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健康ダイジェスト

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■難病助成疾患300超に拡大 全額支給は見直し

 厚生労働省の難病対策委員会は30日、国が医療費を助成する難病の疾患数を現行の56から300超と大幅に拡大する一方、所得に応じて全員に一定の自己負担を求めるよう給付水準を見直すことも決めました。

 年内に難病対策の報告案を取りまとめ、新法を制定して早ければ来年度にも新しい制度を開始します。

 これまで重症の患者は、医療費が全額支給になるなど手厚い助成を受けていました。具体的な給付水準は今後検討するとしており、自己負担がどの程度になるか焦点の一つになりそうです。

 難病対策委員会は、厚労省が医療費や研究費の助成をしたことのある482疾患を対象に議論。欧米の基準も参考にして、患者数が人口の約0・1パーセント以下(おおむね12万人以下)で、医師が病名を診断するための基準があることなどを助成の条件としました。

 診断基準は研究段階のものも含めて認めることにしましたが、どの程度の精度が必要かについては明確にしませんでした。

 その上で482疾患から原因が明らかになってきた疾患などを除き、患者数と診断基準で区分した厚労省研究班のデータと照合すると、条件を満たす疾患が300以上ありました。厚労省は個別の疾患名を明らかにしていませんが、パーキンソン病や潰瘍性大腸炎など、現行の56疾患はすべて含まれるといいます。

 難病患者への医療助成制度は、1971年にスモンの入院患者で開始し、対象は2009年までに56疾患に広がりましたが、治療法のない疾患の患者らからはさらに対象拡大を求める声が出ていました。

 国は対策要綱で難病を、原因不明で治療方針が確立していない病気、経過が慢性で、介護などに人手を要するため家族の負担が重い病気などと定義。重点的に原因究明を目指す130疾患を「臨床調査研究分野」、それ以外を「研究奨励分野」と大きく二つに分けて助成しています。130疾患のうち、特に治療が困難で経済負担が大きい56疾患については、家庭の所得などに応じて医療費を助成しています。

 2012年10月31日(水)

 

■来春の花粉飛散量、今年より 7 割増の見込み ウェザーニュースが発表

 花粉症に悩む人にシーズンの花粉傾向を知ってもらい、早めの対策を取ってもらおうと、気象情報会社ウェザーニュース(東京都)は10月30日、2013年の花粉シーズンのスギ・ヒノキ花粉傾向を発表しました。

 2013年春の花粉飛散量は、全国平均で平年(2005~2012年の平均)の1・4倍、飛散量が比較的少なかった今年春に比べると1・7倍になる予想。2月以降は徐々に花粉飛散量が増えていくので、早めに事前対策を進めておくのがお勧めといいます。

 2012年の夏は太平洋高気圧の勢力が強く、東~北日本を中心に記録的な残暑や少雨など、スギ花粉の元となる雄花の生育に適した条件となりました。一方、西日本は曇りや雨の日が多く、九州や太平洋側を中心に雄花が成長しにくい天候となりました。

 また、多く飛散した翌年は飛散量が少なく(裏年)、少ない年の翌年は多く(表年)、花粉の飛散量は交互に増減する傾向があります。2012年の花粉シーズンは比較的飛散量の少ないシーズンであったため、この夏の天候も考慮すると、2013年春の花粉飛散量は、全国平均で2012年の1・7倍の飛散量となる予想で、北~東日本では2倍前後、西日本では1・3倍程度となる予想。

 東北や関東の多いところでは、2012年の3倍近くになるところもある一方、九州では2012年並みかやや少ない飛散量となるところが多くなるといいます。

 過去の飛散状況と比較すると、2009年と似た傾向となる見通しですが、東北や中部地方では大量飛散した2011年に並ぶ飛散量となる可能性もあります。ヒノキ花粉の飛散量は、スギ花粉の飛散量と傾向が似ているため、2013年はヒノキ花粉の飛散量も多いか、2012年並みになる予想です。

 ウェザーニュースのウェブサイトには、全国各地のウェザーリポーターから寄せられた「みんなの雄花リポート」や「スギ・ヒノキ林の活性度」「エリアごとの飛散傾向」が掲載されています。

 2012年10月31日(水)

 

■ワクチンの安全性に大きな懸念なし ポリオ不活化などで厚労省検討会

 ポリオ(小児まひ)の不活化ワクチンの接種を受けた乳児が19日後に死亡したという報告について、厚生労働省の専門家会議は、明確な因果関係は認められないとして、ワクチンの接種を続けても問題ないという見解をまとめました。

 29日、ワクチンの安全性を話し合う厚労省の専門家会議に、ポリオの不活化ワクチンの接種を受けた6カ月以上1歳未満の女児が18日後、鼻血や嘔吐の症状が出て呼吸が停止、病院に運ばれたが低酸素脳症のため翌日に死亡したという事例が報告されました。先月1日に毒性をなくした不活化ワクチンが新たに導入されてから死亡例が報告されたのは、初めてです。

 この報告について専門家は、鼻血が副反応として考えにくいことや、嘔吐の症状が出たのは接種から18日後で時間が経っていること、嘔吐した食べ物が誤って気管に入り、死亡したとみられることなどから、ワクチンとの明確な因果関係は認められないという意見で一致しました。

 その上で、「ワクチンの安全性に大きな懸念はなく、現時点で何らかの対応を行う必要はない」という見解をまとめました。

 専門家会議では、細菌性髄膜炎を予防する肺炎球菌ワクチンと、ヒブワクチンの2つのワクチンについても、今年4月以降に接種を受けた後に死亡した乳児6人の事例を検証しましたが、ほかの病気が原因と疑われるなど、いずれも明確な因果関係は認められないとして、接種を行うことに問題はないとしています。

 タミフルなど抗インフルエンザ薬服用後の死亡報告は、昨年10月〜今年3月の12件で、1件は因果関係が否定できないと判断されました。子宮頸がん予防ワクチンは、今年4〜8月に失神など重い副反応報告が14件あったといいます。

 2012年10月30日(火)

 

■日本脳炎ワクチン、接種後死亡で迅速調査 厚労省、メーカーに対応要請

 日本脳炎の予防接種を受けた子供が、その後死亡する事例が相次いだことから、厚生労働省は、接種後死亡したり重い症状が出たりした場合、すぐに調査するとともに、現在、年1回しか開かれていない因果関係を判断する専門家の会議を年3回に増やして、速やかに公表していくことを決めました。

 日本脳炎のワクチンでは、今月17日、岐阜県美濃市で10歳の男の子が接種直後に意識を失い、その後死亡したほか、今年7月にも別の子供が接種を受けた1週間後に急性脳症で死亡しました。

 日本脳炎などの予防接種の副作用については、通常、厚労省が集計し、年1回、専門家の会議を開いて因果関係やワクチンの安全性などについて検証していました。これについて、三井辨雄厚生労働大臣は閣議後の記者会見で、「日本脳炎ワクチンは3年前に切り替えられた新しいワクチンなので、安心して受けてもらうために、速やかに調査を行う体制をとりたい」と述べ、因果関係などを調べる調査や検証を迅速に行っていく考えを示しました。

 具体的には、日本脳炎ワクチンを接種後死亡したり重い症状が出たりしたと、自治体などから報告されたケースについては、厚労省が医療機関や日本脳炎ワクチンを製造するメーカーに対してすぐに調査を行うことにしました。

 これまではメーカーに対して月ごとに調査を依頼していましたが、今後は報告があった時点でメーカーに調査を要請し、メーカー側は情報収集して医薬品医療機器総合機構に報告、厚労省も情報を共有する仕組みとします。

 その上で、専門家の会議を年3回に増やし、速やかに公表していくことになりました。

 対象となる副作用は、脳炎やアナフィラキシーショックなど。ポリオ(小児まひ)の不活化ワクチンや小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンなどは、すでに同様の対応を導入しています。

 2012年10月30日(火)

 

■薬局で糖尿病の簡易検査 徳島県で開始される

 糖尿病の早期発見と予防の研究を進めようと薬局を訪れた客に無料で血液の簡易検査を行う取り組みが29日、徳島県で始まりました。

 この取り組みは、徳島県の糖尿病による死亡率が4年連続で全国で最も高く、過去には1993年から14年連続でワースト1になったこともあるから、茨城県の筑波大学と徳島文理大学が共同研究の一環として試験的に行うものです。

 取り組みは徳島県内の10の薬局で一斉に始まり、このうち徳島市内の薬局では訪れた客に薬剤師が血液の簡易検査を呼び掛けました。

 客は自分の指に細い針を刺してわずかに血液を採り、専用の機器にかけて糖尿病の指標となる「ヘモグロビンA1c」の数値を測定しました。結果は6分ほどでわかり、予想以上に高い数値が示された客は驚いた様子で、薬剤師に詳しく質問していました。

 検査を受けた60歳代の女性の客は、「以前から糖尿病が気になっていたので気軽に受けられてよかったです。病院でしっかり診てもらおうと思います」と話していました。

 糖尿病と強く疑われる人やその予備軍とされる人は、全国でおよそ2200万人と推計されています。初期の段階では自覚症状がなく悪化する人が多いため、早期発見が重要とされています。

 薬局では正常な数値を超えていた人に専門の医療機関のリストを示して受診を勧めるとともに、集まったデータを筑波大学に送り糖尿病予防の研究に役立てることにしています。

 2012年10月29日(月)

 

■日本脳炎新ワクチン3年、重い副作用104人 未回復、後遺症も8人

 現行の日本脳炎ワクチン接種が始まった2009年6月から今年6月までに、医療機関の情報を基にした製薬企業から、104人が接種後にけいれんや脳炎など重い副作用を起こしていたと報告されていたことが、厚生労働省などへのマスコミの取材でわかりました。

