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健康ダイジェスト

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■マルハニチロの冷凍食品、少量でも吐き気 厚労省「食べずに返品を」

 マルハニチロホールディングス(東京都江東区)の連結子会社のアクリフーズの群馬工場(群馬県大泉町)で製造された冷凍食品から農薬「マラチオン」が検出された問題で、厚生労働省は31日未明、自主回収の対象商品に高濃度の農薬が残っている恐れがあるとして、「家庭に残っている場合は食べずに返品するように」と注意を呼び掛けました。

 マラチオンの濃度の最高値はコーンクリームコロッケから検出された1万5000PPMで、高い濃度で含まれる冷凍商品の場合、一定程度食べると健康に影響を及ぼさないとされる許容量を超える可能性があることが判明しました。吐き気や腹痛などの症状が起きることがあるといいます。

 同じく31日未明、マルハニチロは記者会見し、最高濃度のコーンクリームコロッケを食べた場合、体重20キロの子供は約8分の1個で、大人でも3分の1個で急性毒性が出て、吐き気や腹痛などの症状を起こす可能性があると発表しました。

 同社はこれまで、体重20キロの子供が一度に60個を食べないと健康に影響がないと説明していました。30日に厚生労働省の指摘を受け、計算の誤りに気付いたといいます。

 記者会見の冒頭、久代(くしろ)敏男社長は「計算上、大きな誤解を与える指標を提示した。大変な失策で、深くおわびいたします」と謝罪しました。

 同社の佐藤信行品質保証部長によると、「食べても健康に大きな影響を及ぼさない限度量(ARfD)」を算出するべきところを、「動物に投与した場合に半数が死ぬ量」を計算していました。「食品の安全にかかわる部署で検討したが、ARfDに関する知識がなかった。保健所に相談するのも忘れていた」といいます。

 2013年12月31日(火)

 

■風疹感染、感染経路は職場が最多 患者の6割は会社員などの男性

 今年の風疹の流行で感染経路として最も報告が多かったのは職場だったことが、国立感染症研究所の調査でわかりました。

 風疹の流行は、来年も続く恐れがあり、専門家は、風疹にかかったら出社しないなど職場での対策を強化する必要があるとしています。

 熱や発疹などが出る風疹は、患者のせきなどを通じて広がり、妊娠20週ごろまでの女性が感染すると、胎盤を介して胎児に感染し、生まれた新生児の目や耳、それに心臓などに障害が出る先天性風疹症候群になる恐れがあります。

 国立感染症研究所が、今年1月から9月中旬までに風疹と診断された全国1万3987人の患者のうち感染経路の報告があった3650人を調べたところ、職場が1154人で32パーセント、家族が689人で19パーセント、学校が145人で4パーセントとなり、職場が最も多かったことが明らかになりました。

 また、患者の6割以上は、会社員など20歳代から40歳代の男性で、多くがワクチン接種を受けていない世代に当たります。

 学校保健安全法では、原則として発疹が消えるまで出席停止が求められている一方、職場ではこうした制限がありません。

 風疹の大人が中心の流行は来年も続く可能性があり、国立感染症研究所の多屋馨子室長は「風疹にかかったら出社しないことが必要だ。ワクチンを接種していない男性も多く、次の流行が起きる前にワクチン接種など対策に努めてほしい」と話しています。

 2013年12月31日(火)

 

■老老介護、さらに進む 介護者の37パーセントは70歳以上

 認知症の患者を介護している人の年齢は、30年前に比べて70歳以上の人の割合が3倍以上に増えて37パーセントに上り、老老介護が進んでいることが、患者を介護している家族の会の調査でわかりました。

 公益社団法人「認知症の人と家族の会」(本部・京都市)の東京都支部は、介護している人を対象に電話相談を行っており、昨年度とその30年前について相談内容などの変化などを比較しました。

 その結果、介護している人の年齢は、30年前は70歳以上の割合が12パーセントでしたが、昨年度は37パーセントと3倍以上に増えていて、高齢者の介護を高齢者が行う老老介護が進んでいることが明らかになりました。

 認知症の人の家族構成は、30年前は59パーセントに上っていた「3世代や4世代同居」と「親と子供夫婦」の割合が、昨年度は13パーセントに減った一方、「単身」や「夫婦」、「親と子」の割合が合わせて36パーセントから86パーセントに増えました。

 また、認知症の患者と介護している人の関係では、30年前は最も多かった息子の妻の割合が43パーセントから7パーセントに急激に減った一方、娘の割合が24パーセントから33パーセントに、妻の割合が20パーセントから31パーセントにそれぞれ増えており、老老介護が進んだ背景に核家族化などがあることがうかがえます。

 東京都支部の大野教子代表は、「老老介護は悩みを1人で抱え込みがちなので、地域や行政が本人や家族の立場に立った支援を広げていく必要がある」と話しています。

 厚生労働省の推計によると、認知症の高齢者は昨年時点で65歳以上の1割に当たる305万人。12年後には、470万人に達する見込みです。

 2013年12月31日(火)

 

■マルハニチロの冷凍食品から農薬 群馬県が立ち入り調査

 食品大手のマルハニチロホールディングスの連結子会社の群馬県の工場が生産した冷凍食品から農薬の一種が検出された問題で、群馬県は30日午前から、食品衛生法に基づく立ち入り調査を行っています。

 マルハニチロホールディングスの子会社で、群馬県大泉町にあるアクリフーズの群馬工場では、生産した冷凍食品のうちミックスピザやコロッケなどから殺虫剤などとして使われる農薬の一種の「マラチオン」が検出されました。

 会社は群馬工場での生産を今月27日から中止するとともに、これまでに生産した90品目の冷凍食品の自主回収を進めており、回収の対象となるのは現時点で流通しているものだけで少なくとも630万袋に上るということです。消費者が購入して自宅で保管されているものを含めると正確な数はわからず、さらに多くなる可能性もあるとされています。

 この問題を受けて、群馬県は30日午前、館林保健福祉事務所の職員4人を工場に派遣し、食品衛生法に基づく立ち入り調査を行っています。調査では、これまでに消費者から会社に寄せられた苦情の内容や農薬の検出結果などについて、工場の担当者から説明を受ける予定だということです。

 会社の調査によりますと、群馬工場ではすべての工程でこの農薬を使っていない上、工場の敷地内からもこの農薬は見付かっていないということです。また、商品に共通する原料の小麦粉は、国内の製粉会社から仕入れる際、「残留農薬証明書」が添付されたものを使っているということです。 

 このため会社では、生産の過程で誤って農薬が混入する可能性は低いとしています。

 群馬県は、調査結果を分析するなどして農薬が検出された原因を詳しく調べることにしています。

 一方、アクリフーズの問い合わせ窓口には、「どの商品が回収対象なのか」、「返金してもらえるのか」など、消費者から多くの問い合わせが寄せられ、電話はつながりにくい状況になっているということです。

 問い合わせ先は、アクリフーズお客様センターでフリーダイヤル0120ー690149、受け付けは午前9時から午後5時まで。

 2013年12月30日(月)

 

■マルハニチロの冷凍食品から農薬検出 ピザなど630万袋回収、外部混入の可能性も

 食品大手のマルハニチロホールディングスは、冷凍食品事業を手掛ける連結子会社の群馬県の工場で生産したピザやコロッケなどの冷凍食品から農薬の一種が検出されたとして、この工場で生産された商品は賞味期限に限らずすべて自主回収すると発表しました。

 マルハニチロホールディングスの発表によりますと、自主回収の対象となるのは、子会社のアクリフーズの群馬工場で生産した冷凍食品で、すでに販売が終了したものも含め90品目の全商品約630万袋。商品は全国に出荷されているといいます。

 11月以降、商品で異臭がするという消費者からの苦情が合わせて20件寄せられ、外部機関に検査を依頼して詳しく調べたところ27日になって、商品のコーンクリームコロッケなどから農薬の一種「マラチオン」が検出されたということです。製造過程でマラチオンは使っておらず、同社は外部混入のほか、外国から輸入した食材に使われた可能性も含めて、群馬県警に相談して調べています。

 マラチオンは有機リン系の殺虫剤の一種で、急性毒性は低いとされ、体重20キロの子供が1度に60個のコロッケを食べないと毒性が発症しないレベルといいます。

 同社によりますと、これまでに商品を一度口にした子供が薬品臭くて食べられず、吐き出したケースが1件あるということで、健康被害の連絡はないとしています。

 原因が特定できていないため、同社は群馬工場の生産を中止するとともに、この工場で生産した商品は賞味期限などにかかわらずすべて回収するとしています。

 回収するのは、群馬工場で生産していた市販用と業務用の冷凍食品計90品目。市販用は42品目あり、このうち33品目は商品裏面に「製造者アクリフーズ群馬工場」と記載されています。9品目はイオンや西友、日本生活協同組合連合会のプライベートブランドとして生産し、工場名の表記がありません。

 プライベートブランドで回収されるのは以下の通り。【イオン】レディーミールラザニア、レディーミールミラノ風ドリア、トップバリュミックスピザ、トップバリュミニピザ、【西友】西友お墨付きミックスピザ2枚入り、西友お墨付きホットケーキ6枚、【日本生活協同組合連合会】コープホットケーキ8枚、コープコーンフライ、コープ照り焼きソースの鶏マヨ!。

 回収の方法については、商品の裏面に「製造者アクリフーズ群馬工場」と記載されているものはすべて送料着払いで工場まで送るよう求め、商品の代金も後日、返金するとしています。

 記者会見でマルハニチロホールディングスの久代敏男社長は、「多大なご迷惑およびご心配をおかけし心よりおわびします。原因の解明と再発防止策を発表します」と話しています。

 問い合わせ先は、アクリフーズお客様センターでフリーダイヤル0120ー690149、受け付けは午前9時から午後5時まで。

 2013年12月29日(日)

 

■香港、H7N9型鳥インフルで初の死者 80歳男性、鶏料理食べる

 香港で26日、H7N9型鳥インフルエンザに感染していた80歳の男性が死亡しました。香港では今月2日に、初のH7N9型鳥インフルエンザ感染者が確認されたばかりで、この男性は確認された2人目の感染者で、死者が出たのは香港で初めて。

 死亡した男性は中国本土の広東省深セン市在住で、家族が買ってきて料理した鶏を食べていました。生きている鶏との接触はなかったといいます。今月3日、心臓病や糖尿病の治療のため香港の病院に入院、3日後に発熱し、検査後に感染がわかりました。直接の死因はわかっていないといいます。

 香港特別行政区政府は2人のH7N9型鳥インフルエンザ感染が確認されて以来、中国本土との境界での検疫を強化し、2人と接触した数百人を確認しています。これまでのところ、男性と接触した人はすべて陰性だったとされています。

 香港で初の感染者となった36歳のインドネシア人の家政婦も、11月に深セン市を訪れて家禽(かきん)の食肉処理を行い、帰宅後の11月21日に容体が悪化し、その6日後に入院しました。当初は重体でしたが、現在は快方に向かっているといいます。

 香港政府はインフルエンザの政府対応レベルを「警戒」から「重大」に引き上げ、深セン市から生きた鶏を輸入することを一時的に禁止しています。

 世界保健機関(WHO)によると、今年2月以降、中国では138人のH7N9型鳥インフルエンザ感染者が確認され、45人が死亡しています。WHOによると、人から人への感染が続いていることを裏付ける証拠はないといいます。

 2013年12月28日(土)

 

■インフルエンザ、全国で流行入り 1月下旬ごろピークか

 インフルエンザの患者が全国44の都道府県で増え、厚生労働省は27日、インフルエンザが全国的な流行期に入ったと発表しました。流行は今後さらに拡大する見通しで、手洗いを徹底するなどの対策を呼び掛けています。

 国立感染症研究所によりますと、今月22日までの1週間に、全国およそ5000の定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者は、前の週の1・7倍の6824人で、全国44の都道府県で増加しました。1つの医療機関当たりの患者の数は1・39人と、全国的な流行開始の目安とされる1・00人を超えました。

 この時期の流行入りは平年並み。ピークは集団感染の場となる学校が始まり、子供を中心に患者が増える1月下旬から2月初めごろとみられます。

 都道府県別では、山口県が5・12人、鹿児島県が4・67人、高知県が3・92人、大分県が3・52人、佐賀県が3・21人などと、西日本が中心になっています。

 首都圏は埼玉県2・28人、千葉県1・35人、東京都1・11人、神奈川県1・03人など。九州ではほかに熊本県2・58人、長崎県2・19人、福岡県1・82人、宮崎県は0・53人。沖縄県は2・16人。近畿は滋賀県1・60人、奈良県1・30人で流行開始レベルを超えました。ほかに兵庫県0・95人、大阪府0・87人、京都府0・72人。岐阜県1・70人、愛知県1・35人、三重県0・44人。

 また、今年9月以降に検出されたウイルスは、高齢者で重症化しやすいとされるA香港型が全体の6割近くを占め、4年前に「新型インフルエンザ」として流行したウイルスは、2割ほどだということです。

 国立感染症研究所の砂川富正室長は、「流行は今後さらに拡大し、1月中旬以降、全国で本格化する見通しだ。せっけんを使って、水を流しながらの手洗いを行ったり、今からでもワクチンを接種したりするなど予防に努めてほしい」と話しています。

 2013年12月27日(金)

 

■PM2・5、総合対策まとまる 数年後に都道府県単位で予報

 大気汚染物質PM2・5について、環境省は、都道府県の単位で濃度の数値予報ができることを目指したり、日本と中国の都市間の連携を強化したりするなどとした総合的な対策をまとめました。

 PM2・5を巡っては、中国で深刻な大気汚染が発生し、年明けから春にかけて日本への影響も懸念されていることから、環境省は新たに総合的な対策をまとめ、25日、井上環境副大臣が会見を開いて公表しました。

 それによりますと、都道府県の単位などで濃度の数値予報ができることを目指して、大陸からどの程度、PM2・5が流れてくるかなどを予測するシミュレーションモデルを高度化させるとしています。

 また、中国の大気汚染の改善に向けて、国内で大気汚染を経験した自治体と中国の都市との間で連携を強化したり、中国に進出している企業を対象に中国国内の大気汚染や必要な対策についての説明会を来月開いたりするということです。

 このほか、国内でのPM2・5の発生を減らすため、専門家で作る委員会を新たに設置し必要な対策を検討することにしています。政府は来年度予算案に、関連経費3600万円を計上しています。

 会見で、井上副大臣はPM2・5の予報について、「天気予報のような形でPM2・5の予報があるとありがたいという声を多く伺っていて、国が責任を持って予報システムの構築に取り組むことにした。何年かはかかると思うが、なるべく早く実施したい」と述べました。

 PM2・5を巡っては、国立環境研究所が「VENUS」という名称のシミュレーションモデルを開発していて、現在もインターネットで利用することができます。VENUSでは、国内で翌日までに予測されるPM2・5の濃度を全国や地域ごとなどで1時間単位で見ることができます。

 しかし、現在のシステムではきめ細かな予測が難しいほか、予測される濃度を大まかな幅でしか示すことができないなど、精度の面で課題があります。

 このため、環境省はPM2・5がどのように生成されるか、大陸からどの程度流れてくるのかといった研究結果などを踏まえて、シミュレーションモデルの高度化を図り、数年後には、都道府県の単位などで翌日の数値予報ができるようにしたいとしています。

 環境省大気環境課の横井三知貴課長補佐は、「天気予報のように次の日の濃度レベルがわかるようになれば、行動にも気を付けていただけるようになるので、こうした取り組みで安心につなげていきたい」と話しています。

 一方、大気汚染を経験した国内の自治体と中国の都市との間の連携を強化していこうと、関係する国内の自治体の担当者などによる会合が26日に開かれ、来年度以降、日本への視察を受け入れたり、現地で研修を開いたりして人材育成を進めていくことになりました。

 この会合は中国の大気汚染の改善に向けて環境省が初めて開いたもので、川崎市や北九州市、それに三重県四日市市など、8つの自治体の担当者などが参加しました。

 会合は冒頭を除いて非公開で行われ、環境省によりますと、過去に深刻な大気汚染を経験した四日市市の担当者は、汚染防止に役立つ技術を伝えようと、友好都市である中国の天津から研修員を受け入れるなどの取り組みを行っていることを報告したということです。

 また、会合では国内の自治体と中国の主要な都市との間の連携を強化するため、研究機関なども参加した枠組みを作ることで合意し、来年度以降、日本への視察を受け入れたり、現地で研修を開いたりして、人材育成などを進めていくということです。 

 会合に参加した四日市市の須藤康夫環境部長は、「市の単独の取り組みでは相手のニーズが把握しにくいという課題があったが、今後は国が前面に出ることで、中国政府などとの連携も深くなると思う」と述べ、取り組みへの期待感を示しました。

 2013年12月27日(金)

 

■水痘と肺炎球菌ワクチンが定期予防接種に 来年秋に実施の見通し

 予防接種法に基づき自治体が実施する定期予防接種に今後、水痘(水ぼうそう)の小児用ワクチンと、高齢者の肺炎を予防する肺炎球菌ワクチンが新たに加えられることが、政府より24日に発表されました。

 水痘ワクチンは、全国のほとんどの自治体で無料で受けられる見通し。来年秋からの実施を目指します。

 水痘は感染力が強いウイルスが原因で、発症すると全身に発疹ができます。厚生労働省によると、患者は乳幼児を中心に年100万人に上り、約4000人が入院、20人ほどが死亡しています。ワクチンで発症を80~85パーセント、重症化をほぼ100パーセント防げると期待されています。

 対象は1~2歳で、6カ月以上の間隔で2回接種します。政令を改正し、ほとんどの自治体が無料で実施している「A類」の接種に位置付けます。

 肺炎球菌は高齢者の死因の一つで、これにより肺炎を引き起こします。年間の感染者は数十万人と水痘よりはかなり少ないものの、その死亡者数は年間で約3万人とはるかに多くなっています。

 肺炎球菌ワクチンは65歳以上が対象。肺炎球菌が高齢者の肺炎の原因の多くを占めることから、接種の努力義務のない「B類」に位置付けて予防を促します。最初の5年間は対象を65、70、75歳など5歳刻みとし、5年以内に1回接種できるようにします。

 接種費用は、同じB類の高齢者向けインフルエンザワクチンと同様、多くの自治体で一定の自己負担が求められる見通し。

 政府は、2つのワクチンの接種費用の一部として、約300億円を来年度の予算案に盛り込んでいて、来年秋からの実施を目指しています。

 2013年12月26日(木)

 

■カネボウ化粧品、約200店に自主回収対象の試供品

 カネボウ化粧品(東京都中央区)は25日、肌がまだらに白くなる白斑の症状が出る美白成分「ロドデノール」を含む化粧品の試供品が、全国の百貨店やドラッグストアなど約200店に残っていたと発表しました。

 今月16日から18日までに大阪市中央区の「コクミンドラッグクリスタ店」で、自主回収の対象となっているロドデノールを含む化粧品の試供品が6人の客に配られていたことが発覚。

 会社側の説明によると、試供品は大阪市内の販売会社の支社に残っていたもので、営業担当者が自主回収の対象になっていることに気付かず店に持ち込んだため、別の化粧品を販売する際に誤って客に一緒に渡されたといいます。自主回収されている商品だと気付いた1人の客からの連絡で、問題がわかったということです。

 これを受け、改めてドラッグストアなどの取引先約2万店に回収対象の試供品が残っていないかの調査を進めていました。24日現在で約3600店を調べ、約200店に該当する試供品が残っていました。

 これとは別に、同社の販売会社の営業所など69カ所のうち50カ所でも、計約1万6300点の試供品が残っていたといいます。

 今のところ、大阪市のドラッグストア以外には、客に試供品が渡ったケースは見付かっていません。しかし、誤配の可能性は完全には否定できないとして、回収への協力を呼び掛けています。料金着払いで返品に応じるとともに、手続き代として商品券500円を渡すといいます。

 2013年12月25日(水)

 

■1日プラス2000歩で循環器疾患のリスク軽減 英大学が調査

 1日当たり2000歩多く歩くことで心臓発作のリスクを軽減できる可能性があるとの英レスター大学による研究結果が20日、英医学専門誌「ランセット」に発表されました。循環器疾患や糖尿病など、体内のブドウ糖の数値に問題がある人々に朗報です。

 実験では、世界40カ国から9300人の耐糖能異常(IGT)による循環器疾患と診断された人、もしくはそのリスクがある人が対象となりました。対象者には「生活スタイルの改善プログラム」として減量や脂肪分の高い食事を避けることと、定期的な運動の効果がアドバイスされたほか、日々の歩数を測るための万歩計も渡されました。

 研究によると、実験開始から6年後、毎日2000歩という普通に歩くペースで20分ほどのウォーキングを日課にプラスした人たちの循環器系リスクは、8パーセント減少したといいます。

 耐糖能異常に苦しむ人は、世界の成人人口の7・9パーセント、約3億4400万人に上ります。そして、2030年までに、世界の成人人口の8・4パーセント、約4億7200万人に増加すると予測されます。

 研究を主導した英レスター大学のトーマス・イエーツ氏は、「耐糖能異常の人たちは、循環器系の疾患リスクが極めて高い」指摘し、「運動が耐糖能異常者の健康によいという研究結果はこれまでにもいくつかあったが、今回の発見はどれぐらいのウォーキングがどれぐらいのリスク軽減につながるかということを数値化できた初めての研究だ」と話しています。

 2013年12月24日(火)

 

■新型出生前診断、中国企業がすでに実施 日本医学会が注意喚起

 妊婦の血液で胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断について、日本で営業活動を始めた中国の遺伝子解析会社「BGI」に医療機関から数十件の問い合わせがあり、すでに一部で検査を行ったことがわかりました。

 BGIの関連会社BGIヘルスジャパン(神戸市)の劉建楠社長がマスコミの取材に応じ、複数の病院やクリニックと1件約10万円で検査の契約を結んだことを明らかにしました。

 すでに、採取した血液を香港の事業所に郵送し、これまでに結果が出た検査はすべて陰性だったといいます。具体的な施設名や数は明らかにしていませんが、日本医学会が審査して、遺伝カウンセリング(遺伝相談)が整っていると認定した37の医療機関は含まれていないと認めました。

 BGIヘルスジャパンは12月から関東や関西地方を中心に、産婦人科の医療機関を調べて資料を送付。これまでに数十件の問い合わせがあり、担当者が出向き、費用や検査方法を説明しているといいます。

 劉社長は、「日本医学会の認定施設ではないが、小児科医がいて、遺伝カウンセリング体制が整っているところと契約している。学会の方針には賛成だ」と話しています。

 BGIヘルスジャパンが日本医学会の認定を受けていない各地の産婦人科の医療機関に資料を送付するなどしていることを受け、日本医学会は23日、会見を開いて、検査についての理解が不十分なまま人工妊娠中絶に至る恐れもあるとして、専門の遺伝カウンセリング態勢が整った施設で検査を実施するなどとしている学会の指針を守るよう改めて呼び掛けました。

 会見で、学会幹部らは「由々しき事態」と指摘。指針を守らずに検査を行った医療施設へのペナルティーについては、「医学会は監督や罰則を加える組織ではない」として消極的な姿勢を示しました。BGIヘルスジャパンへの聞き取り調査については、「現時点では検討していない」といいます。

 遺伝子技術の社会への影響を検討する委員会の福嶋義光委員長(信州大教授)は、「検査が不適切な形で広がると、先天性異常を排除するような社会の風潮が生まれるのではないか強く懸念している。検査を行う会社は、指針を守った上で事業活動を行ってほしい」と話しています。

 2013年12月23日(月)

 

■医師数、初の30万人超 なお自治体で2倍の格差

 全国の医師の数は初めて30万人を超えたものの、都道府県別では人口当たりの医師数に2倍の開きがあり、依然として地域によって偏りがあることが厚生労働省のまとめでわかりました。

 厚労省は全国の医師について2年ごとに調査しており、昨年末の時点の結果がまとまりました。

 それによりますと、医師の数は30万3268人と前回の調査に比べて8219人増加し、1954年の調査開始以来、初めて30万人を超えました。

 女性医師が19・7パーセントと5人に1人を占め、過去最高を更新。介護施設などを除き医療機関に従事する医師は28万8850人でした。

 人口10万人に対する医師の数は全国平均で226・5人で、前回に比べ7・5人増えています。

 都道府県別では、最も多いのは京都府で296・7人、次いで徳島県が296・3人、東京都が295・7人となっています。

 一方、最も少ないのは埼玉県で148・2人、次いで茨城県が167人、千葉県が172・7人となっており、最も多い京都府と最も少ない埼玉県では2倍の開きがあります。

 専門医別では、小児科は最も多い鳥取県と最も少ない茨城県の開きが2・4倍、産婦人科は最も多い徳島県と最も少ない埼玉県の開きが2・2倍、外科は最も多い京都府と最も少ない新潟県の開きが2倍となっています。

 厚労省は、「大学医学部の定員増などで医師数は今後も増加が見込まれるが、地域偏在の傾向は変わっていない」と分析。自治体などと協力して、医師の偏在解消に向けた施策を進める方針です。

 2013年12月22日(日)

 

■肥満症の薬開発めぐりデータ改ざん 治験支援の企業が謝罪

 製薬大手小林製薬(大阪府中央区)が開発を進めていた肥満症の薬の臨床試験(治験)を巡る問題で、患者集めの業務などを請け負った臨床試験支援会社、サイトサポート・インスティテュート(SSI、東京都品川区)が20日、試験に参加した患者の肥満度が高く見えるよう、元社員が身長などのデータを改ざんしていたとする調査結果を発表しました。

 この問題は、小林製薬が開発を進めていた肥満症の薬の臨床試験で一部の患者の身長などのデータが操作されていたもので、SSIが調査を進めていました。

 その結果、業務のリーダー役だった当時の社員が、5人分のデータを改ざんしたことを認めたということです。

 治験は小林製薬の依頼を受け、大阪市の千本病院で実施。SSIによると、担当者であった社員が故意に操作した身長データを書いたメモを医師に手渡し、医師がカルテに書き込みました。治験に参加した72人のうち、5人の身長を実際よりも低く記録し、肥満体であるように装っていました。

 この社員はすでに会社を辞めていて、「肥満度の高い人を求められたが、条件に合う人を確保できず、追い込まれた」と話しているということです。

 大阪市内で記者会見したSSIの中橋和義社長は、「小林製薬を始め関係者に多大な迷惑をおかけしたことをおわびしたい」と述べました。

 小林製薬は結果を基に製造販売承認を国に申請しましたが、改ざんの疑いがあるとして今年3月に取り下げました。小林製薬は今後、SSIに損害賠償などを求める方針。

 2013年12月21日(土)

 

■糖尿病、予備群含め2050万人 成人の5人に1人

 生活習慣病の一つ、糖尿病の患者とその可能性がある予備群の人は、昨年の推計で合わせておよそ2050万人と、成人の5人に1人に上ることが、厚生労働省の調査でわかりました。

 厚労省は5年に1度、血液検査の値などから、糖尿病の患者とその可能性がある予備群の人の数を推計しており、昨年の結果がまとまりました。

 それによりますと、糖尿病の患者はおよそ950万人で、前回の2007年の調査より60万人増えました。また、糖尿病の可能性がある予備群の人はおよそ1100万人で、前回より220万人減りました。

 患者と予備軍を合わせた人数はおよそ2050万人は、前回の調査よりおよそ160万人少なくなり、1997年に統計を取り始めてから、初めて減少に転じました。

 また、糖尿病の患者のうち、治療を受けていると回答した人は65・2パーセントで、前回より9・5ポイント改善しています。ほとんど治療を受けていないと回答した人は29・0パーセントで、前回より10・2ポイント減少しています。

 調査では、糖尿病の予防にかかわる運動習慣もアンケート。「30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している人」の割合は、男性36・1パーセント、女性28・2パーセント。年代別で運動不足が目立ったのは男性が30~40歳代、女性が20~40歳代でした。

 糖尿病に詳しい国立国際医療研究センターの野田光彦研究部長は、「予備群の人が減ったのは、メタボリック・シンドロームという言葉が定着し、国民の健康意識が大きく変わったことが要因だと思う。しかし、高齢化が進むと患者は増えるので、今後も減らしていくには、運動しやすい環境を整えたり、カロリーなどの栄養表示をさらに広げたりしていく必要がある」と話しています。

 2013年12月20日(金)

 

■自閉症、ホルモンの点鼻で改善 東大グループが発表

 他人の気持ちを理解することが困難な自閉症の患者に、女性に多いホルモンを鼻から投与し、コミュニケーションの能力を改善することに成功したと東京大学のグループが発表しました。

 根本的な治療法のない自閉症の初の治療薬の開発につながると期待されます。

 東京大学大学院の山末英典准教授(精神医学)らのグループは女性で多く分泌される「オキシトシン」というホルモンに注目し、20歳代から40歳代の自閉症などの男性40人に鼻からスプレーで投与しました。

 そして、顔の表情や声色から他人の気持ちをどのくらい読み取れるかを調べるテストをしたところ、オキシトシンを投与しなかった自閉症の患者に比べ成績が6パーセントほどよくなり、コミュニケーション能力の改善が認められたということです。

 オキシトシンは、女性の体内では母乳を出すなどの働きをしていますが、健康な男性に投与すると周囲の人に対する信頼感が高まるなどの心理的効果の出ることが、これまでの研究でわかっています。

 自閉症の症状が、薬剤で改善することがわかったのは世界で初めてで、研究を行った山末准教授は「自閉症の人のコミュニケーション能力を改善することは多くの人が願ってきたことだ。今後、実用化に向けた研究をさらに進めていきたい」と話しています。

 2013年12月20日(金)

 

■ピルの服用も注意が必要、血栓症を起こす恐れ 5年で11人が死亡

 避妊や月経痛の治療に使われるピル(経口避妊薬)を飲んだ後に、血の固まりができる血栓症の副作用によって、この5年間で11人が死亡し、重症例が361件報告されていることがわかりました。日本産科婦人科学会(日産婦)は緊急に注意を呼び掛けたほか、厚生労働省研究班も実態調査に乗り出しました。

 医薬品の安全を管理する独立行政法人の集計などによると、2008年~2013年上半期に、低用量ピル11品目で、血の固まりが血管をふさぐ血栓の重症例が延べ361件、副作用として報告されていました。死亡は11件で10歳代1人、20歳代2人、30歳代4人、40歳代1人、50歳代2人、不明1人でした。

 血栓は血の流れが遅い静脈にできやすく、ピルを使わなくても10万人当たり年5人の頻度で起きます。ピルはこのリスクを3~5倍引き上げます。ピルに含まれる女性ホルモンが血液を固める成分の合成を促すためです。

 副作用の報告はピルとの因果関係が不明の例も含めて、2008年の33件から2012年の105件に増え続けていました。

 ピルは避妊だけでなく、重い生理痛や子宮内膜症などの治療薬として広がっています。子宮内膜症は、治療しないと不妊や卵巣がんのリスクが高まるからで、2008年以降、2品目が保険適用されました。

 日本家族計画協会専務理事の北村邦夫医師(産婦人科)によると、ピルの売り上げは2008年から4年間で約1・5倍に増え、利用者は推定100万人に上ります。

 日産婦は今年2人死亡したことを受け、注意を喚起。血栓の前兆になる頭や胸、腹、ふくらはぎの痛み、視野の異常などがあれば、すぐに専門医に診断を頼むよう求めました。

 北村医師は、「事前には血栓が起きるかわからない。血栓は治療薬があるので、早く見付かれば重症化を防げる」と話しています。

 厚労省研究班は2000を超える医療施設を対象に、ピルなどの女性ホルモン剤と血栓の頻度など副作用の詳しい実態を調べ、安全策を提言します。担当する小林隆夫・浜松医療センター院長は、「ピルは比較的、副作用が少ない薬だが、血栓が起き得ると思って使うことが大事だ」と話しています。

 2013年12月18日(水)

 

■食物アレルギーの児童生徒、全体の4・5パーセント 9年前の1・7倍に増加

 全国の公立小中高校が把握する食物アレルギーがある児童生徒は、全体の4・5パーセントに当たる45万3962人に上ることが文部科学省の調査でわかりました。

 2004年の前回調査では、全体の2・6パーセントに当たる32万9423人だったのに比べて、9年間に比率で1・7倍、人数で1・4倍に増えました。

 このうち医師の診断書などで確認された児童生徒は21・4パーセントで、明確な根拠がないまま対応している可能性も示されました。文科省は、「適切な対処には症状の正確な把握が必要。医師に相談してほしい」としています。

 調査は、昨年12月に東京都調布市の小学校で食物アレルギーのある女子児童が給食を食べた後に死亡した事故を受け、文部科学省が8月に全国の公立の小中学校と高校を対象に9年ぶりに行い、保護者の申告で把握している児童生徒数を調べました。

 調査結果によると、公立小中高校約2万9000校に通うの児童生徒1015万人のうち、アレルギー反応による呼吸困難などアナフィラキシーの経験が「ある」としたのは4万9855人と全体の0・5パーセントで、9年前より0・35ポイント増えました。

 症状を鎮める注射薬エピペンは、2万7312人と全体の0・5パーセントが持っていました。学校でエピペンを使ったケースは、2008年4月から今年8月までに408件ありました。

 また、50校に1校の割合で抽出して調べたところ、579校のうち519校で合わせて4244人の児童生徒に食物アレルギーがあるとして、何らかの対応を取っていました。

 このうち、アレルギーの原因となる食材を取り除いた給食を提供されている児童生徒は39パーセント、原因食材を取り除いた上で別の食品で栄養を補う代替食を提供されている児童生徒が22パーセント、自分で原因食材を取り除いて食べているケースが28パーセント、弁当を持参している児童生徒が11パーセントでした。

 また、昨年度1年間にアレルギーの原因食材を誤って食べてしまう誤食が40件起き、このうち8件でアレルギー症状が出て、薬を注射したケースも2件あったということです。

 2013年12月17日(火)

 

■中2女子の4人に1人、体育の授業以外で運動ゼロ 全国体力調査

 中2女子の3割、小5女子の2割は、体育の授業を除く1週間の運動時間が1時間未満であることが、14日に公表された文部科学省による2013年度の全国体力調査でわかりました。

 中2女子では24パーセントが「0分」と回答し、部活動などで日常的に運動する生徒とそうでない生徒の二極化が浮き彫りになりました。

 文科省は、「部活動やスポーツクラブに所属していないと体を動かす機会が少ない。特に女子では顕著で、気軽に運動できる場を提供する必要がある」としています。

 調査は、全国の小学5年生と中学2年生計約213万人を対象に、4~7月に実施。前年までの抽出調査と異なり、4年ぶりにほぼ全員を対象に、体力や運動習慣などを調べました。

 50メートル走やボール投げなど実技8種目による体力合計点(80点満点)は、小5男子53・9点、小5女子54・7点、中2男子41・7点、中2女子48・3点で、これまでとほぼ同じでした。

 運動習慣の状況を聞いたところ、体育の授業以外の1週間の運動時間が60分未満だったのは、小5男子9・1パーセント、小5女子21パーセント、中2男子9・7パーセント、中2女子29・9パーセント。特に女子は中2で24パーセント、小5で10パーセントが「0分」と回答しました。

 また、中2では男女とも、部活動など運動の機会がある生徒とない生徒で二極化していました。

 運動の得意・不得意や好き・嫌いの意識変化を数年ごとに確かめると、男子は好転する傾向だった一方、女子は「悪化した」との回答の方が多く、対照的でした。

 種目別では、ボール投げと握力が前年度と比べてやや低下。ボール投げは男女とも、約8割が1985年度の水準に達せず、2009年度調査(約7割が達せず)より差が広がりました。

 スポーツ統計学が専門で調査結果を分析した筑波大学の西嶋尚彦教授は、「野球よりサッカーが人気になるなど、社会状況が変化し子供たちがボールを投げる機会が減っている。体育の授業だけでは追い付かないので、幼児期から遊びの中で運動習慣を付けることが大切だ」と話しています。

 都道府県別のトップは、小5男子・女子が福井県、中2男子・女子が茨城県で、ほかに新潟県も高得点でした。最下位は小5男子・女子、中2女子が北海道、中2男子が東京都でした。

 2013年12月16日(月)

 

■国内での出生前診断に中国企業参入 検査費用、従来の半額以下の10万円

 妊婦の血液から染色体異常を調べる新型出生前診断を、中国の遺伝子解析会社「BGI」が日本国内で始めました。検査費用は10万円と従来の半額以下で、遺伝カウンセリング(遺伝相談)も条件にしていません。

 国内の実施施設は現在、日本産科婦人科学会の指針によって、遺伝相談を条件に限定されています。一般の産婦人科や不妊クリニックにも広がれば、学会の指針が骨抜きになる心配があります。

 新型出生前診断を行える施設は、遺伝相談ができる態勢の整った約30医療機関に限られています。日本医学会が、専門外来などがある施設を認定しています。十分な情報なしに検査を受けると、「命の選別」につながりかねないとの指摘があったからです。検査を請け負う米国の検査会社も、学会の認定施設とのみ取引をしています。

 しかし、新たに検査を始めた中国のBGI社は、遺伝相談を条件とせず、遺伝相談の専門家がいない産婦人科、不妊クリニックなどとも個別に検査を請け負う形をとろうとしています。遺伝相談なしに検査が広がれば、検査、病気について十分理解しないまま、人工妊娠中絶につながる心配があります。

 同社は世界有数の遺伝子解析会社で、東大、京大、神戸大学や理化学研究所などと共同研究実績があります。中国の深セン市にある本社の従業員は4000人で、売上高は約120億円。新型出生前診断は2年前に中国で始め、これまで22万人が利用したといいます。最近では英国でも検査を行っています。

 日本では今年7月に神戸市に、BGI香港の100パーセント子会社として「BGI JAPAN」を設立しました。

 そのBGI JAPANは今月から、本格的に産婦人科、不妊クリニックなどに検査をPRするファクスを送り始めました。ウェブサイトでも「低価格で魅力的」とPRし、資料請求を受け付けています。一部のクリニックに直接、「半額でもいい」との営業も行っています。

 同社の資料によると、妊娠10週以降に母親の血液5ミリリットルを採り、10日前後で、精神遅滞やさまざまな体の異常が生じるダウン症(21トリソミー)と13トリソミー、18トリソミーの有無を判定するといいます。

 高齢妊娠だけではなく、現在は対象外の「体外受精者」も対象にしています。

 2013年12月15日(日)

 

■高校生の65パーセント、視力1・0未満 学校保健調査

 裸眼視力1・0未満の高校生の割合が65・8パーセントに上ることが13日、文部科学省の2013年度学校保健統計調査でわかりました。前年度より1・3ポイント上昇して初めて65パーセントを突破し、現在の形で調査するようになった1979年以来最多となりました。

 小学生の割合30・5パーセントと中学生の割合52・8パーセントも、過去最高だった前年度に次ぐ高水準でした。文科省は、「科学的に立証されているわけではないが、パソコンやゲームに加え、スマートフォン(スマホ)の影響が考えられる。周囲との明暗差が大きい小さな画面を長時間見て目に負担がかかっているのではないか」としています。

 調査は全国の5~17歳の約335万人(全体の23・7パーセント)を抽出し、今年4~6月に実施しました。

 裸眼視力0・3未満は小学生8・4パーセント、中学生25・2パーセント、高校生33・4パーセントで、いずれも過去最高だった前年度をわずかに下回りました。

 眼鏡やコンタクトレンズを使っている割合は小学生が9・0パーセント、中学生が26・9パーセント、高校生が37・8パーセント。いずれも使っていない子供のうち、どちらかの目が黒板の字が見えにくい視力0・7未満は小学生が12・2パーセント、中学生が16・9パーセント、高校生が19・2パーセントでした。

 調査結果について、北九州市立総合療育センターの高橋広眼科部長は「パソコンやスマホの画面を長時間近くで見ていると、近視になりやすい」と指摘。「裸眼視力は今後も低下する」とみており、「視力が悪化した場合は早めに眼科医を受診してほしい」と話しています。

 一方、虫歯がある割合は全学校段階で前年度より低下しました。ぜんそくの割合は中学校で過去最高の3・2パーセントと、前年度比0・3ポイント上昇。文科省は、ハウスダストやペットの毛などの影響を指摘しています。

 2013年12月14日(土)

 

■難病患者医療費、自己負担2、3万円に引き下げ 厚労省最終案 

 難病患者への医療費助成制度を見直している厚生労働省が、当初の見直し案で月額最高4万4400円としていた重症患者の自己負担額の上限を、患者の重症度や医療費に応じて2つに区分し、それぞれ2万円と3万円程度に引き下げる修正案をまとめたことが11日、わかりました。

 このほか、筋委縮性側索硬化症(ALS)などで人工呼吸器をつけた極めて重症の患者については、所得にかかわらず自己負担額を月額最高1000円とします。

 当初の見直し案に患者団体などから「負担が重すぎる」と反発する声が上がったため、修正しました。13日に開かれる同省の難病対策委員会に提示し、2014年の通常国会に法案を提出。2015年1月から実施する方針。

 修正案は、障害者を対象とした自立支援医療制度を参考に、所得に応じた負担額を設定します。

 重症度分類で重度とされたり高額医療費がかかったりする患者は、自己負担額を月額2500~2万円とします。

 重症度が中程度で医療費が比較的かからない患者は、月額2500~3万円程度とします。重症度や医療費の基準は、新設する第三者委員会で決めます。

 厚労省は難病を現行のスモン、プリオン病、重症急性膵炎など56疾患78万人から、関節リウマチ、ギラン・バレー症候群、潰瘍性大腸炎など約300疾患100万人超に拡大し、現在医療費が無料となっている重症患者を含め一定の負担を求める方針。

 医療費の自己負担割合を3割から2割に下げた上で、所得に応じて最高で月額4万4400円を上限とする自己負担額を10月に提示していました。

 2013年12月13日(金)

 

■毎日のドリップコーヒー、肝臓機能改善に有効 大阪市立大が研究

 大阪市立大の研究チームは11日、毎日1杯以上のドリップコーヒーの摂取が、肝炎や肝硬変といったC型慢性肝疾患の患者の肝臓機能を改善させる効果があることを確認したと発表しました。

 日本における肝臓がんの主要原因はC型肝炎ウイルスの感染で、その感染者は約200万人といわれており、肝臓がんの約80パーセントがC型慢性肝疾患の患者から生じているとされています。

 臨床の現場では、肝機能の指標として血清中のアラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)という酵素量の値が用いられており、その値が高いと肝細胞が壊れて肝臓がんを発症するリスクが高いといわれてきました。これまでの研究では、検診受診者においてコーヒーの摂取がALT値を低下させる効果があることが示唆されていましたが、C型慢性肝疾患の患者においても同様の効果があるかははっきりとはわかっていませんでした。

 そこで研究チームでは、大阪市立大病院を受診した20~80歳代のC型慢性肝疾患の患者376人を対象に、調査開始時のコーヒー摂取状況が1年後にALT値にどのような影響を及ぼすのかの検討を行いました。

 その結果、調査開始時にALT値が正常値であった人のうち、1日1杯以上のドリップコーヒーを摂取していた人では、全く摂取していなかった人と比べて、1年後のALT値も正常を維持している人が多いことが確認されました。

 また、調査開始時にALT値が高値であった人でも、1日1杯以上のドリップコーヒーを摂取していた人では、1年後のALT値が減少している人が多くなっていることが確認されました。

 ドリップコーヒーの摂取量が多い人ほど、1年後のALT値の正常維持や、1年後のALT値の減少の効果が上がっていました。

 ただし、缶コーヒーやインスタントコーヒー、カフェインが入っていないコーヒーを摂取していた人は、効果があまりありませんでした。

 今回の結果を受けて研究チームでは、1日1杯以上のドリップコーヒーの摂取が、副作用などの問題からインターフェロン治療が行えない患者に対しても、ALT値の安定化に有効な生活習慣の方法として推奨できるとし、結果として肝硬変への移行を減らしたり、肝臓がんの発生を予防する効果も期待できるようになるとしています。

 研究チームの佐々木八千代准教授(老年看護学)は、「肝炎は10~20年で肝硬変に移行するとされており、さらに長期的な調査をしたい」と話しました。これまでに、同じ研究チームの大藤さとこ講師(公衆衛生学)がコーヒーに肝臓がんの発生を抑える効果があるとの研究成果を発表していました。

 研究成果は11日付で、米オンライン科学誌プロスワンに掲載されました。

 2013年12月12日(木)

 

■新たな温室効果ガス、合成化学物質PFTBAを確認 トロント大学研究

 化学物質のパーフルオロトリブチルアミン(Perfluorotributylamine:PFTBA)が、これまでに温室効果ガスであると確認されているいずれの化学物質よりも、地球温暖化に多大な影響を及ぼす可能性があるとの研究結果が10日、カナダの化学者らにより発表されました。

 カナダのトロント大学の研究者らは声明で、「PFTBAは温室効果ガスとして現在までに確認されている化学物質の中で最も放射効率が高く、気候変動に非常に大きな影響を及ぼす可能性がある」と述べました。

 合成化学物質であるPFTBAは、20世紀の中頃から電気・電子機器に使用されており、現在も電子検査で使われたり、熱伝導剤として使われています。

 PFTBAが気候変動に影響を及ぼすことが確認されたのは今回が初めてで、トロント大学の化学者らによると、下層大気中にあるこの合成化学物質を破壊したり、除去したりするための方法はまだ確立されていないといいます。

 同大学の研究者であるコーラ・ヤング氏は、「非常に長く大気中に存在し、その期間は数百年に及ぶ可能性もある」と述べています。

 また、同大学の別の研究者によると、「100年以上の時間枠で計算すると、PFTBAの分子1個は二酸化炭素(CO2)の分子7100個が気候変動に及ぼす影響力に等しいことがわかった」といいます。

 研究結果は、米国地球物理学連合の発行する速報論文誌「ジオフィジカル・リサーチ・レターズ」の電子版で発表されました。

 温室効果ガスは、大気圏にあって、地表から放射された赤外線の一部を吸収することにより、温室効果をもたらす気体の総称。対流圏オゾン、二酸化炭素 (CO2)、メタン (CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類 (HFCs)、パーフルオロカーボン類 (PFCs)、六フッ化硫黄 (SF6) などが該当します。近年、大気中の濃度を増しているものもあり、地球温暖化の主な原因とされています。

