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健康ダイジェスト

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■カシューナッツとゴマ、アレルギー表示の推奨品目に 消費者庁

 消費者庁は30日、食物アレルギーを引き起こす原材料として加工食品への表示を推奨する品目に、カシューナッツとゴマを新たに加える方針を決めました。

 同日開かれた内閣府消費者委員会の部会で提案し、了承されました。表示対象となるゴマの品種などを絞り込み、今夏にも都道府県や東京23区、政令指定都市に通知します。

 ゴマは健康食品やサプリメントの素材として広く利用されていることから、関係企業には商品表示の見直しが迫れそうです。

 消費者庁が医師の協力を得て、2011~12年度に全国で食物アレルギー症状が報告された症例を調査したところ、約3000例のうちカシューナッツは18例、ゴマは12例ありました。

 カシューナッツは急性反応で、呼吸困難や意識障害など重い症状になるアナフィラキシーショックも5例あったといいます。2品目は過去の調査でも食物アレルギーの原因の上位に入っており、推奨品目に加えることにしました。

 健康食品業界では、ゴマを利用した商品開発が行われています。大手食品企業を始め、全国各地でゴマ由来の健康食品が登場するなど、ゴマは人気素材の一つ。今回の改正を受けて、関係各社では原材料表示の見直しが求められそうです。

 加工食品のアレルギー表示は食品衛生法に基づき、現在、義務付けられているものが卵、乳、小麦、エビ、カニ、ソバ、落花生の7品目、推奨されているものがアワビ、イカ、イクラ、オレンジ、牛肉、キウイ、クルミなど18品目あります。カシューナッツとゴマを加えると推奨品目は計20品目となりますが、推奨品目は表示しなくても罰則はありません。

 食物アレルギーは、食物を摂取した際、体が食物に含まれるアレルギー物質であるタンパク質を異物として認識し、自分の体を防御するために過敏な反応を起こすことです。主な症状は「かゆみ・じんましん」「唇のはれ」「まぶたの腫れ」「嘔吐」「咳・喘鳴(ぜんめい)」などで、「意識がなくなる」「血圧が低下してショック状態になる」という重篤な場合もあり、最悪、死に至ることもあります。

 食物アレルギーは、人によってその原因となるアレルギー物質とその反応を引き起こす量が異なります。また、同一人であっても体調によって、その反応も変わります。

 食物アレルギー体質を持つ人の正確な人数は把握されていませんが、全人口の1〜2パーセント、乳児に限定すると約10パーセントが、何らかの食物アレルギーを持っているものと考えられています。

 2013年5月31日(金)

 

■飲酒欲求を抑える薬を発売 国内初、アルコール依存治療に

 日本新薬(京都市)は28日、国内初のアルコール依存症患者向け断酒補助剤「レグテクト錠333mg」(一般名・アカンプロサートカルシウム)の発売を開始したと発表しました。

 飲酒に対する欲求を抑える働きがあり、医師の診断を受けた患者がカウンセリングなどの精神療法や、自助グループへの参加など心理社会的治療と併用することで、断酒の継続を促すといいます。

 同社によると、新薬はアルコール依存症患者の中枢神経系に作用し、アルコール依存により高進したグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで、酒を飲みたい欲求を抑えます。

 同種の薬は欧州で1980年代から販売され、現在は欧米など海外24カ国で販売されていますが、日本国内では未承認であったため、2010年5月に厚生労働省から医療上必要の高い未承認薬として開発要請されていました。今年3月、厚生労働省から製造、販売の承認を日本新薬が受けました。

 カウンセリングによる精神療法などを組み合わせた臨床試験では、新薬を服用して精神療法を受け約半年間の断酒に成功した患者は47パーセント、精神療法だけを受け約半年間の断酒に成功した患者は36パーセントで、11パーセント程度、断酒が続く人の割合が増えたといいます。

 レグテクト錠は医療機関向けに医療用医薬品として出荷し、服用には医師の処方箋が必要となります。1回2錠を1日3回食後に経口投与します。薬価は1錠50・10円。

 アルコール依存症で医師の治療を受けている患者は、国内で約4万人とされます。アルコール依存症は常習飲酒の結果、自らの飲酒行動を制御できなくなった病態で、性別、年齢、職業などを問わず、酒を飲む人なら誰でも発症する可能性がある疾患です。患者には飲酒に対して抵抗できない強い欲求が生じていて、連続飲酒といった病的な飲酒状態がみられるようになります。

 禁断症状が起こる患者もいて、回復には生涯の断酒が必要とされますが、時折生じる強烈な欲求に押され、再び飲酒してしまうケースも少なくないといいます。

 従来、体内のアルコール分解を抑制し、少量の酒でも頭痛や吐き気など悪酔いに似た症状を起こす「抗酒剤(嫌酒剤)」が知られていますが、治療効果は限定的だったといいます。

 2013年5月29日(水)

 

■マダニ媒介ウイルスで、高知県の男性が死亡 国内で9人目

 高知県は27日、県内に住む60歳代の男性が、マダニが媒介するウイルスによる感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を昨年11月に発症し、9日後に死亡したと発表しました。

 厚生労働省が情報の収集を始めた今年1月以降、国内での感染例は17人目で、国内での死亡確認例は9人目。高知県内では初めての死亡確認例で、ほかに山口県の女性2人、鹿児島県の女性1人と、広島県、愛媛県、長崎県、佐賀県、宮崎県の各男性1人が死亡確認されています。

 男性は昨年11月、発熱や全身の倦怠感を訴え、高知市内の病院に入院し治療を受けましたが、血小板の大幅な減少や意識障害が続いて9日後に死亡しました。

 今年3月中旬、治療に当たった医師が男性の症状がSFTSに合致するとして高知市保健所に連絡し、保存されていた男性の体の組織の一部を国立感染症研究所(東京都)に送ったところ、SFTSを引き起こすウイルスに感染していたことが検査で確認されました。

 男性がダニにかまれた傷は確認されておらず、海外渡航歴もありませんでした。

 マダニは春から秋にかけて盛んに活動することから、高知県は、これからの時期、農作業などで屋外に出る時は長袖の服を着るなどして肌の露出を避けるよう注意を呼び掛けています。

 2013年5月28日(火)

 

■外科医の当直明け手術、2割が「質低下」 背景に急速な医師不足

 外科医の4人に3人が病院に泊まり込む当直明けの日に手術に参加し、このうちのおよそ2割の医師が手術の質の低下を感じていることが、日本外科学会の調査でわかりました。

 日本外科学会は、会員の勤務の実態を調べるため、昨年10月から12月にかけて全国の外科医8300人余りにアンケート調査を行いました。

 その調査結果によりますと、過去1、2年間に病院に泊まり込む当直明けの日に手術に参加したことがあるか質問したところ、「いつもある」が36パーセント、「しばしばある」が25パーセント、「まれにある」が13パーセントで合わせて74パーセントが「ある」と回答しました。

 また、手術への影響について質問したところ、「出血が増えたり、時間が長くなったりするなど、手術の質が低下することが多い」と回答した外科医が19パーセントに上りました。

 さらに、「疲労から医療事故を起こしたり、一歩間違うと医療事故につながる恐れを感じたりした経験がある」と回答した外科医が4パーセントいました。

 改善策としては、70パーセント以上の外科医が「当直明けは休みにするルールをつくるべきだ」と回答しました。

 調査を行った日本外科学会の理事で九州大学病院の富永隆治教授は、「当直明けの手術をやめると外科医不足のため手術ができなくなるのが実態だ。外科は負担の重さやリスクの高さから新たななり手が減る悪循環に陥っていて、労働環境を改善するなどの対策を考える必要がある」と話しています。

 厚生労働省によりますと、国内で外科に従事する医師の数は、2006年には2万6470人で、この10年前より2400人減りました。

 特に当直勤務や手術の中核を担う50歳未満の世代が2000人以上減り、急速な医師不足に直面しています。勤務時間の負担の重さや医療安全のリスクの高さから新たに外科医になる人が減り、それがさらに勤務の負担を増加させる悪循環に陥っているということです。

