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健康ダイジェスト

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■障害ある子供、普通学校に通いやすく 介助員も医療的ケアOKに

 たんの吸引などの医療的ケアが必要な児童生徒が普通学校に通いやすくなります。文部科学省が29日、一定の研修を受けた介助員らが医療的ケアを行うことを認める指針を定めました。障害を持つ子供の就学先を広げるのが狙いで、来年度から実施します。

 頸椎(けいつい)損傷や脳性まひなどの障害のために自力でものを飲み込めない人は、たんを機器で吸引したり、流動食を取るチューブを鼻から通したりする必要があります。

 こうしたケアは現在、家族か看護師などの医療職にしか認められていません。普通学校では保護者が日常的に付き添う必要があり、多くのケースでは医療職のいる特別支援学校に通わざるを得ませんでした。

 しかし、来年4月からは社会福祉士及び介護福祉士法の改正により、都道府県の登録機関で9時間の講義と実地研修を受ければ誰でも介助員として特定の人への医療的ケアができるようになります。

 2011年11月30日(水)

 

■マイコプラズマ肺炎、過去最悪の水準で全国的に流行

 若い世代に多いマイコプラズマ肺炎の週単位の患者数が調査を始めた1999年以降で過去最多となったことが29日、国立感染症研究所(感染研)の定点調査で判明しました。細菌による感染症で有効なワクチンはなく、感染研はせきエチケットやマスク、手洗いでの予防を呼び掛けています。

 感染研によると、最新の1週間(11月14~20日)に、全国500カ所の医療機関を受診した患者は、1カ所当たり1・26人(前週1・25人)と最多でした。今年6月下旬から過去に例のない高水準で流行が続いていました。今月中旬までの累計患者数は、1万2675人に上るといいます。

 都道府県別では、埼玉の4・33が最多で、青森3・00、沖縄2・71、大阪2・67、岐阜2・60と続きました。21カ所で前週より患者数が増えており、全国的な流行がみられます。

 マイコプラズマ肺炎は乾いたせきが長期間続くのが特徴で、せきのしぶきや患者との接触などで感染します。発熱やだるさ、頭痛などの症状を伴い、重症化すると脳炎や髄膜炎、中耳炎などを引き起こす恐れがあり、死亡することもあります。潜伏期間は2~3週間と長めで、患者の8割は14歳以下の子供といいます。

 一般的な風邪などと判別しづらいものの、特徴的な乾いたせきがダラダラと続く場合は注意が必要。医師による診断は症状に加え、血液検査で確定します。治療は抗生物質の服用が中心ですが、注意したいのは抗生物質の種類です。マイコプラズマは細胞壁を持たない細菌のため、細胞壁の合成を阻害するタイプの抗生物質(ペニシリン系、セフェム系)が効きません。マクロライド系の抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど)が主に使われます。

 かかった場合は、せきが出る間は感染力が残るので、登校、登園の再開は、掛かり付け医に相談します。感染を広めないためには、マスクやうがい、手洗い、かかった人の使うタオルやコップを使わないなど、普通の風邪と同じような予防法を心掛けることです。

 2011年11月29日(火)

 

■牛肉と豚肉、食べ過ぎ注意 女性の大腸がんリスク上昇

 肉類をよく食べる人は大腸がんの発症リスクが高まるとの調査結果を国立がん研究センターの研究班がまとめ、28日発表しました。

 牛肉・豚肉、鶏肉などを毎日130グラム以上食べる男性は、あまり食べない男性に比べて大腸がんの一つの結腸がんの発症リスクが1・44倍に増えました。牛肉・豚肉を毎日100グラム以上食べる女性は、あまり食べない女性に比べて結腸がんの発症リスクが1・48倍に高まりました。

 調査はアンケート方式で実施。1995年と98年に岩手、秋田、茨城、新潟、長野、大阪、高知、長崎、沖縄の9府県の10保健所管内に住んでいた45~74歳の男女約8万人を、2006年まで10年以上追跡しました。期間中に1145人が大腸がんを発症、うち結腸がん788人、直腸がん357人で、男性714人、女性431人でした。

 肉類を総量、牛肉・豚肉の赤肉、ハム・ソーセージなどの加工肉の3つの区分に分け、調査対象者を摂取量別に5つのグループに分けました。最も摂取量の多いグループと少ないグループで、男女別にがんの発生率を比較しました。

 すると、男性では、肉類全体の摂取量が1日当たり139グラム前後と最も多いグループで、結腸がんのリスクが高くなり、同23グラム前後と最も少ないグループの1・44倍に上昇しました。女性でも、牛肉・豚肉の摂取量が同104グラム前後と最も多いグループの結腸がんリスクは、同15グラム前後と最も少ないグループの1・48倍に高まりました。

 一方で、ハム・ソーセージなどの加工肉については、男女とも大腸がんのリスク上昇がみられず、「日本人が一般的に食べるレベルでは、はっきりとしたリスクにはならない」としています。

 研究班は、世界がん研究基金と米国がん研究協会による報告書(07年)で、赤肉と加工肉の摂取が大腸がんの「確実なリスク」と評価されていることを指摘。日本でも戦後、大腸がんの発生率が増加していることなどを踏まえ、肉類の過剰摂取に注意を促しています。

 ただし、飲酒や肥満、運動不足なども大腸がんの発症リスクとなることなどから、「肉の食べ過ぎに注意することと合わせ生活習慣の見直しが予防に大切」と指摘しています。

 2011年11月28日(月)

 

■臍帯血で脳性まひ児を治療 高知大、国内初の臨床研究へ

 早産で脳性まひになった子供に、出産時にへその緒から採った自らの臍帯血(さいたいけつ)を点滴して運動機能の改善を目指す臨床研究を、高知大学が来春にも始めます。臍帯血は主に白血病の治療に使われていて、脳性まひの治療に試みるのは国内で初めて。

 今後、人工多能性幹細胞(iPS細胞)などと同様に幹細胞の供給源としても注目を集めそうです。

 先天性の脳性まひは約1000人に2人から3人の割合で発症すると推定されています。出生の前後に母体内で脳が何らかのダメージを受け、体の動きや話し方に障害が出るといわれます。直ちに生命に危険が及ぶわけではありませんが、根本的な治療法はなく、対処はリハビリテーションなどが中心になっています。

 研究は、早産の危険が差し迫っているケースが対象。妊娠33週前後で、帝王切開で産む際に赤ちゃんの臍帯血を採って冷凍・保存します。半年から1年後に脳性まひと診断された段階で、臍帯血から幹細胞を取り出して赤ちゃんの腕から点滴で移植する計画で、向こう5年間で10人に実施するとしています。

 高知大学の相良祐輔学長などの研究グループの計画は今月、厚生労働省が承認しました。

 難病の子供に臍帯血を輸血する治療は、2006年にアメリカのデューク大学で始まり、脳性まひでは8人のうち6人に効果があったとされ、歩行が不自由になった子供が歩けるようになった例が報告されています。ただし、科学的に十分な証明はされていません。アメリカでは現在、アリゾナ大学、ジョージア医科大学、カリフォルニア大学でも臨床研究が開始されています。

 臍帯血には血管や神経のもとになる肝細胞が含まれ、脳の損傷した場所で新しい血管や神経をつくるとされます。高知大学の研究グループが行ったマウスの実験では、移植する細胞が神経になることや、運動機能がほかのマウスと同じ程度まで回復することを確認したということです。

 相良学長は、「脳性まひになると、本人はもちろん、世話をする家族も大変なのが現状だ。研究を進め何とか治療できるようにしたい」と話しています。

 2011年11月27日(日)

 