 2013年12月11日(水)

 

■恐怖の体験、精子を介して子孫に受け継がれる 米研究チーム発表

 身の危険を感じるなどの体験は遺伝子(DNA)に変化を引き起こし、次の世代に受け継がれることがあるという研究報告をアメリカの研究チームが発表しました。

 アメリカのエモリー大学の研究チームは、オスのマウスにサクランボに似たにおいをかがせながら足に電気ショックを与え、このにおいを恐れるように訓練しました。

 そして、このマウスをメスのマウスとつがいにして交配させ、生まれた子供のマウスにさまざまなにおいをかがせたところ、子供のマウスは電気ショックは与えていないのに、父親のマウスが恐怖を感じたサクランボに似たにおいの時だけ、強くおびえるしぐさをみせました。孫の世代でも、同様の反応が得られました。

 父親のマウスと子孫のマウスの精子の遺伝子を調べると、嗅覚(きゅうかく)を制御する遺伝子に変化の跡があり、脳の嗅覚神経細胞の集まりが大きく発達していました。これらの変化が親の「教育」によるものでないことを確かめるため、父親のマウスから精子を採取し、人工授精で子を育ててその脳を調べると、同様の変化が認められました。

 研究チームでは、「個体の特定の体験は遺伝子に変化を引き起こし、生殖細胞などを通じて後の世代に受け継がれる現象が明らかになった」、「こうした現象の研究を進めれば、さまざまな恐怖症やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの解明につながる可能性がある」としています。

 研究報告は、科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表されました。

 2013年12月10日(火)

 

■15歳未満の男児提供の臓器移植、4人への手術が無事終了

 長崎県大村市にある国立病院機構長崎医療センターで脳死と判定された10歳代前半の男児から提供された心臓や肝臓などの臓器は、全国4カ所の病院に運ばれて患者に移植する手術が行われ、7日夜までにすべての手術が無事終了しました。

 3年前に改正臓器移植法が施行されて以降、15歳未満の子供から臓器が提供されたのは、これで4人目です。

 日本臓器移植ネットワークによると、男児は11月29日に長崎医療センターで、事故による心停止で低酸素脳症となり、回復が難しい状態と判断されました。5日、脳死とされ得る状態となりました。その後、男児の両親と祖父母がコーディネーターから約1時間説明を受け、男児が「看護師になりたい」「人を助けたい」と話していたことから、脳死下での臓器提供を承諾しました。

 また、長崎医療センターは児童相談所と警察に確認した上で、院内の委員会で「虐待の疑いはなかった」と判断。7日早朝に臓器が摘出され、全国各地の病院で移植手術が行われることになりました。

 このうち心臓は、岡山大学病院で拡張型心筋症という重い心臓病の10歳代の女児に移植されました。

 岡山大学病院での心臓移植は初めてで、術後に記者会見した執刀医の佐野俊二教授は「中四国の人に岡山でも心臓移植ができると知ってもらえれば意義は大きい」と話しました。

 同病院によると、女児は3年近く移植を待っていたということで、提供された心臓の状態はよく、今後、3カ月ほど様子をみて経過がよければ退院できるということです。

 また、肝臓は名古屋大学附属病院で40歳代の重い肝臓病の男性に、すい臓と片方の腎臓は大阪大学附属病院で40歳代の糖尿病性腎症の男性に、もう片方の腎臓は長崎大学病院で40歳代の慢性糸球体腎炎の男性にそれぞれ移植する手術が行われ、7日午後10時半すぎまでにすべて終了しました。

 2013年12月8日(日)

 

■肌トラブル多発で通販化粧品を販売中止 第一三共ヘルスケア

 製薬会社の第一三共の子会社「第一三共ヘルスケア」(東京都中央区)は5日、通信販売専用のスキンケア化粧品「ダーマエナジー」シリーズの利用者に肌のはれやかゆみなどを訴えるトラブルが頻発したため、飲料を除く同シリーズの販売をすべて中止すると発表しました。

 同シリーズは、中高年層を対象に「肌のハリや潤いを保つ」とうたったエイジングケア化粧品で、メーク落としや洗顔料、化粧水、美容液など8種類あります。昨年7月に通信販売限定で発売し、これまでに計約13万7000個売れました。ビタミンAの一種レチノールなどを高濃度で配合し、乾燥による小じわやたるみなどを抑える効果があるとしていました。

 発売直後から、使った人から同社に、肌にかゆみを感じたり、赤みやはれが出たりといった苦情が寄せられていました。このため、今年9月から一部の商品のレチノールの量を減らすなどしましたが、苦情は減りませんでした。

 販売を中止した商品は、ジェリーオイルクレンジング、クリーミーウォッシュフォーム、モイストリフトローション、モイストリフトローション2、エッセンスパーフェクション、エッセンスパーフェクションM、モイストリフトクリーム、トライアルセット(4種類の商品のセット販売)。

 症状を訴え、医療機関を受診した人は270人以上に上るといいます。

 同社は「重篤な症状が報告されていないため製品の回収はしない」と説明、販売中止とともに、返品や返金に応じます。肌に異常があった人には、医療機関の受診を勧め、治療費を負担します。

 同社によると、大半の人は化粧品の使用をやめると、2~3週間で肌の症状が治るといいます。

 問い合わせは、同社お客様サービスセンター(0120・13・2844)へ。

 ちなみに、高濃度のレチノールを使用すると肌の新陳代謝が上がり、かゆみや赤み、場合によっては皮膚の皮がむけるといった症状が出やすくなります。東京大学形成外科の吉村浩太郎・講師の施術でレチノール治療が脚光を浴び、現在も専門医の元、レチノールと漂白クリームによってシミの改善を図ろうとする治療がなされていますが、途中のこのプロセスに耐え切れず中断する患者もいます。
 
 第一三共ヘルスケアでは、こうしたプロセスを経て肌再生を図ろうとした製品を提供したと見なされますが、一般消費者向けの化粧品としては難しいものだったといえます。

 2013年12月7日(土)

 

■カバノキ科花粉症の人、豆乳アレルギーに注意を 国民生活センター

 シラカンバ、ハンノキなどカバノキ科の花粉症の人が豆乳を飲むと、唇のはれやのどのかゆみなどのアレルギー症状が起きる可能性があるとして、国民生活センターは5日、注意を呼び掛けました。

 同センターには、豆乳や豆乳飲料を飲んで、「じんましんなどのアレルギーが起きた」「目の周りが赤くなりひどくはれた」「顔が真っ赤になり、呼吸困難になった」という相談が2008年度からの約5年間で計15件寄せられました。

 大豆の食物アレルギーは、大豆を原材料とした豆腐や納豆などの食品を食べたことにより発症する症例と、 主にカバノキ科花粉症の人が豆乳などを摂取した際に発症する口腔アレルギー症候群が知られています。近年、春に花粉が飛散し、鼻水などの症状が出るカバノキ科花粉症の増加に伴い、後者の症例が増加しているとされています。

 国民生活センターによると、大豆にはカバノキ科の花粉に含まれるアレルゲンとよく似た物質が含まれており、カバノキ科花粉症の人は発症する可能性が比較的高いといいます。中でも成人女性に起きることが多いといいます。

 豆乳は液体で多量に摂取しやすく、大豆からの加工の程度も低いため、アレルギー症状が起こりやすいとみられます。

 日本豆乳協会の資料によると、健康志向の高まりから豆乳の生産量は増えています。2008年に16・3万キロリットルだったのが、2012年には25・6万キロリットルに増えたといいます。

 2013年12月6日(金)

 

■「寝ている間に勝手にダイエット」サプリ根拠なし 消費者庁、製造販売会社を処分

 東京にある健康食品の製造販売会社が「寝ている間に勝手にダイエット」などと表示して、販売していた人気のサプリメントについて、消費者庁は5日、効果が出る根拠はないとして表示を取りやめるよう命じました。

 この商品はおよそ2年の間に154万箱が販売され、売り上げは50億円ほどに上るということです。

 命令を受けたのは、東京都渋谷区にある健康食品の製造販売会社「コマースゲート」。

 消費者庁によりますと、この会社は今年4月ごろまでのおよそ1年半の間、「夜スリムトマ美ちゃん パワーアップ版」というトマト成分を含む粒状のサプリメントを販売する際、インターネットのホームページや新聞の折り込みチラシ、雑誌の広告欄などに「寝ている間に勝手にダイエット」「寝る前に飲むだけで努力なし!?」「満足度97パーセント」などと記載し、飲めば運動や食事制限なしでやせられるとしていました。

 また、チラシなどには、体重が90キロ余りあったという女性がサプリメントを飲んだらやせたとする体験談も、写真とともに掲載していました。

 こうした表示について、消費者庁は裏付けとなる根拠を示すよう会社側に求めましたが、十分な根拠は示されなかったということです。

 このため、消費者庁は消費者に誤解を与えるとして、景品表示法に基づき、こうした表示を取りやめるよう命令しました。

 命令について、販売元のコマースゲートは「厳粛に受け止め、再発防止に向けて取り組んでいきたい」と話しています。

 こうしたサプリメントなどの健康食品に関して、全国の消費生活センターに寄せられる相談は、この3年ほどの間に急増しています。

 国民生活センターによりますと、相談は11月末までの8カ月ほどの間におよそ3万7000件寄せられ、前の1年間に寄せられた2万8000件をすでに上回っています。

 相談の多くは、注文していない健康食品を送りつけられて支払いを迫られたなどというケースで、「品質や機能に納得がいかない」という相談も1200件余り寄せられ、「サプリメントを飲んで体調を崩した」などという健康被害の訴えも毎年500件余り寄せられているということです。

 こうした健康食品の不当な表示を巡り、消費者庁はこれまでに3件の処分を行ってきました。最近では今年9月、「1粒飲めばやせる」などとホームページなどに表示して、サプリメントを販売していた東京の会社に対し、表示した効果が出る根拠がなかったとして、再発防止を命じています。一昨年の11月にも、やせる効果をうたって健康食品を販売した東京都内の2つの会社を行政処分しています。

 こうした健康食品の不当な表示は、インターネット上で行われることが多いため、消費者庁は日ごろ、職員数人でネット上のパトロールを実施。問題がある広告については業者に改善要請を行っており、これまでにおよそ1500社に要請を行ったということです。

 消費者庁食品表示対策室の田中健一郎さんは、「健康志向の高まりでニーズが高くなったことが誇大な表現につながっていると考えている。ネット広告はコストがかからないので問題が後を絶たず、常に監視していくことが重要だと考えている」と話しています。

 2013年12月5日(木)

 

■レーシック手術、消費者庁が注意喚起 被害情報5年で80件

 近視矯正のレーシック手術による目の痛みなどのトラブルが、過去5年間で80件報告されていると、消費者庁が4日発表しました。レーシック手術を受ける前にリスクを十分に理解するよう、同庁は呼び掛けています。

 消費者庁が国民生活センターと連携して運用する「事故情報データバンク」には、レーシック手術に関する被害情報が2009年度以降、毎年10件以上寄せられているとのことです。累計80件のうち7件は消費者安全法の重大事故等として公表されています。

 被害の自覚症状は、矯正のしすぎによる遠視が最も多く約3割を占め、ほかに乱視、光をまぶしく感じる、ドライアイ、目の痛みなど。遠視が原因の頭痛や吐き気などの体調不良も、報告されています。また、直接的な因果関係は不明ですが、失明した例も1件ありました。

 重大な被害例としては、「手術直後から2カ月間、目の表面に激しい痛みがあり、寝たきりの状態になった」(40歳代女性)、「レーシックによる角膜の削り過ぎで遠視にされ、目の周りの筋肉が常時痛む」(30歳代男性)、「ドライアイで1時間に数回は目薬が必要になった」などがあるとのことです。

 また、レーシック手術経験者600人を対象に消費者庁が今年11月に実施したアンケート調査によると、「希望した視力になった」人が74・3パーセント、「視力に問題があった」人が23パーセント、「手術後に視力以外の症状や不具合が生じた」人は43・2パーセントでした。

 同庁は、手術前に合併症などについての医療機関からの説明を十分受けなかったとみられる例があり、インターネットでは景品表示法などに抵触する広告も散見されるとしています。

 レーシック手術とは、角膜の表面を薄くめくり、下の層に特殊なレーザーを照射して削った後に表面を戻し、近視や乱視を矯正する手術。

 2013年12月4日(水)

 

■ノロウイルスなどの患者増加 千葉県の小学校では200人集団感染

 冬に多いノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者が増えており、年末にかけて流行がピークを迎えるとみられることから、国立感染症研究所では調理や食事の前の手洗いを徹底するよう注意を呼び掛けています。

 国立感染症研究所によりますと、全国およそ3000の小児科から報告されるノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者数は、11月18日から24日までの最新の1週間に1カ所当たり6・62人となっており、前の週より16パーセント増加しました。

 都道府県別では、宮崎県が17・50人と最も多く、熊本県が11・66人、富山県が11・55人、埼玉県が10・80人となっています。

 ノロウイルスは患者が吐いた物や便などに含まれ、人の手などを介して口から感染するウイルスで、感染力が非常に強く激しい嘔吐や下痢を引き起こします。

 このため、せっけんを使った手洗いを徹底することや、吐いた物や便を処理する際はマスクや手袋をしてぞうきんなどで拭き取った上で、塩素系の消毒剤で消毒する必要があります。

 国立感染症研究所の片山和彦室長は、「集団感染も相次いでいて、年末にかけて流行のピークを迎えるとみられる。わずかな量のウイルスでも感染するので、特に調理や食事の前などは手洗いを徹底してほしい」と話しています。

 一方、千葉県市川市の小学校で、児童と職員合わせておよそ200人が吐き気や発熱などの症状を訴え、保健所ではノロウイルスによる集団感染とみて校内を消毒するとともに、学校や医療機関などに対して予防策を徹底するよう呼び掛けています。

 市川市によりますと、市立中山小学校で、11月28日から12月2日までに、児童201人と職員3人が発熱やおう吐などの症状を訴え、学校を欠席するなどしました。

 児童のほとんどは症状が軽く、いずれも快方に向かっているということで、念のために入院した2人も3日現在は退院しているということです。

 保健所が検査したところ、児童30人と職員1人からノロウイルスが検出され、千葉県ではノロウイルスによる集団感染とみて感染経路などを調べています。

 中山小学校では、感染の拡大を防ぐため、給食の調理施設や教室、トイレなど校内を消毒するとともに、2日は臨時休校の措置を取り、3日は午前中のみの授業にしています。4日以降は少なくとも3日間、給食を実施しないことにしています。

 毎年12月から2月ごろにかけて、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎が多く発生するため、千葉県は学校や医療機関などに対して、衛生管理や手洗いなど予防策を徹底するよう呼び掛けています。

 2013年12月3日(火)

 

「しずく形」人工乳房も保険対象 乳房再建の選択肢広がる

 米国系医薬品メーカーのアラガン・ジャパン(東京都渋谷区)は2日、乳がんの全摘出手術後に入れる「しずく形」の人工乳房が公的医療保険の対象になったと発表しました。

 今年7月に「丸形」が認められましたが、患者や医療現場から、中身のシリコーンが柔らかいため形が不自然になりやすく、漏れやすい欠点が指摘され、より自然で、自費診療でも広く使われるしずく形の早期承認を求める声が上がっていました。

 保険適用されたのは、アラガン社のしずく形人工乳房「ナトレル410ブレスト・インプラント」。実際の乳房に近い下膨れの形を作りやすく、中身のシリコーンの弾力も増しているため漏れにくくなっています。価格は丸形と同じ6万9400円。

 同社によると、日本で乳がんと診断される人は年約6万人で、うち2万人が全摘出手術を受けます。保険が利用できると、患者は原則3割の自己負担で済み、支払う医療費の上限を設けた高額医療費制度も利用できます。

 7月に丸形が初めて保険適用されるまで、人工乳房を使った再建手術は全額自費で、公的医療保険が適用されていたのは背中や腹部の筋肉や脂肪など、自分の体の他の部分(自家組織)を移植する方法だけでした。

 しずく形人工乳房は来年1月8日から販売されますが、手術も含めて100万円程度だった費用負担は、5分の1程度になります。

 患者負担が大幅に軽減されるとともに、乳房の全摘出で受ける喪失感を補う選択肢の一つが、多くの女性に開かれたこととなります。

 2013年12月2日(月)

 

■がんや糖尿病のリスク、唾液遺伝子で解析 東大系ベンチャーが開始、4万9800円

 唾液に含まれる遺伝子を調べ、病気の発症リスクや体質など200項目以上を判定する本格的な個人向け遺伝子検査ビジネスを、東京大学系のベンチャー企業が来年1月から始めます。

 検査項目は、糖尿病や肺がん、高血圧、心臓病、アルツハイマー病など生活習慣の見直しで予防できる病気に限定します。ただ、遺伝子検査の信頼性はまだ不十分で、慎重な対応を求める声も出ています。

 事業を始めるのは、東大出身の研究者らが立ち上げた「ジーンクエスト」。唾液に含まれる遺伝子配列のわずかな違い(SNP)25万カ所を解析し、がんや高血圧などの発症リスクや、薄毛や近視といった体質など約200項目を判定し、効果的なダイエット法、健康的な食事などのヒントを提案します。

 東大の徳永勝士教授(人類遺伝学)らを技術顧問に迎え、日本人や東アジア人を対象とした研究論文から信頼できるものを選び、解析の根拠とします。費用は4万9800円で、申し込んで届いた遺伝子解析キットを返送すると、結果は約1カ月後にネットにアクセスして知ることができる仕組み。

 しかし、遺伝子解析については、病気の予防につながるとの期待がある一方、検査方法の信頼性や医師を介さない販売方法を疑問視する声も出ています。米食品医薬品局(FDA)は11月下旬、米の最大手「23アンドミー」(本社・カリフォルニア州)に対して、糖尿病など約120の病気のリスクを判定する遺伝子検査に対して、結果に誤りがあった場合に利用者が不必要な治療を受けかねないとして、中止するよう警告したばかりです。

 ジーンクエスト社もこの点に配慮して、遺伝性乳がんのように、誤判定で乳房の予防切除につながる心配のある病気は対象にしません。また、利用者が結果を確定診断と誤解しないよう、検査結果の信頼度は星の数で、リスクは数字ではなく矢印の向きで示すよう検討します。

 北里大の高田史男教授(臨床遺伝医学)は、「病気の発症リスクは、環境要因にも大きく左右される。解析結果をネットで説明すれば、利用者は発症リスクなどの結果を誤解しかねない。また、リスクを知っても、その悩みに適切に応える業界の体制は未整備で、慎重に進めるべきだ」と話しています。 

 2013年12月1日(日)

 

■インフルエンザ、流行の兆し 今季初めて1週間で患者1000人を超える

 インフルエンザの患者数が増え始めています。国立感染症研究所によると、全国5000カ所の定点医療機関である小児科と内科から報告された患者数は5週連続で増え、11月18日から24日までの最新の1週間では1319人と、今季初めて1週間で1000人を超えました。

 インフルの流行期は例年12月から3月ごろで、厚生労働省は流行前の予防接種や日常的な手洗いを呼び掛けています。

 首都圏でも患者が増加し、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の4都県では306人と前週から倍増しました。滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の近畿6府県では85人と前週から8人増えました。九州地方と山口県では前週の約3倍の161人が報告されました。

 全国では北海道が1医療機関当たり1・29人で、流行開始レベル(1人)を超えました。次いで沖縄県、佐賀県、岩手県、岐阜県の順で多く、35都道府県で前週より増えています。

 学級閉鎖も出始めており、休校や学年閉鎖、学級閉鎖をした保育所や小中高校も、4都県で前週の3施設から10施設に増えました。近畿6府県では、前週は報告がなかったものの、6施設ありました。

 東京都足立区の和田小児科医院では、子供を連れた母親らが予防接種に訪れており、一緒に接種を受ける母親もいます。ワクチンは接種から効果が出るまでに2週間ほどかかるため、東京都医師会予防接種委員長も務める和田紀之院長は「流行する前の今の時期にうっておいてほしい」と話しています。 

 ただし、ワクチンはインフルエンザにかかった時の重症化防止に有効なものの、感染そのものは防げないとされています。このため、予防接種を受けても、外出後の手洗い、うがいなど日常の予防対策は欠かせません。手洗いは手や指などに付着したインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、うがいは口の中を洗浄にします。

 一方、厚生労働省は、抗インフルエンザ薬「リレンザ」の有効期限を、従来の7年から10年に延長することを認める通知を、25日付で都道府県などに出しました。

 新型インフルエンザ対策用に国や都道府県が備蓄できる期間が長くなります。

 製造販売元のグラクソ・スミスクライン社が、適切に保管すれば10年間は品質に問題はないとの試験結果を厚労省に報告したことを踏まえました。新たな出荷分だけでなく、現在の備蓄分も期限延長が認められます。

 厚労省によると、備蓄されているリレンザは計905万人分あり、うち国による備蓄分59・5万人分が今年度中に期限切れになる見込みでした。この分の買い替えが不要になれば、14・5億円を節減できるといいます。

 2013年11月30日(土)

 

■輸血患者の2人目、HIV感染なし 献血検査すり抜け問題

 エイズウイルス(HIV)に感染した献血者の血液が日本赤十字社の安全検査をすり抜けて輸血された問題で、厚生労働省は29日、2カ所の医療機関で輸血を受けた患者2人のうち、調査中だった1人は80歳代の女性で感染していなかったと発表しました。

 もう1人の60歳代の男性は、10月に消化器の手術で輸血を受けてHIVに感染したことが判明しています。

 厚労省と日赤によると、80歳代の女性は29日、HIVに対する抗体があるかどうかを調べる検査と、遺伝子を増幅させてウイルスの有無を調べる高感度検査を受け、いずれも陰性の結果が出ました。女性は2月、骨折で手術を受けた際にHIV感染の赤血球製剤を約280ミリリットル輸血されました。

 日赤は、赤血球製剤からはHIVが存在する血漿(けっしょう)の90パーセントが除去されているため、感染しなかったとみています。

 献血を巡っては、40歳代男性が2月に献血したHIV感染の血液が日赤の検査をすり抜けました。男性が11月に再び献血した際、日赤の検査でHIV感染が判明し、日赤が保管していた2月の献血血液を精度の高い方法で調べ直したところ、HIVが確認されました。 

 献血した男性は、2月の献血の2週間ほど前に男性間の性的接触があったものの、問診に対して事実と異なる申告をしていました。HIVの検査目的に献血をしたとみられます。

 一方、厚生労働省のエイズ動向委員会(委員長・岩本愛吉東京大医科学研究所教授)は27日、献血時の検査でエイズウイルス(HIV)感染が判明したのが今年1~9月に55人だったと発表しました。

 献血者10万人当たりでは1・407人。いずれも前年同期とほぼ同水準ですが、検査目的での献血者も含まれているとみており、岩本委員長は「保健所での無料検査などを利用してほしい」と訴えました。

 27日開かれた動向委の会合では、委員から「市販の検査キットで陽性だった人が医療機関に相談しやすい仕組みを作るべきだ」「保健所だけでなく、検査の選択肢を増やすべきだ」などの意見が出ました。

 また、今年7月1日~9月29日の約3カ月に、新たに報告のあったHIV感染者は261人(前年同期は273人)、エイズ発症患者は108人(前年同期は111人)。HIV感染者とエイズ発症患者の累計は今年9月29日時点で、2万2568人となりました。

 2013年11月29日(金)

 

■糖尿病患者の腎機能、採血1回で正確に評価 大阪市立大のチーム

 糖尿病患者について、血液をきれいにする腎臓の能力がどれだけあるか、正確かつ簡単に調べる方法を開発したと、大阪市立大大学院医学研究科のチームが25日、発表しました。腎臓病を早期に見付け、適切な時期に透析を始められるようにするのに役立つ成果だといいます。

 腎臓は血中に含まれる老廃物などをこしとり、尿にして体外に排出します。腎機能を調べるには、絶食した上で2回の採血と1回の採尿を繰り返す方法がありますが、入院の必要があり手間もかかります。1回の採血で血中に含まれるタンパク質の濃度を測り、腎臓の機能を推計する方法があるものの、糖尿病患者だと推計値が実際より高めになり、正確に測れませんでした。

 大阪市立大の石村栄治准教授らは、糖尿病の人とそうでない人の計80人について、腎機能と血圧や血糖値などの関係を調べました。その結果、糖分がくっついた特定のタンパク質であるヘモグロビンA1Cが血中に多い人ほど、腎機能の推計値が実際より高めに出ることがわかりました。このタンパク質の量を考慮すれば、実際の腎臓の機能を従来より正確に見積もれました。

 糖尿病薬を含む多くの薬剤は、腎機能に応じた投薬(通常減量)が必要ですが、腎機能を正確に評価することで、適切な投薬加療が可能になり、無用な低血糖、薬の副作用などの防止ができるだけでなく、心血管疾患の発症や造影剤腎症に対して、より適切な予防が可能になります。

 研究成果は、米国糖尿病学会が発行する医学誌「糖尿病治療(Diabetes Care)」の電子版に掲載されました。

 2013年11月29日(金)

 

■米FDA、遺伝子解析中止を警告 誤判定でリスク

 米食品医薬品局(FDA)は26日までに、個人向け遺伝子解析の米国最大手「23アンドミー」(本社・カリフォルニア州)に対して、糖尿病など約120の病気のリスクを判定する遺伝子解析サービスを中止するよう警告したことを明らかにしました。

 世界で50カ国以上、日本人を含め40万人以上が利用していますが、判定結果に誤りがあった場合、不適切な治療を受けるなど利用者に不利益があると判断しました。

 FDAは22日付で警告書を送付し、「臨床的な検証データが提出されていない」と指摘した上で、承認まで直ちに中止するよう求めました。乳がんを例に挙げ、リスクの判定が間違っていれば、必要のない手術を受けたり、本来のリスクが見過ごされたりする心配があると警告しました。

 23アンドミーは、「懸念に応えるよう最善を尽くす」とのコメントを出しました。

 同社はIT大手グーグルの共同設立者らが出資して、2007年以降、一般の人から唾液を入れた遺伝子検査キットを送ってもらい、唾液に含まれるDNA配列のわずかな違い(SNP)を分析し、糖尿病や乳がん、心臓病、アルツハイマー病など約120の病気のほか、目の色や筋肉のタイプなど計250項目を判定しています。直接オンラインで申し込め、99ドルで利用可能。

 同社は9月、この技術を応用して、「青い目で足が速く、乳がんになるリスクが低い」といった親が望む特徴の赤ちゃんを作るデザイナーベビーにつながる手法で特許を取得し、各国の研究者が「倫理的に問題」などと批判していました。

 遺伝子解析についても、病気の予防につながるとの期待がある一方、検査方法の信頼性や医師を介さない販売方法を疑問視する声も出ていました。

 2013年11月28日(木)

 

■ノロウイルス、流行の兆し 九州を中心に全国的に増加傾向

 ノロウイルスなど感染性胃腸炎が流行の兆しをみせています。国立感染症研究所によると、全国3000カ所の小児科で確認された患者は先月下旬ごろから増え始め、11月11日から17日の最新の1週間で1カ所当たり平均5・74人で、前の週から4割増えました。

 例年、年末にかけてピークとなるため、専門家は手洗いなど予防を呼び掛けています。

 感染研によると、大流行した昨年に比べると少ないものの、宮崎県17・00人、熊本県10・72人、福岡県10・21人、大分県9・22人、佐賀県7・61人などの九州地方で特に多く、福井県9・36人、愛媛県8・54人、富山県8・07人、広島県7・61人、兵庫県7・19人、東京都7・08人などと全国的に増える傾向にあります。

 先月は、札幌市内の幼稚園で園児140人と職員6人がノロウイルスによる感染性胃腸炎に集団感染。今月は、埼玉県内の大学の学食で食事をした146人が発症し、横浜市のホテルの宴会場利用者181人が下痢などを訴え、患者からノロウイルスが検出されました。

 ノロウイルスは発症すると吐き気や嘔吐、下痢などを起こし、脱水症状になることもあります。免疫力の低い子供や高齢者は、重症化しやすい傾向にあります。ウイルスは吐いた物や便から広まり、保育園や幼稚園、老人ホームなどでの集団発生が多くみられます。

 感染研ウイルス第二部の片山和彦室長は、「食事や調理の前、トイレの後などにしっかりと手洗いをして予防を徹底してほしい」と話しています。

 2013年11月27日(水)

 

■怒りっぽい人は心臓病再発少ない 日本医科大が研究報告

 気が短かったり、怒りっぽかったりする人は、心筋梗塞など重い心臓病になっても再発しにくいとする研究報告を日本医科大学の研究グループがまとめました。

 怒りを素直に表現できる人は、心臓への負担が軽くなっているのではないかということです。

 この研究を行ったのは日本医科大学の水野杏一名誉教授らの研究グループです。

 グループでは心筋梗塞や心不全など重い心臓病で入院した患者414人を対象に、退院時に怒りっぽい性格かどうかを判定する検査を受けてもらいました。

 この検査は、「他人の間違いで自分が遅れると腹が立つ」など10項目にどの程度当てはまるかを答えるもので、グループでは、その後、2年半にわたって患者を追跡調査しました。

 その結果、怒りっぽい性格だと判定された患者は、そうでない患者に比べ、心臓病を再発するなどして入院したり死亡したりする割合が半分程度だったということです。

 また、「うつ状態」かどうかを判定する別の検査も行ったところ、「うつ状態」の患者は、そうでない患者に比べ、再発などによる入院や死亡の割合が2倍だったこともわかりました。

 「怒り」の感情は、一般に心臓への負担を増やすと考えられているということですが、水野名誉教授は、「怒りの感情を素直に表現できる人はストレスが減り、リスクも低くなるのではないか」と話しています。

 2013年11月27日(水)

 

■HIV感染者の献血を2人に輸血 1人の感染を確認

 エイズウイルス(HIV)に感染した40歳代男性が献血した血液が、患者2人に輸血され、うち60歳代の男性がHIVに感染していたことがわかりました。

 26日に開かれた厚生労働省の専門委員会で、日本赤十字社が報告しました。献血者が感染初期だったため、血液がHIV検査をすり抜けたとみられます。2003年に輸血によるHIV感染が相次いで確認され、2004年に検査を強化して以降、感染者が出たのは初めて。

 日赤は来夏までに、20人分をまとめて検査する手法から、より精度の高い1人ずつの個別検査にし、施設数は8カ所に倍増します。

 厚労省によると、40歳代男性が今月上旬に献血した血液からHIVを検出。このため同じ男性が今年2月に献血し、日赤が保管していた血液を精度の高い方法で調べ直したところ、HIVが検出されました。

 この血液はすでに、2カ所の医療機関で患者2人に輸血されていました。うち消化器の手術で10月に輸血を受けた60歳代男性が、HIVに感染していたことが判明しました。もう1人は医療機関を通じ連絡を取っており、今後、感染の有無を確認します。

 感染した男性に対しては、国の制度で、健康管理の費用として毎月数万円が支払われる見通しです。

 HIV検査では、感染直後などウイルス量が少ない時期は検出できないことがあります。このため、感染の危険性があるかどうかを問診で確認していますが、献血した男性は、今年2月の献血の2週間ほど前に男性間の性的接触があったものの、事実と異なる申告をしていました。HIVの検査目的に献血をしたとみられます。

 検査の結果は、献血者には伝えられません。厚労省は検査目的の献血はせず、保健所などが実施している無料で匿名の検査を受けるよう呼び掛けています。

 血液の検査に詳しい慶應義塾大学の半田誠教授は、「この10年間で検査をすり抜けたのはこの1件だけだが、こうしたことが起きるリスクがあるという認識は必要だと思う。その上で、なぜすり抜けたのか、その経緯を詳しく調べて、新たな検査技術の導入や問診など献血前のスクリーニングの強化が必要かどうかを、検討すべきだと思う」と話しています。

 HIV薬害被害者の花井十伍さんは、「献血者は、輸血による感染という重大な事態が起きることを自覚して、責任を持って献血に臨んで欲しい」と話しています。

 国立国際医療研究センターの岡慎一エイズ治療・研究開発センター長によりますと、HIVに感染した場合の治療法はこの10年で大きく進歩したということです。

 現在は、3種類の抗HIV薬と薬の効き目を高める補助薬を一緒に服用する治療をエイズの発症前に始めることができれば、HIVを体の中から完全になくすことは難しいものの、生涯、発症を防ぐことも可能だということです。また、こうした治療の間、仕事を続けるなど通常の社会生活を送ることもできます。

 一方、治療を始めるのが遅れ、エイズを発症してしまった場合は、その後の治療は難しくなり、免疫が低下して命にかかわる恐れも依然高いということです。

 2013年11月26日(火)

 

■若者のHIV感染者数、10年で約3割増 WHOが発表

 世界保健機関(WHO)は25日、HIVウイルスに感染している若年層の数が過去10年間で33パーセント跳ね上がったと発表しました。

 WHOによると、10歳代のHIVウイルス感染者数は200万人以上に上り、これは2001年比で33パーセントの増加だといいます。

 感染者の多くは、症状を和らげ、他の人への感染を防ぐための治療やサポートを受けておらず、さらに数百万人もの若者層が新たな感染のリスクにさらされているとWHOは警告しています。

 エイズによる被害が世界で最も深刻なアフリカのサハラ以南地域では、HIVウイルスに感染した若者の大半が、時には強いられる形で、何の予防策も講じずに性行為を持った女性たちだとみられています。また、同地域では、母親の胎内もしくは出産時にHIVウイルスに感染した子供たちの多くが青年期を迎えていることも、感染のリスクを増大させる一因となっています。

 一方、アジアでは、HIVウイルスの感染が最も深刻なのは、若い麻薬常用者たちだとされています。

 WHOのHIV/エイズ対策部門の責任者は、「若者たちには彼らに合わせた医療サービスと援助が欠かせないが、成人よりもHIV検査を受けることが少ない上に、症状のケアに努めるよう支援し、継続して治療を受けさせることが難しい」と指摘しました。

 サハラ以南では、15~24歳の若年層で自分が陰性か陽性かのHIVステータスを把握しているのは、男性ではわずか10パーセント、女性では15パーセントにとどまっていると推測されています。

 2013年11月26日(火)

 

■難病重症者、月負担2万円に 厚労省、医療費上限引き下げの意向

 難病の医療費助成で大半の患者が負担増になる見直し案について、厚生労働省は24日、患者の自己負担額を重症者に限って半分程度に引き下げる方針を固めました。

 「負担が重すぎる」と患者団体から批判が相次いだため、修正することにしました。筋委縮性側索硬化症(ALS)などで人工呼吸器をつけた患者には、さらに負担軽減を検討します。

 厚労省は12月上旬の難病対策委員会に最終案を示します。負担圧縮となる重症者の認定基準は、新設する第三者委員会で決めます。

 難病の医療費助成の見直しでは、助成対象をスモン、プリオン病、重症急性膵炎など56疾患の78万人から、関節リウマチ、ギラン・バレー症候群、潰瘍性大腸炎など約300疾患の100万人に増やします。

 見直し案では、自己負担上限額を収入により月4万4400円~0円と6区分にしていました。修正で、高額な医療費が継続してかかる重症者については、年収約570万円以上なら4万4400円から約2万円(現行は外来で1万1550円)へ、月2万4600円は約1万円(同9350円~1万1550円)へ、1万2000円は5000円(同2250円~9350円)へ引き下げる方向。

 年収区分が変更になり単純比較できませんが、現行より負担が軽くなる人もいます。軽症でも負担軽減策を検討します。修正で予算規模は年間数百億円上積みになる見通し。

 これに関連し、田村憲久厚労相は訪問先のソウル市内で記者団に対し、素案で年収に応じ6区分に分けた自己負担上限額について、「上限は自立支援医療制度並みにしていくことで最終調整している」とし、「重度で高額な医療費が長期間続く皆様には、一段の軽減策を示したい」と述べました。

 自立支援医療制度は、障害者の1カ月の医療費負担限度額を2万円〜2500円(生活保護世帯は免除)と定めています。田村厚労相の発言は、これと同様に、難病患者の医療費の負担限度額も最大2万円程度としたい意向を示したものです。

 日本難病・疾病団体協議会の伊藤たてお代表理事は、「重症の定義があいまいで、どの程度負担が軽くなるのかわからず、現時点で評価できない」と話しています。

 2013年11月25日(月)

 

■新型感染症対応で協力、日中韓がソウルで保健相会合

 保健や医学分野の協力について日本、中国、韓国の閣僚らが協議する保健担当相会合が24日、ソウルで開かれました。従来の新型インフルエンザに加え、新型感染症への対応でも協力することで合意、共同声明を採択し、覚書と共同実行計画を締結しました。

 また、3カ国共通の課題である高齢化対策について、経験を共有して協力を模索することで一致しました。

 会合には、日本の田村憲久厚生労働相、中国の国家衛生計画出産委員会の李斌主任(閣僚級)、現在保健福祉相が空席の韓国はイ・ヨンチャン次官が出席しました。

 新型感染症として想定するのは、昨年から中東などで発生し、約70人の死者が出ている中東呼吸器症候群(MERS)のような新興の感染症など。具体策として、患者の状況や治療方法などの情報交換、連絡を取り合うための体制整備、流行を想定した訓練などを柱とする共同行動計画もまとめました。

 高齢化対策については、高齢化による慢性疾患、財政負担の増加に関し、共同の対応が必要との認識で一致し、認知症などの分野で共同研究を検討することで合意しました。

 田村厚労相は共同会見で、「(感染症への)備えをより強固なものにしたい」と述べました。日本と中国、韓国との外交関係が冷え込んでいることについて会見後、「こういうところで信頼関係を結んでいくことは大変重要であろうと思う」と記者団に話しました。

 日中韓の保健担当相会合は2007年、新型インフルエンザ対応のために始まり、今回が6回目。尖閣諸島を巡る問題で日中間の対立が激しくなった昨年は、中国から欠席連絡があり、開催を見送っていました。

 日中、日韓の2国間会談も開きましたが、政治的問題は話題に上らず、友好的な雰囲気だったといいます。

 2013年11月23日(土)

 

■新出生前検査、3500人が実施  54人が人工妊娠中絶

 妊婦の血液を分析して胎児に染色体の病気があるかどうかを判定する新しい出生前検査を受けた妊婦は今年4月からの半年間に全国でおよそ3500人に上り、陽性と判定された67人の妊婦のうち流産などをしなかった54人が、人工妊娠中絶をしたことが産婦人科医などのグループの調査でわかりました。

 新しい出生前検査は妊婦の血液を分析して胎児にダウン症、エドワーズ症候群、パトー症候群の3つの染色体の病気があるかどうかを高い確率で判定できるもので、今年4月から国内でも受けられるようになりました。

 この検査を実施する全国26の病院の産婦人科医などのグループは、22日に開かれた学会のシンポジウムで、今年4月から9月末までの半年間に3514人の妊婦が検査を受け、67人が、胎児に病気がある可能性が高いことを示す「陽性」と判定されたことを明らかにしました。

 このうち羊水検査などで胎児の染色体の異常が確定したのは56人で、うち53人が人工妊娠中絶をしたということです。また、残る3人のうち、2人は流産し、1人は調査時点では妊娠を続けるか、中絶を選択するか決めることができていませんでした。

 これとは別に、出生前検査で陽性と判定され羊水検査による確定診断を受けないまま中絶した妊婦も1人いたということです。

 一方、これらの妊婦に中絶を選択した理由を尋ねたところ、産み育てる自信がないことや家族への負担が大きいこと、将来への不安などを挙げていました。

 妊娠中絶の条件などを定めた母体保護法では、胎児の病気や障害を理由にした中絶は認められていませんが、現場の医師などによりますと母体への悪影響や経済的な理由といった法律の条件を理由に中絶手術が行われているということです。

 2013年11月22日(金)

 

■カプセル飲むだけで大腸がん検査、新型内視鏡が登場 来年1月から保険適用

 「飲むだけ」のカプセル型内視鏡で大腸のがんを探す検査が、来年1月から公的医療保険の対象になります。大腸がんは、がんの死因の上位ですが、「恥ずかしい」などの理由で検診の受診率が低迷しています。受診率アップに一役買うと期待されています。

 藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)では保険適用に先駆けて、11月7日からこの検査を始めています。

 検査では、長さ3・1センチ、直径1・1センチのカプセル型の内視鏡を口から飲み込むと、消化管のぜん動で胃や小腸、大腸と肛門に向かって進みます。2台の小型カメラとLEDライト、バッテリーが内蔵されており、1秒間に最大35枚の画像が撮影でき、データは随時、受診者が肩から提げたレコーダーに送信されます。個人差はあるものの、約10時間あればカプセル型内視鏡は便として排出されます。

 肛門から細長い管を入れる従来の内視鏡検査と比べると、痛みと心理的負担がないことが利点。

 カプセル型内視鏡は、小腸用が2007年に保険適用されています。大腸用は7月に国がイスラエルの医療機器メーカー、ギブン・イメージングが開発したカプセル型内視鏡の製造販売を承認し、厚生労働省の中央社会保険医療協議会が11月6日、来年1月からの保険適用をスピード承認しました。

 カプセル型内視鏡の価格は8万3100円。ここに検査費用が加わり、3割負担なら1回数万円で受けられる見通し。

 ただ、従来の内視鏡と違い、検査中に病変が見付かってもその場で治療できない弱点もあります。精度もやや劣り、2011~12年に国内3施設が行った治験では、66例中4例(6パーセント)で病巣を発見できませんでした。

 厚労省の2012年統計では、大腸がんは女性のがんによる死因の1位、男性も3位と高くなっています。一方、検診の受診率は40歳以上の男女ともに3割未満で、精密検査を受けない人も多いといいます。

 2013年11月21日(木)

 

■カネボウ、また化粧品を自主回収 製品の中身を入れ違え

 カネボウ化粧品(東京都中央区)が、ファンデーションの中身を別の商品と相互に入れ間違えて販売していたことが19日、わかりました。顧客からの問い合わせで発覚しました。

 同社は安全性に問題がないと説明していますが、店頭で回収を始めており、利用者には本来の製品との交換に応じています。

 カネボウは18日にインターネット上で回収を通知しましたが、同社のサイトのトップ画面を見てもわからず、不親切な対応に疑問の声も出そうです。

 今回、回収されるのは「フェアクレア ホワイト UVリクイドファンデーション ベージュ―C」のうち2012年11月に製造された1454個(ロット番号3352)と、子会社のエキップが製造する「RMKリクイドファンデーション102 アルミサンプル」の6万4800個です。両製品は同じ工場で製造しており、生産時の確認ミスが原因で、相互に中身を入れ間違えたといいます。

 今年5月に利用者から「中身が違うのではないか」と指摘されましたが、利用者の手元に製品がなかったため確認できなかったといいます。しかし、9月にも別の利用者から同じ問い合わせがあって調査した結果、今月になって誤りが判明したとしています。

 カネボウの広報担当者は、「販売した数が極めて少なく、健康被害の恐れもないことから、店頭回収でいいと判断した。通知の対応は適切だった」と主張しています。

 カネボウは美白化粧品で肌がまだらに白くなる大規模な健康被害が明らかになったばかりで、今も自主回収を続けています。白斑の被害者は1万6000人を超えますが、うち約3400人は症状が回復したといい、カネボウは被害者に対し、治療費や慰謝料などを支払う意向を表明しています。

 今のところ訴訟に発展しているのは1件のみで、東京都内の女性(41歳)が同社に約4800万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論は18日、東京地裁であり、カネボウ側は自社の化粧品と女性の白斑との因果関係を認めました。ただし、賠償責任がどの程度あるかが不確定だとして、請求棄却を求めました。

 カネボウ側によると、日本皮膚科学会が白斑の発症メカニズムや治療法などについて研究、検討を進めており、その結果を待って具体的に反論するといいます。

 訴状によると、女性は2011年7月、白斑症状の原因とされる美白成分「ロドデノール」を含む化粧品の使用を開始。同9月ごろから顔や首、手に白斑が出始めました。カネボウが自主回収を決めた今年7月まで使用を続けていました。

 2013年11月20日(水)

 

■予防接種費用、自治体で3・6倍から8倍の開き

 法律に基づいて行われている、はしかや風疹など6種類の予防接種で、全国の自治体が医療機関に支払っている1回当たりの接種費用に最大で8倍の開きがあることが、厚生労働省が行った初めての全国調査でわかりました。

 はしかや風疹など12の感染症は、全国で法律に基づく定期の予防接種が行われており、ほとんどの自治体が費用の全額を公費で負担しています。

 予防接種の1回当たりの接種費用について、自治体は地元の医師会や医療機関と個別に交渉して決めていて、ばらつきがあるため、厚生労働省は昨年6月、初めて全国調査を行いました。

 このうち、調査時点で定期接種となっていた8つの感染症の6種類の予防接種を比較すると、全国の自治体の間で3・6倍から8倍の開きがあることがわかりました。最も開きが大きかったのは、65歳以上の高齢者を対象とする季節性のインフルエンザのワクチンで、最も安い自治体は1000円でしたが、最も高い自治体では8000円でした。

 厚労省は、自治体ごとの具体的な金額は明らかにしていません。

 都道府県や政令指定都市の保健衛生の担当者で作る全国衛生部長会の坂元昇副会長は、「自治体ごとにこれほどの差があるとは、正直驚いている。自治体は今後このデータを活用して、医療機関と費用の交渉に臨んでほしい」と話しています。

 予防接種の費用は、ワクチンの仕入れ値に医師の診察料や注射を行う技術料などを加えて算出されます。

 全国衛生部長会によりますと、ワクチンは医療機関や自治体が卸売業者から購入していますが、大量に購入すれば割引きになるなど、条件によって仕入れ値に差が出るということです。

 また、医師の診察料や技術料のほかに「外来管理加算」「乳幼児育児栄養指導料」「生物学的製剤注射加算」「調整額」などがあり、項目によっては計上しない自治体もあるということです。