 これに対して、手術の件数は高齢化に伴って増え続けていて、全身麻酔を伴う手術の件数は、2011年度には1カ月平均で20万4000件余りで、この15年前の1・6倍になっています。

 厚生労働省は手術に対する診療報酬を増やすなどして、外科の医師数の増加を促していますが、勤務環境を十分改善させるには至っていません。

 2013年5月26日(日)

 

■CO2濃度、国内全観測点で初めて400ppm超 地球温暖化が悪化

 地球温暖化に及ぼす影響が大きい大気中の二酸化炭素(CO2)の平均濃度が、国内の観測点すべてで温暖化を抑えるための国際的な目安を超えて、上昇傾向が続いていることが気象庁の観測でわかりました。

 気象庁は、人間活動の影響を受けにくい岩手県大船渡市と沖縄県与那国島、それに本州のはるか南の東京都南鳥島の3カ所で、大気中の二酸化炭素の濃度を観測しています。

 月の平均濃度はいずれの観測点も上昇する傾向が続いていて、4月までにすべての地点で、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が地球温暖化による気温上昇を2度程度に抑えるための目安と位置付けている400ppm(0・04パーセント)を超えたことがわかりました。春は植物の光合成が本格化する前に当たることなどから、年間で最も二酸化炭素の平均濃度が高くなる時期といいます。

 大船渡市では昨年の2月、3月、4月に国内観測地点で初めて400ppmの大台を超えましたが、与那国島と南鳥島で400ppmを超えたのは初めてです。

 世界全体の二酸化炭素の平均濃度は390ppm程度で、気象庁は、このままではここ数年で400ppmを超える可能性が高いとみています。

 気象庁地球環境・海洋部の小出寛さんは、「二酸化炭素の平均濃度の増加率は、1990年代よりも高くなっている。節電や冷房の温度設定を控えめにすれば、二酸化炭素の排出量を減らすことにつながるので、身近な対策を始めてほしい」と話しています。

 二酸化炭素(CO2)は、地球温暖化を起こす温室効果ガスの一つ。太陽で暖められた地表面から放出された熱を吸収し、これまで地球の平均気温を約15度に保ってきました。しかし、化石燃料の消費に伴う人為的な排出が増え、大気中の濃度も急上昇。最近の気温上昇の最大原因とされています。気温が上昇すると、猛暑や干ばつといった異常気象、南極の氷床融解に伴う海面上昇などが発生すると懸念されています。

 2013年5月25日(土)

 

■マダニから新感染症ウイルス検出、国内初 韓国でも昨年、女性死亡

 マダニが媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」で、先月、山口県岩国市の病院に入院した60歳代の女性の体に付着していたマダニから、この感染症を引き起こすウイルスが検出されたことがわかりました。ウイルスを保有するマダニが実際に確認されたのは、国内で初めてです。

 山口県岩国市の国立病院機構岩国医療センターによりますと、4月9日、山口県東部に住む60歳代の女性が発熱や意識障害などを訴えてセンターに入院し、国立感染症研究所などで検査した結果、女性はマダニが媒介するSFTSに感染していたことが判明しました。

 この女性は、呼吸不全などで、一時、集中治療室で治療を受けましたが、その後、症状は回復し、5月2日に退院したということです。

 センターによりますと、この女性の腕に体長3ミリほどのマダニが付着していたため、国立感染症研究所でさらに詳しく調べた結果、このマダニは動物などに寄生する「タカサゴキララマダニ」で、この個体からSFTSを引き起こすウイルスが検出されたということです。

 この感染症は今年1月に国内で初めて山口県で確認され、厚生労働省が逆上って調査した結果、これまでに全国の10県で15人の感染が確認され、このうち8人が死亡しています。

 国立感染症研究所で調査を担当したウイルス第一部の西條政幸部長は、「これまで日本で確認されている患者の中には、マダニにかまれた痕に発症している患者は確認されていたが、患者に付いていたマダニからウイルスの存在が確認されたということは初めてで、これでマダニが媒介する感染症だと裏付けられた。今回のマダニがタカサゴキララマダニというこれまでの報告とは違う種類だったので、今後、ほかの種類についても調査研究を行い、感染するリスクを減らす対策につなげていく必要がある」と指摘しました。

 また、感染対策については、「農作業などの際は長袖を着ることや、ダニが付いてもわかりやすいような色の服を着ることが大切だ。作業が終わった後、必ずダニが体に付いていないか気を付けて見るなどの繰り返しが、感染するリスクを減らすことにつながるので、ぜひ実践してほしい」と呼び掛けています。

 一方、マダニが媒介するSFTSが日本の各地で相次いで報告される中、韓国でも全国的にマダニが生息していることから、保健当局が逆上って調査していましたが、21日、60歳代の女性が昨年8月、SFTSの感染で死亡していたことがわかったと発表しました。

 この女性は、韓国北部の江原道(カンウォンド)の畑で農作業の際、首の後ろを虫のようなものにかまれたと訴え、その後、高熱や下痢などの症状が出て死亡したということです。韓国でSFTSの感染が確認されたのは初めてですが、韓国の保健当局では、この感染症を引き起こすウイルスは以前から韓国国内に存在していたものとみています。

 ウイルスを媒介するマダニは、家の中に生息するダニとは種類が異なり、主に屋外の山の中や草むらに生息しているということで、保健当局では、屋外で活動する際には、長袖や長ズボンを着用するなどの注意を呼び掛けています。

 2013年5月23日(木)

 

■赤身の牛豚肉の摂取過多で糖尿病リスク増 男性のみ、6万人追跡調査

 国立がん研究センターと国立国際医療研究センターの研究チームは21日、牛肉や豚肉など赤身の肉を多く食べる男性は、あまり食べない男性と比べて、糖尿病になるリスクが高くなるとの研究結果を発表しました。

 研究チームは、1990年代後半に全国の11保健所管内に住んでいた45~75歳の男女約6万4000人を対象に、約5年間追跡調査を実施し、約1200人が糖尿病と診断されました。この調査結果に基づき、肉類の摂取と糖尿病の発症との関連について分析した研究を、英国の栄養学専門誌「British Journal of Nutrition」のウェブサイトに先行発表しました。

 研究では、1日当たりの肉類の摂取量に応じて4つのグループに分類し、糖尿病の発症との関連を分析。なお、分析の際は、肥満や喫煙、飲酒といった肉類摂取以外の糖尿病の発症に関係する影響をできる限り取り除いたとしています。

 その結果、男性では肉類全体の摂取量が1日当たり約100グラム以上、中央値で108グラムと多いグループで、糖尿病の発症リスクが高くなったことが判明。摂取量が1日当たり中央値で23グラムと最も少ないグループに比べると、最も多いグループで糖尿病リスクが1・36倍高くなっていました。

 さらに、肉の種類別に分析したところ、男性で牛肉や豚肉など赤身肉の摂取量が1日当たり中央値で83グラムと多いグループは、1日当たり中央値で15グラムと摂取量が少ないグループより、糖尿病リスクが1・42倍に上昇していました。83グラム程度の赤身肉の摂取量は、小ぶりのハンバーグであれば1個、薄切りの焼き肉であれば4枚に相当するということです。

 一方、ハム・ソーセージなどの加工肉や鳥肉については、糖尿病リスクとの関連はみられませんでした。

 赤身肉を多く摂取する男性の糖尿病リスクが高くなる理由としては、肉に含まれるヘム鉄や飽和脂肪酸、焦げた部分に含まれる糖化最終産物(AGEs)やヘテロサイクリックアミンが、血糖値を抑制する働きをするインシュリン感受性やインシュリン分泌に悪影響を与える可能性があるといいます。

 ハム・ソーセージなどの加工肉の摂取については、最近のメタ解析という多くの研究を統合した解析の結果において、糖尿病リスクの上昇が報告されていましたが、今回はそのような関連は確認されませんでした。これは、日本人の加工肉の摂取量が欧米に比べて少ないためと推測されます。

