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健康ダイジェスト

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■子宮頸がん、肺炎球菌など3種類のワクチン接種を全額助成 千葉県浦安市

 千葉県浦安市の松崎秀樹市長は28日、子宮頸がん、乳幼児に細菌性髄膜炎を引き起こすインフルエンザ菌b型(Hib=ヒブ)、肺炎球菌の3種類のワクチンについて、接種費用を全額助成する方針を明らかにしました。助成対象は乳幼児と女子中学生、高齢者の計約3万人。

 関連予算として1億2430万円を、市議会6月定例会に提出する一般会計補正予算案に計上します。議会で可決されれば、8月1日から助成を始めます。この3種類のワクチンを全額助成するのは千葉県内初で、全国でも極めて珍しいといいます。

 助成対象は、子宮頸がんワクチンは中学1~3年の女子約2500人。3回目までの接種費用に初診料などを含めて全額を市が負担し、費用は1人5万1000円と試算されています。ヒブワクチンは生後2カ月~4歳の乳幼児約8200人。肺炎球菌ワクチンは、生後2カ月~4歳の乳幼児のほか、65歳以上の高齢者約1万8900人。

 いずれのワクチンも、死亡や重篤な状況に陥る病気への予防効果が高いことから選ばれました。対象者が個別に市医師会加盟の医療機関に予約して、保険証を提示すれば無料で接種できます。

 松崎市長は、「市民の命を守るのが行政の役目。子宮頸がんの予防ワクチンを切っ掛けに助成の対象を広めた」と話しています。

 千葉県内では成田市が4月から、子宮頸がんとヒブワクチンの半額助成を始めました。また、いすみ市が子宮頸がんと乳幼児の肺炎球菌ワクチンについて、8月から全額助成を行う方針。

 2010年5月31日(月)

 

■医師の「不足数」に着目する初調査 厚労省が実施

 地域医療の崩壊が懸念される中、医師の不足や偏在の実態を把握しようと、厚生労働省は全国の病院を対象とする調査に乗り出しました。

 従来から医師の数自体を調べる調査は定期的に行ってきましたが、「不足数」に着目した実態調査は初めて。28日に都道府県を通じて調査票の配布を始めており、今夏にも結果の概要をまとめる予定。

 政府は医師養成数を大幅に増やす方針ですが、あと何人増やせば充足するかといった目星はついていないのが実情。地域や診療科によっても開きがあるとみられますが、目安になるデータがありませんでした。

 調査対象となるのは、全国に約8700あるすべての病院。各病院の現状の医師数と、足りない人員を補うために募集している医師の求人数、求人はしていないが不足していると考えている人数を診療科ごとに調べ、地域ごとに、どの診療科の医師が何人不足しているのかを詳細に割り出します。

 この調査結果を基に医師の必要数を分析するほか、地域や診療科による偏在解消策を具体的に検討します。厚労省は、「全体的な状況を把握し、医師確保策に生かしたい」と話しています。

 厚労省が2年ごとに実施している医師数調査では、平成20年度12月31日における全国の届出医師数は28万6699人(男23万4702人、女5万1997人)で、平成18年度調査から8772人、3・2パーセント増加していました。人口10万人当たりは224・5人で、前回調査から7・0人増加。10年ほど減少していた産婦人科、産科、外科の医師数が増加に転じていました。

 2010年5月30日(日)

 

■B型肝炎、口移しでの父子感染にも注意 阪大調査

 父親からB型肝炎に感染する乳幼児がいることが大阪大などの調査でわかり、専門家が注意を呼び掛けています。母子感染に比べ、父子感染はあまり知られておらず、食べ物の口移しなどで知らぬ間に感染している模様。

 祖父母や兄弟を介したとみられる例もあり、専門家は「家族で検査を受けて感染者がいれば、ワクチンで乳幼児への感染を防いで」と呼び掛けています。

 大阪府立急性期・総合医療センターの田尻仁(ひとし)主任部長(小児科)らは、大阪大学病院、大阪府立母子保健総合医療センターとともに、0~15歳時の検査でB型肝炎の感染が判明した187人の感染理由を分析しました。この結果、1985年以前に生まれた102人のうち、父子感染が6人(5・9パーセント)いました。86年以降に生まれた85人では、13人(15・3パーセント)と割合が増えていました。

 兄弟姉妹や祖父母など家族から移ったとみられる例も、計50人いたといいます。一方で、母子感染は85年以前は59人(57・8パーセント)、86年以降では51人(60パーセント)と、割合はほぼ変わりませんでした。

 B型肝炎は血液や体液を通じて感染します。唾液中のウイルスは少ないものの、食べ物の口移しなどを通じて子供に感染する可能性があります。大人が感染しても多くは一過性で終わるものの、乳幼児がかかると、慢性化して肝硬変や肝がんに進みかねません。

 85年以降、国は妊婦に限って無料で検査できるようにし、感染がわかれば、ウイルスを抑える薬やワクチン接種で乳幼児への感染を防いでいます。86年には母子感染は推定で年約4000人いましたが、10年後には400人にまで減ったとされています。1000~5000円で検査できますが、父親の検査は自己負担のため検査する人が少ないのが実態。

 2010年5月29日(土)

 

■新たなエイズ患者431人 過去最多の前年と同数

 厚生労働省のエイズ動向委員会は27日、2009年の1年間に国内で新たに報告されたエイズ患者は、過去最多だった前年と同数の431人だったと発表しました。新たなエイズウイルス(HIV)感染者数は、前年より105人少ない1021人で過去3位でした。

 また、HIVに感染しているかを調べるため、全国の保健所などが無料実施している抗体検査件数は、前年より約2万7000件減り15万252件。抗体検査件数は2002年以降増加していましたが、一転して前年より約15パーセント減の大幅減となりました。

 厚労省によると、エイズ患者は男性407人、女性24人で、感染経路は同性間の性的接触によるものが半数の210人、異性間の性的接触によるものが132件でした。HIV感染者は男性965人、女性56人。年齢別では、エイズ患者、HIV感染者ともに特に20~30歳代が多くなっています。

