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健康ダイジェスト

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■コーヒーに前立腺がんの予防効果 米大が研究を発表

 コーヒーを多く飲む男性は前立腺がんになる危険性が低いとの調査結果を、米ハーバード大学公衆衛生学部の研究チームが米国立がんセンター研究所の機関誌に発表しました。特に悪性度の高いがんの予防効果が顕著だといいます。

 研究チームによると、登録した男性約4万8000人を20年間追跡すると、約5000人が前立腺がんを発症しました。そのうち約640人については、転移や死亡が報告されました。コーヒー摂取量との関係を解析すると、1日に6杯以上飲む人は全く飲まない人に比べ、前立腺がん発症の危険性が20パーセント低く、中でも進行が早かったり転移したりする悪性度の高い前立腺がんでは60パーセントも低いことが明らかになりました。

 1日に1~3杯でも、悪性度の高い前立腺がんの発症リスクが30パーセント低下しました。また、コーヒー常用者における前立腺がんリスクの低下は、喫煙や運動不足など、がんリスクが増大するとされる他の要因を加えても認められた。

 カフェイン含有の有無で違いはなかったことから、研究者たちは、コーヒーの成分が持つ抗酸化作用や抗炎症作用、インスリン調整作用と、前立腺がんリスクの低下に関係があるのではないかと考えています。

 ハーバード大学公衆衛生学部疫学部門の准教授であり、今回の研究論文筆者のローレライ・ムッチ氏は、「死に至る前立腺がんのリスクを低下させるために、変更でき得る生活習慣の要素があることがわかった」と述べました。

 米国がん協会によると、米国人男性の間では、がんによる死亡原因の第2位が前立腺がんであり、生涯罹患率は6人に1人に達していますが、すべてが致死性というわけではなく、早期に血液検査で発見できます。

 これまでの数々の研究で、コーヒーにはパーキンソン病、2型糖尿病、肝臓がん、肝硬変、胆石症の予防に効果があると発表されてきた。一方で、コーヒーの有害性も指摘されています。5月初めのベルギーの研究では、脳動脈瘤を有する人はコーヒーの摂取で脳卒中のリスクが高まる恐れがあるとされ、また昨年のイギリスでの研究によると、コーヒーに含まれるカフェインと妊娠後期の流産および死産との間には関連性があることがわかっています。

 2011年5月31日(火)

 

■超悪玉コレステロール、分子の形の変化に原因 英チーム

 悪玉コレステロールよりも心筋梗塞を起こしやすい「超悪玉」として注目される新種のコレステロールが、悪さをする仕組みをイギリスのウォーリック大チームが突き止めました。米糖尿病学会誌の最新号に論文を発表しました。

 超悪玉コレステロールは、生活習慣病である2型糖尿病の患者や高齢者の血中に最近見付かりました。悪玉であるLDLコレステロールより、分子が小さく、比重がやや高いのが特徴でした。

 詳しく調べたところ、LDLコレステロールに糖が結び付いて表面の形が変化すると超悪玉コレステロールになり、血管の壁に付きやすくなる性質を持つことがわかりました。血管が詰まると心筋梗塞などの原因となります。

 血管がコレステロールで詰まるのを防ぐために、ポリフェノールなどの抗酸化物質を含む食べ物が勧められていますが、研究によると、LDLコレステロールが超悪玉になる仕組みに酸化反応は関係していませんでした。

 研究チームは、抗酸化物質を含む食べ物に期待ほどの効果が認められない理由が、今回の発見からある程度説明できると分析しています。

 従来、この超悪玉コレステロールを持っていると、LDLコレステロールのおよそ3倍の心筋梗塞の発症率になるともいわれています。作られたLDLコレステロールは血中に出て2日間経ったものから肝臓に戻っていきますが、超悪玉コレステロールは5日間血中に居座って素早く、しぶとく血管を痛み付けます。 超悪玉コレステロールを減らすには、総コレステロール値や中性脂肪を減らす食生活の改善と肝機能の修復が必要です。

 2011年5月30日(月)

 

■学校内は年間1ミリシーベルト以下 文科省が目標を示す

 文部科学省は27日、福島第1原発事故に伴って福島県内の児童生徒が学校で受ける放射線量に関して、「年間1ミリシーベルト以下を目指す」とする目標を示しました。文科省は4月、校庭の利用制限の基準を毎時3・8マイクロシーベルト、年換算で20ミリシーベルトと通知していました。

 国際放射線防護委員会(ICRP)は非常事態の収束後の目安として、年間1~20ミリシーベルトを示しており、今回の目標はこの下限を参考にしたといいます。すべての学校など約1800施設に線量計を配り始めており、6月から順次、校庭の線量を計測します。

 また、福島県内の小中学校などの校庭で毎時1マイクロシーベルト以上の放射線量が測定された場合、表土を除去する工事費用を国が補助すると発表しました。

 高木義明文科相は、「子供や保護者に安心感を持ってもらえる措置を取った」と述べました。

 文科省によると、補助の対象は公私立のすべての幼稚園や小中高校などで、公立はほぼ全額、私立は半額。自治体が独自の判断ですでに実施している工事も、対象とします。

 文科省はこれまで、毎時3・8マイクロシーベルト以下の場合は表土除去は必要ないとしていましたが、先行実施した自治体で毎時1マイクロシーベルト以上の場合に放射線量の低減効果が大きいことがわかったため、今回の基準にしました。

 補助するのは、文科省が5月に有効な線量低減策として提示した(1)表土を削って下層の土と入れ替える「上下置換方式」、(2)削った表土を袋詰めにして深く掘った穴にまとめて埋める「穴埋め方式」の2つを想定しています。

 郡山市では、文科省の校庭使用制限の基準を下回った校庭でも、独自の判断で表土を除去しており、同様の動きは近隣の自治体にも広がっています。福島市などは「屋外で肌をさらすのは心配だ」といった保護者の声を受け、公立小中学校の屋外プールでの授業の中止を決めています。

 2011年5月29日(日)

 

■脳梗塞に幹細胞を増やす薬を投与し、後遺症を軽減 東海大

 脳梗塞の発症初期に、白血病治療にも使われている血液や血管になる幹細胞を増やす薬を投与することで、発症後の後遺症を大幅に軽減することに東海大の研究チームが成功しました。神経細胞が死ぬのを防いだり、再生したりする効果があったとみられます。

 研究結果は、28日までスペインで開催中の国際脳循環代謝学会で発表されました。

 東海大の研究チームは7月にも、岡山大(岡山市)、藤田保健衛生大(愛知県豊明市)と共同で、100人規模の臨床試験を始めるといいます。

 脳梗塞は、脳の血管が血の塊などで詰まり細胞が壊死する病気で、年間8万人程度が死亡します。助かっても、多くは言語障害や手足にまひが残ります。短時間で血流を回復すれば、機能が戻る可能性が高まるため、急性期と呼ばれる発症後1~2週間の治療が重要とされます。

