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健康ダイジェスト

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■H7N9型の鳥インフルエンザで2人死亡 中国の上海市 

 中国政府は、これまで人への感染が確認されていなかった「H7N9型」の鳥インフルエンザの感染によって、上海市で2人の男性が肺炎などの症状を訴え死亡したと発表しました。

 中国国家衛生計画出産委員会が31日、発表したところによりますと、死亡したのは上海市の87歳と27歳の男性。87歳の男性は2月19日に発熱や肺炎などの症状を訴えて、3月4日に死亡、27歳の男性は2月27日に発病し、3月10日に死亡しました。

 その後、詳しい検査の結果、この2人はH7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染していたことが30日に確認されたということです。

 また、3月15日に発病した中国東部安徽省の35歳の女性からも、このH7N9型のウイルスへの感染が確認され、女性は肺炎などの症状が重く、現在も江蘇省南京市の病院で治療を受けているということです。3人の間に接触があったかどうかは不明。

 鳥インフルエンザはこれまで、「H5N1型」などの感染例は多数報告されていますが、同委員会はH7N9型の人への感染は世界でも報告されたことがないとしています。

 今のところ3人の周辺には新たな感染者はなく、人から人への感染も確認されていませんが、同委員会は3人の感染ルートやウイルスの毒性、それに人への感染力などについて分析を進めるとともに、医療機関などに対して予防対策の強化を呼び掛けています。

 鳥インフルエンザに詳しい東京大学医科学研究所の河岡義裕教授は、「H7型のインフルエンザウイルスは過去に病原性が高いものも低いものもあり、ウイルスを詳しく分析することでどちらのタイプか判断できる可能性が高い。今後の人への影響を考えるには、ウイルスの分析に加え、このウイルスが中国でどの程度広がっているのか、また、人へどのように感染したのか、といったことを調べる必要がある」と話しています。

 2013年3月31日(日)

 

■新出生前診断、4月1日からスタート 昭和大、阪大など15施設認定

 妊婦の血液からダウン症など3種類の胎児の染色体異常を高い精度で調べる新しい出生前診断を巡り、日本医学会や日本産科婦人科学会(日産婦)などが大阪大学医学部付属病院(大阪府)や昭和大病院(東京都)、国立成育医療センター(同)など15施設を実施施設として認定したことが29日、わかりました。

 昭和大病院では4月1日、阪大も4月上旬から臨床研究を始めるといいます。

 日産婦によると、26日の会議で15施設の認定を決定し、28日に通知書を発送しました。15施設の具体名は、日本医学会のホームページで4月1日に公表される見通し。これまでに診断の実施計画を明らかにしている17施設と大部分が重なるとみられます。

 昭和大病院の産婦人科は4月1日以降、検査の内容や精度についての説明や、実際に受診するかどうかの相談を行う遺伝カウンセリングの申し込みを受け付けます。阪大も4月上旬から、申し込み受け付ける予定です。

 日産婦は今月9日、診断対象を高齢妊娠や染色体異常の子供の妊娠歴がある妊婦などに限るとした実施指針を公表していました。

 こうした中、東京都港区の会社が、独自にこの出生前診断の妊婦へのあっせんを計画していることがわかりました。4月中旬、都内の診療所で希望する妊婦から血液を採取し、提携するグアムの医療機関がアメリカの検査会社に分析を依頼するとしていて、日産婦の指針に定められた妊婦へのカウンセリングは予定していないということです。

 これとは別に、出生前診断を格安であっせんするとする勧誘のはがきが一部の産婦人科の診療所に送られていたことがわかり、日産婦は、会員の医師に指針を守るよう呼び掛ける通知を出しました。

 こうした動きについて、生命倫理に詳しい東京財団の橳(ぬで)島次郎研究員は、「出生前診断を医療行為として枠付けなければ商業的な広がりは歯止めが効かなくなる。国や自治体は関与を強めるべきだ」と指摘しています。

 2013年3月30日(土)

 

■看護師の診療行為、点滴や床擦れ切除など一部可能に 厚労省検討会

 医師の具体的な指示がなくても、国が定める研修を受けた看護師が診療の一部ができるようになります。厚生労働省の検討会が29日、「特定看護師」の報告書をまとめ、脱水患者への点滴や、床擦れの切除、胃ろうの管の交換などが想定されています。

 医師がいなくても看護師が素早く対応して、早期の治療や重症化予防につながると期待されます。

 「特定看護師」は2010年からモデル事業で行われてきましたが、厚労省は制度化を目指します。

 看護師の仕事は法律で、診療の補助や療養上の世話と決まっています。ただし明確な定義はなく、「診療の補助」の内容は施設ごとに違っていました。厚労省は3年前から、看護師が高度な医療を安全に行えないか議論を進めてきました。看護師の役割を拡大することで、医師不足を背景にした医療水準の低下を避けるというねらいもありました。

 厚労省の検討会の報告書によると、国が定める研修を終えた看護師は、医師から大まかな支持を受けていれば自分の判断で、特定の医療行為ができるようになります。脱水患者への点滴、床擦れで壊死した部分の切除、血圧を下げる薬の量の調整、胃ろうや腸ろうの管の交換、体外式ペースメーカーの操作など29項目が候補に挙がっています。

 特定看護師の国家資格化も検討されましたが、日本医師会などは「一般の看護師ができなくなると現場が混乱する」と反対し、研修を受けた看護師が一部の医療行為をできる、現在の案になりました。

 厚労省は報告書を受けて、今後、保健師助産師看護師法などの改正の手続きを進めます。医療行為の項目については、薬剤師ら他の仕事との整理や安全性の確保策などを検討した上で、具体的に詰めます。

 厚労省がモデル事業を始めて以来、大学院などで教育を受けた「特定看護師」が今春までに約150人誕生しました。全国約50カ所の病院や施設で働き、医師に薬の量や種類の変更を提案し、検査の必要性を判断するなどしてきました。

 検討会座長の永井良三自治医科大学長は、「法制化に向けた枠組みができた意義は大きい。時代に合った医療の実現につながる」と話しています。

 2013年3月29日(金)

 

■がんリスク、遺伝子配列で予測 乳房・卵巣・前立腺がんの検診導入に道

 イギリスのケンブリッジ大学や名古屋市にある愛知県がんセンターなどの国際共同研究チームは、ヒトの設計図に当たる全遺伝情報(ゲノム)から、乳房がん、卵巣がん、前立腺がんになるリスクを予測できる遺伝子配列のわずかな違いを特定しました。健康な人ががんになるリスクを事前に診断する上で、新たな指標になると期待されています。

 27日付米科学誌ネイチャージェネティクス(電子版)などに発表された論文によると、欧州を中心とする34カ国のの100以上の研究機関による共同研究チームは、がん患者と健康な人10万人ずつのゲノムを調べ、乳がんでは41カ所、卵巣がんでは8カ所、前立腺がんでは26カ所、がんになるリスクを高める配列の違いが起きる場所があることを確かめました。

 がんのリスクを高める配列の違いはこれまでにも見付かっていますが、今回の研究でその数は2倍に増えたということです。また、これまでに見付かっている配列の違いはがんが多い特定の家系に特有のものなどが多くなっていましたが、今回見付かった配列の違いは生まれ付きのわりあいに有り触れたもので、1カ所だけ見ると高まるリスクは数パーセント程度。しかし、複数が組み合わさると、リスクは最高で4・7倍まで増加していました。

 欧米人の結果をまとめた研究ながら、アジア人でも乳がんの場合、そのうちの半分ほどは同様の配列の違いが確認されているといいます。

 これらの遺伝子配列の違いは血液検査で調べられ、費用は大幅に下がっています。将来、健康診断の一部に導入すれば、がんリスクの高い人を見付けて、がん検診の受診や生活習慣の改善を勧めたりできます。

 日本から研究に参加した愛知県がんセンターの松尾恵太郎・分子疫学部長は、「さらに研究を進めて、配列の違いが起きる場所をより多く見付けていけば、自分の遺伝情報が持つリスクを知って予防に生かすことができるようになる」と話しています。

 2013年3月28日(木)

 

■2040年、全都道府県で人口減少へ 国の研究所が推計

 27年後の2040年にはすべての都道府県で2010年より人口が減少するとともに、65歳以上の高齢者の割合も30パーセントを超え、全国で人口減少と少子高齢化が進むとした推計を国の研究所がまとめ、公表しました。

 国立社会保障・人口問題研究所は国勢調査に合わせて、5年ごとに全国の自治体別の人口推計を行っており、6回目に当たる今回は3年前の国勢調査を基に死亡率や人口移動などのデータを参考に、東日本大震災の影響も考慮して、2040年までの人口を推計しました。

