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健康ダイジェスト

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■増える風疹の患者数 成人男性も注意、予防を

 2011年の風疹の患者数は2008年以降で最多となり、特に予防接種政策の影響でワクチンを打たずにきた大人の男性が職場で集団感染するケースが目立ちました。風疹は妊娠初期の女性がかかると胎児に感染し、生まれた新生児の目や耳などに障害を残すことがあります。身近に妊娠を望む女性がいる場合、大人の男性もワクチンを接種して予防することが望まれます。

 風疹を引き起こすのは風疹ウイルス。感染者の唾液のしぶきなどに接触することで移ります。

 国立感染症研究所によると、14~21日の潜伏期間の後、発熱や全身の淡い発疹、耳の後ろや後頭部の下にあるリンパ節の腫れなどの症状が現れます。まれに脳炎などの重い合併症が起きますが、通常3日程度で発疹が消えて治るため、三日ばしかとも呼ばれます。感染しても無症状の人が約15パーセントいるとされます。

 怖いのは妊娠初期の女性が感染した場合で、風疹ウイルスが胎盤を介して胎児に感染し、生まれた新生児に先天性風疹症候群と呼ばれる形態異常を起こす確率が高くなります。症状や重さは感染時期によって異なり、妊娠2カ月以内だと白内障、先天性の心臓病、難聴のうち2つ以上の障害を抱えて生まれることが多くなります。妊娠3~5カ月でも難聴がみられます。

 こうした新生児は1965年に、沖縄県で400人以上生まれました。また1977~79年の全国的な大流行の際は、影響を恐れた多くの妊婦が人工妊娠中絶をしました。

 風疹は例年、春先に流行し始め、ピークは5、6月。かつてはほぼ5年ごとに全国的な流行を繰り返しましたが、1994年以降は局地的、小規模な流行にとどまっています。患者の全数把握が始まった2008年は294人。その後、2009年147人、2010年90人と減少しましたが、2011年は12月11日までの集計で362人と増加。

 国立感染症研究所の感染症情報センターの多屋馨子室長によると、「多くが成人男性」であり、働き盛りの世代で職場での集団感染も発生しました。

 新潟県内の事業所では4~5月、従業員6人と東京本社の2人の計8人が発症。全員が男性で、年齢は30歳代2人、40歳代5人、60歳代が1人でした。最初の患者は4月7日にタイから帰国し、16日に発熱、19日に発疹が出たため病院で受診したものの、原因がわからないまま22日には回復。その後、5月上旬に7人が次々に発熱や発疹を起こしました。最初の患者が4月15日に出張した際に、東京本社の2人と接触があったといいます。

 ほかにも北海道などで、成人男性の職場での集団感染が報告されました。全国でも患者数の多い福岡市は12月、ホームページで予防接種などの情報提供を開始しており、福岡市保健予防課は「減少傾向だったのに11月にまた増えた。成人男性が多い」と話しています。

 2011年の風疹患者に成人男性、特に30~40歳代が多かったのは、この年代の抗体保有率が70~80パーセント程度と低いため。風疹のワクチンは1977年から94年まで、女子中学生だけに定期接種が行われていたため、この世代の男性は以前に風疹にかかっていない限り、ほとんど抗体を持っていません。

 この世代の男性は妻や職場など周囲に、妊娠の可能性がある女性が多くみられます。多屋室長は、過去の傾向から2012年の流行規模は11年より大きくなる恐れがあると指摘。「妊娠初期の妊婦に移ると赤ちゃんに先天性風疹症候群の心配がある。ワクチン未接種で風疹にかかったことがない男性は、風疹とはしかを予防する麻疹・風疹混合ワクチンを接種してほしい」と呼び掛けています。

 また、妊娠を望むものの抗体がないか少ない女性もワクチン接種が望ましく、安全に妊娠するには接種から約2カ月が必要だといいます。

 2011年12月31日(土)

 

■未承認薬の使用、条件付き容認へ 重病患者を対象、厚労省方針

 厚生労働省は、ほかに治療法がない重い病気の患者に対し、国内では薬事承認されていない薬を一定の条件で使えるように制度化する方針を固めました。26日の夜に、薬事行政の見直しを検討している厚労省の審議会で大筋了承されました。

 同様の制度は欧米にあり、がん患者らが要望していました。今や日本人の3人に1人はがんが原因で死亡する時代で、各製薬会社が懸命に開発を競い新薬を登場させても、日本のがん患者がその恩恵を享受するにはかなりの月日が必要でした。今回は、がん患者を中心とした要望が行政を動かしたともいえるかもしれません。

 日本は欧米に比べて薬の承認時期が遅れるため、欧米で受けられる最新の治療を受けられないことがあります。がんなどの薬で多く、医師や患者が海外の薬を自己負担で個人輸入して使っている例もありますが、偽造薬を買わされる危険性や、副作用が起きた際に対応できるのかなどの問題があります。

 創設する制度では、欧米諸国で承認済みで、国内で承認を得るための臨床試験(治験)が始まっている薬を対象とします。医療機関が厚労省に必要な届け出をすれば、複数の病気を抱えているなど治験に参加できない患者に、この薬を使えるようにします。患者にとっては治療の選択肢が広がることになります。

 薬事法では、治験用の薬を治験目的以外に使うことを禁じているため、厚労省は法改正をします。

 副作用への対応などの安全対策が求められるため、実施できる医療機関には要件を設ける方針。対象となる病気や患者への補償、副作用報告の仕組みなどと併せて、年明けから具体的な議論を始めます。

 厚労省は2005年に「未承認薬使用問題検討会議」、2006年に「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」を設置するなどして、治験や承認審査の迅速化に取り組んできました。

 2011年12月30日(金)

 

■スギ花粉のセシウム濃度、人への影響小さい 林野庁が発表

 来春の花粉飛散の季節を前に、林野庁は27日、スギ花粉に含まれる放射性セシウムの濃度の調査結果を公表しました。スギの雄花と花粉の濃度は同程度になることが、わかりました。花粉飛散量が多くても、「人への影響は小さい」といいます。

 林野庁は福島県を含む周辺15都県の杉林計182カ所の調査を進めており、今回は福島県内87カ所のデータがまとまりました。

 東京電力福島第一原発に近い計画的避難区域の4カ所の雄花を採取。含まれる花粉の濃度を比べると、移行率は42~121パーセントの範囲でした。林野庁は、「雄花と花粉の濃度はほぼ同程度。花粉に移る過程で濃縮は起きない」と結論付けました。

 さらに、人への影響を試算。87カ所のうち、雄花の最高濃度は浪江町の1キロ当たり25万3000ベクレルで、これと同濃度の花粉を過去9年間に関東地方で最高の飛散量だった2008年3月の群馬県の飛散量1立方メートル当たり2207個に当てはめても、大人が1時間に吸い込む放射線量は0・000192マイクロシーベルトとなりました。例えば、12月20日時点での東京都新宿区の空間線量は毎時0・053マイクロシーベルトで、林野庁は「空間線量に上乗せしても影響は極めて小さい。花粉の吸引による被曝を心配する必要はない」と話しています。

 また、首都大学東京大学院の福士政広教授(放射線安全管理学)も11月に独自で調査を行い、東京都奥多摩町で採取したスギの雄花を分析したところ、1キロ当たり93ベクレルでした。福士教授は、「人体への影響を心配しなくていい数値だ。それでも気になる人は花粉用のマスクやゴーグルの着用で、セシウムが付着した花粉防止の効果が期待できる」としています。

