝疾患。国内の患者は1千万人と推定されています。

 筑波大学医学医療系の正田純一教授は、「やせなくても効果はあるのであきらめずに根気よく運動を続けてほしい」と話しています。

 2015年4月6日(月)

 

■武田薬品、糖尿病治療薬を自主回収 識別番号の刻印ミスが原因で

 大手製薬会社の武田薬品工業は3日、糖尿病治療薬の一部に別の錠剤の識別番号が刻印された錠剤が見付かったとして、自主回収すると発表しました。

 武田薬品工業が自主回収を決めたのは、医師の処方箋が必要な糖尿病治療薬の「リオベル配合錠LD」です。

 回収対象は約3万6千箱。うち今年2月9日から4月1日までに出荷された製品の一部で、合わせて約4500箱が市場に出回っており、残りは同社の物流センターで保管しているといいます。医療機関専用で、ドラッグストアなどでは取り扱っていません。

 同社によりますと、先月31日、医療機関から「異なる識別番号の錠剤が混ざっている」という指摘があり、調査を進めたところ、大阪市にある大阪工場で「リオベル配合錠LD」の錠剤に識別番号(382)を刻印する際、、主成分の量が多い糖尿病治療薬の「リオベル配合錠HD」に使っている識別番号(383)を誤って刻印していたことが、わかったということです。

 自主回収の対象の薬の一部は、すでに処方された可能性があるということです。

 同社は、自主回収の対象の製品を「リオベル配合錠LDとして服用した場合は健康被害が生じることはない」とする一方、「異なる識別番号の記載により、リオベル配合錠HDとして処方・服用された場合、有効性に問題が生じる可能性が否定できない」と説明しています。現時点で健康被害の報告はないといいます。

 武田薬品工業では、「関係者の方々に多大な心配をおかけし深くおわびします。再発防止対策を徹底し、自主回収に当たっては迅速かつ正確に情報伝達をします」とコメントしています。

 2015年4月4日(土)

 

■ペヤング販売再開、6月上旬にも首都圏で 全国的には7月を予定

 「ペヤング」のブランドでカップ焼きそばなどを製造する群馬県の食品会社が虫の混入を指摘され、商品の生産と販売を取りやめた問題で、会社は再発防止策が整ったとして、今年6月上旬にも首都圏で販売を再開することになりました。

 群馬県伊勢崎市に本社がある「まるか食品」は、昨年12月、1個のカップ麺に虫が混入していたとする購入者からの指摘を受けて、工場での生産を全面的に中止し、主力商品の「ペヤングソースやきそば」など24種類すべての商品の販売を取りやめました。

 まるか食品では異物の混入を防ぐ再発防止策の検討を進め、麺の製造の過程で混入がないかチェックできるカメラの導入や、製造ラインなどを目視で確認する従業員を増やすことを決めたほか、外から虫などが入らないよう工場内の壁などにあった亀裂をふさいだということです。

 早ければ今年5月末から生産を再開し、6月8日をめどに主力商品の「ペヤングソースやきそば」の販売を首都圏で再開することになりました。さらに、7月6日をめどに全国で販売を再開したいとしており、すでに一部の問屋やスーパーには再開スケジュールを伝えています。

 また、商品の中身は変わりませんが、プラスチックだった容器をより密閉性の高い発泡スチロールに変更したり、これまでのかぶせるタイプのフタをお湯を切る時に麺がこぼれにくいようアルミシールで止めたタイプに変更したりするなど、再開に伴ってデザインを一新するということです。

 まるか食品の担当者は、「販売再開の日程については正式な決定ではないが、一日も早く商品が届くよう取り組んでいきたい」とコメントしています。

 2015年4月2日(木)

 

■食品表示法を施行、カロリーや栄養成分の表示など義務化

 現在、3つの法律で別々に定められている食品の表示について一括して定める食品表示法が1日に施行され、今後は、加工食品などにカロリーやタンパク質など5つの項目を表示することが義務付けられます。

 食品の栄養成分や賞味期限などといった表示は、これまで食品衛生法、JAS法、健康増進法の3つの法律で別々に定められていましたが、これらを一括して定める食品表示法が1日に施行されました。

 食品表示法では、これまで事業者に表示の判断が任されていたカロリーやタンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量の5つの項目について、小規模な事業者などを除いて加工食品や添加物に表示することが義務付けられます。

 また、アレルギーに関する表示も厳格化されます。従来、マヨネーズやパンと表示してあれば卵や小麦と書くことを省略できましたが、これからは原材料を詳しく表示しなければなりません。

 こうした加工食品や添加物の表示は、経過措置として5年間、実施までの猶予期間が設けられます。

 消費者庁は、「この法律により、消費者にとっては表示がわかりやすくなり、日々の栄養管理が可能になるため、健康の増進に役立てることができる」と話しています。

 一方、市場規模が1兆2000億円とも見なされる健康食品について、一定の科学的な根拠があれば、企業の責任で体にどのように機能するのか表示できる新たな「機能性表示食品」制度が、1日から始まりました。

 健康食品はこれまで、特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品を除いては、体にどのように機能するのか表示することは法律で禁じられていました。

 これについて、国は、規制改革の一環として、消費者の購買意欲を刺激し市場を拡大させるため、一定の科学的な根拠のある健康食品には企業の責任で機能の表示を認める新しい「機能性表示食品」制度を始めました。

 企業は、論文などで有効性などを証明できれば、販売を開始する60日前に消費者庁に届け出るだけで、「目の健康に役立つ」とか、「丈夫な骨をつくる」「おなかの調子を整える」など、サプリメントや加工食品、生鮮食品のパッケージに体の部位を示して機能を表示することができます。

 こうした表示制度の変更について、消費者団体からは「科学的な根拠が乏しいのに機能を表示する製品が出回るのではないか」と懸念の声も上がっています。

 消費者庁への届け出は1日から始まり、早ければ6月ごろ、市場に機能を表示した健康食品が並ぶことになります。

 消費者庁は、「新しい表示制度によって消費者は自分に必要な健康食品を合理的に選べるようになり、市場の健全化も期待できる」と話しています。

 2015年4月2日(木)

 

■障害者の雇用率が低い企業名を公表 厚生労働省

 厚生労働省は3月31日、法律で義務付けられた障害者の雇用率を達成せず、国の勧告にも従わない企業8社を公表しました。

 障害者雇用促進法では、従業員50人以上の企業に対して、障害者を2パーセント以上雇用するよう義務付けており、達成できていない企業には、国が達成するための計画の作成と実施を勧告し、勧告に従わない場合は企業名を公表できることになっています。

 厚労省は31日、繰り返し指導しても改善が見られなかったとして、全国で100円ショップを展開する岐阜県の「セリア」、山口県の冠婚葬祭会社「日本セレモニー」、全国でコンタクトレンズとメガネの専門店を展開する名古屋市の「日本オプティカル」など8社の名前を公表しました。

 セリアは、「出店数の伸びによる雇用の増加に対して、障害者の採用が追い付かなかった。国の基準を早く達成できるよう取り組んでいきたい」とコメントしています。日本セレモニーは、「障害者の採用は積極的に行ってきたが会社全体の採用人数も増えたため雇用率が上がらなかった。今後、障害者の採用人数を増やすことを検討したい」とコメントしています。

 また、厚労省は、青森県病院局と福島県病院局が法律で定められた雇用率を達成していないとして、障害者を適正に雇用するよう勧告しました。

 青森県は、「勧告を重く受け止め、障害者の雇用に積極的に取り組んで参ります」とコメントしています。福島県は、「新たに採用枠を増やすなど対応を検討していきたい」とコメントしています。

 厚生労働省は、「障害者雇用に対する意識の改革が遅れていたり受け入れ態勢が整っていないために雇用率を達成できていない企業が多い。また、行政機関は率先して法律を守るべき立場で引き続き指導し改善を求めていく」としています。

公表された企業名(本社所在地)と雇用率:民間企業は2パーセント) ▽セリア(岐阜県大垣市):1・23パーセント ▽日本セレモニー(山口県下関市):1・21パーセント ▽日本オプティカル(名古屋市):1・16パーセント ▽ナイス(秋田市):0・95パーセント ▽扇港電機(三重県四日市市):1・02パーセント ▽惠山(東京都渋谷区):0・29パーセント ▽ブリッジインターナショナル(東京都世田谷区):0パーセント ▽プログレス・テクノロジーズ(東京都江東区):0パーセント

勧告を受けた機関と雇用率:国や自治体は2・3%) ▽青森県病院局:1・43パーセント ▽福島県病院局:0・57パーセント

 2015年4月1日(水)

 

■栃木県茂木町、特産のエゴマの人気沸騰 認知症の防止効果をテレビが放送

 栃木県茂木(もてぎ)町特産の「エゴマ」の人気が、沸騰しています。エゴマに含まれる成分に、認知症の防止、改善の効果が期待できると複数のテレビ番組に取り上げられ、関連商品を販売する道の駅もてぎなどへの問い合わせや、商品の売り上げが急増。

 昨年収穫した実を使ったエゴマ油は4月初めにも底を突く見込みで、担当者はうれしい悲鳴を上げています。全国各地が知恵を絞る「地域創生」が求められる中、注目されそうです。

 2004年、茂木町の町議らがエゴマ栽培の先進地、福島県船引町(現田村市)を訪れ種子を譲り受けたことを切っ掛けとして、町内でエゴマ生産が始まりました。

 その後、「搾油して特産品にしよう」と2006年に結成された農家の茂木エゴマの会は現在、会員約50軒が計6~7ヘクタールの畑で、約4・5トンを生産。昨年11月から、道の駅内の「もてぎ手づくり工房」を運営する第3セクターが実を買い取り、製品化しています。

 茂木エゴマの会などによると、エゴマの成分の一つが血中の悪玉コレステロールを減らす働きがあると、知られていたといいます。

 加えて、昨年末からテレビの情報番組で、その成分などを含む不飽和脂肪酸の一種「α—リノレイン」が認知症に作用する可能性があると放映されました。工房で生産する油や粉、紅茶など8商品の売上額は2月、前年の10倍に急増したといいます。

 エゴマは、ゴマではなくシソ科の植物。日本では、古来より食用や行灯用油として日常的に用いられてきました。菜種油が広まってからは衰退していきましたが、昨今、ダイエットや健康の面から再び注目を浴びてきています。エゴマ油は熱を加えると効果が半減するため、毎日スプーン小さじ1杯を、でき上がった料理や納豆、豆腐、サラダ、パスタにかけたり、味噌汁やコーヒーなどに入れたりなど、そのまま摂取することが勧められています。

 2015年3月31日(火)

 

■医療事故の報告、過去最多の3194件  2014年、報告が定着

 日本医療機能評価機構(東京都)は26日、全国の医療機関から2014年に報告があった医療事故は3194件だったと発表しました。前年の2013年を145件上回り、年単位の集計を始めた2005年以降の最多を更新しました。

 医療事故の分析などを行っている日本医療機能評価機構は件数の増加について、「報告の意識が定着してきた結果」としています。

 集計によると、厚生労働省令で同機構への報告が義務付けられた大学病院や国立病院機構の病院など275施設からは、2911件の報告があり、2013年を203件上回りました。任意で報告制度に参加する病院など718施設からは、283件の報告がありました。

 うち死亡事故は225件(7・7パーセント)、障害が残る可能性が高い事故は294件(10・1パーセント)。事故の内容で多かったのは、ベッドからの転落や食べ物をのどに詰まらせるといった療養上の世話に関する事例1119件、体内へのガーゼの置き忘れなど治療や処置に関する事例757件、薬の投与量の間違いなど薬剤に関する事例210件でした。

 医療事故を巡っては、全国約18万の医療機関を対象に、患者の予期せぬ死亡事例があった場合、新設される第三者機関「医療事故調査・支援センター」への届け出と、院内調査を義務付ける医療事故調査制度が、今年10月から始まることになっています。

 2015年3月30日(月)

 

■子宮頸がんワクチンで新たな研究班を設置へ 信州大など全国の8大学病院が参加

 子宮頸がんワクチンを接種した後、全身の痛みやしびれなどを訴える患者が相次いだ問題で、厚生労働省は、4月から新たな研究班を設け、接種との因果関係などを本格的に調査することを決めました。一部の患者については、痛みだけでなく、記憶力の低下などの症状が確認されたためです。

 子宮頸がんワクチンは、一昨年4月、小学6年生から高校1年生までの女子を対象に法律に基づく定期予防接種に追加されましたが、ワクチン接種の後、体の痛みなどの副作用を訴える患者が相次いだため、厚労省は一昨年6月、接種の積極的な呼び掛けを中止しています。

 これまでに接種を受けた人はおよそ338万人と推計され、このうち176人で症状が確認されています。厚労省によりますと、接種との因果関係はわからないものの、体の痛みや運動障害といった症状のほか、記憶力や読解力の低下など、脳の機能が低下する「高次脳機能障害」とみられる症状が、少なくとも9人の患者で確認されたということです。

 このため、厚生労働省は、4月から新たな研究班を設け、ワクチン接種との因果関係などについて本格的に調査することを決めました。研究の期間はおよそ1年間で、信州大など全国8つの大学病院が参加し患者のデータを集めて分析するとともに、全国3つの都市でワクチンを接種した人を対象にアンケート調査を行う計画です。

 厚労省は、「高次脳機能障害が確認された患者の数は、接種した人全体からみると少ないが、症状を訴える人がいる以上、調査を行う必要があると判断した」としています。

 2015年3月29日(日)

 

■日本土着のはしか、排除状態と初認定 WHO西太平洋地域事務局

 厚生労働省は27日、日本に土着するウイルスによるはしか(麻疹)の感染が3年間確認されなかったため、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局から日本が「排除状態」と認定されたと発表しました。日本の認定は初めて。

 全身の発疹や高熱などの症状が出るはしかは、脳炎や肺炎を起こして死亡することもある感染症で、世界的にウイルスの排除に向けた取り組みが進められています。

 排除状態の認定には、土着ウイルスが3年間検出されないことが必要。国内で土着ウイルスの感染によるはしかの流行は2007~2008年に起き、2008年のはしか患者は10歳代から20歳代の若者を中心に1万人を超えました。

 厚労省は2008年度から、通常1歳と小学校入学前が対象のワクチンの定期予防接種を、中学1年生と高校3年生にも時限的に実施し、5年間で1000万人以上が受けました。その結果、患者数も減り、近年は年間200~500人程度のはしか患者が報告されていますが、昨年のはし患者は調査したすべてのケースが海外からウイルスが持ち込まれたものでした。

 このため、ウイルスの遺伝子の型や感染経路などを調べた結果、2010年5月を最後に、国内に土着するウイルスが検出されなかったことが確認できたということで、27日にマカオで開かれたWHO西太平洋地域事務局の会議でブルネイ、カンボジアとともに排除状態にあると認定されました。

 西太平洋地域では、昨年、オーストラリア、韓国など4カ国・地域が排除状態と認定されており、今回の日本など3カ国を加えて計7カ国・地域が認定されました。中国やフィリピンでは依然として、はしかの流行があります。

 海外から持ち込まれたウイルスが定着すると再び土着ウイルスと見なされるため、厚労省は感染を小規模で押さえ込めるよう、定期予防接種などの対策を進めます。

 厚労省の麻疹排除認定会議の座長である岡部信彦・川崎市衛生研究所長は、「排除認定は、保護者、行政、医療などの地道な取り組みの成果で喜ばしいことだが、アジア全体ではまだ落ち着いておらず、海外から持ち込まれる事例は後を絶たないので、対策を怠ると、また広がる恐れがある。引き続きワクチンの予防接種を徹底するなど排除状態を続ける努力が必要だ」と話しています。

 2015年3月28日(土)

 

■千葉県がんセンターの腹腔鏡手術、10例で問題指摘 日本外科学会が調査

 千葉県がんセンターの消化器外科で、腹腔鏡の手術を受けた患者11人が死亡した問題で、手術中に肝臓と十二指腸をつなぐ総胆管を別の管と誤って切断し患者が死亡するなど、手術自体に問題のあるケースが複数あったことが、日本外科学会の調査でわかりました。

 千葉県がんセンターでは、昨年2月までのおよそ6年間に、腹腔鏡を使って肝臓やすい臓などの手術を受けた50~80歳代の患者11人が死亡し、千葉県の第三者検証委員会から依頼を受けた日本外科学会が詳しい調査を行いました。

 その結果、11人の死亡例のうち、10例で手術を実施するかの判断や術中の対応などに問題があったと指摘しています。2011年に肝臓がんの手術を受けた70歳代の男性のケースでは、肝臓と十二指腸をつなぐ総胆管を医師が別の管と誤って切断していたほか、動脈を傷付けるなどして患者が肝不全になった結果、死に至ったと考えられると指摘しています。

 また、2008年に胃がんのため胃をすべて摘出する手術を受けた50歳代の男性のケースでは、視野が十分確保できない中で盲目的な手術操作が目立ち、腹腔鏡による手術を安全に実施できる水準に至っていないと考えられるなどと、医師の技量不足を指摘しています。

 この手術を執刀した医師は、腹腔鏡を使って胃をすべて摘出する手術を1例しか経験していなかったということで、執刀医を選ぶ際の配慮が足りなかったのではないかとも指摘しています。

 肝臓の手術に詳しい日本大学医学部消化器外科の高山忠利教授は、「腹腔鏡だと視野が狭くなるので、経験が少ないと切る場所を見間違えるミスも起こる。経験や技術が足りない医師になぜ任せたのか、詳しい経緯を調べるべきだ」と話しています。

 2015年3月27日(金)

 

■台湾、福島など被災5県産の食品回収を命じる カップ麺などの加工食品が対象

 台湾の食品衛生当局は24日、日本から輸入された加工食品のうち、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて輸入停止の対象としている福島県など5つの県で生産された疑いのある商品が見付かったとして、業者に回収を命じました。

 台湾の食品衛生当局によりますと、日本から輸入されたカップ入り麺やインスタントコーヒー、しょうゆなど3000種類の加工食品を今月19~21日に検査したところ、台湾が輸入停止の対象としている福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5つの県で生産された疑いのある283種類の商品が見付かったということです。

 多くは、日本では流通しているとみられる大手メーカーの商品で、この中には、日本語の表示と違う製造場所を示す中国語のラベルが貼られていたものがあったということです。

 これまでの検査では、放射性物質は検出されていないということですが、食品衛生当局は該当する食品を販売している日系百貨店やスーパーなどに回収を命じ、売り場から撤去される動きが広がっています。

 台湾では、日本の食品や農林水産物の人気が高く、アメリカ、香港に次いで日本から食品などを輸入していますが、東京電力福島第1原子力発電所の事故の後、消費者の一部には安全性への懸念が根強く残っています。

 これに対して、日本側は食品の厳しい検査を行っていて安全性は確保されているとして、台湾の食品衛生当局に対し5つの県からの輸入停止の措置を解除するよう求めています。

 2015年3月26日(木)

 

■肝臓がんリスクを診断する高精度な検査法を開発 聖マリアンナ医科大

 肝臓がんの原因となるB型肝炎ウイルス(HBV)を効率的に発見する検査法を、川崎市に本部を置く聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科(伊東文生教授)の山本博幸准教授と渡辺嘉之非常勤講師が開発しました。

 従来の検査法では患者の肝臓の全遺伝子を調べる必要がありましたが、新しい検査法ではHBVの一部遺伝子を試薬のように使うことで、より速やかに高い精度での検出が可能になりました。