 報告地別では、エイズ患者は東京都を含む関東・甲信越ブロックおよび近畿ブロックからの報告が65パーセントを占め、北海道・東北ブロックおよび近畿ブロック、九州ブロックで゙増加しています。HIV感染者は東京都を含む関東・甲信越ブロックおよび近畿ブロックからの報告が75パーセントを占め、九州ブロックで増加しています。

 2010年5月28日(金)

 

■百日ぜき患者、大人の割合が急増中

 子供に多い「百日ぜき」に大人がかかる割合が、この10年間で急増しています。国立感染症研究所のまとめでは、患者に占める成人の割合は2000年の2・2パーセントから09年には40・5パーセントと増え続け、今年は5月9日までに56・8パーセントとなり、20歳未満を逆転しました。

 感染研では、全国約3000の定点医療機関から報告された患者の情報を分析。調査対象が小児科を持つ医療機関なのに患者の年齢が高いため、実際の成人患者はもっと多いとみられます。感染研は「子供中心の病気と呼ぶのはもうふさわしくない」とし、夏の流行期を控えて注意を促しています。

 百日ぜきは、ワクチン未接種の生後6カ月以下の乳児がかかると、せきの発作で息が吸えず、低酸素脳症などで死に至る恐れもあります。大人だと、せきは長引くものの重い症状を示すことはまれで、医師の間でも「子供の病気」と誤解され、風邪やぜんそくと誤って診断される患者も少なくありません。

 治療しないと、原因となる百日ぜき菌を3週間ほど排出し続けるため、知らないまま感染源になって職場などで広がり、家族感染でワクチン未接種の乳児が発病する心配もあります。感染研の安井良則・主任研究官は、「百日ぜきは麻疹の次に感染力が強い病気。せきが長引くようなら早めに受診してほしい」と話しています。

 2010年5月27日(木)

 

脳バンク設立へ うつ病や認知症の研究拠点に

 精神疾患の治療や研究をしている医師・研究者らで作る日本生物学的精神医学会は、精神疾患死後「脳バンク」を立ち上げます。亡くなった人の脳を提供してもらって凍結保存し、うつ病や統合失調症、パーキンソン病、認知症などの診断や治療の研究に役立てます。

 すでに取り組みを始めている福島県立医大を基盤にして、来年中にも全国10の大学や研究機関を拠点に、提供希望者の生前登録を始める予定です。脳の病気は不明な点が多く、主に患者が訴える症状で診断されているのが現状。脳バンクが整えば、患者の生前の症状と脳の状態を照らし合わすことができ、原因の解明や治療法の開発につながることが期待されます。

 脳バンクへの登録は、20歳以上なら誰でもできます。事前に、医師による診断と説明を受けた上で、書面で本人と家族の同意の署名が必要になります。脳はホルマリンと凍結によって保存されます。脳バンク設立委員会メンバーで理化学研究所脳科学総合研究センターの加藤忠史チームリーダーは、「脳の病気を克服するには、直接脳を見る研究が欠かせない」と話しています。

 国内には福島県立医大の精神疾患を対象にしたバンクと国立精神・神経医療研究センター(東京都)のパーキンソン病を対象にしたバンクがありますが、現行では脳バンクに関する法律はありません。日本生物学的精神医学会では、法医学の専門家の意見を元に独自に指針を作り、提供を求めることにしています。

 欧米諸国では1960~1970年代から、精神神経疾患の死後脳を集め病態の本質に迫る脳バンクの取り組みが行われてきました。現在、米国では100以上のバンクが運営され、欧州でもオランダを始めとして大規模なバンクがいくつかあります。

 2010年5月26日(水)

 

■受動喫煙だけでも血圧高めに 東北大チームが女性で調査

 「自分は吸わないのに、家庭や職場で他人のたばこの煙にさらされている女性の最高血圧は高くなる」という世界初の調査結果を、東北大大学院薬学研究科の今井潤教授らの研究グループが国際高血圧学会誌に発表しました。

 今井教授らは岩手県花巻市・大迫(おおはさま)地区で家庭に血圧計を配り、循環器の病気と生活との関係を解明する研究を20年以上続けています。このデータの中から、35歳以上で一度もたばこを吸ったことがなく、血圧の薬も飲んでいない計474人の女性を抜き出し、受動喫煙の有無と血圧の関係を解析しました。男性は喫煙率が高いため除外しました。

 朝、家庭で測定した最高血圧を調べたところ、家庭や職場などで受動喫煙がある人のグループは平均116・2~116・8で、受動喫煙のない人のグループの113・1に対し、3以上高いものでした。夜、家庭で測定した最高血圧も、受動喫煙がある人のグループの方が2~3程度高いものでした。受動喫煙に毎日さらされる人のグループほど血圧が高く、最低血圧や心拍数に差はありませんでした。

 今井教授は、「家庭血圧は医療機関での測定より正確だ。国民全体の最高血圧が2下がれば、脳卒中による死亡が約9000人、心筋梗塞(こうそく)による死亡が約4000人減らせるといわれる。早急に受動喫煙対策を講じる必要がある」と話しています。

 2010年5月25日(火)

 

■犬や猫の細菌に感染し6人の死亡例 厚労省が注意喚起

 犬や猫の口の中にいる細菌に2002年から14人が感染、発症し、うち6人が死亡していることが、国立感染症研究所のまとめでわかりました。「カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症」と呼ばれますが、実態はよくわかっていません。見逃されている患者も多いとみられ、厚生労働省は24日、関係機関に文書で注意を促しました。

 このカプノサイトファーガ属の細菌には、人が犬や猫にかまれたり、引っかかれたり、傷口をなめられたりすると、極めてまれに感染し、発熱や倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛などの症状が出ます。発症すると血圧が急に下がり、血中で細菌が増え、敗血症や髄膜炎を起こして死に至ることがあります。

 ペニシリン系、テトラサイクリン系などの抗生剤で治療できますが、高齢で免疫機能が低下した人、ステロイド剤で膠原病や腎炎などの治療をしている人、脾臓摘出者、アルコール中毒者、糖尿病などの慢性疾患がある人などは注意が必要。