 2011年12月29日(木)

 

■不活化ポリオワクチン、国内初の申請 阪大微生物病研究会

 ワクチン接種で極まれに感染し後遺症が出るため、接種を控える動きが広がっているポリオ(急性灰白髄炎)のワクチンについて、製薬メーカーの財団法人・阪大微生物病研究会(大阪府吹田市)が国内では初めて、より安全性の高いワクチンを承認するよう申請しました。

 厚生労働省は、ワクチンの有効性や安全性が確認できれば、来年秋の接種時期までに導入したいとしています。

 承認の申請を行った阪大微生物病研究会は、より安全性の高い不活化ポリオワクチンと百日ぜき、ジフテリア、破傷風の4種混合ワクチンの臨床試験のデータを27日、医薬品の審査を行う独立行政法人・医薬品医療機器総合機構に提出しました。不活化ポリオワクチンの製造販売の承認申請は、国内では初めてです。

 ポリオのワクチンは、7歳までに2回接種することが法律で定められていますが、現在は毒性を弱めたウイルスを含む生ワクチンが使われているため、100万人に1・4人の割合でポリオに感染し、手足がまひするなどの後遺症が出ることがあり、厚生労働省は、ウイルスの病原性をなくして、より安全性の高い不活化ワクチンに切り替える計画です。

 しかし、切り替えを前に、予防接種を控えたり、国内では承認されていない不活化ワクチンを個人輸入した医療機関で接種する人が増えたりするなど、保護者の間で混乱が広がっています。

 通常、薬の承認の審査には1年ほどかかりますが、医薬品医療機器総合機構では優先的に審査を行うことにしています。厚労省の審査管理課の担当者は、「医薬品医療機器総合機構に迅速に審査するよう依頼している。厚労省としても機構と連携し、来年秋の導入を目指して最大限努力する」と話しています。

 不活化ワクチンとは、殺した病原体や病原体の一部、無害化処理をした毒素などで作るワクチン。毒性を弱めた上で生きた病原体を使う生ワクチンに比べ、副作用は少ないものの、効果の持続期間が短いなどの欠点があります。国内の百日ぜきのワクチン(DTaP)には、百日ぜき菌の一部と、無害化した毒素が含まれています。

 2011年12月28日(水)

 

■水道水の基準値、10ベクレルに引き下げ方針 セシウムで厚労省検討会

 厚生労働省の有識者検討会は26日、水道水1キログラム(1リットル)に含まれる放射性セシウムの基準値を現行の200ベクレルから10ベクレルに引き下げる案をまとめました。来年4月から適用する方針。

 厚労省は22日に公表した新たな食品の基準値案で「飲料水は1キログラム当たり10ベクレル」としており、水道水もこれに合わせました。

 水道水検査の頻度については、新基準値を下回る値が続けば、現行の目安の週1回から1~3カ月に1回に減らしてもよいとしました。新基準値を上回った場合は、利用者に知らせるとともに浄水設備の不備など原因を調べ、値が著しく高かったり長期間続くことが見込まれる場合は、摂取制限などの対策を取るべきだとしました。その判断は水道事業者である市町村などが担います。

 水道水の検査は、厚労省が重点区域と定めた福島県と近隣の計11都県を中心に行われています。厚労省によると、半減期が30年の放射性セシウムは6月以降、水道水の検査で10ベクレル以上検出されたことはないといいます。

 2011年12月27日(火)

 

■医師の9割が漢方薬を処方 日漢協が調査

 医師の9割が漢方薬を処方し、6割は一部の疾患で第1選択薬として用いていることが、日本漢方生薬製剤協会(日漢協)が実施したインターネット調査で明らかになりました。2008年の前回調査よりいずれも増加しました。

 この漢方薬処方実態調査は今年8~9月に実施し、国内の医師627人から回答を得ました。漢方薬を現在処方している医師は89パーセント(前回84パーセント)に上り、処方経験が全くない医師は3パーセント。漢方薬を第1選択薬とする場合がある医師が59パーセント(同53パーセント)いる一方、40パーセントはあくまで西洋薬の補完と考えていました。

 漢方薬を処方する切っ掛けとなった情報源として最も多かったのは、「MRの情報提供」「他の医師からの勧め」(共に45パーセント)でした。これに続くのが「学会・研究会」(35パーセント)、「医学誌の記事・論文」(33パーセント)、「患者の要望」(29パーセント)で、その後に「製薬メーカーのセミナー」(25パーセント)でした。

 漢方薬の処方割合が高いのは、産婦人科の14パーセント、次いで外科の11パーセント、精神・神経科の10パーセントでした。最も低いのは小児科の6パーセントでした。

 漢方薬を処方している医師に、その理由を複数回答で尋ねると「西洋薬で効果がなかった症例で効果が認められた」が57パーセントで最も多くなりました。逆に漢方薬を処方しない医師は、「使い方が難しい」(35パーセント)、次いで「西洋薬で十分」(17パーセント)、「治療効果が不十分」(15パーセント)が主な理由だった。

 漢方薬を処方する疾患・症状の第1位は、こむらがえり(44パーセント)で、前回の3位から上昇。第1位だった急性上気道炎(風邪)は、2位となりました。上昇が目立ったのは認知症および周辺症状で、16位から8位となりました。月経不順・月経困難症、腰痛、頭痛、逆流性食道炎も処方が急伸しました。

 日漢協の芳井順一会長(ツムラ社長)は、医療用漢方薬の平均薬価が後発医薬品よりも低いことから、処方拡大は「薬剤費を下げる手段になる」と指摘し、協会として訴求していく方針を示しました。また、医師に説明する際の用語が難しい点を挙げ、情報提供や宣伝の在り方を改善する必要性も示しました。

 医療用漢方薬の国内市場では、ツムラが84パーセント前後のシェアを握っています。ツムラは過去3年間、販売数量が年間平均で8〜9%伸びています。ただ東日本大震災による工場被災で供給支障が生じ、現在は4パーセントくらいの伸びになっているといいます。

 2011年12月26日(月)

 

■歯科インプラントのトラブル増加 治療水準に差がある恐れ

 歯が抜けた部分の顎の骨にチタン製の人工歯根(土台)を埋め込み、人工の歯を作る「インプラント治療」で、消費者トラブルが増えています。国民生活センターが22日、「歯科医療機関や歯科医師によって治療水準に差がある恐れがある」として、注意を呼び掛けました。

 同センターによると、東京都の50歳代女性は、ホームページを見て出向いた歯科クリニックでインプラントを実施。抜歯をし人工歯根を埋めて5カ月が経過しても、炎症が治まらず、精神的に参ってしまったといいます。治療の見通しがつかず、担当医師との信頼関係も持てなくなり、別の歯科医に意見を聞くと、人工歯根からやり直したほうがいいと言われたといいます。

 ほかには、半年前に折込広告やホームページを見て電話し、説明するのですぐ来てと言われて行った歯科医院で、リーフレット1枚を渡されて、いきなり治療を開始され、1カ月で一応治療は終了したが、緩んで痛く、かめずに困っているという相談事例もあったといいます。