 今月17日に岐阜県美濃市で男児(10歳)が接種後に急死したことを受け、厚労省は31日に「日本脳炎に関する小委員会」を開催。美濃市の男児と7月に死亡した子供の経緯を公表し、副作用の事例も説明します。

 104人の内訳は10歳未満が91人、10歳代が12人、20歳代が1人。症状は延べ198件。最多は発熱の41件で、次いで発熱に伴う「熱性けいれん」と「けいれん」がともに15件、嘔吐が12件、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)が10件など。

 過剰なアレルギー反応を示す「アナフィラキシー反応」と「アナフィラキシーショック」は計5件。回復していなかったり後遺症がある患者は、少なくとも8人います。けいれんやまひなど神経系の障害が、全体の35パーセントを占めました。

 薬事法は製薬企業に対し、医療機関から副作用が疑われる症例を知った時は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構への報告を義務付けています。厚労省も医療機関などへ市町村を通じた報告を求めていますが、法的義務はなく報告していないケースもあるとみられます。

 日本脳炎など国が実施する定期予防接種で健康被害が起きた場合、被害者は市町村を通じて国に医療費などの救済措置を申請できます。

 日本脳炎ワクチンの定期接種では、2004年に女子中学生が接種後、けいれんや運動障害などの症状が出る脳神経系の病気である急性散在性脳脊髄炎にかかり、厚労省は急性散在性脳脊髄炎の重症例との因果関係が認められるとして、2005年に「積極的な勧奨」を控えました。

 2009年6月、マウスの脳を利用した旧ワクチンから、動物の脳が使われず副作用が少ないとされる乾燥ワクチンが使われています。

 厚労省で予防接種に関する委員を務める国立成育医療研究センター・加藤達夫名誉総長(小児科)は、「市町村を通じて医療機関や被害者から厚労省に報告される内容は、毎年12月に前年度1年分を1度にチェックする仕組みになっており、緊急な検討ができない。厚労省に直接的に連絡でき、年に3、4回の頻度で検証する体制をつくり、迅速に詳しい情報を発信する必要がある」と話しています。

 2012年10月28日(日)

 

■消灯後の携帯使用頻度と心の健康に関連あり 中高生1万8千人調査

 中高生約1万8000人を対象にした大規模調査で、夜間、消灯後にメールや通話のため携帯電話を使う頻度が高いほど、心の健康状態が悪い傾向がみられるとの結果を、東京都医学総合研究所の西田淳志主任研究員(精神保健学)らのグループがまとめ、27日までに英国の専門誌に発表しました。

 西田主任研究員によると、中学生の場合、携帯電話を消灯後に使う生徒は使わない生徒より睡眠時間が短くなっており、睡眠不足が心の健康度低下につながっている可能性が浮かびました。子供の「ケータイ依存」が問題となる中、メンタルヘルスの観点から警鐘を鳴らすデータとして注目されます。

 グループは2008~09年に、三重県と高知県の中高生を対象に生活状況や精神状態を把握するアンケートを実施。今回はその際のデータを基に、消灯後の携帯電話の使用頻度と、心の健康の関係に着目して分析しました。

 国際的尺度に基づき、「自分は役に立たない人間だと考えたことはあるか」「していることにやりがいを感じるか」などの質問への回答を点数化。基準値より点数が低く「不健康群」とされた生徒の割合を統計処理し、「消灯後に携帯電話を全く使わない」「時々使う」「毎日使う」の3グループでリスクを比較しました。

 その結果、中学生では「全く使わない」グループに対し、「時々使う」グループは不健康群とされるリスクが1・34倍、「毎日使う」グループは1・65倍で、高校生もそれぞれ1・15倍、1・54倍となっていました。

 睡眠時間をみると、中学生の場合、「毎日使う」グループは平均6時間50分で、「全く使わない」グループより約50分短かくなりました。高校生では明確な差はなく、睡眠時間以外の要因があるとみて今後、研究を進めます。

 子供へのメディア教育に詳しい奈良教育大学の小柳和喜雄教授は、「スマートフォン(多機能携帯電話)向けの無料通話アプリやゲームの普及で、子供たちが携帯電話を深夜まで使う傾向は強まっています。友人との連絡や、インターネットサイトを見ていて睡眠不足になり、たまったストレスを発散しようとさらに使ってしまう悪循環を起こしているのではないか。ただ、睡眠不足以外にもストレスの原因は考えられ、子供たちが夜遅くまで使う理由に目を向けるべきだ」と話しています。

 文部科学省が2008年に実施し、小中高の児童、生徒計約1万人と保護者が回答した調査によると、携帯電話の所有率は小6が24・7パーセント、中2が45・9パーセント、高2が95・9パーセント。使用に関して「特にルールを決めていない」と答えた子供の割合は小6が19・5パーセント、中2が29・4パーセント、高2が54・0パーセントでした。携帯電話によるメールの送受信が1日平均30件以上の子供は、就寝時間が遅い傾向がみられました。

 2012年10月27日(土)

 

■iPS臨床研究、理研が申請 神戸の病院で6人の眼病治療へ

 理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーは25日、あらゆる細胞に分化する能力があるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った臨床研究を、神戸市の先端医療センター病院などの倫理委員会に近く申請することを明らかにしました。高齢者に多い目の病気である加齢黄斑変性の患者六人を対象とします。

 申請先の3機関のうち、神戸市の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの倫理委員会には26日までに申請がありました。

 再生医療への応用で期待がかかるiPS細胞を使った治療は前例がなく、実施されれば世界初になるとみられます。機関内の倫理委員会による承認の後、厚生労働省の審査を通る必要があり、2013年度の開始を目指します。

 iPS細胞を開発した京都大の山中伸弥教授が理事長を務める国際幹細胞学会が、米グラッドストーン研究所(サンフランシスコ)で開いたシンポジウムで、高橋さんが発表しました。

 臨床研究の対象となるのは、高齢者に多い加齢黄斑変性のうち、網膜の裏側に余分な新生血管が生えてきて色素上皮が急速に傷み、視力が落ちる「滲出(しんしゅつ)型」。

 現在ある治療法の1つは、網膜に小さな穴を開け、下にある血管と傷んだ色素上皮をピンセットのような器具で取り出す手術ですが、栄養を与えたり老廃物を処理したりする色素上皮が修復されず、網膜が次第に傷んでしまうのが難点でした。

 今回の計画では、患者の皮膚の細胞から作ったiPS細胞をシート状の網膜色素上皮細胞に成長させ、この手術でできた欠損部に補います。シート状の網膜色素上皮細胞の準備には半年ほどかかります。当初の主な目的は安全性の確認で、既存の治療をしても矯正視力が0・3未満などの条件を満たした患者6人に移植し、異常が出ないかを監視、視力の低下が食い止められるかなども評価します。

 視力の回復効果を本格的に確かめるのは数年後、参加人数を増やし、より大きな効果が期待できる比較的症状の軽い患者を対象に実施する次の段階の試験となります。

 加齢黄斑変性は。目の奥にあり、光や色を感じる細胞でできた網膜の中でも、ものを見る時に中心的な役割を果たす黄斑という部分が加齢に伴って障害を受け、視野の中央部がゆがんだり暗くなったりする病気。国内患者は推定69万人で、成人の失明原因の4位(欧米では1位)を占めます。

 網膜で出る老廃物の処理などを担う色素上皮の組織が縮む「委縮型(非滲出型)」と、下にある脈絡膜から異常な新生血管が生えてきて色素上皮が傷む「滲出型」があります。委縮型には治療法がないものの、滲出型には血管を収縮させる眼球注射薬がありますが、治療を継続する必要があります。

 2012年10月26日(金)

 

■放射性セシウム、コメ初の新基準値超え 福島県須賀川市の全袋検査で

 福島県は24日、本年産のコメの全袋検査で、須賀川市の農家が出荷した1袋から、食品の新基準値である1キログラム当たり100ベクレルを超える110ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表しました。

 新基準値に移行してから、福島県のコメが100ベクレルを超えたのは初めて。検査段階のため、流通はしていません。県はこの農家がある地域に、出荷自粛を要請します。25日にも、政府が出荷制限を指示する見通し。

 県によると、全袋検査は玄米の段階で行い、基準値以下であることを確認してから市場に流通させています。

 21日の全袋検査で、この農家が収穫した玄米320袋のうち、「コシヒカリ」1袋から104ベクレルのセシウムを検出。このため、24日に県農業総合センターのゲルマニウム半導体検出器で詳細検査した結果、110ベクレルでした。この農家のほかの米袋は、最大78ベクレルにとどまりました。

 福島県は昨年、東京電力福島第一原発事故のため、当時の基準値の1キログラム当たり500ベクレルを超えるコメが見付かったため、今年はすべての県産米(約1200万袋)を対象に全袋の検査に踏み切りました。

 全袋検査のため、すでに新基準値以下と確認して出荷したコメは回収しません。

 福島県は18日にも、本年産のコメの一定数のサンプルを採取して行うモニタリング検査で、いわき市で生産されたコメから放射性セシウムの新基準値の限度いっぱいの1キログラム当たり100ベクレルが検出されたと発表していました。新基準値は超えておらず、県の水田畑作課は「十分に安全」としています。

 県によると、いわき市で16日に採取した玄米から、セシウム134が39・6ベクレル、セシウム137が63・2ベクレル検出されました。合計すれば102・8ベクレルで基準値を上回りますが、厚生労働省は「合計値の3桁目を四捨五入し、有効数字2桁とする」と7月5日付で通知しており、これに従うと100ベクレルちょうどになります。

 2012年10月25日(木)

 

■ポリオ予防接種後に死亡例 不活化ワクチン導入後で初めて

 ポリオ(小児まひ)の不活化ワクチンの接種を受けた乳児が18日後に死亡したと、このワクチンが先月導入されてから初めての死亡例の報告があったことがわかりました。

 担当した医師は、「接種から時間がたっていることなどから因果関係はない」と判断したということですが、厚生労働省は近く開かれる専門家による検討会で詳しく調べることにしています。

