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健康ダイジェスト

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■カドミウム摂取量、がんと無関係 国立がん研究センター調査

 発がん性があるとされてきたカドミウムを食事から多く摂取しても、少量しか摂取しない人と比べてがんになるリスクは増えないことが、国立がん研究センターの研究班の調査でわかりました。

 秋田県や新潟県、大阪府、高知県、沖縄県など、カドミウムに汚染されていない9府県の45歳〜74歳の男性4万2032人、女性4万8351人、合計9万383人を対象に約9年間に渡って、喫煙や飲酒など他のリスクを除いて、カドミウムの摂取量とがんの発症との関連を調べました。

 うち、男性3586人、女性2263人、合計5849人が何らかのがんになりました。米や小麦、野菜、果物など34食品について、どれだけ食べたかを報告してもらい、体内に入ったカドミウムの量を推計。量によって4つのグループに分け、がんの発生リスクを比較しました。その結果、すべてのがんリスクと、カドミウム摂取量の明確な関連はみられませんでした。

 さらに、各部位別がんリスクについても調べたところ、男性の胃がんと膵がん、女性の腎がんと子宮体がんでリスクの上昇がみられましたが、いずれも統計学的に有意な関連ではありませんでした。

 理由として、食品に含まれるカドミウムの量が少ないことと、肺からの吸入ではなく口からの摂取であることが考えられています。

 体内に入ったカドミウムの56パーセントは米から、20パーセントは野菜、13パーセントは大豆から摂取していました。米を主食とする日本人は諸外国と比べ、カドミウムの摂取量が多い傾向にあります。

 研究班は、「米を主食とする日本人は、カドミウムの摂取量が欧米人より多いが、普通に食べる範囲では問題がない」としています。       

 高濃度のカドミウムを肺から吸収すると、肺がんリスクが高まるという先行研究が多くありました。国際がん研究機関は、ダイオキシンやアスベストなどと同じ発がん性があるグループ1に、カドミウムを分類しています。

 2012年4月30日(月)

 

■医薬品のネット販売の権利認める 東京高裁が逆転判決

 医師の処方箋なしで買える一般用医薬品(市販薬)について、インターネット販売を原則禁止にしたのは過大な規制だとして、ネット販売業者2社が販売できる権利の確認などを求めた訴訟の控訴審判決が26日、東京高裁でありました。三輪和雄裁判長は業者側の請求を退けた一審・東京地裁判決を取り消し、販売を認める逆転判決を言い渡しました。

 2009年6月の規制開始後、市販薬のネット販売を認める判決は初めて。購入の利便性向上のために規制撤廃を求める声は強く、判決は政府内で進む見直しの議論にも影響するとみられます。

 控訴していたのは、「ケンコーコム」(東京都港区)と「ウェルネット」(横浜市)。

 厚生労働省は、改正薬事法で市販薬を副作用の危険性に応じ1~3類に分類。省令で、副作用リスクが高いH2ブロッカー(胃薬)や一部の毛髪薬などの1類と、主な風邪薬や解熱鎮痛剤、漢方薬、伝統薬などの2類には薬局などでの対面販売を義務付け、ネット販売はビタミン剤や主な整腸薬、消化薬などの3類しか原則認めないようにしました。両社は「ネット上でも十分副作用リスク説明できる」と訴え、1、2類を含む全体のネット販売を認めるよう求めていました。

 高裁判決は、「改正薬事法の目的は医薬品の適切な使用の確保であり、ネット販売の一律禁止は明記されていない」と指摘。原則禁止にした省令について「法の趣旨の範囲を逸脱した違法な規定で、無効であると解釈すべきだ」とし、ネット販売できる権利を認めました。

 ネット販売の禁止について、一審では「健康被害を防ぐための規制手段としての必要性と合理性を認めることができる」と容認していました。しかし、東京高裁では、「ネット販売された薬の副作用の実態把握が不十分で、省令で規制する合理性が裏付けられているとは言い難い」としました。

 厚労省の担当者は、「省令で義務付ける対面販売でなければ安全性は確保できないと考えており、厳しい判決だ。上告するかどうか検討する」と話しました。

 2012年4月29日(日)

 

■福島県の甲状腺検査、「おおむね安心できる状況」

 東京電力福島第一原発事故を受け、18歳以下の県民を対象にした甲状腺検査で、福島医大は26日、避難区域指定を受けた南相馬市や浪江町などの13市町村3万8114人の検査結果を発表しました。全体の約0・5パーセントに当たる186人は、一定の大きさ以上のしこりが見付かるなどしたため、詳細な2次検査の対象とされました。

 福島医大の鈴木真一教授は、「2次検査を受ける人は基本的には良性。おおむね安心できる状況で心配ない」としています。福島医大は、現時点で見付かったしこりと原発事故による放射線の影響は考えにくいとしています。

 検査結果は、甲状腺の状態ごとにA~Cの3段階で判定。全体の99・5パーセントに当たる3万7928人は、しこりなどが見付からなかったり、問題ないほど微小だったりしたA判定で、2014年(平成26年)度以降の本格検査まで2次検査が必要ないとされました。

 5・1ミリ以上のしこりが見付かったB判定は、全体の約0・5パーセントに当たる186人で、本格検査までにもう一度状態を診るため、2次検査が必要とされました。現在、2次検査が行われており、今月12日までに受けた14人で甲状腺がんを疑われる人はいなかったといいます。

 また、すぐに治療が必要なほどの異常があるC判定は、ありませんでした。

 福島県は県外の医療機関に協力を求め、5月以降、県外避難者も現地で検査が受けられるようにする方針。  

 2012年4月28日(土)

 

■骨の形成を促すたんぱく質を発見 骨粗鬆症治療に期待

 骨の中が空洞化する「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」など骨量が減る病気について、その減少をくい止めるたんぱく質を、東京医科歯科大の高柳広教授(骨免疫学)らが見付けました。国内に患者が1300万人いるとされる骨粗鬆症や関節リウマチなど、骨の病気への治療の応用が期待されます。

 骨は硬く安定した組織に見えますが、実際には皮膚などと同じように新陳代謝を繰り返しており、古くなった骨が破骨細胞により破壊(骨吸収)され、新たな骨が骨芽細胞によって作製(骨形成)されるサイクルが繰り返されることで、丈夫さやしなやかさが維持されています。

 健康な状態ではこのバランスは均衡しており、骨の量は一定に保たれていますが、加齢や閉経などの要因でこのバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回ると骨が空洞化して骨粗鬆症になったり、逆の場合は骨が密になる「大理石骨病」などを引き起こします。

 現在、骨粗鬆症の治療では骨吸収を抑える薬剤が主に使用されていますが、この場合、骨形成も同時に抑制されてしまうことがあり、骨吸収と骨形成の双方を制御し、骨量を回復させる薬剤、治療法の開発が望まれています。

 高柳教授らは、神経細胞が回路を作る過程を制御することや、免疫細胞であるT細胞の抑制にかかわることが知られていた「セマフォリン3A」(セマ3A)というたんぱく質が骨芽細胞から産生され、骨芽細胞自身と破骨細胞の両者に働き掛けることにより、骨吸収の抑制と骨形成の促進という2つの作用を同時に持ち合わせることをマウスにおいて明らかにしました。

 セマフォリン3Aの機能を失ったマウスでは、骨吸収が促進し骨形成が低下した結果、骨量の異常な低下がみとめられました。また、骨に穴を開けてその再生過程を検証する骨再生モデルマウスや、骨粗鬆症モデルマウスにセマフォリン3Aを投与すると、骨の再生を促進し、骨の減少を食い止めることができました。

 さらに、老化するにつれて、骨量が減っているマウスの血液を調べたところ、セマフォリン3Aの濃度が比例して減っていました。

 今回の発見により、骨粗鬆症や関節リウマチ、骨折などの新しい治療法の開発つながることが期待され、臨床診断の指標として利用できる可能性もあるといいます。

 2012年4月27日(金)

 

■若年化が進む花粉症、子供の発症デビューは平均7・4歳

 気象情報会社ウェザーニューズは24日、子供の花粉症デビューは平均7・4歳で、花粉症の若年化が進んでいるとする調査結果を発表しました。

 全国的にスギ、ヒノキの花粉シーズン後半を迎えた4月中旬に、気象情報サービスの利用者を対象にして花粉症に関する調査を実施し、合計2万9874人(男性24パーセント、女性76パーセント)の有効回答をまとめたものです。この調査では、全国50の病院にも調査への協力と花粉症対策のアドバイスをしてもらったといいます。