 なお、女性の場合は、いずれの分析結果においても肉類の摂取と糖尿病の発症との関連は確認されなかったといいます。

 研究をまとめた国立国際医療研究センターの黒谷佳代上級研究員は、「牛肉や豚肉を多く食べる男性は、糖尿病のリスクが高まると考えられる。鳥肉や魚も食べるなど、バランスのよい食事を心掛けてほしい」と話しています。

 2013年5月22日(水)

 

■風疹感染、連休後も歯止めかからず 患者数は昨年の40倍に

 妊娠中の女性が感染すると新生児に障害が出る恐れのある風疹の患者数が今年に入り、累計で6000人を超えました。国立感染症研究所が21日、発表しました。

 昨年の同時期に比べると40倍の多さで、唯一患者が発生していなかった高知県で1人患者が出て、すべての都道府県で発生しました。全都道府県に拡大したのは、患者の全数調査を始めた2008年以降初めて。

 感染研によると、6日から12日の最新の1週間の全国の患者報告数は587人で、前週に比べ117人増えました。大型連休の影響でいったん減少した報告が再び増加に転じ、感染の拡大に依然として歯止めがかかっていないことがわかりました。

 今年に入ってからの累計の患者数は6725人となりました。都道府県別では東京都が2038人で最多。大阪府1210人、神奈川県907人と続きます。

 最新の1週間では、大阪府が1861人と東京都の113人よりも多く、突出しています。

 これまでは、首都圏と関西などの都市部が流行の中心でしたが、感染は地方へと拡大しています。今年に入ってから風疹と診断された患者のおよそ90パーセントは成人で、男性では20歳代から40歳代、女性では20歳代が多くなっています。

 熱や発疹などの出る風疹は患者のせきやくしゃみを通じて広がり、妊娠初期の女性が感染すると、新生児の目や耳、それに心臓などに障害が出る恐れがあります。

 感染研の多屋馨子室長は、「風疹ウイルスの潜伏期間は2週間から3週間なので、連休中の人混みなどで感染した人が発症するのはこれからになる。発疹など症状が出たらしっかり休み、人が集まるところに行かないよう心掛けてほしい。また、予防にはワクチンしかないので、多くの人にワクチンを接種してもらいたい」と話しています。

 大人がワクチンの予防接種を受ける場合、1万円前後の費用は自己負担になります。このため、妊娠を希望する女性や妊婦の夫などを対象に、自治体が独自に接種費用を助成する動きが出ています。すでに助成を行っているか、助成を予定している市区町村は、21都道府県の合わせて247市区町村で、助成を後押しするため、東京、千葉、神奈川、新潟、愛知、大阪の6都府県は市区町村への財政支援を行ったり、支援を決めたりしています。

 また、自治体からは、風疹のワクチンの接種率が低い世代への対策を国に求める声が出ています。国に要望書などを提出したのは、東京、大阪、神奈川などの10の都府県。

 このうち神奈川県は、自治体が行う助成などを財政支援することや、子供のころに無料で予防接種を受ける機会のなかった世代の男性や、接種率の低い世代の女性に対策を講じることなどを求める要望書を、厚生労働大臣に先月26日に提出しました。

 このほか、埼玉県が近く要望書を出す予定で、九州・沖縄の8つの県も合同で要望することを検討しているということです。

 これに対して、厚生労働省は、「おたふく風邪など、無料化を検討しているほかの病気のワクチン接種に多額の予算が必要なので、優先順位を考えると難しい」と話しています。

 2013年5月21日(火)

 

■乳がん予防の乳房切除 聖路加とがん研病院が計画

 遺伝子の検査で乳がんのリスクが高いと判定された人を対象に、あらかじめ乳房を切除する手術について、東京都にある2つの病院が計画していることが20日わかりました。

 国内で毎年推定6万人に発症する乳がんのうち、およそ10パーセントは特定の遺伝子の変異によって起きるとみられ、この遺伝子の検査結果を基にハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(37歳)が乳房の切除手術を受けたことから話題になりました。

 東京都中央区にある聖路加国際病院が、同じ遺伝子の検査で乳がんのリスクが高いと判定された人を対象に、がんを発症していない乳房をあらかじめ切除する手術を計画していることがわかりました。

 すでに院内の倫理委員会の承認を受けていて、希望する人が出た場合、出産して授乳する予定がないかどうかなどについて改めて検討し、実施を決めるということです。

 聖路加国際病院によると、遺伝性乳がんの発症リスクを高める「BRCA1」と「BRCA2」の遺伝子検査で陽性になった人を対象に、片方の乳房でがん発症後、がんを発症していないもう片方の乳房を予防的に切除する手術を行った実績が複数あるとしています。

 一方、東京都江東区にあるがん研究会有明病院も、BRCA1とBRCA2の遺伝子検査で陽性になった人を対象に、乳がんの予防を目的に、あらかじめ乳房を切除する手術を導入することを決めました。

 今のところ、手術を希望する人はいませんが、遺伝子検査を受ける人が増えていることから、臨床研究として実施する態勢を整えることにし、来月にも院内の倫理委員会に申請を行う予定だということです。

 がんを予防するため乳房を切除しても、死亡率が下がるかどうか海外でも十分なデータがないことから、国内ではこれまで、遺伝子に変異があると判定された場合は、がん検診の回数を増やすなどして早期発見に重点が置かれていました。

 がん研究会有明病院遺伝子診療部の新井正美部長は、「遺伝子変異のある人すべてに予防の手術が必要になるわけではないが、発症の不安に苦しむ人に選択肢を与えるための態勢を作っておきたい」と話しています。

 2013年5月20日(月)

 

■生体腎移植の提供者が死亡、2例目 埼玉医科大

 埼玉医科大学国際医療センター(埼玉県日高市)で今年1月、生体腎移植で腎臓を提供した60歳代の男性が、手術から34日後に死亡していたことがわかりました。手術を切っ掛けに重い肺炎を起こしたとみられます。

 生体腎移植は国内でこれまで2万例以上行われていますが、臓器提供者の死亡が明らかになったのは、沖縄県で4月13日に起きたケースに次いで2例目。沖縄県では、提供者の65歳の女性が腎不全を患って透析中の長男に左の腎臓を提供するため、腹腔鏡手術を受けて腎臓摘出中に大量出血し、死亡しました。

 日本移植学会は本来健康な人である臓器提供者の死亡が相次いだことを深刻に受け止め、過去も含めた臓器提供者の体調などを調べる方針です。

 死亡したのは、家族に腎臓を提供するため、埼玉医科大学国際医療センターで腎臓の摘出手術を受けた60歳代の男性です。病院によりますと、腎臓の摘出手術は今年1月、内視鏡の一種の腹腔鏡で行われ、手術中は異常はなかったということです。

 男性は翌日、肺炎を起こし、手術から4日後に肺炎の専門医がいる埼玉医科大学病院に転院して治療を受けましたが、症状は進行し、手術から34日後に亡くなったということです。

 肺の壁が厚くなり酸素を取り入れられなくなる「間質性肺炎」の疑いがあり、男性に喫煙歴があることから、病院は「無症状ながら間質性肺炎を有し、全身麻酔や手術の影響などで悪化した可能性もあるが、確定はできない」としています。

 病院の検証委員会は、手術の前の検査や手術の後の管理にも問題はなく、医療ミスではないとして、日本移植学会に匿名の情報が寄せられるまで学会に報告していませんでした。学会は17日、病院に報告書の提出と外部も含めた調査委員会設置を求めました。

 病院の小山勇病院長は、「提供者が死亡したことは残念で、今後このようなことがないよう検査や管理をこれまで以上に徹底したい」とコメントしています。

 生体腎移植は、腎機能が低下し透析をしているなど重い腎臓病患者の治療法として、親族らから二つある腎臓のうち一つの提供を受けて移植する手術。日本では1960年代以降、徐々に広まりました。

 日本移植学会のデータによると、2010年は生体腎移植が1276件、死んだ人から提供を受けた腎移植が208件。腎臓の移植は、脳死や心停止後の提供は少なく、生体からの提供が大半を占めます。

