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健康ダイジェスト

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■植え込み型除細動器376台を自主改修 日本ライフラインが製造販売

 医療機器製造販売業「日本ライフライン」(東京都品川区)は26日、同社が製造販売した自動植え込み型除細動器など計3機種について不具合があったため自主改修すると発表、薬事法に基づき、東京都に報告しました。

 同社や都によると、機器を利用中の患者は37都道府県の計376人で、129カ所の医療機関に通院中。これまでに不具合の事例は3件報告されており、めまいの症状が出たケースが1件あったといいます。

 自主改修されるのは、平成22年6月から平成23年4月までに出荷された「パラダイムVR(一般的名称:自動植込み型除細動器)」「パラダイムDR(一般的名称:デュアルチャンバ自動植込み型除細動器)」「パラダイムCRT-D(一般的名称:除細動機能付植込み型両心室ページングパルスジェネレータ)」の3機種。心不全の進行をモニタリングする機能(フォローアップモニタリング機能)に起因して、不具合が生じる可能性があることが判明したといいます。

 また、医療機器製造販売業者「日本光電工業」(東京都新宿区)は24日、同社が製造販売した心肺蘇生用の半自動除細動器「TEC-2500シリーズ カルジオライフS」に不具合があったため、薬事法に基づき全国516の消防関係機関などに出荷した1192台を自主改修すると発表しました。

 同社などによると、滋賀県長浜市内で12日、心肺停止状態で救急搬送中だった同市内の男性(69歳)に、救急隊員がこの除細動器を使用したものの作動しませんでした。その後、心臓マッサージを行うなどしましたが心筋梗塞のため死亡。男性の死亡と故障の因果関係は不明といいます。

 2011年4月30日(土)

 

■北極のオゾンホールの破片、日本に飛来 紫外線増加に注意

 この冬、厳寒になった北極上空で、オゾンホールの規模が過去最大に広がった余韻ともいえるホールの破片が4月下旬に日本上空に飛来し、太陽から降り注ぐ有害な紫外線が例年より増えそうです。オゾンホールは出現するたびに規模が大きくなると考えられており、皮膚がんをはじめとする肌などへの影響が懸念されます。

 オゾンホールは紫外線を食い止める成層圏のオゾン層が破壊された領域で、北極で観測されたのは2005年以来6年ぶり。冬の初めから3月下旬までのオゾン破壊量は40パーセントに達し、過去最大だった05年の30パーセントを超えました。

 気象庁の桜井敏之オゾン層情報センター解析係長は、「2~3月に成層圏の気温が例年より10度から20度も低く、非常に寒かったのでオゾン破壊量が増えた」とみています。

 規模の大きなオゾンホールは、寒さが緩んだ後も形を保ち、その破片が2週間程度かけて低緯度に移動してきます。国立環境研究所の中島英彰地球環境データベース推進室長は、「破片の第1波はシベリア、中国北部を経由して4月20日ごろ、北海道付近にやってきた」と説明し、「それより大きな第2波が30日にも日本列島を広く覆うと予想されている。これだけ大きな破片が来るのは初めてだろう」と指摘しています。

 オゾンホールやその破片の規模と紫外線増加との関係は単純ではありませんが、中島室長は「天気がよければ、破片に覆われた地表では紫外線が10パーセント以上増えることもあり得る」と話しています。

 今ごろの季節はただでさえ紫外線が増えるので、肌のケアが必要とされます。東京慈恵会医科大学の上出良一教授(皮膚科)は、「この規模の破片なら特別な対応は不要だろうが、念のため日光に当たると赤くなりやすい人は太陽が高い時の直射日光に当たるのは避け、日傘や帽子、長袖のシャツ、日焼け止めなどで防ぐとよい」と助言しています。

 オゾンの破壊は、セ氏零下78度以下で爆発的に進行するのが特徴。冬期に極寒になる南極ではオゾンホールが毎年出現するのに対して、それほど寒くはならない北極では数年に1度の出現にとどまり、規模も南極よりはずっと小さいものの、北半球は南半球より人口が多いので、紫外線の影響は無視できません。

 オゾン破壊の元凶は、冷蔵庫やエアコンの冷媒に使われていたフロン類の分解で生じる塩素化合物。1989年に発効したモントリオール議定書によってフロン類の利用は厳しく規制され、極域上空の塩素の総量は2000年以降減少に転じました。今では、オゾンホールの規模は成層圏の気温に左右されることが知られています。

 この冬に北極の成層圏が寒くなった詳細は不明ですが、原因の1つと考えられているのが温暖化ガスの増加です。温暖化ガスでもあるフロンは減っていますが、それ以上に二酸化炭素などの温暖化ガスが増えています。地表から上空約1万メートルまでの対流圏で温暖化ガスの濃度が高まると、その上にある成層圏は逆に寒冷化する傾向があり、高層気象観測でもこの現象は確かめられています。

 20世紀後半からの温暖化ガスの急増と歩調を合わせるように、北極のオゾンホールの規模は次第に大きくなっています。国立環境研究所のの中島室長は、「増減の周期は一定ではないが、何年後かに出現するオゾンホールは今年以上に広がり、この時期に破片が日本にもたらす影響も大きくなるだろう」と警戒しています。

 2011年4月29日(金)

 

■千葉県の牧草と新潟県のツボミナから放射性物質を検出

 千葉県は28日、県内2カ所の牧草から、それぞれ基準値を超える放射性ヨウ素と放射性セシウムを検出したと発表しました。農林水産省によると、牧草から基準値を超える放射性物質が検出されたのは初めて。

 牧草の基準値は、ヨウ素が1キログラム当たり70ベクレルで、セシウムが300ベクレル。県によると、市原市の施設の牧草からヨウ素230ベクレル、セシウム1110ベクレル、八街市の施設からヨウ素90ベクレル、セシウム350ベクレルが検出されました。

 千葉県は3月下旬以降、県内の牧草を乳牛と肉牛に食べさせることを自粛しています。原乳の2回の検査では、いずれも基準値を下回っています。

 一方、新潟県も28日、県内の村上市で採取、販売されたツボミナから微量の放射性ヨウ素が検出されたと発表しました。新潟県産の野菜から放射性物質が検出されたのは初めて。

 県によると、27日に村上市内で販売されていたツボミナを含む新潟県、茨城県、群馬県産の野菜7品目を検査。ツボミナから1キログラム当たり6・6ベクレルの放射性ヨウ素が検出されました。食品衛生法の暫定基準値は同2000ベクレル。放射性セシウムは検出されませんでした。ツボミナのほかに調べた村上市のキャベツ、新潟市のホウレンソウとコマツナ、県外産から放射性物質は検出されませんでした。

 新潟県は県内産の野菜から放射性物質が初検出されたことを受け、28日の発表分から産地の市町村名を公表しました。県生活衛生課は、「国からの要請もあり、産地を出したほうが消費者に安心してもらえると判断した」としています。

 また、同県がサンプルを市場から取っているのに対し、山形県や長野県など隣県では畑から直接採取しています。同課は、「大気中の放射線の推移を見ながら、必要があれば対応を検討する」とし、当面は現行の調査を継続する考えを示しました。

 2011年4月28日(木)

 

■インフルによる休校や学級閉鎖3倍に 学校再開の影響か

 厚生労働省は27日、インフルエンザで休校や学年・学級閉鎖をした保育所や小中高校などが、今月17日~23日の1週間に全国で計1212施設となり、前週(10日~16日)の3倍だったと発表しました。