 それによりますと、全国平均で2010年に比べ、人口が16・2パーセント減少します。都道府県別では、最も人口が減る割合が高いのは秋田県で35・6パーセント、次いで青森県が32・1パーセント、高知県が29・8パーセントとなっています。東日本大震災の影響で、福島県は26・8パーセント、岩手県は29・5パーセント、宮城県は16パーセントと被災地の減少幅も大きくなっています。一方、落ち込みが小さいのは沖縄県の1・7パーセント減、東京都の6・5パーセント減、滋賀県の7・2パーセント減となっています。

 市区町村別では、全体の95パーセントに当たる1603の自治体が2010年の人口を下回り、2割以上人口が減少する自治体が70パーセントに上るとしています。

 また、2040年の65歳以上の高齢者の割合は、2010年には20パーセント前後だった大都市圏や沖縄県で大幅に増加し、すべての都道府県で30パーセントを超えると推計しています。

 都道府県別では、最も高齢者の割合が高いのは秋田県で43・8パーセント、次いで青森県が41・5パーセント、高知県が40・9パーセントとなっています。ただ、高齢者人口そのものは、秋田県のようにむしろ減る県もあります。

 市区町村別では、65歳以上の人口の割合が40パーセント以上を占める自治体の割合は、2010年の5パーセントから2040年には50パーセントに増えるとともに、14歳以下の人口が10パーセント未満の自治体の割合は、2010年の11パーセントから2040年には58パーセントに増えるとしています。

 国立社会保障・人口問題研究所の鈴木透部長は、「昭和40年代の高度経済成長期に地方から大都市圏に移り住んだ人たちがそのまま子供を産んで定着したため、地方では人口が減少し大都市圏では高齢化が進んでいる。高齢化の速度が早い自治体では、人口が増えることを前提にした政策は難しくなるので、財政や行政サービスをどう維持するかが考える目安にしてほしい」と話しています。

 2013年3月27日(水)

 

■風疹流行全国に、患者2000人超 大流行となる恐れも

 国立感染症研究所は26日、今年の全国の風疹患者数が21日までに累計2000人を超えたと発表しました。全数報告の対象になった2008年以降で最多だった昨年1年間の2353人を3月中に上回る勢いで、流行が拡大しています。

 発熱や発疹、リンパ節がはれるなどの症状が出る風疹は患者のせきやくしゃみを通じて広がり、妊娠初期の女性が感染すると、新生児に心臓疾患や難聴といった「先天性風疹症候群(CRS)」が起こる可能性があります。

 国立感染症研究所によると、21日現在で患者は2021人で、昨年の同じ時期の22倍に達しました。首都圏や大阪府、兵庫県で目立って多く、東海地方や九州地方などほかの地域にも広がり始めました。

 風疹の流行期は初夏にピークを迎えるため、転勤や転校などで人の移動が増える春以降、さらに地方に広がる心配があり、推計で約3万9000人の患者が出た2004年以来の大流行となる恐れがあります。

 今年、診断を受けた患者の90パーセント近くは、ワクチンの予防接種を受けていない人が多い20歳代以上の年齢層で占められています。

 また、風疹にかかった人は、症状がなくても感染を広げることがあり、専門家は、流行の拡大を抑えるにはワクチンの予防接種を受ける大人を増やす必要があるとしています。

 国立感染症研究所の多屋馨子室長は、「流行はしばらく続くとみられる。大人はもちろん、今月末まで無料で予防接種を受けられる中学1年生と高校3年生も、ぜひ接種を受けてほしい」と話しています。

 風疹ワクチンは通常、1歳と就学前1年間の2回は無料で受けられます。3月末までは、中学1年生と高校3年生も無料になっています。ほかの年齢の未成年や成人は、全額自己負担が必要。風疹とはしかの混合ワクチンでは約1万円、風疹単独のワクチンは5000円程度かかります。

 2013年3月26日(火)

 

■厚労省、警告指示へ 18歳未満に対する「新世代」抗うつ薬投与

 1999年以降に国内で承認された「新世代」と呼ばれる抗うつ薬は、18歳未満に投与した際の効果に疑問があるとして、厚生労働省が「投与は慎重に検討すること」との内容を添付文書の「警告」欄に記載するよう、製薬会社に近く指示する方針を固めたことがわかりました。

 海外の試験で、18歳未満のうつ病患者に薬の有効性を確認できなかったのが主な理由。抗うつ薬には成長期の子供を中心に、精神状態が不安定になり自殺の衝動が引き起こされる場合があるなど、副作用の問題が指摘されており、安易な処方を防ぐ狙いがあります。

 一方で、現場の医師の間には、「薬の効き目には個人差がある」として投与の必要性を訴える意見もあります。患者が急に服用をやめると、症状が悪化する危険もあり、関係学会は、不安がある場合は医師に相談することなどを呼び掛けます。

 対象は、「新世代」と呼ばれる抗うつ薬7種類のうち、エスシタロプラムシュウ酸塩、塩酸セルトラリン、デュロキセチン塩酸塩、ミルタザピン、フルボキサミンマレイン酸塩、ミルナシプラン塩酸塩(いずれも一般名)の6種類。残るパロキセチン塩酸塩水和物は2006年以降、同様の記載がされています。

 これらの薬は製造販売の承認前に、大人を対象にした試験で有効性や安全性を確認している一方で、低年齢層に絞った試験はしておらず、投与すべきかどうかは医師の判断に委ねられています。

 2013年3月25日(月)

 

■腰痛持ちの人、推定2800万人 8割以上は原因不明の腰痛に悩む

 腰痛の人は全国に推定で2800万人おり、40~60歳代の約4割が悩んでいることが、厚生労働省研究班の調査でわかりました。

 吉村典子・東大病院特任准教授らの厚労省研究班は、東京都や新潟県、広島県など全国8カ所の住民約1万2000人分の腰痛に関するデータを分析。医師による問診などで、「腰に痛みがある」「1カ月以内に1日以上痛みがあった」人の割合は、60歳代が4割強でピークでした。40歳代、50歳代も4割前後で、70歳代以上は下がる傾向がありました。男女比は4対6でした。

 また、関係する日本整形外科学会と日本腰痛学会は、国内外の約200の論文を分析し、痛み止め、温熱、マッサージ、腰の牽引など一般的な腰痛の治療法ごとの信頼度を診療指針にまとめました。腰痛の診療指針は、個々の医師の経験や勘により行われてきた診療を、科学的な根拠に基づいて統一的に行うのが目的。

 腰痛は、背骨のがんや、腰椎骨折、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など重篤な脊椎疾患でも起こります。こうした病気が疑われれば、すぐに画像検査をして、もとの病気を治す必要があるといいます。

 一方、こうした病気がなく、画像検査などでも原因が特定できない腰痛は全体の8割以上を占めるといいます。診療指針では、重篤な脊椎疾患の兆候がない限り、すべての患者に画像検査をする必要はないとしています。腰痛があればまずエックス線で骨や神経の異常がないか調べる現在の診療の在り方が変わりそうです。

 診療指針では、こうした原因不明の腰痛には、抗炎症薬や鎮痛薬などの「薬物療法」が強く勧めています。3カ月以上痛みが続く慢性腰痛では、ストレッチやウオーキングなどの運動も勧めています。

 また、ストレスなど心理的な影響も腰痛の引き金になると認定しました。うつ状態や仕事上の不満、人間関係に悩みがあると、腰痛になったり、治りにくくなったりするとの論文には十分な根拠があったといいます。このため、慢性腰痛では抗不安薬、抗うつ薬も有効な治療薬に挙げられました。鎮痛薬などが効かず心理的な影響が疑われれば、整形外科医らが処方します。

 一方で、ヘルニアや骨折など明らかな原因がない場合、安静は必ずしもよくないといいます。日常生活を続けるほうが、痛みが軽くなり、仕事を休む期間が短くなるといいます。1カ月以上続く痛みにはマッサージや腰の牽引の効果は、はっきりした根拠がありませんでした。いずれも、診療指針作りの参考にした複数の論文で結論が異なっていました。

 診療指針をまとめた白土修・福島県立医科大教授は、「多くが悩む腰痛の治療について、統一的な見解が必要だった。正しい理解を広めてほしい」と話しています。

 2013年3月24日(日)

 

■ペースメーカー利用者、電気自動車の充電器に注意 誤作動で動悸やめまいが起きる恐れ

 電気自動車の充電器が出す電磁波が心臓ペースメーカーの作動を乱す恐れがあるとして、厚生労働省は、患者が充電器に近付かないことなどを医師向け説明書に記入するようペースメーカーの製造販売業者に指示しました。