 腹腔鏡手術は、回復手術より体への負担は小さく、腎臓摘出手術では1992年から用いられ、現在は全体の9割を占めるとされています。

 2013年5月19日(日)

 

■PM2・5の濃度、観測地点の7割で基準超え 2011年度の環境省集計

 環境省は16日、大気汚染の原因となる微小粒子状物質「PM2・5」について、2011年度の観測結果を公表しました。全国156カ所の測定局のうち7割を超える112カ所で、大気中の濃度が国の環境基準を上回りました。

 初の調査となった2010年度とほぼ同じで、汚染状況は改善していないことがわかりました。

 車の排気ガスなどに含まれる微小粒子状物質PM2.5は、人間が吸い込むと呼吸器系や循環器系の疾患を引き起こすと指摘され、国は健康を維持するのに望ましい環境基準を「年平均濃度が1立方メートル当たり15マイクログラム以下、かつ、日平均が同35マイクログラム以下」と定めています。

 環境省によると、2011年度は住宅地域などの大気を測定する「一般局」105カ所のうち76カ所(72・4パーセント)、幹線道路沿いにある「自排局」51カ所のうち36カ所(70・6パーセント)で環境基準を超えていました。基準を超えた測定局は関東地方や西日本に多く、九州地方では沖縄県を除くすべての測定局で基準を上回りました。

 PM2・5は2013年初め、中国の深刻な大気汚染に伴い国境を越えて日本に飛来し、西日本を中心に環境基準を超えたことで懸念が高まりました。しかし、それ以前から国内での排出を含め、環境基準を超える濃度を記録している地域が多い状況が明らかになりつつあります。

 環境省は、「国際協力による越境汚染対策だけでなく、国内対策もより一層進める必要がある。測定局を増やして国内の発生状況を把握し、対策につなげたい」としています。

 また環境省は、各都道府県がホームページなどで公表している情報に注意し、PM2・5の濃度が環境基準の2倍を超えると予測された日には外出を控えるよう呼び掛けています。

 2013年5月18日(土)

 

■徳島県の70歳代男性、熊本県の71歳女性がマダニ感染症 国内14、15例目

 熊本県は17日、同県荒尾市の71歳の女性が、マダニが媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染したと発表しました。県によると女性は入院中ですが、回復に向かっています。

 SFTSの症例が確認されたのは、国内で15例目。

 女性は今月4日、発熱や吐き気などの症状を訴え入院。10日に入院先の医療機関から県の保健所にSFTSが疑われる患者がいると通報があり、国立感染症研究所(東京都)が17日、SFTSウイルスを確認しました。

 ダニにかまれた痕は確認されておらず、最近の海外渡航もありませんでした。女性の家族は医療機関に、「庭いじりや犬の散歩で草むらに入ることがあった」と話しています。

 SFTSを巡っては、徳島県が14日に、同県内の70歳代男性が、国内で確認された14例目のSFTSに感染したと発表しています。県によると、男性の病状は重症化しておらず、安定しています。

 男性は今月上旬、発熱や下痢、吐き気などの症状を訴え入院。マダニにかまれた痕があったことから、入院先の医療機関から県の保健所に通報があり、国立感染症研究所から14日、SFTSウイルスを確認したと県に連絡がありました。

 男性は畑仕事をしていて、マダニにかまれた可能性があるといいます。

 マダニが媒介するSFTSは今年1月、山口県で国内初の感染が確認され、厚生労働省が逆上って調査した結果、2005年からこれまでに九州、中国、四国の8つの県で15人の感染が確認され、このうち山口県などの8人が死亡しています。

 SFTSの報告が全国で相次ぐ中、厚生労働省の研究班は、40種類以上あるマダニのうち、ウイルスを媒介する種類を特定したり、ウイルスの分布を把握したりするための実態調査を、13日から長崎県内で始めています。

 研究班のメンバーになっている長崎大学熱帯医学研究所の獣医師ら4人が、長崎県の保有する林で棒の先に付けた布を草むらなどに入れて、4時間で200匹ほどのマダニを採取し、その場で冷凍保存した後、研究所に戻り、大きさや性別で分類し、一定の量が採取できた段階でウイルスの検出作業を行うということです。

 研究班は、ほかの自治体でもマダニの採取を行うなどして、今後3年をかけて予防策や治療方法を開発する方針です。

 長崎大学の早坂大輔助教は、「このウイルスの国内の実態は全くわかっていない。県内でも患者が出ており、地域ごとの分布を把握し、予防策などにつなげたい」と話しています。

 2013年5月17日(金)

 

■子宮頸がんワクチン、副作用報告1900件超 厚労省、接種は中止せず

 厚生労働省のワクチンの安全性を検討する専門部会は16日、子宮頸がんワクチンの接種後に発熱や失神といった副作用が生じたとの報告が、2009年12月の販売開始から今年3月末までで計1968件に上ることを明らかにしました。

 10歳代を中心に計328万人が計864万回以上ワクチンを接種したとされ、医療機関や製薬企業からの1968件に上る副作用報告の発生頻度は、接種者数でみると1万人に1人から2万5000人に1人の割合になります。

 ワクチンはグラクソ・スミスクライン社製とMSD社製の2剤があり、グラクソ・スミスクライン社製では医療機関から1001件、同社から704件、MSD社製では医療機関から195件、同社から68件の副作用報告がありました。副作用報告の発生頻度は接種100万回当たり、グラクソ・スミスクライン社製が245件、MSD社製が156件でした。

 副作用報告のうち、全身の痛みや歩行障害など重篤だったと医療機関が報告したのは計106件。うち、ワクチン接種との因果関係があるとの報告は67件でした。

 重篤な副作用報告の発生頻度は、接種100万回当たり約12・3件となりました。2件の死亡例も報告されましたが、いずれもワクチン接種との因果関係はないと判断しました。

 また、専門部会は子宮頸がんワクチンの接種後に副作用報告が多数あることを踏まえ、医療機関や製薬企業からの未報告例も含めて詳細な調査を進めることを確認しました。接種と症状の因果関係を判断するための情報が不足しているためといいます。

 ただ、重大な健康被害の発生頻度が他のワクチンと比べて特別に高いことを示す医学的な情報は不十分だとして、厚労省は「現時点で定期接種の中止はしない」としました。

 子宮頸がんワクチンを巡っては、重い副作用が出たとして、被害者の女子中高生の保護者らが「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」を今年3月に発足させ、国に予防接種中止などを求めています。

 専門部会には、被害者連絡会がまとめた24件の被害例も報告されましたが、うち17件は医療機関などからの報告はありませんでした。

 被害者連絡会代表の松藤美香さんは、「接種を続けることは、被害者を増やすことにつながり、納得できない」と話しました。

 子宮頸がんは、子宮の出口に当たる頸部に発生するがん。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が主な原因で、日本では年間約1万5000人が発症し、約3500人が亡くなっています。性交渉を経験する前の11~14歳を中心とした女性へのワクチン接種で予防が期待できますが、ワクチンは半年の間に3回接種する必要があります。ワクチンは今年4月から定期予防接種に加わりました。

 2013年5月16日(木)

 

■糖尿病の人、がん発症リスク1・2倍にアップ 健康的な食事など推奨

 糖尿病の患者は、がんになるリスクが1・2倍になることが、日本糖尿病学会と日本癌(がん)学会による研究でわかりました。肝臓がんや膵臓(すいぞう)がんは2倍程度でした。

 糖尿病患者は国内に約900万人いるとみられ、両学会は14日に会見を開き、バランスのよい適量の食事や運動、禁煙、節酒で糖尿病とがんの両方を防ぐことが重要と訴えました。

 両学会・合同委員会の津金昌一郎・国立がん研究センターがん予防・検診研究センター長らが解析しました。36歳以上の男性15万5000人、女性18万1000人を平均10年間、追跡すると、男性約2万人、女性約1万3000人が、がんになりました。