 研究成果は、米国の科学誌「ゲノムリサーチ」3月号に掲載されました。 

 肝臓がんの約3分の1はHBVが原因で、HBVは輸血や注射針の使い回し、性交渉で感染します。日本国内で無症状の感染者は約130万人に上り、世界では約4億人が存在するといわれます。うち約10パーセントが肝炎、肝硬変を経て、最終的に肝臓がんを患っています。患者が多いC型肝炎が薬剤で完治できる現在、HBVは肝臓がんの最大の原因ともいわれています。

 HBVは肝臓に到達すると、肝細胞の遺伝子の一部に食い込み、操ります。このことで最終的に肝臓がんが発生するため、山本准教授らはいち早く感染の有無を調べることが有効と考え、約2年前から、感染の仕組みに着目した検査法の研究に取り組んできました。

 HBVが遺伝子に取り付く仕組みに規則性はなく、どの遺伝子に取り付くかはわかっていません。このため、従来の検査法では、生検で取り出した患者の肝細胞の遺伝子をすべて調べる必要がありました。「森の中から1本の針を見付けるようなもの」(山本准教授)で、検査結果が判明するのに3週間かかり、精度も低いものでした。

 今回、開発した検査法では、薬剤で細かく切ったHBVの遺伝子片を増幅機器で大量に合成。これを別の薬剤とともに試験管に入れ、その中に患者の肝臓から取った細胞片を混合します。

 HBVの遺伝子は、同じ配列を持った遺伝子に密着する性質があることが知られています。肝臓が感染している場合、細かく刻んだHBVの遺伝子片は感染源のHBVの遺伝子に密着。遺伝子解析装置で観察すると、2階建てのような形状になっているため、容易に判定できます。

 「細かく刻んだHBVの遺伝子片は、いわばターゲットマーカーの役割を果たしている」と山本准教授。検査結果が出るまでの時間は約2日と大幅に短縮される一方、精度は10倍になりました。

 山本准教授は、「新検査法が普及すれば発がんリスクが診断できるだけでなく、早期治療にも役立つ。ウイルスが原因となる子宮頸がんや悪性リンパ腫にも応用できるなど、汎用性も幅広い」と話しています。

 2015年3月25日(水)

 

■群馬大病院の腹腔鏡手術、死亡率が平均の18倍に上る 学会が全国調査

 前橋市にある群馬大学附属病院で、腹腔鏡による肝臓の手術を受けた患者8人が死亡した問題で、病院の手術の死亡率は全国平均のおよそ18倍に上ることが、日本肝胆膵外科学会が行った全国調査の結果わかりました。

 群馬大学附属病院では、昨年6月までの4年間に腹腔鏡による肝臓の手術を受けた患者8人が死亡し、その死亡率は8・6パーセントに上っていました。

 この問題を受け、日本肝胆膵外科学会は難易度の高い手術を安全に行えると学会が認定した全国214の病院を対象に、死亡率の調査を行いました。

 その結果、腹腔鏡を使った肝臓の手術の死亡率は全国平均が0・49パーセントで、群馬大学附属病院の8・6%という死亡率は、平均のおよそ18倍に上っていました。

 また、難易度が高く、安全性や有効性が十分に確認されていない保険適用外の手術に限ってみますと、全国平均の死亡率は1・45パーセントで、群馬大学附属病院の13・8パーセントは、平均のおよそ10倍に上っていました。

 日本肝胆膵外科学会理事長の宮崎勝・千葉大教授は、「難易度の高い手術に対して、腹腔鏡を使った結果、このように高い死亡率になった可能性が考えられる」と話しています。

 学会が難易度の高い手術を安全に行えると認めた214の認定施設には、群馬大学附属病院も含まれていましたが、学会は認定を取り消すことを決めました。

 群馬大学医学部附属病院では、昨年6月までの4年間に、40歳代の男性医師が執刀した腹腔鏡を使った肝臓の手術を受けた患者8人が亡くなっており、このうち3人は日本肝胆膵外科学会の腹腔鏡を使った手術の全国調査で、患者の9・76パーセントが死亡したことが明らかになった胆管の切除を伴うものでした。

 胆管は肝臓から伸びる管で、特に肝臓の出入り口にある「肝門部胆管がん」の手術は、難度が高いとされています。

 病院の調査委員会の最終報告書によりますと、胆管の切除を伴った手術で3人が亡くなっており、このうち肝門部胆管がんと診断された1人について「医師は複雑な操作が比較的少ないと考えて腹腔鏡を使った手術を選択したが、難度の高い手術で、肝門部胆管がんでは腹腔鏡を使った手術の安全性は確立していない」と指摘した上で、「開腹手術が妥当だった」などとする見解を示していました。

 40歳代の男医師は現在、業務停止の処分中で、患者の診療などには当たっていないということです。

 2015年3月24日(火)

 

■エボラ出血熱、リベリアで新規患者を確認 約1カ月ぶりで終息宣言遠のく

 西アフリカのリベリア政府は20日、国内で約1カ月ぶりに新規のエボラ出血熱患者が確認されたと発表しました。

 エボラ出血熱の流行ピーク時には最も大きな打撃を受け、これまでに4000人以上が死亡したリベリアでは、現在は新規患者がほぼ出なくなる感染終結期にあり、4月中旬にもエボラ出血熱感染終結宣言が出されるとみられていました。新規感染者の発生で、終息宣言は遠のきました。

 感染者は首都モンロビア近郊の住民で、モンロビアのエボラ出血熱治療センターに搬送されました。

 リベリア政府のルイス・ブラウン報道官は、「女性1人が新たにエボラ出血熱に感染したことが確認された。それまでの27日間はただ1人の新規患者も出ていなかった。エボラ熱を巡る状況は後退した」と述べました。

 世界保健機関(WHO)は今月初め、リベリアでは2月19日から新規感染患者が出ていないと発表していました。WHOによると、その時点で知られていた最後の感染例の関係者全員がすでに21日間の経過観察期間を終えているため、新規患者の女性の感染経路はわかっていないといいます。

 2015年3月23日(月)

 

■iPS細胞で人工神経を開発 大阪市大、マウスで成功

 けがなどで失った末梢神経に対して、従来は体のほかの部分から採取した正常な神経を移植する以外に治療の手立てがありませんでしたが、大阪市立大学の研究グループは18日、万能細胞のiPS細胞(人工多能性幹細胞)と人工神経を組み合わせて、失った末梢神経の再生に成功したと発表しました。

 これは、大阪市立大整形外科学の中村博亮教授らのグループがマウスの実験で成功したもの。

 けがなどで手足や指の末梢神経が失われると、これまでは体のほかの部分から正常な神経を採取して移植するしか方法がありませんでした。この方法だと、神経を採取した部分にしびれや知覚障害が起こるため、人工神経が開発されたものの、十分に再生できなかったり、材質の硬さから移植部分が制限されるなどの課題がありました。

 大阪市立大学の研究グループでは、iPS細胞から作った細胞をチューブ状の構造物である人工神経に組み合わせ、坐骨神経を損傷させたモデルマウスに移植。

 半年後と1年後に観察した結果、iPS細胞と人工神経を組み合わせたマウスは、人工神経だけを移植したマウスに比べて、運動機能や知覚面で、より回復していたことが確認できました。末梢神経も十分に再生し、iPS細胞の移植によって懸念される腫瘍もできていませんでした。

 研究グループでは、現在ビーグル犬など大型動物で基礎実験を進めており、5年以内に人での臨床試験を目指すとしています。

 なお、この研究成果は米医学雑誌「Cells Tissues Organs」電子版に近く掲載される予定。

 2015年3月21日(土)

 

■医療費が助成される難病、306疾患に 厚労省が筋ジスなど追加

 医療費が助成される難病について、厚生労働省の専門家会議は新たに「筋ジストロフィー」など190余りの病気を指定する方針を決め、助成の対象は合わせて300余りと大幅に増えることになりました。

 難病患者への医療費の助成について、厚労省は今年1月から制度を見直し助成の対象を増やす一方で、対象者を原則、症状の重い患者に限り、所得に応じて負担を求めています。

 19日開かれた厚労省の専門家会議では、患者の数が人口の0・1パーセント程度となるおよそ18万人を下回り、診断基準が確立しているといった要件を満たした筋ジストロフィーや先天性ミオパチーなど、196の病気を新たに医療費を助成する対象として指定する方針を決めました。

 これで、対象となる病気は制度の見直しが行われる前の56(約78万人)から、306(約150万人)に大幅に増えることになりました。

 厚労省はこのほかの病気についても、最新の研究データなどを収集し、指定するかどうか検討していきたいとしています。

 日本難病・疾病団体協議会の伊藤たてお代表理事は、「助成の対象が大幅に増えたことは評価できるが、対象になっていない病気も少なくない。症状の軽い患者は原則、助成を受けられないなど課題もあり、実態に合わせた見直しを行っていくべきだ」と話しています。

 2015年3月20日(金)

 

■妊婦喫煙で低体重児1・4倍、やせた妊婦もリスク 沖縄県が保健指導を開始

 喫煙している妊婦や、やせている妊婦は低体重児(2500グラム未満)を産むリスクが高い傾向にあることが、沖縄県が実施している妊婦健診と乳幼児健診のデータ分析事業で示されました。

 沖縄県は全国1~2位で推移する県内の低体重児出生率の要因を分析するため、2014年度から分析事業を実施しており、17日に南風原町の沖縄小児保健センターで開かれた同事業最終報告会で、分析結果が報告されました。

 分析結果は、事業を受託している東邦大学医学部講師の田中太一郎さんと同大院生の林友紗さんが報告。

 2012年度に妊娠届け出を提出した人が出産した子のうち、低体重児の割合は9・8パーセントでしたが、喫煙する妊婦が出産した子のうち、低体重児の割合は14パーセントと約1・4倍に上りました。出生児の平均体重でも、喫煙している妊婦の出生児は非喫煙者や禁煙者と比較して、80グラム~100グラム程度体重が軽くなりました。

 妊娠中に喫煙していた母親の子どもは、1歳半健診時で運動機能、視聴覚、言語、対人関係性・精神発達の4項目で何らかの発達の遅れを招くリスクが1・24倍~2倍に上ることも報告されました。

 一方、妊娠前の体格指数(BMI)が18・5未満とやせている妊婦からも、低体重児が生まれる割合が高いことも報告されました。BMI18・5未満で妊娠中の体重増加量が推奨値の9キログラム~12キログラムに満たなかった場合、低体重児が生まれる割合は、推奨値を満たした場合に比べ1・76倍~2倍となりました。

 分析結果を受け沖縄県は5月から、妊婦やその同居家族に対する禁煙支援と、やせている妊婦への適度な体重増加に重点を置いた保健指導をモデル地区の沖縄市など3市2町で実施します。

 禁煙支援では、妊婦や家族の喫煙状況や、関心の有無など禁煙に対する意識を調べます。その上で、妊娠を切っ掛けにすでに禁煙している妊婦には、母子手帳に収まる大きさの「禁煙サポート手帳」を配布し、喫煙中の人には声掛けなどで支援し、パートナーに対してもリーフレットで喫煙の影響の理解を深めたいといいます。

 やせの妊婦には、体重記録手帳などを配るほか、栄養士につなげる保健指導も想定しているといいます。

 2015年3月19日(木)

 

■KDDI、血液検査サービスを開始 将来的には遺伝子検査も

 KDDIは16日、専用キットを使って自宅で血液検査ができる新サービス「スマホdeドック」を来月から始めると発表しました。

 健康ニーズの高まりを背景に携帯電話各社がヘルスケア分野に注力する中、医学的な検査サービスに踏み込み、長期的な収益増やスマートフォン利用者の拡大を図ります。

 同サービスは、医療機器ベンチャーのリージャー(東京都中央区)、板橋中央総合病院グループの臨床検査会社アイル(東京都板橋区)と共同で実施。

 スマートフォンやパソコンから申し込んで、自宅に届く検査キットで指先から採取した血液1~2滴を採って送り返すと、約1週間後に血糖値や中性脂肪、コレステロール、肝機能など14項目の結果や、数値に応じたコメントをネット上で確認できます。

 来月から、全国22の自治体・健康保険組合で最大24万人に提供します。個人利用も今夏から、1回4980円(税抜き)で受け付けます。KDDIの加入者以外も利用可能。

 KDDIは今後、がんの発症リスクや遺伝子などの検査にも広げる方針といいます。

 新規ビジネス推進本部の岩崎昭夫部長は、「スポーツ支援アプリ(応用ソフト)などと組み合わせ、健康管理全般のサポートにつなげたい」と発表会見で述べました。

 健康管理分野では、NTTドコモが心拍数を計測するウエアラブル端末を手掛け、ソフトバンクも体組成計のデータ管理サービスを提供するなどスマホとの連動サービスを増やしています。

 2015年3月18日(水)

 

■カルビー 、「じゃがりこ」を自主回収 2府31県に出荷した14万個

 大手菓子メーカーの「カルビー」は、スナック菓子の一部の商品について、油の揚げ具合が不十分で食感が悪い状態になっているとして、この商品およそ14万個を自主回収すると発表しました。

 カルビーが自主回収するのは、スナック菓子の「58g じゃがりこ チーズ」のうち、製造日が今年2月3日、賞味期限が今年5月3日の商品で、商品の底に、岐阜県にある工場で製造されたことを示す「G」と記載されています。

 会社によりますと、商品を購入した客から、湿気を帯びているという内容のメールなど合わせて6件の苦情や問い合わせが寄せられ、岐阜県の工場を調べたところ、商品を揚げる油を供給する機械に不具合が発生していたということです。

 会社では、油の量が不十分だったことにより食感が悪い状態になっていたとみて、西日本を中心に2府31県のスーパーやコンビニに出荷された商品およそ14万個を自主回収することにしました。

 カルビーは、「お客様に多大なご迷惑をおかけし、深くおわびします。再発防止に向けて、管理体制の一層の強化に努めます」とのコメントを発表しました。

 問い合わせは「カルビーお客様相談室」0120-55-8570で、祝日と日曜日を除く月曜日から土曜日まで午前9時から午後5時まで受け付け、今週21日は祝日でも対応するということです。

 2015年3月17日(火)

 

■東京都内の男性、エボラウイルス感染は確認されず リベリアから帰国し発熱

 エボラ出血熱が流行する西アフリカのリベリアに滞在し、発熱の症状を訴えた40歳代の外国籍の男性について、厚生労働省が念のためエボラウイルスに感染しているかどうか詳しい検査を行った結果、エボラウイルスは検出されませんでした。

 厚労省によりますと、西アフリカのリベリアに滞在歴があり、東京都内に住む40歳代の外国籍の男性が15日夜、38度4分の発熱と体の痛み、寒気の症状を訴え都内の医療機関に入院しました。

 男性は今月2日まで約9カ月間リベリアに仕事で滞在し、今月4日に羽田空港に到着しました。現地でエボラ出血熱の患者と接触したという情報はないということです。

 男性の熱は解熱剤を服用した後いったん37度まで下がりましたが、16日未明に再び38度5分にまで上がり、医療機関でマラリアの検査を行ったところ、陽性だったということです。厚労省は、念のため採取した血液を東京都武蔵村山市の国立感染症研究所に送って詳しい検査を行った結果、エボラウイルスは検出されなかったということです。

 エボラ出血熱を巡っては、厚労省はこれまで西アフリカに滞在歴があり、日本に到着した後、発熱の症状を訴えた6人について詳しい検査を行いましたが、いずれも、感染は確認されていません。

 2015年3月17日(火)

 

■エボラ出血熱治療の米医療従事者10人、感染の恐れ シエラレオネから空路搬送

 西アフリカのシエラレオネでエボラ出血熱の治療にかかわっていたアメリカ人医療従事者のうち1人が、エボラウイルスへの感染が確認されてアメリカに空路で搬送され、ほかにも感染の可能性がある10人がアメリカで経過を観察することになりました。

 アメリカの疾病対策センター(CDC)は14日、エボラ出血熱の流行が続く西アフリカのシエラレオネで、治療の支援活動を行っていた複数のアメリカ人医療従事者にエボラウイルスへの感染の可能性があるとして、予防措置のためアメリカに帰国させると発表しました。

 これに先立ち、アメリカでは13日、エボラウイルスへの感染が確認された医療従事者1人がシエラレオネから東部メリーランド州の国立衛生研究所(NIH)に搬送されて入院し、重症といいます。今回、帰国する人たちは、この医療従事者と共に支援活動に当たっていたということです。

 医療従事者が所属する支援団体によりますと、帰国する人は10人に上るということで、今のところ発熱などの症状は出ていませんが、NIHなどエボラ出血熱の治療設備が整った複数の米国内の医療施設に隔離して、経過を観察するということです。

 世界保健機関(WHO)によりますと、西アフリカではリベリアで今月、新たにエボラウイルスの感染が確認された人の数がゼロになった一方で、シエラレオネとギニアでは、今月8日までの1週間にそれおれ58人の感染が新たに確認されるなど、予断を許さない状況が続いています。

 2015年3月15日(日)

 

■エボラ出血熱、西アフリカ3カ国で死者1万人を超える 感染者は2万4000人以上

 西アフリカでエボラ出血熱の流行が確認されてから間もなく1年となるのを前に、世界保健機関(WHO)は死者が1万人を超えたことを発表し、国際社会に対して流行の終息に向けた取り組みの強化を訴えました。

 WHOは12日、西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国でのエボラ出血熱による死者が疑い例も含めて、1万4人に達したと発表しました。感染または感染の疑いがある人は、2万4350人に上っています。死者の内訳はギニア2187人、リベリア4162人、シエラレオネ3655人。

 エボラ出血熱は、ギニアでの流行が確認されてから間もなく1年となります。昨年の秋には、新たな感染者が毎週1000人ずつ増えていましたが、国際社会の支援などによって感染拡大の速さは大幅に低下しています。

 今年1月末以後、3カ国での新たな感染者は毎週120~130人前後で横ばいとなっています。死者数が一番多いリベリアでは、新たな感染者が2週間以上見付かっておらず、封じ込め対策が効果を上げていることを示しています。

 しかし、ギニアとシエラレオネでは、今月8日までの1週間にそれぞれ58人の感染が新たに確認されるなど、予断を許さない状況が続いています。

 WHOでは、「患者と接触した人の健康状態を観察したり感染が広がらない方法で死者を埋葬するなど、感染を防ぐ取り組みは今も住民の間で徹底されておらず、引き続き支援が必要だ」と指摘し、国際社会に対して流行の終息に向けた取り組みの強化を訴えました。

 2015年3月15日(日)

 

■自殺者、5年連続で減少し、3年連続で3万人を下回る 震災の影響とみられる自殺も減少

 内閣府と警察庁の12日の発表によりますと、昨年1年間に自殺した人は2万5427人で、5年連続で減少し、3年連続で3万人を下回りました。このうち、東日本大震災が影響したとみられる自殺者は22人で、前の年より16人減りました。

 警察庁によりますと、昨年1年間に自殺した人は、全国で2万5427人で、前の年よりも1856人、率にして6・8パーセント減少しました。減少率は1978年の統計開始以来2番目に大きく、内閣府は「景気の回復が進み、生活苦が減ったことが理由とみられる。すべての世代で低下したが、まだまだ高水準だ」としています。

 自殺した人は、2002年から14年連続で年間3万人を超えていましたが、2012年からは3年連続で3万人を下回りました。

 都道府県別では、東京都が2636人と最も多く、次いで神奈川県が1422人、愛知県が1395人、大阪府が1386人と続き、最も少なかったのは鳥取県の114人でした。