 全国の消費生活センターには、インプラント治療で身体的なトラブルを受けたという相談が、2006年度から11月中旬までの約5年間でに343件ありました。そのうち約2割は、症状が1年以上続いたという深刻な内容でした。身体的なトラブルで多い内容は、歯や口腔の痛み、はれ、人工歯根の破損、化膿など。2010年度の相談は80件を超え、2006年度と比べて2倍以上に増えています。

 国民生活センターは消費者へのアドバイスとして、以下を挙げています。1)歯科インプラント治療を受ける場合は、消費者自らも十分な情報収集を行うとともに、治療前に歯科医師に対してリスク等に関する説明を自ら十分に求めるほうがよい。2)歯科インプラントを入れた後も、歯科医師の指導の下で適切な口腔清掃を行うとともに継続的に定期検診を受けること。3)歯科インプラント治療により危害を受けた場合は、セカンドオピニオンを得たり、納得ができない場合は、有料となる場合もあるが、弁護士会等による法律相談を受けることができる。また、各地にある医療安全支援センター、歯科医師会、保健所、消費生活センター等に情報提供すること。

 2011年12月25日(日)

 

■川崎病が全国で急増 4歳以下が過去最多、6年連続1万人を超える

 乳幼児がかかる原因不明の難病「川崎病」の平成22年の患者数が1万2755人と平成17年から6年連続で1万人を超え、長期的な流行になっている可能性があることが17日、日本川崎病研究センターの調査で明らかになりました。

 患者数は過去3番目に多く、このうち88パーセントを占める0歳から4歳まででは、人口10万人当たりの発病率を示す罹患率が239・6人と、調査開始以来最高を記録。医療関係者は、警戒を強めています。

 全国調査は、昭和45年から2年に1度実施。過去に全国規模の流行があったのは、昭和54年(6867人)、57年(1万5519人)、61年(1万2847人)の3回。その後は5000~6000人台で推移していましたが、平成10年ごろから増加傾向が顕著になりました。

 0~4歳の人口10万人当たりの罹患率は、最も患者数の多かった昭和57年でも196・1人で、昨年の罹患率はこれを大幅に上回っています。

 調査を担当した自治医科大学の中村好一教授(疫学)は、「過去の3度の流行は短期間に患者数が増えたが、最近はジワジワと増加しており、長期的な流行になっている可能性がある」と分析し、「12月、1月は毎年、川崎病の患者が増える時期なので、発疹などの症状が出たら、できるだけ早く医療機関を受診してほしい」と話しています。

 これまでの研究では、川崎病は日本人や日系人、東洋人に多く、1歳前後を中心とする小児に多いことが判明しています。しかし、原因が未解明のために予防法はなく、治療はそれぞれの症状を鎮めるための対症療法が中心のまま。

 子供の後天性心疾患では、川崎病が原因のケースが最も多くなっています。川崎病の子供を持つ親の会の浅井満代表(63歳)は、「原因がわかれば、診断も早くなるだろうし、もっと効果の高い治療法も出てくる。早く原因を究明してほしい」と話しています。

 川崎病は、小児科医の川崎富作氏が昭和42年に世界で初めて報告した原因不明の疾患。全身の血管が炎症を起こし、高い熱が出るとともに体全体に赤い発疹が現れ、目が充血したり、舌がイチゴのように赤くはれるといった症状が現れます。重症化した場合は心臓の冠動脈に「こぶ」ができるなどの重い合併症が起こるため、重症化をどう防ぐかが大きな課題となっています。

 2011年12月24日(土)

 

■iPS細胞バンク、来年度スタート 京大の山中教授表明

 京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授が19日、再生医療用に作ったさまざまな人工多能性幹細胞(iPS細胞)をあらかじめ保管し、必要な患者に提供する「iPS細胞バンク」の設立に向け、12年から本格的な作業に入る方針を明らかにしました。

 まずは一般の人からiPS細胞のもとになる皮膚の提供を受け、2013年度にもiPS細胞の提供を始めるといいます。

 iPS細胞はさまざまな組織の細胞に変えることができますが、作成や培養には時間がかかる上、白血球の型(HLA)が異なる場合、移植しても激しい拒絶反応が起きやすいといいます。そこで、献血のように、健康な人から提供された皮膚からiPS細胞を作成し、培養してから冷凍保存して保管、事故で脊椎を損傷し、緊急な移植が必要な患者にも素早く対応しようという構想。

 現在、皮膚の提供者の募り方などを厚生労働省などと詰めているといいます。山中教授は、「来年は非常に重要な1年。臨床研究に向けてバンクを軌道に乗せたい」と話しました。

 iPS細胞を使った再生医療では理化学研究所が来年度、加齢黄斑変性という網膜疾患の治療で初の臨床研究を国に申請する見通しで、山中教授は「日本の牽引役であり、できるだけ協力していく」と強調しました。

 2011年12月21日(水)

 

■食品に含まれる放射性物質 厚労省が新たな基準案

 食品に含まれる放射性物質の新たな基準値について、厚生労働省は、一般食品は現在の暫定基準値の5分の1に当たる、1キログラム当たり100ベクレル、乳児用食品と牛乳は50ベクレルなどとする方針を固めました。

 食品に含まれる放射性物質の基準について、厚労省は、原発事故から一定の期間が経過し、食品から検出される放射性物質の量が少なくなっていることなどから、これまでの暫定基準値から新たな基準値を設定するための検討を進めていました。その結果、被曝量の限度の目安を現在の5分の1の年間1ミリシーベルトに引き下げた上で、「一般食品」の放射性セシウムの基準値は、暫定基準値の5分の1に当たる、1キログラム当たり100ベクレル、成人より放射線の影響を受けやすいと指摘されている子供向けの「乳児用食品(粉ミルクや市販のベビーフードなど)」と「牛乳」は50ベクレル、そして、代替品がない上、摂取量が多い「飲料水」は10ベクレルとする方針を固めました。

 厚労省は、一部の食品については、混乱が起きないよう、一定期間、経過措置を設けることを検討しているということで、今週開かれる審議会の部会などにこの案を提示し、答申を受けた上で、来年4月から新たな基準を適用したいとしています。

 厚労省がまとめた食品に含まれる放射性物質の新しい基準の案について、災害時のリスク心理学などが専門の東京女子大学の広瀬弘忠名誉教授は、「これまでの暫定基準値よりかなり厳しい基準になっており、乳児用食品の基準がほかの食品と分けて示された点も消費者にわかりやすく、よかったと思う」と、一定の評価をしました。

 一方で、基準の適用に経過措置の期間が設けられることについては、「経過措置を取っている間は一部の食品はこれまでの暫定基準値で流通するので、消費者の理解を得られるか疑問だ。経過措置はできるだけ取らないほうがいい」と話し、速やかに新たな基準を適用していくべきだと指摘しました。

 2011年12月20日(火)

 

■年間20ミリシーベルト「発がんリスクは小さい」 政府見解

 低い放射線量を長期間浴びた影響を巡り、内閣府の有識者会議は15日、年間20ミリシーベルトの放射線量を避難区域の設定基準としたことの妥当性を認める報告書をまとめました。その上で、線量を少なくするよう除染の努力を要請し、子供の生活環境の除染を優先することも提言しました。