 種類によっては、53センチまで近付くと、動悸やめまいが起きる恐れがあるといいます。

 電気自動車の充電器は、自宅で使う普通充電器と、高速道路のサービスエリアなどに設置され短時間で充電できる急速充電器があります。業界団体の調べでは、普通充電器では12・5センチまで、急速充電器では53センチまで近付くと、電磁波の影響が出ることが確認されました。

 厚労省は、患者は急速充電器は使用せず、設置場所にもできる限り近付かないこと、普通充電器は密着して使わないことを説明書に記入するよう指示。利用者に注意喚起するよう求めました。

 心臓ペースメーカーの体内埋め込み数は、新規・交換併せて年間約6万件。急速充電器は2013年2月現在、全国1672カ所に設置されています。

 心臓ペースメーカーは、心臓から出る電気を感知し、装置側で電気を送るか、停止するかを決めるよう作られています。非常にデリケートな機械なので、体の外部から電気が流れた場合、心臓から電気が流れたと勘違いして作動を停止してしまうことがあります。そのため、心臓ペースメーカーを埋め込んだ患者は、体の外部にある電気が、装置に入ってこないように注意しなくてはなりません。電流が流れている場所や、強い電波、磁波が発生しやすい環境には近付かないほうがいいのです。

 日産自動車の電気自動車(EV)総合情報サイトでは、「心臓ペースメーカを使用している方は、急速充電器背面の一次電源ケーブルから電磁波が発生しているため、充電中は充電器背面に近付かないようお願いい たします。急速充電器前面から発する電磁波により、80センチ以内では影響が出る可能性がありますので、機器本体から確実に80センチ以上離れて充電するようお願いします。万が一、動悸やめまいなどの異常が生じた場合は、充電器から速やかに離れてください。埋め込み型心臓ペースメーカを使用している方は、なるべく他の方に充電を依頼していただくことをお勧めします」として、注意を呼び掛けています。

 2013年3月22日(金)

 

■新型の多剤耐性菌、国内で初確認 帰国患者から、発病なし

 ヨーロッパを中心に感染が広がっている、ほとんどの抗菌薬が効かない新しいタイプの多剤耐性菌が、東南アジアで治療を受けて帰国した男性から検出されていたことがわかりました。

 国内でこの耐性菌が見付かったのは初めてで、専門家は医療機関に監視を強化するよう呼び掛けています。

 国立感染症研究所などによりますと、新しいタイプの多剤耐性菌が検出されたのは、去年11月に東南アジアで脳梗塞の治療を受けて帰国した60歳代の男性。

 入院先の千葉県の病院で、たんや便からさまざまな抗菌薬に耐性を示す肺炎桿菌(かんきん)や大腸菌が見付かったため調べたところ、抗菌薬を強力に分解する「OXA48型」と呼ばれる酵素の遺伝子を持つ耐性菌だったということです。男性に感染症の症状が出ることはなく、しばらくして細菌も検出されなくなったとしています。

 ほとんどの抗菌薬が効かないOXA48型は、2001年ごろトルコで発見後、数年前からヨーロッパ全域で大規模な院内感染の原因となっていて、一昨年8月までに、オランダで感染した98人のうち27人が死亡したとされています。また、アメリカでも最近、初めての2人の感染が報告され、そのうちの1人は肝機能不全と敗血症性ショックで死亡しています。

 国内で見付かったのは今回が初めてで、耐性菌に詳しい名古屋大学の荒川宜親教授は、「健康な人にほぼ害はないが、抵抗力が落ちた人に感染すると重い合併症や死亡につながる率が高いと報告されている。国内で広がると医療現場のリスクが極めて高くなるので、監視を強化する必要がある」と話しています。

 2013年3月21日(木)

 

■糖質制限食、糖尿病患者には勧められず 糖尿病学会、初の見解

 糖尿病の治療として一部で行われている炭水化物を極端に制限する「糖質制限食」について、日本糖尿病学会は「長期的に行った場合の安全が確認されておらず、現時点では勧められない」とする初めての見解を示しました。

 日本糖尿病学会の見解は19日午前、厚生労働省の食事摂取基準に関する検討会で説明されました。

 2型糖尿病は食べ過ぎや運動不足といった生活習慣などがもとで血糖値が高い状態が続く病気で、重症化すると目の血管が傷付いて失明したり、動脈硬化につながったりします。患者と、その疑いがある人は合わせて、およそ2200万人に上ると推計されています。

 治療は主に食事の見直しや運動ですが、一部の医療機関などで、減量のため、ご飯やパンなどの炭水化物のみを極端に制限する糖質制限食が行われていて、これに対して「脂肪やタンパク質の取り過ぎにつながる」という声が上がり、専門家の間で議論になっていました。国立国際医療研究センター病院などは1月、糖質制限食を5年以上続けると死亡率が高まる可能性があるとする論文を発表しています。

 糖質制限食の有効性については賛否が分かれる中、日本糖尿病学会は海外の論文などを分析した上で、学会として初めて見解を示しました。

 見解によりますと、短期的に体重が減っても長期的にはコレステロールの値が悪くなったという報告や、心臓病のリスクが高まることを示す研究があるとして、全体のエネルギー摂取量を制限しないで、糖質のみ制限することについて、「長期的に行った場合の安全性などを担保するエビデンス(科学的な根拠)が不足しており、現時点では勧められない」としています。

 その上で、1日に取るカロリーのうち、炭水化物で全体の50〜60パーセント(1日150グラム以上)を取るのが妥当としました。運動量が多い場合などは、炭水化物の量を増やすことも検討できるといいます。

 見解をまとめた日本糖尿病学会の宇都宮一典理事は、「自己流で炭水化物を制限している人もいるが、これまで国内での研究はほとんどなく、長期的な検証が必要だ」と話しています。

 2013年3月20日(水)

 

■脳卒中のリスクがわかる計算式を開発 血圧、喫煙などを点数化

 血圧や喫煙の習慣、それに肥満度など、7つの項目ごとに割り振られた点数を合計するだけで脳卒中のリスクがわかる計算式を、国立がん研究センターと藤田保健衛生大などのグループが開発しました。

 国立がん研究センターなどのグループは1993年から2007年まで、全国の40~69歳の約1万6000人を追跡調査し、約14年間で790人が脳卒中になりました。生活習慣を尋ねるアンケートの回答や、健康診断の結果を照らし合わせ、どんな人が脳卒中を発症しやすいかを分析しました。

 その結果に基づき、脳卒中の発症に影響する喫煙の有無、肥満度を示す体格指数(BMI)、血圧、高血圧治療の降圧薬服用の有無、糖尿病の有無、年齢、性別の7つ項目を特定しました。そして、7つの項目を点数化し、40歳代から60歳代の人が自分の点数を合計すると、10年間に脳卒中を発症する確率や、血管の健康度を示す「血管年齢」を判定できる計算式を開発しました。

 10年間で脳卒中を発症する確率は、リスクの大きさに合わせて、1パーセント未満から20パーセント以上までの14段階で示されます。

 例えば、50歳(6点)の男性(6点)で喫煙しており(4点)、肥満度を示す体格指数(BMI)が26(2点)で糖尿病はない(0点)が、血圧を下げる降圧薬を服用していない状態で収縮期の血圧が135mmHg、拡張期の血圧が85mmHg(6点)の場合、合計点は24点。血管年齢は64歳で実年齢より14歳高く、脳卒中のリスクは3パーセント以上4パーセン値未満となります。

 リスクを高める要因としては、年齢、高血圧、喫煙の順に大きく、肥満はそれらの次でした。男性の場合は、年齢、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満の順となります。女性の場合は、年齢、高血圧、喫煙、糖尿病、肥満の順となります。 

 研究班では、自分のリスクを具体的に知り、脳卒中の予防に生かしてもらいたいとしています。

 計算式の開発に当たった藤田保健衛生大学の八谷寛教授(公衆衛生学)は、「血圧や喫煙、肥満度、それに糖尿病の4つを改善すると、どれくらい脳卒中のリスクが小さくなるかもわかる。生活習慣を変える切っ掛けにしてほしい」と話しています。

 計算式は、国立がん研究センター、多目的コホート研究のサイトホームページ(http://epi.ncc.go.jp/jphc)に掲載されています。

 2013年3月19日(火)

 

■アルツハイマー病の遺伝子治療、マウス実験で成功

 老年期認知症の6割以上を占めるアルツハイマー病は脳に異常なタンパク質が蓄積して発症するとされていますが、このタンパク質を分解する酵素の遺伝子を特殊なウイルスを使って体内に入れ、症状を大幅に改善することに理化学研究所などのグループがマウスの実験で成功しました。