 厚労省によりますと、9月上旬、ポリオの不活化ワクチンの接種を受けた生後6カ月以上1歳未満の女の子が18日後、鼻血を出して嘔吐したため救急病院に運ばれましたが、翌日、低酸素脳症のため死亡したということです。

 ポリオの予防接種は、ウイルスの毒性を弱めた生ワクチンでは、ごくまれに手や足にまひ症状が出ることから、9月1日から毒性をなくしより安全性が高いとされる不活化ワクチンに一斉に切り替えられたばかりで、接種後の死亡例の報告は初めてです。これまで約200万回分が供給されたということです。

 女の子の死因について、救急の医師は「食物などが誤って気管に入ったことが原因ではないか」としているということです。また、接種した医師は、ワクチンの接種と因果関係はないと判断しましたが、念のため厚生労働省に報告したということです。

 厚労省は来週、開かれる専門家による検討会で、因果関係について慎重に調べることにしています。予防接種をめぐっては、日本脳炎ワクチン接種後の死亡例が2件続いて報告され、同省が情報収集を進めています。

 予防接種に詳しい加藤達夫医師は、「19日間という時間をどう見るかが因果関係の焦点で、専門家が接種後の経過について十分に検討する必要がある」と話しています。

 2012年10月24日(水)

 

■全がん協、がん5年後の生存率を公表 がんの生存率示すシステムも運用

 国立がん研究センター(東京都中央区)など全国のがん専門診療施設が加盟する「全国がん(成人病)センター協議会」(全がん協)は23日、胃、肺、大腸、乳、子宮頸の5部位のがんについて、28の病院別に治療開始から5年後の生存率を公表しました。

 がん患者への情報公開の一環で、病院別生存率の公表は2007年、2008年に続き3回目。各病院で生存率に差がありますが、状態の悪い患者の比率が高いほど生存率は低くなるため、全がん協では「生存率の数字だけで病院を選ぶべきではない」としています。

 全がん協に加盟する31病院のうち、症例数などで基準に達した28病院が、2001~2003年に初めて治療を受けた患者のデータを公表しました。それによると、胃がんで生存率が最も高かったのは大阪府立成人病センターで80・2パーセント。最も低いのは茨城県立中央病院で56・2パーセントでしたが、大阪府立成人病センターは初期がん(1期)の患者数が進行がん(4期)の6・5倍で初期が多いため、生存率が高かったとみられます。

 手術できないほど状態の悪い患者が多ければ手術率は下がり、生存率は低下します。また、各地の病院が独自に公表している数字は、外科手術の生存率のみで、手術ができない進行患者の情報を含まないなど、生存率が高く出る傾向があります。

 同様に、肺がんは58・1~24・8パーセント、大腸がんは81・4〜64・0パーセント、乳がんは95・4~84・1パーセント、子宮頸がんは84・4~65・8パーセントと、病院ごとにばらつきがありました。肺がんは5部位のがんの中では、生存率が最も低くなりました。

 全がん協では、「今後は化学療法や放射線療法などによる生存率のデータもそろえていきたい」としています。

 全がん協はさらに、1997年から2004年の全がん協施設24万件の症例をデータベース化。このデータを基に、30種類以上の部位のがんについて年齢や性別、進行度、受けた治療方法などをを入力すると、5年後までの平均的な生存率がわかる新システム「KapWeb」も、23日から開始しました。

 システムの開発に携わった千葉県がんセンター研究局の三上春夫部長は、「患者さんが自身の状況に応じた治療成績を見ることができる初めての仕組みで、有効な治療法の選択や再発を防ぐために注意すべき点など、主治医に相談する際に役立ててもらいたい」と話しています。

 「KapWeb」は、全がん協ホームページ(http://www.zengankyo.ncc.go.jp/)から閲覧できます。

 2012年10月23日(火)

 

■遺伝性乳がんの発症傾向をデータベース化 研究組織が発足へ

 遺伝的に乳がんや卵巣がんになりやすい女性のデータベースを作って、患者特有のがんや遺伝子の特徴を調べるプロジェクトが始まります。発症リスクの高い人を明らかにして、がんの早期発見や治療法の確立につなげます。

 データベース作りには、昭和大、慶応大、がん研有明病院などの医師ら約300人が参加する見込みで、27日に研究組織を発足させ、患者ごとに、がんや遺伝子変異の特徴、治療後の経過、再発率など50項目以上のデータを入力して分析します。

 日本人の女性は生涯で16人に1人が乳がんを発症し、年間に約6万人が診断されます。乳がんの5〜10パーセントは遺伝的な影響が強く、家族性のがんと考えられています。家族性は若いころに発症しやすく、卵巣がんも発症する場合が多くなっています。患者の多くに、BRCA1またはBRCA2という遺伝子の変異がみられます。

 この2つの遺伝子のどちらかに、生まれ付き病的変異があると、乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高くなるため、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)と診断されます。また、病的変異のある遺伝子は、親から子へ50パーセントの確率で受け継がれ、家族(血縁者)の中に乳がんや卵巣がんを発症した人が複数みられることがあります。

 2つの遺伝子の変異があると将来、4〜9割が乳がんに、2〜6割が卵巣がんになるという欧米のデータもあります。日本人患者特有の遺伝子の特徴がある可能性も指摘されていますが、詳しい実態はわかっていません。

 日本人患者の傾向が詳しくわかれば、遺伝子検査や検診で早期発見しやすくなるほか、発症前に乳房を全摘したり、卵巣を切除したりする予防的手術も治療の選択肢にできるといいます。すでに一部の医療施設では、予防的切除も行っています。

 ただし、課題も残ります。BRCA1またはBRCA2の変異は遺伝子検査でわかりますが、検査は公的医療保険が使えず、二十数万円の自己負担が必要。5年前に検査が始まって以来、検査を受けた人は約500人にとどまっています。

 遺伝子の変異があった場合、乳がんは早期発見が可能で、いくつか治療の選択肢がありますが、卵巣がんは自覚症状が出にくく、治療が難しい例が少なくありません。3カ月~半年おきに検診を受けるほか、がんのリスクを減らすことを目指して、健康な卵巣を手術で切除することも選択肢の一つになります。国内でも一部の医療施設でこの手術を行っていますが、公的医療保険が適用されず、80万~100万円近くの自己負担が必要です。

 2012年10月22日(月)

 

■子宮頸がん予防ワクチン、接種率6割超え 接種率1ケタの自治体も

 子宮頸がんの予防ワクチンの接種率が7割近くだったことが、19日にわかりました。接種率が100パーセントの自治体がある一方で、2パーセント台などにとどまっている自治体もありました。

 産婦人科医らでつくる「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」が全国約1700市区町村を対象にアンケートを実施し、自治体担当者らを対象にしたワークショップで結果を報告しました。

 アンケートは今年6〜8月に実施し、回収率は77・9パーセント。接種率については、2010年度と2011年度の間に初回接種をした中学1年〜高校2年の女子生徒の割合を聞きました。平均接種率は67・2パーセントで、市で最も高かったのは97・3パーセント、最も低かったのは6・2パーセント。町村では、最高が100パーセント、最低が2・9パーセントでした。

 現在の国庫補助の仕組みについては、予防ワクチン事業を実施するかどうかや、実施方法が市町村に委ねられており、実施の場合にはその半分を助成しています。同会議の今野良・自治医科大さいたま医療センター教授は、「接種率が高い自治体は未接種者に、電話やはがきで個別に接種を勧めたりする対策を取っていた。自治体が働き掛けに熱心かどうかなどが接種率のばらつきにつながっている」との考えを示しました。

 アンケートでは、接種者の自己負担額についても聞きました。それによると、自治体の86・0パーセントが全額公費助成をしており、11・6パーセントで自己負担があります。1回当たりの自己負担額は、約7割が2000円未満でしたが、5000円以上6000円未満が11・5パーセント、6000円以上が4・5パーセントと高額な自治体もありました。

 子宮頸がんは、子宮の入り口付近にできる若い女性に多いがんで、性交渉によるウイルスへの感染が主な原因とされ、毎年およ2700人が死亡しています。今野教授は、「ワクチンで予防できる可能性が高いにもかかわらず、3人に1人がまだ接種を受けていない状況だ。自治体による取り組みの差をなくし、接種率を高めてほしい」と話しています。

 同会議では、20歳以上が対象の子宮頸がん検診についてもアンケートを実施。厚生労働省の指針では「2年ごと」としている検診間隔について、実際は「毎年検診」と答えた自治体が51・4パーセントと半数以上を占めました。2010年度と2011年度の間の受診率は、平均で25・6パーセント。

 年齢別では、20歳代が最も低く19・7パーセントで、30歳代が最も高い34・0パーセントでした。このほか、40歳代は32・4パーセント、50歳代は22・4パーセント、60歳代は20・4パーセント。

 現在、厚生労働省が2013年度予算概算要求に盛り込み、実施を検討している細胞診とHPV(ヒトパピローマウイルス)検査の併用検診については、すでに実施している自治体は3・6パーセントでした。

 2012年10月21日(日)

 

■女性に「骨貯金」を呼び掛け 20日は世界骨粗鬆症デー

 スイスに本部がある国際骨粗鬆症財団が定めた「世界骨粗鬆症(こつそしょうそう)デー」の20日、東京都内で、骨粗鬆症の予防について考えてもらおうという催しが開かれ、専門の医師が特に女性は若い時から運動や食事で「骨貯金」をするよう呼び掛けました。

 この催しは医師などで作る骨粗鬆症財団が開いたもので、この中で、骨粗鬆症は男性よりも女性のほうがなりやすく、国内の患者1280万人のうち8割近くが女性だと紹介されました。