■「茶のしずく石鹸」発症者569人に 日本アレルギー学会が受診を呼び掛け

 せっけん製造販売会社「悠香」(福岡県)が販売した「茶のしずく石鹸(せっけん)」の旧商品によるアレルギー問題で、日本アレルギー学会は25日、東京都内で会見し、発症の報告が569人になったと発表しました。「異常な事態」として、軽く治まった場合でも安心せずに、皮膚科の専門医を受診するよう注意を呼び掛けました。

 同学会によると、569人は医師にアレルギーと診断されたケースで、今月4日までの情報を悠香から提供されました。

 厚生労働省には10月17日時点で、発症者が471人に上り、うち66人は救急搬送や入院が必要な重篤な症例であったと悠香から報告されていました。2週間あまりの間に、発症者が約100人増えたことになります。

 悠香の集計とは別に、日本アレルギー学会に設けられた特別委員会が集計したところ、旧製品に含まれる小麦由来成分「グルパール19S」が原因でアレルギーを発症したと六つの病院が確定診断した222人のうち、血圧が低下するなど特に重症化した例が3~5割に上りました。強いかゆみや呼吸困難などは7割以上、まぶたのはれが5割以上でみられました。

 発症者はもともと小麦アレルギーの体質ではありませんでしたが、グルパール19Sが皮膚を通して体内に入り、小麦由来成分に反応する抗体ができました。旧製品を使っただけでは発症しにくいものの、パンやパスタなど小麦を原料とする食品を食べることなどで反応が促され、発症したと考えられるといいます。全身のじんましんや呼吸困難などの重い症状が突然出る割合が高く、旧製品が原因と気付きにくいとしています。

 グルパール19Sは小麦のたんぱく質を薬剤などで分解した成分で、保湿作用があり、毛髪のトリートメントなどに使われました。厚生労働省によると、茶のしずく石鹸など同成分を含む35製品が自主回収されており、現在は製造されていません。

 学会特別委の松永佳世子委員長(藤田保健衛生大教授)は、「化粧品でこれほど大規模なアレルギーが発症した例はない。症状の出ていない人も、心配ならばアレルギーの有無を調べる検査を受けたほうがよい」と述べました。

 同学会のウェブサイト(http://www.jsaweb.jp/)には、検査を受けられる全国の病院が掲載されています。

 2011年11月26日(土)

 

■世界初の人工気管移植、術後4カ月で通常生活に 2例目も実施

 スウェーデン・ストックホルムのカロリンスカ大学病院で今年6月に行われた世界初の人工気管の移植手術の術後経過が順調なことから、2例目の手術を実施したとの報告書が、24日の英医学誌「ランセット」に発表されました。3例目の準備も進んでいるといいます。

 移植第1号となったのは、アイスランド・レイキャビクの大学院で地質学を専攻するエリトリア人の36歳の男性で、末期のがんで気管を切除されました。

 カロリンスカ大学病院のパオロ・マキアリーニ教授のチームは、男性の3Dスキャナー画像を基に気管の切除部分をガラスで再現。表面を男性自身の幹細胞(気管組織の前駆細胞)で覆った上で、気管の骨組み(人工骨格)として移植しました。手術には12時間を要しました。

 男性の術後の経過は順調で、すえに通常の生活に戻っており、この2カ月間は学業にも専念できているといいます。

 さらにマキアリーニ教授は先日、同じくがんで気管を切除した米メリーランド州の30歳の男性に、2例目の人工気管移植を行いました。骨組みはナノ繊維製と、大きく進化したといいます。

 現在は3例目として、生後13カ月の韓国人の乳児への移植を計画しています。

 この手法による移植は、患者本人の幹細胞を使うため、拒絶反応を抑えることができます。また、ドナーによる臓器提供を待つ長蛇の列に並ぶ必要もありません。

 マキアリーニ教授は、「今後も、人工気管の移植のための再生医療の取り組みを向上させ、将来は肺や心臓、食道にも応用していきたい」と述べています。

 2011年11月25日(金)

 

■放射性物質で「乳児用食品」新設 厚労省が年内にも新基準値案

 食品に含まれる放射性物質の暫定基準値に代わる新たな基準値作りを進めている厚生労働省は24日、食品区分に「乳児用食品」を新設し、現行の5分類を4分類に変更することを薬事・食品衛生審議会の放射性物質対策部会に提案、部会は了承しました。

 新たな4分類は「一般食品」と「乳児用食品」「牛乳」「飲料水」。国際的な基準との整合性や、国民のわかりやすさなどを考慮しました。「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」としていた分類を「一般食品」で一本化、一つの区分で管理することを原則とします。一方、特に配慮が必要な「乳児用食品」など3食品群は独立させます。

 厚労省は放射性セシウムの年間被曝限度を現在の5分の1となる1ミリシーベルトとし、厳格化した各分類の具体的な基準値案をまとめ、年内にも同部会に示します。

 24日の部会では、基準値設定にあたり、18歳以下の子供たちの食品摂取量を「1歳未満(乳児)」「1~6歳」「7~12歳」「13~18歳」の四つに分けてきめ細かく調査するほか、13歳以上は成人も含め摂取量の男女差も考慮することを確認。基準値は安全側に立ち、最も厳しい値になるよう設定することで合意しました。

 子供は放射性物質の影響を大人より受けやすいとされる点を考慮。粉ミルクや市販のベビーフードなどを対象に「乳児用食品」を新設します。18歳以下の子供の摂取量が多い「牛乳」とともに基準値を厳しく設定する方向です。

 現在は「牛乳・乳製品」で、牛乳と同じ食品群のチーズやヨーグルトなどの乳製品は、成人の摂取量が多いため「一般食品」に含めます。すべての人が摂取する「飲料水」も、代替品がない上、摂取量が多いことなどから、現行通り独立した食品群とします。

 一方、放射性ヨウ素やウランは食品からの検出がみられないなどとして、基準値を設けないことも決まりました。

 2011年11月24日(木)

 

■献血未経験の56パーセントが無関心 厚労省の10~20歳代調査

 献血をした経験がない10~20歳代の若者の56・3パーセントは、献血に関心を持っていないことが22日、厚生労働省が公表した献血に対する意識調査でわかりました。

 調査は3回目で2005年は47・8パーセント、2008年は54・2パーセント。関心の低下傾向が続いていることについて、厚労省の担当者は「高校での集団献血や献血バスが減ったことで、献血事業を目にする切っ掛けや情報に触れる機会がないためではないか」と分析しています。

 調査はインターネットで10月、16~29歳の男女の献血経験者と未経験者各5000人、計1万人から回答を得ました。

 献血未経験の理由(複数回答)は、「針を刺すのが怖くて嫌」が27・7パーセントで最多で、「何となく不安」、「時間がかかりそう」と続きました。

 厚労省の担当者は「若者の献血離れを放置すれば、血液不足は避けられない」とし、インターネットを通じた若年層に向けた情報発信や、手軽な200ミリリットル献血を勧めるなどの対策を取りたいといいます。

 厚労省によると、10~20歳代の献血率は1980年代まで15〜20パーセントで推移していました。その後、年々減少し、近年は6〜8パーセント。若いうちに献血を経験しない人は成人後も献血しない傾向があるとされ、少子高齢化の中で将来の血液確保が困難になる懸念が高まっています。

 2011年11月23日(水)

 

■温室効果ガス濃度、史上最高レベルを更新 世界気象機関が発表

 世界気象機関(WMO)は21日、地球温暖化の主要因となっている温室効果ガスの平均濃度が2010年、史上最高レベルに達したとする報告書を発表しました。

 WMOによると、温暖化への影響が最も大きい温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)の濃度は2009~10年の1年間で2・3ppm増えて389・0ppmとなりました。これは過去10年間の平均増加量2・0ppmを上回るペース。

