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健康ダイジェスト

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■たばこ、JTが10月から値上げ 1箱400円時代に

 日本たばこ産業(JT)は28日、10月1日にたばこが大幅増税されるのに伴い、全105銘柄のうち103銘柄を10月1日から値上げすると発表しました。値上げは2006年7月以来4年ぶりで、過去最大の値上げ幅。

 多くの銘柄の小売価格が400円を超えます。代表的な銘柄の「マイルドセブン」は現行の1箱300円から410円、「セブンスター」「ピース」は300円から440円、「キャスター」は290円から410円、「ピアニッシモ」は320円から440円、「ホープ(10本入り)」は150円から220円になります。

 財務省による今回の増税はたばこ1本につき3・5円で、1箱(20本入り)当たりは70円となりますが、JTは税引き上げ分に数10円を上乗せします。国内市場の約65パーセントを占める最大手のJTでは、年間約1500億本あった販売量が10月以降の1年間で25パーセント程度減るとみています。ほかの大手も同規模の値上げに踏み切るとみられるため、たばこ市場の縮小が進みそうです。

 JTの国内のたばこ工場は3月に2カ所を閉鎖し現在7工場で、来年3月には神奈川県小田原市の工場も閉鎖予定。値上げに向けて駆け込み需要が予想されるため当面2〜3割の増産態勢を続けるものの、将来は工場の追加閉鎖も迫られそうです。 

 2010年4月30日(金)

 

■光化学スモッグ予測システム、ほぼ全国をカバー

 環境省は、目やのどの痛みなどを引き起こす光化学スモッグの原因となる大気汚染物質「光化学オキシダント」の濃度予測システムの運用を、北海道と沖縄を除く全国各地を対象に28日から始めました。光化学スモッグは最近、発生が広域化しており、同省大気環境課では「屋外での活動、健康被害の防止に役立ててほしい」としています。

 汚染濃度分布予測図(メッシュマップ)として視覚的に提供し、各地域の光化学オキシダント及び二酸化窒素について、1時間ごとの濃度分布を当日と翌日の2日間分、表示します。濃度は0.02ppm から0.12ppm までの20 色で表し、更新は1日1回、午前9時。国立環境研究所が運用する環境GISホームページ内「大気汚染予測システム」(http://www-gis.nies.go.jp/)で見られます。

 交通量が多いなど汚染源となる場所のデータのほか、気象データなどを組み合わせ、5キロ四方の単位で計算。今まで関東と中部、関西、九州の4地域で試みていましたが、新たに中四国と東北も加わり、国内で過去に注意報が発令された全地域をカバーできるようになりました。

 光化学スモッグは国内で1970年代に猛威を奮って以降、昨年には山形県と鹿児島県で初めて注意報が発令されるなど、広域化する傾向にあります。中国などからの越境汚染の影響が指摘されています。

 2010年4月29日(木)

 

■トクホ市場が初の減少 生活習慣病予防の品目は堅調

 健康志向の高まりとともに拡大してきた特定保健用食品(トクホ)の市場が、景気低迷の影響を受け伸びて曲がり角を迎えています。日本健康・栄養食品協会が公表した2009年度の市場規模は5494億円で、07年度に比べ19パーセント減少しました。

 1997年度の調査開始以来、減少したのは初めてのこと。協会では、景気低迷の影響で消費者の志向が低価格品へと向かい、商品の低価格化を招いたことを規模縮小の要因としています。

 市場の過半を占める乳酸菌や食物繊維など整腸関連のトクホの市場規模は、前回調査より11パーセント減少。血中中性脂肪や体脂肪が気になる人向け商品の市場規模も同33パーセント、血圧関連も同17パーセント減少しました。これには、花王の食用油「エコナ」が昨秋、「体の中で発がん性物質になる恐れのある成分が含まれている」として販売を自粛したことも響いたとみられます。

 一方で、新しいジャンルとして出てきた「疾病リスク低減表示」トクホは、カルシウムなど関与成分の疾病リスクの低減効果が医学的・栄養学的に確立されている場合に表示が認められます。骨・ミネラル関連のトクホは、前回調査の2.6倍と大幅に増加しました。コレステロール、血糖値など生活習慣病予防に密着した品目も、着実に伸びました。

 販売経路の変化の影響も大きく、主な経路であるスーパー、コンビニが3296億円と前回調査から約680億円減少した一方で、ドラッグストア、薬局経路の売上げは好調で、前回調査の1.6倍の300億円近い市場となっています。さらに、通信販売経路では2.2倍、132億円のトクホ商品が流通しています。

 トクホは、健康の保持増進に資する食品として、政府が特定の保健の目的が期待できることを表記する許可をした食品で、1991年に始まりました。栄養機能食品とともに保健機能食品に含まれ、2003年には新規の関与成分などの許可申請に関しては、食品安全委員会での安全性の評価についての審議を経るようになりました。

 そもそもは医学的な根拠があいまいな「健康食品」と区別することを狙い、ヒト試験で科学的に検討され、適切な摂取量も設定されています。健康への関心の高まりに合わせて、トクホの信用や売り上げは増加し、現在では市場に確固たる地位を確立した商品も多くみられます。団塊の世代を中心に、特定健診でメタボリックシンドローム対策が必要となった中年層の支持も広く集めています。

 許可品目数は昨年12月末までの2年間で190件増え、全体で883件。トクホは昨年9月より所管が厚生労働省から消費者庁、消費者委員会へ移され、12月より申請受付が再開されました。

 2010年4月28日(水)

 

■うつ病診断を正確に行うプログラムを開始 東大病院

 東京大学医学部附属病院の精神神経科は、脳を傷付けずに神経活動の変化を知ることができる光トポグラフィー検査を活用し、うつ病などの診断を正確に行う「こころの検査入院プログラム」を始めました。

 4日程度の入院期間中に、近赤外線による光トポグラフィー検査やカウンセリングなど、普段の外来診療では行うことが難しい各検査を集中的に実施。症状を見分けにくいことがある双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、うつ病(大うつ病障害)を区別し、主治医が治療方針を決めるための手掛かりを提供します。

 年間100人の受け入れが可能ですが、6月末までの予約枠は埋まっており、次回は7月1日から受け付けを始めます。申し込みには、主治医による紹介状が必要。

 入院申し込みに関しては、「こころの検査入院プログラム」(http://www.h.u-tokyo.ac.jp/patient/depts/kokoro.html#04)へ。