 年齢別では、すべての年代で前年より減少しました。60歳代は4325人(前年比8・3パーセント減)、40歳代は4234人(同7・7パーセント減)、50歳代は4181人(同6・8パーセント減)で、中高年世代が全体のほぼ半数を占めました。

 男女別では、男性が女性のおよそ2倍となっていますが、男性は5年連続、女性は3年連続で減少しています。

 さらに、遺書などから理由が推定できた1万9025人を原因・動機別(1人で複数の場合あり)にみると、うつ病などの「健康問題」が1万2920人(前年比5・6パーセント減)、生活苦などの「経済・生活問題」が4144人(同10・6パーセント減)、家族間の不仲などの「家庭問題」が3644人(同7・3パーセント減)、仕事疲れなどの「勤務問題」が2227人でした。

 東日本大震災が影響したとみられる自殺者は22人で、前の年より16人減り、震災が起きた2010年以降で最も少なくなりました。22人のうち10人が60歳以上で、11人が健康問題を抱えていました。県別では、福島県が前年比8人減の15人、宮城県が6人減の4人、岩手県が1人減の3人でした。

 警察庁は、インターネットの掲示板などで自殺をほのめかす書き込みを見付けるパトロールをするなど、対策を進めることにしています。 

 2015年3月14日(土)

 

■今季のインフルエンザ、6割でワクチン効果低下 遺伝子変異で感染拡大の要因に

 今シーズンに流行したインフルエンザウイルスのおよそ6割は、遺伝子が変異してワクチンが効きにくくなっていたとする報告を国立感染症研究所がまとめました。

 専門家は、患者数が200万人前後となる週が続くなど、例年にないほど感染が拡大した要因の1つとみています。

 国立感染症研究所は、毎年インフルエンザのワクチンの効果を調べており、今年も主に流行した高齢者が重症化しやすいとされるA香港型のウイルス80株について、ワクチンでどの程度体内での増殖を抑えられるか分析しました。

 その結果、64パーセントに当たる51株ではウイルスの増殖を一定の基準以上防げず、「ワクチンの効果が低下していると考えられる」と判定されたということです。

 国立感染症研究所によりますと、ウイルスの遺伝子が変異しワクチンと合わなくなったためだということです。

 今シーズンのインフルエンザの流行では、1月に3週間連続で全国の患者数が200万人前後に上るなど例年にないほど感染が拡大し、高齢者施設や病院などでの集団感染も相次ぎました。

 国立感染症研究所の小田切孝人センター長は、「ワクチンの効果が低下していたとみられることが、今シーズン感染が拡大した要因の1つだろう。来シーズンはより効果の高いワクチンを供給できるように検討していきたい」と話しています。

 2015年3月13日(金)

 

■生活保護受給者5000人に向精神薬を過剰処方 不正転売が問題化

 複数の医療機関から必要以上に向精神薬の処方を受けていた生活保護受給者が2012年11月の1カ月間に5177人いたことが、3月11日までの厚生労働省の調査で判明しました。

 生活保護の医療費は全額公費で賄われるにもかかわらず、受給者が余分に薬を入手し、インターネットなどで不正転売することが問題化しており、厚労省は「実態把握と指導を徹底したい」としています。

 厚労省は、レセプト(診療報酬明細書)を調査して集計。全国で6825人が複数の医療機関から重複して向精神薬の処方を受け、うち約76パーセント、5177人を不適切だと判断しました。

 ただし今回の調査では、転売目的などの悪質な例は見付からず、心療内科に通院中に病気になって別の病院で受診した際に処方されるようなケースがほとんどだったといいます。

 都道府県別では、不適切な重複処方が最も多かったのは北海道の829人で、最少は島根県の2人。

 重複処方が判明した場合、福祉事務所が医療機関に説明し、受給者を指導します。

 厚労省の保護課は、「生活保護受給者の方は、もともと精神疾患があり、薬がたくさんないと不安になって病院に駆け込む人がほとんどです。悪意があるわけではないケースですので、根気よく指導するしかないと考えています」と説明しています。

 2015年3月12日(木)

 

■移植ネットワークに立ち入り検査 臓器移植法に基づき厚労省が実施

 脳死からの臓器の提供で移植を受ける患者を間違って選ぶミスが相次いだ日本臓器移植ネットワークに対し、厚生労働省は臓器移植法に基づく立ち入り検査を行いました。

 立ち入り検査を受けたのは東京都港区にある日本臓器移植ネットワークで、10日午前10時前、厚労省の移植医療対策推進室の担当者ら3人が、事務所に入りました。

 移植ネットワークを巡っては、3月2日に愛知県の病院で脳死と判定された50歳代の女性から腎臓が提供された際、職員がコンピューターの操作を誤り、本来移植を受けるはずの患者とは別の優先順位の低かった患者に腎臓が移植されるミスが起きています。

 同じような腎臓移植の患者選定でのミスは、昨年11月にも起きており、移植ネットワークは3月、厚労省に業務手順などを見直す計画を提出したばかりでした。

 臓器移植法に基づく立ち入り検査が行われるのは今回が初めてで、厚労省は患者を選ぶ手続きや体制に問題がないか調べます。

 これについて日本臓器移植ネットワークは、「検査を厳粛に受け止めて、真摯(しんし)に対応し、今後の信頼回復に取り組んで参ります」とコメントしています。

 2015年3月11日(水)

 

■生活保護受給者への処方、後発医薬品75パーセント以上に 厚労省が医療費抑制を強化

 厚生労働省は医療費の抑制に向けて、生活保護の受給者に処方される医薬品のうち、価格の安い後発医薬品(ジェネ リック医薬品)の割合を75パーセント以上にすることを目指す方針で、目標に達していない自治体には改善計画の策定を求めることにしています。

 厚労省は医療費の抑制に向けて、特許が切れた後に販売される価格の安い後発医薬品の普及に取り組んでおり、特に医療費が全額公費で賄われている生活保護の受給者には、原則として新薬と同じ効能のある後発医薬品を処方することになっています。

 こうした中、生活保護の受給者に処方される後発医薬品の割合をレセプト(診療報酬明細書)のオンライン請求を通じて調べたところ、2016年は全国平均が61パーセントで、都道府県別では最も高い沖縄県が75・7パーセントだったのに対し、最も低い和歌山県では45・6パーセントとなるなど、地域によってばらつきがあることがわかりました。

 これを受けて厚労省は、取り組みを強化する必要があるとして、生活保護の受給者に処方される医薬品のうち、後発医薬品の割合を75パーセント以上にすることを目指す方針で、目標に達していない自治体に対しては、具体的な対策を盛り込んだ改善計画の策定を求めることにしています。

 2012年度の生活保護費はおよそ3兆6000億円で、このうち医療費はおよそ1兆7000億円と半分近くを占めています。

 厚労省は、後発医薬品の割合が75パーセント以上になれば、医療費をおよそ130億円抑制できるとしています。

 2015年3月10日(火)

 

■福岡のドラッグイレブン、調剤薬局4店で薬歴未記載 計128件

 JR九州ドラッグイレブン(福岡県大野城市)は6日、自社の調剤薬局で、薬剤服用歴(薬歴)の記載漏れが見付かったと発表しました。

 4店で128件の記載漏れがあり、件数は増える可能性があります。薬歴を記載したとして受け取った診療報酬は、返金します。

 薬歴は、薬剤師が患者ごとに薬の副作用などを記録し、患者が再び来た時に参照できるように管理する必要があります。

 2014年の状況を調べたところ、九州と沖縄県の調剤薬局全22店の薬歴約27万件のうち、八幡駅店(北九州市)、市民病院前店(福岡市)、伊集院店(鹿児島県日置市)で計128件の記載漏れや記載が遅れる事例が見付かりました。

 佐敷店(沖縄県南城市)でも、薬歴5000件に記載漏れがあって調査を終えていないといい、全体ではさらに増える見込みです。

 薬剤師の記載忘れやパソコンの操作ミスが原因といい、今後再発防止策をまとめます。診療報酬の請求の一部が不適切だった可能性があり、返金すべき診療報酬額は、調査中です。これまでに健康被害の報告はないといいます。

 JR九州ドラッグイレブンは、「お客様や関係各位にご迷惑をおかけしたことをおわびする。詳しく調査し、不正請求が確認されれば診療報酬を自主返金する」とコメントしました。

 薬歴の未記載は2月、大手ドラッグストアで相次いで発覚。厚生労働省が日本薬剤師会などを通し、調剤薬局に自主点検を要請しています。

 2015年3月9日(月)

 

■臓器移植法に基づく脳死判定、317例目 沖縄県の30歳代男性

 日本臓器移植ネットワークは7日、沖縄県うるま市の県立中部病院に低酸素脳症で入院していた30歳代男性が午前5時55分、臓器移植法に基づく脳死と判定されたと発表しました。

 男性は書面で臓器提供の意思を示していませんでしたが、家族が承諾しました。臓器移植法の施行後、脳死判定は317例目で、本人の意思不明は172例目。

 男性の心臓は東京大病院で50歳代男性、肺は長崎大病院で50歳代男性、肝臓は慶応大病院で30歳代男性、膵臓と片方の腎臓は九州大病院で50歳代男性、もう片方の腎臓は沖縄県立中部病院で40歳代男性にそれぞれ移植。小腸は医学的理由で断念しました。

 移植ネットは、脳死と判定された男性の家族による「誰かのためになれば本望です」とのコメントを公表しました。

 2015年3月8日(日)

 

■小学生の投手、ほぼ半数が肩や肘の痛みを経験 全国規模の調査で1万人が回答

 高校野球などで投手の投げすぎによるケガへの関心が高まる中、少年野球のケガの実態を調査する全国規模のアンケート調査が初めて行われ、小学生の投手のほぼ半数が肩や肘の痛みを経験している現状が明らかになりました。

 このアンケート調査は、全日本野球協会と日本整形外科学会、運動器の10年・日本協会が共同で昨年7月から今年1月に実施し、軟式と硬式を合わせた全国539チームの1万228人(リトルリーグの中学1年生74人を含む)の選手と527人の指導者が回答しました。

 それによりますと、少年野球の投手で肩や肘の痛みを経験した選手は、49・3パーセントとほぼ半数に上りました。選手全体では、36・6パーセントが肩や肘の痛みを経験していました。ポジション別では、野手、捕手、投手、投手と捕手の兼任の順に、肩や肘の痛みを経験した割合が多くなっていました。

 捕手で肩や肘の痛みを経験した選手は、40パーセントに上り、野手の平均より14パーセント高くなっているほか、投手と捕手両方の経験がある選手では、56・4パーセントが肩や肘の痛みを経験していました。

 一方、肩や肘の痛みを感じた投手のうち、20パーセント以上が休まず投球を続けており、ケガの発見の遅れや深刻化につながる可能性があると指摘されています。さらに、1週間に100球以上投げている投手は、肩や肘の痛みを抱える割合が高まる傾向があり、指導者が投球数の制限を真剣に考える必要があるとされています。

 野球界では、大リーグのヤンキースに所属する田中将大投手や、高校時代の安樂智大投手のケガなどで、投手の肘や肩のケガへの関心が高まっています。

 会見した日本整形外科学会の高岸憲二理事は、「優秀な選手が中学生までにつぶれると高校の指導者からよく聞く。そういう選手を1人でも少なくして、長く野球を続けてもらいたい」と話しました。

 アンケート調査に協力した群馬大医学部整形外科の高岸憲二教授は、「練習の投球制限について真剣に考えるべき時期にきている」「投手と捕手の兼任は避けるべきだ」と提言しました。

 このアンケート調査は今回、回答を寄せたチームを対象にして、来年度も引き続き行われる予定です。

 2015年3月7日(土)

 

■危険ドラッグの摘発5倍に急増 過去最多706件、関連死112人

 警察庁は5日、幻覚や意識障害を引き起こす危険ドラッグを巡って、2014年に全国の警察が摘発した事件が706件(前年比5・6倍)、摘発(逮捕・書類送検)した人数が840人(同4・8倍)で、統計を取り始めた2008年以降、いずれも過去最多だったと発表しました。

 取り締まりの強化と、単純所持・使用も摘発できるようになった昨年4月の医薬品医療機器法(旧薬事法)改正が後押ししたとみられます。

 危険ドラッグの使用が疑われる死者は112人で、前年(9人)の12倍以上に上りましたが、昨年後半からは減少傾向もうかがえるといいます。

 摘発の内訳は、医薬品医療機器法違反が401件492人(このうち単純所持・使用は312件326人)、麻薬及び向精神薬取締法(麻向法)違反80件98人、危険ドラッグ吸引後の暴走運転など交通関係法令違反157件160人、暴行や住居侵入などその他が68件90人。暴力団組員らが関係していたのは59件66人でした。

 摘発された840人のうち、使用したとして逮捕されたのは631人。20歳代236人、30歳代204人、40歳代121人、未成年者26人などでした。最年少は15歳、最高齢は67歳、平均年齢は33・4歳で、覚醒剤の41・7歳より低くなりました。

 危険ドラッグの入手先は、街頭店舗が366人と58パーセントを占め、インターネット経由が19・7パーセントの124人でした。

 警察は街頭やインターネット上の計95店舗を摘発し、少なくとも91店は廃業したとみられます。街頭店舗は今年1月末現在、全国で7店舗にまで減っています。

 製造拠点は7件摘発され、宮城県、埼玉県、千葉県、京都府、沖縄県など11府県の13カ所を捜索。原料となる化学物質はすべて中国から輸入されていました。

 危険ドラッグの使用が疑われる死者は、8月、9月はそれぞれ23人、29人でしたが、11月は3人、12月は1人と減り始めています。危険ドラッグの影響とみられる交通事故の被害者は135人で、4人が死亡しました。

 警察庁の担当者は摘発の増加について、「薬事法の改正で所持や使用を取り締まれるようになったのも背景にある」とコメントしています。

 2015年3月6日(金)

 

■砂糖などの糖類摂取の目安半減、ティースプーン6杯まで WHO、新たな指針を正式発表

 世界保健機関(WHO)は4日、肥満や虫歯の防止のため、砂糖などの糖類の1日当たり摂取量を総エネルギー摂取量の5パーセント未満に抑えるのが望ましいとの新たな指針を正式に発表しました。

 平均的な大人の場合、5パーセントは砂糖約25グラム、ティースプーンでおよそ6杯分に相当するといいます。

 WHOは昨年3月、ほぼ同様の指針案を発表。ケチャップや炭酸飲料などのような加工食品に砂糖が含有されていることを警告し、スプーン一杯のケチャップには約4グラムの砂糖が含まれ、炭酸飲料には約40グラムの砂糖が含まれているとしていました。

 その後、一般市民らから幅広く意見を聞いた結果、正式に指針として発表することになりました。

 WHOは2002年に現在の指針を採用し、糖類を10パーセント未満に抑えるのが望ましいとしてきました。今回の新たな指針では、糖類を10パーセント未満に抑えることを「強く勧告する」とした上で、さらに可能であれば5パーセント未満に抑えることで「より健康に良い効果が得られる」としました。

 新たな指針を正式に発表した背景には、高血圧や糖尿病の原因となる肥満が世界的に深刻な問題となっており、 新興国や発展途上国の経済成長で、より事態が悪化することを懸念した点にあるとされています。

 2015年3月5日(木)

 

■群馬大病院、死亡全8例に過失 腹腔鏡手術問題で病院が結論

 前橋市にある群馬大学医学部附属病院で腹腔鏡を使って肝臓の手術を受けた患者8人が手術後、3カ月余りの間に死亡していた問題で、病院はどの程度肝臓を切除すればいいのか事前の評価が不十分な状態のまま手術を行った可能性があるなど、患者8人全員の診療に過失があったなどとする最終報告書を3日、公表しました。

 群馬大学医学部附属病院では、昨年までの4年間に、いずれも40歳代の男性医師が執刀した腹腔鏡を使った手術を受けた60歳代から80歳代の患者8人が手術後、3カ月余りの間に死亡していたことが明らかになっていました。

 また、同じ男性医師が執刀した腹部を切り開く開腹手術でも10人が死亡し、うち1人についてがんと誤って診断し、その事実を遺族に告げずに生命保険の診断書に虚偽の病名を記していました。

 外部の専門家も含めた調査委員会が患者8人が死亡した経緯などを調査した最終報告書では、死亡した患者8人の事例を個別に検証した上で、代わりの治療の選択肢や腹腔鏡手術を行った場合の死亡する確率などの具体的なデータを患者などに示した記録がないことなどから、事前の説明が不十分だったとしているほか、担当の男性医師はどの程度肝臓を切除すればいいのか事前の評価が不十分な状態のまま手術を行った可能性がある、などとしています。

 その上で、「すべての事例において過失があったと判断された」と結論付けています。

 さらに、少ない人数で診療を担当し、担当の男性医師がほかの医師などからの意見を受けず閉鎖的な診療体制だった上に、難度が高いとされる腹腔鏡手術という新規技術の導入に向けた組織としての取り組みも十分ではなかったなどとして、病院側の管理態勢にも不備があったと指摘しています。

 群馬大学医学部附属病院の野島美久病院長は記者会見で、「亡くなられた8人のご冥福をお祈りします。ご遺族の皆さまに大変なご心配とご迷惑をお掛けしたことを深くおわびいたします」と謝罪しました。

 同病院は現在、高度な医療を提供する「特定機能病院」として、診療報酬に一定額を加算する優遇措置を受けています。腹腔鏡を使って肝臓の手術を受けた患者8人が死亡していた問題を受けて、厚生労働省は、病院への立ち入り検査を行うとともに、特定機能病院の承認の取り消しが必要かどうか専門家で作る医療分科会で検討を進めています。

 2015年3月4日(水)

 

■製薬大手ノバルティス、業務停止15日間 副作用報告違反で厚労省が命令

 スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマ(東京都港区)が医薬品医療機器法(旧薬事法)で報告が義務付けられた重い副作用を期限内に国に報告していなかったとして、厚生労働省は2月27日、同社に15日間の業務停止を命じたと発表しました。期間は3月5日から19日。

 ノ社への行政処分は2回目で、副作用の報告義務違反で製薬会社が業務停止となるのは初めて。ノ社は期間中、患者に重大な影響を及ぼす可能性がある免疫抑制剤など5品目を除く、医療用医薬品106品目を販売できなくなります。販売促進活動もできないものの、副作用の情報収集など安全管理業務は続けます。

 厚労省によると、ノ社は白血病治療薬「グリベック」「タシグナ」や抗がん剤など26品目の3264例について、把握した重い副作用情報の報告を怠りました。うち死亡例が687例ありました。

 厚労省は昨年7月にも、別の21例の副作用情報の報告義務違反があったとして同社に業務改善を命じましたが、その後の社内調査でさらに大量の未報告が発覚し、最長で14年以上報告していなかったケースもあったことなどから、業務停止に踏み切りました。

 医薬品医療機器法では、製薬会社が副作用情報を入手した場合、死亡や知られていない重い副作用については15日以内、そのほかの重い副作用は30日以内に報告するよう義務付けています。

 医師による学会発表などで、MR(医薬情報担当者)と呼ばれる営業担当が自社製品の副作用情報を把握しながら、国に報告する自社の安全管理部門に連絡していませんでした。ただ、薬の使用方法について注意喚起を促す必要がある症例は含まれていなかったといいます。

 高血圧症治療薬「ディオバン」を巡る臨床データ操作事件では、法人としてのノ社と元社員が薬事法違反(誇大広告)罪で起訴されており、厚労省はこの件でも行政処分の可否を検討します。