 2011年5月28日(土)

 

■がん治療の光線力学療法で、ケイ素が有効 群馬大が発見

 早期がんを治療する光線力学療法で、治療薬にケイ素を組み込むことでがん細胞の殺傷能力が格段に高まることを、群馬大の研究チームが突き止めました。マウスを使った実験では、治療から6日間でがん細胞がほぼすべて消えたといいます。

 光線力学療法は、治療薬である光感受性薬剤を静脈注射し、患部に集中したところで弱いレーザー赤色光を照射して、活性酸素を発生させる療法。この活性酸素が、がん細胞を攻撃するという仕組みで、副作用が少なく、手術や抗がん剤などの化学療法と比べて患者への負担が少ないとされます。

 国内では光感受性薬剤として、「フォトフリン」や「レザフィリン」、「ビスダイン」が承認されています。

 実験では、がん細胞を移植したマウスに、ケイ素を組み込んだ光感受性薬剤を静脈注射し、約4時間後に可視光を照射しました。がん組織の大きさは2日後に約50パーセントに、3日後に約25パーセンにまで減り、6日後にほぼ消失。がん組織はかさぶたのように黒くなったといいます。

 これに対し、同じ条件で「レザフィリン」を用いた場合、がん組織の大きさは6日後、注射前とほぼ変わりませんでした。

 光感受性薬剤には、光を吸収しやすい性質がある物質が使われています。この物質にケイ素を結合することで、光感受性薬剤ががん細胞に集まる効率がレザフィリンに比べ約1・2倍に高まったといいます。

 研究チームの代表である堀内宏明助教は、「この療法がうまくいけば、体への負担が小さい、がんの治療法が完成するかもしれない」と話しています。研究チームは光感受性薬剤を改良し、実用化を目指しています。

 ただ、光線力学療法では、深部に赤色光が届かないため、治療できるのは初期の肺がんや胃がんなどに限られています。また、光感受性薬剤はがん細胞以外の細胞にも入るため、すぐに明るい場所に出ると正常な細胞も傷付ける恐れがあるといいます。

 日本光線力学学会会長で新座志木中央総合病院(埼玉県)の加藤治文・名誉院長は、「現在の光線力学療法では表面にできた1センチ大のがんであれば完全に治せる。今回の発見によりさらに大きいがんに効果があると期待できる」としています。

 2011年5月27日(金)

 

■車の排ガスで小学生のぜんそく増加 国が関連性を初めて認める

 自動車の排ガスが小学生のぜんそくの発症率を高めていることが24日、環境省の健康影響調査でわかりました。これまでぜんそく患者らが起こした大気汚染公害訴訟などで、国は排ガスとぜんそくの因果関係について「科学的知見が少ない」としてきましたが、調査を受け環境省は初めて「関連性がある」と認めました。

 東京都の国道246号や川崎市の東名高速道路、名古屋市の国道23号、大阪市の国道43号など全国11市区で、幹線道路の近くに住む小学生計約1万2000人を2005年度から5年間、追跡調査。アンケートから屋外で過ごす時間や場所を割り出し、排ガスを吸い込む量を推計したところ、吸い込んだ量が多い児童の方が、ぜんそくの発症率が高いという結果が出ました。

 さらに、3歳以下の幼児と40歳以上の成人も調べましたが、排ガスとぜんそくの関係ははっきりしませんでした。

 今回の結果を受けて環境省は、都市部の道路近くで排ガスの監視を強化することを検討します。一方、全国公害患者の会連合会は24日に環境省内で会見を開き、「国は因果関係を認めたのだから、ぜんそく患者への医療費支給などの救済策を早急に作るべきだ」と訴えました。

  ぜんそくの患者の数は全国でおよそ150万人ともいわれており、毎年、約6000人が発作で呼吸困難となり死亡しています。年齢別に見ると、男女とも15~29歳の若年層で増加の傾向を示しています。さらに、死亡例を気管支ぜんそくの重症度別に見た時、軽症、中等症の気管支ぜんそくでの増加が、小児、成人ともに指摘されています。しかし、適切な治療を行えば、ぜんそくをコントロールし、健康な人と変わらない生活ができます。

 2011年5月26日(木)

 

 

■エイズ発症者、過去最多 中高年の新規感染増加

 昨年1年間に国内で確認された新たなエイズ発症者数は469人で、調査が始まった1984年以来、最多となったことがわかりました。 厚生労働省エイズ動向委員会が23日、発表しました。

 また、エイズウイルス (HIV)の新たな感染者は、84年以来3番目に多い1075人でした。

 同委員会によると、患者の感染経路は同性間の性的接触によるものが49・0パーセント、異性間の性的接触が27・1パーセント。地域別では、東海地方や中国地方、四国地方で患者の増加が顕著としています。

 一方、HIVに感染しているかを調べるため、全国の保健所や自治体が無料実施している抗体検査件数は約13万件(前年比13パーセント減)で、2年連続の減。保健所などへの相談件数も減少傾向にあるといいます。

 同委員会は、「40代や60歳以上の新規感染者が増加するなど、 年齢の広がりが見られる。早期に発見して投薬治療を受ければ発症は防げるので、無料検査や相談の機会を積極的に利用してほしい」と呼び掛けています。

 2011年5月25日(水)

 

■放射性セシウム、地表5センチ以内に9割 広島大などが調査

 東京電力福島第1原子力発電所から放出されて降った放射性セシウムは事故後1カ月以上たっても、地表から5センチ以内に9割がとどまっていることが、広島大などの調査でわかりました。15センチまでなら99%パーセント以上といいます。

 旧ソ連・チェルノブイリ原発事故では、汚染された表層土を60センチ下に埋める方式を実施しました。今回の校庭などでの土壌汚染でも、「上下入れ替え方式」が有効なことの裏付けになりそうです。

 広島大サステナセンターの田中万也講師(地球化学)らは、郡山市など福島県の4カ所の土壌を4月13日に採取し、放射性セシウムなどの濃度が深さでどう変わるか調べました。その結果、郡山市日和田町の2カ所と西白河郡矢吹町では地表から5センチまでに放射性セシウム全体の約97パーセントが、福島市飯坂町では約88パーセントがとどまっていました。いずれも15センチまでに99パーセント以上がありました。

 セシウムには、土壌の粘土と強く結び付いて表層にとどまり、深いところに染み込まない性質があります。埋めてしまえば、セシウムはその場を動かず、放射線は地表に届きません。放射性ヨウ素も同様に地表から5センチ以内に75パーセント以上がとどまっていました。

 放射性物質が含まれる福島県内の校庭の土の処理方法については、文部科学省が今月11日、表層の土を削って下層の土と上下を入れ替える方式と、敷地内に掘った穴にまとめて埋める方式が、放射線量の低減に有効との考えを福島県教委に通知しています。今後、同県内の学校では、この2方式での土壌処理が進む見通し。