 A型に比べて流行期が遅いB型が大半を占めており、患者が増える要因になっているとみられています。都道府県別で多かったのは、長野県、北海道県、新潟県、兵庫県、福岡県、千葉県。厚労省の担当者は、「春休みが終わり、学校が再開された影響とみられる」と分析しています。

 一方、2009年から2010年にかけて、世界的な大流行を引き起こしたインフルエンザのウイルスは、国内の流行がピークとなった2009年10月から2010年1月までの3カ月余りの間に遺伝子の変異を繰り返し、少なくとも12のタイプを新たに生み出していたことが理化学研究所の研究でわかりました。

 横浜市にある理化学研究所の研究グループは、世界的な大流行を引き起こしたインフルエンザの性質を調べるため、関東と関西の患者250人余りから検出されたウイルスを分析しました。その結果、変異はこれまでの推定の2倍の速さで起きていて、中には、免疫の働きや治療薬「タミフル」の効果が現れにくい遺伝子配列に変わったウイルスもあったということです。

 研究グループでは、こうしたウイルスの性質によって、流行が急速に拡大し、国内で合わせて2000万人以上が感染したのではないかとみています。

 理化学研究所の石川智久上級研究員は、「大流行したインフルエンザのウイルスは、薬への耐性もすぐに出るので、薬を適切に選択しないと、患者が重症化する恐れがある。引き続き遺伝子の変異について注意深く観察する必要がある」と話しています。

 2011年4月27日(水)

 

■養殖ヒラメ、馬刺しでも食中毒か 寄生虫特定

 これまで食中毒の原因となる寄生虫がおらず、刺し身として食べることが可能とされてきた養殖ヒラメと馬肉に、食中毒のような症状を起こす可能性のある寄生虫が発見されたことが25日、食品衛生などについて話し合う厚生労働省の専門部会で報告されました。

 いずれも症状は軽いとしていますが、部会では今後、予防対策について提言をまとめる予定。

 厚労省によると、平成21年6月~今年3月までに、食後数時間で嘔吐を数回繰り返したり、下痢になったりした後に数日で回復するという原因不明の症状を訴える例が198例発生。このうち135例でヒラメの刺し身を、33例で馬刺しを食べていたことが確認されました。

 調査の結果、養殖ヒラメからは、クドアと呼ばれる寄生虫の一種「セプテンプンクタータ」を発見。クドアの存在は知られていましたが、食中毒を起こす種類が確認されたのは初めてです。

 一方、馬刺しからは、「ザルコシスティス・フェアリー」という寄生虫を発見。この寄生虫はすべて、外国産馬の馬肉から見付かりました。

 クドアはマイナス15~20度で4時間以上、馬刺しの寄生虫はマイナス20度で48時間以上、それぞれ冷凍すれば死滅することがわかっており、刺し身にする場合は冷凍後に食用とすることが有効とみられます。

 ただ、ヒラメは冷凍処理により商品価値が低くなることも考えられるため、部会では養殖段階で寄生虫に汚染された稚魚を排除するなどの対策が必要と指摘されました。

 2011年4月26日(火)

 

■全国的に暑い夏になりそう 気象庁が3カ月予報を発表

 気象庁は25日、5-7月の3カ月予報を発表。来月から7月にかけて、気温は全国的に平年並みか高くなる見込みで、暑い夏が予想されています。

 気象庁は、先月以降の地震で揺れが強かった地域では、梅雨の時期を中心に土砂災害に注意するよう呼び掛けています。

 気象庁の3カ月予報によりますと、5月は低気圧や前線の活動が平年より弱く、東日本の太平洋側と西日本を中心に晴れる日が多い見込みです。このため、気温は北日本と東日本、それに沖縄・奄美で平年より高く、西日本では平年並みか、高くなると予想されています。雨の量は、北日本と北陸では平年並みで、関東甲信と東海、西日本、それに沖縄・奄美では平年並みか、平年より少ないと予想されています。

 6月は平年と同様に梅雨前線の影響で曇りや雨の日が多くなりますが、雨の量は沖縄・奄美で平年より多くなるほかは、平年並みと予想されています。気温は、東日本と西日本で平年より高く、北日本と沖縄・奄美では平年並みか、平年より高くなる見込みです。

 7月も気温は、全国的に平年並みか平年より高くなると予想されていますが、北日本では前線の影響を受けやすく、平年より雨の量が多くなる見込みです。

 気象庁は、「この夏は去年ほどの極端な猛暑は予想されていないが、暑い日が多くなりそうだ。梅雨の雨量はほぼ平年並みの見込みだが、これまでの地震で揺れが強かった地域では、地盤が緩んでいる恐れがあるので、土砂災害に特に注意してほしい」と話しています。

 2011年4月25日(月)

 

■インフルエンザ 24都道府県で患者数が増加

 インフルエンザの患者が4週ぶりに前週より増えました。国立感染症研究所(感染研)が22日に発表した全国5000の医療機関の定点調査によると、最新の1週間(4月11日~17日)の新たな患者は1医療機関当たり6・42人(前週6・35人)。24都道府県で増加し、この時期の患者数としては過去10年で2番目に高い水準になっています。

 都道府県別で高いのは、石川県20・69人(18・96人)、長野県19・69人(10・68人)、宮崎県19・53人(22・05人)。東北地方は特に増加が目立ち、青森県8・44人(7・33人)、岩手県2・18人(1・24人)、秋田県5・69人(3・53人)、山形県6・79人(4・42人)。岩手県と宮城県、それに福島県の各県は、東日本大震災の影響で正確なデータを把握できない状態が続いています。

 検出されるウイルスはこれまで少なかったB型が半数を占め、患者が増える要因になっているとみられています。

 感染研感染症情報センターの安井良則主任研究官は、「流行は大型連休明けごろまで続くとみられる。特に多くの人が集団で生活する被災地の避難所では、疲れなどから感染が広がりやすい状態になっている恐れがあるので、集団発生が起こりやすい。消毒や手洗い、マスクの着用、せきエチケットなどの対策を改めて徹底してほしい。体調が悪い人は無理に被災地にゆかないようにしてほしい」と呼び掛けています。

 他の地域で前週より増えたのは、東京都5・04人(4・66人)、千葉県3・71人(3・59人)、群馬県6・92人(6・82人)、静岡県5・35人(4・76人)、三重県7・32人(6・17人)、京都府4・78人(3・78人)、大阪府5・75人(5・72)、兵庫県6・27人(5・85人)、香川県7・45人(3・73人)、佐賀県9・72人(6・44人)、長崎県9・27人(6・24人)など。

 2011年4月24日(日)

 

■花粉の飛散終息、やや遅め 東北、北海道では5月中旬ごろ

 環境省は22日、今年のスギとヒノキ花粉の飛散終息時期は、昨年より2週間から1カ月遅れ、最も遅い東北や北海道では5月中旬ごろになりそうだとの予測を発表しました。

 飛び始めが全国的に遅かったのが理由。イネ科の花粉の時期と重なる恐れがあり、環境省は「症状が長く続く場合は、イネ科の花粉症などの可能性があるので注意してほしい」としています。

 スギ花粉は、九州のほとんどと中国から近畿の一部で終息したとみられます。九州から関東南部にかけては4月中にほぼ収まり、北陸と関東北部、東北南部では5月上旬、東北北部と北海道では5月中旬に終わる見通し。