 この人たちを対象に、糖尿病の人が、がんになるリスクを糖尿病でない人と比べると、がん全体では20パーセント高くなっていました。肝臓がんは1・97倍、膵臓がんが1・85倍、大腸がんは1・4倍でした。子宮内膜や膀胱(ぼうこう)がんのリスクも高まる傾向がみられました。一方、乳がんや前立腺がんとの関連はみられませんでした。

 合同委員会は糖尿病の持つ病態や服薬の影響など、原因についても分析。血液中のインスリン値が高い高インスリン血症や高血糖などの糖尿病に伴う症状が、がんの発生を促進させるのではないかと想定しています。

 糖尿病は国民病ともいわれ、推定患者数は約900万で、予備軍も含めると2000万人を超します。高齢者の増加や食生活の欧米化などで、年間に数十万人増えているといいます。

 日本糖尿病学会理事長の門脇孝・東大病院長は、「糖尿病とがんとの関連性が、はっきりしてきた。健康的な食事や運動、体重コントロールなどで、両方の病気を防ぐことが大切。糖尿病の人は、糖尿病の治療だけでなく定期的にがん検診も受けてほしい」と話しています。

 2013年5月15日(水)

 

■環境省「暑さ指数」3週間前倒しで提供開始 熱中症リスクを予測

 環境省は5月13日より、ホームページの「熱中症予防情報サイト」で「暑さ指数」の予測値と実況値の提供を開始しました。従来は6月1日~9月30日の期間ですが、今年度からおよそ3週間前倒しし、5月13日~10月18日まで期間延長して提供する予定といいます。

 近年、地球温暖化やヒートアイランド現象に伴い、都市部を中心に暑熱環境が悪化し、熱中症の発生が数多く報告されています。このため、環境省では2006年度より熱中症予防情報を提供しています。

 暑さ指数とは、人体に与える影響の大きい「湿度」「日射などからの輻射熱(黒球温度)」「気温」から算出した指数。気温と異なり、人体と外気との熱収支に着目した指数で、ISOやJISなどで規格化されていて、熱中症を予防するための指標として世界各国で使われています。

 指数を公開する地点も、昨年度の全国約150地点から今年度は841地点に増やし、地点ごとに1時間ごとの暑さ指数の予測値と実況値が更新されるほか、2日後までの予測も見ることができます。

 また、住宅街やアスファルトの上などの実生活の場や、身長の低い児童を想定した暑さ指数参考値を提供しています。

 暑さ指数は危険性によって5段階に分かれていて、最も高い31以上の場合は、運動を原則、中止するほか、28以上では、激しい運動は避け、休憩や水分を積極的にとる必要があるとしています。

 環境省は、「気温が低くても熱中症のリスクは高い場合もあり、外出の際には暑さ指数をチェックして、予防に生かしてほしい」と話しています。

 アドレスは(http://www.wbgt.env.go.jp/)。

 個人向けメール配信サービス(無料)は、6月1日実施開始に向けて現在調整中といいます。

 2013年5月14日(火)

 

■卵子バンク、ドナーと患者3組決まる 半年後に体外受精の予定

 早発閉経などが原因で妊娠できない女性に無償で卵子を提供する取り組みを進めているNPO法人「OD―NET(卵子提供登録支援団体)」(神戸市)が、ドナーと提供を受ける患者3組の組み合わせを決め、早ければ半年後にも国内で初めての民間の「卵子ドナーバンク」による卵子提供が行われる見通しになりました。

 若いうちに卵巣の機能が低下し、卵子がなくなった女性は、妊娠を望む場合、別の人から卵子提供を受ける必要があります。しかし、国内で卵子提供を受けるには患者自らが卵子を提供してくれる人を探す必要があるため、ほとんど行われておらず、体制が整ったアメリカなどの海外に渡る場合、高額な費用や言葉の問題などが大きな負担になっています。

 このため患者団体や医師らが今年1月、こうした女性に無償で卵子を提供する「卵子ドナーバンク」の取り組みを進めるため、OD-NETを設立し、ドナーを募集していました。

 13日はOD-NETの岸本佐智子代表らが記者会見し、ドナーの応募者はこれまでに100人を超え、このうち9人が35歳未満で子供がいて感染症がないことなどの条件をクリアし、登録を済ませたことを明らかにしました。

 OD-NETは、今月2日、外部の医師などで作る委員会を非公開で開き、血液型などから初めてドナーと患者3組の組み合せを決めたということです。提供を受けられる患者は、生まれ付きの体質で卵巣機能が低下しているターナー症候群や、若くして卵巣機能が低下して月経が止まってしまう早発閉経で、医師によって卵子がないと診断された40歳未満の既婚者。

 今後は、提携している国内5カ所の不妊治療専門のクリニックで、改めてドナーと患者それぞれに対し、少なくとも3回カウンセリングを実施し、意思が変わらないか確認するということで、早ければ半年後にもドナーから採卵、提供を受ける患者の夫の精子とで体外受精を行い、妊娠を目指します。

 岸本代表は、「ドナーの協力に感謝している。慎重かつ着実に進めていきたい」と話しています。

 国内では、卵子提供についての法律やガイドラインが整備されておらず、卵子提供で生まれてきた子供にどう知らせるのかや、安全面などで課題があります。卵子提供を巡っては、厚生労働省の審議会が2003年、法整備などを条件に、匿名の第三者からの無償提供を認めました。しかし、いまだに法整備されず、親子関係の法的整理や子供への支援体制も整っていません。

 このためOD-NETでは、卵子提供で生まれてきた子供が15歳を超えた時に望めば、体外受精を行った医療機関からドナーの名前や住所などを伝えるという独自のルールを定めています。

 また、安全面の課題もあります。ドナーから卵子を採取する際、排卵を促す薬で卵巣がはれたり、採取する時にの針で子宮が傷付いたりするなどの副作用が起きる可能性があります。OD-NETは卵子提供を実施する医療機関が責任を持って治療し、費用は卵子提供を受ける夫婦がすべて負担するとしていますが、後遺症が残った場合、どうするかなど課題が残ったままです。

 2013年5月13日(月)

 

■中国鳥インフル、上海市が警戒態勢を解除 20日間新規感染なしで

 上海市政府は10日、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスに対する警戒態勢を解除したと発表しました。市内で新たな感染者を20日間確認せず、感染者が急増する可能性が低くなったと判断したため。

 福建省や江西省などでは5月以降も新たな感染者が確認されていますが、中国全体での新たな感染者は減少傾向にあり、中国での鳥インフルの流行はピークを越えた可能性が出てきました。

 上海市では3月31日、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスの人への感染が世界で初めて確認され、10日時点で33人が感染、13人が死亡しています。感染拡大を阻止するため、4月2日に市内全域に警戒態勢を発動し、警戒水準は4段階中、下から2段階目の「3」としていました。

 市内の病院には肺炎患者の発生状況を毎日報告させるなど、監視体制を強化していました。病院の発熱患者受け入れ体制の強化や、市場での生きた鳥の販売禁止などの対策も、相次いで打ち出していました。

 上海市が警戒態勢を解くのは、流行がピークを過ぎたと判断したため。鳥インフルは潜伏期が6日程度とされますが、市内では4月20日に75歳女性の感染が報告されたのを最後に、20日間新たな感染者が出ていません。感染者のうち5人は治療中で、15人は退院しました。密接な接触があった458人の医学的な観察も解除されました。

 また、上海市以外でも新たな感染者は、減少傾向にあります。国家衛生計画生育委員会によると、5月1~6日の中国の新たな感染者は2人で、4月25~5月1日の19人に比べて大幅に減りました。中国本土では、これまでに2市8省で131人が感染、うち32人が死亡、台湾でも1人の感染が確認されました。

 上海市は警戒態勢の解除に当たって、「H7N9型ウイルスが持続的に人から人に感染している証拠はない」とした上で、「発生をコントロールできる状況になった」と説明しています。

 明確に特定できていないものの、ウイルスの感染源は鳥の可能性が高いため、市場での生きた鳥の販売禁止の措置は続けます。今後、市は感染ルートの特定を急ぎ、市場での鳥の販売を再開するかは市民の意見を聞いた上で慎重に判断します。