 2010年4月27日(火)

 

■ゴールデンウイークには紫外線対策をしっかりと

 過ごしやすい時期を迎え、ゴールデンウイークには野外の行楽地へ出掛ける人も多いはず。一方で、肌の大敵となる紫外線が増加のピークを迎えるのも5月。紫外線は無防備な肌を容赦なく狙い、しみやしわなどの原因になりますので、衣服や日傘、帽子、日焼け止めを効果的に組み合わせた対策で肌を守りたいものです。 

 紫外線とは、地球に到達する太陽光線のうち、波長が短くエネルギーの高い光のことです。 この紫外線は、さらにUV―A(A波)、UV―B(B波)、UV―C(C波)の3種類に分けられますが、最も有害なC波のほとんどはオゾン層によって吸収されてしまうため、地球上には届きません。

 日本の紫外線量は4月から8月にかけて最も多くなり、中でも5月にA波の発生がピークとなり、8月ごろにB波の発生がピークとなります。A波は日陰でも散乱光として皮膚に影響を与え、B波は肌の炎症や痛みなどの影響をすぐに与えます。

 紫外線を予防するには、もちろん紫外線に当たらないことが一番です。しかし、日常生活を送ったり、レジャーに出掛けたりする上で、すべての紫外線を避けることは不可能といえるでしょう。食事やサプリメントなどでビタミンCを摂取し、紫外線に当たった後の対策をすると同時に、日焼け止めを活用して根本的に肌に紫外線が当たらないようにする対策をとることが大切。

 カネボウ化粧品販売九州地区本部沖縄支社・業務部の入稲福(いりいなふく)きよみ係長は「紫外線は肌の繊維細胞やコラーゲンにダメージを与え、『光老化』と呼ばれるしわやたるみなどの老化現象を起こす」、「年齢を重ねて代謝が悪くなると、過去に受けた紫外線がメラニンという形で現れてくる。日常生活で無防備なのは危険です」と注意を呼び掛けています。

 「男女や年齢を問わず、衣服や日焼け止めを効果的に使うことで紫外線を防ぎたい」と入稲福係長。海水浴などで強い日差しに肌をさらすなら、B波防止効果を示すSPF値50以上、A波を防ぐPA値+++(スリープラス)と共に高めの日焼け止めを勧めています。

 SPF、PA値の高いタイプは洗い流す際に専用クレンジングが必要なため、肌への負担もあります。日課のジョギングなどで毎日使う人、肌の敏感な子供には、低刺激タイプやスキンケア効果のあるもの、50歳代以上の人には保湿効果のあるヒアルロン酸を配合したタイプもあります。

 紫外線は肌だけでなく、目など全身にも疲労をもたらします。暑い時はほんの少しの時間であっても、野外で活動する時には帽子やサングラス、長袖のシャツなどで日焼け対策をしたいものです。

 2010年4月26日(月)

 

■新型インフルで呼吸器障害の子供に、ステロイド薬が有効

 新型の豚インフルエンザによる呼吸器障害の子供の治療に、ステロイド薬が有効であることがわかりました。日本小児アレルギー学会と日本小児科学会が小児の入院患者862人を調査した結果で、盛岡市で開催中の小児科学会で25日、公表されます。

 ステロイド薬は小児の症状を悪化させ、特にぜんそくの子供でその可能性が高いのではと心配する声がありましたが、臨床で効果を確認できました。

 全国61病院に昨年12月25日までに入院した19歳以下の患者862人、平均年齢約7歳を対象に調査、分析。肺炎など呼吸器障害が原因で入院した489人のうちステロイド薬が使われたのは7割の340人で、このうちぜんそくの子供の231人では18パーセントで著しく効果があり、74パーセントで有効だと評価されました。持病のない子供109人でも85パーセントに著しく効果あり、ないし有効と評価されました。死亡例はありませんでした。

 調査をまとめた荏原病院(東京都)の松井猛彦小児科部長は、「これだけ大勢の患者を調べたのは初めて。今後の治療の参考にしてもらいたい」と話しています。

 なお、今回の調査対象の3分の2が男児でした。理由は不明ながら、新型インフル脳症でも男児が重症化しやすいとみられ、厚生労働省研究班の報告でも、15歳未満の脳症の子供では男児5対女児3で多くなっています。季節性インフルの脳症では、男児は約1割多い程度だとされます。

 ステロイド薬は、ぜんそく治療の最も基本となる薬剤。強い発作を抑える発作治療薬にも、発作を起こさないようにする長期管理薬にも使われます。使い方には内服、注射による全身投与と、吸入による気道局所への投与があります。全身投与は発作治療と長期管理に使われる場合があり、局所への吸入は長期管理に使われます。

 2010年4月25日(日)

 

■ホルモンで自閉症改善 金沢大が臨床結果を発表

 自閉症患者が「オキシトシン」というホルモンを服用すると症状が改善したとの臨床結果を、金沢大などの研究グループが23日、発表しました。

 3歳から自閉症とされてきた20歳代男性で、会話ができず、人と交流ができずにいました。両親が2008年、スイスからオキシトシンの点鼻薬を輸入し服用すると、男性は診察で担当医の目を見て笑い「はい」「いいえ」と答えるようになり、担当医が驚いたといいます。

 オキシトシンは哺乳類に広く分布し、視床下部などで作られるホルモンで、男性は血中のオキシトシン濃度が低かったことが判明。これまでアスペルガー症候群などに効果があった例は海外で報告がありますが、同大の東田陽博教授(神経化学)は「重度の知能障害がある自閉症患者が長期間服用し、改善が確認されたのは初めて」と話しています。

 オキシトシンには乳腺の平滑筋を収縮させて母乳の分泌を促したり、子宮筋を収縮させて出産を促す働きがあるとされます。長年連れ添った夫や妻、あるいは親しい関係にある人と接する時に盛んに分泌されて、信頼感を強める作用があり、人が社会で活動するために必要なホルモンと指摘する研究者もいます。

 治療薬としてさまざまな場面で人に投与されているものの、自閉症の治療薬としてはいまだ認められておらず、男性の点鼻薬は母乳分泌用でした。

 2010年4月24日(土)

 