 「自分の子供や周りの子供の発症年齢」を質問したところ、1万3947件の回答のうち、4~6歳が27・4パーセント、7~9歳が17・5パーセント、0~3歳が17・4パーセントで、平均7・4歳でした。50の病院に対する調査でも、45病院が「子供の花粉症患者が増えている」と回答しており、花粉症の若年化を実感している医師が多くなっています。

 この原因については、はっきりしたことはわかっていないものの、昔に比べて食生活が変化し、若い時から高タンパク、高カロリーの食事をする子供が増えていることや、免疫力の低下を要因として挙げる医師もいたといいます。生活環境が清潔になりすぎていることが要因との指摘もあったといいます。

 4〜6歳の幼児で発症するケースが多いことについては、この年代では幼稚園や保育園に通うため、それ以前よりも外に出る機会が増え、花粉が体内に入りやすくなるのが原因の1つである可能性が指摘されています。

 昨シーズンに比べて花粉の飛散数が少ない今シーズン、どれくらいの人が花粉症デビューしたのかを知るため、「いつから花粉症ですか?」と質問をしたところ、今シーズンの花粉症デビュー率は4・2パーセントと判明。一方、大量飛散となった昨シーズンのデビュー率は5・45パーセントで、今シーズンとわずか1・2パーセントしか変わりませんでした。

 エリア別にみてみると、鳥取県と島根県は今シーズンのデビュー率が10パーセントを超えており、山陰エリアの発症者が目立ちました。また、九州エリアも長崎県を除く全県でデビュー率が5パーセントを超える結果になり、今シーズンは西日本での発症者が多くなったことが判明しました。

 医師に対しても「今シーズンから花粉症になった患者の数はどうですか?」と質問したところ、「多い」または「同じ」と回答した割合が6割以上になり、飛散数が減少しても花粉症を発症する人が少なくなるわけではないことがわかりました。医師の中には、昨シーズンの大量飛散の影響があるのではと推測する意見や、今シーズンの花粉の飛び方が多い日と少ない日のメリハリがあることが要因の一つと考える意見もありました。

 「病院に通っていますか?」と質問したところ、「通っている」と回答した人の割合が最も多かったのは佐賀県で46・9パーセント、次いで高知県が45・2パーセントと、2つの県で通院者が40パーセントを超える結果となりました。以下、千葉県39・2パーセント、三重県37・6パーセント、神奈川県36・8パーセント、茨城県36・6パーセント、静岡県36・3パーセントと続きました。

 花粉症で通院する人が最も少なかったのは鳥取県の15・1パーセントで、通院者が最も多かった佐賀県のおよそ3分の1にとどまっていました。鳥取県に続いて少なかったのは、秋田県の17・1パーセント、岩手県の24・8パーセント、富山県の24・9パーセント。

 なお、シラカバ花粉が飛散する北海道と、目立った花粉飛散がない沖縄県は調査の対象になっていません。

 2012年4月26日(木)

 

■カリフォルニア州でBSE感染牛、米で6年ぶり4例目 輸入規制緩和に影響も

 米農務省は24日、カリフォルニア州の中部で、乳牛1頭がBSE(牛海綿状脳症)に感染していることが確認されたと発表しました。米国内でのBSE感染牛の発見は2006年3月以来、約6年ぶりで、4例目。

 日本市場での米国産牛肉の輸入制限緩和をめぐる議論などに影響を与えるのは必至です。

 米農務省は声明で、感染した乳牛の死骸は州当局の管理下にあり、食肉用として市場に流通せず、牛乳から感染することもないと指摘。「食の供給や人体の健康にリスクを及ぼすことはない」とし、BSE感染牛の発見で、「米国の食の安全確保のための措置が有効であることを証明した」と強調しています。

 米農務省などによると、月齢30カ月以上の死んだ牛を対象に18日に採取された脳のサンプルから、BSEの感染が見付かりました。たんぱく質の分子量をみるウエスタンブロット法などによるデータから、同省のクリフォード主任獣医官は、「えさを通じて感染する従来の型ではなく、まれに自然発生する非定型と呼ばれる(新型の)BSEだ」としています。

 米国では2003年にワシントン州で初めてBSE感染牛が見付かり、05年にテキサス州、06年にアラバマ州と3度の感染例が報告されており、厚生労働省は米国産牛肉の輸入制限を行っています。米国の要求を受け、厚労省は昨年12月に規制を生後20カ月以下から生後30カ月に緩和する案を示しましたが、新たな4例目の感染例が確認されたことで、規制緩和に慎重論が高まりそうです。

 一方、米国は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への日本の参加問題とも絡んで、米国産牛肉の輸入制限の緩和を日本側に働き掛けており、TPPをめぐる日米の事前協議や両国の通商協議に影響を与える懸念もあります。

 BSE(牛海綿状脳症)は、異常なたんぱく質プリオンが原因で、牛の脳がスポンジ状になる病気。汚染された飼料を通じて感染する定型のほかに、プリオンがたまりやすい高齢牛を中心に偶発的に発生する非定型があります。

 日本国内では、21カ月以上の牛を法律に基づく検査対象としていますが、20カ月以下についても自治体が自主的に全頭検査を続けています。また、食肉加工で脳や脊髄などの特定危険部位が取り除かれています。

 2012年4月25日(水)

 

■ポリオのワクチン、9月から一斉に新ワクチンに切り替え

 より安全性の高いポリオの不活化ワクチンが国内で初めて承認される見通しとなったことから、厚生労働省は現在の生ワクチンについて、9月から使用を中止し、一斉に新たなワクチンに切り替えることを決めました。

 これは23日に開かれた厚生労働省の専門家会議で決まったものです。

 ポリオの予防接種は、7歳までに2回受けることが法律で定められていますが、現在の生ワクチンは、ワクチンに含まれるポリオウイルスに100万人に1・4人の割合で感染し、手足がまひするなどの後遺症が出ることがあります。

 このため厚生労働省は、より安全性が高くてポリオウイルスを含まない不活化ワクチンへの切り替えを決めていて、フランスの製薬会社・サノフィパスツールが申請したワクチンが、今月中にも国内で初めて承認される見通しとなっています。

 23日の専門家会議では、9月の予防接種から現在の生ワクチンの使用を中止し、一斉に不活化ワクチンに切り替えることを決めました。また、接種は注射で行い、原則として7歳までに3週間以上の間隔をおいて3回接種した後、6か月以上おいて、さらにもう1回行うとしています。現在の飲むタイプの生ワクチンを1回接種している場合は、不活化ワクチンをあと3回接種します。

 さらに現在、承認が申請されている不活化ポリオとジフテリア、百日ぜき、破傷風の4種混合ワクチンについては、今後、承認されれば、11月から接種を始めるとしています。

 ポリオの不活化ワクチンを巡っては、神奈川県が一刻も早く導入すべきだとして、独自に輸入し、昨年12月から希望者に有料で接種を行いましたが、医師の確保が追い付かずに希望者の一部しか接種が進まなかったこともあり、先月末で申し込みを打ち切っています。

 神奈川県の黒岩祐治知事は、国が不活化ワクチンへの切り替えを決めたことについて、横浜市内で記者団に対し、「海外で使われている不活化ワクチンを緊急輸入することも、国内で早期に承認することも政治決断でできたはずだ。本来、国がもっと早く動くべきだった」と改めて指摘しました。

 2012年4月24日(火)

 

■障害者の年収、6割が100万円以下

 福祉施設で働く障害者の6割近くが、障害年金を含めて、年収が100万円以下にとどまっているという調査結果がまとまりました。調査した障害者の支援団体は、「働く場があっても自立した生活をするのが難しい現状を示している」と話しています。

 この調査は、障害者が働く全国の福祉施設で作る団体「きょうされん」(東京都中野区)が、昨年11月から12月にかけて行い、およそ1万人について回答がありました。

 それによりますと、障害年金を含めた年間の収入は、「100万円以下」の人が最も多く、56パーセントと6割近くを占めました。次いで、「100万円から150万円以下」の人が36パーセント、「150万円から200万円以下」の人が7パーセントなどとなっていて、「200万円」を超える収入がある人は1パーセントでした。

 また、9パーセントの人が生活保護を受けて暮らしていました。

 「きょうされん」によりますと、福祉施設での平均の工賃は、1カ月1万3000円ほどにとどまっていて、ほとんどの障害者が、親に頼って生活せざるを得ないということです。

 調査を担当した「きょうされん」の小野浩さんは、「1人暮らしをしている障害者は1割ほどしかいなかった。年金と働く場があっても自立につながっていないのが現状で、就労支援と所得補償をして状況を変えていく必要がある」と話しています。