 文科省は上下入れ替え方式については、福島県内の中学校や幼稚園での実験結果に基づき、表土を深さ10センチ削って下層の20センチの土と入れ替えることで放射線を9割減らせるとしました。また、敷地内に大きな穴を掘って表土を埋める方式については、厚さ40センチの締め固めた土で覆えば99パーセントの放射線を遮ることが期待できるとし、底に防水シートを敷いて地下水への浸入を防ぐことが望ましいとしています。

 2011年5月24日(火)

 

■2015年度の高齢者経費、政府試算で27兆円 消費税1割に相当

 社会保障と税の一体改革に関連し、国と地方を合わせた高齢者向けの年金、医療、介護の「高齢者3経費」の必要額は2015年度に27兆円程度に達し、消費税で全額を賄うと税率が10パーセント程度になるとの試算を、政府がまとめたことが22日、わかりました。23日に開く社会保障改革に関する集中検討会議で提示します。

 政府は試算をまとめた背景を「社会保障給付に見合った安定財源確保が財政健全化の同時達成につながる」と明記、15年度までに消費税率を現在の5パーセントから10パーセントに引き上げる考えをにじませました。

 ただ、試算は現在の社会保障制度が前提。政府が検討している社会保障の機能強化に必要な負担は含まれておらず、消費税率を10パーセントに引き上げても財源を全額賄えない可能性があります。10年度(当初予算ベース)の国と地方を合わせた高齢者3経費は21兆5000億円なのに対して、充てている消費税収の国税分は12兆円で、不足額は9兆5000億円に上ります。不足額は、国債などで穴埋めしています。

 政府の試算では、15年度の高齢者3経費は27兆円程度で、消費税収は13兆円程度。不足額は14兆円程度となります。20年度には高齢者3経費が32兆円程度で、不足額は18兆円程度に上る見通し。

 政府は15年度に国と地方の基礎的財政収支の赤字を半減し、20年度には黒字にする財政健全化目標を掲げており、一体改革を財政再建につなげたい考えです。

 2011年5月23日(月)

 

■血液中のリン酸濃度でうつ病診断 簡便な検査法開発

 血液中に含まれるリン酸の濃度を測り、うつ病を診断する検査法を、慶応大の研究成果をもとにしたバイオベンチャー企業が開発しました。従来、研究されてきた血液による診断法に比べて、簡便なことが特徴。健康診断で使うことで早期発見につながる可能性があります。

 開発したのは、「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT社) 」(山形県鶴岡市)。22日に、東京都で開かれた日本生物学的精神医学会で発表しました。

 HMT社は、国立精神・神経医療研究センターで「大うつ病性障害(うつ病)」と診断された31人と、年齢や性別の構成が近い健康な35人の血液を分析。うつ病患者は、血漿中の「エタノールアミンリン酸」の濃度が低いことを見付けました。

 このエタノールアミンリン酸の濃度を調べて、うつ病患者を正しく診断できた確率は82パーセント、健康な人をうつ病でないと診断できた確率は95パーセントでした。

 血液でうつ病を診断する方法は複数の研究グループが開発していますが、白血球の遺伝子の中でも、神経伝達や免疫などに関連する24種類の遺伝子を調べたりするなど、簡便な測定法は突き止められていませんでした。

 HMT社は、このエタノールアミンリン酸の濃度を数分で測れる試薬を開発中。1年以内に完成する見込みで、臨床試験を行い、医療機器としての承認を目指します。

 厚生労働省研究班の調査では、一般医の9割は経験則でうつ病を診断しているといいます。うつ病で受診している人は70万人を超えますが、治療が必要な人の4分の1程度しか受診しておらず、早期発見を難しくしています。

 2011年5月22日(日)

 

■被災者3万人、10年間追跡調査へ 厚労省が心身への影響把握

 厚生労働省は21日、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県の被災者について、健康面や精神状態を長期間継続して把握するための追跡調査を実施することを決めました。対象は各県1万人、計3万人を想定し、調査期間は10年とする方針。

 国立保健医療科学院や3県の地元大学の専門家、医師、看護師、保健師らによる研究班を、6月にも設置します。

 被災体験そのものや、長期化する避難生活が心や体にもたらす影響、変化を調べ、災害時や災害後の医療や福祉の中長期的な対策の在り方を検討。ケアが必要な被災者は専門医を受診できるよう手配します。

 研究班メンバーとなる東北大大学院の辻一郎教授(公衆衛生学)は、「被災地はもともと高齢化が進み、身寄りがいない人も多い。震災の影響で介護が必要になる人が急増する恐れもある。そうしたリスクをできるだけ減らし、地域で助け合う新たなモデルを考えていきたい」と話しています。

 調査は各県の医師会や医療機関にも協力を依頼して実施。被災前後の居住場所や就労状況、生活実態を聞き取るほか、おおむね半年ごとに診察や血液検査などで生活不活発病や生活習慣病、感染症などを発症していないか把握します。うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の兆候がないか精神状態もチェックします。

 2011年5月21日(土)

 

■大分県の降下物から微量の放射性物質 原発事故後初めて

 大分県は19日、大分市内で採取した大気中のちりや雨などの降下物から、微量の放射性物質を検出したと発表しました。東京電力福島第1原子力発電所の事故以降、同県内で放射性物質が検出されたのは初めて。

 大分県環境保全課は、「健康には全く影響のないレベル」としています。

 県衛生環境研究センター(大分市高江西)で4月1日~5月2日にかけて採取した降下物から検出。ヨウ素131は1平方メートル当たり0・76ベクレル、セシウム134は同0・28ベクレル、セシウム137は同0・33ベクレルを検出しました。

 環境保全課は、「放射線量に換算すると年間0・12マイクロシーベルト。自然界から受ける放射線量の2万分の1と極めて低い数値」としています。胃のレントゲン検診では1回につき600マイクロシーベルト、肺のレントゲン検診では50マイクロシーベルトの放射線が使用されます。

 県は1988年から毎月、降下物に含まれる放射性物質を調査。これまで、半減期が30年と長いセシウム137は30回、検出されましたが、半減期が8日のヨウ素131と同2年のセシウム134の検出は初めてのこと。

 測定は全国で行われており、大分県を除く九州各県では、3月分の降下物で微量の放射性物質が検出されています。同課は、「半減期が短い放射性ヨウ素が検出されていることから、福島の原発事故が原因とみられる」としています。

 2011年5月20日(金)

 

■地下水汚染5メートルまで 放射性物質で産総研が解析

 東京電力福島第1原子力発電所の事故で放出した放射性物質による地下水への影響を、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が解析しました。敷地周辺の地表に近い部分は汚染されているため土壌改良が必要ですが、影響の範囲は原発直下では地下約5メートルまでで限定的だとしています。