 世界的には、1976年以来、欧米を中心に約250人の患者が報告されています。国内でも、国立感染症研究所の鈴木道雄主任研究官らが調査すると、02年以降、14人がカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症を発症し、6人が死亡していました。14人の年齢は40~90歳代で平均は約65歳、14人のうち6人は持病がありませんでした。

 04~07年の調べでは、この感染症の原因菌が自治体に引き取られた犬325匹の74パーセント、猫115匹の57パーセントから見付かっています。

 ただ、感染力はかなり弱く、犬と猫を触った後はよく手を洗い、口移しでえさを与えるなどしなければ、まず感染の心配はありません。かまれるなどして、発熱した場合、医師に相談することも必要です。

 2010年5月24日(月)

 

■うつ病、国家的課題として啓発必要 精神医療4学会が共同宣言 

 日本精神神経学会など、うつ病の治療・研究にかかわる4学会の理事長らは22日、広島市で記者会見し「うつ病について国家的課題として啓発に取り組むべきだ」とする提言をまとめました。同日まで開かれていた日本精神神経学会総会で、共同宣言として採択、厚生労働省など関係省庁にも送付します。

 うつ病問題について、精神医療にかかわる学会が公式見解を出すのは初めて。4学会は、うつ病などの精神疾患ががんや心臓疾患と並ぶ三大疾患として、先進諸国で最優先課題となっている点を重視し、国内でも早急な対策を講じるべきだとの認識で一致しました。

 共同宣言では、年間3万人を超す自殺者と関係が深いうつ病ががんに次いで、重大な社会的損失をもたらす「国民病」と指摘し、正しい啓発活動と啓発組織の設立を提案しています。

 自殺や長期休務が社会問題化している職域に対しては、「発症予防や早期発見、再発を予防した上での職場復帰が必要」と主張し、職場に応じたメンタルヘルス体制や教育を行うべきだとしています。同時に、若年化傾向にある発症の現状を踏まえ、学校でのメンタルヘルス教育の導入や児童精神科医の養成、増員も求めています。

 2010年5月23日(日)

 

■食事パターンがうつと関連 健康的な日本食で半減 

 野菜や大豆食品、果物、海藻などをよく取る「健康的な日本食パターン」の人は、うつ症状の頻度が半分以下。こうした傾向を国立国際医療研究センターの南里明子研究員や溝上哲也部長らが見付け、論文を19日付の欧州臨床栄養学雑誌電子版に発表しました。

 食事のパターンに分けて解析した研究は欧州に2例あるものの、日本では初めてといいます。研究グループは2006年、福岡県に住む21~67歳の勤労者521人に、1カ月間に食べた物を質問票で尋ね、それを基に食事のパターンを調べました。同時に、世界的に広く使われている質問票でうつ症状を聞きました。

 統計手法で「健康的な日本食」「肉などが多い動物性食」「パンなどの洋風朝食」の3種類について、各人の食事パターンを強、中、弱に3分類し、うつ症状との関連を見たところ、健康的な日本食パターンの傾向が強い人は、その傾向が弱い人に比べ、うつ症状の頻度が44パーセントと低いものでした。動物性食と洋風朝食のパターンの人では、うつ症状との明白な関連は見られませんでした。

 南里研究員は、「自殺者が1998年以来年間3万人を超え、うつ症状も増えているが、食事も視野に入れ、日本食の価値を見直したらどうか」と提言しています。

 2010年5月22日(土)

 

■ひきこもりの3分の1は薬物治療が必要 

 厚生労働省の研究班が19日、半年以上に渡って家にとどまる「引きこもり」への対応を定めた「引きこもりの評価・支援に関するガイドライン(指針)」を公表しました。引きこもりの人の大半が統合失調症などの精神障害を患っていることを指摘し、診断を踏まえて当事者に合った支援の必要性を強調しています。

 ガイドラインは、就学・就労などを避け、家から出てこない引きこもりを「社会的参加を避け、原則6カ月以上、家庭にとどまり続ける状態」と定義。4134世帯を対象に調査した結果、23世帯に10~40歳代の引きこもりを確認。全体では、全国の約26万世帯に引きこもりの人がいると推計しました。

 また、研究班が平成19~21年度に、精神科医ら専門家が在籍する全国5カ所の精神保健福祉センターへ、引きこもり本人が直接相談にきた16~35歳までの184人を分析した結果、149人は精神障害と診断されていたことが判明。

 うち49人は統合失調症や不安障害、気分障害など薬物治療が必要とされる精神疾患で、さらに48人は広汎性発達障害や精神遅滞と診断され、51人は専門家のカウンセリングなどが治療の中心となるパーソナリティ障害や適応障害などでした。残る1人は前記3分類に当てはまりませんでした。

 今回の調査結果を受け、厚労省は「診断や治療を受けないまま、症状を悪化させる恐れがある」として、引きこもりの長期化を防ぐため、当事者に対しては早期の専門機関への相談・受診を促し、行政に対しては家庭訪問するなど踏み込んだ支援を求めています。

 2010年5月21日(金)

 

■6種類のがん健診を500円に統一 名古屋市

 4月から、名古屋市のがん検診の自己負担額が500円に統一されました。6種の検診がいずれも硬貨1枚の「ワンコイン」ですむため、市は協力医療機関などの情報を掲載したパンフレットを全戸配布し、受診率のアップを目指しています。

 勤務先などで検診を受ける機会がない市民が対象。従来の胃がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、乳がんに加え、6月から実施する前立腺がんの計6種をそれぞれ500円で受診できます。40歳以上が対象の胃がん、大腸がん、肺がんと、50歳以上の男性が対象の前立腺がんの受診回数は年1回、20歳以上の女性が対象の子宮がんと、40歳以上の女性が対象の乳がんの受診回数は2年に1回で、70歳以上、生活保護世帯、市民税非課税世帯などの人は無料。