 同社は、「今回の行政処分を真摯(しんし)に受け止め、よりいっそう再発防止に取り組み、国民の皆様からの信頼回復に努めていく」などとコメントを出しました。

 2015年3月3日(火)

 

■スマホでの音楽鑑賞、1日1時間を勧奨 WHOが聴力保護へ指針

 世界保健機関(WHO)は2月27日、世界の中・高所得国に暮らす12~35歳のうち、 約11億人が聴覚障害に至る危険性があるとの調査結果を発表しました。

 イヤホンなどを使うスマートフォンやオーディオ機器の多用や、スポーツイベントでの騒音も、悪影響を与えているといいます。大音量で音楽を流すナイトクラブなどで働く人にも、注意を呼び掛けています。

 WHOは、85デシベル超の音量で8時間、100デシベル超の音量で15分を過ぎると、聴覚障害に至る危険性があるとしています。

 調査によると、対象となった人の50パーセント近くが、安全でない音量で個人向けオーディオ機器を使用しています。40パーセントは、コンサートやスポーツ観戦など娯楽イベントで、 鼓膜に損傷が起きる懸念のある音量にさらされています。

 聴力を守るため対策として、スマートフォンやオーディオ機器で音楽などを鑑賞する場合は1日1時間までにとどめ、騒音が著しい娯楽イベントに出掛けた場合は滞在時間を減らしたり耳栓を利用するよう勧めています。

 WHOは、「若者らは聴力をいったん失えば二度と回復しないことを肝に銘じる必要がある」と指摘しています。

 2015年3月2日(月)

 

■産婦人科学会、受精卵検査の研究承認 来年度から流産、出産率を検証

 体外受精させた受精卵を子宮に戻す前に、染色体異常を幅広く調べる「着床前スクリーニング」(受精卵検査)について、日本産科婦人科学会は28日、臨床研究案を正式に承認しました。

 染色体異常は流産の原因となる場合が多いため、異常のない受精卵を選べば流産の減少や出産率の向上につながるかを検証します。選ばれずに破棄の対象となる染色体異常には、ダウン症やターナー症候群などの性染色体異常も含まれます。

 受精卵検査は命の選別につながるとの批判があり、学会は受精卵検査を禁じています。今回は臨床研究に限って、特別に認めました。検査は来年度、学会が認めた慶応大、東京女子医大、名古屋市立大など6~10施設で始まる見通し。

 臨床研究で効果が確認されれば、一般の医療として容認するかどうかの議論を社会に求めたいとしています。

 検査では受精卵の一部分を採取し、「アレイCGH」と呼ばれる方法で、染色体の数が本来と異なる異常をすべて調べます。染色体がわずかに欠けるなどの問題を検査するかは、今後検討します。

 対象は、体外受精を3回以上実施して妊娠しなかった夫婦400組と、流産を2回以上経験した夫婦200組の計600組。うち半数は検査を行い、残り半数は検査なしで受精卵を子宮に戻し、妊娠や出産に至る割合を3年間かけて比較します。

 夫婦には検査の前後に、専門医らがカウンセリングを実施。検査の上で生まれた子どもは、小学校入学まで継続して体の状態などを調べます。

 体外受精と検査にかかる費用は、夫婦側が負担します。海外では、受精卵検査に効果があるとする報告と、効果がないとする報告の両方が出されています。

■着床前スクリーニング(受精卵検査) 体外受精させた受精卵を子宮に戻す前に、遺伝的な検査をし、異常のない受精卵だけを戻して妊娠、出産を図る生殖医療。通常は受精卵が4~8分割した初期段階で1~2個の細胞を取り出し、染色体や遺伝子を調べます。日本産科婦人科学会は従来、重い遺伝病と、均衡型染色体構造異常による習慣流産に限って認めており、着床前診断(受精卵診断)と呼ばれています。健康な人を含めて網羅的に染色体の異常を検査する新しい手法では、「診断」の代わりに「ふるい分け検査」という意味の「スクリーニング」が用いられます。

 2015年3月1日(日)

 

■京大、iPS細胞から関節軟骨を作製 肘や膝などの関節治療に道を開く

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った軟骨組織をラットやミニブタに移植することでガラス軟骨の作製に成功したと、京都大iPS細胞研究所の妻木範行教授らのグループが発表しました。

 正常な関節軟骨であるガラス軟骨が形成されたことで、関節軟骨を損傷した患者への再生医療の道が開ける可能性があります。グループは今後、安全性を十分に検証した上で、4年後の2019年をめどに臨床手術実施を目指します。

 論文は日本時間の27日、米科学誌ステムセル・リポーツ電子版に掲載されました。

 膝や肘などの関節軟骨は加齢ですり減ったり、事故やスポーツで損傷したりすると元には戻りません。人工関節に置き換える手術のほか、自分の健康な軟骨を取り出して培養し、移植する治療法はあるものの、培養中に変質してしまい、移植しても痛みが再発するなど多くの課題がありました。

 グループは3種類のタンパク質を加えることで、iPS細胞を軟骨細胞に変化させ、培養皿に浮かせて立体的に培養。約2カ月後に、直径1~2ミリのガラス軟骨という軟骨細胞の塊ができました。

 安全性と品質を確認するため免疫の働きを弱めたマウスやラットの損傷した膝に移植すると、支障なく患部に生着しました。より関節に負担がかかる体重30キロ弱のミニブタでも、移植後1カ月で患部に生着して体重を支えました。

 妻木教授は、「iPS細胞を使った関節軟骨損傷の治療法開発に向けた研究の大きな一歩を踏み出せた。今後、安全性と有効性の確認を十分に行いたい」と話しています。

 iPS細胞を使った再生医療の実現に向けては、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらが昨年9月、目の難病である加齢黄斑変性の患者への移植手術を世界で初めて成功させました、また、パーキンソン病治療の研究を進める京都大の高橋淳教授らのグループも、2016年ごろに患者への移植を目指しており、各種の臨床研究の計画が進んでいます。

 2015年2月28日(土)

 

■浦安市など、卵子の凍結保存計画を発表 市民向けに3年間で9000万円を補助

 女性の晩婚化が進む中、千葉県浦安市と順天堂大学医学部附属浦安病院は23日、共同で記者会見し、将来の妊娠と出産に備えて、女性の卵子の凍結保存を受け付ける計画を正式に発表しました。

 浦安市が、凍結保存にかかる費用や技術者の人件費の一部として、3年間で9000万円を順天堂大学病院に補助するといいます。卵子の凍結保存に関する事業で、自治体が実質的に市民向けの補助金を出すのは全国初。

 計画では、採卵の対象年齢は20歳から34歳までで、凍結保存した卵子を体内に戻すのは原則として45歳まで、としています。

 希望する人は、採卵の際に女性の体に及ぼすリスクや凍結した卵子での妊娠の可能性について、順天堂大学病院側から詳しい説明を受ける必要があります。

 浦安市が、少子化対策として凍結保存にかかる費用や技術者の人件費の一部を補助し、浦安市民の場合は自己負担が3割程度となる方向で調整しています。

 一方、開始の時期について、順天堂大学病院側は「関連する学会の動向なども見極めた上で判断したい」としています。

 浦安市は、大学病院への補助金3000万円を2014年度の補正予算案に前倒しして盛り込んでおり、2000万円は市の少子化対策基金から充て、1000万円は「地方創生」に向けた国の交付金を充てる方針です。

 記者会見で、浦安市の松崎秀樹市長は、「若い世代が安心して子どもを妊娠、出産できる社会が理想だが、現実に目を向けた緊急避難的な措置だ」と述べました。

 また、順天堂大学医学部附属浦安病院の吉田幸洋院長は、「有効性や、少子化対策に本当に寄与するのかといった点があり、卵子の凍結保存の安全性や有効性を調べる臨床研究として取り組む価値がある」と強調。卵子の凍結保存が妊娠先送りにつながり、晩産化を助長する可能性があるとの指摘には、「これを機に妊娠適齢期を知ってほしい」と話しました。

 2015年2月27日(金)

 

■体外受精の新技術、イギリスで認める 子どもに3人の遺伝子

 イギリスでは、母親の遺伝子の変異が原因で子どもに伝わる病気を防ぐため、体外受精の際に別の女性の卵子などを利用する医療技術を認める法案が、世界で初めて成立しました。

 これによって、3人の遺伝子を引き継ぐ子どもが生まれることになり、生命倫理の面などで議論が続きそうです。

 細胞の中でエネルギーを作り出すミトコンドリアの遺伝子は、母親から子どもに引き継がれますが、母親の遺伝子に変異があると、子どもは脳や心臓などに異常が現れるミトコンドリア病になることがあります。

 このミトコンドリア病を防ぐには、母親の卵子の核を別の女性の卵子に移植して、父親の精子と体外受精を行う、あるいは母親の卵子と父親の精子からつくった受精卵から核を取り出し、健康な女性の卵子でつくり核を除いた受精卵に移す、という2通りの医療技術が有効だとされています。

 イギリス議会では、今月3日にこの医療技術を世界で初めて認める法案が下院で可決されたのに続いて、24日、上院でも可決されて成立しました。

 イギリスのメディアは、早ければ、年内にもこの医療技術が実施され、イギリスで年間およそ150組のカップルが対象になり得ると伝えています。

 ミトコンドリアの遺伝子が子どもの遺伝的特徴に与える影響は、ごくわずかだとされているものの、この医療技術で生まれる子どもは3人の遺伝子を引き継ぐという自然界ではあり得ない存在になります。

 イギリスの保健省は、「多くの家族に希望をもたらすものだ」と評価しています。一方、反対する団体は、「人の生殖細胞系に手を加え、変化した遺伝子が将来の世代に引き継がれることを容認するものだ」と批判しており、生命倫理の面などで議論が続きそうです。

 2015年2月26日(木)

 

■ベランダにつるす虫よけ剤、根拠不十分 消費者庁が4社に行政処分

 玄関に置いたり、ベランダにつるしたりすると一定の期間、一定の範囲から、虫を遠ざけることができるなどとパッケージに表示して虫よけ剤を販売していた4つの会社に対し、消費者庁は20日、表示された効果が出る根拠が不十分として、こうした表示をやめるよう命じる行政処分を行いました。

 命令を受けたのは、東京都千代田区のアース製薬とフマキラー、名古屋市中区の興和、大阪府西区の大日本除虫菊の4つの会社です。

 消費者庁によりますと、これらの会社は、販売する合わせて30の虫よけ剤について、玄関に置いたり、ベランダにつるしたりするだけで一定の期間、一定の範囲から、ユスリカやチョウバエを遠ざけるとパッケージに表示していました。

 こうした表示について、消費者庁は裏付けとなる根拠を示すよう求めたところ、十分な根拠が示されなかったということです。

 消費者庁によりますと、各社が使用していた薬剤そのものには虫を遠ざける効果があったものの、屋外での使用を想定しながら実験が室内で行われていたり、使用した虫の数が少なかったりしたということです。

 このため消費者庁は、消費者に誤解を与えるとして、景品表示法に基づき4社に対し、こうした表示をやめるよう命じる行政処分を行いました。4社が販売したこれらの商品は、少なくとも合わせて190億円の売り上げがあったということです。

 消費者庁の命令について、フマキラーは、「消費者庁から指摘された問題は表示の一部に関するもので、商品の効果が否定されたわけではない。指摘を受けた表示についてはすでに変更している。命令の内容を精査した上で今後の対応を決めたい」と話しています。

 アース製薬は、「このたびはお客様などに迷惑をかけ、命令を重く受け止めて、改善に努めていきたい」と話しています。興和は、「命令を真摯(しんし)に受け止め、消費者庁の指導のもと誤解のない表示に改めた商品の準備を進めている」と話しています。大日本除虫菊は、「指摘は真摯に受け止め、消費者に誤解を与えないよう商品の表示を改善したい」と話しています。

 今回の処分の対象となったのは、いずれも2011年以降に販売されたアース製薬の「バポナ虫よけネットW120日用」、興和の「ウナコーワ虫よけ当番ブルー63日用」、大日本除虫菊の「虫コナーズプレートタイプ30日用」、フマキラーの「虫よけバリア366日」など合わせて30種類の虫よけ剤です。

 メーカーなどによりますと、これらの製品は、樹脂に練り込まれたピレスロイド系の薬剤が、時間をかけて空気中に広がっていく仕組みで、電気を使わず、どこでも設置できることなどから広く人気を集めているということです。

 民間の調査会社、富士経済によりますと、こうした虫よけ剤の市場は10年ほど前から年々拡大を続け、2014年の市場規模は推計で158億円と、2008年の2倍強になったということです。

  2015年2月24日(水)

 

■石綿被害、環境省の救済認定者1万人超える 目立つのは都市部での被害

 アスベスト(石綿)の被害者や遺族に療養費などを支給する環境省の救済制度で、石綿を使う工場周辺の住民や労災未認定者らを対象にする救済認定者が今年に入り累計1万人を超えました。認定業務を行う独立行政法人環境再生保全機構がまとめました。

 専門家は、体内の潜伏期間が数十年に及ぶ石綿被害はさらに拡大するとみています。

 2005年6月、機械メーカー「クボタ」の旧工場(兵庫県尼崎市)周辺で多数の住民被害が発覚し、「クボタ・ショック」と呼ばれました。この問題を機に2006年3月に制定された石綿健康被害救済法により、従来の法律で補償された工場労働者ら労災認定者とは別に、新たな被害が掘り起こされてきました。

 環境省による救済制度の対象者は、どこで石綿を吸ったか石綿との関連が不明だったり、石綿関連の職歴があっても十分証明できなかった人たち。患者や遺族から提出された診断書など医学的資料を病理専門家が審査し、認否を決めます。認定されれば、月約10万円の療養手当と医療費、遺族には特別遺族弔慰金など約300万円が支給されます。

 救済申請は、2006年から2014年に1万3812件あり、石綿特有のがんである中皮腫(ちゅうひしゅ)を発症した8539人、肺がんを発症した1303人など計9968人を認定しました。

 首都圏、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県など産業が集積する都市部での被害が目立ち、今年1月に認定者が1万人を突破したと見なされます。確定値は3月に公表される予定。

 2012年までの認定者を対象にした環境再生保全機構のアンケートによると、45パーセントは石綿関連の職歴がありませんでした。多くは工場外に飛散した石綿を吸った可能性がある周辺住民とみられ、石綿を吹き付けた建物で働いた人もいます。残る55パーセントは職歴があり、資料がそろわず労災認定から漏れた人が少なからずいるとみられます。

 これまで石綿被害が認定されたのは、環境省の認定者に厚生労働省が所管する労災認定者らを加え、少なくとも2万人超に上ります。

 石綿は2006年に製造と使用が原則全面禁止となったものの、中皮腫は20〜40年、肺がんは15〜40年とされて潜伏期間が長いことから、今後も発症者が相次ぐとみられます。

 2015年2月23日(月)

 

■イオン系薬局チェーンも薬歴未記載 ハックドラッグ20店で7万8000件

 小売り最大手イオンの子会社で、大手薬局チェーン「ハックドラッグ」などを運営する「CFSコーポレーション」(東証1部上場、本社・横浜市)の調剤薬局で、「薬のカルテ」と呼ばれる薬剤服用歴(薬歴)を大量に記載していなかったことが22日、判明しました。

 2013年6月末時点の社内調査で、ハックドラッグ20店で計7万8140件に上りました。薬剤師が患者から聞き取った内容をパソコンに入力せず、メモのまま放置していたといいます。

 大手薬局チェーンのツルハホールディングス(東証1部上場、本社・札幌市)の子会社「くすりの福太郎」(千葉県鎌ケ谷市)での約17万件に続き、薬歴の未記載問題は広がりをみせ始めました。

 薬剤師は、患者ごとに薬歴を作成し、重複投与や健康被害を避けるため、処方した薬の名称や服薬後の状況などを記載する必要があります。保管した薬歴に基づき患者に適正な指導をして薬を出せば、「薬剤服用歴管理指導料」として1回につき原則410円の診療報酬が得られます。

 診療報酬請求の一部が不適切だった可能性があり、CFSは2月末をめどに全店を調査し、「調査結果を厚生労働省に報告し、指導があれば返還する」としています。

 CFSは、神奈川県を中心に関東地方や東海地方など11都県でハックドラッグなどの店名でドラッグストアと調剤薬局を展開。計306店のうち、調剤薬局は7都県に109店あります。

 イオンは22日、グループ15社の調剤薬局1127店について、薬歴の管理状況を調査すると発表しました。

 2015年2月23日(月)

 

■デング熱、全国79の地方衛生研究所に検査キット配布へ 国立感染症研究所

 昨年、国内での感染が相次いだデング熱について、国立感染症研究所は今年も5月以降、感染者が出る恐れがあるとして、早期に対策を始められるよう検査用のキットを全国の地方衛生研究所に配付することになりました。

 デング熱は熱帯や亜熱帯を中心に流行するウイルス性の感染症で、国内では70年間、感染が確認されていませんでしたが、昨年8月以降、東京都渋谷区の代々木公園を訪れた人を中心に全国で合わせて162人の患者が報告されました。

 今年もウイルスを媒介する蚊が活動を始める5月以降、海外からウイルスが持ち込まれて感染が広がる恐れがあり、国立感染症研究所は、各自治体の検査態勢を強化するため、3月に全国79の地方衛生研究所に検査キットを配付することになりました。

 これまでデング熱かどうかの確定診断は、ほとんどの自治体が患者の血液を東京都の国立感染症研究所に送って調べる態勢になっていましたが、検査キットがあれば各自治体で4時間程度で調べられるため、蚊の駆除など感染の拡大を抑える対策を早期に始められるということです。

 国立感染症研究所の高崎智彦室長は、「今年もウイルスを媒介するヒトスジシマカが活動を始めれば、感染が広がるリスクがある。各自治体は検出キットを使って素早い対応を取ってほしい」と話しています。

 2015年2月22日(日)

 

■若年性認知症の当事者と厚労省が意見交換会 支援の充実求める意見相次ぐ

 厚生労働省は20日、65歳未満で発症する若年性認知症の当事者などとの意見交換会を東京都内で開きました。当事者などからは、若年性認知症の人を受け入れる介護サービスを増やすなど支援の充実を求める意見が相次ぎました。

 65歳未満で発症する若年性認知症の人は全国におよそ4万人いるとみられ、政府が1月に決定した認知症対策の国家戦略で「若年性認知症の施策強化」「本人や家族の視点の重視」が明記され、意見交換会もその一環。

 意見交換会には、50~60歳代の当事者6人のほか家族や支援者が参加し、厚労省の担当者に加えて都道府県の職員らも話を聞きました。

 当事者や家族は、発症初期に支援が受けられずに絶望状態に陥る心情を吐露し、仕事など生きがいを感じられる居場所づくりの必要性を訴えました。

 兵庫県の55歳の女性は、昨年11月に診断を受けた際、医師から病状の変化や生活への影響についての詳しい説明がなかったため不安が募ったと訴え、専門の医療機関に診断後の生活を支援する態勢を整備するよう求めました。

 また、56歳の妻を介護する東京都の男性は、高齢者向けのデイサービスを利用しているため体を動かす機会が少ないなどサービスが本人に合っていない現状を説明し、若年性認知症の人を受け入れるサービスを増やすよう要望しました。

 厚生労働省は、20日の意見を若年性認知症の人や家族への支援に反映させていきたいとしています。

 2015年2月21日(土)

 