■ラドン温泉になる鉱石は効果なし 国民生活センター測定

 国民生活センターは21日、風呂の湯に浸すとラドンやラジウム温泉になるとうたった鉱石などの商品について、実際には「温泉」の基準を満たす濃度にはならないとする商品テスト結果を発表しました。

 効果、効能もほとんどないとみられますが、購入に100万円以上を使ったケースもあり、同センターは「広告に惑わされないよう注意して」と呼び掛けています。

 商品は、鉱石や鉱石をセラミックボールに加工したものなどで、主に通信販売、訪問販売されています。テストでは通信販売で購入した鉱石タイプ5銘柄、セラミックボールタイプ3銘柄、それらの混合タイプ2銘柄の計10銘柄を42度の湯180リットルに30分間入れ、ラドンとラジウムの濃度を測定。

 その結果、ラドンの濃度は水道水と同じレベルしかなく、ラジウムの濃度も測定できないほど低いレベルでした。両物質とも、温泉法で定められた基準値を大きく下回りました。また、医薬品でないのに効能表示をしていた商品もあり、薬事法上も問題となる恐れがあるといいます。

 同センターなどには、2004年度から2010年2月までに、浴室で使用するラドン・ラジウム関連商品に関する計387件の相談があり、そのうち71件は「お風呂に入れてラドンを発生させる箱入りの石を購入したが、効果がわからず、本当にラドンが出ているのかも疑わしい」、「お風呂の中に入れるとラジウムが出て健康効果があるという。安全なものか」といった品質や安全性に関する相談でした。

 1件の購入価格の多くは、30万〜50万円でした。

 2010年4月23日(金)

 

■粉末ジュースからチクロ検出 ブラジルで製造

 横浜市は21日、ブラジルで製造された粉末ジュースから食品衛生法で使用が禁止されている甘味料サイクラミン酸ナトリウム(通称チクロ)が検出されたとして、輸入した「ボンペックスジャパン」(横浜市金沢区)に回収を命じました。

 市によると、検出は1キロあたり0・005グラムで「直ちに健康への影響はない量」としています。

 回収対象は「CAMP SUCO EM PO-SALADA DE FRUTAS」(1袋35グラム入り)で、昨年12月に輸入されてから5920袋が17都府県の70店舗で販売されました。これまでに健康被害の訴えはありません。

 チクロは、日本やアメリカでは発がん性があるとして1969年に使用禁止となりました。 しかし、EU圏、カナダ、中国など55カ国以上では現在でも使用されており、各国の食品行政の対応が異なるため、しばしば輸入食品回収事件の原因となっています。

 2010年4月22日(木)

 

■母乳感染のウイルス性白血病が全国に拡大

 主に母乳を介して乳児に感染し、九州・沖縄に多い成人T細胞白血病(ATL)のウイルス感染者が、全国に広がっていることが厚生労働省研究班の調査でわかりました。関東では、20年近くで1.5倍に増えています。

 妊婦の感染を調べる血液検査が徹底されていない実態も、判明。研究班は、感染の根絶には全国的な検査の徹底が必要との提言をまとめました。

 ATLは母乳や精液に含まれるウイルスで感染します。生涯発症率は約5パーセントと低いものの、根治は困難で、感染していれば母乳をやめて人工乳にするのが最も効果的とされます。

 研究班は、2006〜07年に献血した16〜65歳の男女の血液からウイルス感染者を推計。全国の感染者は107万9000人で、1990年比で11万4000人減りましたが、関東は19万人で6万2000人増、中国・四国でも増えていました。交通の発達などによる人の移動と、これまで感染者が九州・沖縄に集中していて全国的な対策が遅れたことが原因とみられます。

 90年では九州・沖縄の感染者が全体の50.9パーセンを占めていましたが、今回では45.7パーセントまで低下、近畿も17.0パーセントから15.9パーセントと減りました。関東は10.8パーセントから17.7パーセントと増え、北陸・東海も6.9パーセントから7.6パーセントと増えました。

 ATLの感染経路は母子感染が多く、感染者の母親から母乳などで子供に感染する割合は約20パーセントとされるため、抗体検査で感染が判明した妊婦は母乳を中止する予防措置が必要になります。しかし、抗体検査の実施は一部自治体に限られ、全国的に広がっていません。検査を公費で負担しているのは、長崎や鹿児島など一部の県だけ。

 研究班は、「全国で検査して母子感染予防を検討する時期」と結論づけ、抗体検査で疑陽性が出る確率が高いことから精密な2次検査の必要性と、感染が見付かった妊婦の不安に対処するカウンセリング法を示しました。厚労省母子保健課は、「検査の公費負担も含め検討したい」としています。

 ATLウイルスが血液内の白血球(リンパ球)に感染すると、異常を起こした細胞の増殖が止まらなくなり、抵抗力が落ちてさまざまな合併症を併発します。治療は無菌室などで慎重に進められ、抗がん剤治療や骨髄移植などが行われますが、薬への耐性が強いため再発しやすいとされます。現在、白血病で死亡する人は国内で年間6000人以上とみなされ、うち2割近くの1100人前後をこの疾患が占めます。

 2010年4月21日(水)

 

■精神疾患のチェック、企業健診で義務化へ

 企業が行う健康診断で、精神疾患に関する検査を義務づける方針を19日、長妻昭厚生労働相が示しました。増え続けるうつ病や自殺を防ぐのが狙いで、労働安全衛生法の改正も検討する意向です。

 労働安全衛生法は、原則として1年に最低1回、従業員の定期健康診断を行うことを事業主に義務づけており、違反すれば50万円以下の罰金となります。労働者にも受診義務がありますが、罰則はありません。同法規則が定めている検査項目には、血圧や肝機能、血糖などはありますが、問診も含めメンタルヘルスに関する項目は明示されていません。

 厚労省は1月に「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」を設置しており、近く中間報告がまとまる予定。中間報告には、精神疾患に関する検査の必要性を指摘する内容が盛り込まれる方向です。同省安全衛生部の担当者は、「法改正が必要か、省令改正で間に合うかも含めて検討することになる」と説明しています。

 同省によると、2008年の自殺者約3万2000人のうち、動機とされたのはうつ病が最多で約6400人。うつ病を中心とする「気分障害」の精神疾患の患者数は同年、約104万人で、1999年からの9年間で約60万人増加しました。