 その上で、専門の医師が、若い時に運動や食事で骨の量を増やす「骨貯金」をしておくことが予防に役立つと述べ、特に骨の量が増える10歳代に、バスケットボールやダンスなどの比較的激しい運動が効果的だと話しました。

 また、別の医師は、骨を作るカルシウムだけでなく、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをとることが大切だと話し、キノコ類や魚を食べることや、日光浴を1日15分程度するよう勧めていました。

 会場では「骨密度」を測る検査が無料で行われ、集まった女性たちが、平均値に対して自分がどの程度かをチェックしていました。

 23歳の女性は「骨密度は標準でしたが、年齢とともに減っていくということなので、運動や食事に気を付けて、今から備えたい」と話していました。

 催しを開いた骨粗鬆症財団の折茂肇理事長は、「骨粗鬆症の人は、骨折しやすく、骨折は寝たきりの原因にもなるので、若いころから予防に努めてほしい」と話していました。

 高齢化に伴い、先進国の中でも骨骨粗鬆症患者が増えている日本。50歳の女性が生涯に骨粗鬆症による背骨の骨折を起こす確率は、37パーセントにも上るといわれています。また、太ももの付け根が折れる大腿骨頚部骨折は2007年には全国で約14万8000件発生しており、この発生数は高齢化社会とともに現在も増加傾向にあり、この20年で約3倍になっています。

 骨粗鬆症の治療には、食事療法、運動療法、薬物療法の3つがあります。この3つは三脚の脚と同じで、どれか一つ欠けても治療は成立しません。すなわち、食事と運動だけをしていても病気は徐々に進行していきます。必ず薬による治療も行わなければなりません。

 しかしながら、骨粗鬆症は沈黙の疾患といわれ、症状がないままに病気が進行していきます。そして、骨折を起こしたときには病気が進行して手遅れということが多い疾患です。

 2012年10月20日(土)

 

■RSウイルス感染症の患者、最多の5007人 乳幼児が急増

 国立感染症研究所は19日、乳幼児の重い肺炎や細気管支炎の原因となるRSウイルス感染症について、全国約3000の小児科定点医療機関から報告される1週間の患者数が1~7日は5007人に上り、2003年の調査開始以降で最多となったと発表しました。

 これまで最多だった2010年1月25~31日の4745人を更新。年齢別では1歳以下が全体の約71パーセントを占めました。

 例年12月から1月に感染のピークを迎えますが、今年は9月の段階で昨年のピークを上回っていました。感染研はすでに患者が多い地域以外にも感染が広がっているとして、注意を呼び掛けています。

 感染研によると、都道府県別では、東京都が548人で最多。福岡県が476人、大阪府が362人、埼玉県が220人と続きます。29道府県で、前週より患者数が増加しました。

 国立感染症研究所の安井良則主任研究官は、「流行は、これから患者数が少ない地域に拡大していくと考えられる。0歳児の場合、呼吸状態が悪化して入院が必要になることも珍しくないので、熱が下がってもせきが続いているようであれば早めに医療機関を受診してほしい」と呼び掛けています。

 RSウイルス感染症は、発熱やせきなど風邪に似た呼吸器症状を起こす病気で、初めての感染では肺炎や細気管支炎。脳症を引き起こして重症化することがあります。乳幼児の肺炎の50パーセント、細気管支炎の50~90パーセントが RSウイルス感染によるものとの報告があります。

 特に重症化しやすいのは、生後6カ月以内の乳児や早産児、慢性肺疾患や先天性心疾患などの基礎疾患を持っている乳幼児とされます。さらに、生後4週未満では、突然死(乳幼児突然死症候群)につながる無呼吸が起きやすく、注意が必要です。

 潜伏期間は2~8日で、2歳までにほぼ100パーセントが感染します。一度感染しただけでは感染防御免疫が不十分で何度も発症しますが、通常は再感染のたびに症状は軽くなっていきます。主な感染経路は飛沫感染と接触感染で、せきエチケットや手洗いの徹底が感染予防として重要だとされています。

 ただし、感染力が強く、また再感染などで典型的な症状を示さずにRSウイルス感染症だと気付かれない軽症例も存在することから、家族間の感染や保育園などでの流行を効果的に抑えることは難しいとされています。

 2012年10月19日(金)

 

■日本脳炎の予防接種後、小5男児が死亡 岐阜県美濃市

 17日午後5時15分ごろ、岐阜県美濃市藍川の「平田こどもクリニック」(平田正士院長)で、日本脳炎の予防接種を受けた小学5年の男児(10歳)が接種後間もなく意識不明、心肺停止状態となり、搬送先の関市の病院で約2時間30分後に死亡が確認されました。関署は19日午後、司法解剖し、男児の死因、予防接種との因果関係などを調べます。

 同署や同クリニックによると、男児は17日夕、母親に連れられ、妹らと来院。小学生の妹が先に接種を受け、男児も平田院長(73歳)から接種を受けました。その5分後、「待合室で寝ている男児の様子がおかしい」と看護師が気付き、平田院長が確認したところ意識不明で心肺停止状態でした。妹に異常はないといいます。

 平田院長は、「接種前の問診に異常はなかった。ワクチンの期限や用量は適正だったので、原因が思い当たらない。これまでに同じワクチンを200本から300本は接種しているが、重い症状になった子供はいない」と話しています。ワクチンは、医薬品会社から受け取って10日以内のものだったということです。

 同クリニックによると、男児が注射器を見て院内を逃げ回ったため、母親と看護師で押さえ、平田院長が腕に注射したといいます。

 男児の状態が悪くなった後、母親が平田院長に男児が関市内の特別支援学校に通っていることや、別の病院で処方された薬を飲んでいることなどを伝えたといいます。

 同クリニックによると、男児は就学前に3回受けるのが標準とされる定期接種を受けておらず、今回が初めての接種でした。過去にポリオやBCGなどの接種経験はありました。

 岐阜県保健医療課によると、記録の残る1977年以降、同県内で日本脳炎を含む各種定期予防接種後に死亡し、国の救済対象になっている事例は確認されていないといいます。

 同県は医療機関から任意で情報収集していますが、接種と小5男児死亡との因果関係は不明。今後、予防接種を実施する美濃市を通じて「副反応報告書」が提出されれば、予防接種法に基づき医療機関から問診や接種の状況などについて聞き取ることになるといいます。

 厚生労働省も18日、事実関係の確認のため県や市を通じて情報収集を始めました。また、日本脳炎の予防接種後の死亡例が7月にもあったことを明らかにしました。ワクチン接種との因果関係は不明ですが、死亡例が2件続いたのを受け、近く専門家委員会を開いて評価を仰ぐ方針。

 同省によると、7月のケースは「5歳以上10歳未満」の子供で、接種後に急性脳症を発症し約1週間後に亡くなりました。居住地など詳細な情報は明らかにしていません。

 2人の子供の死亡と予防接種との因果関係はわかっておらず、接種から死亡までの時間や症状も異なることから、同省は2人の死亡の関連性は低いとみています。

 日本脳炎のワクチンは、副作用とみられる重い神経障害が報告され、7年前から事実上中止されていましたが、3年前、新たなワクチンに切り替えられました。今年3月までにおよそ1000万回接種されましたが、接種後の死亡例は報告されていなかったということで、同省は直ちに接種を中止する必要はないとしています。

 2012年10月18日(木)

 

■自動車内での喫煙、有害な微粒子濃度は基準値の数倍 英国の医師チームが調査

 自動車内での喫煙により、人体に有害な微粒子の量が世界保健機関(WHO)が推奨する上限の数倍に増加するとの調査結果が、15日の英専門誌「Tobacco Control」(たばこ規制)で発表されました。

 調査を行ったのは英アバディーン大学スコットランド屋内空気センターのショーン・センプル氏率いる医師チーム。喫煙者14人を含む17人が運転する自動車の後部座席に計測機器を置き、3日間にわたり空気中の微粒子濃度を調べました。喫煙者には調査期間中、普段通りの喫煙習慣を継続してもらいました。対象者たちによる延べ104回の運転のうち63回が喫煙なしで、1回当たりの平均運転時間は27分でした。

 計測の結果、喫煙しながら運転した場合の微粒子濃度は、1立方メートル当たり平均85マイクログラムでした。WHOのガイドラインは、屋内の微粒子濃度の上限を1立方メートル当たり25マイクログラムと定めています。

 運転手が窓を開けたり換気を行ったりした場合でも、微粒子レベルはある時点でWHOの基準を超えていたといいます。喫煙あり運転での微粒子濃度のピークは1立方メートル当たり平均385マイクログラムで、最も高かった時では1立方メートル当たり880マイクログラムを超えていました。

 これとは対照的に、喫煙なし運転での微粒子濃度の平均は1立方メートル当たり7・4マイクログラムでした。

 この調査で計測されたのは直径2・5マイクロメートル未満の微粒子で、これら微小な粒子は肺の奥深くにとどまり、炎症を引き起こす危険があります。

 調査チームによれば、高レベルの微粒子にさらされた子供たちは、健康を害する可能性が高くなります。また、同チームは車内喫煙を規制する国が増えていることを指摘し、「同様の規制は子供たちを受動喫煙から守る適切な手段だろう」と結論付けています。

 受動喫煙とは、たばこを吸わない人が吸う人と同じ空間にいることで、自分の意思とは関係なく、たばこの煙を吸い込んでしまうこと。間接喫煙ともいいます。

 受動喫煙で吸い込む副流煙、すなわち、たばこの先の火のついた部分から立ち上る煙のほうが、喫煙者が直接口から吸い込む主流煙よりも、ニコチンやタール、一酸化炭素を始め、非常に発がん性の高いベンツピレンなど200種以上の有害物質を多く含むことがわかっています。