 ただ、市内では鳥肉を使った料理の提供を停止するレストランや、鳥肉購入を敬遠する市民が多く、養鶏農家などは経営が厳しくなっています。中国農業省は10日、鳥肉業界の損失は計400億元(約6500億円)を超えたと発表しました。

 上海市は日本企業の進出が多く、長期滞在者が5万6000人以上と世界で最多で、日本人からも流行拡大に対する不安が高まっていました。

 2013年5月12日(日)

 

■二酸化炭素、ハワイで初の400ppm超え 温暖化、危険水準に

 米海洋大気局(NOAA)は10日、ハワイ島マウナロア観測所で測定している大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が、1958年の観測開始から初めて400ppm(0・04パーセント)を超え、最高値を記録したと発表しました。

 18世紀後半にイギリスから始まった産業革命前は280ppmと推定され、現在のCO2濃度上昇率は半世紀前に比べて3倍になっています。危険水準にまた一歩近付いた形で、NOAAは「温暖化が加速している」と警鐘を鳴らしています。

 CO2濃度は、周辺に工場などがあると高くなります。日本では常に世界平均を上回り、昨年、岩手県の観測地点で月平均値が初めて400ppmを超えました。これに対し、標高3397メートルにあるハワイ島マウナロア観測所は測定期間が最も長い上、人間活動などの影響を受けにくいため、地球の平均像を示す観測拠点となっています。

 観測によると、先月から1日当たりの平均値が399ppmを超え、9日は前日を0・61ppm上回る400・03ppmに達しました。CO2を吸収する植物の光合成が活発になる夏に向けてCO2濃度は下がるため、例年5月ごろにピークを迎えます。1958年の観測開始時は約315ppmで、以後、冬に上昇して夏に下がるパターンを繰り返しながら増え続けています。

 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると、400〜440ppmが継続すると、気温は2・4〜2・8度上昇すると予測しています。世界の平均気温は2005年までの100年間で0・74度上昇しました。

 温暖化対策を巡る国際交渉では、猛暑や海面上昇などの被害を最小限に抑えるため、産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑えることを目指しています。

 中沢高清・東北大名誉教授(気象学)は、「すぐに大きな変化が現れるわけではないが、化石燃料の使い方を見直すなど対策を改めて考えるべきだ」と話しています。

 一方、リベラルな科学者で組織する米国の「憂慮する科学者連盟」は、「一刻も早くCO2排出を減らさないと、猛暑やハリケーン、干ばつなどの異常気象が常態化する」として、国際社会の対応を求める声明を出しました。

 二酸化炭素(CO2)は、地球温暖化を起こす温室効果ガスの一つ。太陽で暖められた地表面から放出された熱を吸収し、これまで地球の平均気温を約15度に保ってきました。しかし、化石燃料の消費に伴う人為的な排出が増え、大気中の濃度も急上昇。最近の気温上昇の最大原因とされています。気温が上昇すると、猛暑や干ばつといった異常気象、南極の氷床融解に伴う海面上昇などが発生すると懸念されています。

 2013年5月11日(土)

 

■食物アレルギー症状、甘味料が原因に 医師らが全国調査

 加工食品などに使われている甘味料が原因とみられる食物アレルギーの患者が30人余り報告されていたことが、専門の医師らのチームによる初めての全国調査でわかりました。

 チームは、「甘味料がアレルギーの原因になることはあまり知られていない」として注意を呼び掛けています。

 調査したのは、国立病院機構相模原病院の医師や栄養士などのグループで、昨年10月、食物アレルギーの患者を診療している全国の医師などに依頼し、およそ880人から回答を得ました。

 それによりますと、食事の後にアレルギーの症状が出て、医療機関を受診した人で、甘味料による食物アレルギーと診断された人が15人、疑いがあるとされた人が18人いたことがわかりました。中には、呼吸困難などの重い症状が出た人もいるということです。

 甘味料別では、「エリスリトール」が15人、「キシリトール」が10人、「ステビア」が2人などとなっています。

 甘味料はアレルギー物質としての表示義務はなく、含まれる量が少ない場合、原材料としての表示を省略することもできます。

 調査を行った海老澤元宏医師は、「甘味料がアレルギーの原因になることはあまり知られておらず、見逃されているケースも多いとみられる。ダイエットのための低カロリー食品が増えているので注意が必要で、今後は表示についても検討すべきだ」と話しています。

 この調査結果は消費者庁にも報告されていて、消費者庁の担当者は「内容を詳しく精査するとともに、患者の数などを見ながら、今後、アレルギー物質としての表示が必要かどうかについても検討していくことになる」と話しています。

 また、調査結果は11日から横浜市で始まる日本アレルギー学会で発表されます。

 甘味料のエリスリトールが原因のアレルギーについては近年、食物アレルギーの患者を診療している全国の医師への報告数も増えてきており、じんましんというだけにとどまらず、アナフィラキシーという重い即時型アレルギーを生じたケースも報告されるようになってきています。

 エリスリトールは、果実、きのこ類、しょうゆ・味噌・ワインなどの発酵食品に幅広く存在する天然由来の甘味料。砂糖の70~80パーセントの甘味度を持つ糖アルコール(糖質)であり、小腸でおよそ90パーセントが吸収され体外に排出されます。糖アルコールでは唯一、厚生労働省により「カロリーゼロ」であると認められており、 低カロリー飲料、ガム、あめ、ダイエット用あんぱん、あるいは歯磨き剤などに広く配合されています。

 2013年5月10日(金)

 

■新出生前診断、1カ月で441人 導入前の予想を上回る

 血液を分析するだけで胎児に染色体の病気があるかどうか判定できる新しい出生前診断を受けた妊婦は、導入開始からの1カ月で全国で441人に上ることが、昭和大病院(東京都)などの臨床研究チームの調査で9日わかりました。

 新しい出生前診断は妊婦の血液を分析するだけで、胎児にダウン症など3つの染色体の病気があるかどうか判定できるものです。

 臨床研究チームが、実施施設となっている全国15の医療機関に聞き取り調査を行ったところ、導入開始から1カ月に当たる4月30日までに検査を受けた妊婦は、合わせて441人でした。

 臨床研究チームが当初、想定していた1~2年で1000人程度を大幅に上回る数で、妊婦の関心の高さを示しました。研究開始が遅れたことで、期待が高まった面もあるとみられます。

 年齢は30歳から47歳で、8割が初めての出産を予定している妊婦でした。このうち少なくとも7人は、胎児が病気の確率が高いとされる「陽性」と判定されていました。受診理由が判明した人の中では、出産時35歳以上となる高齢妊娠が大半を占めました。

 また、診断前のカウンセリングを終えた妊婦を対象にしたアンケートで159人から得た回答を分析したところ、97パーセントが「カウンセリングで提供された情報量は十分だった」と答えたということです。カウンセリングの所要時間は「30分以上」が半数を超えていましたが、「10分未満」も5パーセントありました。

 カウンセリングの後、診断に対する考えが変わったか尋ねたところ、6パーセントに当たる10人は「受けなくてもいい」として検査を取りやめていたということです。

 臨床研究チームの昭和大学・関沢明彦教授は、「導入前の予想を上回る数で、新しい出生前診断に対する妊婦のニーズが高いことがわかった。事前の説明が妊婦の選択に影響を与えていることがうかがえるので、選択を支える質の高いカウンセリングを行えるよう、課題を検討していきたい」と話しています。

 この調査結果は、10日から札幌市で開かれる日本産科婦人科学会学術講演会で発表されます。

 2013年5月9日(木)

 

■風疹患者、4カ月で5000人を超える 昨年1年間の倍以上に

 妊娠中の女性が感染すると新生児に障害が出る恐れのある風疹は感染の拡大に歯止めがかからず、患者数は年初からの4カ月で5000人を超え、過去5年で最多だった昨年1年間の2392人の2倍以上になっていることがわかりました。