 東京電力福島第一原発の事故後、避難基準の健康への影響を判断したのは初めて。細野豪志原発相は会議後、記者団に「20ミリシーベルトで人が住めるようになるということだ」と述べました。野田政権はこれを踏まえ、原発事故による避難区域を縮小する準備に入ります。

 この有識者会議は、「低線量被曝のリスク管理に関するワーキンググループ」(共同主査=長瀧重信・長崎大名誉教授、前川和彦・東大名誉教授)。発足からわずか1カ月余りで、報告書をとりまとめました。

 避難区域の設定基準については、国際放射線防護委員会が原発事故による緊急時被曝を年間20~100ミリシーベルトと定めていることから、「安全性の観点からもっとも厳しい値を採用」と指摘。チェルノブイリ原発事故後1年間の被曝限度が100ミリシーベルトだったことを挙げ、「現時点でチェルノブイリ事故後の対応より厳格」と評価しました。

 年間20ミリシーベルトを被曝した場合の影響は、「健康リスクは他の発がん要因と比べても低い」と明記。「単純に比較することは必ずしも適切ではない」と断りながら、「喫煙は(年間)1000~2000ミリシーベルト、肥満は200~500ミリシーベルト、野菜不足や受動喫煙は100~200ミリシーベルトのリスクと同等」などといった目安を例示しました。また、一度の被曝より長期間に渡って累積で同じ線量を浴びたほうが「発がんリスクはより小さい」との考えを示しました。

 被曝によるリスクを減らすために、除染の目標として「2年間で年間10ミリシーベルト、次の段階で同5ミリシーベルト」と段階的な目標の設定も提言。

 一方、放射線の影響を受けやすいとされる子供や妊婦については、100ミリシーベルト以下の被曝なら成人同様に発がんリスクは小さいが、100ミリシーベルトを超えると、思春期までの子供は放射線による発がんの感受性が強くなると指摘。住民の不安を考慮し、優先的に放射線防護措置を行う一方、放射線を避けることに伴うストレスの影響も大きく、きめ細やかな対応策の実施が重要としています。

 避難区域内の学校などを再開する条件として、校庭・園庭の空間線量率が毎時1マイクロシーベルト以下になるよう除染を行い、被曝線量を年間1ミリシーベルト以下にするよう主張しました。

 2011年12月19日(月)

 

■ヒトiPS細胞から作った肝臓細胞、来春から販売へ

 独立行政法人の医薬基盤研究所(大阪府茨木市)とバイオベンチャーのリプロセル(横浜市港北区)は15日、さまざまな細胞に変えられるヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った肝臓細胞を製品化したと発表しました。製品は来年4月からの販売に向け、来月からサンプルが出荷されます。

 今後、新しい薬を開発する際の安全性や副作用の検査が効率よくでき、新薬を安く早く開発するのに役立つといいます。iPS細胞で作った細胞では、心筋細胞や神経細胞はすでに製品化されていますが、肝臓細胞は世界で初めて。

 医薬基盤研究所などによると、ヒトiPS細胞を培養し肝臓細胞に分化させる過程で、特定の遺伝子を適切な時期に導入することで、効率よく肝臓細胞を作り出せるといいます。従来1~2割程度だった効率を8~9割までに上げられたとしています。この手法は、医薬基盤研究所の水口裕之チーフプロジェクトリーダー(大阪大教授併任)らが開発しました。

 500万~1000万個の肝臓細胞と培地などをセットにした製品を、製薬会社などに20万~30万円で販売する予定といいます。

 医薬基盤研究所などによると、肝臓には薬を分解する働きがあり、体内に入った薬は大半が肝臓で分解されます。そのため製薬会社は新薬を作る際、臓器移植用に取られた肝臓から作った肝臓細胞を使い、新薬の効果や毒性を調べています。しかし、その肝臓細胞は現在、すべてを欧米から輸入している状況で、高価であったり供給が不安定であることや、個体によって毒性に対する反応の違いなどがあり、より安定的で簡単に使用できる方法が研究されてきました。

 2011年12月18日(日)

 

■インフルエンザ、全国で流行期入り 前週から患者倍増

 厚生労働省は16日、全国約5000の定点医療機関から報告された5~11日の1週間のインフルエンザ患者数が、前週のおよそ2倍の5447人になったと発表しました。1医療機関当たりの患者報告数は1・11人と前週の0・57人から倍増し、全国的な流行入りの目安とされる1・00人を今冬、初めて上回り、流行シーズンが始まりました。

 国立感染症研究所によると、昨シーズン、1・00人を超えたのは12月13〜19日の週で、この時期の流行入りはほぼ例年並み。インフルエンザの患者は、宮城県のほか中部地方や中国地方を中心に増え、8週連続の増加となりました。流行は今後、さらに拡大する見通しだということです。

 都道府県別では、宮城県が10・33人で、今後4週間以内に大きな流行となるおそれがある「注意報レベル(10が基準値)」を超えているほか、愛知県と三重県が5・33人、岡山県4・04人、山口県2・91人、沖縄県2・57人などの順。39都道府県で前週より増加し、14県で1・00人を上回りました。

 注意報レベルを超える保健所地域は12カ所(宮城県5、愛知県4、三重県2、岡山県1)で、前週から10カ所増加。「警報レベル(30が基準値)」を超える地域はありません。

 今月4日までの5週間に検出されたウイルスは、高齢者で重症化しやすいとされるA香港型がおよそ90パーセントを占め、一昨年に「新型インフルエンザ(A/H1N1)」として流行したウイルスは検出されていないということです。新型インフルエンザは、子供や成人を含め広い年齢層で重症化する場合があります。

 国立感染症研究所の安井良則主任研究官は、「流行は、来月下旬から2月上旬にかけてピークを迎えるとみられる。うがいや手洗いなど感染予防策を徹底するとともに流行のピークに間に合うよう今月中にワクチンを接種してほしい」と呼び掛けています。

 2011年12月17日(土)

 

■国内未承認のポリオ不活化ワクチン、神奈川県が接種開始

 神奈川県は15日、県内在住の乳幼児を対象に国内未承認のポリオ(小児まひ)不活化ワクチンの接種を始めました。費用は自己負担で1回6000円、4回の接種が必要とされています。厚生労働省によると、都道府県単位での不活化ワクチン接種は全国初。

 予防接種法に基づく無料定期接種に使われる生ワクチンはウイルスの病原性を弱めていますが、100万人に約1・4人の割合でポリオに感染し、手足にまひが残る副作用が報告されています。一方、ウイルスを殺した不活化ワクチンでは現在、副作用の報告はありません。日本は先進国で唯一、定期接種に生ワクチンを使用していますが、副作用を恐れて接種を控える動きが広がっています。

 この日は県内2カ所で生後3~18カ月の計47人が接種。会場の一つ、茅ケ崎市の保健福祉事務所を7カ月の長男と訪れた横浜市戸塚区の木挽屋(こびきや)律子さん(32)は、インターネットで生ワクチンの危険性を知り、掛かり付けの医者や家族と相談し、不活化ワクチンを選びました。「未接種で心配だったので良かった。費用負担は厳しいが、子供の安全を考えれば」と話しました。

 接種は、県立病院機構の医師による個人輸入の形。仮に事故があった場合、県はインフルエンザワクチンなど任意接種での被害を対象とした独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」の救済制度を参考に補償する方針。ただ、同機構は子供に1級の障害が出た場合、養育年金として年額84万7200円を給付しますが、法定接種に適用される国の救済制度は152万4000円で金額に開きがあります。