 このほか、自治体の中には、医療機関と十分に費用の交渉をしないまま、言い値で契約するケースもあり、接種費用にばらつきが出る要因の一つになっているということです。

 一方、予防接種に関する厚生労働省の専門部会は18日、複数回の接種が必要な日本脳炎などのワクチンの接種間隔の条件を緩和することを了承しました。新たなワクチン導入などで過密化している接種スケジュールに配慮しました。

 対象となるのは、国が定期接種の対象として勧奨しているワクチンのうち、日本脳炎、4種混合、インフルエンザ菌b型(ヒブ)、小児肺炎球菌などで、2回目以降の接種が規定の時期より遅れても事実上無料となります。

 定期接種は、接種年齢が決まっており、「6日から28日までの間隔をおいて2回」(日本脳炎)のように接種の間隔が規定されています。

 定期接種の対象ワクチンは費用を自治体が負担するため通常はほとんど無料で受けられますが、この接種間隔が規定より空いてしまった場合、発熱などのやむを得ない場合を除き、自己負担でワクチン接種を受けなくてはなりませんでした。

 専門部会は国内外の症例を検証し、接種間隔が規定よりも長くなっても、有効性や安全性が損なわれることはないと判断。今後、厚労省予防接種・ワクチン分科会に諮り、予防接種法に基づく実施規則などを改正します。

 厚労省は、「ワクチンは治験などで最も適切と考えられる接種期間が規定されている。基本的にはスケジュール通りに接種してほしい」としています。

 2013年11月19日(火)

 

■アレルギーを抑えるタンパク質の特定に成功 千葉大学など

 千葉大学などの研究チームがぜんそくやアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など、アレルギー症状を引き起こすもとになる細胞を抑制する働きを持つタンパク質の特定に成功しました。治療薬の開発につながると期待されています。

 アレルギー症状は「Th2」という免疫反応を調節する細胞が体内で増え、アレルギーを引き起こす物質を大量に分泌することで発症することがわかっています。

 千葉大学大学院医学研究院の中山俊憲教授、理化学研究所、東京大学の研究チームは、さまざまな遺伝子の発現を抑制する「EZH2」と呼ばれるタンパク質に注目し、マウスを使って実験しました。

 その結果、「EZH2」ができないように遺伝子を操作したマウスは、6日後には正常なマウスに比べて、アレルギーを引き起こす物質が2倍から4倍多く分泌されていたということです。また、正常なマウスの血液に「EZH2」ができない細胞を注入したところ、アレルギーの症状が悪化したということです。

 これらのことから、タンパク質の「EZH2」には、アレルギーのもととなる「Th2」細胞が体内にできるのを抑制したり、アレルギーを引き起こす物質を分泌させるのを抑えたりする働きがあることが確認できたということです。

 中山教授は、「今回見付けたタンパク質の機能を強める薬を開発すれば、アレルギー症状を根本的に治療できる可能性があると思う」と話しています。

 2013年11月18日(月)

 

■脳深部の腫瘍摘出法を確立、大阪市立大 再発率が激減

 脳の深い部分に発生した脳腫瘍を摘出するため、耳の後ろの骨を削って切開する手術法を大阪市立大の大畑建治教授(脳神経外科)のチームが確立し、15日付の米医学誌電子版に掲載されました。

 10年後の再発率は15パーセント以下に抑えられ、大畑教授は「安全で再発率の低い手術法として普及させたい」としています。

 市立大によると、国内では年間約2万5000人に脳腫瘍が見付かります。うち約700人は視神経や脳幹に囲まれた脳の最深部に発生する頭蓋咽頭腫で、多くは良性ながら、周囲の神経や組織を圧迫し視力やホルモン分泌に障害をもたらし、腫瘍が大きくなれば失明や認知の低下などが起こる可能性があります。

 また、良性脳腫瘍全般は成人になって発生しますが、頭蓋咽頭腫は小児から成人、老人にまで発生し、全摘出できなければ高率に再発する腫瘍です。

 一般的には、目の間やこめかみ部分を切開して頭蓋咽頭腫を摘出しますが、手術中に視神経や内頸動脈を傷付ける危険性や、全摘出しきれず再発する恐れが40パーセント以上ありました。

 このため、市立大は1985年に耳の後ろの部分の錐体骨を切開し、視神経や動脈の後方から腫瘍を取り出す手法を独自に開発。1999年以降に手術した患者16人のうち、15人で腫瘍がほぼ全摘出でき、10年間の再発率も15パーセント以下でした。

 今回確立された手術法は難易度が極めて高いため、開発者である大阪市立大学以外では、米ハーバード大学でしか行われていません。

 大畑教授は、「この手術法により、多くの患者を助けることが可能になる」としています。

 2013年11月17日(日)

 

■未婚女性の卵子凍結保存の容認を決定 日本生殖医学会が指針

 不妊治療をする夫婦などに限るべきだとされていた卵子の凍結保存について、日本生殖医学会は健康な未婚女性にも認める指針(ガイドライン)を正式に決めました。指針に拘束力はありませんが、年齢など一定のルールを設けることで無秩序に広がるのを防ぎたい考え。

 卵子の凍結保存については、関連する学会が、不妊治療をする夫婦と、がんの治療で卵子に影響を受ける恐れのある患者などに限るとしてきましたが、日本生殖医学会は凍結保存への関心が高まっていることなどを受け、9月に指針案を公表して意見を募り、新たな指針を検討していました。

 15日に神戸市内で開かれた総会で正式に決まった指針では、健康な未婚女性が将来の妊娠に備えて卵子を凍結保存しておくことを認めるとした上で、40歳以上での卵子の凍結保存や、45歳以上での凍結卵子を使った不妊治療は推奨できないなどとしています。

 また、指針では、卵子の凍結保存と妊娠・出産の先送りを推奨するものではないとしました。凍結した卵子は、本人が希望した場合や死亡した際には直ちに破棄し、妊娠可能年齢を過ぎた場合も通知した上で破棄できるとしています。

 さらに、実施する医療機関は、十分な説明のできる常勤の専門医がいることや、安全で確実に保存できる設備があることなどとしています。

 学会の理事長で慶応大学の吉村泰典教授は、「凍結した卵子を使って妊娠できる確率は10パーセント前後であることなど正しい説明ができ、責任を持って保存できることが大切だ」と話しています。

 2013年11月16日(土)

 

■H6N1型鳥インフル、人への感染を初めて確認 台湾の女性

 台湾の衛生当局は、H6N1型と呼ばれる鳥インフルエンザウイルスの人への感染を世界で初めて確認したと発表しました。

 これは台湾の衛生当局がイギリスの医学雑誌に発表したものです。それによりますと、台湾中部に住む20歳代の女性が、今年5月、高熱や息切れなどの症状を訴えて地元の病院を受診したところ、H6N1型の鳥インフルエンザウイルスに感染していることが確認されたということです。

 女性は、一時入院し抗ウイルス薬のタミフルによる治療を受けすでに回復していますが、ウイルスの遺伝子の一部が人に感染しやすいよう変化していました。

 台湾では、H6N1型の鳥インフルエンザウイルスは鶏などの間で15年以上感染が広まっていますが、人への感染が確認されたのは初めてだということです。

 女性は、総菜屋の事務職として働いていて、鳥などとは接触しておらず、海外への渡航歴もないといいます。衛生当局によると、H6N1型の鳥インフルエンザウイルスの毒性や感染力は弱いといいます。

 女性と濃厚な接触のあった36人のうち、4人はインフルエンザ様の症状があったものの、感染は確認されませんでした。また、女性の家の周辺1キロ以内において家禽類のサンプル調査を行いましたが、H6N1型の鳥インフルエンザウイルス検出されませんでした。

 一方、今春に中国本土で流行し、45人の死者が出たH7N9型の鳥インフルエンザウイルスの感染者4人が10月以降、台湾で確認されました。専門家はH7N9型の再流行への警戒を呼び掛けています。

 2013年11月15日(金)

 

■国民医療費、過去最高の38・5兆円 1人30万円突破、2011年度

 厚生労働省は14日、2011年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)が、前年度比1兆1648億円増(3・1パーセント増)の38兆5850億円だったと発表しました。

 国民1人当たりでは、9700円増(3・3パーセント増)の30万1900円で、30万円を初めて突破。いずれも5年連続で、過去最高を更新しました。

 高齢化が進んだ上、医療技術が進歩して治療費が膨らんだのが主な原因です。国民医療費が国民所得に占める割合は、11・1パーセントでした。

 年齢別では、65歳以上の医療費が21兆4497億円(2・6パーセント増)で全体の55・6パーセントを占めました。75歳以上に限ると、13兆1226億円で全体の34・0パーセントを占めました。

 国民1人当たりでみると、65歳以上が2・6パーセント増の72万900円だったのに対し、64歳以下が3・2パーセント増の17万4800円で約4倍の開きがあります。 

 医療費を賄う財源の内訳は、国民や企業が負担する保険料が18兆7518億円(3・4パーセント増)で全体の48・6パーセント、患者の自己負担が4兆7416億円(0・3パーセント減)で12・3パーセント、国と地方を合わせた公費は14兆8079億円で38・4パーセントでした。

 診療種類別では、医科診療が27兆8129億円(2・2パーセント増)で全体の72・1パーセント。薬局調剤は前年度比7・9パーセント増と高い伸びで6兆6288億円となり、歯科は2兆6757億円(2・8パーセント増)でした。

 国民医療費は、保険診療の対象になる病気やけがの治療に掛かった費用を推計します。保険外の診療や健康診断、正常な出産などの費用は含まれません。

 労災分などを含まず、国民医療費の98パーセント程度をカバーする概算医療費は2012年度分がすでに公表済みで、38兆4000億円に達しています。

 2013年11月14日(木)

 

■PM2・5監視、朝昼2回に 環境省が運用改善

 中国からの飛来などで冬の濃度上昇が懸念される大気汚染源の微小粒子状物質「PM2・5」について、環境省は13日、注意喚起の必要性を判断する方法の改善策をまとめました。当日の濃度上昇の可能性を判断する頻度を、現在の朝1回から、朝と昼の1日2回に増やし、予測の精度向上を目指します。

 この日の専門家会合(座長=内山巌雄・京都大名誉教授)に示し、了承されました。

 2月に環境省がまとめた暫定指針では、住民に注意喚起すべき値を「1日の平均濃度が1立方メートル当たり70マイクログラム超」と規定。午前5~7時の1時間当たり平均値が85マイクログラム超の場合に、住民に対して外出や屋外で長時間の激しい運動などを控えるよう注意喚起を行うことを都道府県に求めていました。

 改善策では、午前7時以降に濃度が上昇することも想定。午前5時~正午の1時間当たりの平均値が80マイクログラムを超えた場合にも注意喚起をします。朝に注意喚起した後、正午までのデータで80マイクログラムを下回った場合に注意喚起情報を解除するかは、自治体の判断に委ねます。

 3~5月の実績では、70マイクログラムを超えたのに、事前に注意喚起が行われなかったケースが8回(大阪府など5府県)あり、自治体から判断方法の見直しを求める声が上がっていました。

 会合後、井上信治副環境相は「(現在の)科学的知見で(濃度上昇を)的中させるのは難しい。一定程度空振りが増えるのは仕方なく、まずは見逃しを減らすことに重点を置いた」と話しました。

 一方、関東地方では、この11月から12月の時期は、PM2・5などの汚染物質の濃度が高まりやすい気象条件が発生するため、各地自体などでは、これからの時期は注意してほしいと呼び掛けています。

 PM2・5を巡っては、千葉県が11月4日、市原市で比較的、高い濃度が観測されたため、関東地方では初めてとなる「注意情報」を県内全域に出しましたが、この時期特有の気象条件が大きく影響したとされています。

 通常の状態では上空になるほど気温が低くなり、大気汚染があっても、気温の低い上空に向け対流が起こり汚染物質が拡散しますが、千葉県が当時の気象条件を分析したところ、県内全域で上空100メートルほどの間で地表に近いほど気温が低くなり、暖かい空気の層がふたをする形となって、汚染物質が拡散しにくくなっていたことなどがわかったということです。

 国立環境研究所環境健康研究センターで、大気汚染などの健康への影響を研究している上田佳代主任研究員は、「幼い子供や高齢者、または呼吸器系や循環器系に基礎疾患がある人など、環境変化の影響を受けやすい人は、PM2・5の濃度が高い日には外出を控えたり、家の中でも窓の開け閉めをあまりしないようにするなど、対策を取ることが望ましい」と話していました。

 2013年11月13日(水)

 

■RSウイルス感染症の患者、全国で増加 乳幼児と高齢者は警戒を

 乳幼児の重い肺炎や細気管支炎の原因となるRSウイルス感染症の患者が全国で増えており、これから年末にかけて流行のピークを迎えるとみられることから、国立感染症研究所は手洗いやマスクなど対策の徹底を呼び掛けています。

 RSウイルス感染症は、発熱やせきなど、風邪に似た症状が出る病気で、秋から冬にかけて乳幼児を中心に流行し、初めての感染では肺炎や脳炎を引き起こして重症化することがあります。乳幼児の肺炎の50パーセント、細気管支炎の50~90パーセントが RSウイルス感染によるものとの報告があります。

 特に重症化しやすいのは、生後6カ月以内の乳児や早産児、慢性肺疾患や先天性心疾患などの基礎疾患を持っている乳幼児とされます。さらに、生後4週未満では、突然死(乳幼児突然死症候群)につながる無呼吸が起きやすく、注意が必要です。

 国立感染症研究所によりますと、今月3日までの1週間に、全国およそ3000の小児科の医療機関で新たにRSウイルス感染症と診断された患者は4195人で、前の週から490人余り増えました。

 都道府県別では、最も多いのが大阪府で323人、次いで東京都が291人、兵庫県が224人、埼玉県が210人などとなっており、都市部を中心に感染が広がっています。

 RSウイルス感染症の流行は例年、12月ごろにピークを迎えることから、患者数は今後さらに増えるとみられています。

 国立感染症研究所の木村博一室長は、「乳幼児以外でも、ぜんそくの持病がある高齢者などは重症化する恐れがある。自分だけでなく周りの人を守る意味でもインフルエンザと同様、手洗いやマスクなど対策に努めてほしい」と話しています。

 2013年11月12日(火)

 

■MRSA院内感染で新生児死亡、岐阜市 新規受け入れ中止

 岐阜県総合医療センター(岐阜市)は11日、院内の新生児集中治療室(NICU)に入院していた生後約2週間の新生児が8月下旬、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に感染して肺炎を起こし、死亡したと発表しました。

 同センターは新生児の死亡から2カ月以上経過した今月6日から、NICUへの新生児の新規入院を中止し、感染した経緯を調べています。

 亡くなったのは、センターで8月6日に661グラムで生まれた超低出生体重児の男児。生後すぐ気管挿管をし、NICUに移しました。24日に肺炎発症を確認し、挿管チューブからMRSAを検出。抗生物質を投与しましたが、28日に死亡しました。

 MRSA以外による肺炎も否定できないとして病理解剖を実施し、10月下旬、死因を院内感染によるMRSA肺炎と判断しました。

 センターでは、男児の死亡以降、NICUなどにいる8人のMRSA感染が判明。うち2人は10月1日と20日にそれぞれMRSA肺炎を発症しましたが、快方に向かっているといいます。

 渡辺佐知郎院長は今月11日、男児の死亡を6日に知り、NICUへの新生児の新規入院を中止したと説明。「赤ちゃんが亡くなり申し訳ない。MRSAに一定の効果がある抗生物質を投与したが効果が出なかったので、担当の医師は当初、ほかの病気による肺炎を疑っていた」、「感染する可能性がある中で新規患者を危険にさらしてしまった」と対応の遅れを認めました。

 検出されたMRSAの遺伝子を解析して感染経路の特定を進め、再発防止策を講じたいとしています。

 2013年11月11日(月)

 

■国保保険料、上限引き上げへ 来春、高所得者の負担増

 厚生労働省は8日、社会保障審議会の医療保険部会を開き、自営業者や年金生活者が加入する国民健康保険(国保)で、1世帯が年間に支払う保険料の年間上限額を2万円引き上げ67万円とする案を提示し、了承されました。

 来年4月から実施する方針。加入世帯の2パーセント余りに当たる、所得が高い55万世帯程度が負担増になる見通しです。

 国保料と一緒に納める40~64歳の介護保険料も、世帯の年間上限額を2万円引き上げ14万円とします。いずれも単身者の場合、年収1000万円以上の人が対象となります。

 上限額の引き上げは2011年度以来3年ぶりで、上げ幅は前回と同じ。

 国保の保険料は加入者の所得や資産に応じて設定。市町村によって額が異なりますが、年間上限額は国が一律に定め、所得がいくら高くとも上限額を超す負担は必要ありません。

 75歳以上の後期高齢者医療制度も同様ですが、今回は国保に合わせて年間上限額を2万円引き上げ57万円とします。年金収入が年間847万円以上の人が対象となります。

 いずれも「支払い能力に応じた負担」への転換をうたう政府の社会保障制度改革国民会議の報告書に沿っています。

 市町村が運営する国保は赤字体質に陥っており、厚労省は今回の引き上げの後も保険料の年間上限額の見直しを続ける方針。来年度以降、企業の健康保険の保険料見直しと合わせて本格的に検討します。

 2013年11月10日(日)

 

■トランス脂肪酸、米国が使用禁止へ 心臓疾患の予防を理由に

 米国の食品医薬品局(FDA)は7日、マーガリンなどに含まれ、過剰摂取すると動脈硬化などを引き起こすとされるトランス脂肪酸の使用を段階的に禁止する方針を固めました。

 FDAは、血中の悪玉コレステロールを増加させ、心臓疾患のリスクを高めるトランス脂肪酸を「食用として安全と認められない」と暫定的に判断しました。

 今後60日間で国民から意見を募り、この判断が最終的に確定すれば、許可を受けた場合を除き使用を原則禁止します。食品業界には激変緩和措置として、一定の猶予期間を与えます。

 トランス脂肪酸は、植物油を加工して作るマーガリンやショートニング(食用油脂)、これらを原材料とする菓子パンやケーキなどの食品、揚げ物などに多く含まれます。米国では2006年から、加工食品に含有量の表示が義務付けられており、ニューヨーク市など一部自治体では、独自に使用を規制してきました。

 FDAによると、米国人のトランス脂肪酸の摂取量は、2003年の1日平均4・6グラムから2012年には日本人並みの1日平均1グラムにまで減少。健康への悪影響が指摘されたことで、自主的に使用を避ける食品メーカーやファストフード店が増えたことなどが影響したとみられます。

 ただし、一般家庭でよく食べられている冷凍ピザや、電子レンジで調理するポップコーン、コーヒー用クリームなど含有する食品はまだ多くみられます。

 FDAは、トランス脂肪酸の使用の全国的な規制により、新たに年間2万人の心臓発作を減らし、7000人が心臓発作で亡くなるのを防げるとしています。

 日本では、食品でのトランス脂肪酸の含有量の表示義務や、使用規制は特にありません。平均的な食生活を送っている日本人のトランス脂肪酸の摂取量は、健康上問題になるレベルではないとされ、現時点で規制強化の動きはありません。1日にとる総カロリーの1パーセント未満にするよう求める世界保健機関(WHO)などの勧告も、満たしています。

 現在、食品でのトランス脂肪酸の含有量の表示を義務付けている国・地域としては、米国のほか、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、チリ、韓国、台湾、香港などがあります。

 2013年11月8日(金)

 

■先天性風疹症候群、新たに4人の報告 全国で計26人に

 風疹の流行の影響で新生児の目や心臓などに障害が出る症例が全国で相次ぐ中、先週までに4人が「先天性風疹症候群」と新たに診断され、専門家は今後さらに増え恐れがあるとして新生児の診断や治療体制を整える必要性を訴えています。

 風疹は妊娠中の母親が感染すると新生児の心臓や目、耳などに障害が出る先天性風疹症候群になる恐れがあり、今年の春から夏にかけて風疹の流行がピークとなったことから、この冬にかけて生まれる新生児への影響が心配されています。

 こうした中、先週までに東京都、三重県、埼玉県、大阪府で合わせて4人の新生児が新たに先天性風疹症候群と診断されたことが、医療機関からそれぞれの自治体に報告されたということです。

 この結果、昨年から続く流行で先天性風疹症候群と診断された新生児は全国で26人となりました。

 国立成育医療研究センターの久保隆彦医師は、「流行のピークから見て来年の2月ごろにかけて障害が出る赤ちゃんが増える恐れがある。赤ちゃんの診断や治療体制を整えるとともに流行を繰り返さないため予防接種をさらに推進すべきだ」と話しています。

 先天性風疹症候群は、風疹ウイルスに免疫のない妊婦が妊娠初期に風疹にかかることにより、胎盤を介して胎児に感染し、生まれた新生児に多様な形態異常や障害を生じる先天異常症です。形態異常や障害の程度とその頻度は、風疹ウイルス感染と妊娠の時期の関係によります。

 妊娠1カ月以内に風疹にかかると約50パーセント、妊娠3カ月以内の場合は約20パーセントの確率で、先天性風疹症候群の新生児が生まれます。妊娠6カ月をすぎれば、胎児に感染は起こっても、先天性風疹症候群は出現しなくなります。

 低出生体重のほか、形態異常や障害には、生後一過性に認められるものと永久障害を残すものとがあります。生後一過性に認められるものとしては、血小板減少性紫斑病、肝脾腫、肝炎、溶血性貧血、大泉門膨隆、間質性肺炎などがあります。

 永久障害を残すものとしては、眼球異常、心臓の奇形、聴力障害、中枢神経障害などがあります。眼球異常には白内障、緑内障、網膜症、小眼症、心臓の奇形には動脈管開存症、心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、肺動脈狭窄症、聴力障害には感音性難聴、中枢神経障害には精神発達遅延、脳性まひ、小頭症、水頭症などがあります。

 2013年11月7日(木)

 

■薬ネット販売解禁へ、一部制限 市販直後品は最長3年間制限

 市販薬(一般用医薬品)のインターネット販売について田村憲久厚生労働相は6日、医療用から切り替わった直後の薬は安全性評価のため対面の発売から最長3年は認めず、劇薬は認めない方針を表明しました。

 「薬害問題の反省のもと安全性確保に重きを置いた」とし、即時の全面解禁を求めるネット業界の主張は受け入れませんでした。今国会に薬事法改正案を提出、新ルールの来春実施を目指します。

 菅義偉官房長官、田村厚労相ら4閣僚が5日夜に最終合意したのを受け、会見しました。医療用から切り替え直後の薬は現在、ロキソニンS(解熱鎮痛薬)やリアップX5(発毛剤)など23品目、劇薬はエフゲン(殺菌消毒薬)やガラナポーン(勃起障害改善薬)など5品目。約1万1000品目ある市販薬の99・8%が解禁されます。

 切り替え直後の薬は、現在4年間かけている市販後の調査期間を原則3年に短縮し、安全性が確認されればネット販売を認めます。安全確認に必要な3000症例を集めて分析するのにかかっている時間を、職員を増やすなどして短くします。専門家が個別に認めれば、さらなる短縮も検討します。現時点で安全性評価が定まらない薬は23品目ありますが、来春には14品目まで減ります。

 最高裁は1月、副作用のリスクが比較的高い第1類と第2類のネット販売を一律に禁じた厚労省令を違法と認定。以降、ネット販売は全面解禁の状態にあります。新ルールを来春に適用すると、規制がかかり、アレルギー用薬の「アレグラFX」や「コンタック鼻炎Z」などが一時的に購入できなくなる見通しです。

 市販直後の薬を店頭の対面販売に限る理由について、田村厚労相は「本人の挙動などを五感で確認する必要がある」と説明。安全性が無検証の段階でネット販売を認めると、医療用からの切り替えが進まなくなる懸念があるとし、「市販薬が安定的に増えるようにするほうが成長に資する」と述べました。

 一方、ネット業者は「合理的な根拠がなく、対面とネットの間に売れない薬の差を設けるのはおかしい」と反発しており、営業の自由の侵害だとして行政訴訟を検討する動きもあります。

 2013年11月6日(水)

 

■新型インフルエンザ、ワクチン生産態勢整わず 2500万人分のめど立たず

 毒性や感染力が非常に強い新型インフルエンザが発生した際、国は半年以内に国民全員分のワクチンを製造できる態勢を整える計画を進めていますが、このうち2500万人分の生産態勢のめどが立たなくなり、厚生労働省は事業の見直しを含めて検討することになりました。

 新型インフルエンザが発生した場合、国は国民全員にワクチンを接種できるよう、およそ1億3000万人分のワクチンを半年以内に製造する態勢を再来年3月までに整える計画を進めています。

 しかし、厚生労働省は先月、新たにワクチン開発事業に応募した2社について「条件が合わなかった」と不採択にしました。

 昨年11月、国の助成で生産態勢を整える予定だった4社のうち、2500万人分を担当していた1社の大阪・吹田市のワクチンメーカー、阪大微生物病研究会が、製造したワクチンの効果が基準を満たさなかったため、ワクチン開発事業から撤退したため、再公募していました。

 他国で発生するなどしたウイルス株を入手してから半年以内のワクチン製造態勢は政府の行動計画で定められ、厚労省は2011年度に新製法の開発事業を開始。4社に計約1190億円を支援していました。

 残りの3社、武田薬品(大阪市)、第一三共の子会社である北里第一三共ワクチン(埼玉県北本市)、ワクチン生産の財団法人である化学及血清療法研究所(熊本市)は開発を継続中で、計1億500万人分の態勢は確保できる見込みながら、2500万人分の生産態勢を整えるめどが立たなくなったということで、厚労省は事業の見直しを含めて検討することになりました。

 厚労省は今月下旬に専門家を集めて会議を開き、今後の方針を協議することにしています。

 2009年に日本で新型インフルが大流行した際には、生産に2年近くかかる体制だったために国産ワクチンの用意が間に合わず、海外メーカーの製品を緊急輸入しました。世界的に流行した場合は、海外でも品薄になって輸入が難しくなる可能性が高く、国産品を素早く作れる態勢を整えることが課題となっています。

 2013年11月5日(火)

 

■肺炎球菌の小児用新ワクチン、1日から定期接種に導入 追加接種は任意

 定期接種の小児用肺炎球菌ワクチンが、11月1日からより効果の高いタイプに一斉に切り替わりました。すでに旧型ワクチンの接種が完了した乳幼児も、追加接種すれば高い効果が見込まれます。

 しかし、追加接種は「任意」扱いで1万円前後の費用は自己負担。専門家も推奨しており、一部自治体では独自に補助する動きが出始めました。

 小児の肺炎球菌感染は、肺炎や細菌性髄膜炎、菌血症、中耳炎などを引き起こす可能性があり、死に至る場合もあります。日本では米国から10年遅れの2010年にワクチンが発売され、今春から公費負担の定期接種となりました。対象は生後2カ月~5歳未満。

 約90種類の肺炎球菌のうち、旧型ワクチンの沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン(7価ワクチン)が7種類に対応するのに対し、新型ワクチンの沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(13価ワクチン)は13種類に対応、すでに世界120カ国以上で承認されています。2007~2010年の疫学調査をもとにすると、旧型ワクチンは76パーセントを防ぎ、新型ワクチンは90パーセントを防ぐと見なされます。

 旧型ワクチンの接種を完了後、新型ワクチンを接種する「補助的追加接種」でも効果は上がるため、欧米では追加接種を公費負担している国が多くみられます。だが、厚生労働省は「社会全体の利益は限定的」として任意接種にしています。

 一方、栃木県大田原市、東京都渋谷区、石川県小松市などの一部自治体は、独自に公費で補助します。大田原市では、生後60カ月までの子供を対象に市が6267円を負担します。

 元日本赤十字社医療センター小児科部長の薗部友良さんは、「旧型には含まれていなかった19Aなどのタイプの菌が増えており、新型では防げる。できれば追加接種して欲しい」と話しています。

 2013年11月2日(土)

 

■非運動性の自宅作業が心臓病を予防 スウェーデンで研究報告

 芝刈りや洗車などの簡単な作業を行うと、60歳を超えた人々の心臓発作や脳卒中のリスクが約30パーセン減少する可能性を示す研究報告が29日、英スポーツ医学誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン」に発表されました。

 スウェーデンで行われた研究によると、家の周囲で身体的な活動を行っている高齢者は、ジョギングをしたりスポーツジムに通うなど正式な運動をしているかどうかに関係なく、座ってばかりいる人に比べて長く健康でいられることがわかったといいます。

 一般的に活動的な日常生活は、定期的に運動をしているかどうかにかかわらず、高齢者の心循環系の健康と寿命に関係しているとされます。

 長時間座ったままだと健康を害するリスクがあり、定期的な運動が健康によいことはこれまでにも証明されてきたが、「非運動性身体活動」が良好な健康状態に寄与していることは十分に理解されていません。

 今回の研究の対象となったのは、1997〜99年の間に60歳だったスウェーデン人約4000人で、その後平均12年半にわたって健康状態を追跡調査。調査では対象者が、家の修理、芝刈りや生け垣の手入れ、車の修理、狩猟や魚釣り、サイクリング、キノコやイチゴの採取などの活動をどれくらいの頻度で行ったかを記録しました。

 なお、アルコール摂取や教育レベル、喫煙習慣、食生活といったその他、結果に影響を与える可能性のある日常生活の要因も考慮しました。

 その結果、正式な運動を除く高レベルな身体活動を行った人々は、活動的でない人々に比べて心循環系の疾患にかかる確率が27パーセント低く、またあらゆる原因において死亡するリスクが30パーセント低いことがわかりました。

 研究報告によれば、この結果は定期的に正式な運動をしているが、非運動性身体活動のレベルが低い人々の結果に比べて、有意な差はありませんでした。また、正式な運動と高レベルな非運動性身体活動の両方を行っている人のリスクは、最も低くなりました。

 2013年10月29日(火)

 

■子宮頸がんワクチン、定期接種後に重い副作用143件 厚労省が公表

 接種後に体の痛みやしびれなどを訴える中高生が相次ぎ接種勧奨を一時中止した子宮頸がんワクチンについて、厚生労働省は28日、定期接種になった4月から7月末までに、関節の痛みなど副作用の訴えが291件報告され、うち歩行障害やけいれんなど重篤な副作用報告が143件あったことを公表しました。

 この間に接種した人数はのべ約25万人。医療機関が全身の痛みを伴うなど、重篤事例として報告したのは37件でした。

 同省が医療機関や製薬会社からの副作用報告をまとめ、ワクチンの安全性を検証する専門家検討会で明らかにしました。

 同省によると、入院などが必要な重篤な副作用の報告は4~7月末でグラクソ・スミスクライン製造のサーバリックスが93件、MSD製造のガーダシルが50件でした。この中には今年3月末までの接種者も含まれます。

 2009年12月の販売開始以降では、両ワクチン合わせて副作用報告は計2259件、重篤な副作用報告は計501件になり、うち全身の痛みを訴える副作用報告は71件になりました。

 厚労省は6月に接種勧奨を一時中止し、副作用かどうかを含め体の痛みを訴える症例を調査中。詳細な調査結果は次回12月の専門家検討会で報告し、勧奨の一時中止を見直すかなどを議論する予定。

 2013年10月28日(月)

 

■日本初の母乳バンクがスタート 昭和大小児科、低出生体重児に対応

 病気や早産で母乳が出ない母親に代わり、別の女性の母乳を提供する日本初の「母乳バンク」が、昭和大学医学部小児科(東京都品川区)でスタートしました。あまり聞き慣れない言葉ですが、母乳バンクは欧米各国を始め、中国、フィリピン、トルコ、ブラジルなど約40カ国でも設立され、海外では珍しくない存在です。

 小さく生まれた新生児は、免疫の働きが不十分で、さまざまな病気のリスクを避けるには母乳が効果的です。高齢出産や不妊治療による多胎などで、小さい新生児の割合は増えており、5年以内にNPO法人化して、全国展開を目指します。

 学内の倫理委員会の承認を得て、スタートしました。

 同大医学部小児科の水野克己准教授によると、早産では新生児が2500グラム未満の低出生体重児になるだけでなく、母親も母乳を出す準備ができていないことがあります。早産で小さく生まれた新生児は体の働きが未熟で、腸に穴があく壊死性腸炎や未熟児網膜症、慢性的な肺の病気などのリスクが上がります。

 母乳にはこれらのリスクを下げる成分が含まれているため、出産から2~3日以内に飲ませることが有効。成分の中でも重要なのは腸の粘膜を成熟させて、バリア機能を作る作用で、母乳が腸管を通る中で自然と新生児の腸が整えられ、無理のない栄養吸収ができるようになります。

 こうした効果は粉ミルクでは期待できず、新生児が粉ミルクのたんぱく質を上手に吸収できなかったり、腸に壊死などのトラブルが起きやすくなる心配もあります。

 母乳バンクへの提供者は、早産で小さく生まれた新生児に必要な成分が含まれている母乳が出る人が望まれます。このため、同じく早産ながら、母乳が多く出る女性に協力してもらいます。母乳にウイルスなどの感染症がないことを確認して、低温殺菌処理した後、マイナス70度で冷凍します。提供、利用ともに無料とします。

 近年、高齢出産や不妊治療の増加に伴って、低出生体重児の割合は増えており、2012年は新生児の約10パーセント、10万人近くに上っています。

 2013年10月27日(日)

 

■中国、鳥インフルH7N9型ワクチン株を開発 感染拡大防止につながる可能性

 中国中央テレビによると、中国浙江省の浙江大学医学院付属第1病院と香港大学などは26日までに、鳥インフルエンザH7N9型ウイルスのワクチン製造に必要なワクチン株の開発に成功しました。

 今後、実際にワクチンが生産されれば、感染拡大防止につながる可能性があります。

 H7N9型ウイルスへの感染を巡っては、8月10日に広東省恵州に住む51歳の女性の感染が判明して以降、約2カ月報告されていませんでしたが、10月15日と23日に浙江省で相次いで新たな感染が確認されました。

 10月15日に浙江省衛生庁から報告された患者は、紹興市に住む35歳の会社従業員の男性で、8日から病院にかかっています。次いで23日に報告された患者は、嘉興市に住む67歳の農家の男性で、16日に病院にかかりました。いずれも重症で、病院側が積極的に救命治療に当たっているとされます。

 H7N9型ウイルスが初めて人に感染したことが明らかになった3月31日以降、感染者は上海市や安徽省など中国本土の2市10省と台湾で少なくとも138人に上り、うち45人が死亡しています。

 8月に世界保健機関(WHO)の専門家が上海での会議で、秋から冬にかけてH7N9型が再び活性化し、再流行する懸念を示していました。WHOの専門家によると、生きたままの鳥を食用として売る家禽(かきん)市場が感染源とみて閉鎖を求めていますが、衛生当局の監視の目を逃れる露天商が後を絶たないといいます。

 秋以降は風邪の患者が増えるため、病院受診により感染が発覚するケースが増える可能性があります。

 一方、日本では厚生労働省が9月2日に、H7N9型ウイルスのワクチン開発を進める方針を決めており、将来、大流行した場合に備え、試験的に作って安全性や効果を確かめることにしました。

 ワクチンのもとになるウイルス株は8月下旬からメーカーに提供しており、早ければ年内にも試験用のワクチンを作り、年明けに動物実験を始める見込みです。

 H7N9型は現時点では、鳥から人に感染しても、人から人への感染は限定的。ただ、国立感染症研究所は「ウイルスが人に感染しやすく変化して、新型インフルエンザになる可能性は否定できない」と指摘しています。

 2013年10月26日(土)

 

■40歳代前半女性、4人に1人に更年期障害の症状 日本女性医学学会が調査

 働く女性が増える中、一般的に更年期とされる前の40歳代前半の女性の4人に1人が、治療が必要な更年期障害の症状が出ていながら婦人科を受診していないとする、初めての調査結果がまとまりました。専門家は、仕事のストレスなどの影響で症状を訴えるケースが増えている可能性もあるとしています。

 婦人科の医師などで作る日本女性医学学会では9月に、一般的に更年期とされる前の40歳代前半の女性の症状や医療機関の受診状況などについて、初めてのアンケート調査を行いました。

 その結果、回答を寄せた78人のうち、4人に1人に当たる19人が「顔が火照る」「いらいらする」といった10項目の症状のうち4つ以上の症状を訴え、更年期障害がすでに始まっていると推定されたということです。しかし、更年期障害という自覚がなかったことなどから、実際に婦人科を受診した人は1人もいませんでした。

 日本女性医学学会では、40歳代に入って卵巣機能の低下といった体調の変化に仕事や家庭のストレスが重なり、症状を訴えるケースが増えている可能性もあるとしています。

 その上で、これまで主に45歳から55歳の世代を中心に婦人科を受診するよう働き掛けをしてきたのに加え、今後は、より若い世代に向けても、掛かり付けの婦人科を持って適切な治療を受けるよう呼び掛けていくことにしています。

 女性の健康相談を行っている東京都新宿区のNPO法人「女性の健康とメノポーズ協会」によりますと、更年期障害と気付かずに体調不良に悩む40歳代前半の女性からの相談は増える傾向にあるということです。

 更年期障害は、卵巣の機能が衰え、女性ホルモンが減ることで起きます。年齢によるものに加え、仕事や家庭のストレスが影響しているとみられる人も少なくありませんが、年齢的に更年期障害だとは思わず、自覚がないケースがほとんどだということです。

 三羽良枝理事長は、「個人差はあるが、卵巣の機能の衰えは40歳前後から始まり、女性ホルモンも減ってくるが、体調を崩しても更年期障害と気付かずに1人で悩んでいる人は多い。充実した老後を過ごすためにも更年期からの健康作りが大切です」と話しています。

 更年期障害については、以前は「この年齢になれば当たり前」「誰もが通る道だ」などといわれ、体調不良のまま我慢するしかないという風潮が強かったといいます。

 しかし、今は専門の医師にかかれば、ホルモンの値を計るなどして自分に合った対処法を選べるようになってきました。

 症状の種類や時期には個人差があるため、なかなか友人同士でも相談しにくい話題かもしれませんが、上手に更年期と付き合い、また、その後を健康に過ごすためにも、少し早い時期から関心を持ち婦人科の定期的な受診などを心掛けることが大切といえます。

 2013年10月25日(金)

 

■臓器維持装置、脳死肺移植で初使用 岡山大学病院

 岡山大学病院(岡山市北区)は23日、東京都内の病院で22日に脳死と判定された30歳代の女性から提供された肺を専用装置につなぎ、体外で弱った機能を回復させる「体外肺灌流(かんりゅう)技術(体外臓器リカバリーシステム)」による脳死肺移植手術を、重い肺の病気を抱える四国地方に住む30歳代の女性患者に国内で初めて実施、成功しました。

 移植を受けた女性患者の容体は安定しており、順調に回復すれば3カ月ほどで退院できる見通しだということです。

 執刀医の大藤剛宏肺移植チーフは記者会見で、6移植施設が提供された肺を断ったことに触れ、「通常では断念せざるを得ないほど弱った肺だった。患者さんを救命できたことに加え、我々にとっても長い間準備してきた大きなプロジェクトで、成功はうれしい。今後も有効に活用する」と話しました。

 患者は異常細胞が肺などで増殖し、呼吸困難に陥るリンパ脈管筋腫症の女性。移植しか治療法がなく、2012年に日本臓器移植ネットワークに登録していました。

 岡山大学病院によると、大藤チーフらチーム約30人による手術は午前11時2分に始まりました。提供肺は同10分に病院に到着。機能が弱り、移植するには体外肺灌流技術を使った体外での機能評価と治療が必要と判断しました。

 提供肺はドーム状のケースに入れて人工心肺装置につなぎ、人工呼吸器で空気を送り込み、血液に代わる液体の特殊薬剤を循環させたほか、抗生物質の投与やたん吸引などを行い、機能を回復。患者の体内に移し、午後9時22分に終了しました。

 欧米ではすでに実施されている同技術は、大藤チーフが2006年に短期留学したスウェーデンで習得。岡山大学倫理委員会の実施の承認を受け、9月下旬、導入に向けた最終的なシミュレーションを行って手順などを確認していました。

 岡山大学病院の脳死肺移植は47例目、生体と合わせ115例目。

 2013年10月24日(木)

 

■保険料軽減対象者、500万人拡大 国保と後期高齢者医療

 厚生労働省は23日、自営業者や非正規雇用、無職の人らが加入する国民健康保険(国保)と、75歳以上が対象の後期高齢者医療の保険料について、軽減措置をとる低所得者の対象を2014年4月から拡大する方針を社会保障審議会医療保険部会に示し、大筋で了承されました。

 支払いの「能力」に応じた負担に見直す社会保障改革の一環。2014年4月の消費増税に伴う増収見込み額5兆1000億円を元手に、今回の保険料軽減の財源として年620億円を投じます。

 軽減措置の対象となる世帯の年収上限額は国保が223万円から266万円に、後期高齢者医療では238万円から258万円にそれぞれ引き上げます。厚労省は、負担軽減の対象は国保加入者で約400万人、後期高齢者で約100万人の計500万人とみています。

 国保と後期高齢者医療の保険料は、収入などに応じた「応能分」と、世帯ごとの加入者数などに応じた「応益分」の合計で決まります。このうち応益分は、収入に応じて所得の少ない人から7割、5割、2割軽減されています。厚労省案は5割と2割軽減の対象を広げます。また、2人以上の世帯に限定されていた5割軽減を単身世帯でも認めます。

 国保では夫婦に子1人の世帯の場合、現在年収147万円以下98万円超が5割軽減の対象ですが、上限を178万円に引き上げます。223万円以下147万円超が対象の2割軽減は、266万円以下178万円超に広げます。

 同様に後期高齢者医療では、夫婦世帯で夫の年収を基準にした場合、5割軽減は上限を217万円(現在は192万5000円以下168万円超)にし、2割軽減は258万円以下217万円超(同238万円以下192万5000円超)にします。

 2013年10月23日(水)

 

■中国東北部のハルビンで深刻な大気汚染 PM2・5が計測不能の高さに

 中国東北部、黒竜江省ハルビンでは、健康に深刻な影響を及ぼすとされる大気汚染物質のPM2・5(微小粒子状物質)の濃度が正確に計測できないほど高いレベルに達し、地元政府はほとんどの学校を休校にしたのを始め、バスの運行を取りやめるなど生活への影響が広がっています。

 ハルビンでは、20日から大気汚染物質を含む濃いもやに覆われていて、夜になってPM2・5の1時間当たりの平均濃度が多くの計測地点で1立方メートル当たり1000マイクログラムを超え、深刻なレベルにまで達しています。また、24時間当たりの平均濃度も1立方メートル当たり800マイクログラムに達しました。

 日本では、1日の平均濃度が70マイクログラムを超えると健康に影響を及ぼす恐れがあるとして、外出を控えるよう注意を呼び掛けるという暫定的な指針があります。ハルビンの濃度は、その10倍以上となっています。

 こうした事態を受けて、ハルビン市は21日朝、小学校から高校までの学校をすべて休校にしたほか、視界が50メートルを下回っていることから、公共バスの運行を取りやめたり、運行本数を減らしており、生活への影響が広がっています。

 寒さの厳しい黒竜江省や吉林省では、家庭に一斉に暖房が入る集中暖房が始まっていて、石炭が大量に使われたことが、今回の大気汚染の原因だという見方が出ています。

 中国の大気汚染は、暖房用の石炭の使用が増える冬場にピークを迎えるとされ、実際、今年1月から2月にかけて、観測史上最悪とされる汚染を記録しました。その後、石炭の使用が減るとともに、春から夏にかけてはいったん収まっていましたが、今年の秋は例年よりも早く汚染が深刻化する事態となっています。

 北京では9月、汚染物質を含んだもやに覆われた日数が16日間で、例年の4倍以上でした。

 その理由について中国気象局は、例年よりも風が弱く湿度が高いといった気象条件が重なり、大気中の汚染物質が拡散されにくくなったためだと説明しています。さらに気象条件に加えて、経済成長に伴うエネルギー需要の拡大や自動車の保有量の増加も影響しているとの指摘もあります。

 環境省によると、9月29日に中国で観測された最悪レベルの大気汚染については、これまでのところ日本への影響はほとんどみられていないということです。ただ、今後、冬型の気圧配置に変わると大陸から日本に向かう風が吹くようになるため、特に冬ごろから国内への影響が懸念されるとしています。

 PM2・5は、粒が極めて小さいため肺の奥深くまで入りやすく、ぜんそくや循環器系の病気を引き起こす恐れがあると指摘され、特に子供や高齢者などは影響を受けやすいとされています。

 2013年10月22日(火)

 

■家族の臓器提供、意思表示なくても4割承諾 内閣府調査

 内閣府が行った臓器移植に関する世論調査によりますと、脳死と判定された家族の臓器提供を本人の意思表示がなくても「承諾する」と答えた人は39パーセントだったのに対し「承諾しない」と答えた人は50パーセントで、承諾しない人のほうが多くなっています。

 臓器移植を巡っては、2010年に臓器移植法が改正され、本人の書面での意思表示がなくても、家族の承諾があれば、小児を含む脳死の人から臓器を提供できるようになりました。

 内閣府は臓器移植に関する国民の意識を調べるため、今年8月から9月に、全国の20歳以上の3000人を対象に世論調査を行い、62パーセントに当たる1855人から回答がありました。

 それによりますと、家族が脳死と判断され、臓器提供の意思を書面で残していた場合、その意思を尊重するか尋ねたところ、「尊重する」「たぶん尊重する」と答えた人は合わせて87パーセントだったのに対し、「尊重しない」「たぶん尊重しない」と答えた人は8パーセントでした。

 一方、本人の意思表示がない場合、承諾するか尋ねたところ、「承諾する」「たぶん承諾する」と答えた人は合わせて39パーセントだったのに対し、「承諾しない」「たぶん承諾しない」と答えた人は50パーセントパーセント。

 なお、自分が臓器提供するか否か、意思を示している人は1割程度でした。

 今回の調査について、厚生労働省は「臓器提供をするかどうか、生前に意思表示しておく制度をより知ってもらえるよう啓発活動を強化したい」と話しています。

 2013年10月21日(月)

 