 その他、喫煙者が口から吐き出す煙を吐出煙と呼び、副流煙と混ざって室内の空間に立ち上る煙は、環境たばこ煙といいます。たばこを吸わない人も同じ空間にいれば、環境たばこ煙を吸い込みます。

 燃焼されて発生する煙がたばこの中を通り、フィルターを通って喫煙者の体の中に入っていく主流煙は酸性であるため、副流煙と比べて刺激が少なくなっています。副流煙は強いアルカリ性で、アンモニアなども含まれて刺激臭を伴うので、目や鼻の粘膜をより刺激します。

 受動喫煙による害には、のどの痛み、心拍数の増加、血圧上昇などがあります。また、肺がんや虚血性心疾患、呼吸器疾患などにかかりやすくなります。とりわけ、子供は大人以上に影響を受けやすくなり、家庭内の喫煙によって、気管支炎、喘息などを起こす率が高くなったり、乳幼児突然死症候群が増加することも明らかになっています。

 2012年10月17日(水)

 

■口の健康、8割が自信なし 掛かり付けの歯科医院、6割があり

 10~70歳代の8割は口の健康に自信がないことが、日本私立歯科大学協会の調査でわかりました。調査は7月下旬、男女1000人を対象にインターネットで実施されました。

 それによると、自分の歯や口腔内の健康に「自信がある」と答えた人は2・4パーセントにとどまり、77・8パーセントは「自信がない」と回答しました。

 歯や口腔に関する悩みを複数回答で尋ねると、「虫歯」と「歯の黄ばみ」がともに29・3パーセントで最も多く、次いで、「歯垢・歯石」の26・3パーセント、「歯並び・かみ合わせ・すき歯」の25・0パーセントの順でした。

 歯の黄ばみや歯並びを選んだ人は女性のほうが多く、男性に比べて見た目を気にする度合いが高いことがわかりました。

 オーラルケアにかける費用は月に平均1585円で、年代性別に見ると最も費用をかけているのは60歳代以上の女性で2198円となっていました。

 また、掛かり付けの歯科医院の有無を尋ねると、約6割の人が「ある」と回答。掛かり付けの歯科医院に受けたことのある治療のトップ3は「虫歯の治療」が83・7パーセントで最も多く、「歯垢・歯石の除去」の65・8パーセント、「虫歯の予防」の41・1パーセントの順でした。

 歯科医院へのイメージを尋ねると、「良い」の13・7パーセントと「どちらかといえば良い」の50・0パーセントを合わせて全体の6割を超え、歯科医師に対するイメージは「信頼できる」が75・3パーセント、「優しい」が67・7パーセント、「親しみやすい」が57・0パーセントという結果でした。

 歯科医師だったら診てもらいたいと思う有名人を尋ねたところでは、俳優の向井理さんが66票を得て1位で、女性の1位は43票を獲得した松嶋菜々子さんでした。男性の2位は福山雅治さん、3位は阿部寛さん。女性の2位は昨年、一昨年と2年連続で1位だった天海祐希さんで、3位は黒木瞳さんでした。

 理想の歯科医師の条件は、「人柄がよい・優しい」の75・1パーセントが「丁寧な治療をしてくれる」の72・6パーセントを小差で抑えてトップ。次いで、「高い技術で治療してくれる」の68・0パーセント、「治療の説明をきちんとしてくれる」の63・8パーセント、「清潔感がある」の61・4パーセントが続きました。

 2012年10月16日(火)

 

■沖縄型神経原性筋委縮症、原因遺伝子を特定

 30~40歳代に発症して徐々に筋肉が衰え、沖縄県内特有とされる「沖縄型神経原性筋委縮症」の原因となる遺伝子を国内の2研究チームがそれぞれ特定しました。

 うち東京大学と徳島大学の研究では、特定のタンパク質が運動神経細胞に異常に蓄積していることも確認。このタンパク質の蓄積が難病の「筋委縮性側索硬化症(ALS)」と共通することから、「沖縄型」の病態解明が、難病の治療につながる可能性も出てきています。

 東大と徳島大の研究チームは、8月に米国学術誌に発表。その直後に鹿児島大学と琉球大学、国立病院機構沖縄病院による研究チームも学術誌で発表しました。

 東大と徳島大の研究では、患者の家系など32人の遺伝子を解析し、全員に共通する変異遺伝子を特定しました。鹿児島大などのチームも、同様に遺伝子を特定しました。

 さらに、東大などのチームは、特定した遺伝子が原因とみられるタンパク質の異常蓄積も確認し、9割が非遺伝性とされるALSと病態が共通していました。

 13日に宜野湾市の沖縄病院で開かれた「筋ジストロフィー・類似疾患のピアカウンセラー養成講座」で、同病院の諏訪園秀吾神経内科医長が患者らに研究状況を報告しました。

 諏訪園さんは、「『沖縄型』の根本治療の可能性が見えた大きな成果。ALSは原因遺伝子が未解明で、沖縄型の解明がALS治療につながるとして、世界中の研究者が注目し、研究が一気に進む可能性もある」と指摘しました。

 沖縄型筋委縮症患者で民謡グループ「ケントミ」として活動する我如古盛健さん(56歳)は、「できるだけ早く治療法を確立してほしい。いつかは根治できるかと思うと希望が湧いた」と研究の進展に期待を込めました。我如古さんは35歳の時に発病し、以来、車椅子生活を送っています。

 沖縄型神経原性筋委縮症は、30~40歳代に手足のけいれんが始まり、多くは45〜50歳から四肢近位筋の筋委縮が明らかになり、50歳代以降から歩行が困難となる疾患。患者は沖縄県内に60人ほどと推測されます。病状の進行は緩やかで、70歳代以上の患者もいます。1985年に「沖縄本島に見られる感覚障害を伴う特異な神経原性筋委縮症」として当時の厚生省に報告があり、研究が続いています。

 ALSは国が指定した難病で、全国で約8500人の患者がいます。沖縄型神経原性筋委縮症と同様、運動神経細胞に異常が出て手足などの筋肉が衰えます。発症は一般的に遅く、40〜60歳代に起こります。一般的には、手指の筋肉が次第に委縮し、力が入らなくなります。時には、足先から委縮が始まります。委縮は次第に体の上のほうに進んで全身に及び、ついには舌の筋肉も委縮して、嚥下困難、発語困難となり、さらに進行すると呼吸筋もまひして、呼吸も十分にできなくなります。

 2012年10月15日(月)

 

■屋内照明で抗菌・抗ウイルス効果を生む光触媒を開発 東大の研究チーム 

 屋内の照明でも高い抗菌・抗ウイルス機能を持つ光触媒の素材を開発したことを、東京大学の橋本和仁教授らの研究チームが11日に発表しました。

 研究チームは、感染リスクの高い空港や病院で効果を実証しました。2013年にも、新しい光触媒の素材を利用した製品が市場に出る見込みで、屋外利用が中心になっている光触媒の市場が拡大する可能性があります。

 成果は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの一環。現行の光触媒は紫外線(UV)を当てることで汚れを分解したり、殺菌したりする機能を発揮していて、紫外線の少ない屋内で高い抗菌・抗ウイルス機能を持つものはこれまでありませんでした。2001年に屋内の照明を部分的に吸収する光触媒は開発されていますが、屋内での使用には効果が不十分でした。

 開発したのは、代表的な光触媒である酸化チタンの表面に、ナノサイズの銅の化合物を付着させて特殊な加工を施したもの。蛍光灯下の実験でこの光触媒を試したところ、大腸菌や多剤耐性菌、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどの細菌やウイルスを1〜2時間で99パーセンと以上死滅させました。光のない暗所でも、高い抗菌・抗ウイルス機能を確認できました。

 また、病院のトイレの壁や空港で荷物を運ぶカートに使ったところ、70パーセント以上菌が減ったということです。

 研究チームのリーダーを務める橋本教授は、「光触媒が、屋外だけでなく、室内でも使えるようになったことは大きな成果で、今後の実用化に期待したい」と話しています。

 この新しい光触媒の素材は昭和タイタニウムが原料を生産し、新たに設立されたコンソーシアム(共同企業体)に参画しているパナソニックやTOTO、日本板硝子、太陽工業などがフィルムやタイル、塗料、ガラス建材、空気浄化システムなどとして順次、展開していきます。2011年で700億円程度の光触媒市場は、今後20年間で3兆円近くに達すると見込まれます。

 2012年10月14日(日)

 

■野生キノコから基準超えるセシウム検出 埼玉県皆野町

 埼玉県皆野町で採取された野生のキノコから、国の基準値を上回る放射性セシウムが検出され、埼玉県は町内で採取されたすべての野生キノコの出荷と販売自粛を求めました。

 埼玉県によりますと、今月9日、秩父地方にある皆野町の森林で採取された「サクラシメジ」という野生のキノコから、国の基準値の1キログラム当たり100ベクレルを上回る110ベクレルの放射性セシウムが検出されたということです。

 このため県は皆野町と地元の農協に対し、町内で採取されたサクラシメジを含むすべての野生のキノコの出荷と販売を自粛するよう要請しました。さらに、町内の直売所や飲食店に対しても、町内で採取された野生キノコを扱わないよう求めました。

 県森づくり課によると、サクラシメジは同町の雑木林で採取した町民の持ち込みにより、出荷前の放射性物質検査で判明しました。サクラシメジは、傘の中央部がワイン色になるのが特徴で、油炒めや鍋にして食用にされるといいます。

 福島第一原発事故を受けて県は9月26日から放射性物質検査を始め、12日までに秩父市、飯能市、小鹿野町、皆野町、横瀬町、ときがわ町産の野生キノコ10種類、32検体を調べました。これまでに横瀬町産の「ウズハツ」という野生のキノコから240ベクレルの放射性セシウムが検出され、同町産のすべての野生キノコの出荷と販売が自粛されています。