 県によると、15日現在、1415人の接種申し込みがあるといいます。用意した1200本を超えており、県は追加輸入する方針。接種の様子を視察した黒岩祐治知事は、「希望する人は全員受けられようにしたい」と語りました。

 厚労省などが全国3700余の医療機関を対象にした調査では昨年4月~今年7月、医師の個人輸入で不活化ワクチンを接種した乳児は1万7000人。一方、今年4~6月の生ワクチン接種率は、前年同期比で17・5パーセントの減少です。

 2011年12月16日(金)

 

■牛レバー内部にO157を初確認 生食禁止を検討へ

 食肉処理された牛のレバー(肝臓)内部から腸管出血性大腸菌O(オー)157が検出されたことが15日、厚生労働省の調査でわかりました。内部から腸管出血性大腸菌が確認されたのは初めて。

 O157は毒性が強く、少量でも食中毒の原因になります。「牛レバ刺し」では食中毒が多発しており、厚労省は20日に開く審議会で結果を報告、飲食店などで生レバーを提供禁止とするか検討します。提供禁止になれば、食品衛生法で罰則付きの規制をすることになります。

 厚労省によると、東京都や大阪市など全国16自治体の食肉衛生検査所で、8~9月に食肉処理された計約150頭の牛を調べたところ、2頭のレバー内部から生きている状態のO157が検出されました。また、腸管出血性大腸菌が存在したかどうかを調べる遺伝子検査でも、複数の牛から確認されました。

 これまでは生レバー内部には食中毒を引き起こす細菌のカンピロバクターがいることがわかっていましたが、より重症化の恐れのある腸管出血性大腸菌は確認されていませんでした。生レバーを食べて腸管出血性大腸菌による食中毒を引き起こした例が報告されていますが、腸にいた菌が解体時などに何らかの方法でレバーの表面に付着したのが原因とみられていました。

 調査では、肝臓が作る胆汁でO157が増殖することも判明。腸管にいるO157が胆汁をためる胆のうに移動し、レバー内部に入り込む可能性が考えられるといいます。

 牛の生レバーでは、1998年から2010年までに116件の食中毒が発生しています。厚労省は、今年4月に焼き肉チェーン店でユッケなどを食べた5人が死亡した腸管出血性大腸菌O111による集団食中毒を受け、生食用牛肉とともに生レバーの安全性について検討開始。都道府県を通じて7月、牛の生レバーの提供を自粛するよう飲食店などに要請しましたが、「腸管出血性大腸菌による生レバー内部の汚染状況のデータが不足している」として調査していました。

 O157は菌が出すベロ毒素の影響で、激しい腹痛を伴って腸から出血し、死亡に至るケースもあります。菌はセ氏75度以上で1分間以上加熱すれば死滅します。生食用の牛肉は表面に菌が付着する恐れがあり、今年10月から肉の周囲を加熱処理することが義務付けられました。レバーは内部に菌が潜んでいるため、同省は「表面の加熱では対応できない」とみています。

 2011年12月15日(木)

 

■65歳まで再雇用義務化へ 来年にも改正法案提出

 年金の支給開始年齢の引き上げに合わせて60歳以上の雇用を確保するため、厚生労働省は、希望者全員を65歳まで再雇用するよう企業に義務付ける方針を固めました。2013年度から実施する考えです。

 一方、不安定な雇用が問題となっている、契約社員、期間従業員などの有期雇用については、勤続年数が一定期間となった場合、現在は原則3年を上限に区切られている契約期間を無期限に転換させる制度の導入を促します。いずれも14日の労働政策審議会に提案し、労使の同意を得て、来年の通常国会に改正法案を提出する方針です。

 現在の高年齢者雇用安定法(高齢法)には、定年後の再雇用について、労使協定で基準を決めれば対象者を限定できる規定があります。このため、希望しても再雇用されない人がいます。

 一方、会社員が入る厚生年金は2001年から、支給開始年齢が段階的に引き上げられています。男性の支給開始は2013年度から61歳となり、2025年度には原則65歳になります。多くの企業が定年とする60歳以降も働けるようにしないと、無収入の上に、年金も受け取れない人が出る恐れがあります。

 2011年12月14日(水)

 

■ひざの半月板再生に新治療法 東京医科歯科大が開発

 一度傷付くと再生が難しいひざの半月板を、自分のひざの滑膜という組織からとった幹細胞で再生させる治療法を、東京医科歯科大の関矢一郎教授(軟骨再生学)が開発し、来年4月にも臨床研究を始めます。

 半月板の損傷は、全国に2500万人という変形性膝(しつ)関節症につながります。歩きづらいひざの痛みに苦しむ患者には、朗報になりそう。

 ひざ関節の大腿骨と脛骨の間にある半月板は関節軟骨に挟まれた軟骨組織で、クッションの役目をします。自己修復能に乏しく、加齢などで擦り切れると手術で縫い合わせて補強したりしますが、手術できない場合も多くあります。症状が進めば、痛みをとるためにすねの骨を切って向きを変えたり、人工関節を入れたりします。

 新しい治療法では、患者のひざの状態を内視鏡で確認する際、半月板の近くにある滑膜の一部を採取。2週間培養して増やした幹細胞を、注射器で半月板の損傷部に移植して再生させます。骨や軟骨になる性質を持つ間葉系幹細胞の中で滑膜由来のものは採取が容易で、増殖・軟骨分化能が高く、半月板再生の細胞源として利用価値が高いといいます。

 東京医科歯科大で3年間で20人ほどの患者を対象に臨床研究を行った後、他の病院にも広げて臨床試験(治験)を行います。

 関矢教授は、同じ手法でひざの関節軟骨の再生治療をしています。2008年以降、滑膜の幹細胞を移植して半年以上たった18人のうち、14人で軟骨が再生しています。当面、半月板の再生治療は、手術とセットで行います。

 軟骨の再生医療に詳しい京都大学iPS細胞研究所の戸田淳也教授(整形外科)は、「滑膜は手術前に通常行う検査で採れるのが利点。半月板が動きに耐え得る強度を確保することが大事で、うまくいけば画期的な治療になる」と話しています。

 2011年12月13日(火)

 

■女子の体重、5~17歳の全年齢で減少  文科省調査

 女の子の平均体重が5~17歳の全年齢で前年度より減少したことが、文部科学省が8日に公表した今年度の学校保健統計調査(速報)でわかりました。高校2、3年生の「やせすぎ」の女子の割合は5年前の約1・5倍に。

 文科省の担当者は、「過度のダイエット志向が原因かもしれない」と話しています。

 東日本大震災の被害が大きかった岩手、宮城、福島3県を除き、全国の子供が4~6月に学校や幼稚園で受けた健康診断結果の約5パーセントを抽出し、集計しました。

 女子の平均体重は、1900年度の調査開始以来初めて全年齢で減少しました。なお、戦中戦後の数年間は統計がありません。前年度からの減り幅が最も大きかったのは16歳(高2)で、前年度比0・3キロ減の52・4キロ。ほかの年齢でも0・2~0・1キロ減少しており、中高生女子の体重は5~10年前をピークに減少傾向が続いています。