■iPS細胞から大量のミニ肝臓を作製する装置を開発 横浜市立大学など

 iPS細胞から大きさが数ミリの「ミニ肝臓」を大量に作り出す装置を、横浜市立大学などの研究グループが開発しました。研究グループは、このミニ肝臓を重い肝臓病の子どもに移植する臨床研究を2019年度にも始めたいとしています。

 ミニ肝臓を大量に作り出す装置を開発したのは、横浜市立大学の谷口英樹教授らの研究グループです。

 アイソレーターと呼ばれる滅菌された作業台にベルトコンベアが設置され、iPS細胞から作った肝臓の細胞が入ったシャーレや培養液などが次々と手元に送られてきて、研究者が効率的に作業をできるようになっています。

 1カ月ほどで最大数ミリのミニ肝臓を作り出すことができるということで、研究者の手作業を一部自動化して作製効率を100倍以上に高めることができたとしています。

 ミニ肝臓は立体的な肝臓の原基で、iPS細胞から作製した「内胚葉細胞」という肝細胞に分化する一歩手前の前駆細胞に、血管を作り出す「血管内皮細胞」と、細胞を結合させる働きなどをする「間葉系細胞」を加えて、シャーレ内で共培養すると、未分化だった3種類の細胞がボール状に集まり、ミニ肝臓が自律的に形成されるというものです。

 研究グループは2019年度にも、この複数個のミニ肝臓を重い肝臓病の子どもに移植して治療する臨床研究を始めたいとしています。

 谷口教授は、「自動車の工場のように、ロボットの手助けで大量にミニ肝臓を作り出すことができる。2019年度からの臨床研究に向け大きな一歩になる」と話しています。

 2015年2月19日(木)

 

■ノンアルコール飲料2商品を初めてトクホ許可 消費者庁

 ビール風味清涼飲料水のノンアルコール飲料2商品について、消費者庁は18日、特定保健用食品(トクホ)として許可すると発表しました。ノンアルコール飲料のトクホ許可は初。

 審査過程で、内閣府の消費者委員会が未成年者の飲酒につながる懸念などから「認めることは適当ではない」と答申していましたが、許可要件である健康維持への有効性と安全性には問題がないと判断しました。消費者委員会の答申通りに判断する必要はありませんが、消費者庁が異なる判断をしたのは初めてとなります。

 許可されたのは、サッポロビールの「サッポロプラス」と、花王の「ヘルシアモルトスタイル」で、いずれも350ミリリットル缶入り。

 サッポロプラスは「食物繊維の働きにより、糖の吸収を穏やかにする」、ヘルシアモルトスタイルは「茶カテキンを豊富に含んでおり、脂肪を消費しやすくする」との表示が可能となります。食物繊維や茶カテキンを含むトクホは、これまでにも認められてきました。

 消費者委員会の懸念を受けて、「20歳以上対象という旨の表示をする」など、業界の自主ルールを守ることを許可の条件としました。違反があれば、許可の取り消しもあるとしています。

 トクホは、「おなかの調子を整える」など、健康に役立つとする表示が認められた食品。健康増進法に基づき、安全性や効果、表示の内容について消費者委員会などの意見を聞いて審査し、最終的に消費者庁長官が許可します。これまで1100品目以上が認められました。

 トクホの許可を受け、サッポロビールは3月中にも商品の発売時期などについて発表する方針。同社は、「トクホを取ったのは、独自の価値ある商品を提供するため。ほかのノンアルコール飲料と同様、ほかの飲料と区別し、酒類と同じ場所で売るなど、未成年者が手にしない対策をとっていく」とコメントしました。

 一方、花王は発売自体が未定といいます。同社は、「発売する場合も、未成年者の飲酒誘因を防ぐことについて十分に対応していく」とコメントしました。

 2015年2月18日(水)

 

■20年以上前に発見の希少疾患に病名 成育医療研究センター

 生まれてすぐの新生児が呼吸障害を起こしたり、発達が遅れたりするのに、発見から20年以上にわたって病名も付けられないままになっていた希少疾患について、国立成育医療研究センターのグループが診断基準の作成に成功し、「鏡ー緒方症候群」という病名が付けられました。

 「鏡ー緒方症候群」と名付けられたのは、生まれてすぐの新生児が呼吸障害を起こしたり、発達が遅れたりする希少疾患で、20年以上前の1991年に海外で初めて発見されました。

 14番目の染色体の異常が原因だと特殊な遺伝子の分析でわかりましたが、患者数が少なく医療現場で見分ける診断基準を作ることができていませんでした。

 研究グループでは、この10年ほどの間に病気になった新生児34人の症状を詳しく分析した結果、胸の骨格が小さくなるなどの特徴を突き止め、ほかの病気と区別する診断基準の作成に成功したということです。

 また、この病気では4歳以降に亡くなったケースはないことや、肝臓にがんができる肝芽腫になりやすいことなど病気の予後についてもわかったということです。

 国立成育医療研究センターの鏡雅代室長は、「親にとっては、何の病気かさえわからないのは本当につらいことだと思う。診断が付けば、その後の経過についてもわかるようになるし、今後は適切な治療法についても確立していきたい」と話しています。

 2015年2月17日(火)

 

■指定難病、結節性硬化症など43の疾患を追加へ 厚生労働省の委員会

 難病医療法に基づいて今夏から医療費助成の対象となる「指定難病」を検討する厚生労働省の委員会は2月13日、「結節性硬化症」などの皮膚疾患や、遺伝子異常や染色体異常の疾患に関連する43の疾患について検討。いずれも「要件を満たしている」として、新たに指定難病とすることを了承しました。

 すでに筋ジストロフィーなど41疾患が2月4日に了承されており、委員会では年度内にすべての検討を終え、計約200疾患を指定難病に加える見込みです。 

 2月13日に指定難病の要件を満たしていることが確認された43疾病は、以下の通り。

 結節性硬化症、色素性乾皮症、先天性魚鱗癬(ぎょりんせん)、家族性良性慢性天疱瘡(てんぽうそう)、類天疱瘡(後天性表皮水疱症〈すいほうしょう〉を含む)、特発性後天性全身性無汗症、眼皮膚白皮症、肥厚性皮膚骨膜症、弾性線維性仮性黄色腫、マルファン症候群、エーラス・ダンロス症候群、メンケス病、オクシピタル・ホーン症候群、低ホスファターゼ症、VATER症候群、那須ハコラ病、ウィーバー症候群、コフィン・ローリー症候群、有馬症候群、モワット・ウィルソン症候群、ウィリアムズ症候群、ATR―X症候群、症候群性頭蓋(ずがい)縫合早期癒合症、コフィン・シリス症候群、ロスムンド・トムソン症候群。歌舞伎症候群、内臓錯位症候群、鰓(さい)耳腎症候群、ウェルナー症候群、コケイン症候群、プラダー・ウィリ症候群、ソトス症候群、ヌーナン症候群、ヤング・シンプソン症候群、1p36欠失症候群、4p―症候群、5p―症候群、第14番染色体父親性ダイソミー症候群、アンジェルマン症候群、スミス・マギニス症候群、22q11・2欠失症候群、エマヌエル症候群、脆弱(ぜいじゃく)X症候群関連疾患/脆弱X症候群

 すでに2月4日に指定難病の要件を満たしていることが確認された41疾病は、以下の通り。

 先天性ミオパチー、マリネスコ・シェーグレン症候群、筋ジストロフィー、非ジストロフィー性ミオトニー症候群、遺伝性周期性四肢麻痺(まひ)、アトピー性脊髄(せきずい)炎、脊髄空洞症、顕在性二分脊椎(せきつい)、アイザックス症候群、遺伝性ジストニア、神経フェリチン症、脳表ヘモジデリン沈着症、禿頭と変形性脊椎症を伴う劣性遺伝性白質脳症、皮質下梗塞(こうそく)と白質脳症を伴う常染色体性優性脳動脈症、神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症、前頭側頭葉変性症、ビッカースタッフ型脳幹脳炎、けいれん重積型(二相性)急性脳症、先天性無痛症、アレキサンダー病、先天性核上性球麻痺、メビウス症候群、中隔視神経形成異常症(ドモルシア症候群)、アイカルディ症候群、片側巨脳症、限局性皮質異形成、神経細胞移動異常症、先天性大脳白質形成不全症、ドラベ症候群、両側海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかん、ミオクロニー欠神てんかん、ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん、レノックス・ガストー症候群および関連脳症、片側けいれん・片麻痺・てんかん症候群、環状20番染色体症候群、ラスムッセン症候群、PCDH19関連症候群、難治頻回部分発作重積型急性脳炎、徐波睡眠期持続性棘(きょく)徐波を示すてんかん性脳症および関連症候群、レット症候群、スタージ・ウェーバー症候群

 2015年2月16日(月)

 

■40歳から60歳の介護保険料、月96円安い5177円に 9年ぶり減

 厚生労働省は12日、40歳から64歳の現役世代が負担する2015年度の介護保険料が、1人当たり平均月額で5177円になるとの推計をまとめました。2014年度より96円安く、減額は2006年度以来9年ぶり。

 高齢者人口の増加により現役世代の負担割合が減ったことや、3年に1度の介護報酬改定がマイナスとなったことが影響しました。

 介護保険は、40歳以上が支払う保険料と国・地方の税金で半額ずつ賄っており、保険料分担の割合は3年に1度見直されます。65歳以上人口の増加により、2015年度からは65歳以上は21パーセントから22パーセントに増加。逆に40歳から64歳の現役世代は29パーセントから28パーセントに減少します。

 また、6日に決定した2015~2017年度の介護報酬改定が、2・27パーセント減と9年ぶりのマイナス改定となり、介護給付費の伸びが抑制されたことも、現役世代の負担減の要因となりました。現役世代の保険料は毎年度改定されて、上昇傾向にあり、介護保険制度が始まった2000年度は月額2075円でした。

 高齢化で介護保険の利用者は増加しており、2015年度の介護給付費(利用者負担分を除く)は、前年度比約1000億円増の約9兆4000億円を見込んでいます。

 一方、65歳以上が支払う2015年度の介護保険料は、財務省の試算で現在の平均月額4972円から5550円程度に増加するとみられています。65歳以上の保険料は3年ごとに改定されて、金額は自治体ごとに異なります。

 2015年2月15日(日)

 

■世界で初めて、iPS細胞から視神経細胞を作製 成育医療研究センターなど

 さまざまな細胞に成長させられるiPS細胞を使って、きちんと機能する視神経細胞を作製ことに世界で初めて成功したと、国立成育医療研究センター(東京都)や埼玉医大の研究チームが10日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表しました。

 緑内障など視神経の病気のメカニズム解明や新薬開発、再生医療に役立つ可能性があるといいます。

 視神経細胞は、網膜と脳を結ぶ視神経を形作る細胞。これまでiPS細胞から作製ことは、ほとんどできませんでした。目の病気の原因となることが多い、細胞から伸びていく「軸索」と呼ばれる神経線維の部分が、うまくできなかったためです。

 研究チームは、人間の皮膚から作ったiPS細胞を条件を変えながら約30日間培養し、この視神経細胞を作製する方法を見付けました。1~2センチの軸索が構築されており、電子顕微鏡による観察や、遺伝子の働きの解析などできちんと機能していることも確かめました。

 視神経異常による病気は、失明原因で最も多い緑内障や視神経炎などがあり、重い視力障害につながります。

 国立成育医療研究センターの東範行・眼科医長は、「軸索が長く伸びていて完成度は高い。患者からこの細胞を作れば、なぜ病気が起きるのか、どういう薬が効くのかを効率的に調べることができる。また、遠い将来には細胞を移植して失明した人を治すこともできるようになるのではないか」と話しています。

 2015年2月14日(土)

 

■東京都内でスギ花粉の飛散が始まる 飛散量は昨年の2倍に増える見込み

 東京都は13日、都内でスギの花粉が11日から飛び始めたと発表しました。今年の飛散開始は、昨年に比べて9日遅いということですが、過去10年の平均と比べると5日早いということです。

 東京都は都内の12カ所で花粉を観測しており、このうち千代田区と葛飾区、それに北区に設置された観測用のガラスを調べたところ、2月11日から2日続けて基準を超える数の花粉が付いていたとして、13日に「都内で11日からスギ花粉が飛び始めた」と発表しました。

 この春に飛ぶ花粉の量は例年とほぼ同じですが、昨年と比べて2倍ほどに増える見通しということです。

 東京都はホームページで、都内の各地で飛散している花粉の観測結果や、今後1週間でどのくらい花粉が飛散するかをまとめた情報を掲載しており、花粉症の人はこうした情報を活用して、花粉の多い日には外出する際マスクやメガネを着用するなどの対策をするよう呼び掛けています。

 すでに飛散開始となった九州や四国のほか、近畿や関東でも間もなく飛散が始まるとみられます。2月下旬には、北陸や東北南部でも本格的にスギ花粉が飛び始めそうです。

 また、スギ花粉の飛ぶ量は地域差が大きい見込み。昨年の夏に天候不順となった西日本は、例年並みか、例年よりやや少なくなりそうですが、東北や関東では例年の約1・5倍と多くなる予想。

 2015年2月14日(土)

 

■助産師の能力を認証する制度、関連5団体が開始 産科医不足の埋め合わせを後押し

 お産や妊婦健診を、産科医に代わって助産師が主導する仕組みを後押ししようと、日本看護協会や日本助産師会など5団体は8月から、助産師の能力を認証する制度を始めます。背景には地方を中心に産科医が不足していることへの危機感があります。

 助産師は国家資格ながら、取得後に実力を判断する統一の指標はありませんでした。認証する第三者機関の日本助産評価機構(東京都)は2月内にも、制度の創設を医療機関側に通知します。

 名称は、「助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)」認証制度。助産師の習熟度が、低リスクの妊婦のお産や健診を産科医抜きで担当でき、妊娠中の異常を早めに発見して対処できるレベルまで達しているかどうかを認証します。

 助産師は、お産介助100例以上、妊婦健診200例以上、お産期のモニタリングに関する研修修了、出血時の対応に関する研修記録など16項目をクリアした後に、病院の看護部長を通じて申請し、日本助産評価機構が認証します。

 日本助産評価機構は、経験年数5~7年以上の助産師が取得すると想定。第1号は12月にも、500人規模で誕生するとみられ、「アドバンス助産師」として区分します。

 医師全体の数は2004年から2012年までで12・2パーセント増えましたが、産婦人科医は4・5パーセント増にとどまり、東京都や大阪府に集中しています。日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会が2014年秋に発表した試算では、10年後、石川県、福島県、宮崎県、大分県、島根県、岐阜県、三重県など地方を中心に27府県で産科医が減少します。

 2015年2月11日(水)

 

■薬のカルテ17万件、記載の遅れ相次ぐ 調剤薬局「くすりの福太郎」

 「薬のカルテ」と呼ばれる薬剤服用歴(薬歴)の未記載が17万件に上っていたことが、判明しました。大手薬局チェーンのツルハホールディングス(東証1部上場、本社・札幌市)の子会社「くすりの福太郎」(千葉県鎌ケ谷市)は10日、関東で運営する調剤薬局で、診療報酬を請求する際に記録が求められている薬歴をシステムに入力せず、不正請求をしていた可能性があると明らかにしました。

 ツルハホールディングスは今後、詳しく調べる方針で、グループのほかの会社は適切に薬歴を取り扱っているとしています。

 くすりの福太郎の佐藤教明専務は同社での記者会見で、薬歴を入力する各調剤薬局の薬剤師の取り組みに差があり、記載が遅れたケースが相次いだと説明。「不正な請求は一部であったのではないか」と述べました。

 くすりの福太郎によると、17万件の未記載は2013年3月の社内調査で発覚。当時運営していた69店中の48店で確認されましたが、2013年8月までに入力を完了したといいます。

 薬歴は、薬剤師が患者の副作用症状の有無などを聞き取り保存する記録。薬局が診療報酬を請求する上で、記載した最終日から3年間保存することが厚生労働省の通知で義務付けられています。

 診療報酬には「薬剤服用歴管理指導料」の項目があり、薬歴の保管やそれに基づいて患者に適切な指導をする対価として、薬を出すごとに340~410円が加算されます。

 2015年2月11日(水)

 

■PM2・5、国内での対策案がまとまる ガソリンベーパーの排出規制も検討へ

 極めて小さい大気汚染物質のPM2・5について、環境省の専門家会議は5日、国内での排出対策の案を初めてまとめました。

 原因物質としてガソリンスタンドで燃料が気化して出るガス「ガソリンベーパー」などを挙げ、国に対して対策の検討を求めています。

 PM2・5は、空気中を漂う粒子の大きさが2・5マイクロメートル以下と極めて小さい大気汚染物質で、肺の奥深くまで入り込んでぜんそくや気管支炎などの病気を引き起こす恐れがあると指摘されています。国内では、1年間の平均の濃度が減少傾向にあるものの、環境基準を達成している全国の観測地点の割合は、3割から4割にとどまっています。

 専門家会議では、PM2・5の平均濃度について、西日本では中国大陸や朝鮮半島で発生した汚染物質の影響が大きい一方、関東では、国内で発生した汚染物質の影響がおよそ5割を占めると推計されるとしています。

 その上で、PM2・5の原因物質として、工場などから出るばいじんなどを挙げ、このうち、ガソリンスタンドで燃料が気化して出るガス「ガソリンベーパー」については排出量削減の取り組みが進んでいないとして、対策の導入を早急に検討すべきとしています。

 また、大気汚染防止法の規制対象となっていない肥料などから出るアンモニアや野焼きについても排出を抑える対策を中長期的に検討すべきとしています。

 会議の委員長を務めた国立環境研究所の大原利眞フェローは、「PM2・5というと越境汚染に注目しがちだが、国内の都市部の大気汚染による影響も大きく、対策をしっかりと進めていく必要がある」と話しています。

 ガソリンスタンドなどで燃料が気化して出るガス「ガソリンベーパー」は、PM2・5の原因物質とされる揮発性有機化合物(VOC)の1つで、特有のにおいを発します。

 環境省によりますと、全国のガソリンスタンドで発生するガソリンベーパーの量は、年間10万トン台から11万トン台と推計されています。

 給油時に発生するガソリンベーパーを巡っては、大気汚染の防止に向けてEU(ヨーロッパ連合)やアメリカなどで、ガソリンスタンドや自動車に回収装置の設置を義務付ける規制がありますが、国内では、一部の自治体を除き、こうした規制は行われていません。

 環境省などは、コストや技術的な側面を考慮しながら、今後、規制の在り方について検討していきたいとしています。

 2015年2月10日(火)

 

■インフルエンザ、流行のピーク過ぎる 推計患者は135万人で、前週より50万人以上減

 今月1日までの1週間に全国約5000の定点医療機関を受診したインフルエンザの患者は推計135万人で、前の週に比べ50万人以上減ったことが、国立感染症研究所の調査で判明しました。

 専門家は、流行はピークを過ぎたとみられるものの、集団感染による死者も相次ぐなど、依然として患者は多いとして、手洗いなど対策の徹底を呼び掛けています。

 国立感染症研究所によりますと、2月1日までの1週間に全国約5000の定点医療機関を受診したインフルエンザの患者は推計135万人で、前の週に比べ57万人減りました。しかし、すべての都道府県に大きな流行が起きていることを示す「警報レベル」の地域があります。

 都道府県別の流行状況を1医療機関当たりの患者数でみますと、最も多いのが大分県で58・5人、次いで鹿児島県が53・12人、山口県が51・72人、宮崎県が50・39人などとなっています。