 なお、今年の北海道では、スギ花粉が大量に飛散しています。道南で過去最多の飛散量を記録したほか、スギ花粉がほとんど飛ばないとされる札幌市内などでも多数の花粉を観測しており、住民が症状を訴えるケースも出ています。

 スギ花粉は主に本州で3月から5月にかけて飛散し、鼻水や目のかゆみなどを引き起こす花粉症の原因となりますが、北海道では例年、スギ林が集中する道南以外では飛散は少なめ。

 札幌市内などの多数の花粉は本州や道南から風に乗って飛散しているとみられ、札幌市の道立衛生研究所や各地の保健所で観測を続け、建物の屋上などに置いた計測器で、毎日1平方センチ当たりの花粉数を調べています。

 2011年4月23日(土)

 

■義務化された医療費明細書、希望しない患者が多数

 医療費の内訳がわかる明細書発行が原則義務化された後も、医療機関によっては出していない実態が20日、厚生労働省の調査でわかりました。診療所は8パーセント、病院では5パーセントの患者が、医療機関側が発行しないとの理由で受け取っていませんでした。

 医療費明細書は、昨年4月から病院や診療所、保険薬局などに発行が原則義務付けられています。厚労省は「まだ対応が不十分」として、医療機関への指導を強める方針。

 調査は昨年12月から今年1月にかけて、全国から無作為に抽出した病院(1500施設)、 一般診療所(1700施設)、歯科診療所(1000施設)、保険薬局(800施設)、訪問看護ステーション(500事業所)と、 その患者または家族を対象に、明細書の発行・受領状況やその影響などを調べました。得られた回答は約5100。

 「一部の患者のみ発行」を含めて明細書を発行しているのは、病院が98・0パーセントで最も多く、 保険薬局97・8パーセント、一般診療所84・3パーセントの順。このうち患者から費用を徴収しているのは病院9施設、一般診療所15施設、歯科診療所13施設で、平均額は病院411・7円、 一般診療所65・1円、歯科診療所695・0円でした。

 一方、療養の継続に支障が生じると医師が判断し、明細書を発行しなかった患者の割合は、「10パーセント未満」が病院、一般診療所でいずれも9割強を占めました。

 患者の明細書受領の意向については、「特に確認していない」がすべての対象施設(事業所)でトップ。また、明細書の内容に関する患者からの問い合わせ件数は、義務化前と「変わらない」との回答が病院、診療所、保険薬局、訪問看護ステーションでいずれも最多でした。

 調査日に明細書を「受け取った」と回答した患者は、病院(入院)で83・7パーセントと最も多く、以下は病院(外来)74・7パーセント、一般診療所66・7パーセントなどの順。受け取った患者に対して、内容の確認状況を聞いたところ、どの対象施設(事業所)でも「おおまかに確認した」が約半数を占め、明細書への満足度については「まあまあ満足している」がいずれも6割前後でした。

 このほか、明細書の今後の無料発行については、病院(外来)、歯科診療所、保険薬局、訪問看護ステーションの患者で「希望しない」がトップで、その理由(複数回答)としては「領収証の内容で十分」「もらっても内容がよくわからない」「紙と手間の無駄。必要な時のみでよい」などがありました。反対に「希望する」理由としては、「診療内容がわかり、とても参考になった」「高額な治療費を払った時には内容を知るために必要」などがありました。

 2011年4月22日(金)

 

■「強震モニタ」を見て地震酔いの確認を 防災科研が配信

 東日本大震災の相次ぐ余震の影響で、地震ではないのに大地が揺れているように感じる「地震酔い」に悩む人が増える中、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)の強震観測網(K-NET、KiK-net)、通称「強震モニタ」(http://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/)が注目を集めています。全国の揺れを24時間監視し、5秒ごとに更新される最新の画像を表示しています。

 公開しているのは、北海道から九州まで、同研究所が全国に約20kmの間隔で約1000カ所に設置する観測網のデータなど。観測してから10秒以内に表示しており、ほぼ現在の揺れの様子がわかります。

 日本地図上に記した観測点が、震度や加速度ごとに色分けして表示されます。平常時は青色の点が、震度1なら黄緑色に、2~3で黄色、4~5でオレンジ色、震度6以上は赤色に変わります。

 2秒ごとに更新される動画も、ユーストリームで強震モニタ(地表)と強震モニタ(地中)を別々に配信しています。

 防災科研によると、常時2000人以上が動画を視聴しているといいます。開発した地震・火山観測データセンターの青井真センター長は、「揺れていないことを目で確認して、安心してもらえるとうれしい」と話しています。

 2011年4月21日(木)

 

■テレビの見すぎで子供の心疾患リスクが増加 シドニー大学が発表

 テレビを見る時間が長すぎる子供は、大人になってから心疾患や高血圧、糖尿病になるリスクが高くなるという研究結果を20日、オーストラリアのシドニー大学の研究チームが発表しました。

 同大の研究チームがシドニーの小学校34校で、6~7歳の子供1500人を対象に調査したところ、テレビを見て過ごす時間が長い子供は、目の裏側にある網膜動脈が細い傾向があり、年齢が上がると心疾患や高血圧、糖尿病などにつながる可能性があるといいます。

 研究チームのウェストミード・ミレニアム研究所視力研究センターのバミニ・ゴピナス氏は、「親は子供をソファから立たせて、動くように促す必要がある」と警告しています。

 対象となった子供がテレビを見ている時間は1日平均1・9時間だったのに対して、予定に従って体を動かす活動をする時間は1日平均でわずか36分でした。

 体を動かす時間が1日1時間以上と最も多いグループの子供達は、それ以下の時間しか体を動かさない子供達よりも、網膜動脈がかなり太かったといいます。

 ゴピナス氏は、「身体活動の多い子供のほうが、微小血管の状態がよかった。子供のころの不健康なライフスタイルが、微小循環に影響を与え、後に心疾患や高血圧などのリスクを増加させる可能性がある。長時間スクリーンを見て過ごすことは、それだけ体を動かさず、食生活も不健康になって体重が増える原因になる」と、指摘しています。

 また、「1日1時間、テレビを見る代わりに体を動かせば、座ってばかりのライフスタイルが網膜動脈に与える影響を和らげる効果があるだろう」と述べ、「自由な遊び方を奨励する一方で、学校では週に2時間、子供達が体を動かす時間を設けるべきだ」とアドバイスしています。

 研究チームの論文は、アメリカ心臓協会(AHA)の学会誌の今週号に掲載されています。

 2011年4月20日(水)

 

■虐待経験5パーセント セックスに無関心も増加 厚労省調査

 18歳頃までに両親や同居者から虐待を受けた経験がある人の割合が5パーセントに上ることが、厚生労働省研究班の調査でわかりました。

 調査は2002年から2年に1度、行われている「男女の生活と意識に関する調査」で、虐待経験を尋ねたのは初めて。今回の調査は2010年9月、16~49歳の男女3000人を対象に実施。1540人が回答しました。

 虐待を受けたと回答したのは、男性の2・2パーセントに対し、女性が7・1パーセント。16歳から49歳の女子人口を踏まえると、単純計算で、女性では約200万人で虐待の経験があることになります。

 具体的な虐待内容を複数回答で尋ねたところ、「心を傷付けるようなことを繰り返し言うなど心理的な虐待」が66・2パーセントと、男女合計で最多でした。そのほか、「殴る、蹴る、熱湯をかける、たばこの火を押しつけるなどの身体的な虐待」が54・5パーセント、「無視したり、食事を与えなかったりするなどの養育放棄」が15・6パーセント、性的虐待は男性はゼロでしたが、女性は14・5パーセントでした。