 また、2008年度のうつ病を含む精神障害などの労災請求件数は927件で、認定件数は269件。2000年と比べると、請求件数は4倍以上、認定件数は7倍以上に増えています。

 2010年4月20日(火)

 

■卵巣を凍結保存し、がん治療後移植 順天堂大が開始

 抗がん剤や放射線治療で卵巣機能が失われる前に女性患者から卵巣を摘出して凍結保存し、がんの治療後に本人に移植して自然妊娠を可能にする治療を、順天堂大(東京都)と加藤レディスクリニック(同)が共同で始めます。すでに同大倫理委員会で承認を受けており、16日に記者会見で発表しました。

 治療前に卵巣から卵子を採取して凍結保存しておく試みは10年ほど前からあり、世界で1000人以上の子が生まれています。しかし、採取できる卵子の数が限られ、体外受精で妊娠するしかありません。一方、卵巣凍結保存による治療では、自然妊娠や卵巣機能の回復が期待できます。

 同クリニックが開発した「超急速ガラス化保存法」という技術を利用。2個ある卵巣の一方を腹腔鏡手術で摘出し、縦横1センチ四方、厚さ1ミリの組織片を作製。冷却中に氷の結晶ができて細胞が壊れないよう急速に冷やすため、組織片を載せる銅板に穴を開けて熱を伝わりやすくし、液体窒素に入れます。保存した組織片は、がん治療終了後に、もう一方の卵巣に移植します。

 凍結保存していた卵巣組織片を患者に戻した例は、臨床研究も含めて国内ではありません。加藤レディスクリニックは、「ベルギーでは凍結保存した卵巣を戻して出産した例が5件報告されている」と話しています。

 治療の費用は卵巣凍結に約50万円、治療後に戻す移植で約20万円を想定し、がんの種類は問いません。保護者が同意すれば未成年でも可能。ただし、子宮も摘出しなければならない場合は、現在日本で認められていない代理出産が必要になるため行いません。

 卵巣凍結を規制する法律や学会指針はなく、日本産科婦人科学会の吉村泰典理事長(慶応義塾大教授)は、「大学倫理委の承認を得た上で、臨床研究として実施するぶんには問題はないと思う」と話しています。

 2010年4月19日(月

 

■九州新幹線で急患搬送 2011年春にドクタートレイン

 JR九州(福岡市)が2011年3月に全線開業する九州新幹線「つばめ」で、救急患者の搬送を行うドクタートレインの準備を進めていることがわかりました。

 新生児や妊婦など周産期の緊急治療が必要な患者らの搬送を想定。鹿児島では治療や手術が難しい患者を、高度医療が受けられる熊本、福岡の周産期母子医療センターや、新生児集中治療室(NICU)、救急病院などに搬送します。逆に、鹿児島が県外から受け入れることもあります。

 これまで遠く離れた病院への救急搬送は、主に救急車やヘリコプターで行われてきました。車は時間がかかり、ヘリは夜や悪天候には飛べません。新幹線が選択肢に加わることで、救命率の向上が期待されます。

 本州で新幹線を運行するJR3社によると、東日本は一部で急患搬送例はあるものの、東海、西日本では実施していません。鹿児島市立病院の周産期医療に携わる医師の提案を受け、熊本市医師会が08年夏、JR九州に搬送協力を依頼。同社が要請を受け入れました。

 関係者によると、搬送は新800系車両の多目的室を利用する予定。多目的室は今も気分の悪くなった乗客や赤ちゃんへの授乳、おむつ替えに使われており、電源もあります。搬送の対象は、隔離の必要な伝染病でなく、容体が比較的安定している人で、医師や看護師の同乗、運行ダイヤを乱さないことなどが条件になるといいます。

 JR九州では現在、多目的室がついていなかったタイプの「つばめ」計6編成を順次改造中で、1編成当たり約1100万円の費用がかかるとされています。 

 2010年4月18日(日 

 

■スギ花粉の飛散が各地で終息、ヒノキ飛散も少ない見込み

 環境省は16日、今春の花粉の飛散が終息する時期を発表しました。ヒノキ花粉の終息時期は、各地でほぼ昨春並み。4月中旬に九州北部、四国、中国地方、4月下旬には近畿、東海、関東南部、甲信地方、5月上旬に北陸、関東北部、東北地方で飛散が終わります。九州南部はすでに終息しています。

 スギ花粉は、昨春に比べて各地で1〜3週間早く、4月下旬に終息する東北南部、5月上旬の東北北部、北海道を除いて、各地ですでに終息しています。

 今春は雨の日が比較的多くて花粉が流されたため、飛散量は全国的に例年より大幅に少なくなる見込み。

 なお、スギ・ヒノキ科の花粉飛散が終息しても、すでにイネ科花粉が若干量ながらも飛散し始めており、花粉症の症状が続く場合には、イネ科花粉症など他の花粉症やその他のアレルギー疾患の可能性があります。

 2010年4月17日(土

 

■水俣病救済策を閣議決定し、5月1日から申請受け付け

 政府は16日、国が定めた水俣病の認定基準から漏れた未認定患者を救済する特別措置法に基づく、新たな救済方針を閣議決定しました。

 水俣病の公式確認から54年となり、水俣病慰霊式が開かれる5月1日から、申請の受け付けを開始、患者の悲願だった療養手当支給などの救済がスタートします。

 1995年に次ぐ大規模な政治主導の救済となり、対象者は3万5000人以上に上るとみられますが、被害の全体像はわかっておらず、今回ですべての被害者が救済されるかはなお不透明です。

 新たな救済策は一時金210万円、療養手当月額1万2900~1万7700円、はり・きゅうなど療養費の自己負担分の支給が柱。これまで救済を求めて活動してきた被害者団体への加算金については、「水俣病出水の会」に20億円と医療施設の運営費約10億円、「水俣病被害者芦北の会」に1億6000万円、「水俣病被害者獅子島の会」に4000万円を支給します。

 救済対象者は、手足の先ほどしびれが強い「四肢末梢優位の感覚障害」か、全身の感覚障害などが認められる被害者。申請者は公的診断書が必要ですが、民間診断書の提出も認め、熊本、鹿児島、新潟の各県が設置する判定検討会で2つを総合的に判断して判定します。