 熱や発疹などの出る風疹は患者のせきやくしゃみを通じて広がり、妊娠中の女性が感染すると新生児の目や耳、心臓などに障害が出る可能性があります。

 国立感染症研究所によりますと、全国で風疹と診断された患者は4月22日から28日までの1週間で526人で、年初からの累計は5442人となりました。これは、昨年の同じ時期の34倍に相当します。

 特に4月以降は週に500人を超えるペースで患者が増え、高知県以外のすべての都道府県で発生するなど地方にも広がっており、感染の拡大に歯止めがかかっていません。

 年初からの累計患者数を都道府県別にみると、東京都が1812人で最多。大阪府803人、神奈川県740人と続きます。

 また、最新の1週間当たりの患者数を都道府県別にみると、大阪府が135人と最も多く、次いで東京都が124人、神奈川県が61人、兵庫県が43人など首都圏と関西を中心に全国に広がっています。

 今年、風疹と診断された患者のおよそ90パーセントは成人で、患者の大半を20歳代から40歳代の男性が占め、女性では20歳代が多くなっています。

 国立感染症研究所の多屋馨子室長は、「風疹の感染拡大の勢いは全国で衰える気配がない。例年、流行のピークは6月ごろなので、流行の中心となっている大人は一日も早くワクチンを接種してほしい」と呼び掛けています。

 一方、風疹の流行が大人を中心に拡大する中、医師に会社に来てもらい、社内で一斉に予防接種を行う動きが出ています。東京都千代田区にあるIT企業は、会議室の一室を使って風疹とはしかの混合ワクチンを接種する場を設けました。

 保健所に「巡回診療」の届け出をした医師に来てもらい、1人ずつ問診した後、接種をしていきます。1人1万円ほどかかる費用は、会社が負担するということです。

 接種を受けた40歳代の男性社員は、「風疹がはやっていると聞いてワクチンを打ちたいと思っていたが、平日は仕事があり、医療機関に行く時間がなかった。会社で接種できるのはとてもありがたい」と話していました。

 2013年5月8日(水)

 

■小児難病、成人後も推計5万人が治療継続 厚労省の全国調査

 難病などの子供に対し20歳になるまで医療費が助成される「小児慢性特定疾患治療研究事業」の対象患者で、成人後も治療を続けている人は最大で5万人近くいると推計されることが、厚生労働省研究班の全国調査でわかりました。

 患者の6割が20歳を境に医療費の助成を受けておらず、重い自己負担を強いられているケースも多いとみられ、切れ目のない助成制度の在り方が求められそうです。

 事業は1974年に始まり、2005年に児童福祉法に定められました。対象となる病気はがんやぜんそく、血友病、糖尿病など514種類。2010年度の総事業費は251億円で、約11万人が給付を受けました。自己負担は所得に応じ、入院の場合は月最大1万1500円、外来では5750円で済みます。

 成人後に国の難病対策の助成対象となる「特定疾患治療研究事業」は56種類。小児の対象の病気と重なるのは15種類しかなく、糖尿病など多くの疾患は支援対象から外れます。

 全国調査は研究班が2011年、全国の1万2678の医療機関に郵送で実施。5640施設(回収率44パーセント)から回答がありました。

 20歳以降も治療を続けている患者がいると報告したのは640施設(回答施設の11パーセント)で、計6356人いました。研究班が患者全体に占める割合などから推計した結果、こういった患者は全国で最大4万7476人に上ると算出されました。

 さらに、969人の患者を対象にした追加調査に、839人(回答率87パーセント)が回答。患者は20歳代が77パーセントと最も多いものの、30歳代も18パーセント、40歳以上も5パーセントおり、治療が長期に及んでいるケースもあることがわかりました。

 研究班の代表を務める浜松医科大学の尾島俊之教授は、「小児難病の患者が安心して療養できるよう年を重ねても切れ目のない医療の提供と支援が必要だ」と話しています。

 20歳を過ぎても多くの慢性特定疾患は治癒するわけではなく、継続的な医療が必要となるため、患者団体からは、「小児慢性特定疾患治療研究事業を20歳以降も対象とする、あるいは継続する疾患を特定疾患治療研究事業の対象とすべきだ」との要望が寄せられています。

 2013年5月7日(火)

 

■政府、鳥インフルを指定感染症に 6日から対策を強化

 中国で感染者が相次いでいるH7N9型の鳥インフルエンザについて、厚生労働省は6日から感染症法と検疫法の対象にし、空港などで入国者に協力を求めて任意で行ってきた診察や検査を法律に基づいて行うなど、対策を強化しました。

 H7N9型の鳥インフルエンザは、6日までに中国と台湾で合わせて131人の感染が確認され、このうち31人が死亡しています。6日の中国の衛生当局の発表によると、江蘇省などで治療中だった患者4人の死亡が判明し、福建省では新たな感染者も1人判明しています。

 国立感染症研究所は、「ウイルスは人への適応性を高めていて、世界的な大流行を起こす可能性は否定できない」と分析しています。

 厚労省は、法律に基づいて医療や検疫の態勢を整える必要があるとして、H7N9型の鳥インフルエンザを感染症法の「指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」とする政令を6日、施行しました。ウイルスの国内侵入が懸念される中での緊急措置で、大型連休の終了で海外からの帰国者が増えるのに備えて対応を急ぎました。

 これにより、空港や港などの検疫所で入国者に協力を求めて任意で行ってきた診察や検査が、6日から検疫法に基づいて、最長2年間行うことができるようになりました。

 また、国内で感染者が確認された場合、都道府県知事は患者に対して、感染症の対策が整った医療機関への入院を勧告し、拒否すれば強制的に入院させたりすることができるようになりました。

 厚労省は、こうした対策の強化で国内へのウイルスの侵入や感染拡大を防ぎたいとしています。

 2013年5月6日(月)

 

■介護保険、軽度者向けサービスの分離検討へ 厚労省

 厚生労働省は5日までに、介護保険制度で、身の回りのことに手助けが必要な「要支援」と認定された軽度者向けのサービスを見直す方針を決めました。

 要支援者を介護保険サービスから外し、ボランティアなどを活用した市町村の事業で支援する方向で具体策を検討します。介護費用の増加を抑え、市町村や高齢者の実情に応じた支援策を充実させるねらいがあります。

 介護保険制度では、介護が必要な度合いが7つの区分に分けられていて、「要介護」の5つの区分のほかに、身の回りのことに手助けが必要な「要支援1」「要支援2」の2つの区分が設けられています。

 現在、要支援と認定されている人は、介護が必要と認定された人全体の27パーセントに当たるおよそ150万人に上っています。

 しかし、要支援向けのサービスの内容は、見守りや配食などの生活支援が中心で「身の回りの世話にとどまっていて、自立支援につながってない」などという指摘があります。

 また、軽度者向けサービスの見直しについては、政府の社会保障制度改革国民会議が4月22日にまとめた医療・介護分野の論点整理でも、「保険給付から市町村事業に移行し、ボランティア、NPOなどを活用して柔軟、効率的に実施すべきだ」と提案されています。

 要支援者のサービスにかかる費用は0・4兆円で、介護サービス全体の費用である7・8兆円の約5パーセントにとどまります。しかし、団塊世代が75歳以上となる2025年度には、総費用は約21兆円に膨らみ、現在、全国平均で月約5000円の介護保険料も、8200円程度になる見込み。

 このため厚労省は、介護保険料の上昇を抑え、重度者のサービスに財源を回すには、軽度者向けのサービスについて、将来は介護保険制度から切り離して市町村の事業として提供することも含めて見直す方針を決めました。

 同省は専門家を集めた部会などで、市町村によるサービス提供が受け皿になるか議論を進め、年内にも結論をまとめたいとしています。

 ただ、軽度者向けのサービスを介護保険制度から外すことについては、「軽度者の切り捨て」との根強い意見もあります。

 2013年5月5日(日)

 

■20歳代前半で肥満の男性、55歳前の死亡リスクが2倍に デンマークの調査報告

 20歳代前半で肥満の男性は、同年代の平均体重の男性に比べて、55歳になる前に死亡する確率が2倍になるというデンマークのオーフス大学病院などの研究チームによる調査結果が4月30日、英医師会雑誌(BMJ)のオンライン医学誌「BMJ Open」に発表されました。