 広報なごや6月号に折り込んで全戸配布する「がん検診ガイド」や、市のホームページで紹介する市内74の協力医療機関、保健所、医師会健診センター、休日急病診療所に電話予約して受診します。検診の結果で必要となる精密検査や治療の費用は、別料金となります。

 市のがん検診は2009年度まで、最大で2900円の自己負担がありました。09年度の受診率は胃がん9・6パーセント、大腸がん18・1パーセントなどであり、市はワンコイン検診の導入などで2年後にそれぞれ15パーセント、24・8パーセントとする目標を立てています。 

 2010年5月20日(木)

 

■飲酒は肝臓病など60以上の疾患に関係 WHOが指摘

 酒類の飲酒はストレス解消やコミュニケーションの潤滑剤として働き、体によい側面もある反面、依存性も強く、世界保健機関 (WHO)は60以上の疾患やけがの原因になり得ると指摘しています。

 特に多いのが肝臓病。酒類の主要成分をなすアルコールは胃や小腸から吸収され、大部分がまず肝臓で分解されます。飲みすぎて負担が大きくなると脂肪肝になります。さらに多量の飲酒が続くと、アルコール性肝炎や肝硬変の危険があります。

 およその量として、日本酒にして毎日3合くらいを5年以上飲み続けているとアルコール性脂肪肝に、毎日5合を10年以上飲み続けているとアルコール性肝硬変になる可能性が高いとされています。また、女性は男性よりアルコール性肝障害になりやすく、1日2合の飲酒が続いても肝障害を引き起こす恐れがあります。

 消化やホルモン機能を担う膵臓にも影響が出ます。男性では、急性膵炎の30パーセント、慢性膵炎の65パーセントが飲みすぎが原因で起きます。急性膵炎になっても酒をやめられず、慢性膵炎に進む人も少なくありません。

 飲酒を続けると脳がアルコールに慣れて、以前ほど酔わなくなります。酒量が増え、やめようと思っても飲酒がコントロールできなくなると、アルコール依存症の疑いがあります。酔いがさめる際に手や体が震えたり、不快な気分になる離脱症状が特徴。厚生労働省の研究班の調査では、アルコール依存症と予備軍は約440万人と推定されています。

 飲酒はがんとも深い関係にあります。アルコールが肝臓で分解されてできるアセトアルデヒドは発がん性のある物質で、さらに酢酸に分解されますが、その過程で唾液中にも高濃度で分泌されます。アルコール依存症の患者に食道がんや口腔がんが多いことが知られ、WHOは大腸がんや乳がんにも関係すると指摘しています。

 短時間に大量の酒を飲んで起きるのが急性アルコール中毒で、代謝できないアルコールが脳に回って中枢神経をまひさせます。飲酒が原因で起きる外傷も多くみられ、酒酔い運転による死亡事故は後を絶たず、職場や家庭での暴力も起きています。

 一方、1日当たり平均30グラムのアルコール摂取、つまり1日に日本酒で約1合、ビール大びんで約1本の適量の飲酒をする中高年は、全く飲まない人に比べて心筋梗塞や脳梗塞が起きにくく、死亡リスクが低いことが知られています。アルコールに血液の凝固を抑える作用があるためと見なされています。

 2010年5月19日(水)

 

■都心ホームレスの3割、知的障害の可能性 医師ら調査

 東京都心のホームレスの3割以上は知的機能に障害があるとみられることが16日、精神科医や臨床心理士らで作る研究チームの調査でわかりました。精神疾患も4割以上にみられました。

 知的機能を含むホームレスのメンタル面に関する専門家による初の実態調査といい、池袋駅周辺で路上生活を送る人達を支援する研究チーム「ぼとむあっぷ」が、昨年末に調べました。本人の同意が得られた167人を対象に、面接調査や簡易知能検査を実施。平均55歳で全員男性。最終学歴は小学校が2パーセント、中学校が56パーセントでした。

 その結果、軽度の知的障害がある人が28パーセント、中度の障害がある人が6パーセントいました。知的障害が軽い人の精神年齢は9〜12歳程度で、物事を抽象的に考えるのが難しく、中度では6〜9歳程度で、周囲の助けがないと生活が難しいとされます。

 精神科医の診断では、19パーセントにアルコール依存症、15パーセントにうつ病が認められるなど、41パーセントの人に精神疾患がありました。

 研究チーム代表の精神科医・森川すいめいさんによると、周囲に障害が理解されず、人間関係をうまく結べないことで職を失うなどが、路上生活につながった可能性があるといいます。知的障害により生活保護の手続きを自発的に取ることができなかったり、精神疾患により気力が下がったりして、なかなか路上生活から抜け出せない現状があるため、「ホームレス施策に障害者支援の視点も必要だ」と指摘しています。

 なお、高齢者のホームレスの場合、国民年金の掛け金を払っていた人に対しては年金が受給されるようになり、65歳を期にホームレスを脱することができる人もいます。

 2010年5月18日(火)

 

■携帯電話の電磁波 発がんの危険は認められず

 携帯電話が発する電磁波が脳腫瘍(しゅよう)などのがんを引き起こす恐れについて、世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)は16日までに、「携帯電話の使用が発生の危険を増やすとは認められない」とする過去最大規模の国際調査の結果をまとめました。近く医学専門誌に掲載されます。

 調査は日米欧など世界13カ国で脳腫瘍の患者と健康な人、計約1万3000人と面談。携帯電話の使用頻度や使用期間ごとに細かく分類し、患者と健康な人の人数が各層でどう違うか調べました。

 その結果、使用を「日常的」とした人や「10年以上」とした人の割合は、患者よりも健康な人のほうがむしろ多く、携帯使用と脳腫瘍の間に関係はみられませんでした。

 最も累積使用時間が長い「1640時間以上」使った人の割合が、神経膠腫(こうしゅ)患者で健常者の1・4倍という数字を示すなど、一部の層に携帯使用と腫瘍の因果関係を示唆する結果も出ました。しかし、同機関はこうした数字はいずれも「統計の偏りや誤差による限界があり、因果関係があるとは解釈できない」と結論付けました。