 虐待と両親の離婚との関連を見たところ、虐待経験者のうち両親の離婚の経験がある人の割合は36・4パーセントで、虐待経験がない人で両親の離婚経験がある人の割合10・6パーセントの3倍以上でした。

 また、虐待経験者のうち、自分で自分の体に傷を付けるリストカットなどの「自傷行為」経験者の割合は32・5パーセントで、虐待経験がなく自傷行為を行ったことがある人の5・7パーセントより5倍以上、高い数字でした。虐待経験者は中学生の頃、親との会話が少ない傾向もみられました。

 調査を担当した日本家族計画協会クリニック(東京都新宿区)所長の北村邦夫さんは、「全国の児童相談所の調査などでは、意図しない妊娠・出産で生まれた子供達が親らに虐待されることが少なくない。産みたい時に産む、妊娠を望まないならば確実な避妊を実行することが大切。また、『隣は何をする人ぞ』では虐待児を救えない。虐待の兆候はないか、誰もが注意してほしい」と話しています。

 調査では、セックス(性交渉)への関心についても尋ねました。「セックスに関心がない」「嫌悪している」と回答した人は、男性18パーセント、女性48パーセントで、前回の08年の調査より男性は7ポイント、女性は11ポイント増えました。年代別では16~19歳で最も多く、男性36パーセント(前回調査が18パーセント)、女性で59パーセント(同47パーセント)でした。

 男女ともに「草食系化」が進んでいる傾向がみられ、特に若年男性の草食系化傾向が強まっていました。セックスに関心がない一因は、「異性と関わることが面倒だ」と感じることにあるようで、全体の4割の回答者が「面倒だ」と回答しました。

 夫婦間のセックスレス化も進んでおり、「過去1カ月にセックスがなかった」と回答した既婚者は41パーセントで、前回より4ポイント増加。04年の32パーセントから毎回、増加しています。

 2011年4月19日(火)

 

■福島県東部に続き、福島市の露地物シイタケも出荷停止

 枝野幸男官房長官は18日午後の記者会見で、福島市で生産された露地栽培の原木シイタケについて、当分の間、出荷停止を指示したと発表しました。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故後、福島県がキノコを対象に行い17日夜に公表した4回目の放射線量測定で、放射性セシウムが食品衛生法の暫定基準値である1キログラム当たり500ベクレルを上回る880ベクレル検出されたためで、原子力災害対策特別措置法に基づく措置。

 同県が10日午前に公表した3回目の放射線量測定でも、原発に近い県東部の5市8町3村の露地栽培の原木シイタケから、食品衛生法の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたため、国は13日、出荷停止を指示していました。

 出荷停止の対象は伊達市、相馬市、南相馬市、田村市、いわき市、新地町、川俣町、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町、広野町、飯舘村、葛尾村、川内村。

 2011年4月18日(月)

 

■原発事故の当面の収束に半年~9カ月、東京電力が会見 

 東京電力の勝俣恒久会長が17日午後3時から記者会見し、放射性物質の漏洩が続き深刻な事態に陥っている福島第一原子力発電所について、事故収束の見通しを示す工程表を発表しました。

 事故収束への道筋として、2段階に分けて考え、第1段階(ステップ1)を3カ月間とし、目標を「原子炉を安定的に冷却し、高レベルの放射能汚染水の流出をさせないようにする」としました。さらに、第2段階(ステップ2)では「原子炉の核燃料を冷温停止状態にするとともに、放射能汚染水全体の量を減らす」とし、現在から半年~9カ月後の実現を目指すとしました。最終的に100度以下の冷温停止状態を目指します。

 工程表によれば、当面は(1)原子炉の冷却(2)使用済み燃料プールの冷却(3)放射性物質で汚染された水の閉じ込め処理(4)大気、土壌中の放射性物質の抑制(5)原発施設外への避難指示区域などの放射線量の測定と低減ーといった5つの目標を設定。原子炉の冷却作業では、現在進めている原子炉への淡水注入や水素爆発防止のための窒素注入作業を継続し、原子炉建屋をカバーなどで遮蔽することを目指します。

 勝俣会長は、「必要な対策を同時平行で進めていく」と述べました。

 2011年4月17日(日)

 

■超多剤耐性結核菌の集団感染 佐賀県内の病院で全国初

 佐賀県は15日、結核治療に使われる主要な薬が効かない超多剤耐性結核菌(XDR)の集団感染が発生したと発表しました。感染者は計10人で、うち8人は県中部の同じ民間病院における院内感染。厚生労働省によると、超多剤耐性結核菌の集団感染が明らかになったのは国内で初めてといいます。

 同県によると、県立病院に結核で入院した50歳代男性が2006年9月に退院。その後、民間病院で通院治療を受けている間、結核菌が超多剤耐性に変異したとみられます。今月12日までに、この民間病院の患者1人と医療従事者7人、従事者の家族1人に感染が確認されました。

 感染者のうち50歳代男性を含む3人が発症し、2人は完治。1人が治療中ですが、命に別条はありません。残る7人は発症していませんが、1人が検査のため入院しているといいます。

 同県の健康増進課は、「50歳代男性が薬をきちんと服用しなかったために、菌が変異したとみられる」としています。感染者の経過観察を続けますが、「集団感染はひとまずストップした」としています。

 超多剤耐性結核菌は3剤以上の治療薬が効かない結核菌。症状は通常の結核と変わりませんが、治療薬が限られ、長期の入院、治療が必要になります。国内では、1年間におよそ2万4000人が結核を発症し、このうち100人ほどが超多剤耐性結核菌によるものとみられています。

 発症した後でも、早期に見付かれば肺の一部を切除して治療できますが、発見が遅れると薬が効かないため死亡することもあります。

 結核に詳しい大阪府立呼吸器・アレルギー医療センターの松本智成臨床研究部長は、「今回は医療スタッフの感染が多かったが、一般の病院でも、対策が不十分だと患者から感染が広まってしまうことがある。結核菌は空気感染するので、せきをしている患者にはマスクを着用してもらうなど院内感染対策を徹底してほしい」と話しています。

 2011年4月16日(土)

 

■多剤耐性遺伝子NDM1を持つ菌、インドの水道水で発見

 ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性遺伝子NDM1を持つ菌が、インドの首都ニューデリーの水道水などから見付かりました。病院などでは見付かっていますが、外部の環境中で見付かったのは初めて。

 耐性遺伝子の拡散が心配されます。英医学誌ランセット姉妹誌最新号が、英豪チームの論文を掲載しました。

 英豪チームが昨年9~10月、ニューデリーの水道水や水たまりの水を調べたところ、それぞれ4パーセント、30パーセントの割合でNDM1を持つ菌が見付かりました。その中にはコレラや赤痢を引き起こす菌も含まれ、抗生物質が全く効かないものもありました。

 ニューデリーでは上下水道の整備が不十分な上、モンスーンによる洪水で汚水が飲料水に混じる可能性が考えられます。チームのティム・ウォルシュ英カーディフ大教授は、「人口密集地で飲用や料理などに使われる水から耐性菌が見付かった。極めて憂慮される結果だ」とコメントしています。