 報告書の発表に伴い、ミシェル・ジャロー事務局長は「人的活動を原因とする大気中の温室効果ガス濃度は、産業革命以後で再び最高値を更新した」と語りました。

 代表的な温室効果ガスは二酸化炭素のほか、畜産活動やごみ埋め立て地などを排出源とするメタン(CH4)があり、これにバイオマスエネルギーや窒素肥料など人的活動と自然要因の双方を排出源とする一酸化二窒素(N2O)が続きます。

 WMOの報告書によると、2009~10年のメタン濃度も前年から5ppb(0・28%)増え1808ppbとなりました。永久凍土の溶解や、熱帯地域の湿地帯での排出増加が原因とみられます。メタン濃度は1999年から2006年の間、比較的安定していましたが、2007年から4年連続で増加中。

 二酸化炭素、メタン同様、一酸化二窒素の濃度も0・8ppb増加して323・2ppbとなりました。産業革命が始まった1750年以前との比較では、現在の大気中濃度は二酸化炭素が39%、メタンが158%、一酸化二窒素は20%高くなっている。

 これらの数値について、ジャロー事務局長は、「もし温室効果ガスの抑制に現在、成功したとしても、すでにその影響は今後数10年間の地球環境と気候におよぶだろう」と警告。温室効果ガスと地球上の生物や大洋の複雑な問題について、より一層深い理解を求めました。

 2011年11月22日(火)

 

■コメ汚染に落ち葉原因説 二本松市の水田を東大が調査

 福島県二本松市の水田1カ所で栽培されたコメから9月、周辺より特に高い1キログラム当たり500ベクレル(国の暫定基準値と同数値)の放射性セシウムが検出された問題で、この水田のイネは、通常とは逆に、穂に近い新しい葉ほど放射性セシウムの濃度が高かったことが、東京大大学院の根本圭介教授(栽培学)の研究で20日までにわかりました。

 新しい葉は7月末~8月の夏場に育ったもので、東京電力福島第一原発事故で放出された高濃度の放射性セシウムが付着した裏山の落ち葉が、夏の暑い時期に腐食が進んで分解され、水に溶けて水田に流れ込んだと根本教授は推測しています。これまでの福島県の調査などでは、放射性物質を吸着しにくい砂に近い土壌が原因と考えられていましたが、新たに「落ち葉原因説」が浮かび上がった形です。

 根本教授は、この水田のイネの葉や茎を詳細に調査。葉に含まれる放射性セシウムは、穂に近い一番上の葉が最も高く、下の葉になるほど数値が低くなりました。一番上の葉は、数値が最も低い葉の約3倍の濃度でした。茎でもほぼ同様の結果でした。通常は、後から育った上の葉ほど数値が低くなる傾向があるといいます。

 福島県によると、この水田は裏山が迫る地形で原発事故発生時、広葉樹の落ち葉が山一面に積もっていました。今月、1キログラム当たり630ベクレルの放射性セシウムが検出された福島市大波地区の水田も似た地形とされます。根本教授は、「詳しく調べる必要がある。高濃度が検出された環境を比較して共通項を調べれば、汚染を未然に防ぐことができるかもしれない」と話しています。

 500ベクレルが検出された二本松市の水田を所有する男性は、「豊富な栄養を含んだ山の水が流れ込むのがこの田のいいところだったが、落ち葉が原因とすれば裏目に出た形だ」と話しました。

 また、根本教授は、高濃度に汚染された土壌でイネを育て、イネの品種や土壌の種類によって放射性セシウムがどの程度吸収されるかも研究。品種では、国内で多く栽培されているジャポニカ種よりも、長粒のインディカ種で放射性セシウム吸収が少なくなりました。土壌については、粘土質の多い「灰色低地土」で育てたイネの吸収率は、粘土質の少ない「褐色森林土」の10分の1でした。

 2011年11月21日(月)

 

■禁煙動機は増税、「健康のため」の2倍超 ネット調査

 禁煙に挑戦した人が昨年10月のたばこ税の増税前に比べて増え、理由は「増税」が前回調査で最多だった「健康のため」を大きく引き離したことが、製薬会社のファイザーが喫煙者に実施したアンケートでわかりました。

 公共施設の完全禁煙化に対しても賛成派が反対派を上回るなど、禁煙意識の浸透が進んでいます。

 増税が喫煙者に与えた影響を分析するため、ファイザーが今年8月、全国の9400人に対してインターネット調査を実施しました。

 群馬県の場合、調査に回答した約150人のうち、1年間で禁煙に挑戦した人の割合は34・9パーセントと、09年に行った前回の調査結果から約15ポイント上昇。成功率も約3ポイント上昇の43・1パーセントとなりました。

 禁煙に挑戦した理由(複数回答)は「たばこの価格が値上がりしたから」が最多で84・3パーセントを占め、前回調査で最も多かった「自分の将来の健康が気になって」は39・2パーセントにとどまりました。さらに値上げした場合、「禁煙の切っ掛けにする」と答えた人のうち44・6パーセントは、禁煙を考える価格を500円と回答。800円では90パーセント近くに上りました。

 喫煙に対する意識にも変化がみられました。公共施設の禁煙化については、前回調査で賛成29・7パーセント、反対42・6パーセントだったのに対し、今回調査では賛成が40・4パーセントと反対派を11・6ポイント上回る結果に。「増税後、住んでいる地域でたばこを吸いづらいと感じるようになった」と答えた人も61・7パーセントおり、喫煙者が周囲の目を気にするようになっていることがうかがえます。

 一方で、禁煙に挑戦した51人のうち、半数以上は「失敗した」と回答。理由には「禁煙中のイライラに耐えられなかった」「ストレスを解消したかった」などが挙がっています。

 調査結果について、NPO法人日本禁煙学会の作田学理事長は「増税は禁煙意識を高めたが、実現は難しく、成功するには医師の適切な指導と治療が必要」としています。

 2011年11月20日(日)

 

■米で乳がん治療薬アバスチンの承認取り消し 高血圧など副作用の恐れ

 米食品医薬品局(FDA)は18日、新しいタイプの抗がん剤アバスチン(一般名ベバシズマブ)を乳がん患者に使う承認を取り消すと発表しました。

 新たな臨床試験の結果、高血圧や心臓発作などの副作用の恐れがある一方で、明確な延命効果が確認できなかったことが理由。この薬は大腸がんや肺がんでも承認されていますが、今回の取り消しは乳がんだけが対象。

 スイス大手の医薬品会社・ロシュが製造するアバスチンは、日本でも07年に大腸がんに対して承認され、今年9月には手術不能または再発乳がんに対して追加承認を受けています。

 アバスチンは、がん細胞に酸素や栄養を送る血管ができるのを抑える「血管新生阻害薬」として開発された点滴薬。米紙ワシントン・ポストなどによると、世界で最も多く販売されている抗がん剤で、年間売り上げは68億ドル(約5200億円)に上ります。日本では2007年から中外製薬が販売しています。

 FDAは08年に、緊急性が高い薬の申請に適用される迅速承認制度のもと追加の臨床試験を実施するとの条件付きで、一部の乳がんでの使用を認可。その後、専門家でつくる諮問委員会が、効果より副作用の危険のほうが大きいと勧告し議論が続いていました。

 FDAの決定に、米国内の患者団体からは「効果が出ている乳がん患者がいるにもかかわらず、FDAは事実を無視している」などと反発の声が出ています。承認が取り消されても乳がん治療への使用は禁止されませんが、保険が適用されなくなる可能性があり、効果があると主張する医師などからも批判の声も上がっています。

 一方、ロシュ社の広報担当者は、「FDAの決定に異議を申し立てる考えはなく、アバスチンがどのような乳がん患者に最も効果があるのかを見極めるための研究を続けていく」と述べました。

 2011年11月19日(土)

 