 新たな予防法や治療法につながる可能性があるとして、英科学誌に18日発表しました。

 アルツハイマー病は脳に異常なタンパク質である「ベータアミロイド」が蓄積し、神経細胞を壊して発症するとされ、病気が進むと、このベータアミロイドを分解する「ネプリライシン」という酵素が減少していくことがわかっています。

 理化学研究所と長崎大学のグループは、神経細胞に感染して遺伝子を組み込む性質がある特殊なウイルスを開発し、このウイルスを使ってネプリライシン酵素の遺伝子をアルツハイマー病を発症したマウスの血管に注射しました。

 そして5カ月後に調べたところ、記憶や学習能力が健康なマウスと同じ程度と、症状が大幅に改善していたほか、脳の中のベータアミロイドの量はネプリライシン酵素を入れていない場合に比べ35パーセント減少していたということです。空間学習や記憶能力をみる迷路試験を行い、健康な野生型マウスのレベルまで認知機能が回復したことを確認したとしています。

 研究グループでは、今後はサルでの実験や安全性の確認、早期治療の前提となる簡便な診断法の開発といった課題に取り組み、人間の患者に使える注射薬の開発につなげたいとしています。

 グループの代表を務める理化学研究所の西道(さいどう)隆臣博士は、「脳の中で働く仕組みや、副作用がないかなど詳しく検証し、5年程度で新たな治療法として患者に届けたい」と話しています。

 アルツハイマー病は徐々に進行する痴呆症状を特徴としますが、全体の9割以上を占める「孤発性アルツハイマー病」は、ベータアミロイドの代謝が滞った結果として発症するとみられており、加齢に伴い誰でも発症する危険性があるといわれています。

 西道博士は、「一定の年齢を迎えたら接種するようにすれば、発症防止にもつなげられる」と話しています。

 2013年3月18日(月)

 

■がんの治療や検査と仕事の両立、7割が「不可能」 内閣府世論調査

 内閣府は16日、がん対策に関する世論調査の結果を発表しました。調査は2007年、2009年に続き3回目で、今年1月17日から27日まで全国の成人男女3000人を対象に個別面接方式で実施し、1883人が回答しました(回収率62・8パーセント)。

 日本のがん検診の受診率が20~30パーセント程度と低い現状を踏まえ、がん検診を受けない理由を複数回答で聞くと、「受ける時間がないから」(47・4パーセント)、「がんだとわかるのが怖いから」(36・2パーセント)との回答が上位を占めました。

 がん検診を受けない理由は、ほかに「経済的に負担」(35・4パーセント)、「健康に自信がある」(34・5パーセント)など。がん検診を「受ける時間がないから」と答えた人を世代別に見ると、20歳代では68・0パーセントに上りました。

 また、「現在の日本の社会は、がんの治療や検査のために2週間に1度程度病院に通う必要がある場合、働き続けられる環境だと思うか」と聞いたところ、「仕事との両立は不可能」との回答が68・9パーセントで、「可能」の26・1パーセントを大きく上回りました。

 「仕事との両立は不可能」を年代別にみると、20歳代80・4パーセント、30歳代75・8パーセント、40歳代75・7パーセントと、若い世代ほど高くなりました。

 さらに、「政府にがん対策で力を入れてほしいこと」と聞いたところ、「がんの早期発見」(67パーセント)が最も多く、次いで「がん医療に関わる医療機関の整備」(54パーセント)、「がんによって就労が困難になった際の相談・支援体制の整備」(50パーセント)などとなっています。

 厚生労働省の担当者は、「若い人を中心に、仕事や子育てに追われる世代が不安を持っている」と分析しており、「がん治療には早期発見が有効であり、検診を受けやすい環境の整備や、がんとわかった時の心のケアを充実させる対策を進め、受診率の向上を図りたい」としています。

 2013年3月17日(日)

 

■マダニが媒介する感染症、患者は50歳代以上 厚労省などが症例まとめ

 野外のマダニが媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、厚生労働省と国立感染症研究所は14日、これまでに国内で確認された患者8人の症例のまとめを発表しました。

 それによると、発症前のマダニ咬傷が確認されたのは8人中2人で、厚労省などでは「SFTSがダニ媒介性感染症であることを示している一方で、ダニ刺口痕がないことをもってSFTSを鑑別診断から除外することはできないことも示している」としています。

 性別では、男性が6人、女性が2人。年齢別では、全員が50歳以上で、50歳代が2人、60歳代が1人、70歳代が2人、80歳代が3人でした。

 患者が確認された都道府県はすべて西日本で、長崎県が2人、広島県、山口県、愛媛県、高知県、佐賀県、宮崎県が各1人。山口県の女性1人と、広島県、愛媛県、長崎県、宮崎県の各男性1人の計5人が死亡し、長崎県の男性1人、佐賀県の男性1人、高知県の女性1人の計3人が回復しています。

 8人は2005年から2012年に発症、発症時期はマダニの活動が活発になる4月中旬から11月下旬の春から晩秋にかけてでした。ただ、11月末に発症している患者もいることから、「12月の患者発生もあり得る」との考えを示しています。

 厚労省では、SFTSの症例定義として、▽38度以上の発熱▽消化器症状▽血小板減少▽白血球減少―など7項目を示し、そのすべてを満たす患者について情報提供を求めていますが、8人の患者全員がこれに合致しているといいます。

 SFTSは中国で2009年に集団発生したことがあり、中国の感染者の年齢は40歳代以上が多いとする論文があるといいます。8人はいずれもウイルスの遺伝子型が中国で見付かったものと異なるため、日本国内で感染したとみられています。 

 年齢や地域の傾向について、厚労省結核感染症課は「8人分の情報だけでは少なすぎて、若い人がかかりにくいなど確たることは何もいえない」と説明。分析するためには、引き続き症例報告を重ねる必要があるとしました。

 SFTSウイルスに感染すると、発熱やせき、おう吐や下痢など風邪のような症状が現れ、重症の場合は、血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、腎臓の機能が低下したりして死亡することもあります。感染してから発症するまでの潜伏期は6日から2週間とされ、血液などを介して人から人に感染することもあるとみられています。今のところ有効なワクチンや薬はなく、対症療法が中心になります。

 感染予防のポイントは、レジャーや作業などで、草むらややぶなどマダニが多く生息する場所に入る時は、肌をできるだけ出さないように、長袖、長ズボン、手袋、足を完全に覆う靴などを着用することです。また、肌が出る部分には、人用の防虫スプレーを噴霧し、地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないように、敷物を敷きます。帰宅後は衣類を家の外で脱ぎ、すぐに入浴し体をよく洗って、新しい服に着替えます。

 マダニにかまれた時は、つぶしたり無理に引き抜こうとせず、できるだけ病院で処理してもらうことです。マダニにかまれることでかかる感染症には、SFTSのほかにも、日本紅斑熱やつつが虫病などがありますので、山野などに出掛けた後、発熱などの症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診することが必要です。

 2013年3月16日(土)

 

■緑茶、コーヒーで脳卒中のリスク低減 8万人を平均13年間追跡調査

 緑茶を毎日、またはコーヒーを週に1杯以上飲む人は脳卒中を発症するリスクが1割以上低くなるという研究結果を、国立がん研究センター(東京都)と国立循環器病研究センター(大阪府)の研究チームが15日、発表しました。

 研究チームは、1990年代後半に、岩手県、新潟県、長野県、高知県、長崎県、沖縄県などにある9保健所管内の45歳から74歳の男女、およそ8万2000人に緑茶や、缶コーヒーを除くコーヒーを飲む習慣を尋ね、その後、平均13年間追跡して病気との関連を分析しました。この間に、3425人が脳出血、脳梗塞、くも膜下出血といった脳卒中を発症しました。

 緑茶の摂取頻度で発症リスクを比較したところ、緑茶を毎日2杯から3杯飲む人では、緑茶を全く飲まない人に比べ脳卒中を発症する割合が0・86倍とリスクが1割以上低くなっていることがわかりました。毎日4杯以上飲む人では、リスクが0・8倍にまで下がり、さらに、脳出血に限ると、毎日1杯で発症のリスクが下がり始め、4杯以上で0・65倍になっていました。

 一方、コーヒーの摂取頻度で発症リスクを比較したところ、コーヒーを毎日2杯以上飲む人では0・81倍、毎日1杯飲む人では0・8倍、週に3~6杯飲む人では0・89倍と、コーヒーを全く飲まない人に比べ脳卒中を発症するリスクが低くなっていることがわかりました。特に脳梗塞に限ると、週に1杯以上飲む人で0・86倍とリスクが低くなっていました。