 産総研の丸井敦尚・地下水研究グループ長らが、地質のデータを基に解析。原発敷地周辺の地下は、土壌と砂れきの混ざった表層(地表から約5メートル)、水を通しにくい粘土層(その下約20メートル)、砂岩層(その下約200メートル)が重なっています。

 そのため、敷地内に大量にまき散らされた放射性物質が地中に入っても、地下深くには浸透せず、地下水とともに5~10年ほどで海に流れ出るとみられます。

 原発から30キロ圏内でも、地下水の大部分が阿武隈山地から海に流れていることがわかりました。ただ、30キロ圏の境では一部の地下水が南側と西側から圏外に流れ出る結果となりました。この地域の土壌が汚染されていた場合、内陸部の水源に影響する可能性も否定できないといいます。

 30キロ圏内外とも放射性物質による汚染は地表から数メートルの表層に限定されるため、深い井戸を掘れば安全な地下水が得られ、復興のための工業用水などに使うことは可能だといいます。研究グループは、今週にも30キロ圏内からの地下水が圏外で実際にどう流れているかの調査を始めます。

 丸井グループ長は、「雨水に混じって地中に染み込む放射性物質の影響はほとんど表層にとどまるため、地下水が広範囲で汚染される恐れは少ない。表層の土壌を入れ替えたり、深い井戸を掘ったりすることで、影響を抑えることが可能だ」と話しています。

 2011年5月19日(木)

 

■歯のかみ合わせが転倒に影響 広島市の歯科医が調査

 奥歯が欠損してかみ合わせできない人は転倒しやすいことが、広島市総合リハビリテーションセンター(広島市安佐南区)歯科の吉田光由部長(46歳)らの認知症高齢者を対象にした調査でわかりました。同市で20日から始まる日本補綴(ほてつ)歯科学会の学術大会で発表し、転倒予防につながるかみ合わせの重要性を訴えます。

 広島市内の病院に入院し自力で歩ける認知症高齢者146人を対象に、奥歯のかみ合わせの有無と過去1年間の転倒回数の相関を調査。「2回以上」「1回以下」に分類しました。

 かみ合わせができないグループ(50人)で年2回以上転倒した人は、54パーセントと過半数に達しました。自分の歯でかみ合わせができるグループ(27人)と、入れ歯でかみ合わせができるグループ(69人)は、いずれも年2回以上転倒した人の割合は14パーセント台で、年1回以下が8割強を占めました。

 また、かみ合わせできなくて転倒回数が多い17人に入れ歯治療をして1年間追跡調査したところ、13人(76・5パーセント)の転倒回数が減少。転倒回数が増加と、転倒回数が同数が各2人でした。

 ほかの高齢者を対象にした調査でも、歯のかみ合わせがうまくいっていない人は、両手を広げて片足で立ち何秒間立てるかという「開眼片足立ち時間」を測ってみると、非常に短いという結果が出ています。また、総入れ歯の人は、入れ歯を入れていると立っていられるのに、入れ歯を外すと倒れやすくなるという結果も出ています。

 そのほか、握力や骨量など、さまざまな基礎体力を調べた結果、いずれも歯の数と関係していることがわかっています。万一、歯がなくなっても、きちんと合った入れ歯を入れて、正しいかみ合わせを確保しておけばバランス感覚に影響はありません。

 2011年5月18日(水)

 

■介護保険法改正案、今国会で成立へ 24時間対応のサービスなど導入

 24時間対応の新しい訪問サービスの導入を柱とする介護保険法改正案について、自民党の厚生労働部会は17日、条件付きで賛成することを決めました。民主党は条件に応じる方針で、今国会で成立する見通しです。

 自民党の条件は、都道府県が毎年実施している介護事業者に対する調査方法を見直すこと。改正案では「必要に応じて調査」と変更しましたが、自民党は「適正な調査が担保できなくなる」と反対しています。そこで民主党は、厚労省のガイドラインで調査すべき事案を明確化することを付帯決議に盛り込むことを検討しており、自民党は了承することにしました。

 2012年度の介護保険制度改正に向けた介護保険法改正案は、24時間対応の新しい訪問サービスを創設するなど、利用者が住み慣れた家で暮らせることを支援するのが柱。24時間対応のサービスは、重度でも自宅で生活できるよう、看護師やヘルパーが定期巡回するほか、夜間など緊急時の通報にはオペレーターが対応します。原則として医師や看護師にしか認められていないたんの吸引や経管栄養は、研修を受けた介護職員が実施できるようにします。

 また、介護保険法改正案には、保険料の急増を抑えるため、各都道府県の財政安定化基金の取り崩しを認めること、11年度末に予定されていた介護型の療養病床の廃止期限は17年度末まで延期することなども盛り込まれています。

 65歳以上の月額保険料は現在、全国平均で4160円。サービス利用の急増で保険料は膨らみますが、基金利用で月5000円未満を目指すとしています。

 2011年5月17日(火)

 

■放射線と生活習慣のリスクを比較 国立がん研究センター

 東京電力福島第1原子力発電所の事故による放射線の影響に関心が高まる中、国立がん研究センターは、1年間に浴びても差し支えないとされる量の100倍に当たる100ミリシーベルトを被曝した時のがんの発症率の増加は、野菜不足や受動喫煙の場合とほぼ同じだとする調査結果をまとめました。

 国立がん研究センターでは、放射線の影響を正確に理解してもらおうと、広島と長崎で続けられている被爆者の追跡調査と、センターがこれまで行った生活習慣についての研究を比較しました。その結果、100ミリシーベルトを被曝した時のがんの発症率は、通常の1・08倍に増加し、野菜不足などの場合とほぼ同じでした。

 また、200ミリシーベルトから500ミリシーベルトの放射線を浴びた時のがんの発症率は、運動不足や塩分の取りすぎとほぼ同じく、通常の1・2倍に増加していました。喫煙や毎日3合以上の酒を飲む習慣のある人と同じ程度の、通常の1・6倍にまでがんの発症率が高まるのは、2000ミリシーベルトの放射線を浴びた時だったということです。

 国立がん研究センター予防研究部の津金昌一郎部長は、「被曝を避けるために外出を控えたり、野菜を食べなかったりすると、逆にがんのリスクが上がる恐れもある。過剰に心配せずに生活してほしい」と呼び掛けています。

 一方、東北、関東各都県で15日午後5時から16日午前9時に観測された屋外の最大放射線量は14~15日に比べ、震災前平常値を上回っている地域で減少が目立ちました。

 文部科学省の集計によると、千葉県は毎時0・046マイクロシーベルトに下がり、最大平常値に近付きました。福島県は1・600マイクロシーベルト、茨城県は0・100マイクロシーベルトでした。福島第1原発の北西約30キロの福島県浪江町では、16日午前10時2分に18・5マイクロシーベルトを観測しました。