 2012年4月23日(月)

 

■ポリオ生ワクチン予防接種率、急減 厚労省調査

 厚生労働省はこのほど、市町村が実施するポリオ(小児まひ)の生ワクチン予防接種について、昨年の秋シーズン(9月〜12月)の実施状況(速報値)を取りまとめ、公表しました。

 ポリオの予防接種者数については、厚労省が都道府県を通じて調査していますが、 春と秋に集中して実施する市町村が多いことから、これらの1282市町村について集計し ました。接種を通年実施している市町村などについては、昨年12月までに集計が完了していなかったことから対象とはしていません。 

 ポリオ生ワクチンの予防接種対象者は82・5万人で、予防接種者は62・4万人でした。全国平均の予防接種率は75・6パーセントとなり、昨年の春シーズン(4月〜8月)の接種率83・5パーセントから7・9ポイント減、前年の秋シーズンの90・8パーセントからは15・2ポイント減となりました。

 都道府県別の予防接種率をみると、首都圏で特に低く、千葉県57・6パーセント、埼玉県65・8パーセント、東京都66・0パーセント、神奈川県66・2パーセント。手足のまひが起きない個人輸入の不活化ワクチンの接種が受けられる医療機関が多いことなどが背景とみられます。

 千葉県は前年の秋シーズンから32・6ポイント減で、最も落ち込みが大きくなりました。ほかに接種率が低かったのは、青森県62・9パーセント、山梨県66・7パーセント、熊本県66・7パーセント、奈良県68パーセントなど。病原性をなくした国産の不活化ワクチンの導入を待つ保護者らが増えたためとみられます。

 ポリオの不活化ワクチンは、厚労省の薬事・食品衛生審議会の第二部会が19日に、製造販売を承認することを了承しています。夏前には国内で初めて承認され、9月には公費による接種が受けられる見込み。

 承認されるのは、サノフィパスツール社(東京都)のポリオ単独の不活化ワクチン。注射で計4回受けます。承認申請したのは今年2月で、異例の早さで承認の方針が認められました。ただし、世界では86カ国で承認されています。

 厚労省は今後、予防接種法の省令を改正し、公費で受けられる予防接種に不活化ポリオワクチンを追加します。

 2012年4月22日(日)

 

■今年のスギ・ヒノキ花粉、5月上旬までに終息 環境省予測

 環境省は19日、2012年春のスギ・ヒノキ花粉の終息時期について、5月上旬までに終息するとの予測を発表しました。今シーズンの花粉飛散は全国的に例年よりも10日前後遅くなったものの、終息時期は昨年より1週間から3週間早く、ほぼ例年並みとなる見込み。

 エリア別でみると、九州地方南部と中国地方の一部はすでにスギ花粉の飛散が終息したとみられ、それ以外の九州地方と中国地方の一部および四国地方は、スギ・ヒノキ花粉ともに4月中にほぼ終息。

 近畿地方および東海地方、甲信地方、関東地方南部は、スギ花粉が一部で非常に多い飛散となっているものの4月中には終息。ヒノキ花粉は5月上旬まで飛散が続くと予測しました。

 北陸地方、関東地方北部、東北地方は、スギ・ヒノキ花粉ともに5月上旬に終息する見通し。

 今シーズンのスギ・ヒノキ花粉の総飛散量は、昨シーズンと比較すると、九州地方と四国地方の一部を除いて半分以下となりました。都道府県ごとの代表地点で行った総飛散量の実測調査では、例年よりも多かったのは、高知、佐賀、長崎、熊本の4市のみ。気温の低い日が続き、開花した花の数も少なかったことが、その原因とみられます。

 しかし、地域によって飛散状況のばらつきが大きく、環境省では「東日本では、今後も地域によっては大量に飛散することが見込まれる」と分析しています。

 また、スギ・ヒノキ花粉の飛散終息と入れ替わるようにイネ科(カモガヤ、ススキノテッポウ)の花粉などが飛散し始めることから、「症状が強い場合には、医療機関に相談を」と注意を呼び掛けています。

 環境省の予測は、昨年12月に実施した花粉総飛散量の予測値に対する、現在までの累積飛散量の程度やこれまでの気象状況、開花状態と花粉残量の予測結果から分析しています。

 2012年4月21日(土)

 

■不活化ポリオワクチンは9月から、4種混合は11月ごろ 厚労相が見通し

 病原性をなくした不活化ポリオワクチンについて、小宮山洋子厚生労働相は20日の閣議後会見で、「9月には接種を開始できるよう準備していく」と述べました。19日に開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の第二部会で、ポリオ単独の不活化ワクチンの承認方針が了承されたことを受け、導入時期の見通しを示しました。

 単独ワクチンとは別に、ジフテリア、百日ぜき、破傷風とポリオの4種混合型の不活化ワクチンを2社が承認申請中で、これらは「11月ごろに間に合わせたい」と語りました。

 小宮山厚労相は、「9月に殺到すると品不足になる。(12月までの)秋の接種時期には十分な量が確保できるので、順次冷静に接種していただきたい」と呼び掛けました。

 ポリオ単独の不活化ワクチンは、厚労省の薬事・食品衛生審議会の第二部会が19日、製造販売を承認することを了承しました。生ワクチンのように副作用で手足のまひを起こす危険はありません。夏前には国内で初めて承認され、秋には公費による接種が受けられる見込み。

 承認されるのは、サノフィパスツール社(東京都)のポリオ単独の不活化ワクチン。注射で計4回受けます。承認申請したのは今年2月で、異例の早さで承認の方針が認められました。ただし、世界では86カ国で承認されています。

 厚労省は今後、予防接種法の省令を改正し、公費で受けられる予防接種に不活化ポリオワクチンを追加します。国内で実施された臨床試験(治験)では、重い副作用は確認されていないといいます。

 国内では現在、ポリオのワクチンは飲むタイプの生ワクチンしか承認されていません。病原性が残っているため、100万人中約1・4人に手足のまひが起きています。

 昨年、生ワクチンの接種を避ける傾向が表面化して、9月〜12月には接種率が75・6パーセントと、前年同期比で15ポイント下がりました。

 2012年4月20日(金)

 

■足の血管再生、大幅に効果高める技術を開発 大阪市立大など

 動脈硬化のため血管が細くなって下肢が壊死する末梢動脈疾患を治療する血管新生療法の効果を大幅に高める微粒子を、大阪市立大医学部と近畿大生物理工学部の研究グループがナノテクノロジー(超微細技術)を使って開発しました。19日発行の米オンライン科学誌「プロスワン」に発表しました。

 下肢切断の危機にある重症の末梢動脈疾患の患者は国内に10万~15万人いるとされ、糖尿病などが悪化して下肢を切断する患者を大幅に減らせると期待されています。

 血管新生療法は、患者本人から採取した骨髄幹細胞などを患部に注射して移植。この細胞から分泌されるたんぱく質群「サイトカイン」の働きで血管の元になる物質が集まり、血管が新たに作られます。しかし、細胞の70~80パーセントが48時間以内に拡散してしまい、特に末梢動脈疾患との併発が多い人工透析患者や糖尿病患者への有効性が低くなっています。

 そこで、大阪市立大学の福本真也講師(代謝内分泌学)らの研究グループは、細胞の表面に結合して重しのような役割を果たす微粒子を開発し、マウスで効果を確かめました。その結果、微粒子と結合させた細胞を注射すると、そのおよそ70パーセントが注射した場所にとどまり、新たに作られる血管の量がこれまでの7倍に増えたということです。

 研究グループでは、3年後から実用化のための臨床治験を始める計画で、福本講師は「これまでよりもずっと多くの患者が足を切断せずにすむ可能性がある。新しい方法を早く治療に使えるようにして、患者に希望を与えたい。血管の異常が原因の心筋梗塞や脳梗塞治療にも応用できるかもしれない」と話しています。

 2012年4月19日(木)

 

■発毛の元を作って移植し、毛を再生 新しい増毛法候補、マウスで成功

 毛穴の奥に無数にあり、毛を生み出す「毛包(もうほう)」の元を作って移植し、毛を再生する方法を、辻孝・東京理科大教授(再生医工学)らの研究チームが、マウスの実験で見付けました。再生された毛は神経とつながり、抜けても生え替わることが確認されました。

 大量に再生する技術などに課題はありますが、新しい増毛法につながると期待されます。17日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズで発表しました。