■神奈川県、未承認ワクチンの輸入を開始 ポリオ予防接種で

 神奈川県は16日、ポリオ(小児まひ)の予防接種で、現行の生ワクチンより安全性が高いとされる国内未承認の不活化ワクチンの輸入手続きを始めたと発表しました。11月中に予約を始め、12月中旬に県内の保健福祉事務所で接種を始めます。

 接種を担当する独立行政法人「県立病院機構」で医師と会場を確保できる見通しが立ったことから、独自の輸入を開始したもので、まず1カ月分として1200本を輸入し、追加が必要になり次第、その都度輸入するとしています。

 県内在住の生後3カ月~18カ月未満の乳幼児が対象。けいれんやぜんそく、アトピーといった基礎疾患などがある乳幼児は対象外で、1回6000円。保健福祉事務所3カ所で、それぞれ週1回程度行います。

 申し込みは、県立病院機構が専用窓口を設置し、郵便はがきで受け付けます。電話で乳幼児の健康状態を相談した上で、接種日と場所を連絡します。

 県は健康被害が出た場合の補償制度は設けません。国内未承認のため、県立病院機構が、フランスのワクチンメーカー「サノフィパスツール」の不活化ワクチンを個人輸入します。県によると、日本で最も多く使われている不活化ワクチンといいます。

 黒岩祐治知事は「早期承認か緊急輸入を要望しているが、国は何もやらないので仕方なくやる」と現状に不満をあらわにした上で、万が一の事故に対して補償がないことに触れ、「副作用はほとんどなく、私は不活化ワクチンを打ったほうがいいと思っている。万が一の場合には、県として誠実に対応する」と話しました。

 ポリオワクチンは海外では不活化ワクチンが主流ですが、国内で公費負担の定期接種として認められているのは生ワクチンのみ。この生ワクチンには、毒性を弱めた生きたウイルスが入っているため、接種によりまれにまひが起こることがあるとの不安から、安全性の高い不活化ワクチンへの移行まで定期接種を控える動きが保護者の間にあります。

 厚労省によると、ポリオの予防接種が原因とされるポリオの認定患者は平成13年度からの10年間で15人。100万人当たり約1・4人の割合で発生していることになります。国は15人を予防接種による健康被害の救済制度で補償しているのに対して、不活化ワクチンを輸入する医療機関で全額自己負担で接種した場合は救済の対象外となります。

 同省は、ウイルスを無毒化した不活化ワクチンの導入を進めていますが、メーカーの承認申請は年末になる見込みで、導入は早くても平成24年度の終わりごろになります。

 2011年11月18日(金)

 

■福島市産コメから初の規制値超すセシウム 出荷自粛要請

 福島県は16日夜、福島市大波地区の農家が生産し、今秋収穫されたコメから国の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表しました。東京電力福島第一原子力発電所事故後、コメの規制値超えは初めて。

 関係者によると、大波地区の農家が1カ所の水田で収穫したコメについて今月14日、農協に放射性物質の検査を依頼したところ、簡易検査で国の暫定基準値を超える放射性セシウムの値が検出されました。このため福島県が改めて検査したところ、玄米から1キログラム当たり630ベクレルの放射性セシウムが検出されたということです。

 検出された農家が収穫したコメは、今年度およそ840キログラムあるということですが、市場には流通していません。検査結果を受けて福島県は、この農家の水田を含む大波地区の今年度のコメの出荷を見合わせるよう要請しました。

 同県産のコメを巡っては、9月に二本松市での予備調査で規制値と同じ500ベクレルが検出されましたが、作付けが行われたすべての市町村の一般米のサンプルを対象にした本調査では10月12日、いずれも放射性物質が検出されないか、暫定規制値を下回ったことを確認。同県の佐藤雄平知事は、「県産米の安全性が確認された」と宣言していました。

 本調査では、大波地区に当たる旧小国村でも2か所で検査が行われましたが、放射性セシウムは国の暫定基準値を大幅に下回る1キログラム当たり33ベクレルと28ベクレルしか検出されず、県はこの地区のコメの出荷を認めていました。県では、この農家を含めた大波地区の農家154戸について、さらに詳しい調査を行うとともに原因を調べることにしています。

 2011年11月16日(水)

 

■茶のしずく石鹸のアレルギー発症者471人に 66人は重篤

 延べ約467万人に約4600万個販売され、小麦由来成分による重いアレルギー症状を引き起こすとして自主回収中の悠香(福岡県)の「茶のしずく石鹸(せっけん)」の旧商品を巡り、発症者が471人に上ることが、厚生労働省のまとめでわかりました。うち66人は救急搬送や入院が必要な重篤な症例で、一時意識不明に陥った例もありました。

 14日にあった厚労省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会で、10月17日までに悠香から報告のあった件数が示されました。一方、日本アレルギー学会には1000件を超す症例が報告されているといい、被害件数は増える可能性があります。

 症例は、全身の腫れや呼吸困難など。小麦アレルギーが元々なかった人も、アレルギーの原因物質が目や鼻の粘膜などに毎日少しずつ付着することで、発症することがあるといいます。原因となった小麦由来成分は様々な石鹸や化粧品で使われていますが、悠香の自主回収の後、悠香と同じ小麦由来成分を使っていた10社が33商品計380万個余を自主回収しています。

 一方、各地の消費生活センターには14日現在、健康被害の相談が936件寄せられています。「昨年11月と今年2月に呼吸困難の発作を起こし、意識不明の重体になった」(兵庫県・60歳代女性)、「食後に胃痛がしてじんましんが出る」(岩手県・20歳代女性)、「パンなどを食べた後に運動をすると両目の腫れやじんましんの症状が出る」(熊本県・40歳代女性)などです。

 また、この問題に詳しい国立病院機構相模原病院(神奈川県相模原市)の福冨友馬医師によると、日本アレルギー学会に報告された症例は、医師の診断書つきが約300件、自己申告が約900件に上ります。アレルギー症状は問題の石鹸を使うのをやめると改善に向かいますが、根本的な治療方法は見付かっていないといいます。

 北海道、東京、愛知、大阪、福岡など13都道府県で被害弁護団が結成され、仙台地裁では損害賠償を求める訴訟が起きています。

 また、14日の厚労省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会では、「茶のしずく石鹸」の旧商品以外に、小麦由来成分を含むせっけんやシャンプーなどでも7人のアレルギー症例が報告されたことが示されました。うち4例の小麦由来成分は、「茶のしずく石鹸」とは異なります。それによると、7人は不明分を除いて10~40歳代の女性。小麦を含む食品を食べて運動した後などに、じんましんや皮膚炎、急激な血圧低下などの症状が現れました。

 「茶のしずく石鹸」と異なる小麦由来成分を使っていた4例は、ヘアトリートメントとシャンプーが2例ずつ。商品名は公表されておらず、いずれも自主回収はされていません。

 同じ小麦由来成分を使っていた2例はともに自主回収中のせっけんで、1例がコスメナチュラルズ(東京)の「サヴォン アンベリール」と「サヴォン アンベリール ノワール」。もう1例がフェニックス(奈良)の「はちみつクレンジングソープP」。残り1例は、小麦由来成分が同じかどうか不明。

 厚労省は昨年10月、製造販売業者に対して都道府県を通じて、小麦由来成分を使った化粧品などの製品に注意事項を記載するよう求める通知を出しています。また、今年9月にも同様の通知を出すなどして、注意喚起を行っていました。

 悠香はお客様窓口(0120・112・266)で、交換返品や被害の相談に応じています。日本アレルギー学会は10月、「茶のしずく石鹸」によるアレルギーの診断基準を公開しました。使用後30分以内にかゆみや鼻水が出る、小麦を食べると目や顔のかゆみ・腫れが出る、など。診断できる医療機関もホームページ(http://www.allergy.go.jp/allergy/flour/003.html)で公開しています。

 2011年11月15日(火)

 