■脳の老廃物除去、深い眠りでスピードアップ 脳疾患の治療に光

 「なぜ人間は人生の約3分の1を寝て過ごすのか」という問いは古くから科学者と哲学者を悩ませ続ける永遠のテーマですが、「睡眠によって脳の老廃物が洗い流される」ということが発見され、アルツハイマー病などの多くの脳疾患の治療が大きく進展する可能性が明らかになりました。

 アメリカのロチェスター医療大学の共同センター長であるメイケン・ネダーガード博士とその研究チームは、脳の持つ脳細胞内の老廃物を洗い流し排出するという機能が、深い眠りにある間に最も活発に働くことを発見しました。この研究は、10月18日付けで科学誌サイエンスで発表されています。

 これまでにもネダーガード博士によって、「グリンパティック系システム」という脳細胞から老廃物が排出される循環メカニズムが発見されていましたが、今回の研究は、このグリンパティック系システムの応用研究として実施されました。グリンパティック系システムは、脳細胞内に脳脊髄液が流入することで、トキシンなどのタンパク質が洗い流され、脳内血管を通じて循環系から肝臓へと排出されるというもの。

 一般的に体内の老廃物を処理する仕組みとしてリンパ系システムが機能していますが、脳はそれ自体が閉じた一種の生態系を維持しており、脳に何を入れ脳から何を出すかを独自にコントロールする複合システムを備え持つため、一般的なリンパ系システムは脳にまで及ばないことがわかっていました。しかし、脳の老廃物処理プロセスは、生きた脳の観察ができなかったため、長年研究者には避けられ続けた研究テーマでした。

 しかし、「2光子励起顕微鏡」と呼ばれる赤外線を用いた新しい技術の登場により、脳の血流量や大脳の脳脊髄液流量を、被写体である動物が生きた状態で観察できるようになり、脳のシステムの研究が大きく進展しました。

 今回の研究では、人間の脳に似た脳を持つハツカネズミの脳血流量と大脳の脳脊髄液を観察したところ、睡眠中にグリンパティック系システムが活性化することが発見され、その量は起きている時に比べ10倍も活発であることが判明しました。

 また、神経細胞を活動的にするグリア細胞であると推測される脳細胞が睡眠時に60パーセント収縮することで、より多くの脳脊髄液が流入できるよう大きな空間を作り出し、脳の洗浄を効率的に行うことも発見されています。

 アルツハイマー病やパーキンソン病のように脳細胞の欠損を引き起こす症状の多くは、脳内にダメージを受けたタンパク質が作り出され蓄積するという特徴があります。ネダーガード博士は、「今回発見された脳のクリーニングメカニズムは、これらの脳疾患の解明と治療に貢献する可能性があります」と語っています。

 従来、睡眠には記憶や学習内容を定着させる役割があることがわかっていましたが、睡眠時には外敵に襲われる危険が極めて高いことから考えると、睡眠のメリットよりもリスクがあまりにも高すぎるため、より大きな他の役割があるのではないかと考えられてきました。

 睡眠に関する専門家のネイル・スタンレー博士は、「今回発見された睡眠による脳のクリアランスシステムは、睡眠の果たす重要な役割の一つを示唆するものであり非常に興味深いものです」とコメントしています。

 2013年10月19日(土)

 

■脱法ドラッグ、所持や使用も違法 厚労省が対策強化

 麻薬と似た作用がある「脱法ドラッグ」対策を強化するため、厚生労働省は薬事法で製造、販売を禁じている「指定薬物」の所持や使用を罰則付きで禁止する方針を固めました。

 若者による使用が社会問題化しているため、麻薬と同じように、売る側だけでなく使う側も取り締まれるようにします。開会中の臨時国会に提出する薬事法改正案に盛り込みます。

 脱法ドラッグは、「ハーブ」や「アロマ」「お香」といった形で売られています。幻覚や興奮作用があり、意識障害やけいれん、脳の障害などを起こす恐れもあることから、厚労省はこうした作用のある成分を指定薬物に定め、製造、輸入、販売などを禁じてきました。現在、881物質が指定されています。

 薬事法改正案では、指定薬物も新たに所持、使用、購入や他人からの譲り受けを禁止します。これまでも麻薬では禁じられていますが、脱法ドラッグの成分を麻薬に指定するには、より依存性が高く作用が強いことを証明しなければなりませんでした。罰則は、3年以下の懲役、300万円以下の罰金とする方向で検討されています。

 脱法ドラッグは「麻薬、覚醒剤、大麻への入り口」ともいわれ、使う側を違法とすることで安易に手を出しにくくする効果も狙います。5月には、警察官だけでなく、厚労省の麻薬取締官らにも指定薬物の捜査権限を持たせる改正薬事法などが議員立法で成立しています。

 2013年10月18日(金)

 

■6~9月の熱中症搬送、過去最多の5万8729人 高齢者が半数を占める

 6~9月に熱中症で救急搬送された人は5万8729人で、昨年に比べ約1・3倍増加し、6月から調査を開始した2010年以降、最多となったことが15日、総務省消防庁のまとめでわかりました。

 全国各地で最高気温の記録を更新するなど猛暑の影響とみられ、室内にいても熱中症になる高齢者が例年より目立ちました。

 これまでの最多は2010年の5万6119人。今夏の死者は88人で、最多だった2010年の171人から半減しました。3週間以上の入院が必要な重症が1568人、入院が必要な中等症は1万9754人、軽症は3万6805人でした

 救急搬送者を年齢別にみると、65歳以上の高齢者が全体の半数近い2万7828人と最も多くて全体の47・4パーセントを占めました。次いで、18歳以上65歳未満の成人が2万3062人で39・3パーセント、7歳以上18歳未満の少年が7367人で12・5パーセント、生後28日以上7歳未満の乳幼児が466人で0・8パーセントの順となっています。

 都道府県別の救急搬送者数では、東京都が4535人と最も多く、次いで愛知県4090人、大阪府4064人となっており、大都市が多くなっています。

 一方、人口10万人当たりの都道府県別の救急搬送者数では、国内史上最高の41・0度を8月12日に記録した四万十市がある高知県が75・09人と最多で、和歌山県の70・64人、熊本県の67・95人の順でした。

 消防庁救急企画室は、「気温の高さが搬送者数に反映したが、熱中症という言葉と対処法が広く認知されるようになり、死者数は抑えられた。予防策を取る人が増えたのではないか」と分析しています。

 2013年10月17日(木)

 

■RSウイルス感染症、全国で患者が増加 年末にかけて、流行のピークへ

 乳幼児に肺炎や気管支炎などを引き起こすRSウイルス感染症の患者が全国で増えていて、これから年末にかけて流行がピークを迎えるとみられることから、国立感染症研究所は手洗いなど対策の徹底を呼び掛けています。

 RSウイルス感染症は発熱やせきなど、風邪に似た呼吸器の症状が出る病気で、秋から冬にかけて主に乳幼児の間で流行し、初めての感染では肺炎などを引き起こして重症化することがあります。

 国立感染症研究所によりますと、9月30日から10月6日までの1週間に、全国およそ3000の小児科の医療機関で、新たにRSウイルス感染症と診断された患者は3248人で、前の週から280人余り増えました。

 都道府県別では、最も多いのが大阪府で264人、次いで東京都が263人、福岡県が198人、兵庫県が170人、新潟県が161人、埼玉県が133人、愛知県が130人、北海道と熊本県が128人などと都市部を中心に多くなっています。

 RSウイルス感染症の流行は、例年12月ごろにピークを迎えることから、患者数は、今後さらに増えるとみられています。

 国立感染症研究所の木村博一室長は、「乳幼児だけでなく、高齢者でも感染すると、重症化する恐れがある。手洗いやマスクをつけるなど、インフルエンザと同様の対策に努めてほしい」と注意を呼び掛けています。

 RSウイルスは呼吸器合胞体ウイルスともいわれ、風邪の原因となる一般的なウイルスの一つ。乳幼児が最も感染しやすいウイルスで、1歳の誕生日までに70パーセントの乳児が初感染し、2歳までにはほとんどの乳幼児が感染するとされます。通常、健康な乳幼児が感染した場合、38~39度程度の発熱、鼻水、せきなどの症状が出て、多くは8~15日ぐらいで治まります。発熱症状がないこともあります。

 ただ、RSウイルスは一度感染しても持続的な免疫ができにくく、予防ワクチンや特効薬もないのが現状。このため、RSウイルスに感染しないよう、手洗いを徹底し、接触感染を防ぐため流行期に子供が集まる場所になるべく行かないなど、ふだんの生活で対策を取ることが重要になります。

 特に肺炎や気管支炎、脳症を起こして重症化しやすいのは、生後6カ月以内の乳児や早産児、慢性肺疾患や先天性心疾患などの基礎疾患を持っている乳幼児とされます。

 重症化を防ぐ手段としては「シナジス」と呼ばれる抗体製剤の投与がありますが、100ミリグラムで約15万円と費用が高いのがネック。ただ、29~35週の早産で6カ月以下の新生児や乳児などは健康保険が適用され、重症化のリスクが高い早産児には投与が勧められます。

 2013年10月16日(水)

 

■水銀を含む体温計・血圧計、2020年までに禁止へ 水俣条約受け、WHOが指針

 世界保健機関(WHO)は11日、水銀を使った体温計と血圧計の使用を2020年までにやめるべきだとする指針をまとめたと発表しました。

 水銀による健康被害などの防止を目指して10日、熊本市で採択された「水銀に関する水俣条約」の趣旨を踏まえ、世界で「水銀を使わない医療」の確立を目指すといいます。

 水俣条約では、水銀による健康被害や環境汚染を防ぐため、水銀鉱山の新たな開発を禁じ、既存の鉱山も発効後15年以内に採掘を禁止。また、体温計や血圧計、電池、蛍光灯、化粧品など9種類の水銀含有製品の製造、輸入、輸出について、2020年までの原則禁止を定めました。

 途上国にはさらに10年間の延長が認められますが、WHOは水俣条約で各国が作成するよう定めた水銀規制計画で、電子式体温計などに切り替える施策を盛り込むよう求めるといいます。

 現在、水銀を使った計測機器は安価で信頼性が高いため病院などで幅広く使われ、特に途上国では主力。

 WHOのマーガレット・チャン事務局長は、「条約の署名で水銀の悲惨な健康的影響から世界を永遠に守る長い道のりに立った」と述べ、各国の協調した取り組みを促しました。

 水俣条約では、日本や欧州連合(EU)、中国など87の国・地域が署名。条約の発効には、50カ国以上の批准が必要です。

 日本では、1956年に熊本県水俣市で発生が確認された水俣病を切っ掛けに水銀の利用量が激減し、現在は、亜鉛や銅などの金属製錬で出た汚泥や、使用済み蛍光灯などから年間約90トンの水銀が回収され、うち国内利用分を差し引いた84トン(2012年度)が輸出されています。

 条約が発効すれば、輸出規制に加え、海外需要も大幅に減る見込みのため、輸出できない余剰水銀を国内で長期的に管理することを迫られます。環境省は安定的な保管方法や費用負担の仕組みなどを検討した上で、2015年度中に廃棄物処理法施行令を改正、水銀を廃棄物として指定する方針で、早期批准を目指します。

 2013年10月15日(火)

 

■体力と運動能力、高齢者は向上し続け子供も回復傾向

 14日の「体育の日」を前に、文部科学省の2012年度体力・運動能力調査の結果がまとまりました。子供はピークだった1985年ごろには及ばないものの、体力や運動能力が緩やかに回復する傾向にあり、高齢者は向上し続けていることがわかりました。

 この調査は、文部科学省が1964年度から毎年行っているもので、昨年度は全国の6歳から79歳までの男女、およそ7万4000人を対象に、ボール投げや握力、50メートル走、立ち幅跳びなど6~8種目で記録を測定しました。

 現行の調査方式になった1998年度以降で全種目の合計点を比較すると、小学生(11歳)、中学生(13歳)、高校生(16歳)の男女とも15年間の中で1~3位を占めました。種目ごとでも多くが向上傾向にありますが、小中高男子の握力と小学男子の立ち幅跳びだけが15年間で低下、女子の握力は小中高いずれも横ばいでした。 

 調査に協力した順天堂大の内藤久士教授(運動生理学)は、「日常生活の変化で、蛇口をひねるなどの握力を培う機会が失われていることが要因ではないか」とみています。

 一方、65歳以上の高齢者は、男女ともに握力、上体起こしなどほとんどの種目で記録が向上し続けています。

 中でも、70〜74歳、75〜79歳は、男女とも全6種目の得点合計で過去最高を更新し、70〜74歳は2000年の65〜69歳、75〜79歳も2000年の70〜74歳の水準に並びました。65〜69歳の男性の得点合計も過去最高。

 例えば、6分間歩行の距離の種目では、65歳から69歳までの男性が625メートル25センチと、この種目の調査を始めた1998年より37メートル伸びたほか、70歳代の女性は42メートル伸びました。

 また、開眼片足立ちの種目では、70〜74歳女性は70秒8と2000年の55秒0から16秒近くも伸び、2000年の65〜69歳の72・0秒に迫りました。

 20〜64歳の年代のうち、35〜39歳は男女とも得点合計が右肩下がりでした。仕事や子育てで忙しく、運動する時間が取りにくい影響と指摘されています。

 文部科学省は、「子供たちの握力が課題となっている一方で、健康志向の高まりで中高年の体力は向上している。2020年のオリンピックが東京で開かれることもあり、多くの国民がスポーツに親しむ機会をつくっていきたい」と話しています。

 また、今回の調査では初めて、地域のスポーツ同好会やフィットネスジムなどを含むスポーツクラブへの加入状況と、体力や運動能力との関連を分析しました。

 スポーツクラブに加入している人の割合は、女性の20歳代や30歳代が20パーセント前後だったのに対して、70歳から74歳は44パーセント、75歳から79歳が43パーセントなど、65歳以上はいずれも40パーセントを超えていました。男性も年齢が高いほど加入している人が多く、75歳から79歳では41パーセントでした。

 スポーツクラブに通っている人は、そうでない人と比べてスポーツをする頻度が多く、運動能力も高くなっていました。スポーツクラブではここ数年、高齢の会員が増え続けており、その背景には介護を受けたり入院したりせずに過ごせる期間、いわゆる「健康寿命」への意識の高まりなどがあるとみられています。 

 2013年10月13日(日)

 

■スマホで交通事故を防止するシステムを開発 国交省と自動車メーカーが共同実験

 専用ソフトを入れるとスマートフォンが車の接近をキャッチし、歩行者を交通事故から守る新しいシステムが開発され、11日初めて公開されました。

 スマートフォンは、周囲の車とリアルタイムで位置情報を交換していて、ドライバーの衝突防止にも活用できるということです。

 東京都お台場の駐車場には、最新のIT技術を駆使した衝突防止装置などを備えた乗用車やトラックなどおよそ20台が集まり、国土交通省と国内の自動車メーカー各社が共同で実験を行いました。この中で、スマートフォンが車の接近をキャッチし、歩行者を交通事故から守るシステムが初めて公開されました。

 専用ソフトを入れたスマートフォンは、GPSの情報を基に歩行者の動きを予測し、周囲の車とリアルタイムで情報を交換することで、歩行者と車の双方に危険を知らせます。

 実験では、車が交差点に近付くと、横断しようとした歩行者にスマートフォンが「車に注意しましょう」と音声で危険を知らせました。一方、運転席に取り付けられたタブレット端末には、音声とともに、歩行者が接近していることを知らせるシンボルが表示されました。

 車の衝突防止装置は車体のカメラなどで人や車をキャッチするため、建物などに隠れた歩行者を把握できないのが課題ですが、新しいシステムは、死角にいる歩行者も把握でき、飛び出し事故などを回避できると期待されています。

 実用化されれば世界で初めての技術で、国土交通省は2020年代の実用化を目指しています。

 自動車業界の動向に詳しいリサーチ会社社長の中西孝樹さんは、「車と歩行者の事故を防止するシステムは、これまで歩行者側に通信手段がなかったため開発が難しかったが、スマートフォンの急速な普及で実現の可能性が高まった。交通事故の犠牲者を大幅に減らすことができると期待されるが、実用化には、GPSの位置情報の精度を高められるかが課題だ」と話しています。

 歩行者のスマートフォンや、車の運転席に取り付けられたタブレット端末は、交差点からの距離が100メートル以内になると、データ通信を使って周囲と情報を交換し始めます。

 専用ソフトが入ったスマートフォンやタブレット端末は、1秒ごとにGPSの位置情報を更新していて、この1秒ごとの点の情報をつなぎ合わせることで、歩行者と車それぞれの進行方向や速度を割り出します。そして、5秒ごとに互いの情報を交換することで、歩行者と車がいつどこで衝突する可能性があるか予測し、注意を促す仕組みです。

 このシステムが実用化されれば、子供や高齢者などを交通事故から守ったり、道路脇からの飛び出しをドライバーが事前に察知して事故を防いだりすることが可能になると期待されています。一方で、位置情報に10メートル前後の誤差が生じたり、同時に多くの人が使うと大量の情報を処理できなくなったりするといった課題もあります。

 国土交通省自動車局の衣本啓介専門官は、「ハイブリッド車や電気自動車は、従来の車に比べて音が静かで歩行者が接近に気付きにくく、今回のシステムはこうした車にも対応できる。技術的な課題はあるが、実用化に向け各メーカーと協力していきたい」と話しています。

 2013年10月12日(土)

 

■はごろもフーズ、シーチキン672万缶を自主回収 ヒスタミン検出で

 静岡市に本社がある食品加工大手「はごろもフーズ」は、主力商品のカツオの缶詰から、同社基準値の最大10倍の量の化学物質が検出され、アレルギーのような症状を引き起こす可能性があるとして、全国に流通している672万缶余りを自主回収すると発表しました。回収規模は、同社製品では過去最多。

 自主回収するのは、静岡市清水区の「はごろもフーズ」が販売した「シーチキンマイルド(70グラム入り)」「素材そのままシーチキンマイルド(75グラム入り)」「シーチキンマイルドキャノーラ(80グラム入り)」の3つの缶詰のうち、缶の裏にある賞味期限が2016年7月7日から2016年8月27日の期間で、さらに製造工場を示す「SO28」という表示がある、合わせて672万3000缶です。

 はごろもフーズによりますと、9月26日から10月10日にかけて、缶詰を食べた人から「味に違和感を感じる」「舌がピリピリする」「食道にむかつきを感じる」といった電話が全国から6件寄せられ、調べたところ、じんましんなどアレルギーのような症状を引き起こす可能性がある化学物質の「ヒスタミン」が、2種約30缶から社内で定めた濃度基準値(50ppm以下)の4〜10倍の量で検出されたということです。ヒスタミンは魚肉に含まれるアミノ酸から生成されます。

 缶詰は、今年7月から8月にかけて、焼津市の委託業者が製造したもので、猛暑のため、原料のカツオを保管する工場の冷蔵庫の温度が下がらず、カツオに含まれる酵素が増殖したため、カツオに含まれるアミノ酸がヒスタミンに変質したとみられるということです。

 はごろもフーズは「大きな健康被害はない」と説明し、「ご迷惑おかけして誠に申し訳なく、おわび申し上げます」としています。

 問い合わせ先は「お客様相談室」、フリーダイヤル0120-856-004。対象製品をはごろもフーズに着払いで送れば、代金を受け取れます。住所は〒424-8750 静岡県静岡市清水区島崎町151。

 2013年10月11日(金)

 

■薬のネット販売、28品目は例外 条件厳格化し、安全確認後に解禁

 市販薬(一般用医薬品)のインターネット販売について厚生労働省は、医療用から切り替わったばかりの「スイッチ直後品」など28品目は例外とし、ほかの市販薬よりも厳しい条件を課す方針を固めました。

 ネット販売には事実上高いハードルで、市販後、一定期間を経て安全性を確認できた薬に限って認めます。8日に厚労省の専門家会議がまとめた報告書を踏まえました。

 専門家会議の報告書は、医療用から切り替わったばかりの薬は、医師らの管理下とは違う使われ方をし、新たな健康被害が生じる恐れがあると指摘。ネット販売の禁止は求めていないものの、ネット販売、対面販売にかかわらず、ほかの市販薬とは別枠にして販売条件を厳しくするように求めました。

 具体的には、薬剤師が購入者と「双方向で柔軟かつ臨機応変な」やり取りで症状を把握。「医療用に準じた最大限の情報収集と、個人の状態を踏まえた最適な情報提供」を求め、購入者が確実に理解したことを確認するように求めました。

 また、大量購入を防ぎ、家族も含めた代理人による購入や、症状が出ていない時点での常備薬としての購入は認めないなど、一般の市販薬よりも厳しい規制を課すように求めました。

 厚労省は、市販後に原則3年間義務付けている健康被害調査の事後手続きを短縮し、早く一般の扱いに移せるように検討します。

 報告書によると、規制強化の対象となるのは、医療用から切り替わったばかりのスイッチ直後品23品目と劇薬5品目で、発毛剤のリアップX5、解熱鎮痛薬のロキソニンS、アレルギー薬のコンタック鼻炎Z、高脂血症治療薬のエパデールT、勃起障害改善薬のガラナポーン、花粉症薬のアレグラFXなど。対象は市販薬全体の0・2パーセントで、リスクの高い1類や2類の一部に相当します。

 2013年10月10日(木)

 

■来春の花粉飛散、今年よりは少なめ 日本気象協会が第一弾予測

 日本気象協会(東京都)は9日、来春の花粉の飛散予測の第1弾を発表しました。

 予測では、九州から東海のほとんどの地域と北海道は例年(2004~2013年の平均値)並みか例年よりやや多く、関東から東北は例年の6~7割程度に少なくなります。

 飛散量が例年の倍近く多かった今春に比べると、九州から東北で少なく、特に本州の日本海側と関東甲信では非常に少なくなる見通し。北海道は少なかった今春よりは増えます。

 日本気象協会によると、一般的に前年の夏が高温で日照時間が長く、雨が少ないと芽が多く作られ、花粉の飛散量が増えます。今夏は全国的な猛暑だったことから、太平洋側を中心に飛散が多くなる条件がそろっていたといいます。

 一方で、花粉は飛散数が多くなる年と少なくなる年が交互に現れる傾向があります。協会は、今春の飛散量が中国から関東にかけ例年の2倍前後だったことを重視。来春は例年より少ない所もあると予測しました。

 予測はスギ、ヒノキが対象で、北海道はシラカバが対象。日本気象協会は今後、花芽調査などを基に予測を更新します。

 2013年10月9日(水)

 

■川崎病、最高の発生率を更新中 2012年は年間1万3917人

 日本に多発する、原因不明の乳幼児の病気「川崎病」の患者数が2011年は1万2774人、2012年は1万3917人で、罹患(りかん)率は2010年から3年連続で毎年、史上最高を記録し続けていることがわかりました。

 特定非営利活動法人日本川崎病研究センター(東京都)が調査をまとめました。1970年から2年に1度、患者の全国調査をしており、今回の第22回調査は小児科のある100床以上の病院と小児科専門病院が対象で、7割の1420病院が回答しました。

 川崎病は1982年に1万5519人、1986年に1万2847人の突出した大流行を挟んで、年々増え続ける静かな大流行の傾向にあります。

 5歳児未満人口に対する罹患率をみると、出生率が低下していることから、2007年以降は1982年を上回っています。2012年は5歳児未満人口10万人に対し264・8人と、1970年の全国調査開始以来の最高記録を更新、患者の数でも1986年を上回り、史上2番目を記録しました。これまでの患者総数は29万9440人になりました。

 従来通り、男児が女児の1・37倍と多くなりました。2011年、2012年とも1月の患者数が多く、春から夏の発病が増えています。生まれたばかりの乳児は少ないものの、その後増え、9カ月から11カ月をピークのカーブで減少します。

 2009年は徳島県、長野県、京都府、熊本県などの罹患率が高かったものの、2010年は隣接県、2011年はさらに回りへと広がる傾向がありました。今回のデータからも、何らかの感染症が関係している可能性が示唆されました。

 川崎病は乳幼児に発症する全身の中小動脈の炎症性疾患で、1967年、日本赤十字社の小児科医・川崎富作(とみさく)博士によって初めて報告されました。急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群とも呼ばれ、全身の血管に炎症が起こり、発熱や結膜の充血などの症状が現れます。後遺症として心臓の冠動脈にこぶが残り、心筋梗塞や突然死を引き起こすことがあります。

 今回の第22回調査では、急性期に心臓異常があった子供は9・3パーセント、治療後に後遺症が残った子供は2・8パーセントでした。

 2013年10月8日(火)

 

■期限切れ医薬品、関東の業者がネットで販売 ヤフー、ページを削除

 インターネット検索大手「ヤフー」が運営するネット上の商店街「Yahoo!ショッピング」で7月下旬、医薬品を扱う関東地方の業者が「使用期限切れ」と表示して市販薬(一般用医薬品)を市場での流通価格より安く販売していたことが、厚生労働省などへのマスコミの取材でわかりました。

 安全確保のルールがまだ策定されていない市販薬のネット販売で、こうした問題が発覚するのは初めて。厚労省はルールに期限切れの薬を販売しないよう盛り込む方針です。

 厚労省やヤフーによると、薬のネット販売監視を担当する東京都職員が7月下旬、数種類の市販薬が「使用期限切れ」とした上で市価より安く販売されているのを発見し、ヤフーに連絡しました。ヤフーは同社の指針に違反する不適切な商品と判断し、強制的に販売ページを削除。ヤフーは販売された薬の名称については公表しておらず、期限切れの薬が実際にどれぐらい販売されたかわからないといいます。

 薬事法では、使用期限の切れた医薬品の販売について規制していないものの、成分が変質した薬の販売は禁じています。使用期限切れの薬は成分が変質している恐れがあり、服用して副作用が出ても公的な救済制度の対象にならない可能性もあるといいます。

 同省は9月中旬、同様の事例があれば報告するよう全国の自治体に要請しましたが、これまでに報告はないといいます。

 ヤフー広報部は、「消費者に不安感を与えるのでページを削除し、業者側も申し訳なかったといっている。今後はパトロールを強化したい」と話しています。

 市販薬のネット販売を巡っては、最高裁が1月にネット販売を認めない厚労省令を違法と判断し、政府が6月に原則解禁の方針を表明。厚労省は有識者検討会の提言に沿って販売ルールの策定を急いでおり、早ければ年明けにも施行の見込みです。

 一方、千葉県は7日、インターネット上でダイエット効果をうたい販売されていた健康食品の4商品から、血圧上昇や頭痛など副作用を起こす可能性のある医薬品成分を検出したと発表しました。現在のところ健康被害の報告はありません。

 同県によると、商品名は「ミラクルスーパースタイルプラチナ」「ヴィクトリアスレンダー」「GLAMOROUS LINE」「ナチュラルスリムダイエット Extra」。食欲抑制作用がある成分や、性的不能治療薬に使われる成分が含まれていました。

 同県は薬事法に基づき、販売業者を所管する名古屋市、横浜市、大阪市に通報。「購入者は直ちに使用を中止してほしい」と呼び掛けています。

 2013年10月7日(月)

 

■妊婦感染のリンゴ病で流産・死産、2011年に49人 初の大規模全国調査

 頬や体が赤くなり、風邪のような症状が出ることもある伝染性紅斑(リンゴ病)に妊娠中にかかり、胎児に感染した女性が2011年に69人確認され、うち約7割の49人が流産、死産していたことが厚生労働省研究班の全国調査で5日、わかりました。

 妊婦を対象に実施した初の大規模調査。69人のうち家族もリンゴ病にかかっていたのは37人で、このうち34人が子供でした。育児中の妊婦が子供から感染するケースが多いとみられ、研究班は、風邪の症状がある人に近付かず、定期的に健診を受けるよう、妊婦に注意を呼び掛けています。

 リンゴ病の原因はパルボウイルスB19。せきやくしゃみを介した感染によって、幼児から学童に多く発症し、頬や腕、足などが赤くなるほか、頭痛や関節痛が生じることもあります。ほとんどは自然に回復しますが、妊婦が感染すると、胎児の組織などに水分がたまる胎児水腫や流産の恐れがあります。

 研究班は昨年、妊婦健診を実施する全国2714施設に、妊娠中のウイルス感染について2011年を対象に調査した。

 回答があった1990施設を分析した結果、母から胎児へのパルボウイルスB19感染を69人確認。うち35人が流産、14人が死産、3人が中絶で、残り17人が出産でした。妊婦の半数はリンゴ病の症状がありませんでした。

 研究班の主任研究長・山田秀人神戸大教授は、「2011年は流行年だったこともあり、今回の調査で妊婦への影響の大きさが明らかになった。パルボウイルスB19を知っている妊婦は少ないとの調査結果もあり、何らかの対策が必要だ」と話しています。

 2013年10月6日(日)

 

■体外受精で生まれた子供、初めて3万人超える 32人に1人が体外受精で出生

 2011年に行われた体外受精で産まれた子供は3万2000人余りと、初めて3万人を超えたことが日本産科婦人科学会のまとめでわかりました。

 日本産科婦人科学会は、体外受精を行っている全国の医療機関から毎年、件数などについて報告を受けています。

 それによりますと、2011年1年間に行われた体外受精の件数は26万9659件で、10年前の3倍以上に増え、世界最多に上っています。

 この体外受精で産まれた子供は3万2426人で、初めて3万人を超えました。

 ここ数年、1年間に生まれる子供の数は100万人余りで、およそ32人に1人が体外受精で産まれた計算になります。

 出産に至る割合は、30歳までは20パーセント程度で推移しますが、その後は年齢とともに下がり続け、40歳で8・1パーセント、45歳で0・8パーセントとなっています。

 体外受精で産まれた子供が初めて2万人を超えたのは2008年で2万1704人、2009年は2万6680人、2010年は2万8945人と、毎年増加し続けています。

 不妊治療に詳しい国立成育医療研究センターの齊藤英和医師は、「体外受精で産まれた子供の増加は、不妊に悩む夫婦が増えていることも示している。卵子の老化などによる不妊に悩む人が減るよう、若い時でも出産しやすい社会の環境整備を急ぐ必要がある」と指摘しています。

 2013年10月5日(土)

 

■カネボウの白斑症状、1万4000人に拡大 1カ月で4000人増

 カネボウ化粧品(東京都中央区)の利用者に肌がまだらに白くなる症状が出た問題で、これまでにおよそ1万4000人に何らかの症状が出ていることを確認したと、会社側が4日に発表しました。

 この問題は、カネボウ化粧品が製造・販売する「医薬部外品有効成分ロドデノール」配合の美白化粧品の利用者に、肌がまだらに白くなる「白斑」と呼ばれる症状が出たものです。

 会社側の調査では、9月29日の時点で何らかの症状が出ていると確認された人の数は、1万3959人となり、1万人を超えました。前回発表した9月1日時点で確認された9959人からは、4000人増加しました。

 症状の程度については、全体の35パーセントに当たる合わせて4906人は、白斑が「3カ所以上」「5センチ以上の大きさ」「(明らかに)顔にある」など、比較的重い症状でした。このうち907人は、「顔や手など広範囲に明らかな白斑がみられる」など、特に重症でした。

 これら以外の軽度な症状の人は5946人、完治・ほぼ回復した人は3107人でした。

 一方、会社側が2回以上訪問して症状を確認した241人のうち、69パーセントに当たる167人は症状に回復傾向がみられるということで、美白化粧品の使用をやめたことや、皮膚科医による治療によって回復に向かっているとしています。

 カネボウによると、症状が目立つ利用者に対する調査はおおむね終了し、今後は軽度の症状の訴えに対する調査が中心となるといいます。また、長期的な治療の相談や、気になる部分を隠すようなメイクのアドバイスなどを行う専門の担当者を、全国8カ所におよそ100人配置して、引き続き対応に当たるといいます。

 2013年10月4日(金)

 

■新手法の出生前診断を開始 昭和大など、血液と超音波で検査

 妊娠初期に胎児にダウン症などの染色体異常があるかどうかを調べる新たな出生前診断を、昭和大など6施設が臨床研究として10月中にも始めることが3日、わかりました。妊婦の血液検査と胎児の超音波検査を組み合わせます。

 今春、国内で始まった新型出生前診断に比べて、費用は8分の1ですみ、年齢制限も設けませんが、異常を見付けられる確率は約8割にとどまります。急速に広がる可能性があり、妊婦への支援や遺伝相談の充実がより重要な課題になります。

 計画しているのは、遺伝カウンセリング体制が整っている昭和大(東京都)など大学病院を中心に、国立成育医療研究センター(東京都)が加わります。施設内の倫理委員会の承認を受け、早い施設は10月中旬以降に始めます。検査を受けた母親や胎児の経過も追い、検査法に問題がないか検証するため、連携して臨床研究の形で行います。正式に実施が決まれば、参加施設名は公表される見通し。

 今回の検査は、血液中の特定のタンパク質の濃度などを測る新しいタイプの「母体血清マーカー」に、超音波で胎児の首の後ろのむくみを測る検査(NT測定)を組み合わせ、妊婦の年齢を考慮して染色体異常の確率を出します。妊娠11~14週で検査が可能で、異常を見付けられる確率(検出率)はダウン症で83パーセント、18番目の染色体が3本あり、精神遅滞やさまざまなな発育異常が出る18トリソミーで80パーセントといいます。

 検査はアメリカの会社が行い、昭和大が提供した日本人データに基づいて判定します。血液1〜3ミリリットルをアメリカに送ると、7〜10日で結果が出ます。費用は2万5000円。

 今年4月に始まった新型出生前診断は、妊娠10週以降に検査が可能で、検出率も90パーセント以上と高くなっています。ただし、妊婦の血液にわずかに含まれる胎児のDNAの断片を解析し、遺伝子や染色体異常を調べることが必要なため、費用は21万円で、対象者も日本産科婦人科学会の指針に基づき原則35歳以上などと限定されています。

 国内で1990年代に導入された従来の母体血清マーカーは、妊娠15週以降にしか使えませんでした。今回の新たな手法では、妊娠11週以降に実施する胎児の超音波検査と組み合わせることで、より早期に高い検出率で検査ができると期待されます。

 この検査法は、イギリスでは公費で導入され、アメリカでも米産婦人科学会が勧めています。日本国内でも一部の医療機関が独自に導入しており、欧米のデータなどに基づいて判定しています。しかし、超音波検査に高度な技術が必要なため、広がっていませんでした。

 出生前診断で、結果を確定させるには羊水検査などが必要なものの、流産のリスクも生じます。また、十分な情報がないまま受ければ、安易な人工妊娠中絶が増えて、命の選別につながりかねないとの指摘もあります。

 2013年10月3日(木)

 

■運動に薬物治療と同程度の効果 梗塞や心疾患の死亡リスクが減少

 梗塞の患者や心疾患のある人の死亡リスクを減らす上で、運動が一部の薬剤と同程度の効果があるとする英米の研究者らによる論文が1日、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルの電子版で発表されました。

 英ロンドン大学経済政治学院、米ハーバード大学医学部、米スタンフォード大学医学部の研究者らによる共同チームは、複数の研究結果を比較し、冠動脈性心疾患のある人や梗塞の患者、前糖尿病状態や心不全がみられる人に対する運動と薬物治療の効果を調べるために、計33万9274人が参加した無作為比較対照試験の結果305件を分析しました。

 このデータ調査によると、冠動脈性心疾患のある人または前糖尿病の症状を示している人では、運動と薬物治療の効果に統計的に差異は検出されませんでした。しかし、梗塞の患者では、運動のほうが薬物治療よりも効果が高く、逆に心不全の治療では薬物治療のほうが効果がありました。

 現時点ではこの比較に関する情報は不足しているため、研究チームは発見を裏付けるためにさらなる臨床試験を促しています。

 健康と長寿にとって運動は大きな要因の一つですが、多くの研究では運動より薬物治療を中心としたものとなっています。

 研究チームは、「医学研究では、ライフスタイルを改める対策よりも、薬物療法に重きを置くようになっている。また、運動指導のほうがより効果的な治療の選択肢となる可能性がある場合においても、現在の医学文献が薬物使用の選択を臨床医に強いている」と批判しました。

 研究チームはまた、より詳細に判明するまでは、運動を「薬物治療に対する、または平行できる実行可能な代案としてみなすべきだ」と主張しています。

 世界保健機構(WHO)によると、身体不活動(運動不足)によって世界では毎年推計320万人が死亡しており、全世界の死亡例で4番目に多いリスク要因となっています。

 2013年10月3日(木)

 

■RSウイルス感染症、流行の兆し 昨年に迫る勢い

 冬場にかけて流行し、乳幼児に肺炎や気管支炎などを引き起こすRSウイルス感染症が、流行の兆しを見せています。調査を始めた2003年以降最多だった昨年に迫る勢いです。

 毎年、秋から冬にかけての長い期間に渡って流行し、12~1月にピークを迎えますが、全国的にも2011年、2012年と2年連続して7月ごろから増加傾向がみられるなど、近年は流行の立ち上がりが早まる傾向にあります。

 RSウイルス感染症は、せきやくしゃみのしぶきなどから感染します。厚生労働省は、乳幼児と接する機会のある人は手洗いをし、症状がある場合はマスクをするよう呼び掛けています。

 国立感染症研究所によると、全国の指定医療機関から報告された患者数は、9月16日~22日の最新1週間に、速報値で3377人。前週よりわずかに減ったものの、20011年の同時期に比べ約3倍。特に東京都、大阪府、福岡県の都市部や、鹿児島県や宮崎県などで多くなっています。

 RSウイルスは呼吸器合胞体ウイルスともいわれ、風邪の原因となる一般的なウイルスの一つ。乳幼児が最も感染しやすいウイルスで、1歳の誕生日までに70パーセントの乳児が初感染し、2歳までにはほとんどの乳幼児が感染するとされます。通常、健康な乳幼児が感染した場合、38~39度程度の発熱、鼻水、せきなどの症状が出て、多くは8~15日ぐらいで治まります。発熱症状がないこともあります。

 ただ、RSウイルスは一度感染しても持続的な免疫ができにくく、予防ワクチンや特効薬もないのが現状。このため、RSウイルスに感染しないよう、手洗いを徹底し、接触感染を防ぐため流行期に子供が集まる場所になるべく行かないなど、ふだんの生活で対策を取ることが重要になります。

 特に肺炎や気管支炎、脳症を起こして重症化しやすいのは、生後6カ月以内の乳児や早産児、慢性肺疾患や先天性心疾患などの基礎疾患を持っている乳幼児とされます。

 重症化を防ぐ手段としては「シナジス」と呼ばれる抗体製剤の投与がありますが、100ミリグラムで約15万円と費用が高いのがネック。ただ、29~35週の早産で6カ月以下の新生児や乳児などは健康保険が適用され、重症化のリスクが高い早産児には投与が勧められます。

 2013年10月2日(水)

 

■屋内での低体温症に注意を 発症者は屋外の3倍

 冬の季節に重い低体温症で病院に運ばれる人は、屋外より屋内での発症が3倍も多いことが、日本救急医学会の調査でわかりました。

 低体温症の全国的な実態調査は、初めて。2009年夏には、北海道大雪山系で高齢者の登山ツアー客が天候の悪化に見舞われ、10人の犠牲者を出した事故がありました。そして、 2012年秋には、中国の万里の長城を歩くツアーでも、2人の日本人高齢者が犠牲となる事故がありました。その死因は低体温症とみられますが、日本における低体温症の実態は、ほとんど解明されていませんでした。

 低体温症は、通常約37度に保たれている体の中心の体温が35度以下になった状態。体温が下がって血液の循環が鈍り、脳に回らなくなって意識を失い、死亡することもあります。

 日本救急医学会は2010年12月からの3カ月間、全国68の医療施設に救急搬送された418人の症状を調べました。

 このうち屋内で発症したのは303人で、屋外は100人、場所不明は15人。平均年齢は、屋内73・2歳、屋外62歳でした。入院、後遺症、死亡した割合のすべてが、屋内のほうが屋外よりも多くなりました。年齢別では、60歳以上が77パーセントを占め、男女別では、男性235人、女性182人、不明1人。

 60歳までの世代では泥酔や事故など外因による発症が主でしたが、60歳以上になると脳卒中の後遺症や糖尿病など持病が原因となったケースが多く認められました。脳卒中の後遺症や重度の糖尿病は、末梢神経の働きが弱るため温度感覚が鈍くなりやすく、判断力が低下して屋内を適温にできず症状が悪化するといいます。認知症で暖房器具の操作ができず、屋内で低体温症になった発症者もいました。

 調査を担当した日本医科大高度救命救急センターの横田裕行教授は、「家族や周囲の人が早めに気を配ることが大切」と話しています。

 日本救急医学会では、屋内での低体温症を防ぐためには、十分な栄養を取ること、低血糖や低栄養になりやすい持病を知ること、家族や周囲の人が室温や服装に気を配ることが大切としています。

 2013年10月1日(火)

 

■風疹、長期的な予防指針を作成へ 昨秋の流行以降1万6000人余が感染

 妊娠中の女性が感染すると新生児に障害が出る可能性がある風疹の流行を受けて、厚生労働省は、免疫を持たない世代への予防接種をどう進めていくかなど、流行防止に向けた長期的な取り組みの指針を来年3月をめどにまとめることになりました。

 昨年から今年の夏にかけて流行した風疹では、全国で1万6000人余りが感染し、女性が妊娠中に感染し目や耳、心臓などに障害が出る「先天性風疹症候群」(CRS)と診断された新生児は19人に上っています。

 このため厚労省は、今後流行を繰り返さないため長期的な取り組みの指針を作ることになり30日、専門家による会議の初会合を開きました。

 この中で今回の流行が、ワクチン接種をしていなかったり、回数が少なかったりした20歳代から40歳代の男性や20歳代の女性を中心に、職場などを通じて広がったことが報告されました。

 これに対して委員からは、こうした世代にできるだけ早くワクチンを接種してもらうため、企業などに協力を求めたり、ワクチンの必要性を理解してもらう活動を行ったりすべきだといった意見が出されました。

 厚労省は、引き続きワクチンの接種をどう進めるかや、流行の防止策、必要な医療体制の在り方などについて話し合い、来年3月をめどに指針をまとめることにしています。

 同様の指針はこれまで結核、はしか、インフルエンザ、エイズ、性感染症の5疾病に対し、感染症法と予防接種法に基づいて定められています。

 2013年9月30日(月)

 

■脳神経の異常な働きが過食の誘因 米大学の研究チーム

 脳の中には食べたいという衝動をコントロールしている神経の中枢があり、この神経の異常な働きが過食につながっていることを、アメリカなどの研究チームがネズミを使った実験で突き止めました。

 この神経の中枢は人間の脳にもあるということで、過食症などの治療に応用できるのではないかと注目されています。

 アメリカのノースカロライナ大学などの研究チームは、脳の視床下部と呼ばれる部分の上にあり、食事の際に活発に働く「BNST」という神経の中枢に注目し、レーザー光線で脳を刺激する特殊な装置をネズミの頭に取り付け実験を行いました。

 その結果、この神経の中枢を刺激して働かせると、ネズミは満腹でも餌をひたすら食べ続けましたが、働きを抑えるとネズミは空腹になっても餌を食べなかったということです。

 研究チームによりますと、食べたいという衝動をコントロールしている神経細胞が特定されたのは初めてです。

 この神経の中枢は人間の脳にもあるということで、研究チームでは過食症などの摂食障害の治療にも応用できるのではないかとしています。

 研究チームのギャレット・スチューバー准教授は、「この神経の中枢をターゲットにすれば、将来的には過食症の薬の開発も可能になると思う。人でも研究を進めて、薬の候補となる物質を見付け出したい」と話しています。

 2013年9月29日(日)

 

■今世紀末、世界の気温4・8度上昇を予測 日本付近は海面上昇や猛烈な台風も

 世界各国の科学者で作る国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は27日、最新の研究成果をまとめた報告書を6年ぶりにスウェーデンで公表し、温暖化対策が行われなければ、今世紀末には世界の平均気温が最大で4・8度上昇すると予測し、温室効果ガスを大幅に削減する必要があると呼び掛けました。

 IPCCの報告書では、温暖化が「人間の活動によって引き起こされた可能性が極めて高い」として、これまでで最も踏み込んだ表現で温暖化が人為的に引き起こされていることを強調しました。その上で、大気中の二酸化炭素の濃度が現在の2倍以上に上昇した場合、今世紀末には世界の平均気温が最大4・8度上昇すると予測しました。

 海面水位は最大で82センチ上昇すると予測しているほか、南極の氷が大幅に溶けた場合はさらに数十センチ上昇する可能性もあるとしています。また、今世紀の後半には、海面水位や気温の上昇とともに、大きな高潮や熱波などが増える可能性が非常に高いと指摘しました。

 一方、国のプロジェクトで日本への影響を研究している気象庁気象研究所や東京大学などの研究チームは、IPCCが今回明らかにした報告書の想定に基づいて、近い将来に海面がどの程度上昇するのかスーパーコンピューターでシミュレーションし、詳細な予測を初めて行いました。

 その結果、世界の海面は上がったり下がったりを繰り返しながら長期的に上昇し、今から22年後の2035年には、1950年と比べて平均でおよそ20センチ上昇するとしています。日本付近は、暖かい黒潮の影響で、世界の中でも特に海面が上昇すると予測しています。

 気象庁気象研究所の石井正好主任研究官は、「上昇の効果はじわじわと現れるので実感しにくいが、台風による高潮などで低い土地の浸水の頻度が高まるため、注意が必要だ」と指摘しています。

 また、名古屋大学や気象庁気象研究所などの研究チームは、今世紀後半の2070年代から2080年代に台風の発生数や規模が、どう変化するのか、スーパーコンピューターでシミュレーションしました。

 平均気温が2度上昇した場合、台風の数は少なくなるものの、伊勢湾台風のような風速70メートルを超える猛烈な台風が毎年のように発生し、中には最大風速が80メートル以上とこれまでに経験したことのない台風も含まれています。

 風速70メートルを超えるような台風は、日本周辺で記録があるのは、1959年(昭和34年)に死者・行方不明者が5000人以上に上った伊勢湾台風と、1958年(昭和33年)に東海地方や関東地方を襲って1200人以上の死者・行方不明者が出た狩野川台風など、3例だけです。