 これまでは対象外とされてきた原因企業チッソ(東京都)がメチル水銀を含む排水を止めた後の1969年以降に生まれた人も、母親の毛髪水銀値のデータなどを示せれば、救済対象になる可能性があります。

 チッソ水俣工場が熊本、鹿児島両県に面する不知火海に流した排水に含まれていたメチル水銀で魚介類が汚染され、食べた人に中毒症状が現れた水俣病は、「公害の原点」と呼ばれます。1956年に水俣保健所が被害の発生を確認。65年には昭和電工が排水を流した新潟県の阿賀野川沿岸でも被害者が見付かり、国は68年に水俣病を「公害病」と認定しました。

 2010年4月16日(金

 

■後期医療の後継に4案、国民意識調査も実施へ

 75歳以上が対象の後期高齢者医療制度(後期医療)を廃止した後、2013年4月に導入する予定の新たな制度について、厚生労働省は14日、4つの案をまとめました。

 新制度を検討している有識者の意見を踏まえたもので、夏までに骨格を決めます。5月には高齢者医療制度に対する国民意識調査を実施する方針も、打ち出しました。

 後期医療は、75歳という年齢で分けることが批判を浴びてきました。今回の4案は、大企業の会社員らが入る健康保険組合(健保組合)などの被用者保険の加入者が高齢者になった場合の仕組みが異なります。

 「都道府県一本化」案では、被用者保険の加入者は現役で働いている場合は被用者保険に残ります。被用者保険、自営業者らが入る国民健康保険(国保)は、それぞれ都道府県単位で運営します。ただ、加入者の年齢構成や所得によって財政の格差が出るため、被用者保険と国保の間で財政調整をします。

 「突き抜け方式」案では、被用者保険の加入者が退職した場合、新設する退職者健康保険制度に入ります。この新制度は、被用者保険が共同で運営。この方式は、労働組合で作る連合が提案しました。

 一方、65歳になった段階で、新たな制度に加入するのが「65歳以上別建て」案。この案は、健保組合で作る健康保険組合連合会が示しました。

 「国保に一体化」案では、65歳の高齢者が国保に入ります。65歳以上は別会計で保険料などを軽減し、国保の運営は都道府県単位とします。

 また、高齢者医療制度に対する国民意識調査は、65歳未満の成人4000人と65歳以上の4000人、さらに有識者らを対象に5月に郵送で実施します。新制度の骨格を取りまとめた後の9月には、成人3000人を対象に面接方式で調査します。

 2010年4月15日(木

 

■脱毛症治療に初の診療指針 皮膚科学会が5段階評価

 国内で約800万人が悩んでいるとされる男性型脱毛症について、日本皮膚科学会は治療薬や植毛などの対処法について5段階で評価した初の診療指針をまとめ、17日の同学会で発表します。

 近年、さまざまな商品なども出てきているため、治療薬や育毛成分、植毛など10種類について、国内外の研究論文を基に科学的根拠の有無を検証。強く勧められる「A」は、塗り薬のミノキシジル(商品名リアップ)と飲み薬のフィナステリド(商品名プロペシア)とされました。フィナステリドは女性の場合は、行わないよう勧められる「D」とされました。

 t―フラバノン、アデノシン、サイトプリン、ペンタデカン、ケトコナゾールの育毛剤5成分は、考慮してもよいが十分な根拠がない「C1」、血行促進などの作用があるとされる植物の根のセファランチンは、根拠がないので勧められない「C2」に分類されました。

 自分の後頭部の毛組織を脱毛部に移植する自毛植毛は、勧められる「B」。化学繊維を使った人工毛植毛は、感染症や拒絶反応が多く「D」でした。

 指針では、治療の手順も示しました。生え際の後退の程度などから、軽症と診断されればC1群の育毛剤を使うか、ミノキシジルとフィナステリドを1年使用。効果がない場合は、自毛植毛へ。中等症以上ならば、ミノキシジルとフィナステリドを使い、効果がない場合は、同様に自毛植毛へ。

 近年、科学的根拠が乏しい関連商品やサービスが横行し、健康被害や金銭的なトラブルが多発している折、指針をまとめた同学会委員会のメンバーの1人は、「多くの患者が悩んでいるのは事実。医療関係者向けに客観的な対処法の評価として示したい」と話しています。

 一方、C2と分類されたセファランチンが主成分の育毛剤を製造する化研生薬(東京)は、「医薬部外品なので論文データが不足しているのは事実だが、動物実験で効果が示されている」と話しています。Dとされた人工毛植毛を行っている大手業者の社長(57)は、「私自身も使っており、30年以上使うリピーターもいる。安全性への配慮に欠けた商品と一緒に評価しないでほしい」と話しています。

 2010年4月14日(水)

 

■首都圏に移り住んだ48人を検診し44人に水俣病の疑い

 水俣病の被害地域に住んだ経験があり、その後首都圏に移り住んだ人を対象にした水俣病の集団検診が11日、川崎市内の診療所でありました。東京都などに住む41〜80歳の48人が受診し、うち44人が「水俣病か水俣病の疑い」と診断されました。

 国の基準で患者と認められていない被害者らで作る「水俣病不知火患者会」(熊本県水俣市)などの主催で、首都圏での検診は2回目。水俣病だと気付いていなかったり、病気への偏見を恐れて受診してこなかったりした被害者を見付けるのが狙い。48人のうち45人は初めて診察を受けました。

 中で、父親が原因企業のチッソ(本社・東京都)に勤務し、6歳で水俣市から関東地方に移り住んだ女性(41)は、「水俣病の疑い」と診断されました。子供の頃からこむら返りなどの症状があったものの、親から「水俣病ではない」といわれてきました。女性は「チッソの社宅で仲が良かった幼なじみが心配。同年代の多くは、症状があっても水俣病との関連に気付いていないと思う」と話しました。

 2月7日に東京都中野区の診療所で行われた首都圏での検診1回目でも、熊本、鹿児島両県出身の49人が受診し、うち46人に四肢末梢(まっしょう)優位の感覚障害などの特有症状があり、「水俣病か水俣病疑い」と診断されていました。

 救済対象外の地域出身者や、国が新たな被害はないとする1969年以降の出生者も含まれ、潜在患者の両県以外への広がりの一端を示す結果となっています。

 2010年4月13日(火)

 