 患者の年齢別では、5歳から14歳が全体の4割近くを占めます。また、ウイルスのタイプは高齢者が重症化しやすいとされるA香港型がほとんどで、入院患者の報告では60歳代以上が6割を占めています。

 高齢者施設や医療機関での集団感染も後を絶たず、この1週間に新たに5つの施設などで8人が死亡するなど、これまでに少なくとも34件の集団感染で56人が死亡しています。

 国立感染症研究所の砂川富正室長は、「今シーズンは高齢者を中心に大きな被害が出ている。インフルエンザの流行は3月ごろまで続くので、引き続き手洗いやせきエチケットを徹底してほしい。また病院や高齢者施設での集団感染を防ぐために、体調の悪い人は訪問を控えるなど対策に努めてほしい」と話しています。

 2015年2月8日(日)

 

■エボラ出血熱の新規患者、1週間に100人割る WHO、完全終息を目指す段階に入る

 世界保健機関(WHO)は29日、西アフリカにおけるエボラ出血熱の1週間当たりの陽性確定の新規患者数が、先週は6カ月以上ぶりに100人を下回ったことを、明らかにしました。史上最悪規模となっているエボラ出血熱の流行が終息に近付きつつあるとの期待を高める数字です。

 WHOが発表した最新の統計によると、エボラ出血熱流行の被害が最も大きいシエラレオネ、リベリア、ギニアの3国では、1月25日までの1週間で確認された新規感染者数は99人で、2014年6月末以降で初めて100人を下回りました。

 WHOは声明で、「エボラ出血熱流行への対応は、第2段階に移行した。この段階での活動の焦点は、感染の減速から流行の終息に切り替わる」と述べ、「この目標を一刻も早く達成するために、取り組みの内容を、迅速なインフラ構築から、患者の発見、患者の管理、安全な埋葬、地域共同体の管理などを行うための能力の最大限の効率的活用を確実にすることに移行した」としています。

 しかし、国連(UN)でエボラ出血熱対策支援を担当するデビッド・ナバロ調整官は、「流行はまだ完全に封じ込められたわけではない」と警鐘を鳴らしています。

 ナバロ調整官は、「患者数は週を追うごとに減少しており、多くの場所でゼロに近付いている。だが、感染拡大の再発もまだ時折起きており、接触者リストの範囲外で新規患者が発生するという予期せぬ事態にもいまだに遭遇している」と語りました。

 今回のエボラ熱大流行では、1月25日までに2万2092人が感染して、8810人が死亡し、世界中で大きな健康不安を巻き起こしました。国別では、シエラレオネが感染者1万518人で死者3199人、リベリアが感染者8622人で死者3686人、ギニアが感染者2917人で死者1910人。

 前週からの陽性確定の感染者の増加は、シエラレオネで65人、リベリアで4人、ギニアで30人の計99人で、これら以外の国々で新たな増加はありませんでした。

 2015年2月6日(金)

 

■2014年は史上最も暑かった1年 世界気象機関が報告

 国連(UN)の世界気象機関(WMO)は2日、2014年が観測史上最も平均気温の高い年だったと発表しました。「温暖化傾向」を巡っては、今後も継続することが予想されるといいます。

 WMOの発表によると、陸地と海洋上を合わせた2014年の世界平均気温は14・57度と、基準とされる1961年から1990年の長期平均の14度を0・57度上回り、これまで最高だった2010年の14・55度を更新する結果となったといいます。

 WMOのミシェル・ジャロー事務局長は、「これまで気温が高かった年の上位15位中の14位が21世紀になってから記録された」と指摘し、「2014年には、記録的な暑さに加え、多くの国々で集中豪雨と洪水が発生し、一部の国では干ばつも起きた」と続けました。

 国連加盟国は来週、温室効果ガス排出を抑制するための世界気候条約に関する会議をスイスのジュネーブで開く予定。同条約を巡っては、フランスのパリでの12月の調印を目指しています。

 国連は、温暖化を産業革命以前の水準から2度未満に抑えるとの目標を設定しています。一方、科学者らは、地球が国連の目標値の約2倍、4度程度の気温上昇に至る道を歩んでいると警鐘を鳴らしています。このシナリオは、壊滅的なものになる恐れがあります。

 ジャロー事務局長は、「大気中の温室効果ガスの水準が上昇を続け、海の熱容量の増加が将来の気温上昇につながることを考慮すると、地球温暖化は今後も継続することが予想される」と述べています。

 世界気温の4度以上の上昇により、壊滅的な干ばつ、洪水、海面上昇、嵐などの発生が予想されるほか、かつてないほど不足する水などの資源を巡る紛争が勃発する可能性が高い、と科学者らは警告しています。

 2015年2月3日(火)

 

■痛風を発症しやすい複数遺伝子発見 早期発見や治療に期待

 関節が痛む「痛風」の発症のしやすさに関係している複数の遺伝子を新たに発見したと、防衛医大や久留米大、国立遺伝学研究所などの研究チームが2日、英医学誌電子版に発表しました。

 痛風は生活習慣病の一つで、血液中の尿酸量が高い値を示す高尿酸血症が原因となりますが、その発症に遺伝子のかかわることが徐々に明らかになっています。

 防衛医大の松尾洋孝講師は、「遺伝子を調べ、リスクが高い人を早期に見付けたり、個人に合わせた治療法を選べるようになったりすると期待できる」と話しています。

 研究チームは、痛風と診断された患者945人と、痛風ではない1213人の遺伝情報を比較。塩基配列が個人によって1つだけ異なる「多型」と呼ばれる変異を解析し、発症との関連が疑われる16カ所の変異を見付けました。さらに、別の痛風患者らでも調べ、このうち5カ所が発症とかかわっていることを確かめました。

 患者のどの働きの遺伝子に変異があるかを調べれば、適切な薬剤の投与などの治療につながる可能性があるといいます。

 2015年2月3日(火)

 

■心臓に薬剤シートを貼り、血管の再生促す 大阪大が6月から治験実施

 大阪大学(大阪府吹田市)は30日、重い心不全患者の心臓に薬剤シートを貼り、血管や心筋細胞の再生を促す臨床試験(治験)を6月から始めると発表しました。

 約20年前に開発されながら発売に至らなかった抗血栓薬が心不全治療に有効とわかり、投与法を工夫して治験につなげました。傷んだ組織などを再生させる治療に、薬を用いる初めての試みだといいます。2021年の薬事承認を目指します。

 国内の重症心不全患者は、約10万人と推定されます。治験対象は、心筋梗塞などが原因で心筋の一部が機能しなくなる「虚血性心筋症」の患者24人。

 薬剤は、小野薬品工業(大阪市)が飲み薬として1993年に開発しましたが、下痢などの副作用が強いことがわかり、発売されませんでした。

 発表によると、大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)らのチームは4年前、この薬に心不全の治療効果があることを発見。微小な球状に加工してゼラチンシートに染み込ませて、心臓に直接貼り付けることで副作用を減らす方法を開発しました。

 虚血性心筋症を発症させたミニブタでの実験で、血流量が約2割増えるなど心機能の回復を確かめました。心臓の細胞に血管などの再生を促す物質を作らせているとみられます。

 2015年2月2日(月)

 

■インフルエンザ患者、3週連続で200万人前後に 九州各県で流行が拡大

 今年のインフルエンザの流行は、3週間連続で全国の推計患者数が200万人前後になるという例年にない状態が続いており、国立感染症研究所は手洗いやせきエチケットなどの徹底を呼び掛けています。

 国立感染症研究所によりますと、1月25日までの1週間に全国約5000の定点医療機関を受診したインフルエンザの患者数は推計で192万人と、3週間連続で200万人前後の状態が続いていることが判明しました。

 専門家は、200万人前後は流行のピーク時の人数で、一度、この人数に達すると流行はその後、収まっていくことが多いものの、今年はピークの状態が長く続く例年にない状態だとしています。

 また、都道府県別の流行状況を1医療機関当たりの患者数でみますと、最も多いのが宮崎県で86・05人、次いで鹿児島県が78・59人、山口県が75・12人、熊本県が71・68人など西日本で患者が多い状態が続いています。前の週いったん減少に転じていた東京都や神奈川県なども含め、全国31の都道府県で患者が増加しました。

 1月後半になって、九州各県では流行が軒並み拡大。鹿児島県健康増進課は「昨年末の関東での流行が持ち込まれた」とみており、患者数の伸びが続いている同県内都市部ではさらに報告が増える可能性があるとしています。

 一方、ウイルスのタイプは、高齢者が重症化しやすいとされるA香港型が引き続き9割以上を占めており、高齢者施設や病院などでの集団感染もこれまでに少なくとも29件発生し、47人が死亡しています。

 国立感染症研究所の砂川富正室長は、「今シーズンは流行の規模が非常に大きくなり、高齢者を中心に大きな被害をもたらしている。今後は例年この時期から出てくるB型の広がり具合にも注意が必要だ。帰宅後の手洗いやせきエチケットの徹底のほか、高齢者や持病のある人は今の時期、外出を控えるなど対策を徹底してほしい」と話しています。

 2015年2月1日(日)

 

■人のES細胞から小脳組織を作製 理化学研究所などが成功

 体のあらゆる組織になる万能細胞の1つであるES細胞(胚性幹細胞)から、人の体の運動機能をつかさどる小脳の組織を作ることに、理化学研究所多細胞システム形成研究センター(神戸市中央区)などの研究チームが世界で初めて成功しました。

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)から小脳の神経細胞も作製しており、国内に3万人を超えるといわれる脳神経系の病気の解明や治療法開発につながると期待されています。

 成果は29日付の米科学誌セルリポーツ電子版に発表されました。

 研究チームは、神経になるのを促す薬剤などを使ってES細胞を35日間培養し、全体の約3割を小脳神経細胞の一種で、大きな細胞体と樹状突起を持つ「プルキンエ細胞」に変化させることに成功。

 この細胞は自らの電気信号を別の細胞に伝えるという神経ネットワークの働きを備え、さらに培養を続けると、いくつもの細胞が層となって妊娠初期の胎児と同じ程度の小脳の組織に成長しました。

 研究チームによると、これまで人の小脳の神経細胞は入手しにくく、マウスなどで実験するしかなかったといいます。今回作ることができた細胞を使うと、投薬や治療の効果がよりわかりやすくなるといいます。さらに進んだ段階の小脳の作製も研究し、移植など再生医療への応用も目指します。

 また、小脳の神経細胞が減って運動機能に障害が出る「脊髄小脳変性症」の患者からiPS細胞を作り、プルキンエ細胞に変化させることにも成功。医療や製薬関係者らと協力し、治療薬の開発に役立てます。

 研究は、STAP細胞論文の共著者で昨年8月に自殺した元理研の笹井芳樹氏が主導していました。同センターの六車(むぐるま)恵子専門職研究員は、「小脳の神経細胞は発生の過程が複雑なため作るのが難しかった。笹井さんの研究を引き継ぎ、今後も再生医療のプロジェクトを進めることで、国内に3万人あまりいるといわれる脊髄小脳変性症など、脳神経系の病気の解明や治療法の開発などに役立てていきたい」と話しています。

 2015年1月31日(土)

 

■セックスレスの既婚男女、44・6パーセントに増加 家族計画協会が調査

 配偶者がいても、性交渉が1カ月以上ない、いわゆる「セックスレス」のケースが増加していることが、日本家族計画協会の「男女の生活と意識に関する調査」で判明しました。性交渉の開始が遅くなるなど、若年男性の「草食化」傾向にも拍車が掛かっていることもうかがえました。

 同調査は2002年から1年おきに、妊娠や出産を巡る問題に取り組む医師らで作る日本家族計画協会が実施。昨年9月の調査は全国の16~49歳の男女2676人に調査票を配り、1134人から回答を得ました。

 性交渉経験のある人に「この1カ月間の頻度」を尋ねたところ、「しなかった」が49・3パーセント(男性48・3パーセント、女性50・1パーセント)と半数を占め、男女とも2年前の前回より約5ポイント増加。

 配偶者のいる人に限っても44・6パーセント(男性36・2%、女性50・3%)に上り、10年前の2004年より12・7ポイント、2年前の前回より3・3ポイント増えました。

 配偶者のいる人の「セックスに対して積極的になれない理由」は、男性では「仕事で疲れている」が21・3パーセントと最多で、「出産後なんとなく」の15・7パーセント、「現在、妻が妊娠中か出産後すぐだから」が11・2パーセントが続きました。女性では「面倒くさい」23・8パーセント、「仕事で疲れている」17・8%の順でした。

 結婚の利点の有無について9項目で尋ねたところ、「精神的な安らぎの場が得られる」など5項目で、セックスレスの人ほど「利点はない」と答える傾向にありました。

 性交経験率が50パーセントを超える年齢は、男性29歳(過去調査23歳~26歳)、女性28歳(同24歳~27歳)で、特に男性の性交開始年齢が顕著に遅くなっていることも判明しました。

 性交渉への関心では、「関心がない」または「嫌悪している」が男性17・9パーセント、女性45・2パーセントに上りました。年代別では、男性の25歳~29歳が20・3パーセントで、2008年の同年代の約2・5倍に増えました。

 調査を行った日本家族計画協会の北村邦夫理事長は、「夫婦間でもコミュニケーションがうまく取れていないことが、セックスレスという形で現れているのではないか。少子化の原因にもなる大きな問題だ。勤務時間が長いとセックスレスが増えるというデータもあり、社会全体としてワークライフバランスなどに配慮する必要がある」と話しています。

 2015年1月30日(金)

 

■人手不足の介護、外国人受け入れ拡大へ 厚労省が方針決定

 介護の現場で深刻な人手不足が続く状況の中、厚生労働省は日本で働きながら技術を学んでもらう「外国人技能実習制度」に介護の分野を追加するなど、外国人の受け入れを拡大する方針を決めました。

 厚労省の検討会が26日に開かれ、発展途上国の外国人に日本で働きながら技術を学んでもらう外国人技能実習制度に介護の分野を追加することや、大学や専門学校などで介護福祉士の資格を取得した留学生を対象に新たな在留資格を設け、介護現場で働くことを認めるとする報告書をまとめました。

 介護の現場では深刻な人手不足の状況が続き、団塊の世代がすべて75歳以上になる2025年には、全国でおよそ30万人の介護職員が不足すると推計されています。非常勤を含めた介護職員は、2013年度時点で全国に約177万人。厚労省の調査によると、2025年度に必要な介護職員は約250万人で、特別な対策を取らなかった場合、約220万人しか確保できずに約30万人不足する見通し。

 外国人の受け入れを巡っては、積極的に進めるべきだといった意見がある一方で、実習生を支援する団体などからは農業や製造業などの分野で賃金の未払いなどの不正が相次いでいるため慎重に検討すべきだといった声も上がっていました。

 このため、厚労省などは実習生を受け入れる団体を指導、監督する新たな機関を設けるほか、サービス分野では初めての受け入れとなる介護の実習生については一定の日本語能力を要件にし、受け入れる場所は施設に限定するなどとしています。

 厚労省は、今後、法務省と協議を進め、2016年度中に新たな制度での受け入れを始めたいとしています。

 厚労省が介護の現場で外国人の受け入れを拡大していく方針を決めたことについて、専門家は人手不足が深刻な介護分野での外国人の受け入れは必要だとした上で、賃金やサービスの質の低下を招きかねないと懸念しています。

 介護の問題に詳しい淑徳大学の結城康博教授は、「質の低いレベルで外国人を入れてしまうと、結局は日本人のなり手がいなくなり中長期的にみると、介護の人手不足を加速化させてしまうことになりかねないので、外国人の受け入れについて一定の質を担保するシステムが必要不可欠だ」と話しています。

 2015年1月28日(水)

 

■子どもへの向精神薬処方、医療現場で増加 初の全国調査

 医療経済研究機構(東京都)と国立精神・神経医療研究センター(東京都)は、子どもへの向精神薬の処方について初めての全国調査をしたところ、増加傾向にあることがわかったと発表しました。10年ほどの間に、処方が倍以上になった薬もあるといいます。

 医療経済研究機構の奥村泰之研究員らは、2002年~2010年の診療報酬明細書と調剤報酬明細書を無作為抽出し、18歳以下の外来患者延べ23万3399件を分析。1000人当たりの向精神薬の処方件数などを算出し、0~5歳、6~12歳、13~18歳の年齢層に分け、3年ごとの期間に区切って年次推移などを比較しました。

 その結果、13~18歳への処方は、2002年~2004年と2008年~2010年を比べると、注意欠陥・多動性障害に使うADHD治療薬が2・49倍、統合失調症などに使う抗精神病薬は1・43倍に増えていました。

 6~12歳の同様の比較では、ADHD治療薬が1・84倍、抗精神病薬が1・58倍でした。13~18歳では、この2種類の薬に加え、抗うつ薬も1・37倍に増えていました。

 医療現場で処方が増加した理由として、子どもの精神疾患が知られるようになったことで受診につながって患者が増えたことや、子ども向けのADHD治療薬の販売が2007年以降に開始されたことなどが考えられるといいます。

 国内では、大人で安全性や有効性を確かめた向精神薬が子どもに処方されているケースがほとんどで、子どもで厳密な治験が行われたのはADHD治療薬の2剤しかないといいます。

 奥村研究員は、「医療現場で多くの薬が求められていることがわかった。子どもでも副作用や効果を確かめる治験を進め、薬を的確に使える環境を整える必要がある」と話しました。

 2015年1月27日(火)

 

■耳の病気増加傾向、小中学生の割合が過去最高に 福島県の子どもは肥満傾向が続く

 文部科学省が子どもの健康状態を把握するために行っている学校保健統計調査で、中耳炎や外耳炎など耳の病気のある小中学生の割合が、これまでで最も高くなっていることがわかりました。

 学校保健統計調査は文科省が毎年、行っており、今年度(2015年度)は5歳から17歳までの333万人余りが対象になりました。

 それによりますと、中耳炎や外耳炎など耳の病気のある子どもの割合が増える傾向にあり、幼稚園児で2・27パーセント、小学生で5・70パーセント、中学生で4・00パーセント、高校生で2・05パーセントで、小学生と中学生は調査を始めた1995年度以降、最も高くなりました。

 耳鼻咽喉科の医師によりますと、アレルギー性鼻炎の影響で耳の病気になる子どもや、耳かきをしすぎて傷付けてしまうケースが増えているということです。

 東京都中央区の診療所の大場俊彦医師は、「耳の掃除は週に1回程度で十分で、綿棒などで強くこすると炎症を起こすこともあるので注意してほしい」と話しています。

 一方、標準的な体重を20パーセント以上上回る「肥満傾向」の子どもの割合は、現在の調査方法になった2006年度と比べてすべての年齢で減少していますが、福島県では東日本大震災後、増加傾向が続いていることがわかりました。

 肥満傾向の子どもの割合で全国平均と福島県を比べると、9歳で8・14パーセントと15・07パーセント、17歳で9・48パーセントと13・11パーセント。震災後の2012年以降、多くの年齢で福島県が1位を占める状況が続いています。 

 文科省によると、冬に雪が積もる東北地方はもともと肥満傾向の子どもが多いものの、震災後の福島県は特に割合が高くなっています。放課後の外遊びが制限されたり、一部地域で登下校の距離が短くなったりといった生活環境の変化が原因とみられるといいます。

 文科省の担当者は、「震災による運動不足や生活習慣の変化も影響していると考えられる」としています。

 2015年1月26日(月)

 