■「冬季うつ病」にご注意 日照時間の短さが誘発

 日に日に秋が深まり、冬の訪れを感じさせるこの季節には、「冬季うつ病」に注意したいものです。秋、冬になると意欲低下など抑うつ症状に悩まされる病気で、日照時間の短さが発症に関係しており、治療でも強い光を浴びる「光療法」が行われます。冬を乗り切るために、生活に光を取り入れましょう。

 冬季うつ病は秋冬うつ病ともいわれており、10~11月ごろに抑うつ症状が始まって、1~2月ごろに症状が重くなり、3月になると次第に軽くなっていくというサイクルを繰り返します。

 症状が軽い場合は、春になると自然に治ってしまうので、病気を自覚していない人もいますが、症状が重いと日常生活にも支障を来します。過眠、過食の症状がみられるのが特徴で、特に夕方になると眠くなり、過食による体重増加、炭水化物や甘い物を欲する傾向が強まります。「会社に行く気力が出ない」「やる気が出ない」「今まで楽しかったことが楽しめない」など、うつ病に似ている症状もあります。

 患者は20~40歳代の女性が中心。そして、冬が長く厳しい南北の高緯度地域における発症率が高いことから、日照時間が短くなることに原因があると考えられています。もともと、うつ病は日照時間との関係が強く、北欧や北海道のような高緯度地域の人ほど多くみられ、低緯度地域の人はあまりうつ病になりません。

 発症のメカニズムはまだよくわかっていないところもありますが、体内時計をつかさどるメラトニンの分泌の変化が原因という説があります。脳の中央部にある松果体が産生するホルモンであるメラトニンは、普通なら夜間に分泌されます。日照時間が短くなることで、その分泌時間が長くなって分泌が過剰になったり、分泌のタイミングが遅れたりするために、体内時計が狂ってしまうのが原因というものです。また、光の刺激が減ることで、神経伝達物質のセロトニンが減り、脳の活動が低下してしまうのが原因という説もあります。

 治療では、強い光を浴びる「高照度光療法」が最もよく行われています。一般的な室内の明るさは1000ルクス以下ですが、この療法では高照度の照明器具を用いて2500~1万ルクスの強い光を、可能であれば毎日朝か夕方、もしくは両方で1~2時間程度浴び、日照時間の短さを補います。この時、時々光を目に入れることが大切。光を浴びる時間帯や頻度から、市販の治療用照明器具を個人で購入し使用する人が多くいます。

 一般的には、効果は1週間程度と短期間で出てきます。重症の人には光療法と併せて、抗うつ薬を用いる場合もあります。しかし、通常のうつ病に効く抗うつ薬は、冬季うつ病にはあまり効果がありません。眠らないで起きている断眠療法が行われることもあります。

 冬季うつ病を予防するには、日当たりの良い住環境を整える、朝の散歩など太陽の光をしっかり浴びる、日中はカーテンをしっかり開けるなど、光を取り込む生活が重要となります。

 程度の差こそあれ、秋冬に気持ちが沈みがちになるのはだれでもあることながら、日常生活に支障を来すようなら問題で、精神科やメンタルクリニック、心療内科などの受診が勧められます。

 2011年11月14日(月)

 

■味に鈍い人は甘み好き、肥満に注意 鳥取県の医師が調査

 基本味の一つ「うま味」に対する感度が低い人は、甘み嗜好が強くて肥満になりやすいことが、鳥取県米子市の山陰労災病院循環器科の水田栄之助医師(37)の調査でわかりました。宇都宮市で10月20日に開かれた日本高血圧学会で発表されました。

 生活習慣病を専門とする水田医師は、糖尿病の患者が作った料理の味付けが濃かったことを切っ掛けに、生活習慣と味覚の関係について興味を持って調査を開始。これまでも、高血圧の原因となる塩分への味覚感度を調べたところ、味覚が鈍い人は知らず知らずのうちに塩分の摂取量を増やしていることを突き止めていました。

 今回は、高血圧を抑えるため食事で減塩を指導する際、一般的にうま味成分を強くするよう指導していることから、うま味に着目。2009~10年、鳥取県内在住の男女48人(平均年齢37・4歳)を対象に調査を実施しました。

 健康診断の受診時に、うま味成分のグルタミン酸ナトリウムを含む調味料を水に溶かして、濃い味から薄味まで濃度を変えて口に入れ、味覚の感度を観察。濃度が0・03パーセントの溶液で味を感じることができた26人と、0・1パーセント以上の濃度にならないと味を感じなかった22人とにグループを分け、それぞれの肥満(体重を身長の2乗で割った指数が25以上)の度合いや病気の有無などを調べました。

 すると、0・03パーセントの濃度で味を感じた26人の肥満度は11・5パーセントだったのに対し、0・1パーセント以上の濃度にならないと味を感じなかった22人では36・4パーセントと高くなりました。

 そこで、それぞれのグループに味の好みを聞き取り調査したところ、0・1パーセント以上のグループは、そうでないグループに比べて甘さに対する嗜好が強い傾向がありました。

 水田医師は、「うま味に対する感度が鈍い人は甘みを好きになる傾向が強く、結果として肥満になる可能性も高い」と分析。さらに、「味覚感度の低下が塩分摂取の増加や肥満を助長させるなど、新たな生活習慣病の危険因子になる可能性がある」として、「患者一人ひとりの味覚を考慮することが、生活習慣病患者の食事療法にも重要になってくる」としています。

 2011年11月13日(日)

 

■「植物状態」でも言葉に反応、脳波で意思伝達可能に カナダの大学が研究

 脳波を検査すれば、実際には意識があるのに永続的な植物状態にあると誤診するケースを防げるとする論文が、10日付の英医学誌ランセット(電子版)で発表されました。携帯可能で安価な診断手法や、意識のある患者と意思疎通を可能にする技術の開発に期待がかかります。

 「昏睡状態」が意識がなく覚醒してもいない状態を指すのに対し、「持続的あるいは永続的な植物状態」は「自己や環境についての意識はないが覚醒した状態」と定義されています。この「持続的な植物状態」は、脳死と異なり法律上は人の死と認められていません。

 カナダ・ウエスタンオンタリオ大学の研究チームは、交通事故や脳卒中で脳を損傷して植物状態になった患者16人と、健康な対照群12人の頭皮に脳波を測定するセンサーを装着し、脳活動に起因する電気信号を記録。

 音が鳴ったら「右手を握りしめた後、ゆるめる場面を想像してみてください」か「両足のつま先を動かした後、ゆるめる場面を想像してみてください」という指示を聞かせ、一定間隔を置いて、指示を100回前後繰り返したところ、患者16人のうち20~40歳代の3人(19パーセント)からは、比較のために実施した健康な人と同じ脳波が検出されました。

 実際には動かすことはできなかったものの、言葉を聞き分け、脳から決められた体の部位を動かすように指示が出ていたとみられます。

 論文は、この実験だけでこれら3人の患者の「内面世界」に関する結論を導き出すことはできないとしながらも、指示を理解し脳内で処理する作業は持続的な注意力を要し、正しい答えを選択し言語を理解するなど、複雑だと付記しました。

 この脳波検査に基づく診断手法は、脳内の血流を監視し植物状態の患者の意識を探る実験にも用いられてきた機能的磁気共鳴画像法(fMRI)ほど高感度ではないと考えられています。だが、fMRIスキャナーは極めて高価なうえ、交通事故で脳を激しく損傷した場合など体内に金属が入った患者には使用できません。

 ウエスタンオンタリオ大の研究者らは脳波診断について、「安価で携帯可能なため広く活用でき、客観的な結果が示される手法だ」と話しています。診断の精度を向上させ、全身が麻痺していても意識のある患者と意思疎通を図ることも可能になるかもしれないといいます。