 名古屋大学の坪木和久教授は、「近い未来に台風の勢力が強まることを想定して高潮や暴風などの対策を今から進めることが必要だ」と話しています。

 2013年9月28日(土)

 

■40歳以上の女性、半数が尿の悩み 学会が治療指針

 頻尿や尿漏れ、残尿感に悩む女性が多いことから、日本排尿機能学会はお勧めの治療法をまとめました。40歳以上の女性では2人に1人が頻尿に、7人に1人が尿漏れに悩んでいることがわかりました。

 全国75地点で無作為抽出した40歳以上の男女4570人を調べ、尿の悩みを抱える女性の数を推計しました。夜に1回以上起きて尿をする夜間頻尿は2347万人、1日8回以上尿をする頻尿は1722万人、せきやくしゃみなどで尿が漏れる人は461万人、残尿感がある人は375万人などの結果が出ました。

 同学会はさまざまな治療法について、科学的根拠の有無を調べて「強く勧められる=A」「勧められる=B」「行ってもよい=C1」「勧められない=D」などと5段階で判定し、指針にまとめました。男性では2008年に指針を作りました。

 頻尿や尿漏れには、減量がAと判定されました。仰向けに寝た状態や座った姿勢で、肛門を締めたり緩めたりする骨盤底筋体操もAで、有効と判定されました。

 水分補給に気を付けたり、カフェインを控えたりする食事の工夫はB。このほか、トイレにゆきたくなった時にしばらく我慢する膀胱訓練と、骨盤近くの筋肉を刺激する治療法である電気刺激・磁気刺激もB。

 一方、禁煙、便秘の改善、激しい運動や重労働の軽減はC1で、行ってもよい程度とされました。

 頻尿と急に尿意を催して起こる尿漏れ(過活動膀胱)の薬では、膀胱の収縮を抑える抗コリン薬と、膀胱を緩めるミラベグロンがAと判定されました。尿の出にくさや残尿感の薬では、尿道を広げるウラピジルがBと判定されました。

 指針作成委員長の高橋悟・日大教授(泌尿器科)は、「指針を参考に、患者さんがどこでも適切な診療を受けられるようになってほしい」と話しています。

 2013年9月27日(金)

 

■飲酒量多い女性、脳卒中リスク1・5倍以上 大阪大などが調査

 1日当たり、日本酒なら1合以上、ビールなら大瓶1本以上を飲酒する女性は、時々しか飲酒しない女性と比べ、脳卒中になるリスクが1・5倍以上高くなるという研究結果を、大阪大学と国立がん研究センターのチームがまとめました。

 大阪大学の池原賢代特任助教(公衆衛生学)と国立がん研究センターのグループは、岩手県や長野県など全国9つの地域に住む40歳から69歳までの健康な女性4万7000人を対象として、平均で17年間追跡調査し、飲酒と脳卒中や心筋梗塞などの発症との関係を調べました。

 その結果、1日平均で、日本酒なら1合から2合、ビールなら大瓶1本から2本を飲む女性は、月1~3回の時々しか飲まないという女性と比べ、脳卒中になるリスクが1・55倍高くなっていました。また、日本酒で2合以上、ビールだと大瓶で2本以上飲む女性では、脳卒中になるリスクは2・30倍高くなっていました。

 脳卒中のうちでも特に脳内出血のリスクが顕著で、1日平均で日本酒2合以上、ビールだと大瓶2本以上飲む女性では、2・85倍高くなっていました。心筋梗塞では発症者が少なく、はっきりした傾向がみられませんでした。

 これまで男性では飲酒の量が多くなると脳卒中になるリスクが高くなることが報告されていましたが、女性を対象にした調査結果は今回が初めてだということです。

 女性は男性よりも小柄で肝臓も小さいため、アルコール代謝が遅くなります。このため、男性と同じ量を飲んでも体にかかる負担は大きいといいます。

 調査結果をまとめた大阪大学の池原特任助教は、「最近は女性の飲酒は頻度も量も増えているとみられるが、健康維持のためには、女性の飲酒は1日当たり日本酒なら1合未満、ビールなら大瓶1本未満に抑えるのが望ましい」と話しています。

 2013年9月26日(木)

 

■職場で受動喫煙、いまだ半数が体験 厚労省調査

 働く人の2人に1人が、他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」を職場で体験しているとの調査を厚生労働省がまとめました。

 対策をとる企業が増えたことで5年前調査の3人に2人よりは改善しましたが、いまだに2割近い職場では受動喫煙対策がとられていません。

 2012年の「労働者健康状況調査」で、実態が判明しました。従業員10人以上の1万3332事業所と、そこで働く1万7500人を対象に調査し、昨年10月末時点で、事業所の69・6パーセント、労働者の56・7パーセントが回答しました。

 受動喫煙があると回答した労働者の割合は、「ほとんど毎日」「ときどき」を合わせて51・8パーセント。企業の対策強化や喫煙者の減少で、前回の2007年の調査よりは改善しました。

 職場での喫煙を不快に感じたり、体調を崩したりする人が3割おり、前回調査と同じでした。

 事業所のうち、受動喫煙対策をとっているのは81・8パーセントで、前回調査より6・3パーセント増。

 事業所の規模別にみると、規模の大きい事業所ほど受動喫煙対策をとっている割合が高く、50人以上のすべての規模の事業所で9割を超えており、10〜29人規模の事業所でも77・9パーセントとなっています。

 産業別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」の96・3パーセントが最も高く、次いで「教育、学習支援業」 94.・8パーセント、「金融業、保険業」94・7パーセント、「学術研究、専門・技術サービス業」93・2パーセント、「複合サービス事業」92・7パーセントとなっています。

 受動喫煙対策としては、屋外でのみ吸えるようにしたり、喫煙室を設けて分煙対策をしたりしているとの回答が目立ちました。敷地を含めた全面禁煙は1割強にとどまりました。

 さらに、職場の受動喫煙を防止するための取組を進めるに当たり、問題があるとする事業所の割合は48・2パーセントとなっています。その問題の内容をみると、「顧客に喫煙をやめさせるのが困難である」が34・9パーセントと最も多く、次いで「喫煙室を設けるスペースがない」28・3パーセント、「受動喫煙に対する喫煙者の理解が得られない」24・6パーセント、「喫煙室からのたばこ煙の漏洩を完全に防ぐことが困難である」23・9パーセント、「喫煙室を設けるための資金がない」17・2パーセントとなっています。

 2013年9月25日(水)

 

■アマゾンが薬のネット販売に参入 風邪薬、胃腸薬など4000品目超を即日配送

 インターネット通信販売最大手のアマゾンジャパン(東京都目黒区)は24日、市販薬(一般用医薬品)の販売を10月にも始めることを明らかにしました。

 効き目が強い「第1類」を含め、少なくとも4000品目を超える薬を扱う見通し。即日配送などを生かして、消費者に迅速に届けます。月に4800万人が利用する同社は、各分野で価格競争を先導してきました。薬の価格が割安になれば、政府が成長戦略で解禁を表明した薬のネット販売が普及する契機になりそうです。

 アマゾンは、厚生労働省の検討会が9月内にも、購入者の連絡先の記録作成・保存を努力義務とするなどの薬のネット販売の新ルール案をまとめるのを受け参入します。まず自社サイトに出店するテナント企業が扱う形で販売を開始。現在、厚労省の検討会で協議中の課題をクリアする準備が整い次第、書籍などと同様にアマゾンが直接販売する方式も始めるといいます。

 ビタミン剤などすでに扱っている「第3類」に加え、解熱鎮痛剤「バファリンA」など8000以上の種類があり、需要も大きな「第2類」の販売を本格化。さらに効き目が強く、副作用リスクの高い胃腸薬「ガスター10」など「第1類」も幅広く扱います。

 アマゾンは、同業他社を圧倒する品ぞろえで消費者の支持を集めてきました。市販薬でも競合他社を上回る4000品目を超える薬をそろえるとみられ、売れ筋商品はほぼすべて扱うことになります。

 アマゾンは現在、5000万品目を扱っており、強力な自社物流網を有しています。日本では即日配送で8割弱、翌日配送では9割超の地域をカバーしていますので、市販薬の販売でも精度の高い物流網を生かして消費者の利便性を高めます。また、強力な販売力を持つアマゾンの参入により、市販薬の販売価格の低下が進む可能性が高く、参入当初からドラッグストアや一部のスーパーなどの店頭価格を下回る商品が数多く売り出されると見なされます。

 市販薬の市場規模は現在、小売りベースで約1兆円。民間企業の推計によると、ネット販売は今後2000億円まで拡大する見通しといいます。

 2013年9月24日(火)

 

■2012年のHIV新規感染者、前年比で33パーセント減少 国連が発表

 エイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)を引き起こすHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の2012年の新規感染者数が、2001年と比べて3分の1減少し、特に子供の新規感染者は半減したと、国連(UN)が23日、発表しました。

 2012年にHIVに新たに感染した人の数は全世界で230万人で、2001年と比べて約33パーセント減少しました。また、新たにHIVに感染した子供の数は26万人で、2009年と比べると3分の1以上少なく、2001年からは52パーセント減少しました。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)のミシェル・シディベ事務局長は、「HIVの年間新規感染者数は減少を続けている。特に、新たにHIV感染した子供の数が急激に減少している」と述べました。

 UNAIDSは、HIVに感染した妊婦から胎児への感染を防ぐ抗レトロウイルス薬の配布が成果を上げたと評価。今後2年間で、子供の新たな感染を90パーセントまで減少させることができる可能性も出てきたといいます。

 UNAIDSの年次報告書によると、抗レトロウイルス薬により2009~2012年に67万人の子供の新規感染が防止されました。特に、世界の子供のHIV感染者330万人のうち90パーセントが集中するサハラ以南のアフリカでの成果が目覚ましかったといいます。

 例えばガーナでは、HIV陽性の妊婦のうち90パーセントが抗レトロウイルス治療を受けることができました。3年前に同治療を受けることができたのは、わずか32パーセントでした。

 さらに、2012年にエイズに関連して死亡した人は160万人で、2005年の230万人、2011年の180万人から減少しています。

 2013年9月24日(火)

 

■市販健康食品の4割、薬の効き目低下招く ダイエット関連で顕著

 市販されている健康食品の約4割に、体内で薬や毒物の成分を分解、排出する「薬物代謝酵素」の働きを促す作用があり、医薬品の効き目を低下させるとの結果を厚労省研究班が21日までにまとめました。

 特にハーブやウコンの成分を含んだダイエット関連の商品は、薬効低下が顕著といいます。

 研究班は2010~2011年度、各地の薬局約100店舗を対象に健康食品の販売状況を調査。取り扱いがあった243品目のうち約200品目について、医薬品への影響をみるため順次実験を行い、2012年度に結果を集計しました。

 実験では人間の肝臓を模した培養細胞を作り、健康食品の抽出成分を吸収させて反応を観察。細胞内の薬物代謝酵素のうち、医薬品成分を分解する際に働く「CYP(シップ)3A4」「CYP1A1」の2種類の酵素が活性化するか調べました。

 その結果、この2種類の酵素のいずれか、または両方を活発に働かせる健康食品が、総合ビタミン剤も含めて約80品目に上り、医薬品成分が効力を十分発揮する前に分解される傾向があることがわかりました。薬効が弱まると考えられる医薬品の種類は、睡眠薬、降圧剤、抗うつ薬、免疫抑制剤など。

 研究代表者の永田清東北薬科大教授は、「健康食品に副作用がないとの先入観は誤りで、医薬品の効果を弱めたり、逆に強めたりするものもある。飲み合わせには注意が必要だ」と指摘し、「健康食品が薬の効果にどのような影響を及ぼすのか、国がデータベース化して情報提供する仕組みをつくるべきだ」としています。

 医薬品の効き目に影響を与えるものは健康食品以外にもあり、コーラやジュース、牛乳などで医薬品を飲むと、吸収が遅くなったり、悪くなったりして効果も薄まる傾向がみられることは、従来から指摘されています。また、グレープフルーツやグレープフルーツジュースに含まれている「フラノクマリン」という物質は、酵素「CYP3A4」の活性化を阻害する作用があり、さらにその作用が3日ほど続く場合があるとされています。

 2013年9月22日(日)

 

■医薬品のネット販売にルール、有人店舗を義務化 厚労省の検討会議

 市販薬(一般用医薬品)のインターネット販売について厚生労働省の検討会議は20日、安全確保の具体的な新ルールを決めました。ネットだけの店舗は認めず、薬剤師らが常駐し週30時間程度は営業する実店舗を最低1つ持つことを条件にします。

 リスクの高い薬は画面上で注意点を説明、返事をもらってから初めて発送する仕組みにします。

 市販薬のネット販売は、これまで都道府県に届け出た薬局、薬店でリスクの低い一部の品目に限り認められてきました。この制限を最高裁が今年1月に違法と判断、6月に安倍政権が全面解禁を打ち出したことで、詳しいルールがないまま事実上の解禁状態が続いていました。

 厚労省は、今秋の臨時国会に薬事法改正案を提出し、関係法令の整備を目指します。省令で対応できる一部のルールは、今秋にも適用する可能性があります。

 厚労省の検討会議には、ネット販売業者も参加し、購入者の安全確保や、行政の監視が行き届くことを重視し、ルールを決めました。

 薬剤師らが関わることを条件とし、名前や勤務状況をウェブサイト上に表示。店の場所、外観や陳列状況の写真掲載も義務付けます。実店舗の営業時間終了後にネット販売をする場合も、テレビ電話などで行政が勤務状況を確認できる仕組みも整えます。

 販売時は、個別に入力画面やメールでやりとりします。年齢、症状、持病などを申告してもらい、用法・用量、注意事項などを説明。客が求めた際は、電話や対面でも対応します。副作用リスクの高い第1類の医薬品は、理解したとの返事を受けてから発送します。

 乱用の恐れのある薬は、販売個数も制限。第1類は、店舗での対面販売も含めて販売記録の保存を義務付けます。オークションによる販売は、禁止します。

 医療用から切り替わったばかりの薬など28品目は、別の専門家会議で扱いを検討中で、厚労省は9月中に結論を出す予定です。

 2013年9月21日(土)

 

■カネボウ白斑問題で初提訴 東京都の女性、4800万円請求

 カネボウ化粧品(東京都中央区)の美白化粧品で肌がまだらに白くなる白斑(はくはん)症状が出たとして、東京都内に住む女性(41歳)が19日までに、同社に約4800万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしました。

 女性の代理人の弁護士によると、白斑問題で被害者が同社を提訴した全国初のケースだといいます。

 訴状によると、女性は7月にカネボウが自主回収を発表するまで、美白成分「ロドデノール」が配合された同社の化粧水や乳液などを使用していました。2011年7月に使用を開始し、同年9月ごろから、肌のかゆみを感じるようになり、病院で治療を受けたが改善しませんでした。

 さらに、昨年1月ごろからは白斑の症状が出始めました。現在は顔全体や首、両腕、手の甲に白斑があるといいます。

 女性側は、カネボウに対し、昨年9月に大阪市の医師が関連を指摘した時点で調査をすべきだったと指摘し、対応が遅れたために白斑が広がって残るほど症状が悪化したと主張しています。

 提訴した女性はマスコミの取材に対して、「信用して化粧品を使っていたのに、こんな肌になってしまって昼間は外出しない。人目もすごく気になるので、買い物も夜遅くに行くようにしています。(被害の把握が)何カ月前から何年も前からとか、変わってばっかり。まだまだ隠していることがあるのではないか。カネボウ側からは慰謝料について具体的な話もなく、対応に納得がいかない。裁判ではっきりしてもらいたい」と話しています。

 カネボウは、「訴状が届いておらず、コメントは差し控えさせて頂きたい」としています。

 白斑問題を巡っては、同社が弁護士に委託した調査の報告書が今月公表されました。報告書は、同社が2011年に顧客から症状について指摘を受けながら、自主回収を決めた今年7月まで適切な対応を怠っていた、と指摘しました。

 この問題では9月1日時点で、9959人に白斑の症状が確認され、被害者数はさらに増える見込み。

 2013年9月20日(金)

 

■日本国内の「はしかウイルス」は「排除状態」に 予防接種は必要

 厚生労働省研究班は、はしか(麻疹〔ましん〕)について国内では「排除された状態に至った」との見解をまとめました。患者数が人口100万人当たり1人を下回ると、はしかがその国から排除されたことになります。

 次々と感染して流行する状態にはないといいます。5年前の大流行から患者数が激減、国内で流行の中心だった土着のウイルスが3年以上検出されていないことを確認しています。乳幼児のワクチンの接種率が近年、95パーセントと高い状態が続くなど、十分な免疫を持つ人が増えたためと考えられるといいます。

 はしかは、世界では2005年時点で5歳未満の全死亡の4パーセントを占めるなど、国際的に重大な感染症と位置付けられています。

 日本の土着ウイルスとして流行の中心だった「D5」という型は、2010年5月を最後に検出されていません。世界保健機関(WHO)は排除状態の定義として、「土着のウイルスによる感染が1年以上確認されていないこと」なども挙げています。南米や北米、韓国などは排除されていますが、欧州は2年前に大流行があり、アジアやアフリカの途上国では流行が繰り返されています。

 日本の患者数は全例が報告対象になった2008年は1万1015人でしたが、2009年は741人と一気に減り、2010〜2011年は400人台、2012年は293人。厚労省は、「2008年度から13歳と18歳を対象に、ワクチンの公費による追加接種を始めたことが、患者減少につながった」としています。

 全例で検出ができているわけではないものの、2010年6月以降、患者から検出されたウイルスはすべて、海外から持ち込まれたタイプで、感染は短期間で収まっていました。特定の型のウイルスによる感染、流行が1年以上続くケースは確認されていないといいます。

 厚労省はこの状態が続いていることを確認して報告書をまとめ、日本が属するWHO西太平洋地域事務局が「排除」を認定します。同省は2015年度までの認定を目指します。

 ただし、十分な免疫を持たない人が海外で感染し、日本国内に持ち込んでいるケースはまだにあり、ワクチン接種率が落ちるなどで大流行が起きる可能性はあります。

 厚労省研究班の主任研究者である竹田誠・国立感染症研究所ウイルス第三部長は、「まずは定期接種を受けてほしい。接種歴が確認できない大人も接種してほしい」と話しています。

 2013年9月19日(木)

 

■アトピー症状緩和の化合物、京大チームが発見 治療薬開発に期待

 アトピー性皮膚炎の症状があるマウスに特定の化合物を投与すると、体内で皮膚の保湿効果を高める物質が作り出され症状が改善することを、京都大学の研究チームが突き止めました。研究チームは副作用の少ない、新しい治療薬の開発につなげたいとしています。

 かゆみのある湿疹が続くアトピー性皮膚炎は、皮膚の表面で水分を保つ保湿効果がある「フィラグリン」というタンパク質が少なくなり、皮膚の中に異物が入りやすくなることが原因の1つと考えられています。

 そこで京都大学大学院医学研究科の椛島(かばしま)健治准教授(皮膚科学)の研究チームは1000種類を超える化合物を調べ、この中から「JTC801」という有機化合物が、皮膚表面のフィラグリンを増やす性質を持つことを突き止めました。

 この試薬として販売されているJTC801を培養した人間の皮膚細胞に加えると、皮膚表面で作られるフィラグリンの量が約10倍に増えました。さらに、遺伝的にアトピー性皮膚炎になる特殊な家系のマウスに、発病する生後6週間ごろから、JTC801を体重1キロあたり30ミリグラムずつ毎日飲ませると、4週間で皮膚の症状が大幅に改善したということです。

 アトピー性皮膚炎は国内に患者がおよそ40万人いるとみられていますが、今のところ炎症を抑えるなどの対症療法しかなく、皮膚が薄くなったり病原体に感染しやすくなったりする副作用が出ることがあります。

 今回の化合物は、症状を引き起こす物質(アレルゲン)を皮膚に取り込まないよう作用します。研究チームはアステラス製薬と共同で、新しい治療薬の開発を目指し、10年後をめどに実用化したいとしています。

 椛島准教授は、「保湿効果があるフィラグリンを増やす物質を見付けることは、世界中で競争になっていた。成果を基に薬の開発につなげたい」と話しています。

 2013年9月18日(水)

 

■乳がんで亡くなる人の割合、2012年に初めて減少

 乳がんで亡くなる人の割合が、2012年に初めて減少に転じたことが、厚生労働省の人口動態調査で明らかになりました。

 専門医らは「マンモグラフィー(乳房X線撮影)検診の普及や、新しい抗がん剤の登場などの効果」とみています。欧米では20年ほど前から減る傾向にありましたが、日本は死亡率が上昇していました。

 人口動態調査によると、年齢構成を調整した乳がんの死亡率は1950年に10万人当たり3・3人でしたが、上昇を続け、2011年には19・7人と過去最高を記録。食生活の欧米化による肥満や、出産しない人の増加などが背景にあると見なされます。

 しかし、2012年に19・4人と、初めて0・3ポイント減少しました。

 2000年にマンモグラフィー検診が導入され、視診と触診を併用して、50歳以上で原則2年に1回行うとする指針が作られました。2004年には40歳以上にも対象が広がりました。マンモグラフィーの優れた特徴は、触診ではわからないような小さな乳がんや、腫瘍をつくらない乳がんを、乳がんの初期症状の1つである「微細石灰化」で映し出すこととされています。

 マンモグラフィー検診の受診率はいまだ30パーセント台と低いものの、受診率が上がれば、さらに死亡率は下がりそうです。

 また、2001年に一部の転移性乳がんの患者に劇的に効く抗がん剤で、分子標的治療薬の一種の「ハーセプチン」も登場。その後、再発予防にも使えるようになり、治療後の余命が大幅に延長しました。

 乳がんが多い欧米では、1990年代からマンモグラフィー検診が普及し、1990年代半ばから乳がん死亡率が下がっています。

 昭和大の中村清吾教授(乳腺外科)は、「4〜5年前から横ばいとなっていたが、ようやく減少傾向を示した。今後、検診や治療の技術が上がれば、死亡率もさらに下がるだろう」と話しています、

 2013年9月16日(月)

 

■卵子提供、新たに7組決定 国内初の神戸の民間バンク

 病気などで卵子がない人に第三者の女性が無償で卵子を提供する国内初の「卵子バンク」で、新たに7組の夫婦に卵子が提供されることが決まりました。

 卵子バンクを運営するNPO法人「OD−NET卵子提供登録支援団体」(神戸市、岸本佐智子理事長)が14日、京都市であった研究会で発表しました。これで提供が決まった組み合わせは計10組になりました。

 卵子バンクは1月に卵子提供者(ドナー)の募集を開始。5月に、卵子提供者として登録した9人の中から3組の夫婦に提供する組み合わせを決めていました。

 7月末に、弁護士や小児科医らでつくる「第二回マッチング委員会」を開き、新たに登録した人を含む15人から7組への卵子提供の組み合わせを決めました。卵子提供者は半年ほどかけてカウンセリングを重ね、体外受精のために採卵される予定。

 OD−NET卵子提供登録支援団体では、卵子提供者の要件を満たす女性は、 ▽原則35歳未満で、すでに子のいる成人女性であること▽提供には配偶者の同意が必要(配偶者がいる場合)▽提供のための採卵回数が3回以内であること ▽卵子提供について十分に理解していること、としています。現在、提供が決まった人を含め、現在20人が登録しているといいます。

 一方、卵子提供を受けられる被提供者(レシピエント)は、生まれ付きの体質で卵巣機能が低下している女性(ターナー症候群など)や、若くして卵巣機能が低下して月経が止まってしまう早発閉経の女性が対象で、▽医師によって、卵子がないと診断された女性であること ▽年齢は登録申請時40歳未満であること▽法律上の夫婦関係にあること、を要件としています。

 卵子提供者への金銭的な報酬はなく、排卵誘発剤による副作用など何らかの異常が起こった場合、かかった医療費を被提供者側が負担します。

 2013年9月15日(日)

 

■100歳以上、過去最多5万4000人超 9割近くは女性

 厚生労働省は13日、全国の100歳以上の高齢者が昨年より3021人増え、過去最多の5万4397人に上ると発表しました。

 敬老の日を前に毎年調査しており、前年比増は43年連続。人数は調査が始まった50年前の355倍となり、長寿社会の進展を映しています。調査が始まった1963年には全国で153人でしたが、1981年に1000人を、1998年に1万人を超え、昨年は初めて5万人を超えました。ここ数年は3000人から4000人ずつ増え続けています。

 これについて厚生労働省は、「医療技術の発達や介護の充実など、高齢者の暮らしを支える環境が改善されているためではないか」と分析しています。

 住民基本台帳を基に15日時点で100歳以上となる高齢者数を都道府県を通じて1日現在で集計しました。男性は6791人、女性は4万7606人で87・5パーセントを占めました。2013年度に100歳になった人と、なる人を合わせると2万8169人で、これも過去最多。

 国内最高齢は女性が大阪市東住吉区の大川ミサヲさん。1898年(明治31年)3月5日生まれの115歳で、男女を通じて世界最高齢として8月にギネス世界記録に認定されています。男性はさいたま市の百井盛さんで、1903年(明治36年)2月5日生まれの110歳。

 人口10万人当たりの100歳以上の人数は、全国が42・66人。都道府県別では、島根県が82・46人と最多で、高知県78・59人、山口県71・70人が続きました。最も少ないのは埼玉県で24・08人で、愛知県27・66人、千葉県29・91人の順となりました。

 2013年9月14日(土)

 

■カネボウ化粧品、白斑問題10カ月放置 美白成分の原料物質でも白斑症状

 カネボウ化粧品は11日、美白化粧品で肌がまだらに白くなる白斑(はくはん)被害が起きたとみられる問題で、同社が委託した外部弁護士による調査報告書を公表しました。

 報告書では、苦情相談の担当者らが「白斑は病気で化粧品とは関係ない」と思い込んで、顧客からの苦情を真剣に取り上げなかったことが最大の原因と指摘。この責任を取り、カネボウは同日、夏坂真澄社長ら経営幹部10人が役員報酬を最大5割返上すると発表しましたが、社長自身の引責辞任については否定しました。

 報告書は、カネボウの一連の対応について「まず製品ありきで消費者が後回しになっていた。意図的隠蔽があったとまで評価できないが、都合の悪いことは無視しようという態度が表れていると評価されてもやむを得ない」と厳しく批判。報告書をまとめた中込秀樹弁護士は同日、東京都内で記者会見し、「固定観念と事なかれ主義で(問題が)放置されてきた」と述べました。

 カネボウによると、2011年10月に美白化粧品の購入者から「顔に白抜けの状態が出た」との最初の被害情報が寄せられ、2012年2月には、同社の販売員3人にも白斑の症状が出て、本社に問い合わせがあったものの、カネボウ側は医師に相談するなど適切な対応をとりませんでした。

 その後も被害情報が相次ぎながら、苦情相談や販売現場の担当者は「病気」「判定不能」などと判断。2013年5月に岡山県内の大学病院の医師から「化粧品が原因の可能性がある」と指摘され、夏坂社長に報告されるまで、化粧品自体に問題はないと認識していました。

 今回の報告書は、会社の説明を大筋で認めた上で、2012年9月にも大阪府内の大学病院の医師から「化粧品が引き金となった可能性がある」との診断が出ていたことなどから、「この時点において、対策を取るべき義務が発生していた」と、対応の遅れを批判しました。

 同社が2013年5月に問題を把握してから、7月4日の商品回収発表まで約2カ月かかった点も、「遅きに過ぎた」としました。

 この問題では9月1日時点で、9959人に白斑の症状が確認され、被害者数はさらに増える見込み。

 被害が出ているのは同社が開発した美白成分「ロドデノール」を含む化粧品。「化粧水」「乳液」「ナイトクリーム」「顔に貼るマスク」「日焼け止め」の5種類をシリーズ商品として製造、販売し、併用すればより効果が得られると推奨していて、被害が確認された人の中にも、3種類以上を購入して使っていた人が多数いました。

 なぜ製造販売を国に認められたのでしょう。医薬部外品の審査は医薬品と同様、動物実験や人での臨床試験で安全性などを調べ、国が承認します。

 カネボウは2006年にロドデノールを申請し、厚生労働省は1年半後に承認しました。白斑については、通常の2倍濃度で手の甲に6カ月間塗る試験をした結果、確認されなかったとされます。今回の報告書では「検査も適正に行われ、承認申請に問題がなかったと判断される」と、開発段階の手続きの妥当性を認めました。

 しかしながら、ロドデノール開発の切っ掛けになった物質が過去に白斑被害を起こし、カネボウも把握していたことが明らかになりました。物質は食品の香料などに使われるラズベリーケトン(キイチゴの香り成分)で、これに水素を結合させるとロドデノールになります。

 山口大学の福田吉治教授(地域医療・公衆衛生学)が、国内の化学薬品メーカーでラズベリーケトンの製造作業をしていた男性従業員3人に1992年ごろ、白斑の症例があったことを1998年の論文で報告。

 カネボウも申請時にこの福田教授の論文を引用したものの、申請書には添付されず、独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査や厚生労働省の薬事・食品衛生審議会では参照されることはありませんでした。

 福田教授は別の論文で、色素細胞そのものを破壊してしまう白斑発症のメカニズムも指摘していました。今回のロドデノールでも同様の作用を疑う見方があり、福田教授は「論文がきちんと読まれていれば、開発や承認段階でより突っ込んで検討できたのでは」と話しています。

 一方、厚労省は「審査は、申請のあったロドデノールについてさまざまな試験をして総合的にリスク評価しており、問題はなかった」としています。

 2013年9月12日(木)

 

■美白化粧品、カネボウの被害者1万人に近付く ほかの9社でも白斑を確認

 カネボウ化粧品は9日、美白化粧品で肌がまだらに白くなる「白斑(はくはん)」の被害が出ている問題で、9月1日の時点で合計9959人に症状が確認できたと発表しました。前回発表の8月25日時点から1281人増えました。

 同社員が被害を訴える人のうち1万863人を訪問し、9割を超える人に症状が確認されました。白斑が「3カ所以上」「5センチ以上の大きさ」「(明らかに)顔にある」の重い症状の人は3705人でした。重くはないものの、症状が確認できた人は3846人。回復したか、回復傾向にある人は2408人でした。

 一方、白斑の被害について厚生労働省は10日、カネボウ化粧品以外の9つのメーカーが製造した合わせて15種類の化粧品を使った計16人から、被害報告が寄せられたことを明らかにしました。報告は1製品当たり1~2人にとどまっているほか、医師の診断を受けていない例も含まれ、厚労省は「製品との因果関係は不明」としています。

 カネボウ化粧品で被害が相次いだことから、厚労省が8月、薬用化粧品や化粧品のメーカーに同様の健康被害がないか自主点検し、1カ月以内に報告するよう求めていました。同省によると、各メーカーから医薬品医療機器総合機構(PMDA)を通じ、8月8日~9月9日に報告を受けました。

 「精査が必要」として会社名や製品名は公表せず、PMDAで内容を分析した後、結果を公表するといいます。

 田村厚生労働大臣は、「医師の診断を受けていない人もおり、今後、専門家の意見も聞いて因果関係についてできるだけ早く分析したい」と話しています。

 2013年9月10日(火)

 

■子宮頸がんワクチン接種後、171人が学校生活に支障

 子宮頸がんワクチンの接種後に長く続く痛みを訴える声が出されている問題で、予防接種後に症状を訴え学校や部活動を欠席するなどした中高生が、2012年度に171人いたことが、文部科学省の6日までの調査でわかりました。学校の調査結果がまとまるのは初めて。

 子宮頸がんワクチンを巡っては、厚生労働省が今年4月、子宮頸がんワクチンを原則無料で受けられる定期接種に位置付けました。しかし、体に痛みが広がる副作用が一部で報告されたため、同省は6月、積極的な接種の呼び掛けを中止するよう全国の地方自治体に勧告しましたが、11~16歳の女子は定期接種の対象のままとされています。

 文科省は6月から7月にかけて、全国の国公私立の中学、高校、特別支援学校計約1万6700校(女子生徒数約340万人)に質問状を送り、全校から回答を得て集計しました。

 調査結果によると、ワクチンを接種した生徒で、体や頭の痛みなどの症状を訴えて2012年度中に計30日以上欠席した女子生徒は51人。「発熱や関節痛、歩行困難で入院した」「激しい頭痛で登校が困難」「突然手足が震える」などの症状を訴え、1年以上欠席した生徒も18人いました。

 体育の授業や部活動を計30日以上休んだのが21人。欠席が30日未満の場合や、通学はしているものの症状を訴えた例などが99人でした。

 現在も欠席が続くなど「学校生活の改善なし」とされたのは69人。57人が回復し、43人が回復途中でした。 

 文科省は都道府県教委などに対して、体調不良の生徒について、心身の状態に応じて学校生活で適切な配慮をするよう要請したといいます。

 文科省学校健康教育課の知念希和・専門官は、「ワクチンとの因果関係はわからないとはいえ、多くの生徒がよくわからない症状で苦しんでいる事実は重い。学校には学習面や学校生活で個別の配慮を求めたい」と話しました。

 2013年9月9日(月)

 

■美白化粧品、使用やめ半年で約6割改善 皮膚科学会が報告

 カネボウ化粧品が製造、販売する美白効果をうたった化粧品を使った人の中に、肌がまだらに白くなる「白斑(はくはん)」などの症状が出た問題で、使用をやめて半年以上が経過した患者のうち6割近くで、白斑が完全に消えたり、小さくなったりしたことが、日本皮膚科学会の調査でわかりました。

 カネボウ化粧品には、白斑などの症状が出たという連絡が8月25日時点でおよそ1万2400人から寄せられ、このうち8678人については、実際に会社側が顧客を訪問して症状を確認しています。

 このうち、白斑が「3カ所以上」「5センチ以上の大きさ」「(明らかに)顔にある」といった重い症状だった人は3379人。重くはないものの症状が確認できた人は3311人でした。また、回復したか、回復傾向にある人は1988人でした。

 日本皮膚科学会の特別委員会は7日、学会が指定した全国の病院やカネボウ化粧品から集めた患者の情報を詳しく分析し、調査結果を発表しました。

 その結果、発症した時期は使用開始後2カ月~3年で、化粧水を単独で使った場合に比べ、乳液やクリームなど複数の商品を使った場合のほうが発症割合が高くなったといいます。

 一方、化粧品の使用をやめて半年以上たった患者のうち58パーセントの人で、白斑が完全に消えたり、小さくなったりしたことがわかったということです。

 また、患者を治療した医師からは、皮膚炎に使われるタクロリムス軟膏などを使ったところ、白斑の症状がよくなったケースが報告されたということで、治療効果について検討していくことにしています。

 特別委員会によりますと、化粧品の使用をやめて2カ月後には、症状の明らかな改善が見られている患者が多いということですが、人によっては1年から2年、経過を見る必要があるとしています。

 特別委員会は、カネボウ化粧品が独自開発したメラニンの生成を抑える物質「ロドデノール」が発症に関与しているとみています。今後、2年をかけて白斑が起きた原因や治療法について、調査していくことにしています。

 2013年9月7日(土)

 

■入院病床、病状に応じて4つに区分 厚労省が新制度

 病気を発症した直後の患者向けに偏っているとされる入院できる病床の再編を促そうと、厚生労働省は、病状に応じて病床を4つに分けた上で、医療機関に対して、どの病床を目指すか、都道府県への報告を義務付ける新たな制度を設けることを決めました。

 これは4日に開かれた厚労省の専門家会議で決まりました。

 国内の病院には、精神病などを除いておよそ120万人分が入院できる病床がありますが、病気を発症した直後の急性期の患者を対象にした病床が大半で、リハビリのための病床が少なく、病状に応じた適切な医療が提供されていないと指摘されてきました。

 このため、厚労省は、病床の再編を促そうと、病状に応じて病床を4つに区分した上で、医療機関に対して病棟ごとにどの病床を目指すか、都道府県への報告を義務付ける新たな制度を設けることを決めました。

 病床の4つの区分は、発症直後の患者を対象にした「高度急性期」と「急性期」、リハビリなどを行う「回復期」、それに長期間の療養が必要な患者が入院する「慢性期」とするとしています。

 病院から報告を受けた都道府県は、その情報を公表するとともに地域の実情にあった医療体制作りに取り組むなどとしています。

 厚労省は、この新たな制度を盛り込んだ医療法の改正案を来年の通常国会に提出したいとしています。

 一方、病院(20床以上)の数は、昨年10月時点で8565施設(前年比40減)となったことが4日、厚生労働省の2012年医療施設調査でわかりました。患者の平均在院日数は31・2日で前年より0・8日短くなりました。

 病院のうち精神科専門などを除く7493施設中、小児科を掲げていたのは2702施設(前年比43減)、産婦人科を掲げていたのは1218施設(前年比21減)で、いずれも19年連続の減少。

 歯科診療所を除く一般診療所(19床以下)の数は、10万152施設(前年比605増)となり、1953年の統計開始以降初めて10万施設を超えました。

 厚労省は、「地域医療の担い手が病院から診療所へと移ってきているのではないか」と分析しています。

 2013年9月5日(木)

 

■冷凍保存の卵巣を移植、機能回復 順天堂大、国内初

 がん患者の女性から卵巣の一部を取り出して凍結保存し、抗がん剤による治療を行った後に再び体内に戻して機能させることに、順天堂大学の研究チームが成功しました。

 抗がん剤による治療で卵巣がダメージを受け妊娠ができなくなるのを防げると、注目されています。

 この手術を行ったのは、順天堂大学医学部の菊地盤先任准教授(産婦人科)らの研究チーム。

 研究チームでは、がんの一種、悪性リンパ腫の20歳代の未婚女性から、2008年に左右一対ある卵巣の片方を摘出し、1センチ角の組織片10枚を凍結保存しました。

 女性はその後、抗がん剤治療や骨髄移植を受け回復しましたが、治療によって卵巣の機能が失われ、エストロゲンという女性ホルモンを作れない状態が1年続いていました。その後、組織片2枚を解凍し、体内に残った卵巣に移植。半年後、卵子を包む袋のような卵胞が発育し、卵胞が作るエストロゲンの血中濃度も上がり、妊娠可能な状態に戻ったことが確認されたということです。

 女性のがん患者が抗がん剤の治療を受けると卵巣がダメージを受け、多くの場合妊娠できなくなりますが、この手術を行えば妊娠ができるようになると注目されています。

 研究チームによりますと、がん患者で凍結保存した卵巣の一部を戻す手術が成功したのは、国内では初めてです。

 菊地先任准教授は「卵巣の摘出、凍結は短期間にできるので、すぐに抗がん剤治療を始めなければならない患者にも有効な方法だ。将来の妊娠の可能性を残すことは、治療を頑張るための希望になる」と話しています。

 研究チームの成果は、名古屋市で開催される日本産科婦人科内視鏡学会で6日に発表されます。

 2013年9月4日(水)

 

■熱中症、8月の搬送者2万7000人 過去2番目の多さ

 熱中症で8月中に病院に救急搬送されたのは全国で2万7564人だったことが3日、総務省消防庁の集計(速報値)でわかりました。調査を開始した2008年以降では、2010年8月の2万8448人に次いで2番目に多い月となりました。

 全国各地で40度を超える最高気温が観測されるなど記録的な猛暑だったことが、影響しました。

 一方、今年5月末から9月1日までの3カ月余りの間に熱中症で救急搬送された人は、全国で5万6172人で、過去最悪のペースで増えています。救急搬送された人を都道府県別にみると、東京都が4385人で最も多く、次いで、愛知県が3969人、大阪府が3887人などとなっています。

 年齢別では65歳以上の高齢者が2万6809人で、半数近くを占め、最も多くなりました。

 また、8月26日から9月1日までの1週間に救急搬送された人は、全国で1977人で、前週の6027人から67・2パーセント減少しました。3週間以上の入院が必要な重症者は40人で、死亡者はいませんでした。比較的、過ごしやすい天気が続いたためで、減少は3週連続。

 搬送者が100人を超えた都道府県は、東京都281人、神奈川県194人、埼玉県186人、千葉県152人の順でした。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が887人で44・9パーセントを占め、7~17歳の少年少女が227人で10・8パーセントを占めました。

 消防庁は再び暑くなることもあり、加えて過去3年間は9月に入っても1カ月に数千人が熱中症の疑いで病院に搬送されていることから、引き続きこまめに水分を補給し、エアコンや扇風機を適切に利用するよう呼び掛けています。

 2013年9月3日(火)

 

■風疹抗体検査、来年度から無料に 子供を望む男女対象、厚労省

 風疹の流行を受け、厚生労働省は風疹の免疫を持っているか調べる抗体検査の費用を全額補助する方針を固めました。妊娠を望むが予防接種を受けたかわからない女性やそのパートナーが対象です。

 妊娠中の女性が感染すると新生児の心臓や目、耳などに障害が出ることがあり、検査で免疫がないとわかれば、予防接種を促します。

 今回の風疹の流行は、予防接種率が低い20~40歳代を中心に広まりました。先天性風疹症候群と呼ばれる新生児の障害が増え、一部の自治体では、予防接種や抗体検査の費用を独自に補助する動きが出ています。

 このため、厚労省は来年度から検査の補助を全国に広げ、無料にします。費用は国と自治体で半額ずつ負担することになり、厚労省はおよそ30万人分の費用として、来年度予算の概算要求に8億円を盛り込みました。

 風疹の予防接種を受けた人や過去に風疹に感染した人は、免疫を持っています。厚労省によれば、20~40歳代で免疫がない人、または免疫が不十分な人は1〜2割ほど。

 通常の抗体検査は5000円、任意の予防接種は1万円ほど必要で、抗体検査で十分な免疫があるとわかれば、不要な予防接種をせずにすみます。

 厚労省は、「任意の予防接種には1万円ほどかかるので、無料で抗体検査を受けてもらい、必要な人が予防接種を受けやすい態勢を整えたい」と話しています。

 国立感染症研究所によれば、先天性風疹症候群は昨年から8月14日までに16人確認されています。一方、風疹の流行は収まりつつあり、患者は30週ぶりに100人を切りました。5月には週800人を超えていました。

 一方、日本感染症学会は8月31日、来年以降も風疹の流行が繰り返されることが懸念されるとして、引き続き大人を中心に多くの人が予防接種を受けるよう求める提言を公表しました。

 日本感染症学会がホームページ上で公表した提言によりますと、今回の風疹の流行は今年5月から6月をピークに患者数が全国で1万3000人を超え、すでに昨年1年間の5倍以上に上っています。

 特に、大人が患者の90パーセントを占めているほか、昨年から8月7日までに合併症として、脳炎が16例、血小板が減って内出血を起こす症例も67例報告されるなど重症化するケースもあり、「決して子供の軽い病気と侮ることはできない」と指摘しています。

 その上で、来年も再び流行が繰り返されることが懸念されるとして、大人を中心に風疹ワクチンの予防接種を進めるなどの取り組みを続けることが望まれるとしています。

 また、風疹の予防接種の費用を独自に補助している自治体の一部では期限を9月末までとしているところがあることから、日本感染症学会では「自分の住んでいる地域の助成の期限を確認して、できるだけ多くの人が予防接種を受けてほしい」と呼び掛けています。

 2013年9月2日(月)

 

■無煙たばこ、煙なくとも健康被害あり 学術会議が対策提言

 日本学術会議の分科会が8月30日、使用者が増えつつある無煙たばこに関し、一般のたばこに比べ「安全」「害が少ない」といった誤解の解消など、健康被害を防ぐための緊急提言を発表しました。

 提言をまとめたのは、脱タバコ社会の実現分科会。無煙たばこは煙が出ないので、未成年者が使っても見付かりにくく、禁煙したい人の妨げにもなるとしています。

 火を使わず煙も出ない無煙たばこには、粉末状の葉が詰まったカートリッジをパイプ状の本体にセットして吸う「かぎたばこ」があり、国内では日本たばこ産業(JT)が8月1日から、たばこの葉の入った小さな袋を歯茎とほおの間にはさんで使うタイプの新製品「スヌース」を大阪市内で販売しています。ほかにも海外製が流通しています。

 そのほかの無煙たばことして、湿った粉末状のたばこの葉を歯茎に塗布する「アメリカンスナッフ」や「かみたばこ」などがありますが、日本では未発売。

 提言によると、無煙たばこは約30種類の発がん物質を含み、口腔(こうくう)がん、食道がん、膵臓(すいぞう)がんの原因となる可能性があり、揮発成分による「受動喫煙」の恐れもあります。紙巻きたばこと同様に、ニコチン依存を招き、心臓病などの危険性も高まります。

 禁煙や分煙の取り組みが広がり、無煙たばこの需要が高まっていますが、海外では、欧州連合などが口に含んで使う無煙たばこを禁止しています。

 脱タバコ社会の実現分科会の委員長である矢野栄二・帝京大教授は、「未成年者が授業中も使えてしまう」と指摘し、「新たな市場、文化をつくり出そうとしている懸念があり、緊急提言した。たばこであることに違いはなく、禁煙補助剤の代わりにもならない」と話しています。

 分科会では、JT製品は外袋には注意書きがあるものの、製品が直接入った容器にはなく、健康被害を認識させづらいと問題視しており、健康影響の評価や警告表示の強化、知識の普及などを求め、教育機関、医療機関、行政などの関係者が無煙たばこの危険性を呼び掛けるよう求めました。

 2013年9月1日(日)

 

■生のフルーツで2型糖尿病のリスク低下 ジュースで逆にリスク上昇

 新鮮な生のフルーツを食べるほど2型糖尿病のリスクが下がり、フルーツジュースでは逆効果でたくさん飲むほどリスクが高まるとする研究結果が、30日の英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルで発表されました。

 米ハーバード公衆衛生大学院など英米シンガポールの共同研究チームは、約25年間にわたって米国で行われた3つの大きな健康調査のデータを精査しました。調査対象は看護師や介護士などの医療従事者18万7000人以上で、数年にわたって健康状態を観察され、食習慣や体重、喫煙、運動、その他生活スタイルの指針となる事柄について、定期的にアンケートに答えていました。このうち約6・5パーセントの人が、糖尿病にかかりました。