 男子も7歳と17歳で変化がなかったほかは、 11歳(小6)が0・4キロ減など、ほとんどの年齢で減りました。男女とも、身長に目立った変化はありません。

 浪速生野病院心身医療科(大阪市)の生野照子部長(心身医学)によると、7、8年前から肥満でない子や、やせ気味の子にも、さらにやせたがる傾向が見られるといいます。生野部長は、「特に女の子は成長期に栄養が必要だが、体形が変わるのを嫌がる子がいる。家庭や学校でも、肥満だけでなく、やせすぎの弊害を教えるべきだ」と話しています。

 2011年12月12日(月)

 

■iPS細胞から大量に血小板を作成 京大・東大が初、がん患者らへの輸血に

 さまざまな種類の細胞に分化できるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、血液成分の血小板を大量に作成できる方法を、京都大と東京大の研究チームが開発しました。血小板は手術時の止血などに不可欠ですが、凍結保存ができず不足しがちで、実用化すれば安定供給につながる研究として注目されます。

 米カリフォルニア州で開催中の米国血液学会で11日午後(日本時間12日午前)に発表します。

 東大チームは2009年、ヒトiPS細胞から血小板のもとになる細胞「巨核球」に分化させ、血小板を作ることに成功しました。しかしiPS細胞1個からできる巨核球は約40個ほどで、血小板の大量作成が困難でした。

 京都大iPS細胞研究所の江藤浩之教授(再生医療)らは、増殖に不可欠な遺伝子と、細胞の老化を防ぐ遺伝子を巨核球の前段階の細胞に組み込んだところ、無限に増殖できる巨核球ができました。

 この巨核球1個から数十個の血小板ができ、免疫不全マウスに輸血したところ止血機能が確認できました。

 血小板は通常、採取から5日目に廃棄します。治療で繰り返し輸血する場合、白血球の型(HLA)が同じ血小板を輸血しなければならず、事前の確保が課題ですが、巨核球の状態なら凍結保存できるため、大量作成し、必要な時に解凍して血小板を作り出すことが容易になります。また、細胞に遺伝子を組み込むと、がん化する危険性がありますが、血小板には遺伝子がないため、その恐れがないといいます。

 チームは巨核球細胞を保存するバンクを作り、献血不足が深刻化した場合への備えや、繰り返し輸血が必要な血液がんや骨髄の機能が低下する再生不良性貧血の患者らへの使用を想定しています。

 江藤教授は、「さまざまなHLAの巨核球のバンクを準備すれば、血小板を安定供給できる。3~4年後には臨床研究を始め、人でも機能するか確認したい」と話しました。

 2011年12月11日(日)

 

■福島県住民の外部被曝、最高37ミリシーベルト 健康管理調査で推計

 東京電力福島第一原発の事故による福島県民の外部被曝線量について、住民約1730人の推計値が最高37ミリシーベルト、平均1ミリシーベルト強だったことが県の解析でわかりました。今回の対象は比較的、空間線量が高い浪江、川俣、飯舘の3町村の住民ですが、約半数の住民が4カ月間で平常時の年間限度1ミリシーベルトを超える被曝をしていました。

 住民の外部被曝の実態が判明するのは初めて。福島県は近く結果を公表し、本人に郵送で連絡します。

 推計値は事故後4カ月間の外部被曝線量の合計で、自然放射線量を引いた値。県立医科大と放射線医学総合研究所が独自のソフトで推計しました。内部被曝を考慮しても、がんなど健康影響が出るのが明らかな100ミリシーベルトに達した人はいないとみられます。

 ただし、低線量被曝の健康影響は十分解明されておらず、外部被曝推計線量は全県民約200万人を対象に今後30年以上、健康への影響を見守る調査の基礎データとなります。国連によると、チェルノブイリ原発事故による避難民の外部被曝は平均20~30ミリシーベルトで、甲状腺がん以外の健康被害ははっきりしていません。

 今回は原則として、推計に必要な行動記録が明確な約1730人の住民を対象に、県への提出時期が早かった順に解析しました。この結果、約半数の住民が1ミリシーベルト未満。残りの大半は1~5ミリシーベルトでした。5~10ミリシーベルトは約40人、10ミリシーベルト以上は約10人。最高は約37ミリシーベルトでした。

 線量の高い人は、空間線量の高かった避難区域や、プルーム(放射性雲)の流れた地域での滞在時間が長かった可能性があります。

 国際放射線防護委員会が勧告する平常時の市民の年間被曝限度は自然由来と医療被曝を除き、1ミリシーベルト。環境省も国の予算で除染する基準を年1ミリシーベルト以上に定めています。

 推計では、県民健康管理調査で住民が自ら記入した行動記録を基にしました。事故の起きた3月11日から2週間分は、滞在場所を屋外、屋内、移動中にわけて分刻みで記入。屋内の場合、木造か鉄筋コンクリート造か建物の種類も明記しました。3月26日~7月11日のぶんは居住地と、定期的な外出先、1日の平均的な屋外と屋内滞在時間を記述しました。

 この記録を基に、文部科学省のモニタリングデータとSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)から再現した各地の時系列の空間線量率を使って、外部被曝線量を計算しました。子供のほうが放射線への感受性が高く、年齢や建物の種類も考慮しました。

 2011年12月10日(土)

 

■市販の粉ミルク定期的に検査へ セシウム検出で厚労省

 食品大手の明治(東京都)の生後9カ月以降の乳児向け粉ミルク「明治ステップ」(850グラム入り缶)の一部から国の暫定基準値を下回る放射性セシウムが検出されたことを受け、厚生労働省は9日までに、市販されている粉ミルクを定期的に検査することを決めました。

 3カ月に1度か、それ以上の頻度にする見込みで、ベビーフードも同様に検査します。まずは今月中に検査を行うといいます。小宮山洋子厚労相は同日の閣議後の記者会見で、「お母さま方を始め消費者の関心も高い。定期的に検査したい」と述べました。

 市販の食品の検査は国立医薬品食品衛生研究所が担当しており、厚労省のホームページなどを通じて結果を公表しています。福島第一原子力発電所事故後の7~8月に明治を含む複数メーカーの粉ミルク25検体を調べており、いずれも検出限界(1キログラム当たり5ベクレル)未満でした。ベビーフードはこれまでに63商品を調べており、いずれも検出限界未満でした。

 明治の粉ミルクから検出されたのは最大同30・8ベクレルで、暫定規制値(同200ベクレル)を大きく下回っており、同省は「飲んだとしても健康に影響が出るレベルではない」としています。

 2011年12月9日(金)

 

■2012年の花粉、2月中旬から飛散へ 飛散量は全国的に3割~7割減

 日本気象協会(東京都豊島区)は7日、スギ・ヒノキ花粉の飛散が関東、東海、四国で来年2月中旬から始まるとの予測を発表しました。

 来年1月から2月にかけ冬型の気圧配置が続き、気温は全国的に平年並みか低く、西日本と東日本の花粉の飛散時期は過去10年の平均と同じか遅くな見込みといいます。ただ、東北地方は気温が平年並みか高めで、例年と同じ2月下旬から飛び始めるといいます。

 一方、飛散量は東北地方の太平洋側や中国地方などで、過去10年間の平均より1~5割ほど多くなると予想。特に宮城県では、5割増から倍程度になるといいます。関東甲信から近畿にかけてはおおむね例年並みで、九州、四国はやや少なくなります。北海道のシラカバ花粉の飛散量も、例年並かやや少なくなる見込み。