 研究チームは、大人のマウスのヒゲの毛包にある「上皮性幹細胞」と「毛乳頭細胞」の2種類の細胞を取り出して培養し、毛包の元を作りました。これを生まれ付き体毛のないマウスの背中の皮膚に移植した結果、約3週間後に74パーセントの確率で背中から毛が生え始めました。その後、元のマウスと同様に3~5ミリまで伸び、抜けても同じ太さや硬さの毛を何度も生え替わらせました。刺激への反応やたんぱく質などを調べたところ、周りの神経や筋肉ともつながっていました。

 体毛も再生できることを確認。移植に使う細胞の数によって、毛の密度や本数を変えることができました。色素に関わる幹細胞を加えて培養し、白い毛を黒や茶にすることもできました。また、人の毛包の元を作ってマウスの皮膚に移植すると、そこから人の毛が生えました。

 組織や器官に成長する幹細胞は通常、胎児から採取したものでないと再生が難しいものの、毛包の幹細胞は大人にもあります。そのため、自分の細胞を培養して使う新しい発毛治療の開発が期待できるといいます。

 研究を行った辻孝教授は、「人でも後頭部などに髪の毛が残っていれば、自分自身の細胞でもう一度、毛包を組み立て毛髪を作り出すことが可能になる」とし、「人へ応用するには、広い範囲に生やすための幹細胞の増幅技術の向上などが必要。3〜5年以内に臨床研究を始め、10年程度で一般の患者に提供できるようにしたい」と話しています。

 2012年4月18日(水)

 

■てんかん発作での重大な交通事故、過去にも相次ぐ

 4月12日に京都市東山区で軽乗用車が暴走し歩行者7人が死亡した事故で、運転していた藤崎晋吾容疑者(30歳)がてんかんの疑いで治療中だったと家族が証言し、事故との関連が取りざたされています。

 てんかん発作による重大な交通事故は、昨年4月に栃木県鹿沼市で小学生6人がクレーン車にはねられ死亡するケースなど、過去にも相次いでいます。規制強化を求める動きがある一方、規制が差別に拍車をかけ持病を隠す悪循環も指摘されています。

 治療法の向上などにより、2002年の道路交通法改正で、過去2年に発作がないなど一定の条件下で医師が判断すれば、てんかん患者の免許取得が可能になりました。しかし、持病の不申告に罰則はなく、運転者の良心に任されているのが現状。

 警察庁によると、運転者の発作・急病による交通事故は2011年に254件発生しました。てんかんによる交通事故は73件で、うち5件が死亡事故でした。

 京都市の事故を受けて、社団法人日本てんかん協会は13日、死亡した藤崎容疑者が免許更新時にてんかん治療を受けていることを申告していなかったことについて、「きわめて遺憾といわざるを得ない。痛ましい事故が繰り返されないためにも、無申告での運転免許取得は絶対にしないよう強く訴える」とする声明を発表しました。

 さらに、「今回の事故により、法律を守り生活をしている多くのてんかんのある人に対する社会の偏見が助長されることのないことを、心から願っている。今後も法制度の周知と患者・家族、社会に対する啓発活動に一層努めていく」としました。 

 一方、松原仁国家公安委員長は13日の閣議後記者会見で、てんかん患者らが持病を申告をせずに免許を取得し、事故を起こすケースについて、「再発防止のために実効性ある仕組みを構築できるか、早期に検討する必要がある」と述べました。

 松原委員長は、「障害者の社会参加やプライバシー保護の問題などに関して、さまざまな意見もある」とも指摘、てんかん患者らへの差別を招かないような取り組みも併せて検討する必要があるとしました。

 日本てんかん学会の専門医で広島市民病院の伊予田邦昭医師は、「正しく服薬や治療をしていれば運転中に発作を起こすことはめったにない。てんかんのある人が必ず事故を起こすとの誤った印象は持たないでほしい」と話し、「まずは主治医に相談を」と呼び掛けています。

 2012年4月17日(火)

 

■セシウム新基準値超の食品は156件、8品目出荷停止 施行半月が経過

 食品中に含まれる放射性セシウムの新たな基準値が4月1日に施行されて、15日で半月が経過しました。この間、全国の自治体などは計4866件の検査を実施し、うち野菜や魚などの一般食品で新基準値の1キログラム当たり100ベクレルを超えたのは156件で、検査件数全体の約3パーセントに上ることが、厚生労働省のまとめで明らかになりました。

 基準値オーバーの食品の産地は、福島県のほか、東北・関東8県に及んでいます。政府はうち6県の一部産地を対象に、原木シイタケ、タケノコ、フキノトウやスズキ、シロメバルなど8品目の出荷停止を指示しました。

 厚労省によると、昨年10~12月の各地の検査で当時の暫定基準値の1キログラム当たり500ベクレルを超えた割合は、福島県産で1・91パーセントでした。

 4月の新基準値施行以降の最悪の放射性セシウム汚染を記録したのは、宮城県蔵王町の業者が製造したヤーコン茶(粉末)の1キログラム当たり2万290ベクレルとなっています。業者の自主検査では1万7200ベクレルでした。宮城県によると、業者は1100セットをインターネットや県内外のホームセンターで販売しており、14日までに約40セットが回収されました。

 そのほか、セシウム汚染のひどかったものは、茨城県産乾シイタケ1400ベクレル、福島県産アイナメ1150ベクレル、栃木県産原木シイタケ1000ベクレル、茨城県産原木シイタケ960ベクレル、栃木県産原木シイタケ950ベクレル、福島県桑折町産イワナ840ベクレル、福島県桑折町産ヤマメ810ベクレル、福島県いわき市産コモンカスベ640ベクレル。これらは、すべて旧基準値もオーバーする値となっています。

 2012年4月16日(月)

 

■肺がんの原因遺伝子、発見相次ぐ 特効薬の開発急ピッチ

 最近、肺腺がんの原因遺伝子の発見が相次ぎ、これらの遺伝子異常の半数以上は的確に薬を選んで狙い撃ちすれば、大きな治療効果が望めることがわかってきました。特に、元は別々の2種類の遺伝子がくっついた「融合遺伝子」は強力な悪玉ですが、これについても特効薬や安価な診断キットの開発が急ピッチで進められています。

 がんのうち、日本で年間7万人と最も多くの人が死亡する肺がんで、その7割ほどを占める肺腺がんは、たばこを吸わない人にも多く発生し、増加傾向が問題になっています。

 肺腺がんを引き起こす遺伝子異常はさまざまですが、がん研究会の竹内賢吾医師らのまとめでは、患者の40パーセントにみられる「EGFR」という遺伝子の変異を始め、分子標的薬と呼ばれる種類の薬で高い治療効果を得られる遺伝子異常が50パーセントを超えます。EGFRの変異にはゲフィチニブ(商品名イレッサ)が有効で、同様に3パーセントの患者にみられる「HER2」の変異にはラパチニブが有効。

 患者の40パーセントにみられ、薬のない「KRAS」という遺伝子の変異を除くと、残りは3割ほど。そこに薬の標的となる未知の遺伝子が潜んでいる可能性があり、発見に向けた研究が進んでいます。中でも注目されているのが、2種類の遺伝子がそれぞれ途中でちぎれ、互いに入れ替わってつながった融合遺伝子。

 今年2月、がん研究会と自治医大のチームが「新しい肺腺がんの原因を見付けた」と発表しました。「RET」と「ROS1」という遺伝子が、それぞれ別の遺伝子とくっついた融合遺伝子が、1100人の肺腺がん組織の中に1・2パーセントずつ見付かりました。毎年計1000人以上が、これらの遺伝子による肺がんで死亡する計算です。

 RETの融合遺伝子は、国立がん研究センターなども同着で報告し、研究競争の激しさを示しました。火を付けたのは、2007年に自治医大の間野博行教授らが発見した「EML4」と「ALK」の融合遺伝子。これは約4パーセントの患者にみられ、がんを引き起こす極めて強い力を持っています。

 しかし、ALKの働きを抑えるとがん細胞が劇的に死ぬことがわかり、治療薬開発が急進展。昨年8月、クリゾチニブが米国で承認され、今年に入って日本でも販売の見通しが立ちました。15年かかるとされる抗がん剤開発では異例の早さだといいます。

 クリゾチニブは新たに見付かったROS1の融合遺伝子によるがんにも効くとみられるほか、RETには甲状腺がんの一種に使われるバンデタニブなどが効く可能性も示されています。間野教授は「薬を一から開発する必要はない。適応拡大を速やかに進めればいい」と話し、治療薬の早期登場を期待しています。