 この研究結果によると、果物を丸ごと食べるのは月1回未満という人と比べ、毎週2回食べている人では2型糖尿病のリスクが最大23パーセント低くなりました。特にブルーベリー、ブドウ、リンゴで効果がみられました。

 一方、フルーツジュースを毎日1杯以上飲む人では、糖尿病リスクが最大21パーセント高くなりました。

 生のフルーツとフルーツジュースでは栄養価は同程度なものの、この有意差を生んでいるのは半固体か液体かの違いにあると共同研究チームは推測し、「液体のほうが固体よりも胃を通過して腸に到達するのが速い。言い換えれば、そのままのフルーツよりもフルーツジュースのほうが血糖値と血中インスリンにより速く、より大きな変化をもたらす」と述べています。

 フルーツジュースは手軽に摂取でき、グレープフルーツやオレンジなどのジュースが循環器系疾患の予防に効果的であることはすでにいくつかの研究からも示されていますが、2型糖尿病については逆にリスクを上げるとする研究結果です。

 米国で行われた大きな健康調査の1つでは、フルーツジュースにすることで、食物繊維や植物性二次代謝産物などの糖尿病予防に有効と考えられる成分が十分に取れず、また糖質を短時間でしかも大量に摂取することが逆に糖尿病のリスクを高める結果になっているのではないかと考察しています。

 2013年8月31日(土)

 

■人のiPS細胞から直径4ミリの「脳」を作製 イギリスなどの研究チーム

 体のさまざまな組織になる人間のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、直径約4ミリの立体的な脳組織を作ることに成功したと、イギリスやオーストリアの研究チームが28日付のイギリスの科学誌ネイチャー電子版に発表しました。

 この脳組織には大脳皮質に似た構造や髄膜などが含まれており、複雑な人間の脳の一部を形作った画期的な成果。脳の成長が滞る小頭症の患者のiPS細胞からも脳組織を作り、発達異常が起きることを確認しました。

 研究チームは、「脳が出来上がる仕組みを調べたり、人間の脳に特有な病気の仕組みを解明したりすることにつながる」としています。

 研究チームは、実験用の人間のiPS細胞を神経系の細胞へ変化させ、ゼリー状の物質の中に入れて培養。4日後、培養液の入った容器に移し、液をゆっくりとかき混ぜながら、さらに培養しました。すると、神経系の細胞への変化を始めてから2カ月で、直径約4ミリの脳組織に成長しました。

 この脳組織には、大脳皮質と同じように細胞が層状に重なった構造が見られました。記憶をつかさどる海馬の細胞や、目で光を感じる網膜なども含まれていました。

 ただし、各部分の位置や形は本来の脳とは異なり、全体の大きさは10カ月間培養を続けても直径約4ミリより大きくなりませんでした。脳組織の中央部では、酸素や栄養が行き渡らず細胞が死んでいたといいます。

 脳の発育が悪く、脳が生まれ付き小さい小頭症患者の皮膚の細胞から作ったiPS細胞を同様に培養したところ、発達に異常がある脳組織ができ、症状を再現できました。

 人間のiPS細胞からは、これまでに腸や腎臓や膵臓の一部、小さな肝臓などの立体的な組織が作られています。

 iPS細胞の研究に詳しい慶應義塾大学の岡野栄之教授は、「血管がないなど、脳を完全に再現したわけではないが、複雑な人の脳を解明していく上で大きな一歩だ」と話しています。

 2013年8月30日(金)

 

■マダニ媒介ウイルス、新たに山梨など4県で確認

 西日本を中心に感染が相次いでいるマダニが媒介する新たな感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を引き起こすウイルスが、これまでに患者の報告されていない和歌山、福井、山梨、静岡の4つの県のマダニからも確認されたことが29日、厚生労働省の研究班の調査でわかりました。

 SFTSは2009年に中国で集団発生し、国内では今年1月山口県で初めて感染が確認され、過去に逆上って調査した結果、これまでに九州、中国、四国、近畿の13の県で39人の感染が確認され、このうち16人が死亡しています。

 厚労省の研究班は今年春以降、全国でマダニを採取するなどしてウイルスの分布を調べていますが、これまでの調査の結果、患者が報告されていない和歌山、福井、山梨、静岡の4つの県のマダニからもウイルスが確認されたということです。

 また、マダニが生息する野山にいるシカやイノシシのほか、猟犬の血液を調べた結果、患者が報告されていない福岡、香川、和歌山、三重、長野、富山、岐阜の7つの県でもウイルスに感染したことを示す抗体が見付かったということです。

 厚労省は、採取するマダニの数や種類を増やすなどして、さらに調査を進めることにしています。

 厚労省感染症情報管理室の中嶋建介室長は、「調査は始まったばかりで、今後ウイルスが分布する地域はさらに広がる可能性があるので、患者が報告された地域以外に住む人も野山に入る際にはダニにかまれないよう長袖や長ズボンを着用するなど注意してほしい」と呼び掛けています。

 2013年8月29日(木)

 

■ゴマとカシューナッツ、アレルギー表示の推奨品目に追加 消費者庁 

 加工食品に含まれる食物アレルギー物質として、できるだけ表示するよう求められる推奨品目に、新たにゴマとカシューナッツが加えられることになりました。

 加工食品の食物アレルギー表示は食品衛生法に基づき、現在、表示を義務付けられているものが卵、乳、小麦、エビ、カニ、ソバ、落花生の7品目、表示を推奨されているものがアワビ、イカ、サバ、イクラ、オレンジ、牛肉、キウイ、大豆、クルミ、バナナなど18品目あります。

 こうした中、消費者庁が医師の協力を得て、2011~12年度に全国で食物アレルギー症状が報告された症例を調査したところ、約3000例のうちカシューナッツは18例、ゴマは12例ありました。

 カシューナッツは急性反応で、呼吸困難や意識障害など重い症状になるアナフィラキシーショックも5例あったといいます。また、2品目は過去の調査でも食物アレルギーの原因の上位に入っています。

 このため、消費者庁はこの2つの食品について、食物アレルギーを引き起こす可能性があるとして、できるだけ表示するよう求められる推奨品目に加えることを、27日に開かれた内閣府消費者委員会の部会に提案し決定されました。

 推奨品目の追加は、2004年のバナナ以来。ゴマとカシューナッツを加えて、推奨品目は計20品目となりました。

 消費者庁は今後、都道府県などを通じて、加工食品のメーカーなどにゴマとカシューナッツについて、1年以内にできるだけ食物アレルギー表示を行うよう指導することにしています。推奨品目は表示しなくても、罰則はありません。

 ゴマは、白ゴマ、黒ゴマなどすべての種類が対象で、ゴマ油など加工品も含まれます。

 消費者委員会食品表示部会の田島眞部会長は、「今日の決定を受けて、メーカーにはゴマとカシューナッツについて、できるだけ表示を行うよう努めてもらいたい」と話していました。

 食物アレルギーは、食物を摂取した際、体が食物に含まれるアレルギー物質であるタンパク質を異物として認識し、自分の体を防御するために過敏な反応を起こすことです。主な症状は「かゆみ・じんましん」「唇のはれ」「まぶたのはれ」「嘔吐」「咳・喘鳴(ぜんめい)」などで、「意識がなくなる」「血圧が低下してショック状態になる」という重篤な場合もあり、最悪、死に至ることもあります。

 食物アレルギーは、人によってその原因となるアレルギー物質とその反応を引き起こす量が異なります。また、同一人であっても体調によって、その反応も変わります。

 食物アレルギー体質を持つ人の正確な人数は把握されていませんが、全人口の1〜2パーセント、乳児に限定すると約10パーセントが、何らかの食物アレルギーを持っているものと考えられています。

 2013年8月28日(水)

 

■熱中症、この夏の搬送者5万3000人超、死者338人

 この夏、熱中症で病院に搬送された人は、全国で合わせて5万3000人余りと昨年の同じ時期より30パーセント余り増え、過去最悪のペースとなっていることが総務省消防庁のまとめでわかりました。

 総務省消防庁によりますと、集計を始めた5月27日から8月25日までのおよそ3カ月の間に熱中症で病院に搬送された人は、全国で5万3739人に上りました。

 7月から8月にかけて各地で猛暑日になったことなどから、搬送された人の数は昨年の同じ時期より36パーセント増え、現在の方法で統計を取り始めた2010年以降、最悪のペースとなっています。

 搬送された人を都道府県別にみると、東京都が4103人で最も多く、次いで愛知県が3861人、大阪府が3797人などとなっています。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が2万5726人、率にして48パーセントで最も多くなった一方で、18歳未満の少年や乳幼児、新生児が合わせて13パーセントと若年層も多くなっています。

 また、各地の消防や警察などにマスコミが取材してまとめたところ、5月27日から8月25日までに熱中症や熱中症とみられる症状で亡くなった人は、全国で少なくとも338人に上っています。

 このうち60歳代以上が合わせて263人で、全体の78パーセントに上りました。一方、30歳代から50歳代も50人が亡くなり、率にして15パーセントを占めています。

 熱中症になった場所は、判明している人のうち、75パーセントが屋内で見付かり、外で活動中の人より、屋内にいた人が重症化して死に至るケースが多いことがうかがえます。

 また、屋内にいた人のうち、5人に2人は部屋にエアコンがあったものの、90パーセント以上がエアコンを使用していませんでした。

 東京23区を中心とした地域の熱中症による死者数を統計としてまとめている東京都監察医務院の福永龍繁院長は、「この夏の熱中症の死者数は急激に気温が上がった梅雨明けに初めのピーク、さらに8月に入って暑さが続いたお盆前にもう1つのピークがきた。例年と同じようにお年寄りが多いが、もともと高血圧や糖尿病などの持病がある人が多い上、お年寄りは暑さを感じにくいためにエアコンを使用しなかったことなどが重なっているのだと思う」と、これまでの傾向について分析しています。

 気象庁によりますと、週末にかけて西日本と東日本の各地で気温が35度近くに達する地域がある見込みです。

 総務省消防庁は、室内にいても、水分をこまめにとった上で室温が28度を超えないよう、エアコンや扇風機を使い、引き続き、熱中症の予防に努めてほしいと呼び掛けています。

 2013年8月27日(火)

 

■日本郵便、高齢者の安否確認サービス 10月から6道県でスタート

 日本郵政グループの日本郵便は26日、高齢者世帯向けの「郵便局のみまもりサービス」を10月1日から試験的に開始すると発表しました。高齢者宅を郵便局員が直接訪問する安否確認と、電話による24時間電話相談を二本柱に、多彩なサービスを提供します。

 高齢者の割合が高い北海道、宮城県、山梨県、石川県、岡山県、長崎県の6道県の商店などが少ない一部地域、計103郵便局で試験的に実施し、2014年4月から順次拡大。事業性を検証した上で、2015年4月から全国展開を目指します。

 日本郵政グループでは自治体と協力して、郵便配達員が高齢者世帯の様子を確認する「ひまわりサービス」をすでに実施していますが、今回のみまもりサービスは独自で展開します。

 提供するサービスは、郵便局員が過疎地などで暮らす高齢者宅を訪問したり、郵便局を会場にした食事会で面談し、健康状況や生活状況を毎月確認して、都市部など遠くに住む家族などに報告する「生活状況の確認」と、日常生活の悩みや困り事をコールセンターで応対する「24時間電話相談」の2つが基本。かんぽの宿の宿泊を割引したり、会報誌の発行も行います。

 さらに、オプションサービスとして、オートコールによる毎日の健康状態の確認、血液検査キット・薬品の割引紹介、流通企業などと提携して米や水、生活必需品などを定期的に高齢者宅に届ける買い物支援サービスも試験提供します。

 会員制で実施し、基本料金は月額1050円。8月中に総務省などに届出を済まし、9月2日に募集を開始します。試験サービスでは、「郵便局当たり6人ほど」(営業部)の会員獲得を見込んでいます。

 日本郵政グループは、2015年春の株式上場を目指して、収益力向上を目指しています。郵便事業が伸び悩む中、がん保険でアメリカンファミリー生命保険(アフラック)との提携を進めていますが、地域に密着した全国約2万4000局の郵便局ネットワークを活用し、新たな成長分野にしたい考え。

 2013年8月27日(火)

 

■幼児の入院、貧困家庭は1・3倍 健康にも格差

 所得の低い家庭の子供は中・高所得層の家庭の子供より、健康を害して入院する割合が高く、病気からの回復力も落ちるなど、所得による健康格差があることが、国立社会保障・人口問題研究所の調査でわかりました。

 2001年に生まれた子供約5万人を対象に、毎年健康状態や家庭の経済状況などを追跡している厚生労働省「21世紀出生児縦断調査」の7年間のデータを分析。子供がいる家庭を貧困層(4人家族で年間世帯所得250万円未満)と非貧困層に分け、毎年の入院の有無、ぜんそくやアトピー性皮膚炎など6つの慢性疾患の通院の有無を比較しました。

 その結果、2歳時点で比べると、貧困層の11・85パーセントに入院経験があったのに対し、非貧困層は9・15パーセントにとどまりました。入院する確率は、貧困層が1・3倍も高くなりました。1歳時点と3〜6歳時点で比べると、貧困層が非貧困層より1・12倍〜1・22倍高くなりました。

 ぜんそくによる通院割合は1歳時点で、貧困層が非貧困層より1・35倍高くなりました。

 また、3歳時に入院経験のある子供が6歳時に入院する確率は、所得が低いほど高く、過去の病気の影響をその後も引きずっていることも示唆されました。

 同研究所の阿部彩・社会保障応用分析研究部長によると、所得の低い家庭の子供の一部は食事の栄養バランスや住環境が悪いことなどから病気になりやすく、回復力が低い可能性があるといいます。生活に追われる親は、子供の体調の変化に気付きにくく、入院するほど悪化する前に医師に診てもらう時間的余裕がないことなども原因と推測されるといいます。

 阿部部長は、「子供の健康格差には医療へのアクセスだけではなく、親の雇用確保など根本的な貧困対策が必要だ」と話しています。

 2013年8月26日(月)

 

■家庭で手軽に介護食 在宅介護が増え、店頭販売が広がる

 かむ力や飲み込む力が弱くなった人でも食べやすい「介護食」が、家庭に普及してきました。以前は病院や福祉施設などで提供する業務用が中心でしたが、スーパーやドラッグストアなどの店頭で販売される一般向けのメニューが広がり、在宅介護の増加に伴い需要を伸ばしています。

 食品メーカーは、食材を細かく切ったり、軟らかく調理したりするだけでなく、食の楽しみも味わえる工夫も競っています。

 キユーピーは23日、デザートの「すりおろし果実」(100グラム入り189円)を売り出しました。リンゴやパイナップルを擦り下ろしてパックに詰めた介護食で、あごの力が弱くてもフルーツを食べる感覚が残るように工夫したといいます。担当者は、「本物の食感に近ければ、食べる喜びにつながる」と話しています。

 キユーピーが病院などに提供する業務用から店頭販売へと販路を広げたのは、1998年。高齢者向けのレトルト食品「やさしい献立」シリーズに今回、デザートを加えました。肉じゃが、ハンバーグ、雑炊、チキンライスなどの食事と合わせて57種類(150~200円)に増えました。

 森永乳業は今春、「やわらか亭」のブランドで介護食に参入。歯茎でつぶせる御飯に、カレーやマーボー豆腐味のソースをかけた商品で、カルシウムや鉄分など栄養素にも気を使っています。担当者は、「在宅では、御飯の炊き分けなどが大変だ。栄養管理にも役立ててもらえれば」と話しています。

 離乳食大手の和光堂も、高齢者向けの「食事は楽し」シリーズに、すき焼き、がんもどきなど33種類をそろえています。

 マルハニチロ食品、明治乳業、ホリカフーズなども高齢者向けのレトルト食品を販売しています。食材をムースにしてフランス料理風に盛り付ける「グランダペティー」、高級食材を扱う「デリカム」などのブランドも登場しています。

 消費者が選びやすいよう、食品メーカーなど関連45社で作る日本介護食品協議会は、食べやすさに配慮した商品を「ユニバーサルデザインフード(UDF)」と命名しています。容易にかめる、歯茎でつぶせる、舌でつぶせる、かまなくてよいの4段階を定め、商品に区分を明示しています。

 厚生労働省によると、在宅で介護を受ける人は今年2月時点で、病院や福祉施設などで介護を受ける人の約4倍の350万人で、今後も増える見通し。

 調査会社の富士経済の調べでは、在宅向けの介護食の市場規模は2011年時点で約130億円。2012年には1・6倍に膨らむとみています。

 2013年8月25日(日)

 

■新生児に国内初の肝細胞移植 生体移植で余った組織から

 国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)は23日、生体移植で余った肝臓から肝細胞を分離し、重い肝臓病を患う生後11日の新生児に移植する治療に成功したと発表しました。

 第三者からの肝細胞の移植は国内初で、海外でも約30例程度といいます。体が小さい新生児は血管が細く詰まりやすいため肝移植は難しく、これまでは薬物や透析などの治療しか取れませんでした。

 患者は「高アンモニア血症」の男児。肝臓の酵素が欠けているため、有毒なアンモニアを分解できず、血中のアンモニア濃度が高くなると脳に障害が出ます。8万人に1人の割合で発症し、生存率は10~20パーセントとされます。

 同センターは2011年5月から、大人の肝臓の一部を肝臓病の子供に移植する生体肝移植で、余った14人分の肝細胞を凍結保存してきました。このうち血液型が一致した1人分の肝細胞1億4000万個を今月10日と13日の2回、腹部から入れたカテーテルを通じ男児の肝臓に注入しました。生体肝移植で余った組織を利用するのは、世界的にも珍しいといいます。

 移植された肝細胞が肝臓で働いてアンモニアを分解し、23日朝には血液透析装置を外し、経過は良好だといいます。ただし、免疫抑制剤は飲み続けることになります。

 肝細胞移植は、臓器移植までの橋渡し医療。肝臓移植を安全に行うには、患者の体重が6キロ以上必要になります。男児が順調に成長して肝移植が可能になれば、肝臓に移植手術を行うことになりますが、肝細胞が肝臓の一部として機能するようになれば、移植の必要がなくなる可能性もあります。

 移植手術を担当した国立成育医療研究センターの笠原群生・臓器移植センター長は、「肝細胞の移植で命を取り留めることができた。次のステップに進みたい」と話しました。同センターはES細胞(ヒト胚性幹細胞)から作った肝細胞を移植する治療も計画しています。

 2013年8月24日(土)

 

■海に流出のセシウムなど、計30兆ベクレル 東京電力が試算

 東京電力福島第一原発で放射能汚染水が海に流れている問題で、東京電力は21日、事故直後に流出防止工事をした2011年5月以降も、2、3号機のケーブルなどの配管用トンネルであるトレンチにたまった高濃度汚染水が海に流出した可能性があり、放射性物質の一つであるストロンチウム90とセシウム137で最大計30兆ベクレルに達するとの試算を発表しました。

 東電が規定している放射性液体廃棄物の平常時放出管理目標値と比べ、2つの放射性物質で約60倍になります。東電によると国の基準である濃度限度は下回っているといいますが、ストロンチウムやセシウムは毒性が高く、漁業関係者の反発がさらに強まるとみられます。

 東電はこれまでに測定された原発の専用港湾内の放射性物質の濃度を基に、ストロンチウム90が1日に30億~100億ベクレル、セシウム137が40億~200億ベクレル海へ流れ出ていると試算。事故直後の2011年5月から海へ流れ出ていると想定すると、ストロンチウム90で10兆ベクレル、セシウム137で20兆ベクレル、合わせて最大で30兆ベクレルと見積もりました。

 放射性物質が流出するルートとして、大量の汚染水がたまっている2、3号機のタービン建屋とつながるトレンチのほか、汚染された地下水の流出も否定しませんでした。

 一方、漏れ出た期間を2012年12月以降と最も短くした場合の試算でも、ストロンチウム90とセシウム137の総量は計1兆7000億ベクレルで、平常時放出管理目標値の10倍超となりました。2012年12月を起算点とした理由について、東電は同月に実施した地下水観測用井戸の調査で、放射性物質が検出されなかったためと説明しました。

 今回の試算はストロンチウム90やセシウム137が対象。限られたデータに基づく試算にすぎず、東電は「今後も評価精度の向上に努める」としています。

 高濃度汚染水の海洋汚染を巡っては、事故直後の2011年4月、ヨウ素131が2800兆ベクレル、セシウム134と137で計1900兆ベクレルが漏れ出たと試算されていますが、今回の結果には含まれていません。

 ストロンチウム90は、原子力発電所における原子炉の核燃料として使われるウランやプルトニウムの核分裂によってできる放射性物質の一つで、骨に沈着して白血病の原因になりやすく、半分の量に減るのに28年かかります。影響が長く続くため、農作物や飲料水を通じて体内に取り込まれる可能性もあり、骨の成分として蓄積しやすく、体外に排出されにくい性質を持っています。

 セシウム137も放射性物質の一つで、血液に入るといろいろな臓器に吸収され、白血病などを引き起こします。すでに被曝した場合には、セシウムを体外に排出させる薬剤を服用します。体に入らなくても、地面に降った後も長く放射線を出し続けたり、農作物や飲料水を通じて体内に取り込まれたりするので危険であり、半分の量に減るのに約30年かかります。

 2013年8月23日(金)

 

■白斑症状、カネボウ以外の製品でも相談52件 消費者庁

 カネボウ化粧品の美白効果をうたった化粧品の利用者に、肌がまだらに白くなる症状が出ている問題に絡み、全国の消費生活センターには、ほかの会社の製品で症状が出たという相談も、これまでに合わせて52件寄せられています。

 消費者庁は、これらの製品に問題があるかどうかを明らかにするため、厚生労働省に対し、詳しい成分の分析を要請しました。

 カネボウ化粧品が製造、販売する美白効果をうたった化粧品を巡っては、肌がまだらに白くなる白斑と呼ばれる症状が出たという連絡が8月11日時点でおよそ1万1000人から寄せられ、このうち7266人については、実際に会社側が症状を確認しています。

 この問題に関連して、消費者庁の阿南久長官は22日に開かれた定例の記者会見で、カネボウ化粧品以外の複数社の製品を利用して顔に白斑が出たという消費者からの相談も、8月15日時点で合わせて52件、各地の消費生活センターに寄せられていることを明らかにしました。

 消費者庁によると、52件は顔や首に「白い染みができた」「色が抜けた」などの白斑症状を訴え、かつ、製品のメーカー名がカネボウ化粧品以外と判明しているもの。個別のケースについて症状の確認をしていないため、メーカー名は公表していません。重症報告はないとしており、不安を訴えているだけの相談は含めていません。

 52件の大半が、カネボウ化粧品が自主回収を公表した7月4日以降の相談といいます。

 消費者庁はこうした被害状況や製品情報などを厚生労働省に提供し、製品と被害についての因果関係などを詳しく調査するよう要請したといいます。

 同庁の阿南長官は、「カネボウの影響で不安を感じた消費者からの相談も含まれているだろう」と指摘し、「これらの製品に問題があるかどうかは、中身をしっかり検査しないとわからないので、成分の分析を進めてもらうよう厚生労働省に情報を提供した」と述べました。

 2013年8月22日(木)

 

■甲状腺がんの子供、新たに6人 福島県の18歳以下検査

 東京電力福島第一原発の事故を受けて、福島県が事故当時18歳以下だった子供を対象に行っている甲状腺検査で、新たに6人が甲状腺がんと診断され、甲状腺がんと診断された子供は合わせて18人となりました。

 原発事故で放出された放射性物質は子供の甲状腺に蓄積して、がんを引き起こす可能性があるとされ、福島県は事故当時18歳以下だったおよそ36万人を対象に、2011年10月から検査を行っています。

 20日開かれた福島県の検討委員会で、7月末までの検査結果が明らかにされ、これまでに21万6809人の検査が終わり、新たに6人が甲状腺がんと診断されたということです。

 甲状腺がんと診断された子供は、これまでの12人と合わせて18人となりました。すでに18人全員が手術を受け、通常の生活を送っているといいます。

 このほか、細胞の検査で、がんの疑いがある子供は、これまでより10人増えて、25人になりました。

 甲状腺検査は超音波検査で一定の大きさのしこりが見付かった場合などに、より詳細な2次検査を行っています。2次検査の対象者は0・6パーセントの1280人で、このうち43人が甲状腺がん、または甲状腺がんの疑いがあるとされたことになります。

 この43人は原発事故時に6~18歳。腫瘍の直径は5・2~34・1ミリで、がんは進行のゆっくりしたタイプでした。事故後4カ月間で外部の全身被曝線量の推計調査を受けた人は43人のうち4割だけですが、全員2ミリシーベルト未満でした。

 チェルノブイリ原発事故では4~5年後から甲状腺がんが増えたほか、今回の43人は複数回の検査でがんやしこりの大きさがほとんど変わっていないため、福島県は「事故以前からできていたと考えられる」と分析しています。

 乳児を含む子供が甲状腺がんになる確率は通常、数十万人に1人とされ、国内では、2006年の統計で、甲状腺がんと診断された20歳未満の人は46人でした。

 検討委員会は「現状では原発事故の影響とは判断できない」としながらも、検査や説明に対して県民の間に疑問や不安の声もあるため、福島県はこの秋までに専門家による部会を新たに設けて、原因などの検証を進めていくことを決めました。

 検討委員会の星北斗座長は、「これまでの情報に加え、個別の症例をしっかりと検証し、責任を持って県民に説明したい」と話しています。

 2013年8月21日(水)

 

■カネボウ美白化粧品、白斑症状7266人に拡大 重い症状2980人

 カネボウ化粧品は19日、美白効果をうたった化粧品で肌がまだらに白くなる「白斑」の被害について、何らかの症状が確認できた人が8月11日時点で7266人になったと発表しました。1週間前の8月4日時点に比べ1564人増えました。

 カネボウは社員ら1000人体制で、7月10日から被害を訴えている人を順次訪問して、症状や商品との関連性の確認を続けているおり、このうち9割を超す人から何らかの症状が見付かりました。

 肌がまだらに白くなる白斑が「3カ所以上」「5センチ以上の大きさ」「(明らかに)顔にある」といった重い症状が確認できたのは2980人に上りました。重くはないものの症状が確認できた軽症者は2664人。化粧品の使用をやめたことで回復したか、回復傾向にある人は1622人でした。いずれも1週間で、500人前後増えました。

 同社の美白化粧品を使って、自分の肌に白斑の症状が出ていると電話などで訴え出た人は約1万1000人。前回発表の8月4日時点よりも約1000人増えました。

 カネボウが訪問を終えたのは約7800人で、確認作業が進むにつれて被害が拡大する状況がなお続いています。

 7月4日から進めている商品の自主回収率は8月11日時点で122・4パーセント。買い置きや併用で複数商品を所持している消費者が多かったため、回収した化粧品の数は家庭に45万個あるとしていた当初の想定を上回りました。

 2013年8月20日(火)

 

■不妊治療助成の年齢制限、2016年度から 厚生労働省

 不妊治療にかかる費用への公費助成に43歳未満という新たな年齢制限を設けることについて、厚生労働省は2年余りの周知期間を設けた上で、2016年度から導入することを決めました。

 これは厚生労働省で開かれた不妊治療の専門医や患者の支援団体らが参加した検討会で、19日に決まりました。

 不妊治療のうち1回30万円から40万円かかる体外受精は、保険が効かないため、国と都道府県などが通算5年間で10回まで、1回の治療につき最大15万円を助成していますが、厚生労働省は治療の有効性と安全性から、検討会を作って利用条件の見直しの議論を進めてきました。

 これまでに43歳未満という年齢制限を設け、通算5年間の期間を廃止する代わりに利用回数は6回までに減らすことなどがまとまっています。

 19日の検討会で、いつから新しい利用条件を導入するか議論した結果、2年余り周知期間を設けた上で、2016年度から導入すべきだという意見をまとめました。

 ただ、40歳未満で来年度以降、新たに治療を始める人については、利用回数は来年度から6回とすべきだとしています。これを受けて厚生労働省は制度の要綱を改正し、来年度以降新たな利用条件を導入することを決めました。

 出産時期の高齢化が進み、不妊治療を受ける女性が増えているため、助成件数は年々増え続けて昨年度13万件を超え、費用は年間およそ200億円に上っています。

 検討会の座長で慶応大学の吉村泰典教授は、「急な制度の変更で、計画的に治療をしている夫婦が困ることがないよう猶予期間を設けた。今後は、不妊に悩む女性が少しでも少なくなるように妊娠の知識を教育に取り入れるとともに、出産や育児の支援制度をさらに整えることが必要だ」と話しています。

 2013年8月19日(月)

 

■熱中症、東京都内で梅雨明け以降119人が死亡 19日は関東で51人搬送

 先週の東京都内で、さらに9人が熱中症で死亡していたことが、東京都監察医務院の調べでわかりました。

 7月の梅雨明けから、東京都内の熱中症による死者は119人となりました。

 東京都監察医務院や警視庁によりますと、連日、都心の最高気温が35前後まで上がった8月12日から16日の5日間に、東京都内で男女合わせて9人が熱中症で死亡していたことが新たにわかりました。

 このうち8月15日には、目黒区のアパートで1人暮らしをしていた71歳の男性と連絡が取れなくなったことから、通報を受けた警察官が部屋の中に入ったところ、男性は布団の上ですでに死亡していました。室内で扇風機は回っていましたが、エアコンはなかったということです。

 これで梅雨明けが発表された7月6日以降で、東京都内で熱中症による死者は少なくとも119人となりました。

 また、消防によりますと、関東地方の1都6県では、午後0時半現在で少なくとも51人が熱中症とみられる症状を訴え、救急車で病院に運ばれて手当てを受けました。

 千葉県が17人、埼玉県が12人、東京が6人、神奈川県が5人、茨城県と栃木県が4人、群馬県が3人でした。

 東京都監察医務院や各自治体では、こまめに水分や塩分を補給するとともに、適切にエアコンなどを使うよう改めて呼び掛けています。

 2013年8月19日(月)

 

■ひざ痛の中高年、推計1800万人 要介護への移行リスク5・7倍

 膝(ひざ)の痛みに悩む中高年は全国で1800万人に上ると推計され、膝関節の軟骨が擦り減って痛むようになると、要介護に移行するリスクが5・7倍高くなります。そんな実態が厚生労働省研究班の調査でわかりました。

 公共交通機関が不便で、歩く機会が少ないなど地方に住む人のリスクがより高いこともわかりました。

 2000年以降、東京都、秋田県、新潟県、群馬県、三重県、和歌山県、広島県などで行われている大規模な追跡調査のデータをもとに解析しました。

 足腰の健康に重点を置いた健康診断を受けた約1万2000人(平均年齢70・5歳)のうち、過去1カ月以内に1日以上続く膝痛や医師の診察で膝痛を訴える人は、2010年度で32・7パーセントいました。これを国勢調査結果に当てはめ、全国の「膝痛人口」を1800万人と推定しました。65歳以上の高齢者に限ると、3人に1人が膝の痛みに悩んでいました。

 和歌山県に住む65歳以上の1000人を最長5年間経過観察した調査では、膝の軟骨が擦り減る病気で、潜在的患者数は3000万人と推定される変形性膝関節症とX線検査で診断された人は、そうでない人に比べ、要介護になるリスクが5・7倍高くなりました。また、地方に住む人は都会に住む人に比べ、要介護になるリスクが1・6倍高いこともわかりました。

 主任研究者の吉村典子・東大病院特任准教授は、「運動機能の低下が要介護になるかどうかの手掛かりになることが、明らかになった。歩行速度の低下は筋力の衰えを示しており、平らな土地を歩くなど膝に負担がかからない運動を続けることが、膝痛を予防し、介護予防にもつながるのではないか」と分析しています。

 変形性膝関節症は中高年齢者に多く、50歳代で発症し、65歳以上で急増します。また、男性に比べ2~4倍、女性に多いのも特徴です。肥満している人、O脚変形(いわゆる、がにまた)のある人にもよくみられます。

 治療上で注意することは、まず関節になるべく負担をかけないようにすることで、肥満を避けたり、無理な運動をしないようにします。やむを得ず比較的長距離を歩かなければならないような場合には、膝のサポーターも有用です。

 しかし、膝が悪いからといって、ほとんど歩かないようにしては、かえって膝に悪影響を及ぼします。関節は動かすことによって、生理的な状態が維持されるので、体重負荷がかからないようにした膝関節の屈伸運動で、太ももの前面の大腿(だいたい)四頭筋の強化を図ります。

 まず、いすに腰掛けて、片方の足を上げて、膝をピンと伸ばします。太ももの前面の特に膝の内側に力こぶができるように、しっかり力を入れます。そのまま、数秒間足を上げたまま止めます。 この一連の運動を左右交互に行なって1度に10回から20回、これを1日に2~3回を目安に行うと効果的です。足首に抵抗となるおもりをつけて行えば、より効果的です。

 筋力がかなり落ちている場合や、膝関節痛が強い場合は、かかとを床に着けたままで、太ももの前面に力こぶを作る運動をします。このような運動は頑張れば必ず効果が出て、膝関節の安定性と関節水腫の改善が期待できますので、少なくとも2、3カ月は続けてみましょう。

 そのほか、自転車乗りや平泳ぎ以外の水泳、水中ウオーキングなども、膝に負担のかからない運動として適している上、減量にもつながります。

 2013年8月18日(日)

 

■猛暑の1週間、国内最高気温の記録を次々に更新

 この1週間は、ほぼ全国的に平年より気温が高くなり、これまでの記録が次々と更新される猛烈な暑さが続きました。

 気象庁の観測によりますと、この夏は、これまでに7月前半と、8月前半に2度、暑さのピークがあり、ほぼ全国的に気温が平年を大きく上回りました。

 全国927カ所の気温の観測地点のうち、7月1日から8月17日までに、111カ所で統計を取り始めてから最も高い気温を観測しました。このうち半数余りに当たる63カ所の記録は、8月11日から17日までのこの1週間に集中しています。

 8月12日午後1時42分には、高知県四万十市で国内の観測史上最高の41・0度を記録し、6年前の2007年8月16日に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で観測された40・9度を上回り、国内の最も高い気温の記録を更新しました。この日を含めて4日連続で、気温が40度以上となりました。

 気温が35度以上の猛暑日となった観測地点は、8月7日から17日まで11日連続で100カ所以上となり、観測点の数が現在とほぼ同じになった2003年以降では最も長い記録となっています。

 また、連日の暑さで夜間も気温が下がりにくくなり、7月1日から16日までに68カ所で、これまでで最も高い最低気温を観測しました。

 東京の都心では8月11日の最低気温が30・4度と、138年前の1875年(明治8年)に統計を取り始めて以降、最も高い最低気温となりました。11日は最高気温38・3度を観測し、16日までの1週間は最高気温34度以上の日が続きました。

 さらに、各地で夜間の気温が25度を下回らない「熱帯夜」が続き、東京の都心では8月4日から17日朝まで14日連続、広島市では7月29日から8月17日朝まで20日連続、鹿児島市では7月3日から8月17日朝まで46日、続いています。

 気象庁の長期予報によりますと、これから今月末ごろにかけても、気温は東日本と西日本を中心に平年よりかなり高いと予想され、厳しい残暑が続く見込みです。

 2013年8月17日(土)

 

■美白化粧品、3種類以上併用の試験せず 被害の訴え1万人超

 カネボウ化粧品が販売する「美白効果」をうたった化粧品を使い肌がまだらに白くなるなどの症状が出た問題で、同社は問題の美白成分を含む化粧水や乳液など5種類をシリーズ商品として販売し、併用することを推奨していましたが、販売前の試験で3種類以上を併用する試験を行っていなかったことがわかりました。

 専門家は、「併用する化粧品が多くなれば、問題の美白成分の量も増える。実際の使い方に合った安全性の確認ができていたのか検証すべきだ」と話しています。

 この問題は、カネボウ化粧品の化粧品を使った人の中に、肌がまだらに白くなる白斑などの症状が出たもので、会社にはこれまでに1万人を超える人から症状が出たという連絡がきていて、このうち2424人が白斑が「3カ所以上」「大きさが5センチ以上」などの重い症状であることを確認したということです。

 問題となった化粧品について、カネボウ化粧品は「化粧水」、「乳液」、「ナイトクリーム」、「顔に貼るマスク」、「日焼け止め」の5種類をシリーズ商品として販売し、併用すればより効果が得られると推奨していて、被害が確認された人の中にも、3種類以上を購入して使っていた人が多数いました。

 ところが、カネボウ化粧品は販売前の安全性の試験でこれらの化粧品を併用した場合について、化粧水と乳液を2カ月間併用した試験はしたものの、美白成分の量がより多くなる3種類以上を併用した場合の試験は行っていなかったことがわかりました。

 長年、大手化粧品メーカーで化粧品の開発に携わってきた東京工科大学の前田憲寿教授は、「化粧水やクリーム、マスクなどを併用すれば、当然、皮膚内の美白成分の濃度も高くなる。3種類以上の化粧品を使うことも想定した試験を行って安全性をきちんと確認すべきだった。実際の使用方法を踏まえた配慮が必要だったと思う」と話しています。

 これについてカネボウ化粧品は、「今回の事態を重く受け止め、今後はさらなる自主基準の設定など見直し、強化を図っていく必要があると考えています」と話しています。

 美白成分が含まれる化粧品は、医薬部外品として効果をうたうことが認められている一方、長い期間にわたって毎日使い続けるだけに、副作用がないか事前の試験できちんと確認する必要があります。

 白くきれいな肌を手に入れたいという「美白ブーム」を背景に、メーカーがより強い美白効果を追求していったことが今回の問題につながったと指摘する専門家もいます。国の承認制度やメーカー側の試験の在り方に改善すべき点がないか、さらなる検証が求められます。

 2013年8月16日(金)

 

■先天性風疹症候群、過去最多に 東京都で6人、全国で11人

 風疹の流行の影響で、東京で新たに2人の新生児が、母親が妊娠中に感染したことで障害が出る「先天性風疹症候群」と診断されました。

 風疹によって障害が出た新生児は今年にに入って11人となり、現在の報告制度が始まってから最も多くなりました。

 風疹は妊娠中の母親が感染すると、新生児の心臓や目、耳などに障害が出る先天性風疹症候群になる可能性があり、昨年の春以降、流行が続いています。

 東京都によりますと、先週、新たに2人の新生児が先天性風疹症候群と診断され、今年に入ってからの人数は東京都内では6人、全国では11人となりました。

 現在の報告制度が始まった1999年以降、全国で最も多かったのは2004年の10人で、このうち東京都内は3人だったことから、今回はいずれも上回り、最も多くなっています。

 また、昨年から続く流行で先天性風疹症候群と診断された新生児は、全国では合わせて16人となりました。

 風疹の流行はピークを過ぎていますが、今年に入ってからの患者数は1万3000人を超え、首都圏や関西を中心に患者数が多い状態が続いています。

 多くの妊婦の相談に当たっている三井記念病院産婦人科(東京都千代田区)の小島俊行部長は、「障害が出る赤ちゃんは今後さらに増える恐れがある。風疹の流行はまだ続く可能性があるので妊娠を希望する女性は今のうちにぜひ予防接種を受けてほしい」と話しています。

 2013年8月14日(水)

 

■高知県四万十市、4日連続で40度台 熱中症、搬送4万人で昨年より3割増

 12日に国内過去最高の41度の気温を観測した高知県の四万十市では、13日午後1時8分に、気温が40度ちょうどに達し、4日連続で40度以上になりました。国内の同じ地点で4日連続、40度以上の気温が観測されたのは初めてです。

 このほか午後2時半までの最高気温は、和歌山県かつらぎ町で38・9度、山口市で38・4度、京都市と広島県府中市で38度ちょうど、大阪市で37・9度、三重県の松阪市で37・7度と、西日本や東海地方などで猛烈な暑さが続いています。

 気象庁は、無理な運動や作業は控え、こまめに水分を取って熱中症に一層注意するよう呼び掛けました。

 一方、総務省消防庁は13日、熱中症で救急搬送された人が5月27日以降、8月11日までに全国で合わせて3万9944人に上ったと発表しました。死者は52人で、3週間以上の入院が必要な重症の人も1069人に上っています。

 昨年のほぼ同時期の6月1日~8月11日の搬送者数3万563人(死者は61人)より30パーセント近く多くなっています。都道府県別では、東京都の3156人が最多で、愛知県2956人、大阪府2579人と続きました。福岡県は1810人となりました。

 このうち8月5日~11日の搬送者数は9815人で、前週の2994人の約3・3倍になり、65歳以上が42・4%パーセント占めました。死者は17人で、3週間以上の入院が必要な重症の人は292人でした。

 総務省消防庁は、高齢者は暑さを感じにくい人も多いことから、室内にいても水分をこまめに取った上で、室温が28度を超えないようエアコンや扇風機を使って熱中症の予防に努めてほしいと呼び掛けています。

 体温を超す40度近くの異常な高温状態になると、人間の体は熱中症や多臓器不全になる恐れが生じます。

 体には、皮膚の表面から空気中に熱を逃がす働きと、かいた汗が蒸発する時に熱を奪う現象を利用して体温を下げる働きがあります。だが、体温より気温が高くなると、熱を逃がすのが難しくなります。さらに、湿度も高いと、汗が蒸発しにくくなって発汗による体温調節も利きにくくなります。これが熱中症の原因。

 順天堂大の稲葉裕名誉教授(予防医学)は、「そのままだと臓器がダメージを受け、意識がなくなったり、尿が出なくなったりして多臓器不全を招くリスクもある」と話しています。免疫機能もうまく働かなくなり、感染症にかかりやすくなるといいます。

 大量の汗をかくと、体液のバランスも崩れます。水分が足りなくなると、体内で血液がうまく循環しなくなります。脳や心臓の働きを保つレベルの酸素を運ぶこともできなくなり、ひどくなると血圧の低下や心不全、意識の消失などが起きます。

 子供や高齢者は特に注意が必要で、子供は体内の水分を汗以外にも吐く息や皮膚から失いやすく、高齢者は水分を多く含む筋肉が減っていて、余裕がなくなっているためです。また、子供や高齢者は腎臓の機能が低く、尿から水分を失いやすい事情もあります。

 2013年8月13日(火)

 

■高知県四万十市で41度、国内の最高気温を更新 熱中症、全国で851人搬送4人死亡

 日本列島は12日も太平洋高気圧に覆われ、関東地方から九州地方にかけて猛暑が続きました。高知県四万十市では午後1時42分に、国内の観測史上最高の41・0度を記録し、6年前の2007年8月16日に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で観測された40・9度を上回り、国内の最も高い気温の記録を更新しました。

 四万十市が40度を超えるのは3日連続で、同じ地点としては全国で初めてでした。

 気象庁によると、四万十市を始め、奈良県十津川村で39・4度、長野県飯田市で39・1度、高知県梼原(ゆすはら)町で38・7度など13地点で、その地点の観測史上1位の暑さになりました。ほかにも大阪府豊中市、静岡県浜松市、岐阜県多治見市、甲府市などで39度を超えました。最高気温が35度以上の猛暑日となったのは、午後4時10分までに全国927地点のうち243地点に上りました。

 記録的な暑さのピークは14日ごろまでとみていますが、その後も西日本を中心に35度以上になる日が続く見込み。

 41・0度を記録した四万十市の西土佐地区は、愛媛県境に近い山あいにあります。高知地方気象台によると、同地区の標高は70メートルほどと低く、周りは山に囲まれています。海からの南風が届かないため空気がよどみやすく、ここに強い日差しが加わると気温が上昇します。

 さらに今夏は、太平洋からの暖気が西回りで日本列島に流れ込む傾向にあります。入り口に当たる高知県西部の四万十市で、西からの風が、山を越える際に温度を上げながら吹き下ろす「フェーン現象」に似た状況になったことも考えられるといいます。

 全国各地の消防や警察にマスコミが取材して午後5時現在でまとめたところ、熱中症とみられる症状で、全国46の都道府県で少なくとも851人が病院に搬送され、うち4人が死亡、1人が意識不明の重体となっています。

 神奈川県相模原市では、午前10時半すぎ、グラウンドで練習をしていた地元の中学生の硬式野球チームのおよそ40人のうち7人が、相次いで手足のしびれなど熱中症とみられる症状を訴え、救急車で病院に運ばれました。いずれも意識ははっきりしていて、症状は軽いということです。

 愛知県知立市では午後2時すぎ、65歳の男性が気分が悪そうにしていたため、家族の通報で病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。千葉県茂原市でも、水田で64歳の男性が倒れているのが見付かり、熱中症の疑いで病院に運ばれましたが、死亡したということです。

 また、那覇市では午前10時半すぎ、同居している娘から消防に、「自宅のベッドで寝ている71歳の母親が起きない」と通報がありました。母親は搬送先の病院で死亡が確認され、医師から熱中症の疑いがあると診断されたということです。福島県鏡石町では12日未明、80歳代の男性が熱中症とみられる症状で倒れ、死亡したということです。

 このほか、京都府京田辺市の同志社大キャンパスでは午後3時5分ごろ、建物のエアコンの修繕作業中だった兵庫県伊丹市の41歳の会社員が倒れ、病院に運ばれた後、死亡が確認されました。作業をしていた天井裏の暑さが原因で熱中症になった可能性もあるとみて、田辺署が死因を調べています。

 都道府県別では、千葉県で73人、神奈川県で64人、埼玉県で59人、東京都で52人、愛知県で49人、大阪府で48人などが病院に搬送されました。

 2013年8月12日(月)

 

■山梨県と高知県、2日連続で40度超える 熱中症、全国で4人死亡12人重体

 日本列島は11日も厳しい暑さが続き、最高気温は甲府市で40・6度、高知県四万十市で40・4度など関東から九州を中心に、全国の観測地点927のうち今夏最多の297地点で35度以上の猛暑日となりました。

 甲府市と四万十市は10日、国内観測史上4位の40・7度を記録しており、2日連続の40度超。

 気象庁によると、最高気温が高かった地点は千葉県茂原市39・9度、浜松市39・8度、岐阜県多治見市39・5度。東京の都心でも38・3度まで上がり、さらに高松市で38・6度、和歌山市で38・5度、横浜市で37・4度など、関東から西の50地点近くで、観測史上最も高い気温を観測し、30度以上の真夏日も今夏最多の700地点に上りました。