■この春の東京都内の花粉、昨年の約2倍に 花粉症対策検討会が発表    

 東京都は23日、この春のスギとヒノキの花粉の飛散予測を発表しました。今年は例年並みで、昨年と比べると2倍ほどに増える見通しです。

 花粉飛散量の予測は、大学教授や医師、気象の専門家などでつくる東京都の花粉症対策検討会でまとめられました。それによりますと、今年のスギとヒノキの花粉の飛散量は例年並みで、飛散量が少なかった昨年と比べるとおよそ2倍になる見込みです。

 これは、昨年の夏は日照時間が多く気温が高かったこと、さらに降水量が少なったことで、花粉を飛ばす雄花が増える条件がそろったためで、昨年の秋のスギの花芽のつき具合などから1平方センチメートル当たり5800個から7800個の花粉が飛散すると予測されています。

 花粉が飛び始める時期は、東京都内では2月14日から17日ごろで、過去10年間でみるとほぼ例年並みになる見通しだということです。また、花粉の量が多いとされる日は、23区では31日と例年並みで、多摩地域では49日と例年より20日多くなると予測されています。

 花粉は最高気温が高めの日や、風が強く乾燥した日に多く飛び、スギが3月、ヒノキが4月に特に多くなり、スギは5月上旬まで、ヒノキはそれ以降も飛ぶ見通しです。

 東京都は花粉が飛び始める前に風邪をひいたり、タバコを吸いすぎて鼻の粘膜を傷付けたりすると花粉症の症状が悪化する場合があるとして、体調管理にも十分注意するよう呼び掛けています。

 東京都民の3・5人に1人が花粉症と推計されており、東京都は花粉の少ない森づくりのほか、花粉の予報システムを運用して対策を進めています。

 2015年1月24日(土)

 

■インフルエンザ患者、2週連続200万人を超す 今シーズンの累計患者は約823万人

 今月18日までの1週間に、全国の医療機関を受診したインフルエンザの患者は推計201万人と、2週連続で200万人を超えたことが、国立感染症研究所の調査で判明しました。

 専門家は、流行はピークを迎えつつあり、しばらくは患者の多い状態が続く恐れがあるとして、手洗いやせきエチケットなどの徹底を呼び掛けています。

 国立感染症研究所によりますと、1月12日から18日までの1週間に、全国約5000の定点医療機関を受診したインフルエンザの患者は1医療機関当たり37・00人で、前の週の33・28人から増加ししました。

 1医療機関当たりの患者数を基に推計した全国の患者数は201万人で、前の週に続き2週連続で200万人を超えました。今シーズンの累計患者は、約823万人になったと推定されています。

 流行状況を表す1医療機関当たりの患者数を都道府県別にみますと、最も多いのが宮崎県で99・58人、次いで沖縄県が84・78人、熊本県が73・59人、佐賀県が69・74人などとなっており、九州地方を中心に36の府県で患者が増えました。

 一方、東京都や神奈川県、大阪府など11の都道府県では、患者が減少に転じています。

 また、入院患者の報告では、60歳代以上の患者が全体の3分の2を占めており、高齢者の増加が目立っています。

 今シーズンは集団感染の発生も相次いでおり、少なくとも全国の15の病院や高齢者施設などで、これまでに23人が死亡しています。

 国立感染症研究所の砂川富正室長は、「高齢者が重症化しやすいとされるA香港型の流行が非常に大きくなったことで、高齢者を中心に大きな被害をもたらしている。帰宅後の手洗いやせきエチケットの徹底のほか高齢者や持病のある人は今の時期、外出を控えるなど対策を徹底してほしい」と話しています。

 2015年1月24日(土)

 

■PM2・5とぜんそく、関連成分は硫酸イオン 兵庫医科大が初めて特定

 兵庫医科大(西宮市)の島正之主任教授(公衆衛生学)らは20日までに、大気中の微小粒子状物質「PM2・5」に含まれる特定の物質が、ぜんそくの発作と関連していることを突き止めました。

 特定の物質は、石炭や石油の燃焼などで排出される「硫酸イオン」で、海外では健康被害の報告例がありますが、国内でぜんそくとの関連を特定したのは初めてといいます。

 島教授らは2008年8月~2013年3月、姫路市医師会などの協力を得て、同市内で調査を実施。PM2・5の濃度や含まれる成分とぜんそく発作の関連を調べました。

 その結果、大気1立方メートル当たりのPM2・5濃度が環境基準の1日平均35マイクログラムを週1日超えただけで、ぜんそく発作の率が全年齢で7パーセント、0~14歳では13パーセント増えました。さらに、PM2・5に含まれる成分ごとに分析したところ、硫酸イオンが含まれていた場合は発作の率が10パーセント高くなるという結果が出ました。

 子どもは体が小さい上、屋外にいる時間が比較的長いことなどから、大気汚染物質の影響を受けやすいとみられます。また、硫酸イオンは国内での排出に加え、石炭利用の多い中国などから飛来している可能性も考えられるといいます。

 島教授は国のPM2・5暫定指針策定にかかわり、中国との共同研究も行っています。今回の調査を踏まえ、「硫酸イオンとぜんそくの関連は判明したが、個人の努力で影響を避けるのは困難。大人や社会が責任を持ち、国を超えて大気汚染防止対策を強化するべきだ」と指摘しています。

 PM2・5は、大気中の浮遊物質のうち直径2・5マイクロメートル以下(マイクロは100万分の1)の粒子。小さいため肺の奥深くに到達しやすく、ぜんそくの悪化など人体への影響が出やすいとされています。車の排ガス、工場から出るすすや煙などに含まれ、近年、中国からの飛来が問題となっています。

 2015年1月22日(木)

 

■佐賀県の鳥インフル、防疫完了 約7万2900羽のニワトリを埋却

 佐賀県は20日、H5N8型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認された有田町の養鶏場で、殺処分したニワトリを土に埋めたり、鶏舎を消毒したりする防疫措置を完了しました。

 有田町の養鶏場で15日から17日にかけて19羽のニワトリが死んでいるのが見付かり、佐賀県が詳しい遺伝子検査を行ったところ、18日未明に10羽中7羽からH5N8型の鳥インフルエンザウイルスが検出されました。

 これを受けて、県は家畜伝染病予防法に基づいて、計約7万2900羽のニワトリを殺処分。土地に埋める作業を続けていました。

 県は31日に、問題の養鶏場から半径3キロ圏にある養鶏場7カ所を対象に、感染が広がっていないかどうかを確かめるウイルス検査などを実施します。陰性だった場合は、まず半径3~10キロ圏のニワトリや卵の搬出制限区域を解除、その後も異常がなければ、2月11日に3キロ圏のニワトリや卵の移動制限区域も解除する方針。

 県によると、感染源は野鳥の可能性が高いといいます。

 鳥インフルエンザは昨年末以降、宮崎県延岡市、宮崎市、山口県長門市、岡山県笠岡市の養鶏場で相次いでおり、今冬の発生例は5例目。佐賀県内での発生は初めて。

 2015年1月21日(水)

 

■独身の1人暮らし、高血圧の危険性高まる 厚労省研究班が分析

 独身で1人暮らしをしている人は、結婚している人と比べて高血圧になる危険性が1・7倍余りに高まるという調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめました。

 厚労省の研究班で、滋賀医科大学の三浦克之教授などのグループは、厚生労働省が5年前に行った「国民健康・栄養調査」の結果を基に、全国の20歳以上のおよそ2800人の血圧のデータと、結婚しているかどうかの関連を分析しました。

 その結果、上の血圧の値が140以上、または下の血圧が90以上の「高血圧」の人の割合は、結婚している人では48・2パーセントだったのに対し、独身で1人暮らしをしている人は20ポイント高い68・4パーセントでした。

 さらに、年齢や性別、それに飲酒や喫煙などの生活習慣の要因を除外して分析したところ、独身で1人暮らしをしている人が高血圧になる危険性は、結婚している人の1・73倍でした。一方、独身でも同居者がいる人が高血圧になる危険性は、結婚している人の1・15倍でした。

 結婚しているかどうかと高血圧の関係を全国的なデータで分析したのは、初めてだということです。

 三浦教授は、「独身の人は食生活などにより注意を払う必要がある。調査結果を、企業や地域、医療機関などでの保健指導に役立ててもらいたい」と話しています。

 2015年1月20日(火)

 

■70歳代女性、エボラ熱の疑いで検査 西アフリカのシエラレオネから一時帰国

 厚生労働省は18日、西アフリカのシエラレオネから一時帰国して、東京都世田谷区に滞在中の70歳代の日本人女性が発熱したため、エボラ出血熱の感染の有無を検査すると発表しました。

 女性は現地で、エボラ熱患者との接触はないといいます。

 厚労省は女性の感染の有無を確認するため、指定医療機関である東京都新宿区の国立国際医療研究センターに救急車で搬送するとともに、採取した血液を東京都武蔵村山市の国立感染症研究所村山庁舎に送って詳しい検査を行います。検査結果は19日未明に判明する見込み。

 女性は18日朝、38度を超す熱が出ました。解熱剤でいったん下がったものの、午後6時台に再度発熱しました。インフルエンザの簡易検査で陽性反応が出ているといいます。

 厚労省などによると、女性はシエラレオネに居住して長年、幼稚園などの運営に携わっていて、13日に成田空港から一時帰国。18日午前、空港の検疫所に発熱を届け出ました。

 エボラ出血熱の「疑いがある」として検査を受けたのは、昨年10月以降で5例目。

 2015年1月19日(月)

 

■B型肝炎ワクチン、公費で定期接種へ 早ければ2016年度に

 B型肝炎を予防するワクチンについて厚生労働省は、公費で定期接種が受けられるよう制度を見直す方針を決めました。15日に開かれた厚労省の「予防接種・ワクチン分科会」で決まりました。

 B型肝炎はウイルスに感染して体内にウイルスを持ち続けるキャリアになると、肝硬変や肝臓がんに進行する恐れがあり、特に乳幼児のころに感染するとキャリアになりやすいと指摘されています。

 分科会では、B型肝炎に感染している15歳未満の子どもは4000人に1人程度と推計されるという、厚労省の研究班の調査結果が報告されました。

 その上で、「日常生活で感染する可能性は低いものの、唾液や汗などの体液から感染する可能性が完全には否定できない」などとして、公費で接種が受けられる定期接種にB型肝炎のワクチンを追加すべきだという意見で一致しました。

 これを受け厚生労働省は、早ければ2016年度にもB型肝炎のワクチンを公費で受けられるよう制度を見直す方針です。

 ワクチンの接種は1歳までの間に3回行われる見通しで、1万5000円程度かかる費用は原則として、国と自治体が負担するということです。

 B型肝炎ウイルスに感染すると、一部の人はキャリアといわれるウイルスを体内に持ち続ける状態になり、このうちおよそ10パーセントの人が慢性肝炎を発症し、肝硬変や肝臓がんに進行する危険性が高くなります。

 特に3歳未満の乳幼児はキャリアになりやすいことがわかっており、対策が重要。日本では1986年から、キャリアの女性から生まれた新生児にはB型肝炎のワクチンを接種する対策などが行われ、母子感染は減ってきました。

 ところが、その後に厚労省の研究班が行った実験で、唾液や涙、汗を介しても感染することがわかりました。乳幼児が感染したケースでは、父親からの感染や保育園など集団生活の中で感染したケースも報告され、すべての新生児にワクチンを接種する必要性が指摘されていました。

 B型肝炎に詳しい筑波大学小児科の須磨崎亮教授は、「ワクチン接種で30年以上、B型肝炎から身を守れるので、すべての赤ちゃんが無料で接種できるよう国は着実に財源を確保してほしい。ただ定期接種になるまで接種を控えることはせず、今の0歳児などは推奨されているスケジュールに沿って接種してほしい」と話しています。

 2015年1月15日(木)

 

■脳死判定の6歳未満女児の臓器、移植手術すべて終了 岡山大学病院など全国3か所

 大阪大学附属病院で13日に脳死と判定された6歳未満の女の子から提供された肺や肝臓などの臓器は、全国3カ所の病院に運ばれて、それぞれ患者に移植され、手術は14日午後8時までにすべて無事終了しました。

 大阪府吹田市の大阪大学医学部附属病院で治療を受けていた6歳未満の女の子は、昨年、心臓の筋肉が薄くなってポンプ機能が低下する「特発性拡張型心筋症」という重い心臓病になり、補助人工心臓を装着していました。心臓移植の待機患者として日本臓器移植ネットワークに登録するとともに、海外での移植に向け渡航準備をしていましたが、13日午前1時40分に脳死と判定されました。

 移植ネットによりますと、女の子から臓器を摘出する手術は14日午前4時すぎに始まり、提供された臓器はタクシーや新幹線で移植を必要とする患者が待つ病院へと運ばれました。

 このうち肺は岡山大学病院で、「特発性間質性肺炎」という重い肺の病気の8歳の女の子に移植されました。手術は7時間余りかかったということですが、移植された肺は順調に機能していて、女の子は順調にいけば1~2カ月後に退院できる見通しだということです。

 また、肝臓は同じく岡山大学病院で、50歳代の重い肝臓病の女性に、片方の腎臓は大阪医科大学附属病院で、40歳代の慢性糸球体腎炎の女性に、もう片方の腎臓は兵庫医科大学病院で、60歳代の慢性腎不全の女性に、それぞれ移植され、14日午後8時までに手術はすべて無事終了しました。

 2010年に改正臓器移植法が施行されて以降、15歳未満の子どもから臓器が提供されたのは7人目で、脳死判定の基準がより厳しい6歳未満の子どもからの提供は今回で3人目です。

 移植ネットによると、臓器移植の待機患者の脳死判定はほかに成人で1例あります。

 2015年1月15日(木)

 

■群馬大病院、厚労省などが立ち入り検査 腹腔鏡手術で8人死亡

 前橋市にある群馬大学医学部附属病院で腹腔(ふくくう)鏡を使った手術を受けた患者8人が死亡するなどした問題で、厚生労働省と前橋市は実態を把握する必要があるとして、13日、病院への立ち入り検査を行いました。

 群馬大病院では昨年までの4年間、40歳代の男性医師による腹腔鏡を使った手術を受けた肝臓がんなどの患者8人が手術後、3カ月余りの間に死亡し、その後の病院側の調査で、死因がよくわからないにもかかわらず検証しないまま同じ手術を繰り返していたことが明らかになっています。

 また、手術と死亡の因果関係はわかっていませんが、同じ医師による腹部を開いて行う開腹手術でも、これまでに患者10人が手術から3カ月以内に死亡していることがわかっています。

 事態を重くみた厚労省は13日朝から、実態を把握する必要があるとして、中核市で市内の病院を指導監督する前橋市とともに医療法に基づく立ち入り検査を行いました。

 立ち入り検査は午後3時半ごろに終了し、手術の状況や、病院側が提出した再発防止策が徹底されているかどうかなど確認したということです。

 群馬大病院は、高度な医療を提供する医療機関として診療報酬に一定の額が加算される「特定機能病院」に承認されており、厚労省は立ち入り検査の結果も踏まえて、承認の取り消しが必要かどうか慎重に検討することにしています。

 特定機能病院として厚生労働相の承認を受けているのは、群馬大病院を含め全国86施設。医療事故に対応する安全管理部門の設置なども必要とされ、過去には、心臓手術を受けた女児が死亡した東京女子医大病院と、心臓手術を受けた患者4人が死亡した東京医大病院が承認取り消しとなった例がありますが、いずれも後に再承認されています。

 2015年1月13日(火)

 

■ハンバーガーに金属片混入 福島県の日本マクドナルド店舗

 日本マクドナルドの商品への異物混入が相次いで明らかに中、福島県会津若松市にある店舗で今月販売されたハンバーガーから、長さおよそ5ミリの金属の削りかすが見付かっていたことがわかりました。

 日本マクドナルドによりますと、1月1日、会津若松市にある「マクドナルド門田ヨークベニマル店」で、チーズバーガーを購入して自宅に持ち帰った客から、食べた際に口の中に違和感があり、異物が見付かったと店に連絡がありました。

 マクドナルドが調べたところ、異物は長さおよそ5ミリの細長い鉄製の金属片で、ハンバーグを焼く鉄板の焦げを金属のへらで削り取る作業をした際に出た削りかすであることが判明しました。

 マクドナルドは、作業後の清掃が不十分だったため、ハンバーガーを作る過程で混入したとみています。ハンバーガーを食べた客に、けがや健康被害はありませんでした。

 マクドナルドは調査結果を1月8日、客に報告し、翌9日に会津若松市の保健所の立ち入り検査を受け、目視の強化や作業手順の徹底などの指導を受けたということです。

 日本マクドナルドは「お客様に多大なご迷惑をおかけしまして申し訳ありません。改めて清掃作業などの手順を徹底し再発防止に努めます」とコメントしています。

 また、大分市にある日本マクドナルドの店舗でも先月、客が購入したチキンが入ったバーガーの中からビニール状の異物が見付かり、大分市にある保健所の立ち入り検査を受けていたことがわかりました。

 日本マクドナルドによりますと、12月29日の午後、大分市の「マクドナルド大分明野店」で「チキンクリスプ」というチキンが入ったバーガーを購入した客から、「レタスとチキンの間にビニール状の異物が入っていた」という連絡がありました。

 異物は透明で4センチから5センチほどの大きさだったということで、店員が客の自宅を訪れ謝罪するとともに、新しい商品と交換したということです。なお、客から受け取ったビニール状の異物について、本来は保管すべきだったにもかかわらず、紛失してしまったということです。

 客から連絡を受けた大分市保健所は1月8日に、この店に立ち入り検査を行い、改善策を文書で提出するよう求めたということです。

 2015年1月12日(月)

 

■新型糖尿病薬の服用で10人死亡 脱水症などの副作用報告4800件

 昨年4月以降に相次いで発売された新型の糖尿病治療薬を服用した患者10人が死亡していたことが、各製薬会社による副作用調査でわかりました。

 因果関係は必ずしも明確でないものの、脱水症を招いて死亡につながったとみられる事例もありました。厚生労働省は適切な使用を呼び掛けるため、添付文書を改訂するよう各製薬会社に指示しました。

 新薬は「SGLT2阻害薬」で、生活習慣が原因で患者数が多い2型糖尿病が対象。インスリンの分泌を促す従来の薬と異なり、尿中の糖を体内に吸収させるタンパク質の働きをじゃまし、体外に出して血糖値を下げます。利尿作用があり、体重を減らす効果もあるとして注目されています。

 昨年4月以降、国内で6製品が販売され、専門家によると10万人以上が服用していると推定されます。

 厚労省が各社の調査を集計したところ、約3700人で約4800件の副作用報告がありました。うち重篤なものは皮膚障害、尿路感染症、脱水症など630件で、10人が死亡していました。副作用報告は因果関係にかかわらず、幅広く届けられています。

 最も早い昨年4月に発売されたアステラス製薬などの「スーグラ」では、4人が急性心筋梗塞で死亡。ブリストル・マイヤーズなどの「フォシーガ」でも、4人が死亡し、うち2人は脱水症でした。

 サノフィ、興和創薬などの「アプルウェイ」「デベルザ」では、1人が死亡、利尿剤を併用し下痢や嘔吐の症状がみられました。大正製薬などの「ルセフィ」でも、脳梗塞で1人が死亡しました。