 がん研究会の竹内医師は、「患者の遺伝子異常のタイプに合った薬で効果的な治療をするためには、正確な診断が重要」と強調しています。

 異常を見付けるには、採取した検体の中の遺伝子を大量に増やしたり、遺伝子に光る目印を付けたりする方法のほか、ホルマリンで防腐処理したがんの組織をろうで固めてスライスし、異常な遺伝子が作ったタンパク質に色を付ける「免疫染色法」があります。

 コストや精度の面で一長一短がありますが、多くの病院で使える簡便で安価な検査キットに向くのは免疫染色法とみられます。竹内医師は2008年に、ALK融合遺伝子が作るタンパク質を鋭敏に検出するiAEP法を考案。20101年にはキットの開発を始め、約7カ月で販売にこぎ着けました。

 竹内医師は、新発見のRETやROS1の融合遺伝子に対する診断法をすでに開発、キット化にも意欲をみせています。

 2012年4月15日(日)

 

■妊娠中の高血圧、将来の生活習慣病リスク 疫学研究チーム5万人を調査

 妊娠中に血圧が上がり、脳出血などの危険が高まる妊娠高血圧症候群を経験した女性は、将来的に高血圧や高脂血症といった生活習慣病になりやすいとの調査結果を、国内の疫学研究チームがまとめました。13日、神戸市で開かれた日本産科婦人科学会で発表しました。

 看護職を対象に、女性の生活習慣と健康について継続調査している「日本ナースヘルス研究」(主任研究者=林邦彦・群馬大教授)の一環。2001~07年、25歳以上の女性4万9927人を分析しました。

 妊娠高血圧症候群を経験した45歳以上の女性は、そうでない女性に比べ、高血圧になる割合が2・4倍、高脂血症が1・4倍高くなりました。また、妊娠高血圧症候群の女性の娘が妊娠高血圧症候群になる割合は、そうでない人の2倍高くなりました。

 体重と身長から算出する体格指数(BMI)が高いほど、高血圧や高脂血症になる割合が高くなることもわかりました。

 林教授は、「妊娠高血圧症候群の経験者や母親が経験者という人は、適正な体格を心掛けるなど、リスクを知ることで生活習慣病の予防の動機にしてほしい」と話しています。

 妊娠高血圧症候群は以前、妊娠中毒症といわれていた症状で、妊娠20週以降、分娩後12週まで血圧の上昇、または、高血圧に蛋白尿を伴う場合のいずれかで、これらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものではないものをいいます。約1割程度の妊婦が発症し、妊娠中期などに早めに発症したほうが悪化する傾向があり、重症になると母子ともに大変危険な状態になります。

 体重管理や薄味でバランスのよい食生活、適度な運動、十分な休養と睡眠を取るなどして予防します。

 2012年4月14日(土)

 

■体外受精は多胎の割合が2倍 日本産科婦人科学会が調査

 不妊治療として行われる体外受精では、1個の受精卵が双子や三つ子になる割合は自然に妊娠した時の2倍に上ることがわかりました。

 これは、日本産科婦人科学会が2007年から2009年までの3年間に全国の不妊治療施設で行われた体外受精のデータを分析し、わかったものです。体外受精は女性から卵子を取り出して精子と受精させる不妊治療で、学会は妊娠中や出産の際のリスクが高くなる双子以上の多胎を避けるため、子宮に戻す受精卵は原則1個としています。

 ところが、妊娠して胎児の心拍を確認したおよそ5万3000件のデータを分析した結果、戻した1個の受精卵が双子や三つ子の多胎になる割合は0・8パーセントと、自然に妊娠した時の一卵性多胎の2倍に上っていました。

 さらに、受精卵を戻す時期で多胎になる割合に違いが生じるか調べたところ、受精後3日程度では0・54パーセントでしたが、5日目まで培養し胚盤胞という段階になってから戻した場合は自然妊娠の3倍の1・2パーセントになっていました。

 受精卵を体外で育ててから子宮に戻すのは、妊娠成功率を上げるためです。胚盤胞まで育ててから戻すほうが着床率が高く、体外培養が増えてきています。多胎では、妊婦が妊娠高血圧症候群になったり、子供が低体重で生まれたりするリスク高くなります。

 学会は多胎を防ぐため、受精卵を子宮に戻すのは原則1個とし、35歳以上の場合や、2回以上続けて妊娠に失敗した場合に限り、2個も認めています。 

 学会の担当委員で国立成育医療研究センターの斉藤英和医師は、「胚盤胞まで育てたほうが妊娠の可能性が高くなるが、双子や三つ子になるリスクを考えると長く培養しないほうがいいと考えられる。多胎となる原因を調べ予防について研究する必要がある」と話しています。

 調査結果は、13日から神戸市で開かれる日本産科婦人科学会で発表されます。

 2012年4月13日(金)

 

■不規則な夜勤、肥満や糖尿病に注意 米大学が研究

 不規則な生活で睡眠不足になってる人は、肥満や糖尿病になりやすいことが、米ハーバード大学などの実験でわかりました。夜勤と日勤を繰り返す人は太りすぎなどに注意する必要があることを示す結果で、米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに11日付けで発表しました。

 研究チームは、シフト勤務変更や時差ぼけの繰り返しに似た状態を再現するため、健康な男女21人を3週間、1日当たりの睡眠時間を5・6時間と短くするのに加え、寝る時刻を毎日4時間ずつずらし、体内時計を乱す実験をしました。

 すると、血糖値を下げる働きがあるホルモン、インスリンを分泌する能力が3割ほど減少し、参加者の血糖値が上昇。糖尿病に近い状態になる人もいました。また、体重が年間で約4・5キロ以上増えることに相当する代謝低下もみられました。

 この状態は、9日間、通常通りに睡眠を十分に取ってもらうと回復しましたが、シフト勤務の変更を例えば日単位から月単位にすることなどで影響を小さくできる可能性があるといいます。

 これまで、体内時計の乱れが肥満や糖尿病の発症に影響を与えているらしいことは動物実験や疫学調査で知られていましたが、実際に再現した実験報告はありませんでした。

 日本大薬学部の榛葉繁紀教授(健康衛生学)は、「日本人はインスリンの分泌がもともと悪いので、影響がより大きいのではないか」と話しています。

 2012年4月13日(金)

 

■認知症患者、2050年に世界で1億人以上 WHO予測

 世界保健機関(WHO)は11日、認知症に関する初の報告書で、地球全体の高齢化に伴い、世界の患者数が20年後に今の2倍、40年後には3倍に増えるという予測を発表しました。国連の人口推計に当てはめると、2050年の人類は100人に1人以上が認知症患者という時代を迎えます。

 WHOは今後、認知症対策が多額の予算を必要とする大きな政治課題になると警告しています。

 認知症は、脳血管や脳細胞の障害で記憶力、判断力が低下し、日常生活に支障が生じる程度にまで至った状態を指す言葉。日本では以前は「痴呆症」と呼ばれていましたが、侮蔑的で誤解を招きやすいとの理由で2004年12月、厚生労働省が行政用語を変更しました。最近は40~50歳代の発症も増えています。

 WHOの報告書によると、世界の認知症患者は2010年時点で3560万人。世界人口70億人の約0・5パーセント、200人に1人の割合です。

 今後は世界的に平均寿命が延びるのに伴い、毎年770万人ずつ新たな患者が発症し、2030年に6570万人と1・8倍になり、2050年には1億1540万人と3・2倍になる見通し。国際アルツハイマー病協会は2001年に、年460万人ずつ新たに発症すると予測していましたが、WHOが2010年のデータを基に大幅に上方修正しました。

 国連推計の2050年の世界人口は約91億人(うち60歳以上が20億人)なので、患者の割合も約1・27パーセントに上昇する計算です。

 これは新興国で急激に高齢化が進んでいくためで、特に中国、インド、中南米諸国で急激に増えると見られ、2050年時点の患者の7割は、新興国に偏る見通しです。

 データに差はありますが、認知症の2~10パーセントは60歳未満で発症し、65歳以上では5年ごとに倍々で増加します。

 医療や介護、働けなくなることに伴う所得の損失を含めて、認知症がらみの世界全体のコストは2010年の推計で約6040億ドル(約50兆円)。そのうち医療費は16パーセントだけで、低所得国ではコストの大半が家族など無報酬の介助に依存している現状です。

 世界ではまだ認知症への理解が浅く、介助者は非常な困難を強いられているため、WHOは、さらに社会啓発を進め、多くの財政支援、成年後見制度など法律の制度作りが必要だと指摘しています。

 認知症対策で国レベルの戦略や計画があるのは日本やフランス、韓国など8カ国に限られるとも指摘しました。日本が2000年に始めた介護保険を「長期的に認知症をケアする保険の仕組み」として紹介し、先進的な取り組みと評価しています。ただし、日本で多くの認知症患者が入院していることは問題とし、必要性の低い入院を減らすべきだとの認識を示しています。