 2010年5月17日(月)

 

■「カロリーハーフ」などの食品表示の明確化を、消費者庁が通達

 消費者庁は12日、「カロリーハーフ」「カルシウム2倍」といった食品表示をする時は、何と比べての「ハーフ」「2倍」なのかをはっきりと示した上でエネルギーや脂質などの栄養成分値も表示するように、食品表示を明確化することを決めました。同日、都道府県に通知を出し、食品メーカーを指導するよう求めました。

 「 40パーセント強化」「 10グラムアップ」「40パーセントカット」「10グラム減」など、パーセンテージやグラム数を添えて、他の食品と比べて多いか少ないかを相対的に表示する場合は、これまで健康増進法の「栄養表示基準」で、商品の包装に比較対象商品を示して、エネルギーやたんぱく質、脂質、炭水化物などの値を表示することが決められていました。

 しかしながら、分数や倍数などの表現を用いるケースが栄養表示基準の「相対表示」に当たるかどうか、これまで明確ではありませんでした。食品メーカーの指導をする都道府県から、これらの表現への問い合わせが多いことから、消費者庁は今回、「相対表示に当たる」とする見解を示しました。食品メーカーに対して同庁は、9月30日までに栄養表示基準に従う適正な表示をするよう求めています。

 また、スティックタイプのインスタントコーヒーなどで、1包装当たりの量が異なる商品を引き合いに出して比較する場合は、100グラム当たりの比較にはよらず、1杯分(12グラムと16グラム)同士で比べていることをできるだけ示すよう求めました。

 栄養表示基準ではこれとは別に、「控えめ」「低」「ライト」など「低い」ことを示す表示については、食品100グラム当たり熱量では40キロカロリー以下、脂質は3グラム以下という基準値を定めています。「カロリーゼロ」は、食品100グラム当たり熱量が5キロカロリー未満と決めています。

 2010年5月16日(日)

 

■09年の労災による死者数は1075人 過去最少を更新

 2009年の労災による死者数が前年比193人減(15・2パーセント減)の1075人と、01年以降9年連続で過去最少を更新したことが14日、厚生労働省の集計で判明しました。

 厚労省は、「リーマン・ショック以降の景気悪化による企業の生産活動の停滞が影響しているのではないか」としています。

 集計によると、労災による死者数は建設業が371人(全体の34・5パーセント)で最多。次いで、製造業が186人(同17・3パーセント)、陸上貨物運送事業が122人(同11・3パーセント)の順。

 一度に3人以上が死傷するなどした重大労災は、前年より53件減(18・9パーセント減)の228件。死者数は46人で、前年より14人減りました。

 一方、派遣労働者の死者数は23人で、死傷者数は2864人。死傷者が5631人だった前年に比べると、2767人減少しました。派遣労働者が減ったことも背景にあるとみられます。

 2010年5月15日(土)

 

■自殺者12年連続3万人台 原因の最多は健康問題

 警察庁は13日、昨年1年間に全国で自殺した人は前年比1.8パーセント増の3万2845人だったと発表しました。1998年から12年連続で3万人を上回りました。

 相変わらず50歳代、60歳代の割合が高いものの、40歳代が前年より5.9パーセント増と増加ぶりが目立ちました。男女別では、71.5パーセントに当たる2万3472人が男性で、前年より2.8パーセント増えました。

 年齢別では、50歳代が最多の6491人で、全体の19.8パーセントを占めました。次いで60歳代が5958人(18.1パーセント)、40歳代が5261人(16.0パーセント)の順に多かったものの、前年比では、40歳代(5.9パーセント増)が60歳代(3.9パーセント増)や50歳代(2.0パーセント増)の増加率を上回りました。

 一方、20歳代は前年比0.9パーセント増の3470人、30歳代は同1.2パーセント減の4794人でしたが、人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺率では、人口減の影響で、それぞれ24.1人、26.2人となり、統計を取り始めた1978年以降でいずれも過去最悪となりました。

 全体の74.4パーセントの人の自殺原因が特定でき、最も多かったのは「健康問題」で、次いで生活苦や多重債務などの「経済・生活問題」、夫婦関係の不和や家族の将来を悲観した「家庭問題」の順。特に経済・生活問題の増え方が著しく、不況が暗い影を落としています。

 月別に自殺者数の推移を見ると、1~8月までは前年を上回る状況が続き、特に3~5月には連続して3000人を超えるなど上半期は過去最悪のペースで増え続けました。年度末の決算期前後は経済的な理由で自殺者が増えるとの分析があり、ここでも不況が色濃く影を落としていることがうかがえます。

 都道府県別の自殺者数では、東京、大阪など都市部で多いものの、自殺率では、山梨(10万人当たり41.9人)、秋田(同40.0人)、青森(同39.4人)、岩手(同38.2人)の順に多いという結果になりました。鳥取が前年の同35.6人から28.1人に減ったのに対して、高知が28.8人から34.2人に増えたのが目立っています。

 政府は、医師や市民団体の協力も得て内閣府に自殺問題の「緊急戦略チーム」を設置。昨年11月には、一部のハローワークの窓口に精神保健の専門家を配置するなどの対策を進めています。

 2010年5月14日(金)

 

■子宮頸がん予防ワクチンの集団接種を開始 栃木県大田原市

 栃木県大田原市で13日、小学6年の女児を対象に子宮頸がん予防ワクチンの集団接種が始まりました。費用は市の全額助成で、同ワクチンの集団接種は全国初の取り組み。 

 市によると、最初の集団接種が実施されたのは市立金丸小学校で、午後に対象の女児10人全員が受けました。児童からは「思ったより痛くない」「がんになるのは嫌だから注射してよかった」という声が聞かれたといいます。

 事前に保護者や児童への説明会も実施。現在、集団接種の対象女児の約99パーセントに当たる336人が希望しています。個人が医療機関で予防接種を受ける個別接種が主流の中、通院の負担がない学校での集団接種を採用したことが奏功した格好。