 NDM1を持つ大腸菌や肺炎桿菌はインド、パキスタンで発生した後、両国や欧米諸国を中心に感染者が広がり、ベルギーで最初とみられる死者も確認されたことが、昨年の夏に報じられました。欧米諸国の感染者は、医療費の安いインド、パキスタンで美容整形手術などを受けていました。日本でも昨年の9月、栃木県の大学病院で感染者が確認されるなどして問題になりました。

 世界保健機関(WHO)は世界保健デーの4月7日、ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性菌の感染による死者が、欧米諸国だけで少なくとも年間8万8000人に上るとの統計を発表しています。統計が得られない途上国の死者はこれをはるかに上回るとみられ、WHOは多剤耐性の病原体への対策強化を目指しています。

 2011年4月15日(金)

 

■主婦の年金記録、48万人が訂正必要 受給済みは5万人

 夫の退職時に年金の変更届けをしなかった専業主婦の年金問題で、記録訂正の必要がある対象者が約48万人に上ることが、厚生労働省の推計でわかりました。そのうち約5万人は、誤った記録のまま年金を受け取っていました。

 夫がサラリーマンや公務員の専業主婦は、国民年金の第3号被保険者で保険料を払う必要はありません。しかし、夫が退職したり妻のパートの年収が130万円以上になったりした場合、切り替え手続きをして保険料を払う必要があります。これをせず保険料が未納のケースが相当あるとみられるため、厚労省は調査を進めていました。

 厚生労働省の推計では、夫がサラリーマンでなくなっているのに、妻が国民年金に切り替えないなど、記録が誤っている人は97万4000人います。

 そのうち50万人近くは、夫が退職した月のうちに再就職したなどで、再び主婦年金に戻っていました。こうした人は、国民年金の加入期間が1カ月に満たず、年金額には影響しないため、記録訂正の必要はありません。一方、年金額に影響するのは、5万3000人の受給者を含め、全体で47万5000人と推計されます。

 厚労省は、記録に誤りがある受給者700人を抽出して調査。約240人が平均7カ月間、誤って主婦年金の記録になっていました。基礎年金の満額である月約6万6000円 なら、毎月1000円ほど多く受け取っていた計算になります。過払いの年金額は1人平均年額約1万1000円、最も多いケースで約21万円。

 また、これから受け取る加入者700人についても抽出調査した結果、約360人が平均24カ月ほど誤った記録になっていました。

 2011年4月14日(木)

 

■少年同士の心臓移植手術 大阪大病院で無事終了

 改正臓器移植法に基づき、15歳未満で初めて脳死と判定された10歳代前半の少年から13日、臓器が摘出され、10歳代後半の少年への心臓の移植手術が大阪大病院で無事終了しました。

 肺と肝臓、膵臓、腎臓の移植手術も東北大病院などで始まっており、順調にいけば14日未明にはすべて終わる見込みです。10歳代の患者同士で心臓移植が行われたのは国内初。今回は、「18歳未満から提供された心臓の移植を受ける患者は、待機患者として登録された時点で18歳未満だった人を優先する」という、厚生労働省の新基準が初めて適用されました。

 日本臓器移植ネットワークによると、摘出手術は13日午前4時頃から少年が入院している関東甲信越の病院で始まり、同7時半までに終了しました。

 摘出された心臓は、同7時20分過ぎに大阪大病院に到着し、心臓の筋肉が硬くなる拘束型心筋症の10歳代後半の少年に移植され、同11時47分に手術が終了しました。少年の容体は良好で1、2カ月で退院できる見込み。少年の両親は「大変ありがたい」と話しているといいます。

 記者会見した同病院の福澤正洋院長は「命をつなぐことができたことを、臓器提供者のご両親に深く感謝したい」とし、執刀した澤芳樹教授は「小児移植の道を大きく進めることになる。年齢が近いこともあって心臓のサイズや機能が合い、手術はスムーズに進んだ」と話しました。

 また、摘出された両肺は、東日本大震災で被災してこの日に旅客機の運航が再開したばかりの仙台空港を使って、東北大病院に運ばれ、肺動脈性肺高血圧症の50歳代女性への移植手術が行われています。

 移植ネットワークによると、当初、腎臓の一つは新潟大病院で40歳代男性に移植される予定でしたが、男性側の医学的理由で断念されました。代わりに東京女子医大病院で60歳代男性に移植されます。

 2011年4月13日(水)

 

■脳死の10歳代前半男児から臓器提供へ 法改正後初の適用

 日本臓器移植ネットワークは12日、関東甲信越の病院に交通事故で入院中の10歳以上15歳未満の少年が同日午前7時37分、改正臓器移植法に基づいて脳死と判定されたと発表しました。

 大阪大病院など5病院で、心臓、肺など5臓器が移植されます。臓器移植が行われると、15歳未満からの脳死臓器移植を認めた改正法が昨年7月に施行されて以来、初の適用例となります。

 施行前は子供の臓器提供が心停止後の腎臓などに限られたため、子供は国内で移植を受けにくく、海外に渡る子供が相次ぎました。子供の脳死や移植医療を巡る議論が続く中で、日本も脳死の子供から臓器を提供する時代に入りました。

 同日記者会見した移植ネットワークによると、少年は交通事故による重い頭部外傷で、病院に搬送されて治療を受けていました。脳死とみられる状態になって回復が難しいことから、11日午前に主治医や移植コーディネーターの説明を受けた両親ら家族3人が、臓器提供に承諾しました。少年は臓器提供を拒む気持ちを過去に示したことはなく、提供の意思も書面に残していませんでした。

 臓器移植法に基づく1回目の脳死判定は、11日午後8時25分に行われ、2度目の判定は12日朝に行われました。入院先の病院の虐待防止委員会が、虐待がなかったことを確認したといいます。

 摘出されるのは心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓の5臓器の予定。明日13日午前5時から臓器の摘出が始められ、心臓が大阪大病院で10歳代男性に移植されるほか、他の臓器も各地の4病院で移植されます。

 両親は、「臓器提供があれば命をつなぐことができる人達のために彼の体を役立てることが、いま彼の願いに沿うことだと考えました」とコメントしました。

 1997年の臓器移植法施行後、臓器提供は128例目。

 2011年4月12日(火)

 

■アミノ酸摂取が早期体調回復に有効 激しいスポーツや手術後に

 アミノ酸の一種であるシスチンとテアニンには免疫機能を強めたり、炎症を抑制したりする効果があり、摂取すれば激しいスポーツや手術を受けた後の回復が早まるとの研究結果を、味の素や東京大学、仙台オープン病院のチームが発表しました。

 シスチンは肉類に、テアニンは茶葉に多く含まれ、これら二つを配合した「シスチン・テアニン」には、免疫機能の調整で重要な働きをするグルタチオンという抗酸化物質の合成を促進する効果があるといいます。

 共同研究チームによると、マラソンなどの激しい運動をすると、体内で過剰な炎症反応が起きて免疫力が低下、感染症のリスクが高まり、体調不良を訴えるオーバートレーニング症候群に陥りやすいと考えられています。そこで、ボディービルと駅伝の選手を対象に臨床研究を実施。シスチン・テアニンを投与するグループと投与しないグループに分け、運動前後の血液と唾液を分析しました。