 東京都心で過去10年間の平均の約4倍を記録するなど、全国的に飛散量の多かった今春に比べると、いずれの地域も3~7割減の見通し。

 花粉の飛散量は夏の気温が高く、降水量が少ないほど多くなります。日本気象協会によると、今夏は6~7月の気温が平年(過去30年の平均)より高かったものの8月は平年並み。降水量は九州、四国は平年より多くなりましたが、そのほかの地域は平年並みか少なく、東北地方の太平洋側はかなり少なくなりました。

 2011年12月8日(木)

 

■高齢者虐待、過去最多の1万6764件 厚労省調査

 65歳以上の高齢者が家族や介護職員らから虐待を受けた事案が、2010年度は1万6764件に上りました。前年度より1073件増え、過去最多を更新しました。

 厚生労働省が6日、調査結果を公表。全国の市町村などが対象ですが、東日本大震災の影響で調査や報告ができなかった岩手県と宮城県の5市町は除きました。

 虐待が疑われる事案の相談・通報を自治体が受けた件数は、前年度より2009件多い2万5821件。そのうち6割余りが虐待と判断されました。

 家族や親族、同居人による虐待が前年度比6・7パーセント増の1万6668件でほとんどを占めましたが、介護施設などでの職員による虐待も急増し、同26・3パーセント増の96件でした。

 家族や親族、同居人による虐待の内容(重複あり)は、身体的虐待が63・4パーセントと最も多く、暴言などの心理的虐待39・0パーセント、介護等の放棄25・6パーセント、年金や預貯金を使い込む経済的虐待25・5パーセントなど。

 虐待で死亡したのは21人で、前年度の32人から減少。すべて、家族や親族、同居人によるものでした。内訳は殺人が10人、介護等放棄(ネグレクト)による致死が6人、心中が4人、虐待による致死が1人。

 家族や親族、同居人による虐待では、被害者の約77パーセントが女性で、約47パーセントが認知症とみられる人でした。また、被害者の7割は要介護認定を受けていました。

 虐待がある家族の世帯構成は、「未婚の子と同一世帯」が37・3パーセントで最多、次いで「既婚の子と同一世帯」が26・4パーセント、「夫婦2人世帯」が18・2パーセント。加害者は息子が42・6パーセント、夫が16・9パーセント、娘が15・6パーセントでした。

 厚労省は、「男性の介護者は家事に不慣れなことも多い。就労と介護の両立に負担感があるのではないか」と分析。介護施設での虐待防止策として、職員研修の強化を自治体側に要請しました。

 この調査は、高齢者虐待防止法の施行を受けて06年度から毎年実施。虐待の件数は増え続けています。

 2011年12月7日(水)

 

■明治の粉ミルクからセシウムを検出 40万缶無償交換へ

 食品大手の明治(東京都)は6日、生後9カ月以降の乳児向け粉ミルク「明治ステップ」(850グラム缶)から最大で1キログラム当たり30・8ベクレルの放射性セシウムが検出されたことを明らかにしました。

 埼玉県春日部市の工場で3月14~20日、牛乳や水などを混ぜた原料を乾燥させた際、11日の東京電力福島第一原発事故で大気中に飛散したセシウムが混入した可能性があるとしています。原料のもとになる牛乳は、原発事故前に生産されたものといいます。

 厚生労働省も事実関係の調査に乗り出しました。原発事故後に粉ミルクからセシウムが検出されたのは初めて。製品は全国に出荷され、ドラッグストアやスーパーなどで4月以降に販売していました。明治は約40万缶を対象に、新たな商品と無償交換します。

 国が定める粉ミルクの暫定基準値である1キログラム当たり200ベクレルは下回っており、放射線防護の専門家は「直ちに人体に影響が出る数値ではない」と話しています。ただ乳児は大人より放射性物質の影響を受けやすいとの指摘があり、厚労省は新たに乳児用食品群の基準値を近く設定します。

 明治によると、無償交換の対象は賞味期限が2012年10月3、4、5、6、21、22、23、24日の製品で、日付は缶の底に記されています。今月3、4日に賞味期限が2012年9~11月の23検体を調べ、4検体から21・5~30・8ベクレルのセシウムが検出されました。

 明治の広報担当者は、「お湯に溶かすと3~4ベクレル程度になり、健康への影響はないと考えられるが、購入者の不安を解消するため商品を交換する」としています。

 福島県二本松市の市民団体が11月下旬、明治の粉ミルクを測定し、セシウムを検出。詳しい検査を同社に求めていました。厚労省が明治を含む複数メーカーの粉ミルク25検体を7~8月に調べた際は、いずれも検出限界の5ベクレル未満でした。

 明治は粉ミルクの国内販売シェア4割の最大手で、明治ステップと同じ製品は別の商品名でベトナムに輸出されています。

 該当製品の交換は郵便番号344-0057、埼玉県春日部市南栄町1の5、明治埼玉工場へ料金着払いで送ります。問い合わせ先は明治お客様相談センター(0120・077・369、平日午前9時~午後5時)。

 2011年12月6日(火)

 

■東京都が来年1月から牛肉全頭検査へ 基準値以下に安全確認証を発行

 東京都は5日、都中央卸売市場食肉市場(港区)の卸売会社が実施している牛肉の放射性物質の全頭検査を、来年1月から都が行うと発表しました。

 食肉業界から公的検査の要望があるほか、安全性に対する都民の不安も大きいことから都の検査に移行することにしました。

 都立の食肉処理場(港区)で解体された牛肉はすでに、民間検査機関による全頭検査が行われていますが、12月7日からはその一部である岩手・宮城・福島・栃木の被災4県産を中心に1日50頭程度を都が検査し、残りの全頭を民間検査機関が検査します。

 来年1月からは、都中央卸売市場、東京都福祉保健局、食肉市場の関係業界が協力して、全頭検査を実施します。現在、食肉処理場では1日約430頭が解体されています。

 検査方法は、食肉市場内の検査施設で、オートガンマカウンターによるスクリーニング(簡易)検査を実施します。スクリーニング検査で1キログラム当たり250ベクレルを超えたものは、東京都健康安全研究センターで、ゲルマニウム半導体検出器による確定検査を実施します。

 オートガンマカウンターは、放射性物質を比較的簡便に測定できる機器で、20グラム程度の少量の検体量で短時間に多くの検体を測定するのに適しています。ゲルマニウム半導体検出器は、放射性物質を1キログラム当たり数ベクレル以下という高い検査精度まで正確に測定することができる機器で、専用の設置場所と特別な維持管理が必要となり、また、測定にも時間を要します。

 検査の結果、国の暫定規制値以下の牛肉については、都中央卸売市場が検査結果数値を記載した「牛肉安全確認証」を発行します。

 なお、検査結果については、東京都ホームページで12月8日から公表します。国の暫定規制値を超えた牛肉については、福祉保健局が食品衛生法違反として、都民に知らせするとともに、販売中止等の措置をとります。

 2011年12月5日(月)

 

■被曝予防に花粉マスク有効、セシウム通さず 東大で実験

 花粉用マスクをつければ、浮遊しているセシウムをほとんど吸い込まずにすみ、内部被曝量を減らせるとの実験結果を、東大アイソトープ総合センターなどがまとめましたた。11月30日に横浜市で開かれた日本放射線安全管理学会学術大会で発表されました。