 今後、県は12月中旬ごろまで100検体を検査する予定。

 県は、キノコ狩りのシーズンを迎えていることから県のホームページで野生キノコの調査結果を事前に確認するよう呼び掛けています。

 また、埼玉県は12日、2012年産の稲わらについて県内15市町で放射性物質調査を行ったところ、放射性セシウムはすべて暫定許容値を下回り、県内全域で飼料としての流通、利用が可能になったと発表しました。

 県畜産安全課によると、調査はさいたま市などの県南、熊谷市などの県北東、秩父市などの県北西の3地域に区分し、9月24日~10月5日に各地域ごとに5検体を採取。県中央家畜保健衛生所で分析しました。

 15検体はいずれも、検査機器で測定できる検出限界値未満でした。暫定許容値は牛・馬用飼料が1キログラム当たり100ベクレル、豚用飼料が80ベクレル、家きん(鳥)用飼料が160ベクレルとなっています。

 調査で安全が確認されるまで、飼料としての流通、利用が自粛されていました。

 2012年10月13日(土)

 

■iPS移植、日本人研究者の発表巡り異例の事態に 米大学など関与を否定

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った臨床応用を、米ハーバード大の日本人研究者らが世界で初めて行ったと日本のマスコミが報じましたが、ハーバード大学や関連病院の4施設は11日夜、この人物とは現在、関係はなく、「彼に関係するいかなる研究も承認していない」とする声明を発表しました。

 マスコミの報道によると、東京大学客員研究員の森口尚史・米ハーバード大客員講師らが今年2月、iPS細胞から心筋細胞を作って、重症の心不全患者6人に移植する世界初の臨床応用を行ったとしていました。この臨床応用は、ハーバード大の倫理委員会から「暫定承認」を得たもので、米国のロックフェラー大で開かれるトランスレーショナル幹細胞学会で発表するほか、英科学誌ネイチャー・プロトコルズ電子版で近く論文発表するとしていました。

 これに対し、ハーバード大は声明で「森口氏は1999年から2000年まで研究員だったが、それ以降、関係していない。大学や病院の倫理委員会は、彼に関係するいかなる臨床研究も承認していない」と説明しました。大学の関連病院のマサチューセッツ総合病院の広報担当者も、日本のマスコミの取材に「彼の研究は当病院でなされたものではない。彼の仕事について話せることは何もない」と話しました。

 また、森口氏がこの臨床応用を発表するとしていたトランスレーショナル幹細胞学会の会場に、森口氏は研究成果のポスターを掲示していましたが、会議を主催する「ニューヨーク幹細胞財団」の広報担当者は11日、「ポスターは取り外した。森口氏はここにはいない」と語りました。

 理由について同財団は、「森口氏のポスター掲示にハーバード大学から合理的な疑義が寄せられたため」としています。広報担当者によると、ウェブで参加登録をした研究者は誰でも、ポスターを示して研究成果を説明することができるといい、審査などはないといいます。

 これについて森口氏は、「きちんとした手続きにのっとって移植を実施した。私に医師の資格はないが、移植は医師の指示の下で行われたので問題はない。ハーバード大学が私が所属していないと否定するのはよくわからない」と話しています。

 森口氏は現在、東京大学病院の特任研究員で、ハーバード大客員講師を名乗り、マサチューセッツ総合病院で臨床応用を実施したとしていました。厚生労働省によると、医師の資格はなく、看護師の資格を持っているといいます。

 京都大学の山中伸弥教授のノーベル医学・生理学賞の受賞が決定し、国際的に注目されるiPS細胞を巡って、発表内容の信ぴょう性が疑われる異例の事態となっています。

 2012年10月12日(金)

 

■iPS細胞で初の臨床応用、心筋細胞作り患者に移植 米の日本人研究者ら

 あらゆる細胞に分化する能力があるiPS細胞(人工多能性幹細胞)から心筋の細胞を作り、重い心不全患者に移植する治療を、米ハーバード大の森口尚史客員講師らが6人の患者に実施していたことが10日、わかりました。今年のノーベル医学・生理学賞に輝いた京都大の山中伸弥教授が2007年に人間の皮膚からiPS細胞を作って以来、臨床応用は世界初とみられます。

 6人の患者のうち、初の移植を受けたのは米国人男性(34歳)。肝臓がんを患い、肝臓移植を受けましたが、今年2月に心臓から血液を送り出す力が低下する「虚血性心筋症」となり、回復の見込みがなくなっていたといいます。

 森口講師らは、移植の際に摘出された男性の肝臓から、肝細胞に変化する前の「前駆細胞」を取り出し、細胞増殖にかかわるタンパク質や薬剤を加えてiPS細胞を作製しました。作製方法は、4種類の遺伝子を注入する山中教授の手法とは異なるものだといいます。

 森口講師らは、作製したiPS細胞を心筋細胞に変化、増殖させ、男性の心臓の約30カ所に注入。拒絶反応はなく、心機能は徐々に回復しました。

 現在、男性は日常の生活を送っているといいます。また、その後も5人の患者に移植を行い、いずれも健康状態に異常は見られないといいます。

 森口講師は、「患者さんは死の間際にある人たち。これしかなかった。この移植は確立したばかりの技術だが、患者さんの利益を考え、医者として前に進まなければならないこともある」と細胞移植を決断した心境を語っています。

 この治療に関係する研究費用は約1億5000万円で、起業投資家から集めたといいます。肝臓がん治療や再生医療の研究をしており、東京大学客員研究員も務める森口講師は、「日本では税金が使われるから、成果を上げなければならないが、こちらでは投資家がリスクをとってくれる」「日本では、いろいろな規制があって実施できなかっただろう」と、新しい医療技術に対する日米の制度の違いを指摘。研究者側についても、「日本にも優秀でやる気のある人はいるが、結集しにくい。懸命に働き、本気で声を上げなければいけない」と述べました。

 成功の背景としては、「少人数の機動的な研究チーム」の結成を挙げました。ハーバード大やマサチューセッツ工科大で機械工学を学ぶ大学院生ら5人ほどが積極的に研究に参加し、心筋細胞の増殖に必要な「過冷却」技術を提供した上、この治療に関係する研究費用の調達を一手に担ったといいます。

 森口講師らは、現地時間10、11日にロックフェラー大で開かれるトランスレーショナル幹細胞学会で、この臨床結果を発表する予定。科学誌ネイチャー・プロトコルズ電子版でも、近く手法を論文発表します。

 iPS細胞を巡って、日本では、光を感知する網膜の一部が加齢に伴って障害を受け、視力が極端に低下する「加齢黄斑変性」の患者への臨床応用を、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)が来年度から計画しています。

 2012年10月11日(木)

 

■うつ病、世界で推計3億5000万人超 世界保健機関が発表

 世界保健機関(WHO)は、世界で3億5000万人以上が精神疾患であるうつ病に苦しみ、その半数以上が適切な治療を受けていないという推計を発表しました。

 この推計は、10月10日の世界精神保健デーに合わせて、WHOが発表しました。世界精神保健デーは、世界精神保健連盟(WFMH)が1992年に始めた行事で、20周年を迎える今年のメーンテーマはうつ病。

 それによりますと、世界でうつ病に苦しんでいる人は、全人口のおよそ5パーセントに当たる3億5000万人以上に上るということです。

 男女別では、女性の方がうつ病にかかる人が多く、出産をした女性のうち1割から2割が、いわゆる「産後うつ」を経験しているということです。

 うつ病の原因については、アルコールや薬物中毒、経済上の圧迫、失業、災害などの環境的な因子のほか、心血管疾患などの体の健康状態が引き起こす可能性もあると指摘。また、うつ病は一時的な気分の浮き沈みとは異なり、激しい気分の落ち込みが2週間以上続き、仕事や家庭での活動に影響が出る病気と強調しています。

 その上で、治療薬、専門家によるカウンセリングといったケアが効果的だが、うつ病を患っている人の中には、正しい知識がないため自分の病気に気付かない人も多く、半数以上が適切な治療を受けていないと指摘しています。

 さらに、WHOによると、自殺で死亡する人は年間およそ100万人いるとされ、その半数以上をうつ病患者が占めているということです。

 日本の厚生労働省によると、1996年には国内で43万3000人だったうつ病など気分障害の患者数は、2008年には104万1000人に増加しています。WHOはストレスの多い日本など先進国だけでなく、発展途上国でも精神疾患の患者が目立つとして、うつ病は地域などに関係ない「世界的な現象」としています。

 「最近の金融危機の影響もあって、うつ病や自殺はますます起こりやすくなっている。まずはうつ病を正しく理解し、患者がきちんと治療を受けられる環境を整えなければならない」と、WHOは呼び掛けています。

 2012年10月10日(水)

 

■新しい出生前検査、医療機関が開始を延期 学会の要請に応じる

 妊婦の血液で胎児のダウン症が高精度で分かる新しい出生前検査について、国立成育医療研究センターなどの医療機関は、早くとも11月中旬以降に開始する方針だと発表しました。

 アメリカ生まれの新しい出生前検査の導入に当たっては、東京都の国立成育医療研究センターと昭和大の医師が発起人になり、北海道大、宮城県立こども病院、東京大、慈恵医大、横浜市大、名古屋市大、兵庫医大、呉医療センター、長崎大、鹿児島大の、全国12医療機関の医師で研究組織が発足。臨床研究に向けた動きが始まっています。

 これに対して、日本産科婦人科学会は、学会で作成を進めている検査に関する指針が完成するまで、検査の実施を自粛してほしいという考えを示し、医療機関側は応じる方針を明らかにしました。