 心的イメージの差異をリアルタイムで分類できるよう改良が進めば、単にイエスかノーかの回答にとどまらず、表現豊かな双方向のコミュニケーションが可能になるだろうと、論文は締めくくっています。

 2011年11月12日(土)

 

■ES細胞から下垂体の形成に世界で初めて成功 理研・名古屋大

 さまざまな組織の細胞になることができる胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から、立体的な下垂体を作ることに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)と名古屋大の研究チームがマウスを使って成功したと発表しました。再生医療の臨床応用に近付く成果で、10日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載されました。

 下垂体は脳の一部の間脳に接し、副腎皮質刺激ホルモンや成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモンなど生命の維持や成長に必要な多様なホルモンを放出する内分泌の中枢器官で、人間では直径1センチ程度。視床下部など2つの組織が相互に作用して発生に必要な環境ができるため、ES細胞などの幹細胞で作ることは困難でした。

 理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹グループディレクターは、「複数組織の働きで形成される臓器を作ったのは世界で初めて」としています。

 研究チームは、マウスのES細胞1万個を容器内に浮かべて培養し、形成を誘導するために間脳の物質に似た化合物を加えました。すると脳の一部の視床下部と口腔外胚葉という2つの組織の塊が形成され、組織の相互作用により約20日間で下垂体が形成されました。その後、ES細胞から作った下垂体を、下垂体をあらかじめ除去したマウスに移植。ホルモン調節が正常に作用することを確かめました。

 下垂体を除去したマウスは活動が落ち、8週間後までにすべて死んだのに対し、下垂体を移植したマウスは元気さを取り戻し、85パーセントが生き残りました。

 今後、ホルモン分泌が低下する疾病などに応用が期待できるといいます。理研の笹井グループディレクターは、「同様の培養方法で、肺や腸管など、より複雑な器官をES細胞から作り出すことも可能であると示した」と話しています。

 2011年11月11日(金)

 

■運転経歴証明書、生涯有効に 運転免許証代わりの身分証

 運転免許証を返納した高齢者らが希望すればもらえる「運転経歴証明書」について、警察庁は10日、交付後6カ月に限られている有効期間を住所変更を義務づけることで撤廃し、公的な身分証明書として生涯使えるようにする方針を決めました。

 今後、一般からの意見も募った上で、関係する規則の改正などを進めます。来年4月から新しい運転経歴証明書を交付する予定。

 運転経歴証明書は、金融機関で口座を開いたり携帯電話を買ったりする際、旅券などと同様に本人確認の書類として使えます。しかし、有効期間は発行から6カ月間に限られ、「いつまでも使える身分証明書にしてほしい」との要望が出ていました。

 運転免許証の返納制度は、高齢運転者の死亡事故を減らそうと1998年に始まりましたが、「身分を証明するものがなくなる」などの理由で返納が進みませんでした。このため2002年から、免許証に代わるものとして、都道府県の公安委員会が運転経歴証明書を渡し始めました。

 ところが、テロ資金の封じ込めや犯罪組織の資金洗浄対策を強化する取り組みの中で、2003年に金融機関などに提出する身分証明書の要件が厳格化され、住所変更などの届け出が義務づけられていない運転経歴証明書は、公的な身分証明書としては交付後6カ月間しか使えなくなりました。

 それでも、運転免許証の返納者に対するバスやタクシーの運賃割引など、さまざまなサービスが各地で始まり、交付申請は年々増加。運転経歴証明書は運転免許証を自主返納すると手数料1000円で発行が可能で、2010年には65歳以上の6万3159人が運転免許証を返納し、うち2万5088人が受け取っており、制度の改善を求める声は高まっていました。

 警察庁は、身分証明書としての信頼性を高めるために、犯罪収益移転防止法施行規則などを改正し、運転経歴証明書を公的な身分証明書として位置づける予定です。また、運転経歴証明書の交付申請の期限も運転免許証返納後1カ月以内から5年以内までに延長し、再交付や住所の変更についても新たに対応します。

 警察庁では、「運転経歴証明書の身分証明書としての機能に実効性を持たせることで、運転免許証の自主返納がさらに促進されることを期待したい」と話しています。

 2011年11月10日(木)

 

■高度な医療行為もできる「特定看護師」導入へ 厚労省が骨子案

 厚生労働省は7日、高い能力と実務経験を持つ看護師に、医師の補助として高度な医療行為を認める「特定看護師(仮称)」の導入を決め、具体的な基準を盛り込んだ骨子案を検討会に示しました。

 特定看護師が実施可能な医療行為(特定行為)は、床ずれで壊死した組織の切除や、脱水した場合の点滴開始の判断などが想定されていますが、詳細は今後検討していきます。

 厚労省は、看護師など医療スタッフの役割を広げ、連携して治療に当たる「チーム医療」を推進しており、今回の制度導入はその一環。背景には、医療の高度化や患者の高齢化で、医療現場の負担が増えていることがあります。高い能力を持つ看護師が医療の一部を担うことで、質の高い医療を広く提供することを狙いとしています。

 看護師の医療行為については、現行法でも医師の指示の下、診療の補助として行われているものもありますが、補助の範囲があいまいで、医療機関によって実施内容が異なっていました。

 新制度では、特定看護師が行える「特定行為」を定義し、法律上に明確に位置づけます。5年以上の実務経験があり、8カ月~2年程度の専門研修を受けて国家試験に合格し、特定能力認証を受けた特定看護師は、医師の事前の指示に従えば、自主的な判断で「特定行為」を行うことを可能にします。

 厚労省は保健師助産師看護師法改正案を来年の通常国会に提出、早ければ2013年(平成25年)度の開始を目指します。

 ただ、「特定行為」の具体的内容を巡っては、この日開かれた厚労省の検討会でも、委員から「法律で明確に規定することで、現在看護師が行っている医療行為が行えなくなる可能性もあり現場が混乱する」などの意見も出されました。日本医師会などは「患者への安全性が損なわれる」などとして、特定看護師の導入自体に反対しており、議論は今後も続きそうです。

 2011年11月9日(水)

 

■がん細胞を近赤外線で退治 マウスで成功、副作用なし

 近赤外線を当てる方法で、他の細胞を傷つけずにがん細胞だけを退治することに、米国立衛生研究所(NIH)の小林久隆主任研究員らのチームがマウスを使った実験で成功、6日付の米医学誌ネイチャーメディシン(電子版)に発表しました。

 がん治療には外科手術のほか、放射線照射や抗がん剤投与などがありますが、チームが開発した方法は正常な細胞は傷つけず、効率的にがん細胞だけを破壊できて副作用が小さいとして、2~3年以内の臨床応用を目指しています。

 チームは、主にがん細胞に存在するタンパク質と結び付きやすい「抗体」に注目。この抗体に、特定の波長(0・7マイクロメートル)の近赤外線で発熱する化学物質を取り付け、悪性がんを移植したマウスに注射しました。

 翌日と翌々日に、がんがある部位に体外から近赤外線を15~30分間照射しました。これを1週間おきに4回、計8回繰り返すと、がん細胞の細胞膜が破壊され、10匹中8匹でがんが消滅し、1年以上も生存しました。がんの再発もなかったといいます。

 一方、抗体注射と近赤外線照射のどちらかだけを施したマウスや何もしなかったマウスは、すべてが3週間以内にがんで死にました。複数の種類のがんで同様の効果を確認。注射された抗体ががん細胞と結び付き、照射によって化学物質が発する熱で衝撃波が発生、がん細胞だけを壊したと結論付けました。

 がんに対する光治療には、今回と波長の異なる光を当てる方法がありますが、やけどをしたり、光を受け止める物質ががん細胞以外にも結び付いたりするなど、健康な細胞への影響が避けられませんでした。