 12日の日中は11日より幾分気温が低くなるものの、西日本や東日本では厳しい暑さが続き、日中の最高気温は、甲府市や岐阜市、それに大阪市、高松市で37度、埼玉県熊谷市や名古屋市、福岡市で36度、東京の都心や高知市で35度などと予想されています。

 気象庁は、こまめに水分を取ったり冷房を適切に使ったりして、熱中症に一層注意するよう呼び掛けています。

 各地の消防や警察にマスコミが取材して11日午後8時現在でまとめたところ、熱中症とみられる症状で、すべての都道府県の少なくとも1781人が病院に搬送され、このうち京都府と和歌山県、大分県、埼玉県で4人が死亡し、徳島県や宮城県、東京都など11の都府県で合わせて12人が意識不明の重体となっています。

 和歌山県有田市では11日朝、1人暮らしの80歳の女性が自宅で倒れているのを訪ねてきた人が見付け、女性は熱中症の疑いで病院に搬送されましたが、まもなく死亡しました。また、京都府綾部市では11日午後、63歳の男性が路上で倒れているのが見付かり、その後、死亡が確認されました。

 さらに11日午後、大分市の路上で80歳代の男性、埼玉県さいたま市の路上で60歳の男性が倒れているのを通行人が見付け、駆け付けた救急隊が病院に搬送しましたが、その後、死亡が確認されました。

 都道府県別では、千葉県で137人、埼玉県で128人、神奈川県で113人、愛知県で103人、東京都で100人などが病院に搬送されました。

 2013年8月11日(日)

 

■高知県四万十市などで6年ぶり40度超 熱中症、全国で4人死亡7人重体

 日本列島は10日も晴れて厳しい暑さとなり、高知県四万十市と甲府市で昼すぎに国内観測史上4位となる最高気温40・7度を記録しました。ほかにも、山梨県甲州市で40・5度、群馬県館林市で40・1度と、最高気温40度超を観測しました。

 40度超を観測したのは、2007年8月16日に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40・9度を観測して以来6年ぶり。

 気象庁によると、35度以上の猛暑日となったのは東北地方から九州地方の広い範囲で、観測地点927のうち今夏最多の290に達しました。

 日本列島は地表付近を覆っている高気圧に加え、上層にも高気圧が広がっているため、ここ数日、高気圧の勢力が強まり、強い日差しに加えて、上空から熱を持った空気が降りてくる状態が続いています。40度超の地点はいずれも内陸部で風が弱く、暖められた空気が周囲とあまり混じり合わなかったのが要因とみられます。

 各地の消防や警察にマスコミが取材して午後8時現在でまとめたところ、熱中症とみられる症状で全国で少なくとも1729人が病院に搬送され、このうち4人が死亡、8人が意識不明の重体となっています。

 水戸市大場町では、84歳の女性が畑で倒れているのが見付かり、運ばれた病院で死亡が確認されました。また、兵庫県朝来市で84歳の女性、三重県松坂市で80歳代の男性、奈良県広陵町で66歳の男性が死亡しました。このほか7つの府と県で合わせて7人が、意識不明の重体となっています。

 都道府県別では、千葉県で151人、埼玉県で126人、愛知県で122人、神奈川県で102人、茨城県で97人などが病院に搬送されました。

 気象庁は、暑さがピークになる夕方にかけては屋外での活動はできるだけ控えるとともに、こまめに水分を取り、室内でも適切に冷房を使うなど、熱中症に一層注意するよう呼び掛けています。また、気温の上昇に伴って大気の状態が不安定になり、夜にかけて局地的に雷を伴って激しい雨が降る恐れがあり、落雷や突風などに注意するよう呼び掛けています。

 2013年8月10日(土)

 

■マダニ媒介ウイルス感染、死者16人に 関西初、兵庫県豊岡市の80歳代女性

 兵庫県豊岡市の80歳代の女性が、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に感染したことが原因で、今年5月に死亡していたことがわかりました。

 厚生労働省によると、SFTSへの感染の確認は国内で36例目、死亡は16人目で、関西では初めてです。

 兵庫県によりますと、今年5月下旬、豊岡市の80歳代の女性が、下痢や発熱などの症状を訴えて市内の病院に入院し、9日後に多臓器不全で死亡しました。

 8月に入り、保存されていた女性の血清からSFTSの陽性反応が出たため、検体を国立感染症研究所に送り、最終確認の検査を行っていました。その結果、女性はマダニが媒介するSFTSを引き起こすウイルスに感染していたことが9日、確認されました。兵庫県内で感染が確認されたのは、2例目。

 虫にかまれたような痕は見付かりませんでしたが、兵庫県は自宅近くの草木に生息するマダニにかまれた可能性があるとみています。

 SFTSを媒介するマダニは、衣類や食べ物に発生するダニとは異なり、草むらややぶなどに生息し、春から秋にかけて活動が活発になるということで、兵庫県の疾病対策課では、草むらなどでは長袖や長ズボンを着用するなど肌の露出を減らし、マダニにかまれない対策を取るよう呼び掛けています。

 2013年8月10日(土)

 

■交通事故死者13年ぶりに増加 上半期2004人、目立つ高齢者と自転車

 今年1~6月に全国で交通事故で死亡した人は2004人で、前年同期より70人増えたことが8日、警察庁のまとめでわかりました。上半期の死者数の増加は、2000年以来13年ぶり。

 高齢者や、自転車利用中の死者、飲酒運転による事故の死者が増えており、警察庁は交通安全教育などの対策を進めます。

 上半期の交通事故死者数は、2000年に72人増の4267人になった後、2001年から年30人台~400人台のペースで減ってきました。2012年は2000人を切る1934人まで減っていましたが、今年再び2000人を超えました。年間を通じた死者数も、2001年から2012年まで連続して減り続けていて、2012年は4411人でした。

 今年上半期の死者2004人を年代別にみると、前年から最も増えたのは65歳以上の高齢者で、63人増の1044人。全体の52パーセントを占め、割合は10年間で13ポイント上昇しました。車やバイク、自転車を運転中の事故で亡くなった高齢者が、44人増の460人と目立ちます。人口10万人当たりの死者数でも、高齢者は3・39人で、全年齢の平均1・57人を大幅に上回っている。

 警察庁の担当者は、「体力が低下している高齢者は事故に遭いやすいので、積極的に注意を呼び掛けていきたい」と話しています。

 また、自転車を運転中の事故で亡くなった人も、33人増の280人となりました。30歳代以下で4人減った一方、40歳代以上の中高年が37人増え、244人を占めました。東日本大震災以降、通勤などで自転車に乗る中高年が増えたといわれており、警察庁は「関連している可能性もある」としています。

 自転車がかかわった死亡事故279件のうち75パーセントに、信号無視など自転車側の違反がありました。車との事故が233件で最も多い一方、自転車単独の事故も16件増の36件となり、過去10年で最多でした。

 このほか、減少傾向にあった飲酒運転による事故の死者も増え、前年より20人多い134人でした。車に乗車中の死者のうち、シートベルトを着用していなかった人は、33人増の326人。このうち、運転席での未着用者が32人増えました。

 交通事故全体の発生件数は、前年同期より1万485件減の30万4409件で、負傷者数は前年同期より1万1693人減の37万8047人でした。都道府県別の死者数は、愛知県が109人で最多。次いで静岡県、兵庫県が88人。最も少なかったのは山形県の11人で、鳥取県、島根県が13人で続きました。

 2013年8月9日(金)

 

■全国109地点で猛暑日 熱中症で537人搬送1人死亡

 日本列島は8日も晴れて暑さが続き、高知県四万十市で最高気温38・0度など109地点で、35度以上の猛暑日となりました。気象庁は、関東甲信と北陸から九州は気温が高い状態が9日も続き、10日の土曜日には北日本を含む広い範囲でさらに気温が高くなると予想されるとして高温注意情報を発表、熱中症に十分注意するよう呼び掛けています。

 気象庁によりますと、8日は南から高気圧の張り出しが強まり、ほぼ全国的に晴れて猛烈な暑さになりました。

 最高気温が高かった主な地点は、大分県豊後大野市37・6度、宮崎県西米良村37・2度、奈良県十津川村37・1度。また、大阪市で35・3度、名古屋市35・0度、埼玉県熊谷市35・0度、福島市で34・7度、東京都心で34・1度まで上がりました。

 気象庁の900余りの観測点のうち、30度以上の真夏日になった観測点は600地点を超え、7日に続いて70パーセントを超えました。

 9日も西日本と東日本を中心に猛烈な暑さになる見込みで、最高気温は京都市で38度、高松市、大阪市、名古屋市、富山市、甲府市などで37度、福岡市で36度、福島市で35度、東京都心で34度と予想されています。

 10日の土曜日には、西日本から北日本までの広い範囲でさらに気温が上がり、その後も猛烈な暑さは2週間程度続く見込みです。

 一方、マスコミが各地の消防や警察に取材してまとめたところ、8日の午後5時現在で、熱中症とみられる症状で全国で少なくとも537人が病院に救急搬送されました。このうち岡山県高梁市では、草刈りをしていた62歳の男性が倒れ、病院に運ばれましたが、まもなく死亡しました。

 都道府県別では、福岡県で38人、愛知県で37人、兵庫県で28人、茨城県と埼玉県、それに神奈川県でそれぞれ26人などとなっています。

 2013年8月8日(木)

 

■データ操作の高血圧治療薬、副作用記載を指示 厚労省

 スイス製薬大手の日本法人、ノバルティスファーマが販売する高血圧の薬について、厚生労働省は、皮膚がはれるなどの副作用を起こす可能性があるとして、製薬会社に対し添付文書に記載するよう指示しました。

 対象となったのは、東京都港区のノバルティスファーマが販売し、国内で推計400万人が服用し、これまでに1兆2000億円を売り上げているとされる高血圧の治療薬ディオバン(一般名・バルサルタン)です。

 医薬品などの副作用を審査する医薬品医療機器総合機構によりますと、ディオバンは2000年に販売が始まりましたが、それ以降、2013年5月までに服用した患者のうち合わせて41人が、皮膚がはれたり、ただれたりする症状を訴えたということです。

 機構が専門家に依頼して調査した結果、このうち18人は薬の副作用の可能性が否定できなかったということで、薬の添付文書を改めるべきだとする報告書を厚生労働省に提出しました。

 これを受けて厚生労働省は6日、ノバルティスファーマに対し、添付文書の「使用上の注意」に皮膚がはれるなどの重い副作用の出る可能性があることを記載するよう指示しました。

 新たに副作用として記載されるのは、「中毒性表皮壊死融解症」「皮膚粘膜眼症候群」「多形紅斑」「天疱瘡」「類天疱瘡」の5疾患。いずれも重症の薬疹で、全身の皮膚が赤くなったり、広い範囲にただれや水膨れが出たりします。

 この高血圧治療薬ディオバンを巡っては、ノバルティスファーマの元社員が薬の承認後に実際に患者の治療に使って新たな効果などを調べる臨床研究に関与して、データを操作した疑いが出ていて、元社員が臨床研究にかかわった複数の大学の調査委員会や厚労省などが調査を進めています。

 厚労省は、「今回の指示は、一連の問題とは関係のないもの」とし、「自己判断で服薬を中止せず医師の指示に従ってほしい」と服用者に呼び掛けています。

 2013年8月7日(水)

 

■希望者のiPS細胞を作製するサービスを開始 仏バイオ企業セレクティス社

 仏バイオ企業セレクティス社のグループ会社が7月から、将来の医療応用を見据えて、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製して長期間保存しておくサービスを各国で始めました。

 健康な人も含め、希望者の皮膚の組織を少し採取し、遺伝子を導入してiPS細胞を作製します。費用は作製に6万米ドル(約590万円)、保存に年間500米ドル(約5万円)。

 作製などはシンガポールなどで行いますが、最高経営責任者(CEO)アンドレ・シューリカ氏は「元になる細胞の採取は皮膚科医の協力があれば、日本国内でも可能。再生医療は革命的な医療だ。これは一生に1回だけの買い物で、高いとはいえない」と話しています。

 すでに米国や南アジア、欧州から申し込みがあるといいます。

 iPS細胞は、目の難病の研究的な治療が、世界初の臨床応用として日本でようやく始まる段階。将来的には、心臓や神経、肝臓などのさまざまな病気の再生医療に使えると期待されています。

 セレクティス社は2000年にパスツール研究所から分離、独立した企業で、同研究所が発明した技術のライセンス活動を行っています。また、同社は、山中伸弥京都大教授が所長を務める京大iPS細胞研究所と共同研究しています。

 一方、再生医療に役立てるため、あらかじめさまざまな種類のiPS細胞を作って備蓄しようという京都大学の取り組みに、兵庫県でさい帯血バンクを運営するNPO法人が協力することを決め、保存している血液を提供することになりました。

 NPO法人「兵庫さい帯血バンク」と京大iPS細胞研究所の担当者が6日、神戸市で記者会見して明らかにしました。

 患者の細胞からiPS細胞を作り、必要な組織などに変化させて移植する方法では、多くの費用や時間がかかるため、京大iPS細胞研究所は、あらかじめさまざまな患者に適合するiPS細胞を作り、備蓄する「iPS細胞ストック」構想を打ち出しています。

 これに対し兵庫さい帯血バンクは、全国に8つある公的なさい帯血バンクの中で初めて、保存している赤ちゃんのへその緒の血液を提供することを決めました。

 保存期間が10年を超え、白血病の治療などに使われなくなった血液のうち、白血球の型(HLA型)が多くの人に適合する血液を選び、親などに改めて同意を得た上で提供することにしています。バンクのさい帯血はHLA型をすでに調べてあり、費用や労力を省けます。

 京大iPS細胞研究所の齋藤潤准教授は、「血液の提供を受けることで効率的にiPS細胞を作ることができ、再生医療の可能性が広がると考えられる」と話しています。

 2013年8月6日(火)

 

■ES細胞から効率的に精子を作成 京大、誘導遺伝子を発見

 体のあらゆる組織や臓器になるとされるマウスのES細胞(胚性幹細胞)由来の幹細胞を、精子や卵子になる「始原生殖細胞」にする遺伝子を、京都大医学研究科の斎藤通紀教授や中木文雄研究員らのグループが突き止め、効率的な誘導に成功しました。

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)でも同様の働きがあるとみられます。イギリスの科学雑誌ネイチャーで5日、発表しました。

 斎藤教授らは一昨年、マウスのiPS細胞やES細胞から、受精卵にある多能性幹細胞と似た細胞(エピブラスト様細胞)にして始原生殖細胞を作り、精子や卵子にすることに成功しています。

 今回、始原生殖細胞だけで活発に働いている3種類の遺伝子を導入することで、約80パーセントの効率で始原生殖細胞にすることに成功しました。実験は雄のマウスのES細胞を用いており、正常な精子を作って受精し、子供も誕生しました。

 生理活性物質を用いる従来の手法では、20~40パーセントの効率でした。生理活性物質は生殖細胞への誘導には不要な遺伝子も活性化するため、遺伝子を直接導入するほうが効率がよいとみられます。

 ES細胞のような万能細胞を特定の遺伝子で生殖細胞に変えられることがわかったのは初めてといい、精子や卵子がどうやってできるかを解き明かす手掛かりになるといいます。

 斎藤教授は、「生殖細胞が形成されるメカニズムの解明に近付いてきた。iPS細胞でも同様の誘導が可能とみられ、人のiPS細胞から生殖細胞を作る研究にも役立つが、(遺伝子を導入する手法は)生殖医療に用いることはできないだろう」と話しています。

 国の指針はヒトiPS細胞由来の生殖細胞の授精を禁じています。

 2013年8月5日(月)

 

■ネット依存の中高生、全国に約52万人 日常生活や健康にも影響

 「使用時間を短くしようとして落ち込みやイライラを感じる」などインターネット依存の疑いが強い中高生が推計で全国に52万人もいることが、厚生労働省研究班の調査でわかりました。

 中高生を対象にした全国規模の調査は初といいます。多くの若者がパソコンやスマートフォンなどで情報交換やゲームに没頭し、日常生活や健康に影響が出ていると指摘しています。

 研究班(研究代表者=大井田隆・日本大学教授)は昨年度、全国の中学と高校から無作為に選んだ264校に調査票を送り、生徒に記入を依頼し、約7割の約10万人が回答しました。

 分析は米国などで使われるネットへの依存度を測る評価法を使い、「ネットに夢中になっていると感じているか」「満足のため使用時間を長くしなければと感じているか」「制限や中止を試みたが、うまいかないことがたびたびあったか」「使用時間を短くしようとして落ち込みやイライラを感じるか」「使い始めに考えたより長時間続けているか」「ネットで人間関係を台無しにしたことがあるか」「熱中しすぎを隠すため、家族らにうそをついたことがあるか」「問題や絶望、不安から逃げるためにネットを使うか」の8問中5問以上に当てはまると、「依存の疑いが強い」と分類しました。

 その割合は中学生の6パーセント、高校生の9パーセントで、中高生全体の8パーセント。全国の中高生数で計算すると51万8000人と推計されました。

 依存の割合は男女別では女子10パーセント、男子6パーセント。女子が高い理由について研究班は、「チャットやメールを多く使うため」とみています。

 日常生活や健康にも影響がみられ、59パーセントが「睡眠の質が悪い」と答え、依存がない中高生の2倍近くに達しました。「午前中に調子が悪い」は24パーセントと、依存がない中高生の3倍近くに達しました。

 時間も最も長い傾向だったのは、高校生女子で「休日で5時間以上」が22パーセント、高校生男子は21パーセント、中学生は男女ともに14パーセントでした。

 研究班のメンバーで、ネット依存症の専門外来がある久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の樋口進・院長によれば、「本人は病気の認識がないケースがほとんどなので、子供の生活が昼夜逆転し始めたら注意が必要だ」とのことです。

 2013年8月4日(日)

 

■長寿日本一の市区町村、女性は沖縄・北中城村、男性は長野・松川村

 平均寿命が最も長い市区町村は、女性が沖縄県北中城(きたなかぐすく)村で89・0歳、男性が長野県松川村で82・2歳だったことが、厚生労働省が7月31日に公表した「2010年市区町村別生命表」でわかりました。

 5年に1回公表しており、今回が3回目。全国1898市区町村(相模原市を除く)別の平均寿命を国勢調査などに基づき算出しました。

 女性の沖縄県北中城村は2回連続でトップ。女性の2~5位は、女性が島根県吉賀町88・4歳、北海道壮瞥(そうべつ)町88・4歳、熊本県菊陽町88・3歳、福岡県太宰府市88・3歳。

 女性のベスト10には、沖縄県から全国最多の3自治体が入りました。女性の全国平均寿命は、86・4歳でした。

 男性の長野県松川村は初めてのトップ。男性の2~5位は、川崎市宮前区82・1歳、横浜市都筑区82・1歳、長野県塩尻市82・0歳、沖縄県南風原(はえばる)町81・9歳でした。

 男性のベスト10には、都道府県別で全国1位の長寿県である長野県から4自治体、神奈川県から3自治体が入りました。前回1位だった横浜市青葉区は81・9歳で、今回は8位。男性の全国平均寿命は、79・6歳でした。

 松川村は、長野県北西部の北アルプスのふもとにある人口1万人余りの自然豊かな村です。村では「めざせ!健康長寿いちばんの村」と銘打った老人福祉計画を昨年度に策定し、お年寄りの健康作りに力を入れていて、介護予防事業の一環として、高齢者にストレッチなどの運動をしてもらう教室を積極的に開いています。

 男性の平均寿命が全国で最も長くなったことについて、松川村では「健康長寿一番を目指してやってきたので非常にうれしいです。運動教室などの地道な努力が結果につながったのではないか」と話しています。

 一方、平均寿命が最も短い市区町村は、男女ともに大阪市西成区で女性が83・8歳、男性が72・4歳でした。男性は3回連続で最下位となりました。

 続いて短い市区町村は、女性が和歌山県御坊市84・0歳、青森県階上(はしかみ)町84・2歳、大阪市東淀川区84・3歳、青森県大間町84・4歳。男性が高知県土佐清水市75・6歳、大阪市浪速(なにわ)区75・9歳、青森市76・5歳、青森県東通(ひがしどおり)村76・5歳の順でした。

 最も長い自治体と短い自治体を比べると、女性は5・2歳、男性は9・8歳の開きがありました。男女差が最も大きいのは大阪市西成区の11・4歳、最小は奈良県川西町の4・1歳でした。

 厚生労働省は、「平均寿命には、その地域の食生活や運動の習慣、それに医療体制などが大きくかかわっていると考えられる。この結果を、それぞれの自治体の保健や医療の向上に役立ててほしい」と話しています。

 2013年8月3日(土)

 

■美白化粧品、1828人の重症被害を確認 カネボウ発表

 美白化粧品で肌がまだらに白くなる被害が出ている問題で、カネボウ化粧品は7月31日、症状を訴える人が8631人に達したと発表しました。7月19日時点から約1800人増えました。

 このうちカネボウが重い症状だと確認したのは1828人に上り、約1100人増えました。確認作業は半分しか済んでおらず、被害がなお広がるのは確実。

 7月19日時点では、症状や不安を訴える人は6808人で、このうち重い症状だと訴える人は2250人いました。その後もカネボウや親会社の花王が状況を公表するたびに被害に気付く人が増えており、カネボウは被害を訴えた人を社員が個別に訪ねて症状を確認し、治療費の負担などに応じています。

 7月28日までに症状を訴えた人の約半数の4300人余りを訪ねて確認したところ、まだらに白くなる白斑が「3カ所以上」「5センチ以上の大きさ」「明らかな形で顔にある」といった重い症状の人が4割を超えました。重くはないものの症状が確認できたのは1457人。すでに回復したり、回復傾向がみられたりした776人も合わせて4000人を超します。訪問した人の9割以上です。

 また、今回の問題を巡っては、カネボウ側の対応が遅かったのではないかという指摘が出ています。

 カネボウが問題を公表し、美白化粧品の自主回収を始めたのは7月4日。しかし、カネボウの窓口には2年前から相談が寄せられており、病院を紹介するなどの対応をしましたが、化粧品が原因とは認識していませんでした。

 さらに、今年5月13日には、外部の皮膚科医から「化粧品を利用して肌がまだらに白くなった人が3人いる」と指摘を受けましたが、実際に医療機関を訪問して調査を始めたのは、その2週間後でした。

 症状を訴える人たちからは、「会社がもっと早く発表すれば症状が出る人はここまで増えなかったと思う」という声が上がっています。

 消費者庁の阿南久長官も、「指摘を受けてから医療機関を訪問するまでなぜ2週間もかかるのか、わからない」と述べ、カネボウの対応の遅れが、被害の拡大につながったという認識を示しています。

 お客様窓口(0120・137・411)への問い合わせや販売店への相談は今も続き、「どこで収束するのか見通せない」(カネボウ広報)といいます。花王は「(対応が)もっと早ければ被害が抑えられた」(沢田道隆社長)と認めて陳謝していますが、再発防止策の具体化はこれからです。

 一方、問題となっている美白成分「ロドデノール」を含む化粧品の回収は、約43万5000個に達しました。購入から時間があまりたっておらず、消費者の手元にあるとカネボウが推定する約45万個の96パーセントに当たります。これまでに約20万7000人が申し出ました。

 2013年8月2日(金)

 

■先天性風疹症候群、新たに1人 東京都で4人目、全国で14人目

 風疹の流行の影響で、東京都で新たに1人の新生児が、母親が妊娠中に風疹に感染したことで目や心臓などに障害が出る「先天性風疹症候群」と診断されました。

 昨年からの流行で、風疹によって障害が出た新生児は東京都では4人目、関東地方では7人目で、全国では合わせて14人となりました。

 風疹は、妊娠中の女性が感染すると新生児に障害が出る先天性風疹症候群になる恐れがあり、昨年の春以降、流行が広がり続けています。東京都によりますと、先週、新たに1人の新生児が先天性風疹症候群と診断されたと、都内の医療機関から報告があったということです。

 風疹の流行は、首都圏や関西を中心に全国に広がっていて、今年に入ってからの患者の数は7月21日の時点で1万3110人となっています。

 風疹について多くの妊婦の相談に応じている、三井記念病院産婦人科の小島俊行部長は、「障害が出る赤ちゃんは今後さらに増える恐れがあり、行政などが赤ちゃんや母親を支援する態勢の整備を急ぐ必要がある。風疹の患者は依然として多く、妊娠を希望する女性やその周囲の人などは予防接種を受けてほしい」と話しています。

 母親が妊娠中に風疹に感染したことで心臓や目、耳などに障害が出る先天性風疹症候群と診断された新生児は、今年に入って全国で9人となり、昨年から続く風疹の流行では、合わせて14人となりました。

 都道府県別では、東京都が4人、大阪府、兵庫県、愛知県でそれぞれ2人、埼玉県、神奈川県、千葉県、香川県でそれぞれ1人となっています。

 先天性風疹症候群は、風疹ウイルスに免疫のない妊婦が妊娠初期に風疹にかかることにより、胎盤を介して胎児に感染し、生まれた新生児に多様な形態異常や障害を生じる先天異常症です。形態異常や障害の程度とその頻度は、風疹ウイルス感染と妊娠の時期の関係によります。

 妊娠1カ月以内に風疹にかかると約50パーセント、妊娠3カ月以内の場合は約20パーセントの確率で、先天性風疹症候群の新生児が生まれます。妊娠6カ月をすぎれば、胎児に感染は起こっても、先天性風疹症候群は出現しなくなります。

 低出生体重のほか、形態異常や障害には、生後一過性に認められるものと永久障害を残すものとがあります。生後一過性に認められるものとしては、血小板減少性紫斑病、肝脾腫、肝炎、溶血性貧血、大泉門膨隆、間質性肺炎などがあります。

 永久障害を残すものとしては、眼球異常、心臓の奇形、聴力障害、中枢神経障害などがあります。眼球異常には白内障、緑内障、網膜症、小眼症、心臓の奇形には動脈管開存症、心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、肺動脈狭窄症、聴力障害には感音性難聴、中枢神経障害には精神発達遅延、脳性まひ、小頭症、水頭症などがあります。

 2013年8月1日(木)

 

■iPS細胞の臨床研究、8月から患者募集 理研など

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って目の難病患者を治療する世界初の臨床研究について、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーは30日、8月1日から研究を始めると発表した。

 対象となる患者6人を募集し、年内にも1人目を選定。早ければ来年夏に最初の移植を実施し、安全性と効果を調べます。

 高橋リーダーは神戸市で記者会見し、「臨床研究に至ったのはうれしいが、治療法を作るまでには長い道のりがある。責任をひしひしと感じる」と語りました。

 理研と移植手術を担う先端医療センター病院、神戸市立医療センター中央市民病院は8月1日に共同研究の契約を結び、研究者や医師、カウンセラーらでチームを作ります。

 研究対象は、目の網膜に異常な血管ができて視力が低下する「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」。50歳以上で矯正視力0・3未満、従来の治療薬では効果が得られず、眼科医の紹介状があるなどの条件を満たす人を募集し、2年間に6人を選びます。

 選ばれた患者の腕から直径4ミリ程度の皮膚を採取して、iPS細胞を作り、網膜の色素上皮に変えてシート状にするまで10カ月をかけ、傷んだ色素上皮と入れ替えます。4人目以降の患者ではシートの枚数を増やし、より視力回復を図ります。

 研究の主な目的は安全性の確認。拒絶反応や、がんになる危険性がないか4年以上確認します。研究チームは、がんの危険性は低く、がんができた場合も目は発見と除去が容易だとしています。大幅な視力回復は見込めないものの、視野が明るくなる効果が期待できるといいます。

 臨床研究とは別に、高橋リーダーは広く使える治療法の開発も目指します。特殊な免疫の型を持ち、他人に細胞を移植しても拒絶反応を引き起こしにくい人からiPS細胞を作り、多くの患者の目の治療に使う計画で、数年内の治験開始を目指しています。 

 2013年7月31日(水)

 

■7月の熱中症搬送、月間最多更新し2万2363人 消防庁発表

 7月に入って熱中症で病院に救急搬送された人は、全国で合わせて2万2000人を超え、前の年より20パーセント余り増えています。

 総務省消防庁は、暑い日が続くため、水分をこまめに摂取するなど予防に努めるよう呼び掛けています。

 総務省消防庁によりますと、7月1日から28日までの4週間に熱中症で病院に救急搬送された人は、全国で合わせて2万2363人に上りました。

 7月に入って各地で猛暑日となるなど暑い日が続いたことから、搬送された人の数は2008年の調査開始以降、7月の月間最多をすでに更新しており、昨年の同じ時期と比べても24パーセント増えています。

 27日には、東京都板橋区のマンションの部屋で窓を閉め切った状態で80歳の男性が死亡しているのが見付かるなど、7月に入って少なくとも29人が死亡し、3週間以上の入院が必要な重症の人も595人に上りました。

 7月22日から28日の1週間の集計では、救急搬送されたのは3893人で、うち死者は4人でした。救急搬送された人は前週より390人少なくなりましたが、3週間以上の入院が必要な重症の人が73人、入院が必要な中等症の人が1294人。年齢別では、65歳以上の高齢者が47・9パーセントを占め、7~17歳の少年少女が13・4パーセントでした。

 集計を始めた5月末から9週間の搬送者数は、全国で2万6860人と昨年の同じ時期より34パーセント増え、愛知県で2185人、東京都で2122人、大阪府で1725人などとなっています。搬送者のおよそ半数は、65歳以上の高齢者です。

 総務省消防庁は、気温が高い日がさらに続くことから、水分をこまめに摂取するとともに、室温が28度を超えないようにエアコンや扇風機を適切に使うなど熱中症の予防に努めるよう呼び掛けています。

 2013年7月30日(火)

 

■不妊治療助成、43歳未満に制限 受給は最大6回に削減

 不妊治療への公費助成制度の在り方を議論する厚生労働省の有識者検討会は29日、助成対象を「43歳未満」と新たに年齢制限を設け、助成回数も現行の最大10回から6回に減らすべきだとする意見をまとめました。

 厚労省は、現在治療中の女性に配慮する必要があるとして経過措置を設ける方針で、具体的な適用時期は今後検討します。

 不妊治療では年齢が上がるにつれて妊娠する確率が下がる一方で、流産の確率が上昇する調査結果が報告されていました。出産時期の高齢化が進み、不妊治療を受ける女性は増えており、子供を望む夫婦から反発を招く可能性があります。

 現行の国などによる不妊治療の助成制度は2004年度に始まり、保険が適用されない体外受精と顕微授精が対象です。年齢制限はなく1回の治療につき最大15万円、通算5年間で10回受給できます。

 ただし、「夫婦で年収730万円未満」の所得制限があります。厚労省によると、体外受精の治療費は一般的に1回30万~40万円。

 厚労省は年齢制限について、有識者検討会の作業チームがまとめた「43歳未満」と、厚労省研究班が医学的な有効性などを根拠に示した「40歳未満」の両案を検討会で提示。2011、2012年度に公費助成を受けた人のうち、40歳以上の人の割合が3割を超えたため、検討会は43歳未満が妥当と結論付けました。

 通算5年間の期間を廃止する代わりに受給上限を6回としたほか、40歳以降で不妊治療を始めた場合は3回までとしました。また、より早い段階で治療の機会を確保するため、現行の初年度3回目まで、2年目以降2回までという年間の回数制限を外すこととしました。

 有識者検討会では、1回の治療費の助成金額や夫婦の所得制限については、審議の対象としていません。厚労省はこれらの条件についても、「見直す可能性がある」としています。

 厚労省によると、受給者数(延べ人数)は2004年度に約1万7600人でしたが、2012年度は6・5倍の11万5200人に急増しています。

 厚労省研究班の調査結果によると、不妊治療を受けた女性が出産できる確率は39歳で10・2パーセント。40歳で7・7パーセント、42歳で3・7パーセントとなり、45歳では0・6パーセント報告されていました。

 2013年7月30日(火)

 

■風疹、ワクチンの不足は解消へ 患者数は例年より多い状態が続く

 熱が出たり皮膚に発疹が出たりする病気である風疹の流行で、この夏にもワクチンが一時的に不足する恐れが出ていましたが、その後、生産の前倒しなどで全国のワクチンの在庫が80万本を超え、厚生労働省はワクチンが不足する可能性は少なくなったとしています。

 風疹の流行を受けて、今年5月以降、予防接種を受ける人が1カ月に30万人を超え、一部の地域や医療機関ではワクチンが手に入りにくい状況が起きています。

 厚生労働省は、このままのペースで接種が進めば一時的にワクチンが不足する恐れがあるとして、妊娠を希望する人や妊婦の周辺にいる人を優先するよう医療機関などに協力を求めていました。

 しかし、流行のピークを過ぎて予防接種を受ける人が減ったことや、ワクチンのメーカーが生産の前倒しなどを進めた結果、7月19日の時点の在庫は全国でおよそ82万本に上っているということです。

 この結果、厚生労働省は5月、6月と同じ数の人が接種を受けたとしても、ワクチンが不足する可能性は少なくなったとしています。

 厚生労働省は、「ワクチンの在庫に余裕が出てきたので、これまで優先するようお願いしていた妊娠を希望する女性やその周りの人だけでなく、そのほかの希望する人も医療機関にワクチンがあれば予防接種を受けてほしい」と話しています。

 一方、7月14日までの1週間に新たに風疹と診断された全国の患者は290人で、流行はピークを過ぎたものの、例年に比べると患者数の多い状態が続いています。

 風疹は患者のせきやくしゃみを通じて広がり、妊娠中の女性が感染すると、新生児の目や耳、それに心臓などに障害が出る恐れがあります。

 国立感染症研究所によりますと、7月14日までの1週間に新たに風疹と診断された全国の患者は290人で、700人近いペースで増えていた5月下旬のピーク時と比べ、半分以下に減りました。

 しかし、例年と比べると依然、患者数の多い状態が続いていて、新たな患者は最も多い東京都が62人、次いで大阪府が52人、兵庫県が334人、神奈川県が23人などとなっています。

 国立感染症研究所の多屋馨子室長は、「流行している地域はワクチンの接種率が低い地域が多い。妊娠を希望する女性は特に積極的にワクチンを打ってほしい」と話しています。

 2013年7月29日(月)

 

■65歳以上独居男性の17パーセント、「2週間他人と会話なし」 厚労省調査

 65歳以上の1人暮らしの人のうち、他人と会話する機会が「2週間に1回以下」という人は男性16・7パーセント、女性3・9パーセントだったことが24日、厚生労働省の研究所の調査でわかりました。

 妻と同居する男性では4・1パーセントにとどまっており、1人暮らしの高齢男性が社会的に孤立している実態が浮かび上がりました。

 調査は2012年7月に国立社会保障・人口問題研究所が実施した「生活と支え合いに関する調査」。福島県を除く全国の約1万1000世帯、約2万1000人が回答しました。

 調査では、「普段どの程度、人(家族を含む)とあいさつ程度の会話や世間話をするか(電話も含む)」を尋ねました。「毎日誰かと会話をする」とした割合は、20~60歳未満の男女で9割超でしたが、1人暮らしの65歳以上では男性50・0パーセント、女性62・8パーセントと低くなりました。

 「2~3日に1回」は男性18・3パーセント、女性24・9パーセント、「4~7日に1回」は男性15・1パーセント、女性8・4パーセント、そして「2週間に1回以下」は男性16・7パーセント、女性3・9パーセントで、若年層や家族と同居する高齢者と比べて会話は少なくなりました。

 1カ月間に10人以上と会話した人は40歳代では79・7パーセントいましたが、80歳以上では46・1パーセントと33・6ポイントも減少。また、所得が低い人ほど会話した相手が少なくなりました。

 一方、東日本大震災が自分に与えた影響については、17・6パーセントが「家族や友人・知人との絆が強まった」と回答。ただ、「収入が減った」人も10・4パーセントおり、40歳代後半の男性では19・9パーセントに上るなど、経済的な影響も大きくなりました。

 2013年7月28日(日)

 

■女性の寿命、86・41歳で再び世界一 2012年、男性も過去最高

 日本人女性の2012年の平均寿命が、再び長寿世界一になりました。平均寿命は86・41歳で、前年を0・51歳上回りました。男性も前年より0・50歳延び、79・94歳で過去最高になりました。厚生労働省が25日に発表した「簡易生命表」でわかりました。

 厚労省は毎年1回、死亡・出生数などをもとに、各年齢の人が平均してあと何年生きられるか(平均余命)の見込みを計算しています。平均寿命は、そのうち0歳の平均余命を指します。

 平均寿命は、男女とも戦後直後の1947年は50歳代でした。その後、徐々に延び、女性は1984年には80歳を、2002年には85歳を超えました。2010年までは26年連続で、長寿世界一でした。

 2011年の平均寿命は、東日本大震災の影響で男女とも短くなりました。その結果、女性は27年ぶりに長寿世界一の座を明け渡していました。2012年は、その影響が収まったことで、平均寿命を男性で0・26歳、女性で0・34歳ぶん押し上げました。平均寿命が前年より延びたのは、男女とも2009年以来3年ぶり。

 厚労省が把握している海外の国・地域のデータと比べると、日本人女性は2011年に1位だった香港を抜き、2010年以来の世界一に。日本人男性も前年の8位から5位に上がりました。

 海外の国・地域の最新の平均寿命は、香港の女性が86・3歳で日本に次ぐ2位、スペイン、フランス、スイスの女性が84歳台後半で続きます。男性はアイスランドの80・8歳がトップ、香港が80・6歳で2位となっています。

 がん、心疾患、脳血管疾患で亡くなる確率は男性で53・04パーセント、女性は49・32パーセントで、男性は前年より上昇しました。これらの疾患による死亡が仮にゼロになった場合、平均寿命は男性で7・37歳、女性で6・17歳延びる計算といいます。

 厚労省の担当者は、「平均寿命は今後も延びる可能性がある」としています。

 2013年7月27日(土)

 

■カネボウの美白化粧品、台湾で18製品回収 フィリピンで販売禁止

 美白化粧品で肌がまだらに白くなる被害が出ている問題で、カネボウ化粧品は25日、台湾でも対象商品が原因で54人が発症したことを明らかにしました。化粧品との関連は確認できていませんが、さらに69人が症状を訴えているといいます。

 台湾で同社の化粧品を売っている現地の代理販売会社が被害情報を集めたところ、23日までに181人から症状の訴えがありました。病院で化粧品との関連を調べており、このうち58人は無関係とされました。

 台湾では、約10万個の対象商品が消費者の手元に残っているとされ、約1万5000人から自主回収したものの、個数は確認できていません。

 自主回収の対象となったのは、「インプレス」ブランドの「ICホワイトフィットマスク3D」や、カネボウ化粧品の子会社エキップの「RMK」ブランドの「スキンチューナー・ブライトニング」などの18製品。

 また、フィリピン政府は26日までに、フィリピン国内に流通する一連のカネボウ化粧品の対象商品の販売を禁止するとともに、商品の回収を呼び掛ける措置を取りました。

 現地のカネボウ化粧品によりますと、今のところ被害の報告はないということで、現在、フィリピン国内で流通、販売しているすべての商品の数を調べています。

 問題となっている美白有効成分の「ロドデノール」を含む美白化粧品は、日本以外に台湾、フィリピンを含め、韓国、タイなどアジアの10の国と地域で、これまで累計37万個販売され、年10億円の売り上げがあるということで、カネボウ化粧品では対象商品の回収を急いでいます。

 日本やアジアで回収中の美白化粧品に含まれる美白有効成分のロドデノールは、シラカバの樹皮から抽出された天然物質の構造の一部を変えたもの。カネボウ化粧品が開発し、2008年1月に厚生労働省から新規医薬部外品有効成分としての承認を取得しました。

 承認に向けた試験で肌がまだらに白くなる白斑の発生などは確認されませんでしたが、日本皮膚科学会は今回、皮膚を黒くするメラニンの生成を過剰に抑えた結果、肌がまだらに白くなった可能性を疑っています。

 2013年7月26日(金)

 

■児童虐待、過去最多の6万7000件近く 全国の児童相談所が把握

 今年3月までの1年間に、全国の児童相談所が把握した児童虐待の件数は、前の年度よりも6800件以上増えて、およそ6万6800件と過去最多に上ったことが厚生労働省のまとめでわかりました。

 これは25日、厚生労働省が全国の児童相談所の所長を集めた会議で明らかにしたものです。

 それによりますと、今年3月までの1年間に、全国の児童相談所が虐待があったと認定した件数は、前の年度より6888件増えて、6万6807件に上りました。

 児童虐待の件数は、統計を取り始めた1990年度以降、毎年増え続けており、今年も過去最多を更新しました。

 都道府県別では、大阪府が9875件と最も多く、次いで神奈川県が8324件、埼玉県が4853件となっています。

 一方、関東1都6県の児童相談所が虐待があったと認定した件数は、前の年度より3669件増えて、2万5041件に上りました。このうち最も多かったのは神奈川県、次いで埼玉県で、東京都が4788件、千葉県が4776件、茨城県が864件、栃木県が782件、群馬県が654件となっています。

 厚生労働省は、「相次ぐ虐待事件で市民の関心が高まり、周囲の人たちからの通報が増えているためではないか」分析しています。

 また、厚生労働省が昨年3月までの1年間に、18歳未満で無理心中を除く虐待で死亡した58人を分析したところ、0歳の乳児が25人と最も多く、43パーセントを占めたことがわかりました。

 虐待をした人は、実の母親が半数以上を占め、望まない妊娠をした母親や10歳代で妊娠した母親が多く、虐待の切っ掛けは、3歳未満では、泣きやまないことにいらだったケースが目立つということです。

 厚生労働省は全国の自治体に対して、妊娠中からの相談体制を充実させるほか、乳幼児検診や予防接種を受けていない家庭について関係部局で情報を共有し、虐待を未然に防いだり早期に発見したりするための取り組みを強化するよう求めました。

 2013年7月25日(木)

 

■カネボウ化粧品、美白化粧品の被害報告相次ぐ 重症の申し出2250人

 カネボウ化粧品(東京都中央区)は23日、同社の美白化粧品で肌がまだらに白くなる被害が出ている問題で、6808人から症状や不安を訴える申し出があったと発表しました。うち2250人は、症状が重いといいます。

 同社は、使用中止を改めて呼び掛けるとともに、被害者を訪問して、状況の把握を続けています。

 問題になっているのは、美白有効成分の「ロドデノール」を含む同社の美白化粧品。自主回収を始めた今月4日時点で、被害件数は39件でしたが、その後、肌がまだらに白くなる白斑(はくはん)や、その不安を訴える相談が急増し、19日時点で6808人に上りました。

 このうち、「白斑が3カ所以上ある」「5センチ以上の白斑がある」「顔に明らかな白斑がある」のいずれかに当てはまる重症の人は、2250人に上ります。

 同社の夏坂真澄社長は23日の記者会見で、「発症したすべての方におわびしたい。これほどの数字になったことに驚いている。重く責任を受け止めている」と陳謝。2011年にあった当初の消費者からの相談については、「(消費者の)病気という思い込みがあった」として、実態把握が遅れた初期対応の誤りを認めました。

 同社は「完治するまで責任を持って対応する」ことを基本方針としたロドデノール対策本部を設置して、全国に50~150人規模で専任の担当者を配置し、症状が出た人に対しては長期的に対応を続けます。

 同社は申し出のあった顧客全員を社員が訪問し、治療の相談と聞き取りを進める活動を始めており、19日までに3181人の訪問を行ったといいます

 聞き取りによると、顔よりも、首、手、指などの症状を訴える人が目立ちました。発症時期は7~9月が多く、赤みやかゆみが出た後や日焼け後に発症するケースが多くなっています。肌がしびれたり、赤くはれたりする場合もあるといいます。使用を中止すれば、症状が和らぐ人もいる一方、治らずに長期化している人もいるといいます。

 原因がまだわからず、同社は日本皮膚科学会と協力し、対策の特別委員会を17日に設けました。医師と協力し、実態調査や原因究明を進め、治療の方法を探ります。

 同社は、症状が確認された利用者には医療費や医療機関への交通費を支払っています。慰謝料についても、今後支払い基準を設ける方針。

 カネボウ化粧品が自主回収しているのは、同社と、子会社の「リサージ」、「エキップ」が製造・販売するカネボウの「ブランシール スペリア」など計8ブランドの54製品に及びます。今回、対象製品を組み合わせた「各種セット」を加えたため、対象は71品目に上りました。

 自主回収を4日に公表以降、同社のお客様相談窓口には約10万5000人から、店頭では約5万9000人から、回収方法などの問い合わせがありました。消費者に販売済みの約45万個のうち8割の約36万個を回収しましたが、まだ約9万個が未回収といいます。

 ロドデノールは、2008年1月に厚生労働省から新規医薬部外品有効成分としての認可を取得しています。

 2013年7月24日(水)

 

■マダニ媒介ウイルス感染、死者15人に 山口県の90歳代の女性が死亡

 野外のマダニが媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)で、7月中旬、山口県内の90歳代の女性が、死亡していたことがわかりました。

 国内の感染者は32人目、うち死亡者は15人目。山口県内では感染者は4人目で、うち死亡者は3人目。

 山口県によりますと、感染が確認されたのは県東部に住む90歳代の女性で、7月上旬、発熱や嘔吐、下痢などの症状を訴えて医療機関に入院し、発症から約10日後の中旬に意識混濁、血小板減少、肝機能障害などで死亡したということです。

 山口県環境保健センターと国立感染症研究所で、女性の血液などを検査した結果、マダニが媒介するSFTSを引き起こすウイルスに感染していたことが、22日に確認されたということです。

 山口県によりますと、この女性はほぼ毎日、自宅の畑で農作業をしていたということですが、マダニにかまれたような跡は、認められないということです。

 ウイルスを媒介するマダニは、春から秋にかけて活動が活発になるということで、山口県では、マダニが生息する草むらや、やぶなどでは、長袖や長ズボン、それに足を完全に覆う靴をはくなどの対策を取るよう、注意を呼び掛けています。