 日本産科婦人科学会は新しい出生前検査について、妊婦の血液を調べるだけで胎児にダウン症など3種類の染色体の異常があるか99パーセントの確率で判定できるとされるものの、すべての妊婦を対象にすると、誤って異常と判定する頻度が高まり精度が大幅に落ちてしまうと指摘。そして、検討中の指針では、診断を確定するには従来の羊水検査などを改めて受ける必要があることや、対象となる妊婦の年齢などを示したいと説明しています。

 学会は早ければ12月15日に、検査の対象者やカウンセリング態勢を定めた指針を作る方針で、11月13日にはダウン症などの患者団体や一般の人に参加を呼び掛けて公開シンポジウムを開き、外部の専門家を交えた検討委員会で策定中の検査に関する指針の骨格を示して意見を募ることにしています。

 学会の小西郁生理事長は、「限界についても正確にカウンセリングして冷静に受けてもらう必要がある。染色体異常がある子供が生まれた場合、社会は尊重し支援する必要もある」と述べた上、「強制力はないが、シンポジウム開催後か、指針ができるまでは検査を始めないよう(医療機関に)要請し、了承を得た」と述べました。

 医療機関の検査の開始は当初「9月にも」と伝えられていましたが、早くとも11月中旬以降にずれこむ見通しです。

 新しい出生前検査は子宮に針を刺す羊水検査などと違って、流産の恐れが全くなく、負担も小さいため、急速に普及する可能性があります。背景には、染色体異常の頻度が上がる35歳以上の高齢出産の増加もあります。一方、判定の結果によっては人工妊娠中絶につながる恐れがあります。

 2012年10月9日(火)

 

■アトピー性皮膚炎、関与の遺伝子領域を発見 理研がゲノム調査

 アトピー性皮膚炎の発症にかかわる可能性のある8カ所の遺伝子領域を、日本人患者を対象にした大規模なゲノム(全遺伝情報)解析で、理化学研究所などのグループが特定しました。成果は7日付で、米科学誌ネイチャー・ジェネティクスの電子版に掲載されました。

 アトピー性皮膚炎の発症の仕組みの解明や、新たな治療薬の開発につながると期待されています。

 理化学研究所ゲノム医科学研究センター、慶応義塾大学、東京慈恵会医科大学などのグループは、アトピー性皮膚炎になりやすい人の遺伝子上の特徴を調べるため、日本人の患者3328人と患者ではない1万4992人から集めた約2万人分のゲノムを解析。その結果、アトピー性皮膚炎になりやすい体質かどうかを決めるゲノム領域は、これまで海外で欧米人患者を対象にした調査で見付かっている7カ所以外に、新たに8カ所あることを確認したとしています。

 このゲノム領域の中には、免疫に関係するゲノム領域のほか、血液中の濃度が低いとアトピー性皮膚炎になりやすいとされてきたビタミンDのゲノム領域などが含まれていたということです。また、8カ所のゲノム領域のいずれかに特定のタイプを持つと、アトピー性皮膚炎の発症リスクが1・18~1・40倍高くなることがわかりました。そのうち2カ所のゲノム領域は、気管支ぜんそくと共通していたといいます。

 さらに、欧米人患者を対象にした調査で見付かっている7カ所のゲノム領域についても追認解析し、日本人患者に共通することを確認しました。これにより、合計15カ所のゲノム領域が日本人のアトピー性皮膚炎の発症に関与することがわかったことになります。

 理化学研究所の広田朝光研究員は、「特定した8カ所のゲノム領域に含まれる遺伝子の働きを詳しく調べることで、アトピー性皮膚炎が発症する仕組みの解明や新たな治療薬の開発につながると考えられる」と話しています。

 厚生労働省によると、アトピー性皮膚炎の国内患者数は2008年時点で約34万9000人。ステロイド剤などで症状をコントロールすることは可能になってきましたが、効果があまりみられない例もあり、治療法の研究が進められています。

 2012年10月8日(月)

 

■20年間で国民のスポーツ離れ進む 子供の体力・運動能力はやや向上

 総務省の調べによりますと、過去1年間にスポーツをした人の割合は62パーセントで、この20年間にわたって低下が続いていて、特に20歳代から30歳代でスポーツ離れが進んでいます。

 総務省は、5年ごとに行っている社会生活基本調査を基に、昨年10月までの1年間に国民がスポーツをした状況を調べました。

 それによりますと、水泳やジョギングなど12種類のスポーツをした人の割合は62パーセントで、1991年(平成3年)の78パーセントをピークに、その後20年間、低下が続いています。

 年齢別で見ますと、比較が可能な1986年(昭和61年)からの25年間では、60歳以上で上昇する一方、60歳未満で低下しており、特に20歳代から30歳代で20パーセント前後の減少と、スポーツ離れが進んでいます。

 1年間で行ったスポーツで最も多かったのは、ウォーキングや軽い体操で35パーセント、次いで、ボウリングが13パーセント、水泳が11パーセントなどとなっており、手軽で幅広い年齢層で行えるスポーツが上位となっています。

 また、団体で行うスポーツでは、この25年間で野球とバレーボールをした人の割合が減少傾向にあるのに対し、サッカーはわずかに上昇傾向をみせています。

 スポーツ離れの傾向について、総務省は「ゲーム機やスマートフォンに接する時間が増えるなど、スポーツ以外の余暇の過ごし方が多様化していることが背景にあるのではないか」と分析しています。

 また、体育の日を前に文部科学省が公表した2011年度体力・運動能力調査によりますと、子供の体力や走る、投げるなどの基礎的な運動能力は、ここ数年、向上する傾向が続いているものの、ピークだった1985年(昭和60年)ごろと比べると、依然として低い水準にあることがわかりました。

 調査は文科省が1964年(昭和39年)から行っているもので、昨年は6歳から79歳までの男女7万4000人余りが対象となりました。

 このうち、中学2年生で走る、投げるなどの基礎的な運動能力を見ますと、50メートル走の平均記録は、男子が7秒83、女子が8秒72と、いずれも前の年度より伸びています。また、ハンドボール投げの平均記録も、男子が22メートル8センチ、女子が14メートル1センチと、それぞれ前の年度より長くなりました。

 小中高校生のいずれの世代も、調査した8つの種目のほとんどで、記録が前の年度より向上しているか横ばいとなっています。特に中学2年生の男女と小学6年生の女子では、8つの種目の結果の合計点が1998年(平成10年)以降で最も高くなり、文科省はここ数年続いている体力の向上傾向がより確実になったとしています。

 しかし、ピークだった1985年(昭和60年)と比べると、小学6年生の50メートル走で、男子が0秒13、女子が0秒18遅く、依然として低い水準にあります。

 運動生理学が専門の順天堂大学の内藤久士教授は、「小さい時からしっかり遊んで体を動かすことが大切だ。親と一緒にスポーツをする機会を増やすことも解決策の一つだ」と話しています。

 健康ブームを反映して50歳代以上も体力・運動能力が向上しましたが、20歳~30歳代女性と30歳代男性は低下傾向を示しました。

 文科省は、「学校や家庭で運動する機会をさらに増やすよう促す」としています。

 2012年10月7日(日)

 

■豚レバーの生食も危険 厚労省が牛レバーの代用に注意喚起

 豚の生レバー(肝臓)を一部の飲食店が提供している問題で、厚生労働省は4日、加熱を飲食店に指導するよう都道府県などに通知しました。消費者が生で食べないよう注意喚起も求めました。

 豚を生で食べるとサルモネラ菌やカンピロバクター菌などによる食中毒の危険があるほか、E型肝炎を発症する危険性もあり、厚労省は「加熱が常識」としています。

 重い食中毒を起こす恐れがあるとして牛の生レバー提供が7月に禁止になり、法規制の対象外の豚のレバ刺しなどを出す店が都市部を中心に増えています。

 厚労省によると、飲食店が提供した豚のレバ刺しで、2003年以降、宮城、群馬、神奈川、愛知、岐阜各県で1件ずつ、計5件の食中毒が発生し、32人が発症しています。死者は出ていないといいます。

 法規制の対象外の豚のレバ刺しやユッケを生で出す店は、「モツ焼き」「焼きとん」と呼ばれるホルモン焼きの店が多く、東京都を中心に全国で100軒を超えるとみられます。一部の店は、牛レバ刺し禁止を機に豚に切り替えました。東京や大阪には、豚肉の刺し身を食べられる店もあります。

 牛の生レバーを巡っては、内部から食中毒を引き起こすカンピロバクター菌、毒性の強い腸管出血性大腸菌O(オー)157が存在することが確認され、加熱以外に殺菌する方法がないとして提供が禁止されました。O157に感染すると、重い腎臓病や脳症で死に至ることもある上、感染力が強く二次感染の恐れもあります。

 厚労省は、牛の生レバー内部の殺菌や洗浄などで生食の安全性が確保できる方法が確認された場合は、禁止解除を検討するとしています。

 2012年10月6日(土)

 

■ヒトのiPS細胞から生殖細胞の元を作製 マウスのiPS細胞から卵子を作製し出産

 体のあらゆる組織や臓器になるとされるヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、精子や卵子の元となる細胞を作り出すことに、慶応大学の研究グループが成功しました。

 慶応大学の岡野栄之教授らのグループは、文部科学省に届け出るなどして、ヒトの皮膚から作成したiPS細胞をもとに精子や卵子を作る研究を進めています。この中で、iPS細胞が精子や卵子の元になる「始原生殖細胞」という細胞に、変化して特徴的な遺伝子が現れると緑色に光るよう加工し、特殊な化合物を加えて培養しました。

 その結果、遺伝子の働き方から、5日後に始原生殖細胞になっていることを確認したということです。

 ヒトのiPS細胞から始原生殖細胞が作られたのは、国内では初めてです。

 始原生殖細胞については、成長の仕組みなどがよくわかっていないことが多く、慶応大学の研究グループでは、今後、ヒトで精子や卵子に変化させる研究を行って、不妊の原因の解明につなげたいとしています。