 WHOのマーガレット・チャン事務局長は報告書で、「世界は老い始めた。認知症は世界の保険制度にも大きな負担となる。患者を抱える家族を貧困ライン以下に押しやりかねない。社会全体で対応策を考える必要がある」と訴えています。

 2012年4月12日(木)

 

■海藻の摂取が多いほど甲状腺がん増加 ただし閉経後の女性

 閉経後の女性が海藻を食べすぎると、甲状腺がんのリスクが高まる可能性があるとする報告を国立環境研究所と国立がん研究センターの研究チームがまとめ、11日までに欧州のがん専門誌に発表しました。

 閉経後にほぼ毎日、ワカメやコンブなどの海藻を食べる女性は、週2日以下しか食べない女性と比べ、甲状腺がんになるリスクが2・43倍になり、首などにしこりができる甲状腺がんの一種の乳頭がんに限るとリスクが3・81倍になるといいます。

 海藻に含まれるヨウ素は、甲状腺の機能維持に欠かせないミネラルですが、取りすぎると甲状腺がん発生の原因となる可能性があるとされています。

 研究チームは、大阪府や沖縄県など9府県の40~69歳の女性約5万人を対象に1990年代から約14年間、追跡調査しました。この間、134人が甲状腺がんになり、うち乳頭がんが113人でした。

 海藻を食べる頻度を「週2日以下」「週3~4日」「ほぼ毎日」の3グループに分け、甲状腺がんの発生率を比べました。その結果、海藻をほぼ毎日食べる女性が乳頭がんになるリスクは、週2日以下の女性と比べると3・81倍で、週3~4日の女性と比べても約2倍となりました。一方、閉経前の女性は、海藻を頻繁に食べてもリスクは増えませんでした。

 海藻を食べた量は調査していませんが、研究チームの国立環境研究所の道川武紘研究員(公衆衛生・疫学)は、「閉経後にリスクが高まるのは、女性ホルモンの濃度の変化などが関係していると考えられ、今後さらに研究を進めたい。一方で、海藻は全般的には死亡率を下げる健康によい食品なので、食べすぎることなくバランスのとれた食生活を心掛けてほしい」と話しています。

 2012年4月11日(水)

 

■フリーズドライ精子で正常なラットの子が誕生 5年保存で京大成功

 マウスやラットの精子をフリーズドライ(真空凍結乾燥)し、その精子で子供を作ることに、京都大学医学研究科の金子武人講師(生殖工学)や芹川忠夫教授の研究チームが成功しました。液体窒素を必要とせずに冷蔵庫で長期保存でき、研究のための遺伝資源を低コストで守ることができるといいます。

 米科学誌プロスワンなどで、10日までに発表しました。

 疾患などの研究のため、さまざまな遺伝のタイプのマウスやラットの精子が保存されていますが、液体窒素で零下196度の低温に保つ必要があり、コストや設備面で課題がありました。

 研究チームは、精子をDNA保存液に混ぜた後、インスタント食品の製造で広く使われる真空凍結乾燥技術のフリーズドライの処理を行う手法を開発。フリーズドライした精子を冷蔵庫で4度に保ち、マウスは3年、ラットは5年保存した後に水で戻してから卵子に顕微授精させ、健康な子供ができることを確認しました。授精率はフリーズドライしていない精子とほぼ同じでした。

 水を加えた後も精子は運動しませんでしたが、受精する能力は残されていたと考えられています。フリーズドライによってネズミのほかにも、ウサギやブタの精子を保存できたという報告はこれまでもありましたが、長期間保存しても受精する能力があると証明されたのは初めてだということです。

 さらに、マウスの精子は、3カ月間は常温(25度)で保存できることも確認、災害や事故による停電にも耐えられるといいます。金子講師は、「フリーズドライ法を他の動物の精子保存に応用するとともに、常温でも長期保存ができるよう改良したい」と話しています。

 2012年4月10日(火)

 

■キャンペーンで子宮頸がん検診を呼び掛け 4月9日は「子宮の日」

 医療関係者などが子宮頸がんの予防を訴える「子宮の日」としている4月9日を前に、全国各地では8日、検診を受けるよう呼び掛けるキャンペーンが行われました。

 東京・池袋で行われたキャンペーンでは、子宮頸がんの検査を行う細胞検査士が若者が多い繁華街に集まり、「かなり進行するまで自覚症状がない」ことや「検診や検査で予防ができる」ことなどが書かれたパンフレットを配って検診を呼び掛けました。

 子宮頸がんは、女性の多くが感染するヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス)で起こるがんで、20歳代や30歳代の女性の間で急増しており、毎年、およそ1万5000人がかかり、うち3500人が亡くなっています。定期検診で早期発見ができる上、がんを起こすヒトパピローマウイルスの感染を防ぐワクチンもあり、唯一「予防可能ながん」とされていますが、2010年6月の国の調査では、過去2年間に子宮頸がんの検診を受けた女性は3人に1人にとどまっています。

 細胞検査士会の吉田志緒子さんは、「初期の段階で見付かれば、子宮の摘出や、将来、妊娠や出産ができないといった事態を防ぐことができる。きちんと検診を受けてほしい」と話していました。

 神戸・三宮でも、子宮頸がん検診を受けるよう呼び掛けるキャンペーンが行われました。子宮頸がん検診を行っている細胞検査士会などが開いたもので、およそ20人の検査士と、30歳で子宮頸がん、34歳で子宮体がんと診断された女優の原千晶(37歳)さんがチラシを配りました。

 原さんは、「わからないんですよね、元気で健康だと…私のような経験者が口酸っぱくお願いするのが大事」と話していました。

 医療関係者やNPO法人は、今月17日まで、全国の36都道府県で検診を呼び掛けるるキャンペーンを行うことにしています。

 2012年4月9日(月)

 

出生前診断で異常を発見し中絶、10年前と比べ倍増

 出生前診断で胎児の異常がわかったことを理由にした人工妊娠中絶が2005~09年の5年間で少なくとも6000件と推定され、10年前の同期間より倍増していることが、日本産婦人科医会の調査でわかりました。

 高齢出産の増加や簡易な遺伝子検査法の登場で今後、十分な説明を受けずに中絶を選ぶ夫婦が増える可能性もあるとして、日本産科婦人科学会は遺伝子検査の指針作りに乗り出しました。

 日本産婦人科医会所属の約330施設を対象に中絶の実態を調べ、平原史樹・横浜市立大教授(産婦人科)がまとめました。年により回答率にばらつきがあるため、5年単位で傾向を分析しました。この結果、染色体異常の一つであるダウン症や、胎児のおなかや胸に水がたまる胎児水腫、脳脊髄液が脳に余分にたまる水頭症などを理由に中絶したとみられるのは、1985~89年は約800件だったのが、1995~99年は約3000件、2005~09年は約6000件と急増していました。

 日本では、1970年代から胎児の異常を調べる羊水検査やエコー(超音波)検査、1990年代から染色体異常の確率を示す母体血清マーカー検査が広がりました。35歳以上の高齢出産の増加で、出生前診断を受ける人は増えています。妊婦健診で使われるエコーも精度が上がり、染色体異常の可能性を示す首の後ろのむくみの厚さや臓器の奇形もわかるようになっています。

 これらの技術の進歩ために、中絶が可能な妊娠初期でも胎児の異常が見付かり、中絶を選ぶ例が増えたとみられます。

 調査をまとめた平原教授によると、異常の種類や状態により新生児の障害の程度は異なります。平原教授は、「どれぐらい深刻なのか、医師の説明が不十分で妊婦もちゃんと理解しないまま、中絶したケースが少なくないとみられる」と指摘しています。

 エコー検査や血液検査は母体への負担がほとんどないものの不正確で、「陽性」と出ても異常がないことがあります。確定診断するには、妊婦のおなかに針を刺して羊水を抜いて調べる羊水検査が必要ですが、0・5パーセントの確率で流産する危険があります。母体保護法では、胎児の異常を中絶の理由として認めていないため、母体の健康などの拡大解釈で中絶されているのが実態。

 米国では昨年秋、妊婦の血液にわずかに含まれる胎児のDNAを調べ、ダウン症かどうかを高い精度で判定できる遺伝子検査が始まりました。日本への導入は未定ですが、商業ベースで広がる可能性があり、検査を受ける人が増える可能性があります。