 投与しないグループはトレーニング後、リンパ球の一種で細菌やウイルスの除去に重要な役割を果たすNK細胞の働きが低下しましたが、投与したグループでは活性が維持されました。さらに、白血球の一種で炎症反応を引き起こす顆粒球の増加が抑制され、筋肉組織の損傷度を示すミオグロビン値の上昇も抑えられました。これにより、シスチン・テアニンの摂取が、激しい運動による過剰な炎症反応を抑制し、生体への悪影響を改善する働きがあるという結論に達しました。

 また、仙台オープン病院で胃の部分切除を受ける患者15人に手術の4日前から術後5日目までの10日間、シスチン・テアニンを投与、別のアミノ酸を投与した18人と比較した結果、シスチン・テアニンを投与した患者では、血中における顆粒球の増加とリンパ球の低下が有意に抑制されました。さらに、手術後の炎症反応が早期に抑えられ、術後の回復が早かったといいます。

 同病院の土屋誉副院長は、「最近は『ERAS』と呼ばれる手術後の回復能力を強化するプログラムの導入が盛んだが、シスチン・テアニンの摂取はその一つとして採用できる」と評価しています。

 シスチン・テアニンの効能を研究してきた味の素は、免疫機能を強めたり、炎症を抑制する以外にも、インフルエンザワクチン接種後の高齢者における抗体産生の増強や、成人男性における冬期風邪発症の抑制などを確認しているといいます。

 2011年4月11日(月)

 

■福島県沖のコウナゴから基準上回るセシウム 放射線量は各地でほぼ横ばい

 厚生労働省は9日、福島県いわき市沖で取れたコウナゴ(イカナゴの稚魚)から1キログラム当たり570ベクレルの放射性セシウムが検出され、食品衛生法の暫定基準値500ベクレルを上回ったと発表しました。福島県沖の魚から基準を超える値が出たのは初めて。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、福島県沖への出漁は自粛されており、周辺海域のコウナゴは出荷されていません。

 茨城県沖で取れたコウナゴから暫定基準値を上回る放射性ヨウ素と、暫定基準値に近い放射性セシウムが検出されたことを受け、福島県はコウナゴの検査を実施することを決定。7日にいわき市の漁船が沖合約1キロ、水深10~14メートルでサンプルを採取しました。

 検査した4検体のうち、1検体が放射性セシウムの暫定基準値を超えたほか、3検体も480~500ベクレルと暫定基準値近辺でした。放射性ヨウ素は1100~1700ベクレルと、暫定基準値の2000ベクレルをやや下回りました。

 茨城県の検査では、ひたちなか市沖で取れたババガレイ(ナメタガレイ)とマコガレイから、最大26ベクレルの放射性ヨウ素と最大8ベクレルの放射性セシウムが検出されました。いずれも暫定基準値を大きく下回りました。県によると、8日に地元漁協が取ったものを国が検査。10日以降も引き続き、ひたちなか市沖の魚介類を調査します。

 一方、東北、関東各地で8日午後5時から9日午前9時に観測された最大放射線量は、7~8日と比べてほぼ横ばいでした。茨城県などは引き続き震災前の最大平常値を上回っていますが、東京都、群馬県、埼玉県は平常値の範囲に近付いています。

 文部科学省の集計によると、群馬県は毎時0・046マイクロシーベルト、千葉県は0・059マイクロシーベルトといずれも変化しませんでした。茨城県は7~8日の0・156マイクロシーベルトから0・157マイクロシーベルトに微増。東京都は0・086マイクロシーベルトから0・085マイクロシーベルトに微減。埼玉県は0・066マイクロシーベルトでした。

 福島第一原子力発電所の北西約30キロの福島県浪江町付近では、9日午前10時43分に26・1マイクロシーベルトを観測しました。なお、胸部エックス線の集団検診1回で受ける放射線量は50マイクロシーベルト。

 2011年4月10日(日)

 

■放射線の影響、安心強調の冊子を厚労省が配布へ 数値示さず批判も

 厚生労働省は7日、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、妊産婦や乳幼児の母親向けに、放射線の胎児や乳幼児への影響について解説したパンフレットを作成しました。

 「妊娠中の方、小さなお子さんをもつお母さんの放射線へのご心配にお答えします。〜水と空気と食べもの安心のために〜」と題したパンフレットでは、「避難指示や屋内退避指示が出ている地域以外の放射線量はわずかな値」、「自然界にもともと存在する放射線量より高い数値が雨水から検出されることもあるがいつも通りに対応を」と強調。

 「お子さんを外で遊ばせることについて、心配しすぎる必要はありません。お子さんにとっては、外で遊べないことはストレスにもつながります」、「雨についても、心配しすぎる必要はありません。傘をさす、雨ガッパを羽織るなど、いつもどおりに対応してください」、「日本の水道水は、乳児でも安心して飲めるよう、 安全を考えて管理されています。国や自治体から指示がない限り、 水道水は、妊娠中の方や授乳中の方、 小さなお子さんにとって安全です。飲み水としてはもちろん、 お風呂や洗濯、食器洗いなどにも安心してお使いください」などと明記されています。

 「心配しすぎる必要はない」といった表現が繰り返されていますが、根拠となる数値や事実はほとんど示されておらず、主婦連合会の佐野真理子事務局長は「原発事故の余波が続いているのに『この基準以下なら絶対に安全』といえる人はいない。政府がこんな手引を出すとは信じられない」と批判しています。

 一方、厚労省は「できるだけわかりやすく伝えるため、難しい表現を避けた」と説明。パンフレットでも、「原子力発電所の状況については、 政府から、今後もきめ細かく情報をお伝えしていきます。 状況によっては、健康に関する 必要な情報も、改めてお伝えいたします」と明記しています。

 パンフレットは4月中旬から、宮城県、福島県、東京都など1都8県で配布。医療機関や幼稚園、保育所のほか、厚労省のホームページからも入手できます。

 2011年4月9日(土)

 

■ES細胞から網膜生成 理化学研究所がマウスで成功

 いろいろな組織の細胞が作れる万能細胞のES細胞(胚性幹細胞)から、多種の細胞が重なっている目の網膜組織を作ることに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹グループディレクターらの研究チームがマウスで成功しました。

 この網膜組織は、視細胞を含む6層の立体構造。人工網膜を作り、失明した患者に移植する再生医療につなげたいといいます。

 これまでES細胞は、筋肉や肝臓、心臓など1種類の細胞からできている組織の置換医療に利用できると主に考えられてきました。より複雑な構造を持つ組織や臓器全体の生成は、周辺組織との複雑な化学的相互作用によるため、受胎後の細胞分裂による自然な成長過程以外では不可能だと思われてきました。

 しかし、グループは「眼杯(がんぱい)」と呼ばれる目の元になる組織に注目し、マウスのES細胞を培養液の中で浮かせた状態に保ち、眼杯ができる時に必要な蛋白質を加え、マウスの胎児の眼杯にそっくりの組織を作り出しました。

 さらに、この組織の培養を続けた結果、6種類の細胞が層になり、直径2ミリほどで網膜そっくりの組織を作ることができました。今後は移植実験で働きを調べます。

 網膜のうち神経を守る「色素上皮細胞」は、すでにES細胞やiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作られ、動物実験が進められています。今回のように、光を受けて電気信号に変えて脳に伝える「神経網膜」も含む立体組織ができたのは初めてといいます。

 「ヒトやサルのES細胞で作った人工網膜をサルに移植する研究を始め、再生医療につなげたい」と、笹井さんは話しています。失明の恐れがある遺伝性疾患の「網膜色素変性症」の治療などにつながる可能性があります。

 2011年4月8日(金)

 