 また、緑茶もコーヒーも両方飲まない人に比べると、緑茶を毎日2杯以上飲むか、コーヒーを毎日1杯以上飲むと、脳卒中のリスクがそれぞれ約3割低下していました。

 研究チームでは、緑茶に含まれる血管を保護する物質や、コーヒーに含まれる血糖値を抑える物質が、脳卒中のリスクの低下に関係しているのではないかとしています。

 研究をまとめた国立循環器病研究センター予防健診部の小久保喜弘医長は、「あくまで推察だが、緑茶カテキンは抗凝固作用などで血管を保護し、コーヒーは血管の詰まりの危険因子である高血糖を下げるといわれるクロロゲン酸がリスク軽減に関与しているのかもしれない」とし、「たくさん飲めばよいというものではないが、飲み物を緑茶やコーヒーに変えればある程度、脳卒中の予防が期待できると思う」と話しています。

 2013年3月15日(金)

 

■先天性風疹症候群の新生児、全国で7人 東京都の風疹患者、昨年1年間を上回る

 風疹が流行する中、愛知県で妊娠中に風疹に感染した女性から生まれた新生児が心臓や目や耳などに障害が出る「先天性風疹症候群」と診断され、昨年10月以降、風疹によって障害が出た新生児は全国で合わせて7人となりました。

 風疹は発熱や発疹、リンパ節が腫れるなどの症状が出る感染症で、妊娠初期の女性が感染すると、生まれてくる新生児に障害が出る先天性風疹症候群になる恐れがあります。

 愛知県によりますと、先月愛知県内で生まれた新生児が先天性風疹症候群と診断されたということです。全国で今年になって2人目に相当し、昨年の5人を合わせて7人となりました。

 7人を都道府県別でみると、大阪府が2人、兵庫県が2人、埼玉県が1人、香川県が1人、そして今回報告された愛知県が1人となっています。

 新たに先天性風疹症候群の新生児が報告されたことについて、愛知県衛生研究所の皆川洋子所長は「風疹の流行は去年から続いていて、今年も異例のペースで増えている。妊娠を希望する女性や、妊婦の家族は予防接種を受けてほしい。妊娠中は予防接種は打てないので、妊娠中の女性はできるだけ外出を控えてほしい」と話し、注意を呼び掛けています。

 また、東京都感染症情報センターによりますと、東京都内で今月10日までの1週間に風疹と診断された人は137人で、今年に入ってからの患者数は合わせて762人となりました。これは、昨年の同じ時期の50倍で、過去5年間で最も多かった昨年1年間の患者数672人をすでに上回っています。

 東京都以外の関東地方各県の今月10日までの患者数も、神奈川県が205人、千葉県が139人、埼玉県が132人、茨城県が20人、栃木県が11人、群馬県が9人となっており、多くの県ですでに昨年1年間の患者数を上回っています。

 今回の大流行を受けて、東京都は14日、妊娠を希望する19歳以上の女性と、妊婦の夫が受ける風疹ワクチンの予防接種費用の半額を助成することを決めました。費用を助成する市区町村の住民が対象。全国の患者の半数近くを都内の患者が占めており、接種率を高めて流行を抑えたい考え。

 東京都が風疹ワクチンの費用を助成するのは初めてで、市区町村の負担分の半額を負担し、今月から来年3月まで続けます。

 風疹ワクチンは通常、1歳と就学前1年間の2回は無料で受けられます。今月末までは、中学1年生と高校3年生も無料になっています。ほかの年齢の未成年や成人は、全額自己負担が必要。風疹とはしかの混合ワクチンでは約1万円、風疹単独のワクチンは5000円程度かかります。

 2013年3月14日(木)

 

■出生前診断、厚労省が本格的な実態調査へ 4月以降

 妊婦の血液を調べ、胎児にダウン症などを引き起こす染色体の異常があるかどうか判定する新しい出生前診断が4月にも国内で始まるのを機に、厚生労働省は専門家による研究班を設置し、医療機関などが妊婦に対し専門のカウンセリングを行った上で検査を実施しているか、実態調査を行うことを決めました。出生前診断を対象にした国の調査は初。

 新しい出生前診断は、国立成育医療研究センターや昭和大、大阪大、兵庫医科大など全国の20近い施設が、アメリカのカリフォルニア州サンディエゴに本社がある検査会社シーケノム社の協力で導入を計画しています。

 日本産科婦人科学会が、今月9日、生まれてくる子供に染色体異常の恐れがある場合に限って、専門のカウンセリング態勢が整った施設で診断を実施するとした指針をまとめ、4月から国内でも導入される見通しとなっています。

 これを受けて、厚労省は本格的な実態調査を行うことを決め、今後、新しい出生前診断の実施件数や、診断に伴うカウンセリングの実施状況を調査していく方針です。

 厚労省は新しい出生前診断については、「医学的検査は、必要な患者に対し、診察から診断、治療に至る医師が行う診療行為の一環としてなされるべき」と位置付けました。

 日本産科婦人科学会の指針を踏まえ、「遺伝カウンセリングにより、検査の意義や限界などについて正確に理解してもらうこと」「検査対象者について、一定の要件を定めること」が必要であるとしました。この上で、厚労省としても遺伝カウンセリング体制の充実や、国民への情報提供の方法を検討していきます。

 また、厚労省は新しい出生前診断以外に、従来から行われている母体血清マーカー検査や羊水検査、絨毛検査、超音波検査などの出生前診断でもカウンセリングが重要だとして、実施の状況や、遺伝カウンセリング体制の有無などを調査し、1年をめどに結果をまとめるということです。

 田村憲久厚労相は12日、閣議後の記者会見で「出生前診断は、新しい検査などが出てきて国民がどう理解するのか一定の範囲の中で検討する時期にきている。妊婦に正確な情報を提供していきたい」と述べました。

 2013年3月13日(水)

 

■マダニが媒介する感染症、新たに3人確認 現在はいずれも回復

 厚生労働省は12日、野外のマダニが媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の症状が現れ、現在はいずれも回復した患者が長崎、佐賀、高知の3県で計3人確認されたと発表しました。

 SFTSが集団発生した中国では、致死率が十数パーセントとされており、国内で回復した人が見付かったのは初めて。国内の発症者は、死亡例5人も含めて計8人になりました。

 厚労省によると、長崎県の50歳代男性は2005年11月、佐賀県の80歳代男性は2010年8月、高知県の80歳代女性は2012年4月に発症しました。発症時に採った血液を国立感染症研究所が調べたところ、SFTSを引き起こすウイルスや、感染したことを示す抗体が検出されたということです。

 このうち佐賀県の男性は、別の病気で入院した際、入院4日目に右足にマダニがかみついているのが見付かり、長崎県の男性にはマダニがかんだとみられる跡があったといいます。

 いずれも渡航歴はなく、国内で感染したとみられ、38度以上の発熱や血小板減少などSFTSの典型的な症状がありました。高知県の女性は入院して治療し、2カ月後に退院。長崎県の男性は発症後、37日で退院したといいます。

 これまでの死亡例は山口、愛媛、宮崎、広島、長崎の各県で確認されていて、厚生労働省で詳しい感染経路を調べています。

 ウイルスを媒介するマダニは、家の中に生息するダニとは種類が異なり、国内でも屋外に広く分布し春から秋にかけて活動が活発になるということです。厚労省は、マダニが多く生息する草むらなどでは長袖、長ズボンを着用し、かまれないよう注意を呼び掛けています。

 2013年3月12日(火)

 

■肉や乳製品を多く摂取すると、脳卒中減り心筋梗塞は増加 ほどほどが低リスク

 肉や乳製品に多く含まれる飽和脂肪酸を多く取ると脳卒中のリスクが下がる一方、心筋梗塞を発症しやすくなるとの研究結果を国立がん研究センター(東京都中央区)などの研究チームがまとめ、11日公表しました。

 研究チームは脳卒中と心筋梗塞のリスクを摂取量とともに調べ、「肉や乳製品は、ほどほどに食べるのがよい」と結論付けました。

 45~74歳の男女約8万2000人を11年程度追跡調査し、動物性脂肪分に含まれる飽和脂肪酸の摂取量に応じて5グループに分けて、リスクを調べました。

 脳出血や脳梗塞を含む脳卒中全体は、1日に食べる飽和脂肪酸の摂取量が多いほど発症リスクが低く、最多のグループ(1日当たり21・6~96・7グラム)は最少のグループ(同0・8~11・7グラム)に比べ、リスクが23パーセント低くなりました。