 このため、日本産科婦人科学会は医師向けに、遺伝子検査の指針作ることを決めました。医療現場でどんな混乱が起きているかを調べた上で、来年6月をめどに、検査の精度や遺伝カウンセリングの充実などの見解をまとめ、指針に反映させます。

 2012年4月8日(日)

 

■非メタボでも、リスクあれば保健指導 厚労省、2013年度から

 中高年向けの国のメタボ健診(特定健診)の在り方を見直す有識者による厚生労働省の検討会は、腹囲などの体形が通常範囲の「非メタボ」の人でも、高血圧や高血糖など生活習慣病につながるリスクがあれば保健指導を強化する方針を決めました。2013年度にも始めます。

 メタボリック症候群(メタボリックシンドローム)は、腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上か、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った体格指数(BMI)が25以上の内臓脂肪型肥満。生活習慣病を防ぐために、40〜74歳を対象にして2008年から始まったメタボ健診では、高血圧などのリスクが重なる場合、医師や保健師などが面談や電話などを通じて食事や運動といった生活習慣の改善を促す「特定保健指導」を行います。

 しかし、「非メタボ」の受診者で、高血圧や高血糖、高コレステロールの場合、市町村などで指導の有無は異なります。厚労省の検討会は、「リスクを放置してはならない」と指摘。血糖値などで一定の基準を策定した上で、保健指導のほか、医療機関で確実に受診させるなどきめ細かい対応を求めています。

 腹囲が必須の現行の基準は科学的根拠が薄いと批判が多く、検討会では「肥満と血圧、血糖、コレステロールを同列に扱い、肥満の有無で指導内容を変える方法もある」との提案も出されました。現行制度の中で、どこまで非肥満者対策を充実できるかが新たな課題になりそうです。

 2012年4月8日(日)

 

■花粉症の原因物質を突き止める 新たな治療法に道

 兵庫医科大学の善本知広教授や大阪大学などの研究チームは4日、花粉症の症状の原因となる物質を突き止めたと発表しました。花粉の刺激で鼻の粘膜から放出されるたんぱく質が、引き金になっていました。

 このたんぱく質は、「インターロイキン(IL)33」と呼ばれ、通常は異物が体内に侵入した際などに免疫細胞に警告を発します。花粉症患者の血清では、インターロイキン33の濃度が高いことが判明していましたが、発症までの詳しい仕組みはわかっていませんでした。

 研究チームは、ブタクサの花粉などを与えて花粉症を発症させたマウスを調べました。鼻の粘膜の上皮細胞から、炎症を引き起こすインターロイキン33が放出され、その刺激で、くしゃみや鼻水、鼻詰まりを直接引き起こす物質のヒスタミンが作り出されていました。

 インターロイキン33を作れないようにしたマウスでは、くしゃみの回数が約3分の1に減り、鼻詰まりの時に粘膜に集まる免疫細胞の数も半分から5分の1程度と少なく、症状はひどくなりませんでした。

 完全には治らないため、似た役割をする物質が他にも1~2種類あるとみています。インターロイキン33などの働きを抑える物質を作れば、新しい治療薬になる可能性があります。

 兵庫医科大の善本教授は、「花粉症の発症メカニズムは不明な点が多いが、今回の研究からインターロイキン33の働きを抑えられる治療薬の開発が期待できる」と説明しました。

 花粉症はスギやヒノキ、ブタクサなどの花粉が原因で起こる目と鼻のアレルギー症状で、患者は国内で約5500万人と推定され、毎年約420万人が新たに発症するというデータもあります。

 治療ではアレルギー症状の原因となるヒスタミンなどを抑える薬を飲むことが多いものの、詳しい発症メカニズムはわかっておらず、根本的な治療法はありません。

 研究チームの成果は、米アレルギー学会誌電子版に発表されました。

 2012年4月7日(土)

 

■牛の生レバー、6月にも提供禁止 食品衛生法で加熱を義務化

 牛の生レバー(肝臓)を食品衛生法で禁じるかどうかを検討する厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会は、食中毒の危険性が高まる夏までに、飲食店で生レバーを提供することを禁止する方針をまとめました。早ければ6月にも食品衛生法に基づく規格基準を作り、「レバ刺し」などの提供を禁じる方針。

 違反すれば「2年以下の懲役か200万円以下の罰金」が科されます。

 ただ、安全に食べられる汚染除去などの方法が見付かれば、再度議論を行います。

 厚労省は焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を受け、牛の生肉と生レバーの衛生基準を検討。生肉は表面加熱などが義務付けられましたが、生レバーは昨年の調査で、表面加熱で殺菌できない内部に、O(オー)157など腸管出血性大腸菌が見付かったため、提供禁止を含め議論してきました。

 薬事・食品衛生審議会の部会では、食肉業界側が行ってきた肝臓の汚染を防ぐ方法の実験結果を検証。しかし、完全に菌をなくすまでには至っておらず、部会は「安全に生で食べるための有効な予防対策は見いだせていない」と判断しました。

 部会がまとめた案は、1)牛のレバーを生食用として販売してはならない、2)牛レバーを調理する場合は、表面ではなく、内部の中心を63度で30分間加熱するか、それと同等以上の加熱殺菌が必要――としています。消費者が牛レバーを生で食べないようにするため、飲食店のメニューや商品などの表示方法の検討を消費者庁に依頼することも求めました。

 厚労省は今後、禁止案について内閣府の食品安全委員会に諮問。答申を受けた後、食品衛生法の規格基準に生の牛レバーの提供禁止を盛り込みます。

 厚労省によると、昨年1年間に発生した牛の生レバーによる食中毒は12件。うち4件は焼肉店などに提供しないよう、自主規制を呼び掛けた昨年7月以降に発生しました。

 食肉業界側はこの方針に反発しており、参考人出席した全国食肉事業協同組合連合会の小林喜一専務理事は、「業界に与える影響は大きい。食べ物には何でもリスクはある。厚労省は規制することしか頭にない。今後も実験を積み重ねて反論していくしかない」と述べました。

 2012年4月6日(金)

 

■茨城県、シイタケなど新基準値超 愛知県、幼稚園給食から放射性セシウム

 茨城県内の5つの市で生産されたタケノコや原木シイタケから、国の新しい基準値を超える放射性セシウムが検出され、県は農家に出荷や販売の自粛を要請しました。今月、新しい基準値が導入された後の検査で、茨城県内で基準を超える食品が出たのは初めてです。

 茨城県によりますと、4日に行った検査で、潮来市で生産されたタケノコから新しい基準値の1キログラム当たり100ベクレルを超える240ベクレル、小美玉市で生産されたタケノコから168ベクレル、つくばみらい市で生産されたタケノコから137ベクレルの放射性セシウムが、それぞれ検出されました。

 また、つくばみらい市と常陸大宮市、守谷市の3つの市で原木を使って育てた露地栽培のシイタケからは、1キログラム当たり158クレルから960ベクレルの放射性セシウムが検出されました。

 茨城県は、これらのタケノコと露地栽培の原木シイタケについて、5つの市を通じて出荷と販売を自粛するよう農家に要請しました。国も6日、茨城県に出荷停止を指示する方針です。

 同県はすでに3月下旬から、新基準値を超えた市町村には出荷自粛を要請しており、出荷自粛対象の県内市町村は原木シイタケが17市町、タケノコが9市町となりました。

 一方、愛知県岡崎市の幼稚園で、先月、給食として出された乾燥シイタケから、厳しくなる前の暫定基準値の3倍近い1キロ当たり1400ベクレルの放射性セシウムが検出されました。乾燥シイタケは茨城県から出荷され、およそ30キロが流通していますが、愛知県は直ちに健康に影響する恐れはないとしています。

 愛知県などによりますと、先月21日、岡崎市の幼稚園の園児と教職員およそ530人分の給食で、うどんの具として出された乾燥シイタケを保健所で検査したところ、暫定基準値の3倍近い1キロ当たり1400ベクレルの放射性セシウムが検出されたということです。これは、今月から食品に適用された新しい基準にすると14倍になります。

 幼稚園では2キログラムが給食として出されましたが、1人が摂取する放射性物質の量にすると少ないと見なされています。これまでの調査で、乾燥シイタケは茨城県から出荷され、愛知県豊川市の加工業者が仕入れ業者を通じて仕入れて、1袋500グラムに分けて販売し、合わせて30キロが岡崎市などで流通しているとみられています。

 愛知県などは、乾燥シイタケを回収するよう販売業者に求めるとともに、流通のいきさつについて調べています。

 2012年4月5日(木)

 