 2011年5月16日(月)

 

■年金、10年加入で受給資格 厚労省が改革原案

 厚生労働省の社会保障改革案のうち、年金分野の原案が明らかになりました。改革の柱となるのは、基礎年金の受給資格を得られる最低加入期間を原則25年から同10年に短縮、60歳代前半の「働く受給権者」の年金減額を緩和など。

 厚労省は月内に、政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」(議長・菅首相)に提出する方針です。ただ、実現には2015年に6000億円程度、25年に7000億円程度の新たな財源が必要になるため、調整が難航する可能性もあります。

 厚労省は12日に公表した社会保障改革案に続き、年金、医療、介護など分野ごとの改革案の取りまとめを進めています。政府は年金分野では当面、現行制度の改善を図った上で民主党が目指す最低保障年金創設などの新制度導入を目指すとしており、原案は「最低保障機能の強化」と「働き方に影響を与えない制度」などの実現に重点を置きました。

 基礎年金とは、公的年金のうちすべての職業に共通する部分で、1985年の年金改革で導入されました。老後生活の基礎的部分を保障する制度という位置付けで、原則として40年加入すると満額の月約6万6000円が支給されます。

 2011年5月15日(日)

 

■日本、長寿世界一を維持 WHO統計

 世界保健機関(WHO)は13日、2011年版の「世界保健統計」を発表、09年の世界長寿ランキングにおいて、日本の平均寿命は83歳で前年と同様、イタリア中部の内陸国サンマリノと並んで加盟193カ国・地域の首位を維持しました。2位はスイス、イタリア、モナコ、オーストラリアなどの82歳。

 性別でみると、日本の女性の平均寿命は86歳で、単独首位を維持。2位はモナコ、スペイン、フランスなどの85歳となっています。男性の平均寿命の首位はサンマリノの82歳で、日本の男性はオースラリア、イスラエルなどと並んで80歳と2位でした。

 日本の男性の前年は79歳で、イタリアなどとともに4位。日本は先進国の中では平均寿命の男女差が比較的大きかったものの、男性の寿命が1歳延びた結果、差は若干縮まりました。

 WHO当局者は、喫煙率が比較的高い現状のままでは「日本は、平均寿命82歳のオーストラリアに長寿世界一の座を譲るかもしれない」と警告しました。

 平均寿命が最も短いのは、アフリカ南部の内陸国マラウイで47歳。前年にいずれも42歳で最も短かったアフガニスタン、ジンバブエはそれぞれ48歳、49歳と大きく改善しました。

 世界全体の平均寿命は68歳で、男性が66歳、女性が71歳。富裕国は平均寿命が長く、貧困国は短いという傾向が鮮明です。

 2011年5月14日(土)

 

■障害者5万3000人が10年度に就職 過去最多を記録

 厚生労働省は13日、全国のハローワークを通じて2010年度に就職した障害者が、前年度比17・0%パーセント増の5万2931人と、現在の形で統計を取り始めた1970年度以降で最多になったと発表しました。新規求職の申し込みも13万2734人と、過去最多を記録しました。

 厚労省は、「企業の障害者の採用意欲が高まっていることに加え、一般企業での就労を希望する障害者が増えているため」と説明しています。

 就職した人のうち、精神障害者は前年度比33・2パーセント増の1万4555人と大幅に伸びました。身体障害者は2万4241人、知的障害者は1万3164人で、いずれも増えました。

 障害者の雇用対策としては、障害者雇用促進法において、まず企業に対して、雇用する労働者の1・8パーセントに相当する障害者を雇用することが義務付けられています。これを満たさない企業は納付金を徴収されており、この納付金を元に雇用義務数より多く障害者を雇用する企業に対しては調整金が支払われたり、障害者を雇用するために必要な施設設備費等が助成されたりしています。

 また、障害者本人に対しては、職業訓練や職業紹介、職場適応援助者等の職業リハビリテーションを実施し、それぞれの障害特性に応じた支援がなされるよう配慮されています。

 2011年5月13日(金)

 

■下水汚泥から放射性物質 東京都と神奈川県でも確認

 下水処理施設の汚泥などから放射性物質が検出された問題で、関東地方では12日、新たに東京都と神奈川県の施設でも検出されたことがわかりました。

 このうち東京都では、3つの下水処理施設の汚泥の焼却灰から検出され、板橋区の新河岸水再生センターでは、1キロ当たり放射性セシウムなどを含む2万4000ベクレルの放射性物質が検出されました。また、神奈川県の4つの施設でも検出され、このうち平塚市の相模川流域右岸処理場では、汚泥の焼却灰から1キロ当たり2873ベクレルの放射性セシウムが検出されました。

 このほか関東地方では、これまでに茨城県、栃木県、群馬県の3県の合わせて18の施設から検出され、宇都宮市の栃木県下水道資源化工場では汚泥の焼却灰から関東地方で最も高い1キロ当たり3万2000ベクレル、茨城県ひたちなか市の那珂久慈浄化センターでは汚泥の焼却灰から1キロ当たり1万7020ベクレルの放射性セシウムがそれぞれ検出されています。

 この問題で国は12日、汚泥などの処理の当面の対応方針を示しました。それによると濃度が1キロ当たり10万ベクレルを超す汚泥は、処理施設で焼却などの処理をした上で容器に入れて保管することが必要だとしています。

 また、10万ベクレル以下の場合は、地下水などの監視を行えば当面は処理施設や埋め立て処分場で保管しても差し支えないとしています。その上で処理した汚泥などの最終的な処分方法については、引き続き検討するとしています。

 一方、セメントの原料の一部として汚泥を再利用する際は、ほかの原料と混ぜた濃度が1キログラム当たり100ベクレル以下なら差し支えないとしています。汚泥を肥料の原料として利用することは、農地や作物への影響を短期間では評価できないとして、当面は自粛することが適切だとしています。

 2011年5月12日(木)

 

■足柄茶から基準超えセシウム 神奈川県の農産物で初

 神奈川県は11日、同県南足柄市で9日に採取した「足柄茶」の茶葉から、1キログラム当たり500ベクレルの暫定基準値を超える550~570ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表しました。同県産の農産物が食品衛生法に基づく暫定基準値を超えたのは初めて。

 県は「すぐに健康被害はないレベル」としていますが、南足柄市とJAかながわ西湘(小田原市)に対し、今年産の茶の出荷自粛と自主回収を要請しました。

 生産地は福島第1原発から約290キロ離れており、県は「大気中の放射性物質の濃度が下がる中、茶からなぜ検出されたのか、専門家の意見を聞いて原因を調べたい」としています。

 県によると、足柄茶の茶葉は南足柄市を含む県内17市町村で生産。他市町村の茶葉の検査も早急に進め、結果が判明するまではすべての出荷自粛を求めます。今年産の足柄茶は、6日に販売が始まったばかりでした。