■新型のインフルエンザに漢方薬が有効

 新型の豚インフルエンザの発症予防に漢方薬が役立ちそうだと、帝京大医学部の新見正則・准教授(外科)が11日、東京で開催中された日本内科学会総会・講演会で発表しました。

 有効性がわかったのは、胃腸の働きをよくして、体力を回復する効果があるとされる補中益気湯(ほちゅうえっきとう)。病院でもよく使われる代表的な漢方薬の一つで、疲れ、食欲不振、胃弱、胃アトニー、夏ばて、風邪、痔に処方されています。

 調査は昨秋、東京にある病院の職員358人(平均41歳)の協力を得て実施。半数の人に補中益気湯を4〜8週間毎日飲んでもらい、残り半数は飲みませんでした。8週間後までに、飲まなかった人で7人が新型インフルと診断されたのに対して、飲んだ人では1人だけでした。ただし、薬が合わず、途中でやめた人が14人いました。

 新見・准教授は、「アレルギーなどがあってワクチンが使いにくい人もいる。漢方薬で予防するという選択肢があってもいい」と話しています。

 2010年4月12日(月)

 

■アルコール規制に動き出す世界保健機関

 過剰な飲酒は健康だけでなく社会全体への害だとして、世界保健機関(WHO)がアルコール規制に動き出しています。日本も参加する5月の総会では、「アルコールの有害な使用を減らす世界戦略」が合意される見通し。

 法的拘束力はありませんが、3年後に報告を求められるため、酒に寛容な日本でも政府がアルコール規制に動き出しそうです。

 WHOが問題視するのは、本人の健康を害するだけではなく、飲酒運転や暴言、暴力、家庭崩壊にもつながる酒害。「世界で年間250万人の死因に関係している」としています。

 日本の酒の市場は巨大で、酒税収入は2007年度で1兆4700億円に上り、酒造や小売りだけでなく、飲食や宿泊業など利害関係者も多くいます。一方、厚生労働省の推計によると、日本国内のアルコール依存症患者は予備軍を含め440万人。

 今後、自動販売機の規制、電車や公園など公共の場所での飲酒制限、酒税の引き上げや値引きの制限、イッキ飲みの禁止、飲み放題の禁止などを求める声が上がりそうですが、規制という発想自体を疑問視したり、景気後退を懸念する声も上がりそうです。

 医療の分野では、アルコール依存症になる恐れのある大量飲酒者を救うため、短時間のカウンセリングを広めていくことが考えられています。海外で見られるように、酒税の一部を健康関連に当てる施策も考えられるようです。

 2010年4月11日(日)

 

■主要な抗生剤が効かないアシネトバクター菌 国内で確認

 千葉県船橋市の市立医療センターに入院した20歳代の男性から、主要な抗生剤約30種が効かないアシネトバクター菌が見付かりました。日本国内で、この多剤耐性菌が見付かるのは極めてまれ。

 院内感染はないといいます。海外での院内感染が疑われており、研究者は海外からの上陸に警戒するよう、医療機関などに呼び掛けています。

 アシネトバクター菌は、土壌や水回りなどの自然界のほか、人間の皮膚などにも存在する細菌。体力や免疫力が弱まった人、大きな外傷性障害ややけどのある人に感染すると、敗血症や肺炎などを起こし最悪の場合、死に至ることもあります。

 男性はアメリカ留学中に交通事故で大けがを負い、病院で手術を受けました。帰国後、けががなかなか治らないため、昨年7月に同医療センターに入院し、検査で多剤耐性菌の感染が判明しました。男性は治療を終えて回復し、今年1月に退院したといいます。

 日本国内では09年に愛知県、08年に福岡県の病院で、特に強いタイプのアシネトバクター菌の感染が確認されています。

 従来、院内感染に関する世界の注目は、圧倒的にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に注がれてきました。しかし、イギリスやギリシャの研究者は数年来、新たに広がりつつあるアシネトバクター菌への対策が必要だと訴えています。

 2010年4月10日(土)

 

■輸入ワクチン30億円分が期限切れで廃棄へ

 新型の豚インフルエンザの輸入ワクチンについて、長妻昭厚生労働相は7日、スイスのノバルティス社から購入後、有効期限が切れた輸入ワクチンが30億円分、233万回分に上ることを明らかにしました。国産ワクチンを合わせ、約1億回分の余剰が生じています。

 厚労省は、欧州2社の製薬会社と約1126億円、計9900万回分の輸入契約を締結していましたが、ワクチン接種が予想を下回り、多くが在庫となっています。

 ノバルティス社との契約分は、2500万回分のうち約1660万回分が納入されています。このうち233万回分は、新型インフルの患者が急増中の昨年秋に製造されたものですが、今年1月まで国内の承認が下りなかったため、2月の出荷開始から約2カ月で製造後半年の有効期限を迎え、廃棄される見込み。今後、4月末に238万回分、5月末に830万回分、6月末に360万回分の有効期限が切れます。

 イギリスのグラクソ・スミスクライン社とは、当初輸入予定だった分の3割に相当する2368万回分を解約する合意に達しましたが、ノバルティス社とは、残りのワクチン約840万回分の解約交渉がまとまっていません。

 厚労省は3月末に専門家会議を開いて、ワクチンを含めた対策の検証に着手しており、空港での水際対策や医療体制、広報などについても検証の上、6月までに結果をまとめる方針。

 2010年4月9日(金)

 

■脳梗塞を防ぐには歯周病の治療が必要 広大調査

 脳梗塞(こうそく)の患者は歯周病菌に感染している割合の高いことが、広島大学の細見直永助教(脳神経内科)らの研究で判明しました。歯周病菌が歯茎から血液を通じて全身を巡って、血管の動脈硬化を促し、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす原因の一つになっている可能性があるといいます。

 研究グループは、脳梗塞患者132人と脳梗塞でない人111人の血液を調べ、歯周病菌に感染しているかどうかを調べました。歯周病菌の量の平均値を比べると、脳梗塞患者は脳梗塞でない人より1.2倍高いという結果でした。

 脳梗塞は大きく分けて、頸(けい)動脈などの太い血管が動脈硬化などで詰まるタイプ、脳の細い血管が詰まるタイプ、心臓内でできた血栓が脳血管をふさぐタイプという3タイプがあります。このうち、太い血管の動脈硬化が原因で起きる脳梗塞患者は、脳梗塞でない人に比べて歯周病菌の量が1.4倍と、他の2タイプの脳梗塞より高めでした。