■痛風に新たな要因 腸からの尿酸排出低下も重要

 関節に激しい痛みを引き起こす痛風の発症は、原因物質の尿酸を尿から出す機能だけでなく、腸から排出する機能が低下することも一因との新見解を、東京薬科大学や防衛医科大学校などの研究チームが3日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表しました。

 痛風は、プリン体と呼ばれる物質の代謝障害で、尿酸が体内で作られすぎたり、体外にうまく排出されなくなったりして、血液中の尿酸の濃度が高くなる「高尿酸血症」が続くと発症します。これまで、排出は腎臓だけが調整していると考えられてきました。

 研究に当たった東京薬科大学の市田公美教授は、「痛風に腸が深く関わるということは、これまで考えられていなかった。腸からの排出も重要だと判明したことで、腸からの排出を促す生活習慣の検討や、原因遺伝子を対象にする新しい治療法の開発につながる可能性がある」と話しています。

 研究チームは、尿酸を排出するポンプの役割をするタンパク質「ABCG2」は腎臓や小腸、大腸で働いており、高尿酸血症の患者644人の約8割で、このタンパク質を作る遺伝子の変異により働きが低下していることを確認しました。

 また、マウスの実験で、ABCG2の機能が低下すると腸管への排出が減る一方、別の仕組みが働き、腎臓から尿中に出る尿酸の量は増えることがわかりました。

 このようなケースはこれまで、尿酸が体内で過剰に作られることで病気になったと考えられていましたが、研究チームによるとABCG2の機能低下と、それに伴う腸での排出減少が主要な原因だった可能性が高いといいます。尿酸は3分の2が腎臓から、3分の1が腸から排出されるとみられるといいます。

 痛風の患者は増加しており、全国で80万人に上ると推定されています。その背景にあるのは、食事内容が欧米化し、動物性タンパク質の摂取量が増えたこと、飲酒量が増加したこと、個人の食生活のパターンが変化したことなどが挙げられています。

 2012年4月4日(水)

 

■新サイトで救急車の必要性を判断、東京消防庁 認知症疾患医療センター開設、東京都

 東京消防庁は、体調不良時に症状を入力すれば救急車が必要かどうかといった緊急性を自分で判断できる新しいサイトの運用を始め、利用を呼び掛けるキャンペーンを行っています。

 東京消防庁は2007年に、救急車の出動要請増加に伴って、119番とは別に電話による救急相談センターを開設し、看護師が緊急性を判断したり病院を紹介したりして、適正な救急車の利用を呼び掛けています。センターへの電話は年々増え、去年は掛かってきた48万件のうち3分の1の電話を取れなかったということです。

 このため同庁は、症状を入力すれば自分で緊急性を判断できる新しいサイトの運用を1日から始め、2日にはJR東京駅でチラシを手渡して利用を呼び掛けました。

 この「救急受診ガイド」は、「呼吸が苦しい」とか「吐き気」といった19の症状から選び、さらに該当する項目をチェックしていくと、「救急車の利用を推奨」や「24時間以内の自力受診を推奨」など、緊急度や受診する診療科が表示されます。

 サイトを体験した5歳の子供がいる女性は、「救急車を呼んでいいのかわからず、ちゅうちょしてしまう時もあるので助かります」と話していました。

 同庁救急医務課の畠山晋課長は、「携帯電話からも利用可能で、手軽に利用していただきたい」と話しています。

 このサイトは、東京消防庁のホームページ(http://www.tfd.metro.tokyo.jp)から利用できます。

 一方、高齢化が急速に進み認知症患者が増える中、患者を早期に発見し診断につなげる支援に当たる「認知症疾患医療センター」が、2日から東京都内10カ所の医療機関に開設されました。

 これらの医療センターでは、精神保健福祉士などの専門の相談員が認知症患者やその家族に生活上のアドバイスをしたり、専門の医療機関を紹介したりしています。

 このうち板橋区にある東京都健康長寿医療センターでは、開設する前から患者やその家族が相談に訪れ、家族が介護の負担を感じた場合にはデイサービスなども利用できることを、相談員から説明されていました。

 東京都健康長寿医療センター研究所の粟田主一研究部長は、「認知症疾患医療センターができることで、患者と家族の負担を少しでも減らすことができるのではないか」と話していました。

 東京都によりますと、都内の認知症患者は現在33万人といわれていますが、25年後には60万人余りにまで増えると予想されています。

 2012年4月3日(火)

 

■放射性セシウム、新基準値で食品検査がスタート

 食品に含まれる放射性セシウムの基準値が、これまでの5分の1の1キログラム当たり100ベクレルなどと、大幅に厳しくなりました。多くの自治体では、週明けの2日からこの基準値を基に食品の検査が進められます。

 食品に含まれる放射性セシウムの基準値は、福島第一原発の事故の後、緊急時の対応として、野菜や米などの穀類、肉、魚、卵などの食品は1キログラム当たり500ベクレル、飲料水と牛乳・乳製品は200ベクレルとされました。しかし、事故から一定期間が経過し、食品から検出される放射性セシウムの量が少なくなっていることなどから、厚生労働省は年間の被曝量の限度を5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに引き下げ、これに合わせて食品に含まれる基準値も5分の1などとより厳しく設定し、1日から適用することになりました。

 新たな基準値は、1)野菜や米などの「一般食品」は、これまでの5分の1に当たる1キログラム当たり100ベクレル、2)大人よりも放射線の影響を受けやすいとされる子供向けの区分が新たに設けられ、粉ミルクや離乳食などの「乳児用食品」と「牛乳」は50ベクレル、3)摂取量が多い水道水やペットボトル入りのお茶などの「飲料水」は10ベクレル、と暫定基準値の4分の1から20分の1に厳しくなっています。

 厚生労働省によりますと、今年に入ってから先月末までに100ベクレルを超えた食品は、ヤマメやヒラメなどの水産物や生シイタケといった野菜など、福島県や茨城県、栃木県など9つの県で合わせて600件に上っています。

 多くの自治体では、週明けの2日から新たな基準で検査を進めることにしています。そして、基準を超えた食品については、市場に流通しないよう出荷が自粛されたり、政府から出荷停止が指示されたりすることになります。

 なお、厚労省は、市場や消費者の混乱を避けるため一部食品に経過措置を設けました。米は2011年産は暫定値とし、12年産の収穫・流通が始まる時期に合わせて10月1日から新基準値とします。牛肉も冷凍保存されているものがあるため、10月1日から適用します。

 食品に含まれる放射性セシウムの基準値が大幅に厳しくなったことについて、東京都内のショッピングセンターでは、「今までより安心できる」と話す人がいた一方で、「もっと厳しくすべきだ」という声も聞かれました。

 2012年4月2日(月)

 

■セシウム100ベクレル超、8県で421件 1~3月の食品検査

 食品中の放射性セシウムの新たな基準値が4月1日から施行され、肉や魚、野菜などの一般食品は1キログラム当たり100ベクレルとされました。厚生労働省のまとめで今年1月以降、自治体などの食品検査で100ベクレルを超えたのは、福島県など8県で計421件あったことが判明。これらの食品を特に重点的に検査するように、同省は8県に要請しました。

 8県は福島県のほか岩手県、宮城県、山形県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県。1月から3月21日までの結果をまとめたところ、約8割が水産物で、残りは原木シイタケのほかイノシシやキジなど野生動物の肉類でした。シイタケ以外の野菜類は、ほとんどありませんでした。

 放射性セシウムの新基準値を踏まえた措置として、宮城県や同県内の水産関連団体でつくる「県水産物放射能対策連絡会議」は3月31日、金華山以北の沖合で捕れたマダラと仙台湾南部のヒガンフグの水揚げを自粛するよう各漁業団体に要請しました。同県産海産物の水揚げ自粛は、仙台湾のスズキに続き計3魚種となりました。

 マダラの自粛期間は4月1~18日。金華山以北の沖合のうち、水深150メートル以下の浅瀬で捕れた重さ1キロ以上の大型のものを対象としました。県が実施した検査では、3月19日に志津川沖で採取されたマダラから128ベクレルを検出。最近の検査では新基準値の10分の1程度にとどまっていますが、同会議は「1度でも基準値を超えたら注意が必要だ」として自粛に踏み切りました。

 ヒガンフグの自粛期間は4月1~14日。3月27日に亘理沖で採取した検体から96ベクレルが測定されました。新基準値を下回りますが、同会議は「基準値を超える可能性が極めて高い」と判断しました。

 連絡会議の議長を務める川村亨県水産公社理事は、「新基準を超えた海産物は絶対に市場に出さないという強い姿勢を示すことで、安全と信頼の確保につなげたい」と理解を求めました。

 2012年4月1日(日)

 

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