 民間の分析機関に検査を依頼。2回の検査を実施し、1回目は放射性セシウム550ベクレル、2回目は570ベクレルを検出しました。暫定基準値が2000ベクレルの放射性ヨウ素は、いずれも検出されませんでした。

 一方、静岡県は、同県御前崎市で2日に採取した茶葉から、暫定基準値を大きく下回る微量の放射性セシウムとヨウ素が検出されたと発表しました。

 2011年5月11日(水)

 

■髪の毛でがん検診 大型放射光施設スプリング8で実証へ 

 兵庫県とたつの市、ひょうご科学技術協会は本年度から、同県佐用町の大型放射光施設スプリング8を使い、毛髪でがんを検査する新技術の実証事業を始めます。

 スプリング8の放射光で毛髪のカルシウム濃度を調べると、がんの兆候がわかるといい、今月下旬からたつの市民1000人程度の毛髪を調べて技術を検証します。この技術が確立すれば、がん検診の大幅な簡素化につながるといいます。

 県先端科学技術支援センター(姫路市)の千川純一所長(80歳)の研究成果を基に実施します。千川所長は元日本放射光学会会長で、スプリング8の設計にかかわりました。結晶構造が専門のため、医師らが実証に協力し、たつの市はPRを担当します。

 カルシウムは細胞内の情報を伝達する役割があり、千川所長はカルシウム濃度とがんとの関連に着目。2002年から研究に取り組み、約50人の患者の分析から、がん発生時には細胞内のカルシウム濃度が高いことがわかったといいます。

 毛髪は毛根の細胞から成長するため、毛の根から先端までのカルシウム濃度の変化に、細胞内での変化が反映されます。スプリング8を使えば微細な変化を測定できるため、濃度が高くなった時期などがわかるといいます。

 研究を実証するため、07年からたつの市内の企業の協力で、従業員約400人の毛髪を調べました。濃度の高い人は50歳以上で約3割おり、うち1人からがんが見付かりました。

 さらに検査対象を広げるため、たつの市の乳がん検診時に毛髪の提供を呼び掛けます。毛髪の分析結果とがん検診の結果を照合し、カルシウム濃度とがん発生のメカニズムなどを解明します。千川所長は、「毛髪なら体への負担もない。技術が実証できれば、カルシウム濃度が低い人はがん検診が不要になる」と話しています。

 スプリング8は、世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設であり、放射光は、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のことです。スプリング8では、この放射光を用いてナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い研究が行われています。

 2011年5月10日(火)

 

■原子炉建屋の扉開放で放出量は5億ベクレルと推定 保安院「周辺に影響なし」

 経済産業省原子力安全・保安院は8日、福島第1原発1号機の原子炉建屋とタービン建屋をつなぐ二重扉の開放により、総量5億ベクレルの放射性物質が外部に放出されるとの推計を明らかにしました。

 大気への放出とは形が異なりますが、4月に海に意図的に放出した比較的低濃度の汚染水約1万トンに含まれる量の300分の1で「環境への影響はない」としています。

 東京電力は、今回の放出により第1原発敷地内で浴びる放射線量は、最大0・44マイクロシーベルトと推計。一方で保安院は、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を使い、海から内陸に向け秒速1メートルの東風が吹く場合、0・77マイクロシーベルトになるとしました。いずれも一般人の年間被曝線量限度である1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)の1000分の1を下回る値。

 保安院によると、5億ベクレルという総放出量は、放射性のヨウ素131とセシウム134、137の合計値。東電が7日に測定した原子炉建屋内の放射性物質の濃度に、建屋の容積約2万5000立方メートルを掛けて総量を算出しました。屋根が壊れている原子炉建屋上部の高さ約29メートルの位置から、8時間かけて放出されると想定しました。

 宮崎慶次大阪大名誉教授(原子力工学)は、一般的に放射性物質の放出は好ましくないとしながらも「敷地内で浴びる放射線量がこの程度であれば、人の健康や環境に影響はないだろう。今のプラントの状況を考えれば、やむを得ない。早く作業を進め、冷却システムを作ることが重要だ」と指摘。事前に建屋内の放射性物質濃度を下げ、地元自治体にも通報したことは妥当だったとしました。

 一方、東北、関東各都県で8日午後5時から9日午前9時に観測された最大放射線量は、7~8日に比べ減少か横ばいでした。文部科学省によると、宮城県が毎時0・087マイクロシーベルトから0・076マイクロシーベルトに低下しました。茨城県も微減。福島県は1・700マイクロシーベルトと横ばいでした。

 福島第1原発の北西約30キロの福島県浪江町では、9日午前9時50分に20・1マイクロシーベルトを観測しました。

 2011年5月9日(月)

 

■がん治療費は予想より少額 実際は50万円程度が最多 

 がんにかかった人の実際の治療費は50万円程度が最も多いのに対し、かかったことのない人の半数以上は、300万円程度かそれより多いと予想していることが、アメリカンファミリー生命保険(アフラック)の調査でわかりました。

 実際の治療費が予想を大きく下回っていることに対し、アフラックは「がんは転移して治療が長期化するといった深刻なイメージが一般的にあるが、早期発見、治療で治療費を抑えられることが反映されたのではないか」と分析しています。

 がんになった人に治療にかかわる費用(入院、食事代などを含む)を尋ねたところ、50万円程度が36・3パーセントと最も多く、100万円程度が29・5パーセントと続きました。ただし、300万円より多いと答えた人も5・2パーセントおり、転移や再発などで多額の治療費がかかることもあります。

 これに対して、がんにかかったことがない人の費用の予想額は、300万円より多いとする人が 32・1パーセントと最多。2番目に多いのは300万円程度とする人が21・1パーセントで、上位2つの答えを合わせると半数を超えます。

 2011年5月8日(日)

 

■母から長女に親族優先で腎臓移植 法改正後、角膜以外では初

 日本臓器移植ネットワーク(移植ネット)は7日、刈谷豊田総合病院(愛知県刈谷市)で、改正臓器移植法に基づく親族への優先提供によって、40歳代の女性から20歳代の長女に腎臓が移植されたと発表しました。女性は心臓が止まって亡くなりました。

 改正法は2010年1月に一部が施行され、心臓が止まった人や脳死になった人の体の一部を、本人の意思に基づいて親族に優先的に提供できるようになりました。親族優先提供は、角膜では2例ありますが、角膜以外の臓器の提供は初めて。

 移植ネットによると、女性は脳血管障害で治療を受けていました。4月下旬に主治医から蘇生が困難との説明を受けた家族が、女性の臓器提供意思表示カードを発見。女性は10年11月、カードに脳死後と心停止後に臓器を提供する意思を記載。心臓、肺、肝臓、膵臓、小腸、眼球の提供はしないことも記し、特記欄に「親族優先」と書いていました。