■多剤耐性菌の感染による死者、欧米だけで年8万人 WHOが発表

 世界保健機関(WHO)は世界保健デーの7日、ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性菌の感染による死者が、欧米諸国だけで少なくとも年間8万8000人に上るとの統計を発表しました。統計が得られない途上国の死者はこれをはるかに上回るとみられ、WHOは多剤耐性の病原体への対策強化を目指します。

 感染拡大の一因は抗生物質の乱用とされ、WHOは加盟国に管理の徹底を呼び掛けています。また、新規の抗生物質の開発に多額の費用が掛かることから、世界的な製薬会社でも開発に力を入れていない問題点も指摘し、官民挙げての対策の必要性を訴えています。

 多剤耐性菌とは、ある抗生物質に抵抗力を持ち、その抗生物質が効かない耐性菌のうち、ほとんどの抗生物質が効かない細菌のこと。近年になって発見され、新型耐性菌、スーパー細菌、スーパー耐性菌とも呼ばれています。

 この多剤耐性菌としては、アシネトバクター菌、緑膿菌、NDM1(ニューデリー・メタロ・βラクタマーゼ1)という酵素の遺伝子を獲得した大腸菌や肺炎桿菌が確認されています。

 アシネトバクター菌は2000年ごろから欧米で広がり始め、日本国内では2009年から2010年にかけて福岡大病院や愛知医科大病院、東京都の帝京大病院などで院内感染と死亡例の報告が連続して出ています。

 緑膿菌でも、院内感染と死亡例の報告が出ており、2010年9月から10月にかけて帝京大病院、同じく東京都の健康長寿医療センター、三重県の県立総合医療センターで、死亡者が出ています。

 NDM1を備えた多剤耐性菌はインド、パキスタンで発生した後、両国や欧米諸国を中心に感染者が180人にまで広がり、ベルギーで最初とみられる死者も確認されたことが、2010年の夏に報じられました。欧米諸国の感染者は、医療費の安いインド、パキスタンで美容整形手術などを受けていました。日本でも2010年の夏、すでに感染者がいたことが判明しました。

 多剤耐性菌が生まれた第一の原因は、抗生物質の多用にあり、特にインドやパキスタンでは普通の風邪やインフルエンザでも使うためと見なされています。もう一つの原因は、使用する抗生物質が不適切なことで、一般に比較的高級な第3世代セフェムやカルバペネム系の抗生物質を用いることで生じると見なされています。

 2011年4月7日(木)

 

■生活保護の受給者、200万人に迫る 震災で大幅増は確実

 生活保護の受給者数が全国で200万人に迫りました。厚生労働省が5日に公表した今年1月の受給者数は199万8975人。

 戦後の混乱の余波から毎月の平均で204万人を超えた1952年度以来の水準となりました。東日本大震災の影響もあり、今後、200万人を大きく上回るのは確実な情勢。

 厚労省によると、1月の受給者は前月より9398人増加。2010年1月と比べると、17万1338人増えました。統計を取り始めた51年度以降、生活保護の受給者数が200万人を超えたのは、51、52の両年度しかありません。しかし、バブル崩壊後の1995年度の約88万人を底に増加に転じ、2006年度には150万人台に。

 1月に生活保護を受けた世帯数は144万1767世帯。前月より6612世帯増え、2008年5月以降、過去最高を更新し続けています。

 全体の4割は、高齢者世帯が占めます。一方、増加が目立つのは現役世代です。金融危機後の09年1月と比べると、「高齢者」、「母子」などの世帯が1・2倍程度。これに対し、「その他」世帯は約1・9倍と突出しています。「その他」の世帯は全体の2割弱を占め、景気低迷と雇用悪化のあおりで職を失った現役世代が多く含まれています。

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故でも、多くの被災者が住居と仕事を失いました。生活再建のめどが立つまで生活保護に頼る人が大幅に増えるとみられます。厚労省は、避難先の自治体でも保護の申請や相談に応じるよう、都道府県に通知しています。

 2011年4月6日(水)

 

■東電、汚染度低い水を海へ放出 農水省、水産物の検査を強化

 東京電力福島第一原子力発電所で問題になっている高濃度の放射能汚染水の保管場所確保と、設備への浸水防止のため、東電は4日午後7時すぎ、原発内にある比較的汚染度の低い水を海に放出し始めました。今回の事故で汚染された水を意図的に放出するのは初めてで、数日かけて計1万1500トンを出します。

 原子炉等規制法に基づき、汚染や災害が発生する恐れがある場合の応急の措置として、東電は経済産業省原子力安全・保安院に計画を報告、了解されました。

 放射性物質を含む水は、通常時は低濃度であっても、そのまま環境中に出すことは許されていません。今回の判断について、東電は「汚染水の量が非常に多く、時間的な問題もあって放出を選択した。地域の皆様に申し訳なく思っている」と謝罪しました。保安院も「やむを得ない」としています。

 この放出の影響を試算した東電によると、原発から1キロ以遠の魚や海藻を毎日食べたとしても、年間に自然界から受ける放射線量に相当する2・4ミリシーベルトの4分の1程度としています。

 東電によると、集中廃棄物処理施設にある1万トンを放出。2号機のタービン建屋地下などにある高濃度の汚染水の流出を防ぐため、あらかじめ処理施設にある汚染濃度の低めの水を外に出すことで、高濃度汚染水の保管スペースを確保するといいます。

 ほかに、5、6号機の周りの地下水をためている升の計1500トンも放出。5、6号機には周囲から地下水がしみ出し続けており、非常用発電機など地下にある安全上重要な設備が水没するのを防ぐといいます。

 放射能で比べると、2号機の汚染水が放射性ヨウ素で1cc当たり数百万ベクレル程度なのに対し、集中廃棄物処理施設の水は6・3ベクレル、5号機の水は1・6ベクレル、6号機の水は20ベクレル。周囲の汚染された雨水と同程度の濃度ですが、原子炉等規制法が定める海水での濃度の基準の100倍程度に相当します。放出する放射能の総量は1700億ベクレル。

 一方、茨城県北茨城市の平潟漁協は4日、福島第一原発から約70キロ南にある市の沖で採取したコウナゴ(イカナゴ)から、1キロあたり4080ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたと発表しました。食品衛生法では、魚や肉には、放射性ヨウ素の暫定基準を定めておらず、厚生労働省は基準づくりを検討する方針。

 コウナゴからは放射性ヨウ素のほか、放射性セシウムが暫定基準の500ベクレルに近い447ベクレル検出されました。

 平潟漁協は漁の再開にあたり、1日までにコウナゴなど5種類を試験的に採取。うちコウナゴについては野菜類(根菜、芋類を除く)の2000ベクレルと比べて高いことなどから、厚労省は食べないよう助言しました。茨城県によると、県沖ではコウナゴ漁をしておらず、市場に出回ることはないとしています。

 この北茨城市沖で採取したコウナゴから高濃度の放射性ヨウ素が検出されたことを受け、水産庁は5日、水産物の放射性物質検査を強化することを決めました。茨城県のほか、千葉、神奈川両県と東京都で、品目を広げて5日から1日おきに調べます。

 これまで茨城県内では各漁協が任意で検査してきましたが、水産庁は5日から茨城県と連携し、水揚げの多い那珂湊漁港を中心に、コウナゴのほかイワシやヒラメなど多くの魚種で検査します。他都県分についても、水産総合研究センター(横浜市)で分析を補助します。