 脳卒中のうち脳の奥にある細い血管から出血し、日本人に多い「深部脳出血」は、摂取量の増加に伴い発症率が下がる傾向が鮮明でした。飽和脂肪酸を取ると、血管を強くするのに必要なコレステロールが増えることが関係するとみられます。

 一方、心筋梗塞の場合は、1日に食べる飽和脂肪酸の摂取量が多いほど発症リスクが高まる傾向にあり、最多のグループは最少のグループに比べ、リスクが39パーセント高くなりました。

 研究チームは日米などでの過去の調査と合わせて、1日20グラム程度の摂取が循環器系疾患のリスクを最も下げられるとみています。牛乳を毎日コップ1杯200グラム、肉を2日に1回150グラムほど食べるような生活に相当するといいます。

 飽和脂肪酸は脂質の材料で、エネルギー源として大切な脂肪酸です。ラードやバターなど肉類の脂肪や乳製品の脂肪に多く含まれ、溶ける温度が高く、常温では固体で存在します。そのため体の中では固まりやすく、しかもコレステロールや中性脂肪を増加させる作用があるため血管を強くしますが、血中に増えすぎると血管を詰まらせる原因になると考えられています。動脈硬化につながることから控えたほうがいいという見方がある一方、無害で制限する必要がないという知見もあります。

 2013年3月11日(月)

 

■風疹患者、5年で最多 1週間で219人、首都圏が7割以上

 大流行が続く風疹の患者数が、最新の1週間の2月18日~24日で全国で200人を超え、週ごとの感染者数はこの5年で最高になったことが、国立感染症研究所が8日に公表した集計で判明しました。患者の7割以上が首都圏で報告されています。

 妊娠中の女性が感染するケースも相次いでいることから、専門家は妊婦の周りの人が予防接種を受けるよう呼び掛けています。

 国立感染症研究所によりますと、全国の医療機関で2月24日までの1週間に、風疹の患者は219人が報告されました。このうち東京都の患者が78人と最多で、今年に入ってからの累計患者計1029人の半数近くの480人も都内で出ています。神奈川県が128人、埼玉県が95人、千葉県が86人と、東京都と3県を含めた首都圏で、累計患者全体の7割を超えました。近畿でも、大阪府が59人、兵庫県50人と患者が多くなっています。

 風疹の予防接種は1994年まで、中学生の女子に限られていたため、予防接種をしていない20~40歳代男性が感染し、大流行につながったとみられています。

 患者が多い流行地域ほど、予防接種率が低い傾向にあります。高校3年性の接種率(昨年4月1日〜12月31日)は東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県のいずれも46・5〜62・3パーセントで、全国平均の64・3パーセントを下回りました。大阪、兵庫両府県でも、57・1パーセントと低くなっています。

 風疹の流行期は初夏にピークを迎えるため、転勤や転校などで人の移動が増える春以降、地方に広がる心配があります。また、妊娠中の女性が妊娠初期に感染すると、新生児が目や耳、心臓に障害がある「先天性風疹症候群」になる危険があり、昨年10月以降、6人の新生児に障害が出ています。

 このため、東京都世田谷区では、今月から妊婦と夫が一緒に参加する両親学級や母親学級で、注意を呼び掛けることにしました。8日に開かれた両親学級では、担当者が風疹が新生児に与える影響について説明し、妊娠1カ月で感染すると50パーセント以上、2カ月だと35パーセントくらいの確率で、新生児に障害が出る可能性があると説明しました。

 そして、妊婦は風疹のワクチンを接種できないため、マスクをつけて人混みを避け、一緒に過ごす時間の長い夫や家族は、風疹にかからないよう、できるだけ早く予防接種を受けてほしいと呼び掛けました。

 両親学級に参加した男性は、「マスクの着用は徹底してきたが、予防接種を受けることでリスクが下がるのであれば、すぐ受けたいと思いました」と話していました。

 世田谷区感染症対策課の松本加代課長は、「今の風疹の大流行は、これから生まれてくる赤ちゃんの未来を脅かす危機的な状況だと思います。予防法はワクチンしかないので、多くの方に受けていただいて、妊婦さんと赤ちゃんを守ってほしいと思います」と話しています。

 2013年3月10日(日)

 

■血液を使う新出生前検査、4月から導入へ 日産婦が指針策定

 妊婦の血液を調べ、胎児にダウン症などの染色体の異常があるかどうか判定する新しい出生前検査について、日本産科婦人科学会(日産婦)は9日、実施に当たっての指針をまとめるとともに、日本医学会が実施施設の認定に当たることを明らかにしました。

 これにより新しい出生前検査「母体血胎児染色体検査」は、4月から、国内でも導入される見通しになりました。

 新しい出生前検査は、妊婦の血液を調べ、胎児にダウン症などを引き起こす染色体の異常があるかどうか判定するもので、国立成育医療研究センターや昭和大、大阪大、兵庫医科大など全国の20近い施設が、アメリカのカリフォルニア州サンディエゴに本社がある検査会社シーケノム社の協力で導入を計画しています。

 日本産科婦人科学会が公表した指針では、生まれてくる子供に染色体異常の恐れがある場合に限って、専門のカウンセリング態勢が整った施設で検査を実施するとしています。

 対象とする妊婦を35歳以上とする案については、ケースに応じて判断する必要があるとして、見送られました。また、実施施設の認定には、110余りの学会が加盟する日本医学会が当たることを明らかにしました。

 専門家で作る部会を新たに設け、学会の指針に基づいて来週から審査を行うということです。安易に広がれば命の選別につながるとして倫理上の問題が指摘される検査技術が、生殖医療の現場に登場することになりました。

 記者会見した日本産科婦人科学会の小西郁生理事長は、「検査を希望する妊婦に混乱が広がらないよう、産婦人科以外の医療機関や、検査の仲介会社なども、今回の指針の考え方を尊重してほしい」と話しました。

 また、日本医学会の高久史麿会長は、「今回の検査は、社会的な影響が非常に大きいことから、医学会としても重要な問題と捉え、施設の認定にかかわることにした」と述べました。

 ダウン症の人たちとその家族で作る「日本ダウン症協会」の玉井邦夫理事長は、「実施施設を限定するなど、以前から私たちが要望してきたことが反映されている印象だ」とした上で、「導入後も、カウンセリングが適切に行われているかどうかなど情報をすべてオープンにして検証していくべきだ。検査を希望する妊婦さんの思いに寄り添いながら、どんな決断であってもサポートするカウンセリングが重要になってくると思う」と話しています。

 妊婦の血液だけで染色体異常の有無を高い確率で判定できる新型の出生前診断は、シーケノム社が検査技術を開発し、米国では2011年10月に始まりました。比較的高い確度で調べるには従来、子宮内の羊水を採取して調べるしかなく、流産の危険を伴いましたが、血液で簡易に早く判定できることから中国、スイスなどにも広がりました。昨年8月に導入したドイツは、法律でカウンセリングを義務付けています。

 2013年3月9日(土)

 

■患者の6割に効果のあるスギ花粉症新薬、保険適用へ

 岩手県、宮城県、福島県でもスギ花粉が飛び始め、花粉症患者にはマスクを外せない憂鬱な春の訪れを告げています。しかし、朗報もあります。今春とはいかないものの、6割の患者に効果が期待できる新薬が、近く保険適用される見込みです。

 新薬は、スギ花粉の薄いエキスを口の中から吸収して少しずつ体を慣らし、アレルギー反応を起こさなくして花粉症の根治を目指す舌下免疫療法薬「TOー194SL」。鳥居薬品(東京都中央区)が昨年末に、TOー194SLの製造販売承認を厚生労働省に申請中です。

 一つの全国調査によると、国民のおよそ20パーセントが花粉症に罹患していると考えられており、そのうち約70パーセントはスギ花粉症であると推察されています。

 スギ花粉症に対する治療法の一つである免疫療法は、現在注射薬のみが保険適応となっていますが、高い効果が得られる半面、注射による痛みや副作用、頻繁に通院するなど患者に与える負担が大きく、広く普及していません。

 TOー194SLは、鳥居薬品が製造・販売している注射薬の投与経路の変更として、舌下投与での開発を進めてきたものです。舌下から吸収すると、あごの下の左右にあって、アレルギー反応に深い関係のある免疫機能を持っているリンパ節にエキスが届きやすくなります。

 舌下免疫療法は自宅ででき、通院も月1回程度ですみます。一般的には、開始の3週間は連続して投与し、それ以降は週に1~2回の投与、さらに2~3週間に1回の投与と間隔を広げ、2年間続けます。2年を必要とする治療ですが、早い人では投与開始3週間の治療で効果の出てくる人もいます。