 オーフス大学病院などの研究チームは、1955年に22歳だったデンマーク人男性6500人を対象に、33年間におよぶ追跡調査を実施しました。

 調査対象の1・5パーセントに当たる97人が、調査に登録した22歳の時点で、身長に対する体重の割合を示す体格指数(BMI)が30以上の「肥満」でした。調査対象の83パーセントに当たる5407人は、体格指数(BMI)が18・5から25の間に分類される「標準」体重の範囲内でした。調査対象の5パーセントに当たる325人は、18・5以下の体重不足(やせ)でした。

 調査の結果、「肥満」グループのほぼ半数が、55歳になるまでに2型糖尿病や高血圧症と診断されたり、心臓発作や脳卒中を起こしたり、脚や肺に血栓が生じる静脈血栓塞栓症を起こしたり、死亡したりしました。

 研究チームの主著者で、オーフス大学病院臨床疫学部のモートン・シュミット博士は、「肥満グループの人は、高血圧症を発症したり、心臓発作を起こしたり、死亡したりする確率が2倍以上だった」とし、「体格指数(BMI)が1増加するごとに、心臓発作の発症率が5パーセント増加、高血圧症と血栓の発症率が10パーセント増加、糖尿病の発症率が20パーセント増加するという関連性がみられた」と述べています。

 研究チームは、肥満による健康障害と早死にが「今後数十年以内に、医療制度にかつてないほどの負担をもたらすに違いない」と警告し、「人々が若い年齢の肥満が長期の健康への深刻な危険であると理解することは、重要である」としています。また、今回の調査は男性に対してのみ行われましたが、この関連性は女性にも当てはまる可能性が高いとしています。

 2013年5月4日(土)

 

■若年性認知症のハンドブック、患者や家族向けに作成 厚生労働省

 65歳未満で発症する若年性認知症の患者や家族を支援しようと、厚生労働省は、症状の特徴や家族の対応の注意点、それに治療しながら働くための制度などを紹介した「若年性認知症ハンドブック」を初めて作りました。

 若年性認知症は65歳未満で発症する認知症で、2009年時点で全国の患者はおよそ3万7800人と推計されます。認知症高齢者は現在、約300万人ともいわれているので、それに比べれば少ない数です。高齢者の認知症が女性に多いのに比べ、若年性認知症男性に多いのが特徴です。

 原因となる疾患は、「血管性認知症」が約40パーセントと最も多く、次いで「アルツハイマー病」が25パーセントです。発症年齢は、平均で51・3歳であり、約3割は50歳未満で発症しています。

 若年性認知症の場合、多くの人が現役で仕事や家事をしているので、認知機能が低下すれば、支障が出て気付かれやすいと考えられますが、実際には、仕事でミスが重なったり、家事が面倒になっても、それが認知症のせいとは思い至りません。

 初めは疲れや、更年期障害、あるいはうつ状態など他の病気と思って、医療機関を受診します。誤った診断のまま時間が過ぎ、認知症の症状が目立つようになってから、ようやく診断されたケースも少なくありません。

 このため患者や家族が戸惑うケースが多いことなどから、厚労省は「65歳未満の人も認知症になる可能性があることを理解してもらいたい」として、患者や家族を支援するハンドブックを作りました。

 ハンドブックの中では、若年性認知症の原因となる「血管性認知症」や、「アルツハイマー病」「前頭側頭型認知症(ピック病)」「レビー小体型認知症」の4種類の疾患について、症状の特徴や家族の対応の注意点などを具体的な事例を交えて紹介しています。

 また、若年性認知症と診断された際の相談窓口や雇用、年金、介護などの支援制度、それに車の運転など日常生活の注意点などについてまとめています。

 このハンドブックは、全国の自治体や医療機関などを通じて患者や家族に配布されるほか、作成に当たった認知症介護研究・研修大府センター(愛知県大府市)のホームページにも掲載されています。アドレスは、(http://www.dcnet.gr.jp/center/obu/)。

 2013年5月3日(金)

 

■国内初の卵子バンク、無償提供者を近く決定 医師らで構成する民間団体

 不妊夫婦に卵子を提供する国内初の民間「卵子バンク」が近く、スタートします。NPO法人「OD―NET(卵子提供登録支援団体)」(神戸市)による卵子提供の呼び掛けに100人以上が応募、提供者の候補が38人に絞られ、数人が正式に決まる見通しになりました。

 卵子の提供は無償で行われます。海外に有償で卵子を求める人は増えており、患者にとって福音となります。一方で、卵子提供で副作用が出た場合の対応や、生まれた子供が将来、出自に悩んだ場合の支援など課題もあります。

 OD―NET(卵子提供登録支援団体)が1月から、35歳未満で子供のいる女性を条件に卵子の無償提供者を募った結果、条件を満たした38人が原則として夫婦で署名しました。子供が15歳を過ぎて希望すれば、名前や住所を伝えることにも同意しました。

 一部の女性はすでに感染症検査や卵巣の働きに異常がないことが確認され、近く、小児科医、弁護士らが、第一弾の卵子提供者(ドナー)と卵子提供を受ける被提供者(レシピエント)数組を選定します。

 選定では、提供を受ける女性の年齢やお互いの居住地、血液型などを考慮します。提供を受けられるのは、生まれ付きの体質で卵巣機能が低下しているターナー症候群や、若くして卵巣機能が低下して月経が止まってしまう早発閉経で、医師によって卵子がないと診断された40歳未満の既婚者。

 提供者が正式に決まれば、提携する不妊治療クリニックが半年ほどかけて最低3回、提供者夫婦に卵子提供の課題などもカウンセリングで説明し、提供の意思が変わらないか確認します。その後に提供者から採卵、被提供者の夫の精子とで体外受精を行い、妊娠を目指します。

 卵子提供を巡っては、厚生労働省の審議会が2003年、法整備などを条件に、匿名の第三者からの無償提供を認めました。しかし、いまだに法整備されず、親子関係の法的整理や子供への支援体制も整っていません。

 2013年5月2日(木)

 

■首から下げる除菌製品、肌密着でやけどの恐れ 国民生活センターが警鐘

 首から下げて使えば、二酸化塩素を発生させてウイルスを除去できるとうたった除菌製品について、国民生活センターは4月30日、「使い方によっては化学やけどを起こす恐れがある製品がある」と発表しました。

 類似品では、別の薬剤の次亜塩素酸ナトリウムを使った「ウイルスプロテクター」で、幼児らがやけどを負う事故が相次ぎ、輸入元の「ERA Japan」が自主回収しています。このため、同センターがそれ以外の首から下げるタイプの除菌製品のうち6種について、皮膚への影響など安全性をテストしました。

 水で湿らせたウサギの皮膚に製品を1日貼り付けたところ、「ウイルスガード空間除菌中」(製造販売元・ティエムシィ)と「Space Washer」(ザッピィ)、ウイルスプロテクターの代わりに配布され市販もされている「ERA空気除菌グッズ」(ERA Japan)の3製品は、皮膚に壊死やかさぶた、脱毛、赤い斑点などが見られ「中等度の刺激性」が確認されました。

 同センターは、「肌に密接させたり、汗をかく状況で使ったりするのは避けてほしい。乳幼児や高齢者は使用を避けたほうがいい」と注意を促しました。

 また、「ERA空気除菌グッズ」以外には皮膚障害への注意を促す表示がなく、事業者には製品や注意表示の改善を要望しました。

 二酸化塩素を発生させる首掛け式の除菌製品については、消費者庁が下記の注意を呼び掛けています。この注意事項は、業界団体である日本二酸化塩素工業会が公開しているものと同じ内容となっています。

 △肌に直接触れるような使用は行なわない。△就寝時は必ず外す。△乳児は使用をしない。△雨や汗など、水気のあるところでは使用しない。△装着時体調不良を感じたら、直ちに使用を中止し医師の診断を受ける。△ストラップが首に絡まないように注意する。

 2013年5月1日(水)

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