 移植ネットは、戸籍で親子の関係を確認。家族には、移植の公平性から第三者間での移植が基本であることも説明したといいます。

 女性の長女は、先天性腎疾患で過去に生体腎移植を受けたが病状が悪化、人工透析を続けており、移植の待機患者として登録していました。腎臓は、7日午前に社会保険中京病院(愛知県名古屋市)で移植され、もう片方の腎臓も、通常の手続きを経て、待機日数などを基準に選ばれた別の患者に提供されました。

 女性の夫は、「娘への移植を考えることは、妻の死を認めることになり、自分の中で葛藤があり、時間がない場合などは非常に難しいと思うが、今回は妻がゆっくりと考える時間をくれた」とのコメントを出しました。

 2011年5月7日(土)

 

■厚労省、生肉販売に罰則ある基準創設へ ユッケ食中毒受け

 富山、石川、福井の北陸3県と神奈川県で20店舗を展開する焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」で発生した集団食中毒で、富山、福井両県警の合同捜査本部は6日午後、業務上過失致死傷容疑で、チェーンを運営する金沢市の「フーズ・フォーラス」本社や富山、福井県の店舗、東京都板橋区の食肉卸業者などを一斉に家宅捜索します。

 ユッケ用の生肉は、この卸業者がチェーン店側に販売。板橋区保健所が先月末、立ち入り検査した際、卸業者は「生食用としては出していない。生で食べることは想定していない」と説明していたことが判明しました。保健所のふき取り検査や倉庫の肉では、食中毒菌は検出されませんでした。

 一連の集団食中毒で溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症して死者が4人出ていることを受け、厚生労働省は5日、罰則のある食品衛生法に基づいて、牛肉を生食として販売する際の基準を新たに作ると発表しました。基準ができるまでは、生肉を出している飲食店への監視指導を強めるとして、緊急的な立ち入り検査の実施を都道府県に要請しました。

 牛肉などの生食については厚労省の衛生基準がありますが、強制力がないため飲食店の独自の判断で客に提供しているのが実態でした。

 新たな基準は、汚染部位を取り除く際の指標や「生食用」の表示を定めた現行の衛生基準を基本とします。法改正ではなく、内閣府の食品安全委員会や厚労省の薬事・食品衛生審議会の意見を踏まえて決めます。厚労省の担当者は、「可及的、速やかに検討する」と話しています。

 また、緊急的な立ち入り検査の対象は、ユッケなど牛肉の生肉を扱う飲食店や食肉処理業者、食肉販売業者。現行の衛生基準を満たしているかどうか確認し、適合しない場合は、改善するまで飲食店への販売や客への提供の中止を求めます。

 細川律夫厚労相は6日の記者会見で、食中毒被害が相次いでいることについて「二度と起こらないよう万全な対策を取らないといけない。生食の危険性を国民に徹底的に周知していきたい」と述べました。

 2011年5月6日(金)

 

■メタボ健診、見直し開始 厚生労働省

 厚生労働省は、40~74歳を対象とした特定健康診査、いわゆるメタボ健診の見直し作業をスタートさせました。平成20年度に始まった医療制度改革での医療費抑制の目玉施策でしたが、実施率の低迷などを受け、開始から3年余りで見直しを余儀なくされました。

 メタボ健診は、生活習慣病を予防することで増え続ける医療費を抑制するために導入されました。ルールを弾力的に運用し実施率を高めるのが狙いで、先月25日に立ち上げた有識者検討会において、議論を重ねて来年夏までに結論を示し、25年度から適用する方針。

 厚労省の調査では、メタボ健診の平成21年度の受診率(速報値)は全国で40・5パーセントにとどまり、スタート時に掲げた70パーセントを大きく下回りました。制度が導入された20年度の受診率は38・9パーセントで、21年度は約2ポイント上がったものの、低調傾向が続いています。

 メタボ健診の対象者数は約5220万人で、受診者数は約2115万人。健診の結果、生活習慣病の原因になるとされるメタボリック症候群と診断された人は約311万人、予備軍が約265万人でした。また、診断後に保健師などによる保健指導が必要とされた約400万人のうち、実際に指導を受けたのは約52万人だけでした。

 運営主体ごとの受診率は、公務員らが加入する共済組合が65・4パーセント、大企業の社員が加入する健保組合が63・3パーセントと高かった一方で、中小企業の従業員らが加入する全国健康保険協会が30・3パーセント、市町村国保が31・4パーセント、船員保険が32・1パーセントと低く、二極化が続きました。

 厚労省は「がんなどと比べ、緊急性が低いと考えがちだが、放置すれば数十年後に深刻な影響が出る」として、積極的な受診を呼び掛けています。

 2011年5月5日(木)

 

■福島原発沖、海底の土から放射性物質検出 通常の100~1000倍

 福島第1原発事故で東京電力は3日、原発近郊の深さ20~30メートルの海底の土から、通常の100~1000倍の濃度の放射性物質を検出したと発表しました。東電が海底の土を分析したのは事故後初めてで、「高い濃度だ。環境への影響は、魚介類を採取して分析、評価したい」としています。

 土を採取したのは、第1原発の北約15キロの福島県南相馬市と、南約20キロの同県楢葉町の沖合3キロで、4月29日に実施。放射性ヨウ素131が1キログラム当たり98~190ベクレル、放射性セシウム137は1キログラム当たり1200~1400ベクレルでした。通常はいずれも1キログラム当たり数ベクレルか、検出限界以下。

 東電は、放射性物質は空気中に放出されたものが海に落ちたか、汚染水として流れて海底に沈んだとみています。今後、濃度が上昇しないか監視するとしています。

 一方、文部科学省は第1原発の南約50キロ地点の沖合約10キロ、深さ117メートルの海底から4月29日に土を採取して分析。放射性物質は検出されなかったと発表しました。

 これについて、海洋中の放射性物質に詳しい海洋生物環境研究所の御園生淳研究参与は、「検出された放射性物質の濃度は、通常より極めて高いといえ、高濃度の汚染水が原発から海に流れ出ていたことによるものと考えられる。福島県の沖合の海底は砂地で、潮の流れも速く、濃度は徐々に低くなるとみられるが、岸に近いところの海底は潮の流れが遅く、放射性物質が長い間とどまる恐れもある。より多くの場所で継続して海底の土を調べるとともに、魚介類への影響がないどうかも詳しく調べる必要がある」と話しています。

 2011年5月4日(水)

 

■ヨーロッパから、はしかが侵入 渡航の際はワクチン接種を

 高熱が出て全身に発疹が出る感染症、はしか(麻疹)がフランスなどヨーロッパ各国で流行し、現地で感染し日本入国後に発症した人の報告が増えているほか、フランスで流行しているウイルスが日本で検出されるなど、欧州から入ってきていることが3日、国立感染症研究所のまとめなどで判明しました。