 細見助教らはさらに、脳梗塞の原因となる動脈硬化や脂質異常と歯周病菌とのかかわりを調査。頸動脈の直径が75パーセント以上詰まっている74人とそれ未満の169人を比べたところ、詰まっている人は歯周病菌の量が1.4倍高いという結果でした。血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールの値が高い脂質異常症の人は、そうでない人より1.5倍高めでした。

 歯周病は日本人が歯を失う原因の第1位で、成人の8割がかかっているとされます。細見助教は「物が食べられない、見た目が悪いという理由だけでなく、脳梗塞の発症を防ぐためにも歯周病の治療が必要だ」と話しています。研究成果は15日、岩手県盛岡市で開かれる日本脳卒中学会で発表される予定。

 歯周病と脳梗塞のかかわりについては、米ハーバード大のグループが1986年から12年間かけて、40〜75歳の中高年男性4万1380人を追跡調査。歯の数が24本以下になった人は、25本以上残っている人より、脳梗塞になる危険性が1.6倍高めでした。

 2010年4月8日(木)

 

■虐待被害児童からの臓器提供、厚労省が防止マニュアル案

 厚生労働省研究班は5日、7月17日から全面施行される改正臓器移植法で可能になる15歳未満の脳死臓器提供について、虐待を受けた子供からの提供を防ぐマニュアル案を公表しました。

 改正法では被虐待児からの提供を禁じていますが、国内では虐待を見抜く医療や行政の態勢整備が遅れているため、脳死の原因が明確な場合を除いて臓器提供について慎重な判断を求めています。

 マニュアル案では、提供を避ける例として、被虐待児に特徴的な複数の外傷がある場合や、保護者の説明が矛盾する場合などを示しました。また、慎重な判断を求める例として、説明のつかない受診の遅れがある場合や、兄弟に被虐待児がいる場合、母親が必要な妊婦検診を受けていない場合を示しました。

 一方、提供できる例としては、車に乗車中の事故の場合、明らかな先天性の病気がある場合などを挙げました。

 医療機関に対しては、主治医に加え、看護師やソーシャルワーカーなど複数の医療従事者による委員会を施設内に設置し、虐待の有無を確認するよう求めてもいます。マニュアル案をまとめた山田不二子医師は、「虐待を受けた子供からの提供を防ぐのが目的。結果的に虐待がない場合でも、提供を控えることはあり得る」と話しています。

 厚労省は、公表された案をもとに省令やガイドラインの改正案を作成し、5月中にも広く意見を募るパブリックコメントを始める予定。

 2010年4月7日(水)

 

■CT診断を中国の医師が下請け、委託料は国内の4分の1

 医師不足などの影響で、患者の検査画像の診断をインターネットを利用して外部に委託する医療機関が2000近くに増える中、一部では格安サービスをうたって中国の医師への委託も始まっています。

 こういったシステムは遠隔画像診断と呼ばれ、病院や診療所で撮ったCT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像撮影)の画像を、放射線科医のいる施設などに送り、報告書を返信してもらいます。

 中国人医師による画像診断サービスを行っているのは、「日本読影センター」(大阪府)。日本人医師によるサービスの傍ら、2008年に中国への委託を始めました。CTなどの診断を外部に委託した場合、日本国内では1件当たり3000前後が相場なのに対し、700~900円と国内の4分の1の委託料。結果は日本語に翻訳された遠隔読影報告書で、委託した医療機関に返信されます。

 現在は総合病院や診療所など8施設と契約して、月約800件を中国側に依頼。吉村英明社長は「契約している中国人放射線科医は約15人おり、診断力はあらかじめテストしている。ただし、日本の医師免許はないため、参考所見という位置づけ」と話しています。厚生労働省医事課は、「最終的な診断は依頼した日本の医師が下すとすれば、医師法に触れるとはいえない」との見解です。

 これに対し、放射線科医らで作る日本医学放射線学会などは、知識や技量も不明で、診断の質や個人情報の安全が保証されない可能性を強く懸念。「画像診断は医療行為であり、医師でない者(外国の医師免許のみ有する者も含む)が行うことは日本の法規に違反する」などとする指針を昨年11月に作成。4月8日から横浜市で開かれる学会でも議論になりそうです。

 国内のCT、MRIの合計数は約1万7000台と、人口当たりの台数は先進国中で最も多い一方、専門医は5000人程度にすぎません。民間調査会社の矢野経済研究所によると、遠隔画像診断を利用する医療機関は昨年、1944施設と、10年で8.2倍に増えました。請負業者も50前後に上るとみられます。

 2010年4月6日(火)

 

■自殺防止へ、うつ病患者支援の計画を国が策定へ

 年間3万人を超える自殺者対策として、長妻昭厚生労働相は3日、うつ病など精神疾患がある患者への支援策などを盛り込む「精神保健医療のビジョン」を年内に取りまとめる考えを明らかにしました。その上で、「2011年度予算でも一定のものは反映できるようにしたい」と述べました。

 厚労省の自殺とうつの対策を検討する「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」が4月内にも、中間報告をまとめる予定。それを受けて、精神疾患患者や家族ら当事者の意見を踏まえてビジョンをまとめる方針です。

 長妻厚労相は同日、精神疾患の患者や家族らが集まった会議に出席し、「どなたも精神疾患になる可能性があるという前提で、取り組んでいく必要がある」「日本の自殺率は先進国で最も高い。原因はまさに厚労省所管の問題であり、社会保障全体をきちんと立て直すことも大きな課題だ」と対策を強化していく考えを示しました。

 警察庁の調べでは、08年の自殺者は3万2249人。原因を把握できた約2万3000人の場合、うつ病や身体の疾患、多重債務が多くを占めました。09年の自殺者は暫定値で3万2753人に上り、男性2万3406人、女性9347人。

 2010年4月5日(月)

 

■コンビニが若い女性に向けて「こだわりパン」を新発売

 コンビニエンスストア各社が、従来より数十円から100円高いパンやデザートの販売に力を入れ始めました。「少し高くても、おいしいものを食べたい」という若い女性がターゲットで、「こだわり」で客を引き付けて値下げ競争に歯止めをかけ、売り上げの回復につなげようとしています。