 近赤外線を使う新しい方法では、抗体がわずかに正常細胞に結び付いても、光の強さを調節することでがん細胞だけ破壊できます。また、テレビなどのリモコンや携帯電話の通信に使われる近赤外線自体が無害なため、繰り返し照射でき、体表から5~10センチ程度の深さまで届くといいます。

 チームの小林主任研究員は、「抗体は、肺、乳、前立腺、大腸、卵巣、白血病、悪性リンパ腫などさまざまながんに使えるものが承認されており、数年以内に臨床応用を実現させたい。がん細胞が血中を移動する転移がんでも、それに結び付く抗体が見付かれば応用できる」と話しています。

 2011年11月8日(火)

 

■美容医療のホームページ規制へ 料金などトラブル多発

 美容医療などを行う医療機関のホームページの不適切な情報でトラブルが起きているとして、厚生労働省は4日、ホームページに掲載する内容の指針をつくり、行政指導の対象とする方針を固めました。

 公的な医療保険が適用されない自由診療を実施している医療機関を対象に、年度内にも指針をまとめたいとしています。

 医療機関の広告は安全でトラブルのない診療を行うため、医療法によってその表現が規制されており、記載項目を医師の氏名や診療科名などに限定しています。医療機関のホームページは「情報を得たい人が自ら検索して閲覧するもので広告には当たらない」として、医療法の規制の対象外になっています。

 しかし、料金などを巡るトラブルが、脱毛や脂肪吸引などの分野で多発。ホームページ上の料金の手術を希望したのに「その方法は、仕上がりが悪い」と説明され、表示より何倍も高い手術を強引に勧められたなどの苦情が出ています。このため、消費者庁が昨夏、トラブル防止への対応を厚労省に求めていました。

 専門家による厚労省の検討会では、すべての医療機関のホームページを一律に規制するのではなく、自由診療を中心にした指針をつくって、記載項目を規制する方向で大筋まとまりました。

 指針の項目には、治療内容や費用をわかりやすく記載、リスクや副作用も併記、限られた成功事例を紹介して効果を強調しない、「キャンペーン中」などの表現は使わない、などを想定しています。

 国民生活センターによると、全国の消費生活センターには2009年度までの5年間に、美容医療サービスの広告などに関する相談は2996件寄せられています。

 2011年11月7日(月)

 

■簡単検査でアスピリンぜんそく判定、最短90分で 群馬の研究所

 解熱・鎮痛剤などに使われるアスピリンが、ぜんそくを誘発する「アスピリンぜんそく」。医療法人群馬アレルギーぜんそく研究所(邑楽町)は、簡単な検査で、アスピリンぜんそく患者かどうかを見分ける方法を開発したと発表しました。10日から始まる日本アレルギー学会で報告する予定。

 同研究所によると、国内の気管支ぜんそく患者300万人のうち、約30万人がアスピリンぜんそくとみられます。呼吸困難で死に至ることもあります。30~50歳代に発症することが多く、男女比は2対3と女性に多くみられます。アスピリンだけでなく、非ステロイド性抗炎症薬(市販品ならバファリン、セデス、ノーシン)や、非ステロイド性抗炎症薬が含まれる注射薬、座薬、湿布や塗り薬などで誘発されます。

 従来、アスピリンぜんそくと診断するには、アスピリンを実際に投与して反応をみるしかありませんでした。

 「危険がなく、負担のかからない検査を」と考案されたのが、口内の粘膜を綿棒でこすり取り、遺伝子で判別する方法。黒沢元博所長らは、肝臓で薬物を分解する酵素に着目。アスピリンぜんそくの患者の多くは、遺伝子の一部が変異していることがわかりました。年齢や性別などの要素も加えて解析すれば、誤差は1パーセント程度で、最短で90分ほどで診断できるといいます。

 阿部修三・専任研究員は、「今後は、ほかの遺伝子の変異との関係も調べ、診断の精度を上げたい」と話しています。

 同研究所では、アスピリンぜんそくの検査を無料で行っています。問い合わせは研究所(0276・91・8500)へ。

 2011年11月6日(日)

 

■口の中の異常、8割以上は治療せず 日本歯科医師会ネット

 歯や口内に異常を感じていながら治療を受けていない人が8割を越えることが、日本歯科医師会の「歯科医療に関する一般生活者意識調査」で判明しました。今年7月前半に、全国の20~70歳代の男女計1万4000人にインターネットで聞きました。

 全体の半数以上となる55・0パーセントが「歯や口腔に異常を感じている」と回答している一方、異常を感じていても現在治療を受けている人は2割にも満たない16・2パーセントと低い結果となりました。「異常を感じても治療をしていない」「治療を始めたが中断している」「過去に治療を行ったが、現在は治療していない」を合わせて、8割以上が口の中の異常を「ほったらかし」にしているのが実態です。

 治療をしていない、または治療を中断している理由としては、「悪いところがないから」(40・2パーセント)、「痛みを感じるなど、ひどい状況ではないから」(22・6パーセント)、「治療を受ける必要がないから」(15・8パーセント)などが挙がっており、自己判断によって治療を受けないケースが多いようです。

 これまでに歯科治療を経験したことのある人は1万3603人おり、このうち75パーセントは歯科医師や歯科医院に「満足」と答えました。その理由(複数回答)の上位は、「治療の丁寧さや技術力」(45パーセント)、「スタッフの対応の良さ」(42パーセント)。反対に、「不満」と答えた人の50パーセントは、「治療が雑」を理由に挙げました。

 歯科医院を受診する切っ掛けを聞いた質問では、「痛み・はれ・出血があったから」(45・8パーセント)、「過去の治療個所に不具合が生じたから」(30・3パーセント)などが上位に挙がっており、歯科を受診するサインとして「痛み」を挙げる傾向にあるようです。「痛い」「我慢できない」などの症状が現れて、ようやく受診するという行動がうかがえます。

 一方、年齢が高くなるほど、歯石除去やクリーニング、歯・口内チェックなどや病気予防のために歯科を受診する人が増えています。

 年齢が高くなるほど、「掛かり付けの歯科医がいる」と回答している割合も高くなる傾向にあり、男性の70歳代は88・1パーセント、女性の70歳代は86・7パーセントで掛かり付け歯科医がいます。60歳代から若年齢になるほどその割合は低くなる傾向にあり、男性の20歳代では36・2パーセント、男性の30歳代では44・9パーセントと半数を下回っています。「掛かり付けの歯科医がいる」と回答した全体の割合は、64・5パーセント。

 いくつかの代表的な項目を挙げて、定期健診の重要性や歯の状態が身体に及ぼす影響に関して聞いた質問では、「定期的な健診が虫歯や歯周病の予防につながる」「歯並びや噛み合わせの悪さが、歯の病気の原因になる」「虫歯予防にはフッ素が効果的」「歯科疾患と全身の病気の密接な関係」といった項目で認知率が高く、いずれも8割以上の認知を得ていることがわかりました。

 しかし、これらの項目についてどの程度の理解があるかを尋ねた質問では、「詳しく知っている」という割合が低く、多くの場合が「聞いたことがある程度」と回答していることもわかりました。

 2011年11月5日(土)

 

■心の健康、企業の関心高まる 中小企業への普及が課題

 職場で「心の病」が増える中、精神科医ら専門スタッフが心の健康をサポートする「従業員支援プログラム(EAP)」への企業の関心が高まっています。厚生労働省も同プログラムの活用を促しており、京都市では同プログラムを提供する民間団体が発足しました。一方、京都に多い中小企業でどう導入を進めるかが課題となっています。

 従業員支援プログラムは事業所が精神科医や産業カウンセラーを雇ったり、専門スタッフをそろえた外部機関と契約するなどして、従業員の相談や職場復帰の支援などを行うメンタルヘルスサービス。厚労省は2006年策定のメンタルヘルス対策指針で、同プログラムの推進を呼び掛けています。