 接種に立ち会った自治医科大の鈴木光明教授は、「集団接種は接種率が上がる。アレルギーや発熱など接種できない健康状態の児童を、医師と保健師できちんとチェックしなくてはいけない」と安全性確保の課題を指摘しました。

 子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で発症。性交渉を通じて感染するため、予防には若年層へのワクチン接種が有効とされます。

 2010年5月13日(木)

 

■川崎病の新たな関連遺伝子発表 発症リスク1・4倍

 主に乳幼児がかかる川崎病の発症に関連する新たな遺伝子を見付けたと、理化学研究所ゲノム医科学研究センターなどが12日、発表しました。この遺伝子にあるわずかな違いで、発症リスクは1・4倍になるといいます。

 研究チームは、関連遺伝子があると予想した染色体領域で「CASP3(カスパーゼ3)」という遺伝子に注目し、日本人の患者約900人と罹患したことがない約1400人を分析。この遺伝子で塩基が1カ所異なる「一塩基多型(SNP)」のうち、特定のタイプだと発症リスクは1・4倍でした。

 このCASP3遺伝子は細胞死で重要な役割を果たしますが、発症リスクが高いタイプだと遺伝子の働きが弱くなると判明。不要になった血液中の免疫細胞の細胞死が遅れて炎症が続き、川崎病を引き起こしているのではないかとみています。

 研究チームは、関連遺伝子が存在する可能性のある場所を10カ所見付け、すでに1カ所で発症リスクが高まる遺伝子を特定していました。同センターの尾内善広上級研究員は、「ほかにも関連遺伝子がないか調べ、病態解明につなげたい」と話しています。

 川崎病は1歳前後の乳幼児を中心に好発する原因不明の発熱性疾患で、1967年に日本赤十字社医療センター小児科医の川崎富作博士(現・日本川崎病研究センター理事長)によって初めて報告されました。発熱や発疹などの症状のほか、心臓に冠動脈瘤ができて重症になる場合もあります。

 東アジア人に多いことや、家族内での発症が多いことが知られており、日本では年間1万人以上が発症しています。

 2010年5月12日(水)

 

■精神疾患の場合、自殺未遂でも健康保険適用

 厚生労働省は11日、自殺未遂をした人が医療を受けた際の健康保険適用について、精神疾患がある場合には保険適用を認めるように、大企業の健康保険組合や市町村の国民健康保険などに通知することを決めました。

 健康保険法は、原則として故意の負傷の場合には保険給付を認めていませんが、精神疾患による正常な判断を下せない状態で行われた自殺未遂は、疾病の延長にあり例外とする解釈を、厚労省は過去にも示しています。

 ただ、「自殺未遂の場合は一切、保険は適用されない」と誤解している健保組合などもあることから、改めて周知することにしました。その自殺未遂が精神疾患によるものなのか、あくまで故意なのかの判断は、直接的には医師の診断に基づきます。

 この問題を巡っては、昨年7月、東京都内で自殺を図り意識不明となった長男(当時40歳)の治療費に保険が適用されず、負担を苦にした母親(67歳)が病院内で長男を刺殺する事件がありました。

 2010年5月11日(火)

 

■新型インフルの男性が札幌市内の病院で死亡

 札幌市は10日、新型インフルエンザに感染した40歳代男性が入院先の市内の病院で死亡したと発表しました。死因は新型インフルエンザ肺炎で、基礎疾患はありませんでした。

 市によると、男性は2月25日に発熱。検査の結果、3月10日に陽性と判明しました。点滴薬ラピアクタを投与されましたが改善せず、5月7日午後に死亡しました。

 厚生労働省によると、国内の死亡例は3月12日に長野県で20歳代男性が死亡して以来。この男性には神経系の基礎疾患があり、ワクチン接種は受けていませんでした。なお、札幌市では3月3日にも20歳代男性が死亡しています。

 2010年5月10日(月)

 

■大量の在庫ワクチンの買い取りを求める動きが拡大

 新型インフルエンザの流行が沈静化する中、ワクチンが大量に余り、国に買い戻しを求める動きが広がっています。16都府県の医師会などが要望書を出しましたが、厚生労働省は「次の流行がくる可能性がある」などとして受け入れていません。

 要望書は、まず千葉県が1月20日付で「ワクチン接種事業の実施主体は国だった」として提出。大阪府医師会は3月11日、橋下徹・府知事らと連名の要望書を民主党副幹事長や厚労省に出し、「今後、医療機関が損失リスクを恐れ、ワクチン事業に重大な支障が出る」と買い取りを求めました。その後も、東京、石川、山口の各都県の医師会や鳥取、愛知、群馬各県などが、4月下旬までに要望しています。

 対して、厚労省の担当者は「ワクチンは保冷品で、仮に引き上げても品質管理が難しい。流行の第2波がきたら大変だし、買い戻す財源もない」としています。

 国内で新型インフルエンザの感染者が初めて確認されて1年たった9日、大阪市の拠点病院、市立総合医療センターには、成人換算でワクチン3500回分が保管庫に眠っています。昨年11月から12月に、市民向けに計6600回分(約1000万円相当)を購入。

 11月中旬の予約開始日こそ700人が殺到しましたが、大阪府の流行は昨年10月末をピークに下り坂となり、需要は購入量の半分もありませんでした。ワクチンの有効期間は長いものでも1年のため、担当者は「在庫が大きく減らないまま期限が切れるかもしれない」と話しています。

 新型インフルエンザのワクチンは、買い占めなどを防ぐため、国が製薬会社から買い上げ、都道府県が需給調整をして医療機関が購入する仕組みでした。昨年7月から製造された国産品は10月に供給され始めましたが、ピーク時には足りず、11月下旬ごろから大量に供給されました。

 厚労省によると、国産品だけで2月12日現在、全国の医療機関に197万回分、約29億円相当の在庫があり、2月に出荷が始まった輸入ワクチンも5300万回分を在庫として抱えています。

 2010年5月9日(日)

 