 日本は2012年度までにはしかの流行をゼロにする目標を掲げ、ワクチン接種を強化、患者は年々減少し、今年は4月27日までに報告されたのは146人。ただ、こうした輸入例や二次感染の増加を念頭に置いた対策が必要になりそうです。

 同研究所感染症情報センターでは、「かかったことがなくワクチン未接種の人は、欧州に行く前に接種すべき」と話しています。

 はしかは、非常に感染力の高い感染症です。特に小児においては、先進国でさえ、一定の率で死亡者が出る恐ろしい疾患です。成人がかかった場合も、症状は非常に重くなる傾向があります。

 はしかにかかると、症状のない期間を経た後に、38度程度の発熱が2日から4日続き、せき、鼻風邪のような症状、目やにや結膜の充血が次第に強くなります。その後、いったん熱が下がりかけますが、再び39度以上の高熱となり、特徴的な赤い発疹が頭部から体の下へと出現します。

 合併症として恐ろしいのは、ウイルスによる肺炎と脳炎で、死に至ることもまれではありません。

 世界保健機関(WHO)が4月21日に公表した情報によりますと、4月18日現在、ヨーロッパの33の国で、6500例を超えるはしかの患者が報告されました。

 ベルギー、ブルガリア、フランスでは、過去報告されていたはしかの件数に比べて、圧倒的に多くなっています。セルビアでは、南東地域からの報告が多くなっています。スペインでは、2010年以降2つの集団発生事例が、アンダルシア州セビリアおよびグラナダで起きており、600例以上が報告されています。旧ユーゴスラビア共和国のマケドニア、トルコ(イスタンブール)でも集団発生が起こっています。

 さらに、今年、ドイツ、オランダ、ノルウェー、ルーマニア、ロシア連邦、スイス、イギリスで、はしかの集団発生や患者数の増加が報告されました。

 2011年5月3日(火)

 

■学校放射線基準は「安全でない」 ノーベル賞受賞の米医師団が声明

 東京電力福島第1原発の事故で、文部科学省が福島県内の小中学校などの屋外活動制限の可否に関する放射線量の基準を、年間20ミリシーベルトを目安として設定したことに対し、米国の民間組織「社会的責任のための医師の会(PSR、本部ワシントン)」が2日までに、「子供の発がんリスクを高めるもので、このレベルの被曝を安全と見なすことはできない」との声明を発表しました。

 PSRは、1985年にノーベル平和賞を受賞した「核戦争防止国際医師の会」の米国内組織。

 声明は、米科学アカデミーの研究報告書を基に「放射線に安全なレベルはなく、子供や胎児はさらに影響を受けやすい」と指摘。「年間20ミリシーベルトは、子供の発がんリスクを200人に1人増加させ、このレベルでの被曝が2年間続く場合、子供へのリスクは100人に1人となる」として、「子供への放射線許容量を年間20ミリシーベルトに引き上げたのは不当なことだ」と批判しました。

 この学校放射線基準の是非を巡る議論は、被爆地長崎でも波紋が広がっています。被曝医療の専門家の見解は一様でなく、被爆者からは「基準決定に至る経過が不透明」と政府の対応に疑問を抱く声が出ています。

 政府が定めた基準は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に準拠。勧告では、緊急時の一般人の許容限度を年間20~100ミリシーベルト、事故が収束に向かうレベルでは同1~20ミリシーベルトを目安に対応するよう求めています。だが、子供にそのまま当てはめると比較的高い放射線量の被曝を認めることになるとして、専門家の批判が相次ぎ、内閣官房参与の小佐古敏荘東大大学院教授が辞任する一因にもなりました。

 事故以降、被曝医療や放射線の情報提供のため度々福島入りしている長崎大大学院医歯薬学総合研究科の山下俊一教授は、「ICRPの緊急時と収束時の境目を取ったのが20ミリシーベルト。非常事態に置かれた現地の状況を踏まえれば、数値には理論的根拠はある」と一定容認。「事態が収束に向かえば放射線量の数値も下がるとみられるが、今は福島の生活、社会環境などを踏まえると政策的に判断せざるを得ないのではないか」との見解を示しました。

 日赤長崎原爆病院の朝長万左男院長は、「20ミリシーベルトで特に何か症状が現れるわけではないが、成長期にある子供は10ミリシーベルト程度で抑える方向で努力してもよかった」と指摘しました。

 一方、被爆者団体などの思いは複雑です。長崎原爆遺族会の正林克記会長は、「20ミリシーベルトがいいか悪いかではなく、政府は将来を担う子供たちのことを考え、安全な環境に移すことを最優先に考えるべきだ」と疑問を呈しました。

 政府の基準値決定の経過を批判する意見もあります。文科省から基準値への助言を求められた国の原子力安全委員会は、正式な委員会を招集しませんでした。長崎原爆被災者協議会の山田拓民事務局長は、「何か便宜的に処置したような印象を受ける。もっと議論をすべきだった」と話しました。

 2011年5月2日(月)

 

■母乳から微量の放射性物質 「乳児に影響なし」と厚労省

 厚生労働省は4月30日、福島県など1都4県で乳児がいる女性23人の母乳を調査した結果、7人から微量の放射性物質を検出したと発表しました。母乳に含まれる放射線量に安全基準はありませんが、食品衛生法の牛乳・乳製品の暫定規制値を下回っており、同省は「乳児、母体とも健康には影響がない量で、ふだん通りの生活で問題ない」としています。

 23人は、東京電力福島第1原発の周辺や、野菜などの出荷を制限されたり、水道の摂取を控えるよう要請されたりした地域に居住、または以前に住んでいた20~30歳代で、福島県4人、茨城県9人、埼玉県1人、千葉県2人、東京都7人。4月24日~28日に産婦人科医などを通じて80~100ccの母乳を採取し、国立保健医療科学院で測定しました。

 調査結果によると、3月11日~14日の間に原発から30キロ圏内にいた1人から1キログラム当たり放射性ヨウ素3・5ベクレル、放射性セシウム2・4ベクレルを検出。ほかにも現在、茨城県内に住む5人と千葉市の1人から2・2ベクレル~8・0ベクレルの放射性ヨウ素を検出しました。残り16人の母乳からは、放射性物質は検出されませんでした。

 厚労省によると、牛乳・乳製品の暫定規制値は放射性ヨウ素が1キログラム当たり100ベクレル(乳児)、放射性セシウムが200ベクレル。

 市民団体「母乳調査・母子支援ネットワーク」が4月20日、千葉県内の女性の母乳から1キログラム当たり36・3ベクレルの放射性ヨウ素を検出したとの独自調査の結果を発表。これを受け同21日、枝野幸夫官房長官が厚労省に調査を指示し、厚労省は日本産科婦人科学会などを通じて協力を求めたといいます。

 2011年5月1日(日)

 

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