 産業医や精神科医らでつくる「日本EAP協会」(大阪市)によると、日本でも外資系企業を中心に同プログラムを積極的に取り入れる企業が増えているといいます。京都市では昨年、契約者に対して専門スタッフによるカウンセリングなどを行うNPO法人「メンタルサポート京都」(中京区)が発足、同プログラムを提供する環境は整いつつあります。

 大企業に比べ、中小企業では費用面が課題となって導入が遅れています。同プログラム提供事業に取り組む産業カウンセラーの大槻久美子さん(43)は「零細企業では体調を崩した社員の復職を待つより、退職させた上で新たな人材を雇うケースが多い」と指摘します。

 メンタルサポート京都は中小の事業所向けに利用料を値下げし、心の健康対策を学ぶ無料研修サービスも今春から始めました。山村隆事務局長(60)は「雇う側は心のケアへの理解を深めてほしい。行政も小規模事業者の導入負担を援助するなどの施策が必要」と話しています。

 同プログラムを導入する企業のメリットは、メンタルヘルス対策を人事労務管理から切り離し、外注化することでコストダウンが図れることにあります。また、従業員のメリットとしては、プライバシーが確実に守れるため、会社に自分の弱みを握られる恐れがなく、安心して悩みを相談できることです。

 厚生労働省によると、うつ病などの精神疾患に伴う労災補償の請求件数は、昨年度は1181件(うち支給決定308件)に上り、2年連続で過去最多を記録。業種別では製造業が最多の18パーセント、卸売・小売業17パーセント、医療・福祉14パーセントなど。年代別では30歳代が33パーセント、40歳代が28パーセントなどとなっています。

 2011年11月4日(金)

 

■処方薬へのポイント、原則禁止に 厚労省、値引きと認定

 厚生労働省は2日、処方薬を購入する際に一部の調剤薬局が付与しているポイントについて、原則禁止することを決めました。同日の中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)で了承されました。

 「処方薬には公的な保険財源が使われており、医療保険制度上、ふさわしくない」と判断しました。保険医療の規則を定めた省令を改正し、来年4月から実施します。

 ポイントサービスは金額の1パーセント程度を発行カードに付与し、別の買い物の支払いに利用できます。禁止したのは、医師の処方箋をもとにした処方薬のみで、市販薬は禁止対象外。

 健康保険法では、処方薬の値引きは価格競争の激化を招く上、結果的に医療給付費の増大につながることから禁止されており、全国一律の価格になっています。ただ、患者の支払いにポイントを付けることを禁じる規定はなく、大型小売店などが導入しているポイントカードと同じ仕組みを一部のドラッグストアが昨夏ごろから採用。マツモトキヨシや流通大手イオン内の薬局なども追随して、普及し始めていました。

 これに対し、中小の調剤薬局の薬剤師が多く加盟する日本薬剤師会などが「実質値引きに当たる。ドラッグストアの利用者だけが恩恵を受けるのは不公平」と反対していました。

 2011年11月3日(木)

 

■「謎の頭痛」の脳脊髄液減少症に、初の診断基準

 交通事故や転倒を切っ掛けに、激しい頭痛やめまいなどが続く「脳脊髄液減少症」について、厚生労働省の研究班が診断指針を作りました。患者は全国に数万~数十万人いると推定されますが、「原因不明の頭痛」などと片付けられがちでした。初めて統一の診断指針ができたことで、患者救済へ一歩前進となります。

 脳脊髄液減少症は、頭部への強い衝撃などで、脳や脊髄を覆う硬膜に穴が開き、中の髄液が漏れることで発症すると考えられています。症状は激しい頭痛のほか、吐き気、めまい、視力低下などさまざま。しかし、適切な診断、治療が受けられず、周囲から理解されない症状に長期間、苦しむ人たちが少なくありませんでした。また、詳細な原因や診断法がはっきりせず、医師の間でも、病気として認めるかどうか考えに開きがありました。

 厚労省の研究班は2007年、統一した診断や治療の指針作りに着手。立ち上がった際に頭痛があることを前提に、MRI(磁気共鳴断層撮影装置)やCT(コンピューター断層撮影)で髄液の漏れを特定する画像判定の基準を作ったほか、各検査の結果を組み合わせて診断する仕組みも盛り込みました。また、一部で行われている放射性物質を加えた薬剤による検査については、精度が低く参考程度にするとしました。

 指針案は10月に、日本脳神経外科学会、日本整形外科学会など8学会の承認を受けて、統一した診断基準となりました。

 しかし、この診断基準で症状を訴えた100人を診断したところ、実際に髄液の漏れを確認できたのは16人にとどまり、研究班では、髄液の漏れが見えない人はほかの原因も考えられ、さらに研究が必要だとしています。

 今後は、効果的な治療法の確立も課題になります。現在の治療では、破れた硬膜の周辺に患者自身の血液を注射して穴をふさぐ「ブラッドパッチ療法」が行われています。日本医大の調査では、症状を訴えた患者440人のうち、髄液漏れが確認された86人の8割以上で症状が改善しました。注射は複数回、必要になることもありますが、治療費は公的医療保険が使えず、1回30万円前後かかります。

 研究班の代表を務める国立がん研究センターの嘉山孝正理事長は、「新たな基準ができたことで、この症状を見逃したり、むち打ち症の人まで過剰に診断したりする例は減るだろう。脳脊髄液減少症と診断された患者が今後、有効な治療を健康保険で受けられるよう取り組んでいきたい」と話しました。

 同じく研究班の佐藤慎哉山形大教授(脳神経外科)は、「次は治療のデータを集めて、治療用の指針を作り保険適応を目指す」と話しました。

 2011年11月2日(水)

 

■スギ花粉への放射性セシウム移行調査 林野庁が11月下旬から実施

 来春の花粉症シーズンに備え、林野庁は31日、スギの葉から花粉(雄花)に放射性セシウムが移る割合の調査を11月下旬から始めると発表しました。広い範囲に飛ぶ花粉で何らかの体への影響があるのかという問い合わせが相次いで寄せられたため、実態をつかむことにしました。

 スギの葉から花粉にどのくらいセシウムが移行するかの研究は、海外も含めてこれまでにないといいます。

 調査する場所は、東京電力福島第一原発から近い阿武隈山地の杉林など福島県内の約100カ所。関東地方でも調査する予定で、場所を選定中といいます。調査方法は、スギから雄花のついた枝葉を採集、枝葉から雄花を分離し、洗浄して乾燥させます。その後、雄花に含まれるセシウム134・137を測定します。

 調査は花粉ができる時期から始め、来年1月まで調べます。12月に中間結果を公表します。

 同庁によると、スギが本格的に花粉を作るのは、早い場合で25年生前後、通常は30年生程度から。スギの雄花は、その年に伸長した小枝の先端近くに形成され、11月ごろには成長が終了し、成熟した花粉が雄花内に形成されます。そして、関東地方の場合翌年の2月上中旬ごろから、花粉の飛散が始まります。

 文部科学省が今年6月、東京電力福島第一原発周辺の森林でスギの葉に含まれる放射性セシウムを測定したところ、福島県川俣町で最高1キログラム当たり17万7600ベクレル、大王村で最高1キログラム当たり1万1700ベクレルが検出されました。林野庁では、スギの葉に含まれる放射性セシウムが今後どの程度雄花に移行し、さらにどの程度花粉に移行するかは現時点では不明としていますが、人が吸い込む花粉は微量で放射性物質による体への影響はほとんどないとみています。

 花粉の生産量は、雄花の分化が始める7月の気象条件に強い影響を受けます。晴天の日が続き、気温が高いと生産量は増加しますが、降水量が多いと減少します。2012年の飛散量は、関東地方の場合、前年より少なく、おおむね例年並みとの予測が気象庁によりなされています。

 2011年11月1日(火)

 

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