 日本糖尿病学会の専門医らによる委員会は昨年6月と8月、新薬の副作用の事例と対策をまとめ、高齢者への投与は慎重に検討することなどを呼び掛けました。

 委員会のメンバーの植木浩二郎・東京大特任教授は、「適切に水分補給をしないと脳梗塞などを起こす恐れがある。当初想定していなかった皮膚障害の報告も多く、副作用情報を広く共有し、重篤化を防ぐ必要がある」と指摘しています。

 また、新型の糖尿病治療薬「SGLT2阻害薬」で脱水関連の副作用が報告されたことを受け、厚生労働省は9日、薬の添付文書を改訂して医療関係者へ情報提供するよう、各製薬会社に通知しました。

 通知では、添付文書の「重大な副作用」に脱水を加え、「脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓などを発現した例が報告されているので、十分注意すること」などと追記するよう求めました。脱水を起こしやすい高齢者や、利尿剤を併用する患者などには慎重に投与するよう書き加えることも求めました。

 厚労省は、「薬と死亡の因果関係は不明だが、適正な使用を呼び掛けていく」としています。

 2015年1月12日(月)

 

■認知症、2025年に700万人 高齢者5人に1人、厚労省が推計

 認知症の人は、いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上となる10年後の2025年に、多い場合で730万人に達するとする新たな推計を厚生労働省の研究班がまとめました。65歳以上の高齢者の5人に1人に当たる計算になるといいます。

 厚労省は7日、この推計値を盛り込んだ認知症対策拡充のための国家戦略案「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)を自民党の厚労部会などの合同会議に提示。政府は近く、国家戦略を正式決定します。

 厚労省の研究班によりますと、認知症の人の割合は65歳以上の高齢者の15パーセントとされ、3年前の時点で全国でおよそ462万人と推計されています。

 認知症になる割合は年齢とともに高くなることから、研究班がいわゆる団塊の世代がすべて75歳以上となる10年後の2025年での割合を新たに推計したところ19パーセントとなり、推計人数は675万人となりました。また、認知症になる割合は糖尿病があるとさらに高くなるとして、その場合は730万人が認知症になると推計しています。

 厚労省の国家戦略案では、基本的考えとして「認知症の人の意思が尊重され、住み慣れた環境で自分らしく暮らし続ける」ことを明記。本人や家族の視点の重視、若年性認知症施策の強化、治療薬の研究開発の推進など7つの柱を掲げました。現行計画で取り組んでいる支援策の数値目標も引き上げました。

 認知症は、アルツハイマー病や脳血管障害などが原因で発症する病気。脳の神経細胞が死んでしまうことで記憶障害が起こり、徘徊や妄想などの症状も出ます。加齢によって発症のリスクが高まる特徴があるため、患者は高齢者が多くを占めます。

 2015年1月8日(木)

 

■インフルエンザの流行拡大、全国各地で警報発令が相次ぐ 岩手県、東京都、沖縄県など

 インフルエンザの流行拡大に伴い、流行警報を発令する自治体が全国で相次いでいます。

 6日から7日にかけて岩手県と宮城県、千葉県、愛知県、沖縄県の5県が流行警報を発令したほか、関東地方では東京都と神奈川県、埼玉県も昨年12月22日から28日までの週の患者報告について「定点当たりの報告数は増加し、流行警報基準を超えた」とし、7日に流行警報を出しました。

 患者が増加傾向の自治体では、38度以上の発熱などの症状がみられた場合は、早めに医療機関を受診することを勧めています。

 東京都の12月22日から28日までの週の定点医療機関当たりの患者報告数は、前週比58パーセント増の32・9人を記録し、警報基準値(30・0人)を上回りました。調査を始めた1999年以降、新型インフルエンザが流行した2009年を除いて最も早い警報の発令で、都は、手洗いや室内の換気など予防対策の徹底を呼び掛けています。

 保健所管内別では、町田市が52・85人で最多となりました。八王子市(45・29人)や荒川区(44・14人)、江戸川(44・06人)、多摩小平(41・26人)、葛飾区(40・85人)などでも多くなりました。

 東京都で流行しているのは「A香港型」で、医療機関に入院した患者は12月28日までで142人と、一昨年の同じ時期の6倍以上に上り、このうち60歳以上が52・1パーセント、9歳以下が24・7パーセントを占め、高齢者や子どもが重症化するケースが目立っています。

 東京都と隣接する千葉県でも感染が拡大。この週の患者報告数は、前週比63パーセント増の33・24人となり、警報基準値を超えました。同県は、「過去4シーズンと比較し、早期に増加しており、今後の流行状況に注意が必要」としています。

 盛岡市で56・36人を記録するなど県全体で警報基準値を上回った岩手県も、「本格的な流行状態となった」とし、せきやくしゃみが出る場合は感染が広がらないようマスクを着用することを求めています。

 前週に比べて患者が倍増した愛知県では、知多(42・43人)と衣浦東部(37・31人)、豊田市(37・11人)の保健所管内で警報基準値を上回りました。

 仙台市青葉など5保健所管内で警報基準値を超過した宮城県も、「今後、さらに県内各地域に流行が拡大していく可能性がある」として警戒を強めています。

 2015年1月7日(水)

 

■野菜や果物を多く食べる男性ほど、下部胃がんリスク減 国立がんセンタ―が研究

 野菜や果物を多く食べる日本人男性は、胃の下部にできるがんのリスクが低下するという研究成果を、国立がん研究センターなどの研究チームがまとめました。

 野菜や果物に含まれる抗酸化作用のある成分が、胃がんの原因の一つであるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の働きを抑えると考えられるといいます。欧州のがん専門誌に発表しました。

 胃がんは、日本で最も発生頻度が高く、死者数は2位の重大な病気の一つ。胃の下部3分の2に発生する下部胃がんは、日本人男性に多くみられます。

 海外では野菜や果物を摂取すると胃がんの予防に効果的であるという研究が数多くあり、世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICRA)のプログラムでも、野菜と果物が胃がんを予防するのはほぼ確実とされています。

 しかし、日本人を対象とした大規模な研究はこれまで少なかったため、国立がん研究センターの研究チームは国内で行われている大規模な疫学研究をとりまとめて解析を行い、日本人の生活習慣とがんのリスクの関連を解明する研究を行っています。

 今回の調査の対象となったのは、3つの大規模な疫学研究に参加している19万1232人。調査開始時の食事に関するアンケート調査から、野菜と果物の摂取量を1日にとる野菜、緑黄色野菜、果物、野菜と果物で推定し、5グループに分けました。

 平均で約11年の追跡期間中に胃がんになった2995人について、5グループごとの胃がんリスクを比較しました。その結果、野菜と果物の摂取によって胃がん全体のリスクが低下する傾向がみられるものの、有意性は認められませんでした。

 次に研究チームは、胃の上部3分の1に発生する胃がんと、胃の下部3分の2に発生する胃がんで解析。胃がんになった人のうち、胃の上部3分の1に発生したのは258人、胃の下部3分の2に発生したのは1412人で、摂取量の最も少ないグループを基準として胃がんリスクを分析しました。

 その結果、男性の下部胃がんについては、野菜と果物全体の摂取量が最も多いグループでは、最も少ないグループに比べ発症リスクは0・78倍と有意に低く、摂取量が多いほどリスクが低下する傾向がみられました。緑黄色野菜の摂取量についても、同様に有意なリスク低下がみられました。

 研究チームは、野菜や果物ががんの発症リスクを下げる理由として、抗酸化作用のある成分が豊富に含まれていることを挙げています。この抗酸化作用によって、胃がんの原因であるピロリ菌などによる細胞のDNAへのダメージが抑えられます。

 下部胃がんの発症リスクを引き上げるのはピロリ菌の感染であり、野菜や果物を摂取することがピロリ菌による発がんに予防的に働いている可能性があるといいます。

 一方、女性では野菜や果物の摂取と下部胃がんとの関連性はみられませんでした。女性では野菜や果物の摂取量が男性に比べて多く、リスクになるほど不足している人が少なかったために、はっきりした関連がみられなかったと推察しています。

 日本は先進国の中でも、ピロリ菌の感染率が高く、50歳以上の7割が感染しているといわれています。

 2015年1月7日(水)

 

■交通事故の死者4113人で、14年連続減少 高齢者が半数以上を占める

 昨年1年間に交通事故で死亡した人は全国で4113人で、14年連続で減少したことが、警察庁のまとめでわかりました。一方で、高齢者の死者が全体の半数以上を占め、警察庁は高齢者向けの交通安全教育など対策を進めることにしています。

 警察庁のまとめによりますと、昨年1年間に交通事故で死亡した人は全国で4113人で、前の年より260人、率にして5・9パーセント減り、14年連続の減少となりました。

 死者数が最も多かった1970年の1万6765人と比べると、4分の1以下に減り、死者数は1950年当時の水準にまで減少しました。

 1日当たりの死者数は11・3人。ただ8月は9・7人で、月別の統計が残る1956年以降の最少でした。 

 死者数が最も多かった都道府県は、12年連続で愛知県で、204人(前年比15人減)を数えました。以下、 神奈川県185人(同17人増)、千葉県182人(同4人減)、兵庫県182人(同5人減)、埼玉県173人(同7人減)、東京都172人(同4人増)、北海道169人(同15人減)、福岡県147人(同2人増)、静岡県143人(同41人減)、大阪府143人(同36人減)が続きました。

 死者数が少なかったのは、 島根県26人(同2人減)、徳島県31人(同18人減)、鳥取県34人(同9人増)の順でした。31の道府県で、死者数は減少しました。

 また、飲酒運転による死亡事故は前年比11件減の227件で、14年連続で減少し、記録が残っている1990年以降、最も少なくなりました。

 一方、65歳以上の高齢者の死者数は2193人で、前の年より110人、率にして4・8パーセント減りましたが、死者全体に占める割合は前年比0・6ポイント増の53・3パーセントに上り、記録がある昭和1967年以降、最も高い割合となりました。

 警察庁の担当者は、「高齢者人口が増えるとともに、事故に遭った時の死亡率が高齢者は6倍以上高くなっていて、交通安全教育など対策を進めていきたい」としています。

 2015年1月5日(月)

 

■国保の運営、市町村から都道府県に移管 医療保険制度改革案が固まる

 厚生労働省が調整している医療保険制度改革案が固まりました。市町村が運営している国民健康保険(国保)を2018年度に都道府県に移管し、国は約3400億円の財政支援をします。

 75歳以上の高齢者に対する保険料を軽減する特例措置も、2017年度から段階的に縮小する方向。1月内に改革案をまとめ、通常国会で関連法改正を目指します。

 国保は現在、無職や非正規雇用など所得が低い加入者が増加し、加入者の平均年齢も高いため医療費が膨らみやすい体質で、慢性的な赤字構造が続いています。運営が移管される都道府県側は、負担が押し付けられるとして、国に財政支援を求めていました。

 このため、厚労省は国保の財政基盤を強化する目的で、約3400億円を拠出する方向で、都道府県側と調整。具体的には、消費税収から1700億円を充当するほか、高齢者医療に拠出する支援金の計算方式に、大企業の社員が加入する健康保険組合や、公務員共済の負担が重くなる「総報酬割」を全面導入する結果、中小企業社員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)への国の財政支援を節約できることから、浮いた国費から残る1700億円を捻出する方針です。

 1年先送りし、2017年度から段階的に縮小する75歳以上の医療保険料軽減措置の廃止は、低所得者ら計865万人が対象で、軽減措置の廃止で最大9割軽減している保険料を7割軽減に縮小します。

 高齢者にも負担を求め、制度を支える現役世代との公平性を高めるのが狙い。2017年4月の消費税率10パーセントへの引き上げ時期に実施する低年金者への月5000円の年金加算策と、軽減措置の廃止を合わせて行うことで、負担増の印象を緩和します。

 また、「紹介状なし」で大病院を受診した外来患者には、2016年度から一定額の負担を求める方針で、初診で5000円の上乗せを軸に調整します。病状の軽い患者は身近な「掛かり付け医」に相談するよう誘導し、本来の高度医療に専念できるよう大病院の患者集中を防いで、医療機関の役割分担を進めます。

 2015年1月4日(日)

 

■福島県産米、放射性物質基準値超え初のゼロ 2014年産米1075万袋を検査

 東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故を切っ掛けに始まった福島県産米の放射性物質検査で、昨年末までに計測した2014年産米約1075万袋すべてが国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回りました。収穫した年内の検査で基準値超えゼロを達成したのは初めて。

 全量全袋検査と呼ばれるこの取り組みは、福島県が約190台の検査器を配備して2012年に始まりました。すべての県産米が対象で1袋ごとに放射性セシウム濃度を調べ、食品衛生法上の基準値以下だと「検査済」のラベルが貼られます。基準値を超えると廃棄されます。

 放射性物質検査に期限はなく、今後も続けられます。基準値超えは、同じく1000万袋以上を調べた2012年産米では71袋、2013年産米では28袋でした。

 福島県内の農家は、稲が放射性セシウムを吸収しないように肥料を工夫するなど試行錯誤を続けてきました。

 セシウムは、放射線を出す能力(放射能)を持つ放射性物質の一種。セシウム137の場合、放射能が半分になる半減期が30年と長く、体内に入ると、将来、がんになる心配があり、食べ物などを通じて取り込まないよう気を付ける必要があります。東京電力福島第一原発事故で広範囲に拡散し、稲わらやそれを食べた肉牛、汚泥などから高濃度のセシウム137が検出されました。

 2015年1月4日(日)

 

■香りを使って認知症判定 香川大工学部が新検査方法開発

 香川大工学部の研究グループが、香りを使って認知症の発症を判別する新たな検査方法を開発しました。初期のアルツハイマー型認知症が疑われる患者に数種類の香りを嗅いでもらい、香りの記憶の正確性から発症の有無を推定します。

 記憶力の低下などを探る従来の手法よりも利用しやすい検査として、注目を集めそうです。

 研究グループは、鈴木桂輔准教授(生活支援工学)らを中心に数人で構成。グループによると、一般的な認知症検査は、医師が簡単な計算などを出題し、患者の記憶力や現状把握能力のレベルから発症を判断していますが、患者の自尊心を傷付ける場合もみられ、医療現場で課題となっていました。

 研究グループは、嗅覚と記憶力との間に密接な関係があり、特にアルツハイマー型認知症の初期段階から嗅覚障害が現れやすいことに着目。香りを正確に認識し、正しい記憶を呼び起こせるか否かを確認することで、認知症の発症を推定する方法を確立しました。

 具体的には、試験紙に染み込ませたカレーやヒノキなどの香りを患者に嗅いでもらい、何の香りかを答えてもらいます。香川県内の介護老人福祉施設の協力を得て2年間、臨床調査を行った結果、7問のうち正答数が4問以下だと、認知症の疑いがあるということが統計学上導き出されたといいます。

 研究グループは昨年12月、岡山県内であった日本人間工学会で新しい検査方法を発表しており、今後は検査キットを開発して医療現場での普及を目指します。

 鈴木准教授は、「この検査方法が広まり、認知症の早期発見に貢献できれば」と話しています。

 2015年1月4日(日)

 

■がんの原因、細胞分裂時の変異の不運が大半 アメリカの大学が研究

 がんは家族歴や環境的要因ではなく、細胞分裂時に起きるランダムな変異の不運に見舞われることによって発生する場合が多くを占めるとの研究論文が、2日のアメリカの科学誌サイエンスに発表されました。

 アメリカ東部を代表する医学校の一つであるジョンズ・ホプキンス大学の研究チームが主導した今回の研究は、さまざまなヒト組織に発生する多様ながんを含めた統計モデルに基づくものです。

 ただし、女性で最も患者数の多い乳がんと、男性で皮膚がんに次いで患者数の多い前立腺がんは、今回の統計モデルには含まれていません。

 研究チームが評価対象とした成人がんのうちの約3分の2は、腫瘍の成長を促す遺伝子で起きるランダムな変異で原因を説明できる一方、残りの3分の1は、環境的要因や親から受け継いだ遺伝子に起因するものでした。

 論文執筆者のジョンズ・ホプキンス大学医学部のバート・ボーゲルスタイン教授(腫瘍学)は、「今回の研究結果が示していることは、喫煙や他の好ましくない生活要因によってがんになるリスクがさらに増す恐れがあることだ」としながら、「多くの種類のがんは、生活要因や遺伝要因の有無に関係なく、がん促進遺伝子に変異が起きるという不運に主に起因している」と続けました。

 また、長年にわたって喫煙していたり、日光を大量に浴びていたりしているにもかかわらず、がんにならずに長生きしている人々については、「優れた遺伝子を持っているわけではなく、その大半は、ただ運がよいだけというのが実際のところだ」と説明しました。

 がんを新たな観点から考察することを目指した研究チームは、一生の間に人間の幹細胞が平均でどれだけ分裂するかを調べるため、関連する科学文献を調査。

 この自己再生プロセスは体内で自然発生し、特定の臓器で次々に死んでいく細胞を補う助けになります。だが、変異として知られるランダムな誤りが幹細胞で生じると、がんが発生する場合があることは、長年の研究で明らかになっていました。

 今回の研究では、このプロセスに起因するがんがどの程度の頻度で発生するかを、家族歴や環境的要因と比較対照する試みを初めて実施。その結果、研究の対象とした31の組織で発生する約22種のがんは、ランダムな変異に起因していることが判明しました。

 その他の9種を巡っては、「変異の不運で予測されるよりも発生率が高く、変異の不運と環境的または遺伝的な要因との相乗効果に起因するものと思われる」とボーゲルスタイン教授は指摘しています。

 この9種には、遺伝性のがんとして知られている一部のがんに加え、喫煙や日光にさらされることに影響される肺がんと皮膚がんが含まれています。

 論文執筆者で、ジョンズ・ホプキンス大学の医学部とブルームバーグ公衆衛生学部に所属するクリスチャン・トマセッティ助教(生物数学)は、「生活様式や生活習慣を変えることは、ある種のがんを回避するのに大きな助けになるが、その他の多種多様ながんに対しては、これは同様に有効とはいえないかもしれない」と話しています。

 研究チームによると、今回の統計モデルから乳がんと前立腺がんが除外された理由は、これらの領域で起きる幹細胞分裂の速度に関して、信頼性のあるデータが科学文献に示されていなかったためだといいます。

 2015年1月3日(土)

 

■中国で鳥インフルエンザが流行 死者は前年比約3倍

 中国国営メディアは12月29日、東部浙江省永康市で、H7N9型鳥インフルエンザにより男性1人が死亡したと発表しました。

 国営通信社の中国新聞社によれば、冬に入り鳥インフルエンザへの感染例が急増しています。最近、永康市ではこの男性を含め2例、浙江省全体では4例の感染が報告されています。

 中国の保健当局は12月、世界保健機関(WHO)に対し、中国本土でH7N9型への11例の感染が新たに確認され、うち5例で患者が死亡したと報告しています。

 北京の保健当局がまとめた最近の統計では、昨年1月から12月10日までの間に本土で310例の感染が確認されており、このうち132人が死亡しています。

 一昨年、3月から始まった流行期間の中国本土での感染例は144例で、死者は46人でした。

 2015年1月2日(金)

 

2017年7月〜 1月〜6月 2016年7月〜12月 1月〜6月 2015年7月〜12月 1月〜6月 2014年7月〜12月 1〜6月 2013年6〜12月 5月 4月 3月 2月 1月 2012年12月 11 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月 2011年12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月 2010年12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月

ホームへ戻ります  四百四病の事典へ寄り道します  ページのトップへ戻ります

ホームへ戻ります  健康実用辞典へ寄り道します  ページのトップへ戻ります


Copyright 2003〜 kenkosozojuku Japan, Inc. All rights reserved.