 岡野教授は、「不妊症の治療薬の開発などにつなげたい」と話しています。

 ヒトの精子や卵子を人工的に作り出す研究については、文部科学省が指針を定めており、受精させることは個体づくりにつながる恐れがあるため禁止されています。

 一方、マウスのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から卵子を作り出し、体外受精させてマウスを誕生させることに、京都大学の研究グループが世界で初めて成功し、米科学誌サイエンスで5日に発表されました。

 この研究を行ったのは、京都大学大学院医学研究科の斎藤通紀教授の研究グループで、メスのマウスの体の細胞から作ったiPS細胞に特殊なタンパク質を加えて、卵子の元になる始原生殖細胞に変化させました。そして、この細胞をマウスの卵巣の中に移植して育てることで、世界で初めて卵子を作り出すことに成功しました。

 また、この卵子を精子と体外受精させ、受精卵をメスのマウスの子宮に着床させたところ正常に成長して、子供が誕生し、健康で生殖能力があることを確認したということです。

 研究グループでは昨年、マウスのiPS細胞から精子を作り出すことに成功しており、今後、人間やサルでもiPS細胞から精子と卵子の作製を進める計画。

 斎藤教授は、「これまでわからなかった卵子ができるメカニズムの研究に役立ち、不妊症の原因の解明が期待できる。ただ倫理的には研究をどう進めるべきか社会全体で慎重に考えていくことが必要になる」と話しています。

 2012年10月5日(金)

 

■マルハのサバ缶にアルミ片が混入 583万缶を自主回収へ

 東京都に本社がある水産加工食品会社・マルハニチロ食品が販売したサバのみそ煮の缶詰にアルミ片が混ざっていたことがわかり、製造を委託された茨城県神栖市の食品メーカー・高木商店に対して、茨城県は工場の同じラインで製造した583万個余りの缶詰を自主回収するよう指示しました。

 自主回収されるのは、マルハニチロ食品が2007年3月~2012年9月に販売した「さばみそ煮」「秘伝いわし蒲焼」「さば照焼」「秘伝さば照焼」「毎日煮魚さばカレー煮」「毎日煮魚さばごま味噌味」の6種。全国の小売店で流通しています。

 茨城県によりますと、今年4月と9月に、消費者から「マルハさばみそ煮の缶詰に金属片が入っていた」という苦情が寄せられマルハニチロ食品が調べたところ、それぞれ長さ1センチと3・5センチの缶詰容器の一部とみられるアルミ片が混入していたということです。

 このため茨城県は、マルハニチロ食品から委託され缶詰を製造した高木商店に対し、工場の同じラインで製造し全国に販売された6種類の缶詰で、賞味期限が2015年4月1日以前の合わせて583万3560個を自主回収するよう指示しました。

 茨城県によりますと、これまでのところ、けがをしたなど健康被害の情報はないということです。

 回収方法などについては、4日以降、マルハニチロ食品のウェブサイトと、マルハニチロお客様相談室、フリーダイヤル0120ー170ー811で対応するとされています。

 2012年10月4日(木)

 

■出生前検査の新指針、年内作成へ 日本産科婦人科学会

 妊婦の血液を調べ胎児にダウン症など染色体の異常があるか判定する新しい出生前検査について、日本産科婦人科学会は2日夜、検討委員会を開き、年内を目標に対象とする妊婦の条件など検査の指針をまとめることを決めました。

 東京・文京区で開かれた新しい出生前検査の指針を検討する委員会の初会合には、産科婦人科学会に所属する医師のほか、関連する学会から小児科や遺伝医学、それに生命倫理の専門家が参加しました。

 アメリカ生まれの新しい出生前検査は、妊婦の血液を調べるだけで、胎児にダウン症など3種類の染色体の異常があるか、99パーセントの確率で判定できるとされ、東京都の昭和大学病院と国立成育医療研究センターが臨床研究として実施する方針を示しています。

 子宮に針を刺す羊水検査などと違って流産の恐れが全くなく、負担も小さいため、急速に普及する可能性があります。背景には、染色体異常の頻度が上がる35歳以上の高齢出産の増加もあります。一方、判定の結果によっては人工妊娠中絶につながる恐れがあります。

 このため検討委員会では、今後、指針に盛り込む、年齢など検査の対象とする妊婦の条件や、検査の前後に行うカウンセリングの在り方などについて議論を深める予定です。

 2日夜の会合では、来月、一般の人や障害者団体に参加を呼び掛け、公開の意見交換会を開いた上で年内を目標に検査の指針をまとめることを決めました。

 一方、昭和大学病院と国立成育医療研究センターは、産科婦人科学会が検査の指針を示すのを待って、ほかの複数の病院とともに一斉に検査を開始することにしています。

 新しい出生前検査が始まることについて、日本ダウン症協会の玉井邦夫理事長は「海外の動向からいずれ日本でも検査が必ず始まると思っていた。新しい技術ができ、それによってわかることを知りたいと思うのは個人の権利なので、検査の導入は否定できないが、ダウン症の子供たちや家族を否定するような世の中につながることは絶対にあってはならない。検査が簡単になっても結果の重みは変わらないので、安易な気持ちで検査を受ける妊婦が増え、混乱が広がることが懸念される」と話しています。

 2012年10月3日(水)

 

■関節が曲がる感染症に注意を 蚊が媒介のチクングニア熱 

 関節が変形する後遺症が出ることもあるウイルス性の感染症「チクングニア熱」の患者が6~7月、国内で立て続けに4人見付かりました。海外で蚊に刺されて感染したとみられますが、感染者の帰国が増えれば国内で流行する恐れもあり、国立感染症研究所(東京都新宿区)は注意を呼び掛けています。

 感染研によると、チクングニア熱は主にアジアやアフリカに分布し、2~12日の潜伏期を経て発熱や関節炎などの症状が出ます。死亡率は低いものの、数カ月にわたって関節に痛みが続き、手指、手首、足首などの関節が曲がったまま戻らなくなる可能性もあります。

 その他の症状としては、全身倦怠、頭痛、筋肉痛、リンパ節腫脹で、鼻出血や歯肉出血、結膜炎、悪心、嘔吐を来すこともあります。重症例では、脳症や劇症肝炎を来すこともあります。

 ウイルスを含む感染者の血液を吸った蚊が媒介して、被害が広がります。

 国内では6~7月、パプアニューギニアやカンボジアなどへの渡航歴がある計4人からウイルスを検出。感染の報告は2006年から約30例ありますが、今年は短期間にまとまって見付かっているのが特徴だといいます。

 チクングニア熱の流行が見られるのは、アフリカ、南アジア、東南アジア。アフリカでは1952年に初めて流行が報告され、その後、タンザニア、ウガンダ、ジンバブエ、南アフリカ、セネガル、ナイジェリア、中央アフリカ、コンゴ で流行し、近年ではコンゴのキンシャサで1999年から2000年にかけて5万人規模の流行が報告されています。

 アジアでは1958年にタイで流行が報告された後、カンボジア、ベトナム、ラオス、ミャンマー、マレーシア、フィリピン、インドネシアで流行が報告されています。2006年にはインドやスリランカでも流行をみています。2007年にはイタリアで限局した流行がありました。香港、アメリカ、フランス、スイスなどでも感染が報告されています。

 チクングニア熱に対する治療法や予防接種は確立されていませんので、輸液や鎮痛解熱剤の投与など対症療法を実施します。予防に関しては、日中に蚊に刺されない工夫が大切です。具体的には、長袖シャツ・長ズボンの着用、虫除けの使用など。

 2012年10月2日(火)

 

■浅漬け食中毒受け、漬物業者に殺菌を求める新たな衛生指針

 札幌市などで白菜の浅漬けが原因となって8人が死亡した腸管出血性大腸菌O157の集団食中毒を受け、厚生労働省は1日、浅漬けの原材料の消毒に塩素系溶液を使用することなどを明記した漬物の衛生規範の改正案を、薬事・食品衛生審議会に示し、了承されました。

 厚労省は10月中にも改正する方針。漬物の製造販売業者向けの衛生規範が改正されるのは、1995年以来となります。

 改正案は漬物の製造工程で、原材料を消毒液や加熱処理で殺菌するように明記している点が特徴で、同省では来週にも都道府県などに通知を出す方向です。具体的な殺菌方法として、1リットル当たり100ミリグラムの次亜塩素酸ナトリウムを含んだ液で10分間、もしくは1リットル当たり200ミリグラムの次亜塩素酸ナトリウムを含んだ液で5分間殺菌するか、75度で1分間加熱することを求めています。

 また、原材料を10度以下で低温保管することや、流水で十分に洗浄することなども求めています。

 同省によると、問題の浅漬けを製造した「岩井食品」(札幌市西区)は、原材料を殺菌する際、塩素濃度をチェックしていなかったといいます。現在の衛生規範には殺菌方法が明示されておらず、同省は具体的な数値や手法を掲げることが必要と判断しました。

 審議会には参考人として、札幌市保健所の矢野公一所長らも参加、白菜の浅漬けによる汚染経路や再現検査の結果を説明しました。

 厚労省は、全国の浅漬け製造施設2282カ所を対象に、9月中旬までに自治体が実施した立ち入り調査で、8割近くに原材料の殺菌上の不備があることがわかったとの中間報告も明らかにしました。

 原材料の殺菌を実施していなかったり、殺菌の実施記録がなかったりしたのは、76パーセントに当たる1729施設。施設の衛生管理の不備でも、65パーセントに当たる1488施設を指導しました。原材料や工程、記録などの22の調査項目のうち、8割以上が適正だったのは、31パーセントに当たる717施設にとどまりました。

 2012年10月1日(月)

 

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