 放射性物質の影響をより受けやすいとされるワカメなどの海藻は、漁期ではないことから当面見送り、魚介類を優先して調べます。同庁は「茨城県沖では現在、漁業は実施されていない」としています。

 2011年4月5日(火)

 

■iPS細胞を効率よく作製 京都大、岐阜大などのグループが開発

 京都大や岐阜大などの研究グループが、安全性を高めるためにウイルスを使わず、細胞の染色体を傷つけずに効率よくヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作る方法を開発しました。

 日本人の2割に移植しても拒絶反応が起こりにくいiPS細胞を作ることにも成功。治療用iPS細胞バンクの構築につながる成果として、英科学誌の電子版に4日発表します。

 iPS細胞は体細胞に数種類の遺伝子を導入することにより、さまざまな組織や細胞になることができ、免疫拒絶のない移植治療に備えて、より安全な細胞を効率よく作る方法が研究されてきました。例えば、ウイルスの一種を運び屋にして体細胞に遺伝子を導入してiPS細胞を作製すると、ウイルスが遺伝子を細胞の染色体に入り込ませるため、もとからある遺伝子を傷つけてがん化させる危険性があります。

 京都大などのグループは、染色体の外で遺伝子を大量に増やせる遺伝子の運び屋「エピソーマル・プラスミド」を使い、6つの特別な遺伝子を3つのプラスミドに分けてヒトの皮膚細胞に入れました。

 その結果、細胞10万個当たりiPS細胞の塊30個という高い効率でiPS細胞ができたほか、その後、不要なプラスミドが消えることもわかりました。

 また、岐阜大の歯髄細胞バンクが保有し、移植時の免疫拒絶反応にかかわるHLA遺伝子群の特別な2種類のヒトの歯髄細胞からも、iPS細胞を作製。神経細胞や網膜の細胞に分化することを確認しました。この2種類のiPS細胞は、拒絶反応が起きにくいタイプとして日本人の2割の移植治療に使えるといいます。

 沖田圭介・京大講師(細胞分子生物学)は、「今回の方法で作ったiPS細胞ががん化しないかなど、さらに安全性を確かめていきたい」と話しました。

 なお、文部科学省学術審議会の生命倫理・安全部会では、iPS細胞から精子や卵子などの生殖細胞を作る技術の開発については基礎研究に限るという条件を付けおり、iPS細胞を使って人間を作ったり、胚や胎児にiPS細胞を導入したりといった行為は禁止しています。

 2011年4月4日(月)

 

■放射性物質の拡散、収まってきている可能性も 厚労省が見解

 厚生労働省は2日、福島、新潟両県の農産物と、茨城県の水産物から食品衛生法の暫定基準値を上回る放射性物質は検出されなかったと発表しました。

 福島県では、3月30~31日に採取されたハウス栽培の野菜や果物など計49品目のうち、ホウレンソウや一部のコマツナなど33品目から放射性ヨウ素や放射性セシウムを検出しましたが、いずれも基準値は下回りました。

 厚労省は、「同じ場所で24日に採取されたハナワサビで比べると値が大きく減少しており、放射性物質の拡散が収まってきている可能性もある」としています。

 新潟県のホウレンソウやコマツナ、トウナ、イチゴの農産物計4品目からは、放射性ヨウ素、放射性セシウムとも検出されませんでした。新潟県は3月18日から農産物の検査を行っていますが、これまでは食品衛生法の暫定基準値を超える値は出ていません。

 茨城県沖の鹿島灘で1日に採取されたカタクチイワシなど5種類の水産物から放射性セシウムが検出されましたが、いずれも基準値を大きく下回りました。ヒラメからは検出されませんでした。

 一方、東京電力福島第1原子力発電所2号機の取水口付近から高い放射線量の水が海に流出したことについて、細野豪志首相補佐官は3日午前のテレビ番組で、「新しい専門部隊を送り、高分子ポリマーを注入する作業に入る。何としても流出を止めたい」と述べました。

 海や空気中への放射性物質の流出を止めるめどについては、「数カ月後が1つの目標になる」との見通しを示しました。使用済み核燃料の処理については、「使用済みの燃料が1万本以上あるので相当時間がかかる」と指摘しました。

 細野補佐官は、政府と東電の統合連絡本部で福島第1原発事故の対応に当たっています。原発周辺の海への影響に関しては、「モニタリングをしっかりやることが重要だ。東電にも指示を出し、海上保安庁にもモニタリングをやってもらう。どういう影響があるのか早急に調べて公開したい」と番組終了後、記者団に語りました。

 2011年4月3日(日)

 

■乳児に硬水のミネラル水は負担、水道水使用を 日本小児科学会が見解

 日本小児科学会など3学会は共同で、「硬水は多くのミネラルが含まれ、乳児に過剰な負担を与える可能性がある」として、硬水を使うより水道水のほうが安全との見解を出しています。

 市販のミネラル水で粉ミルクを溶く際、硬水だとミネラル分が多く十分に溶けない場合があります。血液成分の調整力が弱い赤ちゃんがミネラル分を多く取り込むと、腎臓に負担がかかります。 

 明治(旧、明治乳業)は、粉ミルクは国内の水道水(お湯)で溶いた時に母乳にできるだけ近くなるように作られており、それだけで赤ちゃんの成長に必要なミネラルは十分摂取できるように設計されているとして、水道水が問題なく使用できる場合は水道水の使用を勧めています。

 水道水が使用できない場合は、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分が少ない水を使うよう勧め、選ぶ基準として「pH値が6~8で、1リットル当たりのマグネシウム30ミリグラム以下、ナトリウム42ミリグラム以下、カルシウム285ミリグラム以下、カリウム367ミリグラム以下」という値を示しています。ミネラルの表記がない場合は硬度120以下を目安に、できれば60以下を選んでほしいといいます。

 水道水の放射性物質が基準以下の時にくみ置く方法もあります。東京都水道局は、清潔でふたのできる容器に口元いっぱいまで水を入れるよう呼び掛けています。直射日光を避ければ、消毒用塩素の効果は3日程度続くといいます。

 2011年4月2日(土)

 

■放射線量、山形県はピークから半減 他の地域も一様に低下

 東北、関東各地で3月31日から4月1日にかけて観測された放射線量は、山形県が震災後のピークから半減しました。東日本大震災前の平常値を上回っている茨城県や東京都なども、ほぼ一様に低下しました。

 都道府県に観測を委託している文部科学省の集計によると、31日午後5時から1日午前9時に観測された各地の最大放射線量は、山形県が30~31日の毎時0・070マイクロシーベルトから0・064マイクロシーベルトに下がりました。ピークには0・129マイクロシーベルトを観測していました。茨城県は0・195マイクロシーベルト、東京都は0・099マイクロシーベルトに下がりました。

 福島県が実施している調査では、福島市で1日午前3時に2・90マイクロシーベルトを観測しました。

 胸部エックス線の集団検診1回で受ける放射線量は50マイクロシーベルト。

 東京電力の発表によると、福島第1原発1号機付近の地下水から、敷地境界で設定されている基準の約1万倍の放射性ヨウ素が検出されました。文科省の別の集計では、福島第1原発の北西約30キロの福島県浪江町付近で1日午前10時56分に36・2マイクロシーベルトを観測しました。

 福島地方気象台の予報では、2日の福島第1原発付近は西寄りの風、夕方から北西の風となっています。

 2011年4月1日(金)

 

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