 同大の桧垣正吾助教は、福島第一原発事故直後の3月15日午後3時から翌日午前9時までの18時間、東大本郷キャンパスで、市販されている不織布の立体型マスクを着用しました。

 花粉やほこりに付いて、空中を浮遊している放射性物質と、マスクに付着した放射性物質の量などを調べました。この結果、花粉用マスクで、セシウムのほぼすべてを吸い込まずにすむことが確認されました。マスクに付着した放射性物質の量から換算すると、仮にマスクをせずに体内に吸い込んでいれば、内部被曝は9・3マイクロシーベルトに相当していました。

 来春、スギ花粉からセシウムが検出される可能性も指摘されており、林野庁は今秋から実態を調べています。桧垣さんは「除染の際も、放射性物質が舞い上がる可能性がある。気になる人は、マスクを着用すれば防げる」と話しています。

 2011年12月4日(日)

 

■糖尿病、世界で3億人超 アジアで増加、中国1位に

 現在の世界の糖尿病患者が3億人を突破したことが、国際糖尿病連合(IDF、本部・ブリュッセル)の調査でわかりました。国別では初めて中国が1位となるなど、アジアでの患者増が目立ちます。

 推計によると、2011年の患者数は3億6600万人。前回調査の2010年時点の2億8460万人に比べ約30パーセント増え、患者の急増に歯止めがかかっていないことが浮き彫りになりました。

 国別の患者数では、2位だった中国が9000万人に達し、インドを抜いて1位になりました。次いでインドの6130万人、米国の2370万人。日本は1070万人で6番目に多く、前回調査の8位より悪化しました。

 地域別の患者数では、中国や日本を含む西太平洋地区での増加が顕著で、患者数は成人人口の8・5パーセントに当たる1億3190万人、糖尿病の合併症による死者が2011年の同地区の総死者数の15パーセントを占めました。

 IDFは、2030年には世界の患者数が5億5200万人に達すると予想。30年時点では、中国の1億2970万人、インドの1億120万人、米国の2960万人が上位を占め、日本は人口減が影響して10位以内に入っていません。

 IDFでは、世界の医療制度の多くが糖尿病の脅威拡大に対処できるほどにはまだ整備されておらず、対応策を取らなければ深刻な結果となるだろうと、地球規模での糖尿病患者の急増に危機感を募らせています。

 1型糖尿病は、予防することができません。人体が、自分のインスリン産生細胞を破壊する自己免疫疾患です。1型糖尿病患者は、生きるために毎日インスリン注射を受けなければなりません。全糖尿病で最も多いのは2型糖尿病で85~95%パーセントを占めますが、こちらは多くの原因を予防することができます。

 2型糖尿病患者は自分の作り出すインスリンを効果的に使うことができないものの、運動と食事により体調を管理することができます。ただし多くの患者は、血糖値を正しくコントロールするために、インスリンなどの薬を必要とするようになります。2型糖尿病の60パーセント以上は予防可能と推定されています。

 2011年12月3日(土)

 

■学校給食は40ベクレル以下を目安に 文科省が放射性物質で初の通知

 文部科学省は1日までに、小中学校の給食に含まれる放射性物質濃度について、食材1キログラム当たり40ベクレル以下を目安とするよう東日本の17都県の教育委員会に通知しました。40ベクレル超を検出した場合は、子供に提供しないなどの対応を求めています。

 国が学校給食について安全の目安を示すのは初めてで、東京電力福島第一原発事故の影響で、放射性物質に汚染された食材が学校給食に使用される不安が高まっていることを受けたものです。

 通知の対象は、東北、関東甲信越の全域と静岡県。40ベクレルの目安については、飲料水、牛乳、乳製品で1キログラム当たり200ベクレルとなっている現行の暫定基準値の5分の1に設定しました。文科省は、「政府が食品中の放射性セシウムの年間被曝限度を5ミリシーベルトから1ミリシーベルトへ引き下げる検討を進めていることを参考にした」と説明しています。

 通知は各自治体に、少なくとも40ベクレルまで検出可能な機器を購入するよう要請。40ベクレル超が1品目でもあればその食品を除外して提供する、複数品目が超えた場合はパンと牛乳だけなど該当する献立を除いた給食にするといった対応を取るよう例示しましたが、検査対象の選定や対応の判断は各都県や市町村に委ねました。文科省は事前検査のほかにも、調理済みの1食分をまるごとミキサーにかける事後検査の導入も検討しています。

 また、文科省は本年度第3次補正予算で、食材を検査する17都県に対し給食検査の機器購入補助費として約1億円を計上しました。1都県あたり5台を国費で補助するといい、17都県には補助を受けた検査機器を使って給食の食材を優先的にサンプリング調査し、結果を公表するよう要請しています。

 2011年12月2日(金)

 

■お香として売っている「合法ハーブ」に注意 京都で19人が病院治療

 表向きにはお香として売られているものの、吸引すると気分が高ぶることがある「合法ハーブ」。法規制を免れた薬物を含むため、使用後に体調を崩す事例が目立っています。

 京都府内では今年1~9月、若者ら19人が吐き気や意識障害などを訴えて病院で治療を受けており、京都府警が注意を呼び掛けています。

 京都の歓楽街・木屋町の路地裏にある雑居ビルの一室。10畳にも満たない合法ハーブ店には、甘く濃厚なにおいが漂います。「マイルド」「リラックス」といった宣伝文句とともに、5~10センチ四方のパッケージの商品が10種類ほど並んでいます。たばこ型の商品や、吸引用とみられるパイプも置かれています。

 価格帯は、3グラムで3000~5000円で、たばこ型は1本500円前後。客は20歳代が多いといいます。男性店員は、「違法なものはない。使い方は客任せ。お香として使えば問題ないでしょう」と話しました。

 合法ハーブ店は府警が把握しているだけで府内に7店あり、うち4店が京都市内にあります。治療を受けた17~41歳の男女19人のうち、約半数がこうした専門店で購入したといいます。インターネット通販や路上売買を通じて入手した人もいました。

 治療を受けた19人は吐き気や手足のけいれん、意識障害などを訴えましたが、いずれも入院に至らない軽症でした。ただ、府警は「判明した被害者は氷山の一角。もっと多くの使用者が深刻な健康被害に遭っているだろう」とみています。

 府警によると、合法ハーブには「健康上の危害が発生する恐れがある」と薬事法で規定され、医療などの目的外使用が禁じられた「指定薬物」は含まれないとされます。

 だが、指定薬物が含まれたり、それに準ずる成分を含んだ商品が出回ったりしています。指定薬物は約70種類ありますが、指定までに時間がかかる上、製造側が薬物の成分や化学構造を巧みに変えるなどして取り締まりを免れているといいます。また、吸引や所持を禁止する法律もないことも、流通に歯止めがかからない一因と指摘されています。

 合法ハーブは安価な上、吸引後の感覚が大麻などに似ていることから、「ゲートウェイ・ドラッグ」とも呼ばれる。麻薬使用への「入り口」になり兼ねないとして、府警は「持っている人は直ちに使用をやめ、医療機関に相談してほしい」と呼び掛けています。

 2011年12月1日(木)

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