 ただし、人によっては口の中がはれたり、呼吸困難になったりする副作用には、注意が必要。保険が適用された場合、患者の自己負担は年2、3万円程度になるといいます。

 また、舌下免疫療法は特に子供の患者にとって、将来にわたってつらい症状に悩まされなくなり、効果的な治療法になると期待されます。

 2013年3月8日(金)

 

■カラーコンタクトで目に不調、昨年3カ月間で約400人 専門学会が受診を呼び掛け

 瞳を大きく見せたり色を変えたりするカラーコンタクトレンズを着けていて目の不調を訴えた患者のうち80パーセントは眼科を受診せずにレンズを購入し、定期的な検査も受けていないことがわかり、専門の学会は医師の指導を受けて使ってほしいと呼び掛けています。

 この調査は、日本コンタクトレンズ学会が全国の眼科診療所などを対象に行い、97施設から回答がありました。

 その結果、カラーコンタクトレンズ、通称カラコンを着けていて目の不調を訴えた患者は、昨年7~9月の3カ月間で大阪府や愛知県、東京都など大都市を中心に395人いました。女性が98パーセントと大部分で、特に若い女性に多くいました。

 症状は、角膜の表面に傷が付いて見えにくくなった人が37パーセントと最も多く、続いて結膜炎が22パーセント、充血が18パーセントなどとなっていました。およそ3パーセントの患者は、角膜潰瘍などの重い症状の後遺症で視力が低下する恐れがあると診断されていました。酸素を透過しにくい素材でできたレンズの使用や、レンズから漏れた色素などによって、目の不調が起きたとみられます。

 また、眼科を受診せずに通信販売やディスカウント店などでレンズを購入したとする患者と、定期的な検査を受けていないとする患者は、いずれも全体の80パーセントに上っていました。さらに、全体の30パーセントが1カ月を超えて使っていました。

 コンタクトレンズは、色付きのものも含め厚生労働省の許可があれば販売できることになっていますが、日本コンタクトレンズ学会は目の健康を守るため医師の指導を受けて使ってほしいと呼び掛けています。

 日本コンタクトレンズ学会の渡辺潔理事は、「カラーレンズの中には質が悪いものがあるほか、レンズを入れると目が充血しやすい人もいる。購入には医師の処方箋の提出を義務付けるなど対策が必要だ」と話しています。

 2013年3月7日(木)

 

■エイズウイルス感染の新生児が治癒 米、抗ウイルス薬投与で

 エイズウイルス(HIV)に感染した新生児を、生まれた直後から抗ウイルス薬で治療した結果、ウイルスをほぼ消滅させることに成功したとアメリカの研究チームが発表し、新たな治療法につながる研究成果として注目されています。

 発表したのは、アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学などの研究チームで、母親の胎内でエイズウイルスに感染したミシシッピ州の女児について、2010年7月に誕生した30時間後からおよそ18カ月間にわたって複数の抗ウイルス薬を投与し続けました。その結果、生まれてから29日後には、エイズウイルスが検査で検出できなくなるほど大きく減少したほか、生後18カ月で治療を終えてから10カ月後の2歳4カ月の時に再び検査したところ状態は変わっていませんでした。

 このため、研究チームは、この新生児について、エイズウイルスがほぼ消滅し、感染者が必要とする発症を抑えるための継続的な治療も必要なくなったとしています。

 母親がエイズウイルスに感染していても、妊娠中に抗ウイルス薬を服用して帝王切開するなどの措置を取れば、新生児への感染はほぼ防げます。今回のケースでは、母親が感染に気付くのが遅れ、措置が取れませんでした。

 研究チームによると、エイズウイルスを巡っては、6年前、白血病を患った感染者の男性に骨髄移植をしたところ、完治したとされるケースが報告されているということです。

 新生児への治療でウイルスの増殖を抑えて完治に近い状態にまで治療できたケースはこれが初めてで、新たな治療法につながる研究成果として注目されています。

 国連の推計では、2011年に世界で約30万人の新生児がエイズウイルスに感染して生まれており、今回の症例が科学的に検証、確認されれば、世界的に推奨されるのは確実です。

 研究チームの一員であるジョンズ・ホプキンズ大学のデボラ・パーサード医師は、「新生児のエイズウイルス感染は治癒できる可能性があることを示した」とコメント。今回の治療法が他の子供にも同様な効果を与えるかどうかを判断するには、さらなる研究が必要だとしています。

 2013年3月6日(水)

 

■PM2・5、熊本県で全国初の注意喚起

 健康への影響が懸念される微小粒子状物質PM2・5について、熊本県は5日午前、国が定めた暫定指針値の「1日平均で1立方メートル当たり70マイクログラム」を超える可能性があるとして、県内の全市町村や保健所などに注意喚起の情報を流しました。

 環境省によると2月27日に国が暫定指針を定めて以来、こうした基準で注意喚起したのは全国で初めて。

 福岡管区気象台によると、春先は偏西風が強まり、中国大陸からの微粒子の飛来が増える可能性があるといいます。

 国の指針では、午前5~7時の1時間当たりの平均濃度が1立方メートル当たり85マイクログラムを超えた場合としています。ただ、熊本県は注意喚起の情報を出す判断基準として、この時間帯の平均ではなく、1時間でも超えた場合として運用します。

 85マイクログラムを超えたのは、熊本県荒尾市の観測局。午前5時に91マイクログラム、6時に90マイクログラム、8時には110マイクログラムを観測しました。その後、正午までに荒尾市役所などで100マイクログラム超を記録しました。

 荒尾市役所の窓口では、マスク姿の市民や職員が目立ちました。もともと花粉症対策の人も多いものの、「朝の注意報を聞いて二重の対策です」と話す人が多く、ある主婦(58歳)は「いつもと違い、朝から目にごみが入ったみたいにチカチカしている」と話しました。

 市の駐車場では、納税申告で訪れる市民の車を整理する臨時の係員2人もマスクを着用。「ニュースを聞き、外で仕事をするので安全のため」と話しました。

 荒尾市はホームページに県の発表値に注意し、不要不急の外出を控えたり、屋外での激しい運動を避けたりするように促す緊急情報を掲載。10小学校と3中学校、社会福祉協議会など各施設にも注意を呼び掛けたほか、携帯電話への配信を事前登録していた県民ら約1万2000人にもメールで知らせました。

 早朝の観測値に基づく注意喚起とは別に、山口県では4日夕、宇部市と山陽小野田市で1時間当たりの濃度が1立方メートル当たり85マイクログラムを超えたため、下関市を含む県西部に注意を呼び掛けました。ただ、1日平均は最高でも45マイクログラムにとどまり、国の暫定指針値の70マイクログラムを下回りました。

 また、近畿地方では5日早朝から、1日平均のPM2・5の環境基準の1立方メートル当たり35マイクログラムを超え始め、大阪府内の一部地域で環境省が暫定指針として定めた70マイクログラム超を一時的に観測。大阪府や兵庫県の広い範囲や京都府、奈良県、和歌山県などでも35マイクログラムを超えた地点が相次ぎました。ただ、数値は時間値で、1日平均では指針の値を下回る可能性が高いといいます。

 国立環境研究所によると、全国で今年になって2月20日までに、1日平均70マイクログラムを超えたことはありませんが、福岡市によると、昨年12月に千葉市で102・7マイクログラムを記録するなど、20の政令指定都市で超えたのは昨年4月以降4市で6回あるといいます。

 一方、中国では大気汚染が深刻。在中国日本大使館によると、福岡市から約900キロ離れた上海市では、PM2・5が1月に6日間、米国の基準で「重度汚染」とされる1立方メートル当たり150~250マイクログラムに達しました。北京では1月12日、観測値が700マイクログラムを超えたといいます。

 2013年3月5日(火)

 

■マダニ媒介の感染症、3月中旬にも全国で検査可能に 1〜2日で診断

 野外のマダニを介して感染するとみられる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について、国立感染症研究所(感染研)が今月中旬にも、すべての都道府県と政令指定都市に検査に使う試薬やマニュアルなどを配布することになりました。

 感染の有無を全国どこでも検査でき、実態把握が進むことになります。

 感染研によると、「PCR法」と呼ばれる技術で、患者の血液などにあるウイルスの遺伝子の一部を、試薬で大量にコピーして増やします。そのコピーが、これまでに国内で見付かった遺伝子と同じかどうかで感染が判断できます。

 これまでは、感染が疑われた患者の検体を、都道府県から感染研に届けるまでの手間がかかっていました。今後は、感染研から配られるマニュアルや、遺伝子を増やす反応に必要な薬などを使って、地方衛生研究所が調べます。検査自体は1〜2日間で終わります。