 ファミリーマートは4月6日、独自ブランド「こだわりパン工房 エクセレント」の新シリーズを一部の店で発売します。値段は普通の袋入りパンより3割近く高いものの、「手作りのパンの味わいに近付けた」といいます。4月下旬までにクロワッサンダマンド(160円)など10品をそろえて、首都圏の約850店で販売し、売れ行きをみて他の地域にも広げる方針。

 昨年秋に「プレミアムロールケーキ」(150円)をヒットさせたローソンは3月下旬、「プラチナケーキ」シリーズとしてティラミスを全国で発売しました。今後はチーズ、チョコなどをシリーズに追加して計5品(210〜230円)にします。

 セブン—イレブン・ジャパンも、北海道産の生乳を使ったロールケーキ(150円)を4月22日に発売します。サークルKサンクスも、「おいしいパン生活」の高価格帯の品数を増やす方針で、3月23日に第1弾の菓子パンを220円で発売しました。

 高くても売れる商品を出すのが、コンビニ各社共通の課題。各社は300円台の低価格帯の弁当などに力を入れてきましたが、客数の伸び悩みに加え、客1人当たりの購入金額も下がり、売り上げは低迷しています。

 そこで注目したのが、街中の店で人気のパンやケーキ。ファミリーマートの担当者は、「若い女性には節約疲れが広がっていて、数十円ぐらい高くても良いものを選ぶ」と話しています。コンビニの客は30〜40歳代の男性が多く、20〜30歳代の女性に来てもらうことで客層の広がりも期待しています。

 2010年4月4日(日)

 

■薬剤師国家試験、今年の合格者数は3787人

 厚生労働省医薬食品局は3月末、第95回薬剤師国家試験の合格者を発表しました。総受験者6720人のうち合格者は3787人で、合格率は 56.35パーセントでした。試験は3月6、7日の両日、全国9会場で行われました。

 昨年行われた第94回薬剤師国家試験では、総受験者1万5189人のうち合格者は1万1300人で、合格率は74.40パーセントでした。今年の合格者数は前年より7割減で、合格率も2割ほど下がりました。

 06年から導入された薬学教育6年制への移行の関係で、今年は大学をストレートに進級して国家試験を受ける新卒の学生はいませんでした。薬剤師国家試験は薬学部卒業が要件となっているため、6年生の学生が卒業する12年までは合格者数、合格率とも減少する傾向が続くとみられます。

 2010年4月3日(土)

 

■消費者庁が事故情報データバンクを開設

 消費者庁は1日午前9時半から、国の9つの省庁・機関が持つ事故情報を集めた「事故情報データバンク」(http://www.jikojoho.go.jp)を稼働させました。同日時点で約1万4800件にアクセスでき、身近でどのような事故が多いかや、危険な製品について知りやすくなります。

 検索できるのは、同庁や厚生労働省、経済産業省、国土交通省など9つの省庁・機関がこれまで個別に保有していた事故情報。製品事故に限らず、食中毒事故や都市公園の遊具などでの重大事故なども検索できます。

 「子供」や「高齢者」などのテーマ別にリストアップ。「事故」というキーワードで検索すると、経済産業省所管の製品評価技術基盤機構の事故情報(開設時6600件)や、全国の消費生活センターの相談をまとめたPIO−NET(同6300件)、消費者庁の重大事故情報(同250件)などがまとめて表示されます。「ベビー用抱っこひもの自主回収(消費者庁)」や、「まつ毛エクステンションの危害(国民生活センター)」といった各機関の注意喚起情報も見られます。

 ただ、厚生労働省所管の医療事故の情報は、患者らのプライバシーに配慮した公表の在り方が決まっていないとして除かれました。

 今後、事故情報に写真を付けるなどしてわかりやすくしたり、文部科学省が持つ学校内の事故情報を増やしたりすることも検討中。同庁消費者安全課は、「運用しながら改善を図りたい」と話しています。

 2010年4月2日(金)

 

屋内の受動喫煙防止条例、神奈川県で施行

 大規模なホテルや飲食店など民間を含めた公共的な施設での受動喫煙を防止する神奈川県の条例が1日、施行されました。屋内での喫煙を規制する条例は全国で初めて。ただ、努力義務にとどまる施設もあり、徹底にはなお時間がかかりそうです。

 施行準備に当たってきた県の「たばこ対策室」は同日、「たばこ対策課」に改組。県内の対象施設では「禁煙」の看板を設置するなど、対応に追われる姿もある一方、客足への影響が懸念される店舗では不満の声も挙がっています。

 受動喫煙防止条例では、不特定多数が利用する施設は民間も規制対象としました。学校や病院など「第1種施設」は禁煙とし、大規模な宿泊施設や飲食店など「第2種施設」は管理者側が禁煙か分煙かを選び入り口に表示することを義務付けました。禁煙区域で吸った人は過料2000円、規制措置を怠った施設管理者は同2万円が科されますが、ホテルや飲食店での罰則は来年4月からの適用。小規模な飲食店やパチンコ店など「特例第2種施設」では規制は努力義務にとどまります。

 施行により禁煙か分煙のいずれかを決めなければならないホテルのうち、JR横浜駅西口にある「横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ」(横浜市西区)は「分煙」を選択。1日から公共スペース、レストラン、ラウンジを全席禁煙とするとともに、喫煙スペースを約700万円かけて2カ所増設し、館内15カ所に啓発看板を立てました。愛煙家の多いバーについては当面、喫煙できることに。

 200店以上の中華料理店がある横浜中華街。50席ほどの中規模店は1日の開店から「禁煙」にし、玄関の自動ドアには赤い文字で「全面禁煙 ご理解ご協力の程をお願いいたします」と書いた紙を張り出しました。喫煙者のためには店外にスタンド型の灰皿を置き、店員は「苦情は特にない」と話しています。

 一方、約100席ある大手の店は罰則が適用される来年まで様子見。オーナーは「吸えるかどうか聞いて入って来る客も多い。間仕切りしようにも狭いし、お金もかかる。他の店がどうするかしばらく見て考える」と話しています。

 努力義務が課せられた小規模店からは、不満の声も挙がっています。横浜市中区のバー「無頼船」では客の8割が喫煙者といい、店員は「酒場はストレスを発散する場所で、たばこを吸えないのはおかしい」と釈然としない様子でした。

 2010年4月1日(木)

 

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