■アルツハイマー型認知症の治療薬、相次ぎ国内販売へ

 製薬各社が2011年にも相次いで、アルツハイマー型認知症の治療薬を国内で発売します。高齢化の進行に伴って同認知症患者の増加が予想され、治療薬の需要増が見込まれるためです。

 国内では現在、エーザイの「アリセプト」しか販売されておらず、各社はアリセプトとは異なるタイプや張り薬型を発売してシェア獲得を目指します。

 第一三共は、アリセプトと作用の仕組みが違う「メマンチン」の販売承認を、厚生労働省に対し薬事法に基づき申請中。米ジョンソン・エンド・ジョンソングループのヤンセンファーマ(東京都)は、「ガランタミン」を発売し、武田薬品工業と共同で販売します。

 メマンチンは、脳の神経細胞が壊れるのを防ぐ作用があります。ガランタミンは、アリセプトと同じように脳内の神経に情報を流すのに必要な物質アセチルコリンの分解を抑え、さらにアセチルコリンの産生も促します。2剤とも同認知症の世界的な標準治療薬で、アリセプトのように認知症の進行を緩やかにする効果が期待されています。

 張り薬型の「リバスチグミン」を発売するのは、ノバルティスファーマ(東京都)と小野薬品工業。背中などに張って使う経皮吸収型製剤であり、ノバルティスファーマでは「認知症患者は薬を飲んだのを忘れてしまうことがあるが、張るタイプなら使用を確認できる」としています。

 国内のアルツハイマー型認知症患者は100万人以上ともいわれ、現在の治療薬の市場は薬価ベースで約1000億円という試算もあります。

 2010年5月8日(土)

 

■自宅療養する末期がん患者への介護提供を迅速に

 厚生労働省は7日までに、退院して自宅療養する末期がん患者らが介護保険の利用を申請した場合は迅速に介護サービスを提供するよう、市町村などに文書で求めました。通常は要介護認定など手続きに1カ月程度かかるため、病状の急変で訪問看護などの提供が間に合わない例があるとの批判を受けた対応。

 厚労省によると、介護保険を運営する市町村の判断で、最終結論が出る前にケアマネジャーによる「暫定ケアプラン」を作成し、介護サービスを提供することが可能。一部の自治体では申請当日に認定調査を行って、速やかにサービスを提供しており、厚労省は同様の対応を全国的に求めたいとしています。

 介護保険を利用できるのは原則65歳以上ですが、末期がんや認知症などの場合は40~64歳でも利用できます。

 厚労省は、「末期がん患者は病状が変化しやすい。患者側から、必要に応じて要介護度の変更を市町村に求めてほしい」としています。

 2010年5月7日(金)

 

■宮崎県の口蹄疫への感染疑いの農場、施設が23カ所に

 宮崎県は5日、新たに同県えびの市の農場1カ所と川南町の農場3カ所で、家畜の伝染病である口蹄疫(こうていえき)に感染した疑いがある計13匹の豚が見付かったと発表しました。感染確定例、感染疑い例が見付かった農場や施設は、計23所となりました。

 県によると、4日に4カ所の農場からそれぞれ、口蹄疫の症状を示す豚がいると宮崎家畜保健衛生所(宮崎市)に連絡があり、立ち入り検査で鼻の水泡などの症状が確認されました。5日午後、動物衛生研究所海外病研究施設(東京都小平市)による遺伝子検査で、13匹が陽性となりました。

 4カ所で飼育する豚計6213匹は、殺処分されます。これで殺処分対象の牛、水牛、豚は、計3万3985頭となりました。

 県は5日、4回目の対策本部会議を開き、東国原英夫知事は「想像を絶するような規模になってきた。非常事態を宣言してもいいのではないか」と発言。これまで県職員中心で行っていた殺処分時の家畜の追い込みなど補助作業についても、「発生から約2週間経過し、体力的にも精神的にも限界だ」として、県内の団体や市町村などを通じて補助員を募集することを決めました。

 また、九州各県では、宮崎県で発生した口蹄疫の感染拡大の防止に使う消毒薬が不足しています。大分県は消毒薬1トンを購入しようとしましたが、宮崎、鹿児島、熊本も必要としているため品切れとなり、250キロしか確保できていません。

 口蹄疫のウイルスは酸やアルカリに弱く、消毒には塩素系の消毒薬や炭酸ソーダ、消石灰などが用いられており、専門家は「発生に備えてふだんから十分な消毒薬の備蓄をする必要がある」と指摘しています。

 口蹄疫は人には感染せず、感染した牛や豚などの肉を食べても人体に影響はありません。宮崎県では、感染した肉が市場に出回ることもないとしています。

 2010年5月6日(木)

 

夜間の排尿回数が多い高齢者ほど高い死亡率

 夜、排尿のために起きる回数が多い高齢者ほど死亡率が高いという調査結果を、東北大の研究チームがまとめました。2回以上の人の死亡率は1回以下の人の約2倍で、回数が増えると死亡率も高くなります。

 東北大の中川晴夫講師(泌尿器科)らが2003年から5年間、仙台市内のある地域に住む70歳以上の高齢者784人を追跡調査しました。まず、1カ月間の平均的な夜間の排尿回数を聞いたところ、1回以下の人は425人で、そのうち18人が調査期間中に死亡しました。2回以上の人は359人で、そのうち35人が亡くなりました。

 年齢や持病などの影響を考慮して分析したところ、2回以上の人の死亡率は1回以下の人の1.93倍でした。回数別では2回の人は1.59倍、3回2.34倍、4回以上3.60倍となりました。

 中川講師によると、夜間の排尿回数が増える原因としては心不全や糖尿病、高血圧などが考えられ、そうした持病が死亡につながった可能性があります。夜間の排尿が2回以上の人の中には、死亡の直前に骨折で入院した人が数人いたことから、トイレに起きた際の骨折が原因で寝たきりになり、全身状態が悪化して死亡に至ったケースもあったとみています。

 夜間頻尿と死亡率増加との関連については、1999年のスウェーデンでの疫学調査では1.34倍になるという結果が報告されています。夜間頻尿と骨折との関連についても、2006年のスウェーデンの調査で1.8倍のリスクになると報告されています。