 国内では今年1月以降、山口や愛媛、宮崎、広島、長崎の5つの県で5人の死亡が確認されています。厚生労働省によると、2月26日時点で、17件の検体が感染研に届いているといいます。

 感染研のウイルス第一部の西條政幸部長は、「検査態勢が整うことで診断される患者が増える可能性はあるが、爆発的に感染が広がっているという意味ではない、と理解してほしい」と話しています。

 ウイルスを媒介するマダニは、日本の山野に全国的に生息しており、衣類や寝具など家の中に生息するイエダニとは種類が異なります。マダニは春から秋にかけて、活動が活発になります。

 ウイルスに感染すると、発熱やせき、おう吐や下痢など風邪のような症状が現れ、重症の場合は、血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、腎臓の機能が低下したりして死亡することもあるとされています。感染してから発症するまでの潜伏期は6日から2週間とされ、血液などを介して人から人に感染することもあるとみられています。今のところ有効なワクチンや薬はなく、対症療法が中心になります。

 感染予防のポイントは、レジャーや作業などで、草むらややぶなどマダニが多く生息する場所に入る時は、肌をできるだけ出さないように、長袖、長ズボン、手袋、足を完全に覆う靴などを着用することです。また、肌が出る部分には、人用の防虫スプレーを噴霧し、地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないように、敷物を敷きます。帰宅後は衣類を家の外で脱ぎ、すぐに入浴し体をよく洗って、新しい服に着替えます。

 マダニにかまれた時は、つぶしたり無理に引き抜こうとせず、できるだけ病院で処理してもらうことです。マダニにかまれることでかかる感染症には、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のほかにも、日本紅斑熱やつつが虫病などがありますので、山野などに出掛けた後、発熱などの症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診することが必要です。

 2013年3月4日(月)

 

■拒絶反応、薬に頼らず抑制 生体肝移植で北大など新手法

 肝臓移植後の拒絶反応を抑える新手法を使った臨床試験を北海道大と順天堂大のチームが行い、患者4人が免疫抑制剤に頼らずに生活できるようになったことが2日までにわかりました。

 新手法は生体肝移植を受けた患者10人に対して行い、ほかの6人も薬の量を減らすことができました。

 拒絶反応は、移植された肝臓を、患者の白血球のうち、リンパ球と呼ばれる細胞の一種であるT細胞が「異物」として攻撃することで起きます。免疫抑制剤なしで拒絶反応を抑えられれば、患者の負担は大幅に減らせると期待されます。

 藤堂省(さとる)・北海道大特任教授(移植外科)は、「待っている患者がたくさんいるので、早期の実用化を目指したい」と話しています。

 新手法は、臓器の提供者と移植を受ける患者の双方のリンパ球と、特殊な抗体を混ぜて培養。移植から2週間後に、患者の体内に戻します。患者のリンパ球は、培養している間に提供者側の肝臓を異物として認識しないようになるといいます。

 北大病院で2010年11月から、肝炎や胆管炎で肝硬変になった30~60歳代の男女10人に新手法を適用。このうち4人は2月末現在、半年から2カ月の間、免疫抑制剤なしで生活ができています。残りの6人も、週1回から1日1回程度まで薬を減らすことができました。免疫抑制剤は通常、1日2回服用する必要があるといいます。

 肝臓移植は、末期の肝不全患者への治療法として国内で年500例前後行われ、5年後の生存率は約80パーセント。移植手術を受けた患者は通常、拒絶反応を抑える免疫抑制剤を生涯飲み続ける必要があります。免疫力が下がるため、感染や発がんのリスクが高まるほか、腎障害などの重い副作用もあります。

 薬を使わずに拒絶反応を確実に抑えられれば、生存率や生活の質の向上につながりそうです。

 移植から何年も経って起きる拒絶反応もあるため、北海道大と順天堂大のチームは長期間、有効性や安全性を調べて、治療法として確立させたい考えです。

 2013年3月3日(日)

 

■糖尿病患者、熱心な運動で死亡リスク半分に低下 厚労省研究班

 生活習慣が主な原因で、日本人の糖尿病患者の9割以上を占める「2型糖尿病」の患者のうち、運動習慣がある人は死亡率が低いことが、厚生労働省研究班の調査でわかりました。

 運動は糖尿病の予防のために勧められてきましたが、発症後でもメリットがあるらしいことを示す結果で、欧州糖尿病学会誌(電子版)に発表されました。

 厚労省の研究班は、全国59の医療機関の40~70歳代の2型糖尿病患者1702人を対象に、仕事や日常生活以外での1週間の運動量が多い順に「多い」「中程度」「少ない」の3つのグループに分けて、8年間にわたって追跡調査をしました。

 その結果、心筋梗塞など糖尿病の合併症などで死亡するリスクが、運動量が最も多いグループは運動量が最も少ないグループの0・47倍と、半分以下になっていました。

 また、脳卒中を発症するリスクも、運動量が最も多いグループは運動量が最も少ないグループの0・57倍と、4割近く低いという結果になりました。

 最も運動量が多いグループは、時速6キロの早歩きに相当する運動を毎日30分以上していた人たちで、早歩きに相当する運動時間の平均は1時間10分程度、水泳では同30~40分程度だということです。最も運動量少なかったグループは、仕事や日常生活の活動以外、ほとんど運動をしていなかったということです。

 運動により、血糖や血圧、コレステロール値などが改善されたのが原因とみられます。

 研究班の主任研究者である曽根博仁・新潟大医学部教授は、「運動は食事指導や投薬に比べると糖尿病治療ではあまり熱心に勧められてこなかったが、大きな効果があることがわかった。患者の運動を支援することが必要」と話しています。

 2型糖尿病は、食べ過ぎや運動不足などにより、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の分泌が減ったり、効きが悪くなったりすることが原因。進行すると、失明や脳卒中、心臓病などを来します。厚生労働省の2007年の推計では、「強く疑われる人」が国内に約890万人います。

 2013年3月2日(土)

 

■平均寿命、男女とも長野県が1位 沖縄県の女性3位に

 厚生労働省は28日、5年に1回の国勢調査を基にまとめた自治体別の平均寿命を示す「2010年都道府県別生命表」を発表しました。長野県が男性80・88歳、女性87・18歳で、男女とも長寿1位となりました。青森県が男性77・28歳、女性85・34歳で、男女とも最下位となりました。

 長野県の1位は男性が1990年から5回連続、女性は初めて。女性では、1975年から前回2005年まで7回連続で1位だった沖縄県が3位となりました。沖縄県の女性も平均寿命は前回よりわずかに延びましたが、長野県などの延び幅のほうが大きくなりました。

 青森県の最下位は男性が1975年から8回連続、女性は2000年から3回連続。長野県と青森県の差は男性が3・60歳、女性が1・84歳でした。

 都道府県別生命表は1965年から5年ごとにまとめており、今回で10回目。2010年の全国平均は、男性が前回から0・80歳延びて79・59歳、女性が0・60歳延びて86・35歳でした。鳥取県の女性を除き、全都道府県の男女で5年前より寿命が延びました。

 延び幅が最大だったのは、男性が山形県の1・43歳、女性が愛媛県で0・90歳。最小は男性が石川県の0・45歳。鳥取県では2010年の0歳女児の死亡が例年より多かった影響で、女性の寿命が0・19歳短くなりました。男女差が最小だったのは6・11歳の滋賀県で、最大は8・07歳差の青森県でした。

 男性の上位は長野県に次いで、滋賀県80・58歳、福井県80・47歳、熊本県80・29歳、神奈川県80・25歳の順。女性は前回5位だった長野県が1位となり、島根県87・07歳、沖縄県87・02歳、熊本県86・98歳、新潟県86・96歳と続きました。

 男女とも長寿日本一の長野県は、「高齢者の就労率が高く野菜の摂取量が多い上、食生活改善ボランティアや医師らの地域保健活動が盛んなことなどが積み重なった成果ではないか」としています。

 厚労省は、長野県について「公衆衛生に熱心に取り組んでいる」と説明、沖縄県については「若い世代になるにつれ死亡率が悪化している」としています。

 死因別の死亡確率のトップは、男女ともがんで男性29・83パーセント、女性20・59パーセント。心疾患、脳血管疾患を合わせた三大疾病の死亡確率は、男女とも5割を超えました。死因別で三大疾病の割合が最も高かったのは、男性が岩手県の56・83パーセント、女性が北海道の53・85パーセント。老衰の割合が最も高かったのは、男女とも静岡県で、男性が4・57パーセント、女性は13・13パーセントでした。

 2013年3月1日(金)

 

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