 中川講師は、「夜間の排尿回数が多い人は掛り付け医に相談してほしい」と話しています。

 2010年5月5日(水)

 

玄米で脱メタボ実証 琉球大学の医師らが共同研究

 玄米を長期間食べると、減量効果が得られ、血管機能が改善したとする研究結果を、沖縄県の琉球大学医学部第二内科と豊見城中央病院糖尿病・生活習慣病センターの共同研究班が3日までにまとめました。

 同県内の被験者を対象にした試験では、2カ月間玄米を食べたグループで体重、胴囲がともに減少し、血糖値とインスリン上昇を抑える効果があったといい、健康によいといわれてきた玄米食の効果が改めて、医学的なデータとして裏付けられました。

 玄米は、摂取後の血糖値上昇が緩やかな低グリセミック指数(GI)食材の一つ。琉球大学の島袋充生医師らはその点に注目し、2007年から「玄米食の内臓肥満および糖脂質代謝に及ぼす影響:BRAVO(Brown Rice And Visceral fat obesity in Okinawa)試験」の名称で、「男女とも肥満日本一」といわれる県内のメタボリック症候群を持つ30~50歳代の男性30人を対象に、主食を玄米に代え、食後の血糖値や体重、血圧の変化などを測定してきました。

 その結果、開始から2カ月後の平均値で体重が2・7キロ(約3パーセント)減少したほか、胴囲は1・5センチ(約2パーセント)減、血圧が6mmHg下がり、悪玉コレステロールの減少も認められました。玄米食を2カ月間摂取したグループを白米食に戻したところ、2カ月後には体重、胴囲、血圧、コレステロールいずれも、玄米食を始める前とほぼ同じ数値まで増加しました。

 また、玄米を食べて4時間後の血液を調べたところ、血糖値、インスリンの上昇が緩やかで、糖吸収抑制薬に似た効果が得られたといいます。島袋医師は「食後に血糖が上がる際、体内では喫煙したのと同様な血管機能障害が起きている。糖の吸収を遅くすることで、血管の負担を軽減し、心臓血管病の予防につながるかもしれない」とし、玄米食が血管機能の改善につながると説明。

 その上で、試験結果に対し「血糖上昇が緩やかだと、空腹感を感じにくく、食べる量が減って減量効果につながったのではないか。玄米は、メタボや肥満改善に有効な食材といえる」としています。

 2010年5月4日(火)

 

乳幼児の手足口病が急増 過去11年間で最多

 主に乳幼児の口の粘膜や手、足に水疱性の発疹ができる「手足口病」の患者が急増し、この時期としては過去11年間で最多になっていることが、国立感染症研究所の集計で2日わかりました。

 原因となるウイルスには、「エンテロウイルス」「コクサッキーウイルス」などさまざまなタイプがありますが、報告されているものでは、髄膜炎などの中枢神経系の合併症を引き起こす恐れがある「エンテロEV71」が半分以上を占めています。同研究所は、「通常とは違う頭痛や高熱などが起きた場合は、すぐに医療機関を受診してほしい」と呼び掛けています。

 同研究所によると、全国約3000の小児科定点医療機関から報告された患者数は、4月18日までの1週間の平均が0・55人と3週連続で増加。昨年同時期の7倍で、ほとんどは5歳以下の乳幼児。通常は流行するのは夏で、この時期としては非常に患者数が多いといいます。これまでに重症患者の報告はありません。

 手足口病では、ウイルスに感染して3~5日の潜伏期間の後に口の中の粘膜や手のひら、足の裏、ひざ、おしりなどに2~3ミリの水疱性発疹ができます。ほとんどは軽症で数日で治癒するものの、エンテロEV71に感染した場合は重症化する場合があります。

 過去には日本でも死者が出たほか、最近では中国などでエンテロEV71による死者が出ています。

 2010年5月3日(月)

 

■109医薬品の早期承認申請を、厚労省が企業に要請

 欧米で認められている医薬品や医薬品の適応疾患が、日本で承認されるまで時間がかかる「ドラッグラグ」の問題を受け、厚生労働省の検討会議は27日、製薬企業に対し開発を進め早急に承認申請するよう要請する109品目を決めました。

 患者数が多くない病気の治療薬などは、予想される販売量や臨床試験に参加できる日本人患者が少ないために、開発が遅れがちでした。厚労省は昨年、学会や患者会から早期承認が必要な医薬品374品目の要望を受け、専門家の会議で病気の重さや海外での使用状況から必要性を検討してきました。

 今回の109品目は第1弾で、未承認薬が50品目、国内で承認されているものの別の病気への適用が認められていない適応外薬が59品目。エイズ患者らが発症し致死率の高いニューモシスチス肺炎の治療薬や、膵臓がんの抗がん剤、髄膜炎菌ワクチンなどが含まれています。検討が済んでいない医薬品が129品目あり、今後も追加要請をします。

 なお、アルツハイマー病の攻撃的な行動を抑える「リスパダール」など30品目は、安全上の問題などから必要性が認められませんでした。海外での承認や保険適応がない医薬品103品目は検討対象から外します。

 医薬品を製造販売するには薬事法などで定められた臨床試験(治験)をし、データを提出して厚労相の承認を得る必要がありますが、日本国内で承認されるまでの期間はアメリカよりも2年半程度遅いとされます。

 厚労省の計画では、海外などで使用実績があり臨床試験の必要がないものは、製薬企業に半年以内を目標に申請資料を作ってもらうなど、承認に向けた手続きを促進。承認されれば順次、保険適用となります。

 非小細胞肺がん、膵臓がんなどに承認されているものの卵巣がんへの適用が認められていない「ジェムザール」の早期承認を訴えてきた卵巣がん体験者の会「スマイリー」代表の片木美穂さん(36)は、「一歩前進だ。(承認薬の少なさは)患者にとって命の選択肢が削られるということ。海外で認められている薬は日本でも使えるようにしていくべきだ」と話しました。

 2010年5月1日(土)

 

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