 2013年7月23日(火)

 

■日本人の不安、「年金制度」に変わって「大地震・津波」トップに

 博報堂生活総合研究所が、日本人の「不安」に変化が生じたという調査結果を発表しました。

 今年4月、10歳~60歳代の男女に「年金制度」や「治安悪化」、「少子化・人口減少」など32項目について、不安を感じているかを質問し、29項目で2008年の前回調査から減少したものの、今回項目が新設された「大地震・津波」に不安を感じている人は55・6パーセントで、1位となりました。

 インターネットを通じて、前回とほぼ同じ計3426人に調査しました。「大地震・津波」を除き、2008年と同じ31項目について不安と答えた割合を、ポイント化して合計した「不安の総量」は、今回896ポイント。2008年は1203ポイントでした。

 「日中・日韓問題」(11ポイント増)と「北朝鮮問題」(9ポイント増)の2項目だけは、不安と答えた人が増えていました。最近の政治情勢の影響とみられます。

 特に減り幅が大きかったのは、医師不足(30ポイント減)、金融危機(21ポイント減)など。2008年当時、妊婦の救急搬送受け入れ拒否問題やリーマン・ショックなどがあった影響とみられます。「治安悪化」や「格差社会」、「森林問題」といったそのほかの項目も、軒並み減少していました。

 しかし、多くの項目は、問題が解決されたとはとてもいえない現状。

 博報堂生活総合研究所は、①東日本大震災の恐怖感から、それまでの不安が相対的に小さく感じられるようになった、②不安が常態化し、免疫ができた、③不安にとらわれず、今を大切に生きたいと考える人が増えた、などと推測しています。

 男女別、年代別にみると、最も大きく減ったのは20歳代女性で、2008年の1398ポイントから911ポイントになりました。

 逆に減り幅が少なかったのは、10歳代男性と50歳〜60歳代女性。特に60歳代女性は、不安総量が1108ポイントで一番高くなりました。

 最も低かったのは、20歳代男性の645ポイントでした。

 2013年7月22日(月)

 

■勤務医の約半数、健康に不安感じると回答 全国医師ユニオンが調査

 厳しい労働環境により「健康に不安を感じる」と答えた勤務医が46・6パーセントに上ることが20日までに、労働組合「全国医師ユニオン」(東京都)などが実施したアンケート調査でわかりました。

 医療過誤が起きる原因として「過剰業務による疲労」を挙げた勤務医も55パーセントに上り、医療現場の過酷な労働実態が浮き彫りとなりました。

 調査によると、当直を行う勤務医の79・4パーセントは当直明けの翌日も1日勤務し、32時間以上連続で働いていました。勤務医の82・3パーセントが「自分の病院が医師不足だ」、61・7パーセントが「最近やめたいと思うことがあった」と回答しました。

 女性医師の環境はさらに厳しく、結婚や出産を機に離職や非常勤を選択するケースが多いことも判明。非常勤医師の36・2パーセントは女性が占め、常勤医師に占める女性の割合の18・4パーセントの約2倍となりました。

 また、26・6パーセントが「妊娠時に夜勤や当直を免除するなどの支援がなかった」と回答しました。

 昨年6~9月、日本医療労働組合連合会や関係学会を通じて勤務医にアンケートを呼び掛け、2108人(男性医師1661人、女性医師447人)から回答を得ました。 

 全国医師ユニオンの担当者は、「過酷な長時間労働が常態化している。医師不足を解消し、勤務状態を改善する必要がある」としています。

 全国医師ユニオンは、医師の過労死・過労自死が相次ぎ、医療崩壊が深刻化する中で、2009年に発足しました。医師の労働条件の改善とともに、日本の医療再生を目指しています。

 2013年7月21日(日)

 

■病気で休職後、4割近く退職 労働政策研究・研修機構が調査

 心身の病気で会社の休職制度を使った人のうち、4割近くはその後に退職していることが、独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査でわかりました。

 特にうつ病などの心の病は、再発する人が多い職場ほど退職する人の割合が高くなりました。

 昨年11月の調査で、従業員が50人以上いる企業2万社が対象で、5904社が回答しました。

 調査結果によると、1カ月以上連続して休める「病気休職制度」を91・9パーセントの企業で導入し、このうち52・0パーセントで過去3年間に利用者がありました。利用者のうち、昨年11月の調査時点で51・9パーセントが復職し、37・8パーセントが会社を辞めていました。

 がん、心の不調、脳血管疾患を患った利用者のうち退職した人の割合は、42~43パーセントとやや高めでした。

 心の病は、再発する人が多い職場ほど退職率が高い傾向がありました。9割以上の利用者が再発した企業では、「休職制度を利用した人の退職率が80~100パーセント」と答えた割合は48・4パーセント。一方、再発した人がほとんどいない企業では、17・5パーセントにとどまりました。

 調査担当者は、「短時間勤務などで働き方を工夫し、再発を防ぐことが大切だ」としています。

 非正社員の場合、そもそも病気休職制度を使えない企業が48・5パーセントに上りました。非正社員も、正社員同様に休職制度を利用できる企業は31・1パーセントでした。

 2013年7月20日(土)

 

■手足口病の患者、東京都で急増 過去10年で最多

 夏場に流行し、手や足、口の中などに発疹ができる「手足口病」の患者が、東京都内で小さな子供を中心に急激に増え、この時期としては過去10年で最も多くなっています。

 東京都は、こまめに手を洗うなど予防に努めてほしいと注意を呼び掛けています。

 手足口病は、主に小さな子供がかかるウイルス性の感染症で、インフルエンザなどと違い夏場に流行するのが特徴。手や足、それに口の中などに発疹ができ、まれに髄膜炎や脳炎を起こして重症化することがあります。

 東京都によりますと、7月に入ってから患者が急激に増え、今月14日までの1週間に報告された患者数は1つの医療機関当たり10・97人と、この時期としては過去10年で最多で、前の週の1・8倍になりました。

 患者のほとんどは6歳以下の子供で、このうち3分の2は2歳以下だということです。

 手足口病は、患者のくしゃみなどの飛まつやウイルスが付いた手などを通じて感染するため、手洗いを徹底し、おむつの取り扱いなどに注意することが大切です。

 手足口病の患者数がピークとなるのは、例年、夏休みシーズンの7月下旬から8月上旬です。

 東京都感染症情報センターの杉下由行課長は、「1週間で患者の報告数がほぼ倍に増え、今後、さらに増えることが予想される。まれに重症化することもあるので、タオルの共用を避け、こまめに手を洗うなど予防に努めてほしい」と話しています。

 また、東京都だけではなく、群馬県を除く関東地方、九州や中国地方など西日本でも、手足口病の患者が急増しています。

 2013年7月19日(金)

 

■卵子提供を受けて妊娠・出産、約7割の母子に重い影響

 この4年間で卵子提供を受けて妊娠・出産した7割近くで、妊娠高血圧症候群など母子への重い健康影響があったことが、厚生労働省研究班の調べでわかりました。高齢妊娠や受精卵を排除する免疫反応の影響が考えられるといい、「極めてリスクが高い」と注意を呼び掛けています。

 研究班の竹下俊行日本医科大教授らは昨年11~12月、高齢出産を扱うことが多い大学病院など302施設に、2009年以降の卵子提供による妊娠・出産についてアンケートを行いました。163施設(54パーセント)から回答を得ました。

 卵子提供による出産は4年間で117件あり、流産は5件でした。このうち93件は海外で卵子提供を受けていました。母親の年齢は28~58歳で、平均45歳。

 出産までの経過がわかった100件のうち、重い健康影響を伴うものは68件(68パーセント)に上りました。

 具体的な影響を複数回答で聞くと、血圧が上がって脳出血などの危険が高まる妊娠高血圧症候群が27件、早産のリスクが高まる切迫早産22件、出産後も胎盤がはがれない癒着胎盤が9件、大量出血の危険がある前置胎盤が8件でした。生まれた新生児の体重が2500グラム未満の低出生体重児も44件ありました。

 遺伝的なつながりがない受精卵を異物と見なして攻撃する免疫反応や、双子が多いことなどの影響が考えられるといいます。

 竹下教授は、「出産に伴う出血も一般のお産より多い傾向があり、卵子の提供を受けての妊娠や出産は極めてリスクが高いことがわかった。卵子提供を選ぶ女性は増えているが、そのリスクを十分に知った上で判断してほしい」と話しています。

 2013年7月18日(木)

 

■熱中症、7月の搬送者は1万3000人 死亡者は少なくとも19人

 7月に入って熱中症で病院に運ばれた人は全国で1万3000人を超え、前の年の4・8倍と大幅に増えています。

 総務省消防庁は、暑い日がさらに続くため水分をこまめにとるなど予防に努めるよう呼び掛けています。

 総務省消防庁によりますと、7月1日から14日までの2週間に、熱中症で病院に運ばれた人は全国で1万3681人に上りました。

 7月に入って各地で猛暑日となるなど暑い日が続いたことから、搬送された人の数は去年の同じ時期の4・8倍と大幅に増えています。

 14日には埼玉県羽生市で、自宅で寝ていた77歳の男性が動けなくなり搬送先の病院で死亡するなど、7月に入って少なくとも19人が死亡し、3週間以上の入院が必要な重症の人も451人に上りました。

 都道府県別では、東京都が最も多く1430人、次いで愛知県が1319人、埼玉県が1069人などとなっています。

 また、集計を始めた5月末から7週間の搬送者数も、全国で1万8178人と去年の同じ時期の3・3倍に増え、65歳以上の高齢者が全体のおよそ半数を占めています。死者は23人に上りました。

 気象庁の長期予報では、7月中は関東甲信などで気温が平年よりかなり高く、8月も全国的に平年よりやや高くなると予想されています。

 気象庁や総務省消防庁は、気温が高い日がさらに続くことから水分をこまめにとるとともに、室温が28度を超えないように、エアコンや扇風機を適切に使うなど熱中症の予防に努めるよう呼び掛けています。

 2013年7月17日(水)

 

■新出生前診断、1500人検査 開始から3カ月で

 妊婦の血液を分析するだけで、胎児に染色体の病気があるかどうかを高い精度で判定できる新しい出生前診断を受けた妊婦は、今年4月からの3カ月間に全国で1500人余りに上ることがわかりました。

 新しい出生前診断は、妊婦の血液を分析するだけで、胎児にダウン症など3つの染色体の病気があるかどうか判定できるもので、今年4月から国内でも受けられるようになりました。

 この診断について、全国の産婦人科医などによる共同研究組織「NIPTコンソーシアム」が、6月30日までの3カ月間に全国22の医療機関で実施された件数を調べたところ、診断を受けた妊婦は1500人余りに上ることがわかりました。

 同研究組織では当初、半年間で1000人ほどの妊婦が診断を受けると予想していましたが、それを大幅に上回る人数で、東京都の医療機関を中心に診断の予約が取りにくい状況が続いているということです。ハイペースで診断が行われた背景には、高齢妊婦を中心に希望者が多いことがあります。

 調査をまとめた昭和大学産婦人科の関沢明彦教授は、「新しい診断への妊婦の関心の高さがわかる。結果によっては重大な決断を迫られる診断で、理解を深めてもらうための遺伝カウンセリング態勢を全国で整える必要がある」と話しています。

 同研究組織は遺伝カウンセリングについて、妊婦が診断結果の意味や対象となる病気の説明をどれだけ理解したかなど、その効果を検証し、論文としてまとめる予定です。

 また、診断の結果、染色体の病気が疑われる「陽性」と判定された数は、導入1カ月で9人でしたが、3カ月間での陽性判定数など、具体的な検査結果については近く、日本産科婦人科学会(日産婦)に報告します。

 一方、新しい出生前診断の検査を実施している米国の「シーケノム社」(本社・カリフォルニア州)は、日本のマスコミの取材に応じて、日本国内で血液を分析する体制を整える計画を明らかにしました。

 高齢妊婦が増える日本市場の拡大を見込み、分析の処理能力を向上させ、結果判明までの時間を短縮する狙いがあります。

 ただ、今年4月から始まった日本の新しい出生前診断は現在、十分な遺伝カウンセリングが可能な23の認定医療機関に限っており、同社ではこの体制は維持するとしています。

 同社によると、日本国内で分析する体制作りへ向けて、すでに日本の提携先機関の選定に入っており、「複数の民間機関から打診があり、具体的な交渉を始めている」(同社幹部)としています。同社の検査技術を提供する提携先が決まれば、1年以内に実用化にこぎ着けることが可能といいます。

 2013年7月16日(火)

 

■厚労相直轄の検討委設置へ 高血圧治療薬の論文不正問題

 厚生労働省は12日、高血圧治療薬に関する研究論文の不正問題について、大臣直轄の検討委員会を設けると発表しました。不正がどのような経緯で起きたのかを調べ、再発防止策を検討します。

 この問題では、製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬ディオバン(一般名・バルサルタン)の効果を調べた京都府立医科大の松原弘明元教授(2月に退職)の臨床研究論文に対し、同大学の調査委員会が「不正があった」と認定しました。患者のデータを操作し、ほかの治療薬に比べ、脳卒中などを防ぐ効果が実際より高くなるように見せ掛けられていた可能性があるとされます。

 問題の臨床研究は、高血圧の日本人3031人が対象。ディオバンを飲むと、ほかの高血圧治療薬だけを飲んだ場合に比べて、血圧を下げるほかにも脳卒中や狭心症を防ぐ効果が高いとする論文が2009年、欧州心臓病学会誌に発表されました。しかし、外部からデータに疑義があることを指摘され、同大学が今年3月に調査を始めました。

 調査委員会の報告によると、患者のうち223人分のカルテを調査したところ、34人で脳卒中などが起きていないのに発症したとしたり、逆に発症したのに、起きていなかったとしたりする不正操作がありました。血圧の数値の追加や修正も223件ありました。カルテなどから改めて解析し直すと、ディオバンとほかの高血圧治療薬との間で、効果の差はみられなくなったといいます。

 田村憲久厚労相は、「(調査結果は)データの捏造(ねつぞう)・改ざんが強く示唆される内容で、大変遺憾」との談話を出しました。

 京都府立医大のほか、東京慈恵会医大と滋賀医大、千葉大、名古屋大でも、同様の臨床研究を手掛け、論文を発表しています。委員会では、これらの調査結果を踏まえて議論する方針。関係者から事情を聴くことも検討しています。

 また、現在見直し中の臨床研究指針に、研究の質を担保する方策を盛り込むことにしました。

 ディオバンは、製薬大手ノバルティスが2000年に日本国内で販売を始めた高血圧治療薬。2012年度の日本国内売上額は約1083億円で、世界約100カ国でも承認されています。

 2013年7月15日(月)

 

■マダニ媒介ウイルス感染、死者13人に 岡山県の80歳代の女性が死亡

 岡山県は12日、野外のマダニが媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)に同県南西部の80歳代の女性が感染し、今月上旬に死亡したと発表しました。SFTSによる死亡は全国で13人目で、同県での感染例は初めて。

 県によると、女性は1日に発熱、食欲不振、歩行困難などの症状を訴えて、自宅近くの病院に入院しました。血圧が低下したため倉敷市の病院へ3日に転院して、数日後に死亡しました。

 倉敷市を通じて報告を受けた岡山県が女性の血液を国立感染症研究所に送ったところ、SFTSを引き起こすウイルスに感染していたことが11日、確認されたということです。

 女性に発症前1カ月以内の海外渡航歴はなく、左足のくるぶしにダニによるものと思われる刺し口がありましたが、感染経路はわかっていないということです。

 岡山県などによると、これまでに全国で確認された患者は27人で、うち13人が死亡。地域的には、九州地方(宮崎県、長崎県、佐賀県、鹿児島県、熊本県)、四国地方(愛媛県、高知県、徳島県)、中国地方(山口県、広島県、岡山県)で患者が確認されています。

 マダニの活動は春から秋にかけて活発になるため、岡山県はマダニが多く生息する草むらなどでは長袖や長ズボンを着用するなどの対策を取るよう呼び掛けています。

 2013年7月14日(日)

■H7N9型鳥インフルエンザ、日本人に免疫なし 中国の死者は43人に

  中国の保健当局は10日夜、今春から感染者が相次いだH7N9型鳥インフルエンザウイルス感染による国内の死者数が、43人になったと発表しました。

 中国国家衛生計画出産委員会の直近の月例報告によると、中国本土で6月末までに感染が確認された患者は132人。同月中に新たに1人が感染し、4人が死亡しています。死者の1人は上海市当局が6月末に発表した56歳の男性で、先に死亡した患者の夫だといいます。残る3人の死者についての詳細は不明。

 また、感染者のうち85人は病院での治療後に回復し退院したとしており、現在も入院中の患者は4人とみられます。

 一方、中国で人への感染が広がったH7N9型鳥インフルエンザウイルスに対し、すべての年代の日本人に免疫がないことが東京大と国立感染症研究所などの研究でわかりました。日本に上陸すると被害が大きくなる可能性が高いことを示す結果で、11日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表しました。

 2009年に世界的大流行を起こしたH1N1型鳥インフルエンザウイルスに対し、中高年以上の人はある程度の免疫を持っていました。ところが、研究チームが2010〜2012年に採取された血液を使って日本人の免疫を調べたところ、0歳代~90歳代の500人全員がH7N9型鳥インフルエンザウイルスに対する感染や悪化を防ぐための抗体を持っていませんでした。

 H7N9型ウイルスは、遺伝子解析から、ヒトの細胞に感染・増殖しやすい特徴があると予想されていました。

 また、半数が死ぬ量のウイルスをマウスに感染させて抗ウイルス薬を投与する実験では、タミフルやリレンザ、イナビルを投与されたマウスは、死ななかったものの体重が2~4割も減少。人でも効きにくいかもしれないことを示す結果となりました。承認申請中の新薬T705を投与されたマウスの体重は、減りませんでした。

 チームの河岡義裕・東大医科学研究所教授は、「2009年のH1N1型は、成人に多少は免疫があったので重症化する人も限られていた。H7N9型に対しては誰も免疫がないため、パンデミック(大流行)を起こした場合、肺炎患者が増える可能性がある。秋以降、また人への感染が起こるかもしれないので、注意深く状況を調べる必要がある」と指摘しています。

 2013年7月13日(土)

 

■熱中症1266人搬送、3人死亡 猛暑日、過去40~50年で3倍

 熱中症とみられる症状で病院に搬送された人が11日も相次ぎ、マスコミの集計では全国で少なくとも1266人に上り、うち栃木県と千葉県、それに東京都で3人が死亡し、3つの県の4人が意識不明の重体となっています。

 各地の警察や消防によると、栃木県小山市では、午後3時半ごろ88歳の女性が自宅の寝室で倒れているのが見付かり、病院に搬送されましたが死亡しました。熱中症と診断されたということです。

 また、東京都立川市では、午後3時すぎ60歳代の男性が農業用ハウスの中で倒れているのが見付かり、病院に搬送されましたが、その後、死亡しました。警視庁は熱中症の疑いがあるとみて調べています。

 都道府県別では、埼玉県で141人、愛知県で137人、東京都で99人、神奈川県で87人、大阪府で66人など、東北北部の3県を除く44の都道府県で、少なくとも1266人が熱中症とみられる症状で病院に搬送されました。

 一方、最高気温が35度以上になる猛暑日の全国の年間日数が、過去40~50年間で3倍近くに増えていることが気象庁のまとめでわかりました。地球温暖化の影響とみられ、近年は気象庁の927観測点のうち、猛暑日になるのが100地点を超える日も珍しくなくなっています。

 まとめでは、全国15地点の1961~1970年の年間猛暑日の日数を平均すると1カ所当たり0・78日。これに対して、直近の2003~2012年は2・3日で、10年当たり0・5日のペースで増えていました。この間、夏(6~8月)の最高気温が0・77度上がりました。

 11日、記録が残る1876年以降で新記録となる5日連続の猛暑日になった東京都心は、1961~1970年は年2・5日でしたが、10年当たり0・7日のペースで増え、直近10年は年4・4日に。猛暑日が3日以上続いた8回のうち、7回が1990年以降に集中していました。

 2013年7月11日(木)

 

■体内時計の周期を簡単に計測する手法を開発 睡眠障害の治療に期待

 人は、いわゆる「体内時計」に基づいて1日周期の生活リズムを作り出していますが、この体内時計の異常を皮膚の細胞を使って簡単に見付ける手法が開発され、睡眠障害などの治療に役立つと期待されています。

 体内時計は1日を正しい周期で送るために必要なもので、この周期が24時間を大幅に超えるなどの異常があると、適切な時間に眠れない睡眠障害などを引き起こします。人の体内時計の周期は平均的な人では、1日よりわずかに長い24時間10分程度で、この周期が長い人ほど睡眠障害になりやすいことがこれまでの研究でわかっています。

 例えば、体内時計の周期が24時間30分程度になると、現代社会では適応に苦労し、単に夜型というのを超えて、自分の生活のリズムが1日の周期と完全にかけ離れてしまう概日リズム睡眠障害にもなりかねないことも知られています。

 従って、体内時計の周期を知ることは睡眠障害の改善にとって極めて重要ではあるものの、これまでは自然光を完全に遮断した部屋で、数週間にわたり特別な計測をしたり、24時間続けて採血したりするなど、大きな負担を強いられてきました。

 こうした中、国立精神・神経医療研究センターのグループは、この体内時計の異常について、体の皮膚の細胞を使って簡単に見付ける手法を開発しました。

 この手法では、皮膚から採った細胞の中のメッセンジャーRNAという物質の量の時間的な変化を調べるだけで、人の体内時計の周期を簡単に測定することができるということです。測定にかかる費用は2万円程度で、皮膚を採ってから3カ月以内に結果が出るということです。

 研究グループでは今後、この新たな測定法を睡眠障害の診断や治療などに役立てていきたいとしています。また、将来的には睡眠障害の患者の皮膚から、その人に合った薬を見付け出す「オーダーメイド医療」の実現も目指したいとしています。

 国立精神・神経医療研究センターの三島和夫部長は、「測定に使う皮膚の採取は数分ですむので、患者への負担が少なく、診断に用いるのに実用性が高い方法だと思う」と話しています。

 2013年7月10日(水)

 

■風疹、流行のピーク過ぎるも注意必要 子供のワクチン接種一時延期も

 風疹の患者数が6月24日から30日までの最新の1週間で359人と、600人から800人ペースで増えていた時期に比べて大幅に減少したことがわかりました。

 国立感染症研究所が9日、発表しました。感染研によると、昨年夏に始まった風疹の流行はピークを過ぎた可能性が高いということです。

 感染研によると、都道府県すべてで100人を下回りました。多い順に大阪府が90人、東京都が68人、神奈川県と兵庫県が24人など。今年に入ってからの患者数は計1万1991人。

 1週間の患者数は5月が800人程度、6月は600人程度でした。6月17日から23日までの前週は605人。任意のワクチン接種が広がったことで、増加に歯止めがかかってきた可能性があるといいます。

 減少傾向にあるとはいえ、例年に比べると患者数は依然多く、昨年同時期の74人に比べまだ5倍近くなっています。

 感染研の多屋馨子室長は、「風疹の免疫が十分ではない人はまだ多い。再度、流行が盛り返す可能性もある。油断せずに、妊娠を希望する女性とその家族はワクチンを接種して欲しい」と呼び掛けています。

 風疹の流行がピークを過ぎたとみられる一方、医療機関や自治体の中にはワクチンが手に入りにくい状況が続いているために、子供の定期接種の一部を一時的に延期したり、費用を助成する対象を制限したりするところがあるなど対応に追われています。

 風疹が流行して予防接種を任意で受ける人が増えた影響で、厚生労働省はこの夏以降、ワクチンが一時的に不足する恐れがあるとしているほか、一部の医療機関ではワクチンが手に入りにくい状況が続いています。

 このうち東京都文京区にある小児科のクリニックでは、今はまだ風疹のワクチンの在庫がありますが、今後の入荷の見通しがはっきりしないということです。このためクリニックでは、1歳と小学校入学前の2回行うことになっている子供の定期接種のうち、2回目の接種をワクチンが十分確保できるまで一時的に延期しています。

 その上で、妊娠を希望する女性や夫などを対象にした任意の予防接種をできるかぎり進めていきたいとしています。

 松平隆光院長は、「本当は子供たちにもきちんと接種してあげたいが、優先順位を考えて一部を延期する判断をした。風疹の抗体がない大人は予想以上に多い印象で、流行を止めるために大人への接種を進めていきたい」と話しています。

 2013年7月9日(火)

 

■熱中症の疑いで搬送、全国で902人 愛媛県で1人死亡

 日本列島は7日、東日本と西日本の太平洋側の晴れた地点を中心に気温が上昇しました。熱中症とみられる症状で病院に運ばれた人が相次ぎ、マスコミの集計では全国で少なくとも902人に上りました。

 このうち愛媛県四国中央市で50歳の男性が死亡し、茨城県と愛知県、それに宮崎県で合わせて3人が意識不明の重体になっています。

 愛媛県四国中央市では、屋外で清掃活動をしていた50歳の男性が熱中症の症状を訴えて病院に運ばれ、手当てを受けましたが、まもなく死亡しました。

 各地の警察や消防によると、さいたま市岩槻区の中学校で7日正午前、野球の試合をしていた中学生10人が吐き気などの症状を訴えて病院に運ばれ、いずれも熱中症と診断されました。茨城県では、高校野球の応援に来ていた女子高生6人が病院に運ばれました。

 また、鳥取県北栄町では7日午前、マラソン大会でレースに参加していた20歳代から70歳代までの男女9人が相次いで体調不良を訴え、熱中症の疑いで病院に運ばれました。全員が命に別状はないということです。

 主催者側よりますと、マラソン大会には3キロと5キロ、それに10キロの部門に合わせて5000人余りが参加を申し込んでいましたが、北栄町の隣の倉吉市では、午前11時の気温が30度に達するなど、厳しい暑さの中での大会となっていました。

 さらに、青森市で開かれていたマラソン大会で、午前中から昼すぎにかけて出場していた30歳代から50歳代の合わせて6人の男性ランナーが、めまいや吐き気などの熱中症とみられる症状を訴えて、相次いで病院に搬送されました。症状はいずれも比較的軽く、意識ははっきりしているいうことです。

 主催者によりますと、熱中症対策のために、コースの途中に給水所を設置したほか、こまめに水分を取るように出場者に対し注意を呼び掛けていたということです。青森地方気象台によりますと、7日の青森県内は各地で強い日差しが照り付けて気温が上がり、午後1時までの最高気温は、十和田市で30度1分と真夏日になっているのを始め、青森市で27度8分などと各地で厳しい暑さになっていました。

 7日、熱中症とみられる症状で病院に運ばれた人を都道府県別にみると、愛知県で98人、埼玉県で88人、神奈川県で72人、茨城県で55人などとなっています。

 2013年7月7日(日)

 

■熱中症の疑いで搬送、全国で449人に 搬送の高齢者、半数エアコン未使用

 日本列島は6日、南から暖かい空気が流れ込み、ほぼ全国的に今年一番の暑さとなりました。気象庁の927地点ある観測点のうち374地点で最高気温が30度以上の真夏日を記録。沖縄県から東北地方にかけての21地点で35度以上の猛暑日となりました。

 7日以降もしばらく厳しい暑さが続く見込みで、気象庁は「高温注意情報」を発表。

 6日夕までの最高気温は茨城県古河市36・8度、栃木県佐野市36・2度、新潟県糸魚川市35・8度、埼玉県熊谷市35・7度。西日本でも猛暑日地点があり、香川県三豊市と宮崎県延岡市35・4度、京都府宮津市35・2度。

 マスコミが各地の消防などに取材して午後8時現在でまとめたところ、熱中症とみられる症状で病院に搬送された人は、40の都道府県の少なくとも449人に上っています。都道府県別では、愛知県で63人、東京都で51人、大阪府で29人、埼玉県で26人、栃木県で23人など。

 このうち、栃木県日光市では6日夕方、80歳代の男性が自宅の敷地内に止めてあった軽トラックの中でぐったりしているのが見付かり、意識不明の状態で病院に運ばれました。

 また、大阪府の東大阪市では、83歳の男性が自宅で気分が悪くなって病院に運ばれ手当てを受けているほか、高槻市では中学校のテニス部の練習中、女子生徒4人が気分が悪くなり病院に運ばれました。

 さらに、徳島市では、河川敷でソフトボールをしていた18歳から20歳の女性3人が熱中症の症状を訴えて病院に運ばれました。

 一方、熱中症で病院に搬送された高齢者のうち半数が、部屋にエアコンがあるのに使っていなかったことが、日本救急医学会の調査でわかりました。政府は7月から3カ月間、節電を求めていますが、調査の担当者は「エアコンをうまく活用して、暑さを乗り切って」と呼び掛けています。

 日本救急医学会が2012年7~9月に、全国103の救急医療施設に熱中症で救急搬送された2130人の症状などを調べ、重症度や発症の切っ掛けなどを聞き取って集計しました。

 搬送された時期は7月下旬が最多。昨年は7月16日から26日にかけて本州、四国、九州が梅雨明けし、連日35度を超える猛暑日でした。

 室内にいて搬送された患者について、エアコンの使用状況を「使用中」「(設置しているが)停止中」「設置なし」に分けて聞き取った結果、65歳以上は「停止中」が111人と53パーセントを占めました。40歳未満と40~64歳は「設置なし」が最多でした。

 高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくく、体温の調節機能が低下するため、熱中症になりやすくなります。エアコンを設置していても、「冷房が体に障る」「電気代がもったいない」などを理由に、使用を敬遠するケースが目立つといいます。

 環境省は、対策として室温が28度を超えないよう呼び掛けています。扇風機を併用して直接エアコンの風邪を当てないように注意し、温度上昇や冷やしすぎを防ぐため手元に温度計を置くことを勧めています。

 日本救急医学会の熱中症に関する委員会の三宅泰史委員長(昭和大教授)は、「真夏に比べ、梅雨明け直後は体が暑さに慣れていない。特に高齢者はエアコンを上手に使って、体調に気を付けてほしい」と話しています。

 2013年7月6日(土)

 

■iPS細胞から肝臓、マウス体内で機能 横浜市立大 

 さまざまな組織になる人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、大きさが5ミリほどの肝臓を作り出し、肝不全のマウスに移植して治療することに横浜市立大学の研究グループが成功しました。人のiPS細胞から人の臓器ができたのは初めて。

 この研究を行ったのは、横浜市立大学の谷口英樹教授らの研究グループ。人のiPS細胞を肝臓の元になる前駆細胞に変化させた後、血管を作る血管内皮細胞と、細胞同士をつなぐ接着剤役の間葉系細胞を加えてシャーレの中で培養しました。すると、48時間程度で3種類の細胞が自然にボール状に集まり、大きさが5ミリほどの小型の肝臓できました。

 そして、肝不全のマウスに移植したところ、蛋白質の合成や薬物の代謝など、本物の肝臓と同じ働きを持っていることが確認され、30パーセントほどしかなかったマウスの生存率が90パーセントにまで改善したということです。

 この小型の肝臓を複数個作り、移植すれば、人でも治療が可能になるということで、研究グループでは、実際の患者で安全性や効果を確かめる臨床研究を7年以内に始めたいとしています。

 谷口教授は、「大きな臓器を作るのは難しいが、発想を変えて、小さい均質なものを多数作って移植する方法を考えた。小型の肝臓を量産する技術を開発できれば、臓器移植に代わる新たな治療法の開発につながる可能性があり、研究を加速したい」と話しています。

 横浜市立大学のグループが行った今回の研究は、iPS細胞などを使った再生医療の実現を支援する国の事業に選ばれていて、最長10年間に年間1億円程度の支援が行われることになっています。

 実用化の課題となるのは、小型の肝臓を量産する技術の開発です。実際の患者で治療効果を出すためには、この小型の肝臓を患者の肝臓のおよそ30パーセントに当たる分量を作り出し、移植することが必要です。そのためには、これまでの数百から数千倍の数の細胞が必要で、研究グループでは今後細胞を効率的に作り出す技術を開発し、7年以内に臨床研究を始めたいとしています。

 2013年7月5日(金)

 

■風疹ワクチン、千葉市が一部制限へ 入手できる数が不足

 風疹の流行で予防接種のワクチンが不足しているとして、千葉市は医療機関に配布するワクチンのうち、子供への定期接種を除く任意で予防接種を受ける人たちのための配布については、一時的に制限することになりました。

 風疹は、妊娠中の女性が感染すると新生児に障害が出る恐れがあることから、千葉市は予防接種を受ける人の費用の一部を助成しています。

 予防接種のためのワクチンは千葉市が購入して市内の医療機関に配布していますが、千葉市は風疹が流行している影響で手に入るワクチンの数が不足しているとして、任意で予防接種を受ける人のためのワクチンの配布を4日から一時的に制限するということです。

 一方、小学校へ入学する前に2回行う定期接種のためのワクチンについては、これまでどおりに医療機関に配布するということです。

 ワクチンの不足が解消できる見通しが立てば、任意で予防接種を受ける人たちに向けた配布も、これまでどおり実施することにしています。

 千葉市健康企画課の神崎一課長は、「ワクチンが全体的に不足していて確保に困っている。子供は風疹にかかってしまうと重症化する恐れが高いので、子供への定期接種を優先することにした」と話しています。

 また、厚生労働省は全国の自治体に対して、新たに予防接種の費用を助成する場合は、風疹の抗体を十分持っているか検査し、必要な人だけを助成の対象とするよう協力を求めました。

 風疹は6月23日までの1週間に全国で新たにおよそ500人の患者が報告され、700人近いペースで増えていた5月下旬より減ったものの依然、患者数の多い状態が続いています。

 この流行で、予防接種のワクチンが一時的に不足する恐れがあることから、厚労省は、任意の予防接種は、妊婦の周辺にいる人や妊娠を希望している人などを優先するよう自治体や医療機関に協力を求めていますが、6月に接種を受けた人はさらに増えたということです。

 このため厚生労働省は、安定的に予防接種を行うため、全国の都道府県や市町村に対して新たに予防接種の費用を助成する場合は、風疹の抗体を十分持っているか検査し、必要な人だけを助成の対象とするなど対象者を絞って行うよう協力を求めました。

 また、一部の医療機関でワクチンが入手しにくい状況が起きていることから、都道府県ごとに自治体と医師会、それに卸売業者が協議を行って、医療機関で偏りが起きないよう対応することも求めました。

 2013年7月3日(水)

 

■風疹患者、依然多い状態が続く 最新1週間で504人が発症

 6月23日までの1週間に新たに風疹と診断された全国の患者は504人で、700人近いペースで増えていた5月下旬より減ったものの、依然、患者数の多い状態が続いています。

 専門家は、「患者数は再び増える恐れもある。ここで安心せず、妊娠を希望する女性などは早めにワクチンを打ってほしい」と話しています。

 熱や発疹などの出る風疹は、患者のせきやくしゃみを通じて広がり、妊娠中の女性が感染すると新生児の目や耳、それに心臓などに障害が出る恐れがあります。

 国立感染症研究所によりますと、6月23日までの1週間に新たに風疹と診断された全国の患者は504人で、患者数の多い状態が続いています。

 流行の中心は引き続き関西と首都圏で、最も多い大阪府が120人、次いで東京都が88人、神奈川県が55人、兵庫県が37人などとなっています。

 また、風疹の流行が止まらない中、母親が妊娠中に風疹に感染したことで目や耳、心臓などに障害が出る「先天性風疹症候群」と診断された新生児は、東京都で1人増え、昨年から続く風疹の流行では、全国で合わせて12人となりました。

 都道府県別では、東京都が3人、大阪府、兵庫県、愛知県でそれぞれ2人、埼玉県、神奈川県、香川県でそれぞれ1人となっています。

 国立感染症研究所の多屋馨子室長は、「先天性風疹症候群の赤ちゃんは、今後さらに増える恐れがある。風疹はワクチンで防げる病気なので、妊娠を希望する女性や妊婦の家族は早めに接種を受けてほしい」と話しています。

 2013年7月2日(火)

 

■マダニ媒介ウイルス感染、死者12人に 熊本県の86歳の女性が死亡

 野外のマダニが媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)を発症して、熊本県天草市の86歳の女性が死亡していたことがわかりました。このSFTSで死亡が確認されたのは、国内では12人目です。

 熊本県によりますと、死亡したのは天草市の86歳の女性で、今年5月25日から体調不良や食欲不振などの症状を訴え、3つの医療機関を受診しましたが、原因がわからず、熊本市の医療機関で6月4日に死亡しました。

 女性が死亡した医療機関から熊本県に対して6月20日、女性がSFTSの疑いがあると連絡があり、6月28日、国立感染症研究所(東京都)の検査でSFTSウイルスが確認されたということです。

 感染の確認は全国で26人目、死亡は12人目といいます。

 熊本県によりますと、女性はこの1カ月、海外渡航歴はなく、ダニにかまれた痕もありませんでしたが、畑仕事などの際に感染した可能性が高いとしています。

 熊本県は、これから秋にかけてマダニの活動が活発になるため、草むらなどのマダニが多く生息する場所では、長袖、長ズボンを着用するなどの対策を取るよう、呼び掛けています。

 2013年7月1日(月)

 

■障害者788万人、全人口の6パーセントに 職場の障害者虐待194人

 厚生労働省は28日、体や心に何らかの障害がある人が日本に約788万人いるという推計結果を公表しました。人口の約6・2パーセントに当たります。

 比較できる統計がある身体・知的障害者の数は増える傾向にあり、「高齢化の進行が理由の一つ」と同省はみています。

 厚労省はおよそ5年ごとに、障害者の状況を調べています。2011年と2009年の調査に基づいた今回の推計によると、身体障害者が約394万人、精神障害者は約320万人、知的障害者は約74万人います。

 65歳以上の高齢者の割合は、身体障害者で69パーセントに達する一方、精神障害者は36パーセント、知的障害者は9パーセントでした。

 また、厚生労働省は28日、障害を持って働く人が職場で事業者などから受けている虐待の状況を初めて公表しました。194人が虐待を受けており、最低賃金以下の賃金で働かせるなど経済的虐待が目立ちました。

 社会進出が進む一方で、障害者が劣悪な条件で働かされている実態が浮かびました。

 昨年10月に障害者虐待防止法が施行されたことから、事業所は年に1度虐待状況の報告を求められるようになりました。今回は施行から今年3月までの半年をまとめました。

 それによると、都道府県からの通報や、労働基準監督署の調査などから332事業所の調査に着手したうち、133事業所で虐待があり、194人が被害を受けていました。障害別(重複障害を含む)では、身体障害者25人、知的障害者149人、精神障害者23人、発達障害者4人でした。

 虐待の種類別(重複有)では、賃金不払いや賃金額が最低賃金に満たないなど「経済的虐待」が164人と最多。次いで、暴言や差別的な言動など「心理的虐待」20人、暴行や傷害など「身体的虐待」16人、長時間放置するなど「放棄・放置による虐待」15人、「性的虐待」1人でした。業種別では、製造業が58事業所で最も多く、医療・福祉13事業所、卸売業・小売業が12事業所の順。

 虐待を認知後、行政側が行った助言や是正指導は183件で、賃金不払いなど労働基準関係法令に基づく指導などが全体の86・9パーセント(159件)を占めました。

 厚労省労働紛争処理業務室では、「最低賃金違反が思ったより多く、事業主への指導強化が必要だ」と話しています。

 2013年6月30日(日)

 

■乳房予防切除、死亡率減少の根拠不十分 日本乳癌学会

 遺伝性で乳がんや卵巣がんになりやすい女性の乳房予防切除について、「乳がんによる死亡が減る可能性はあるが、科学的な根拠はまだ不十分」とする診療指針を日本乳癌(にゅうがん)学会が28日にまとめました。

 切除で乳がんの発生は90~100パーセント減りますが、がんが起こる乳腺を完全に取り切れない、卵巣がんが起こるなどの可能性があり、死亡率を下げるかは、まだはっきりしていないといいます。

 遺伝性乳がんの乳房予防切除は、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが体験を公表して注目を集めました。

 日本乳癌学会は2年ぶりに、乳がんの診療指針を改定した中で、遺伝的に乳がんになりやすい人が、がん予防で健康な乳房を切除する手術について、「本人が手術のリスクや効果を十分に理解した上で希望すれば、考慮すべき手段」と判断しました。

 また、遺伝性乳がんの早期発見には「マンモグラフィー(乳房X線撮影)よりも、MRI(磁気共鳴画像診断装置)のほうが有効と考えられる」としました。

 乳がん全般では、高身長はリスクになる可能性があると盛り込まれました。英国の中高年女性約130万人を対象とした調査では、身長が10センチ高くなるとリスクが1・17倍高くなるとされました。子供のころの栄養状態や成長ホルモンが関係している可能性があるといいます。

 一方、マグロやサケ、イワシといった脂肪分の多い魚を、週1~2回食べることによって、乳がんの発症リスクを減らすことができるとの調査報告書が、27日の英国の医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルで発表されました。

 中国を拠点にする調査チームは、米国、欧州、アジアの計80万人以上の健康状態を監視し、食生活を記録した26件の先行研究を分析しました。

 脂肪分の多い魚は、免疫システムや血管活動、脳内化学物質の伝達に関係する「nー3系多価不飽和脂肪酸」を豊富に含んでいますが、分析の結果、nー3系多価不飽和脂肪酸を多く摂取する女性は、摂取量が少ない女性と比べて乳がん発症リスクが14パーセント低いことがわかりました。

 統計的に見ると、nー3系多価不飽和脂肪酸を1日0・1グラム多く摂取するごとに、乳がんリスクが5パーセント下がっていました。日常生活に置き換えると、脂肪分の多い魚を1週間に1~2食分食べることに当たります。

 2013年6月29日(土)

 

■既婚者の半数以上がセックスレス コンドーム大手、性生活調査

 既婚者のほぼ半数が自分たち夫婦をセックスレスだと感じているという調査結果を、コンドーム大手の相模ゴム工業(神奈川県厚木市)が27日、発表しました。全国の男女にセックスの回数や意識について聞き、年齢別にまとめました。

 1月にインターネットでアンケートをし、20~60歳代の男女計1万4100人から回答を得ました。

 セックスレスと感じているのは、交際相手のいる未婚者は29・0パーセントだったのに対し、既婚者は55・2パーセント。40~50歳代の男性では6割を超えていました。

 結婚している、交際相手がいる、セックスする相手がいる人に対して、1カ月にどの程度セックスをしているか聞いたところ、1カ月間の平均セックス回数は2・10回でした。年代別でみると、20歳代が4・11回で最多。次いで、30歳代2・68回、40歳代1・77回、50歳代1・38回、60歳代0・97回となりました。

 また、セックスをする相手がいない人も含めた、1カ月間の平均セックス回数は1・79回。年代別では、20歳代が2・94回で最多となり、性年代別では、20歳代女性の3・13回が最多となりました。

 既婚者の1カ月に1回以上セックスをする率は、20歳代75・8パーセント、30歳代60・3パーセント、40歳代44・8パーセント、50歳代35・2パーセント、60歳代29・3パーセント。

 未婚で交際相手がいる人の1カ月に1回以上セックスをする率は、20歳代82・8パーセント、30歳代81・7パーセント、40歳代78・5パーセント、50歳代67・3パーセント、60歳代50・0パーセントとなり、どの年代でみても、結婚するとセックス回数が減る傾向にあることがわかります。

 結婚相手、交際相手がいる人に対して、その相手と世間一般にいう「セックスレス」だと思うか聞いたところ、「そう思う」と回答した人は51・2パーセントでした。既婚者に限ってみると、55・2パーセントがセックスレスを自覚。性年代別でみると、40歳代男性の62・9パーセントが最も自覚していました。

 さらに、結婚相手、交際相手がいる人に対して、セックス頻度をどう感じているか聞いたところ、「少ない」と感じている人は58・9パーセント。一方、「多い」と感じている人は6パーセントにとどまり、浮気をしていない既婚者に限ると、64・5パーセントが「少ない」と感じていることがわかりました。

 結婚相手、交際相手がいる人で、セックスが少ないと感じている人に対して、もっとセックスをしたいと思うか聞いたところ、全体で「そう思う」と回答した人は55・7パーセント。男性では75・2パーセント、女性では35・8パーセントとなるなど男女差がみられ、既婚者に限ってみると男性は75・0パーセント、女性は33・5パーセントと、その差がさらに広がっています。

 結婚相手、交際相手がいる人で、セックスが少ないと感じている人に対して、少ない理由を聞いたところ、「相手がその気にならない」「切っ掛けがない」などでした。

 なお、初体験の年齢を聞くと、60歳代の回答の平均は21・7歳。20歳代は平均18・7歳で、低年齢化している実態が浮かびました。

 2013年6月28日(金)

 

■かみ合わせ悪いと動脈硬化につながる可能性 都など調査、栄養摂取に偏り

 奥歯のかみ合わせが悪いと、動脈硬化につながる可能性があることが、高齢者の健康長寿を研究している大阪大や東京都健康長寿医療センターなどのチームの調査で示されました。

 緑黄色野菜や果物などをあまり食べなくなり、栄養摂取に偏りが出るのが原因と見なされます。

 歯周病が細菌感染や慢性炎症を通じて動脈硬化につながることを示す研究はありますが、歯のかみ合わせ自体が、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中につながる動脈硬化のリスクになることを初めて示しました。

 研究チームは兵庫県の伊丹市と朝来市に住む70歳の男女300人に対し、歯科検診で奥歯の状態を、超音波検査で動脈硬化かを調査。高血圧や糖尿病、喫煙など動脈硬化のリスク要因と歯周病の影響を取り除いて分析しました。

 その結果、正常ならば4カ所ある奥歯のかみ合わせが全くない人たちは、すべてある人たちより1・97倍も動脈硬化になりやすいと判明しました。参加者の食事内容から栄養摂取との関連を調べたところ、かみ合わせが悪いと、緑黄色野菜や果物、魚介類をあまり食べないことが浮かび上がりました。

 阪大歯学研究科の池辺一典講師は、「歯のかみ合わせが悪くても、緑黄色野菜や果物をしっかり食べるとともに、入れ歯の方も含め、かみ合わせ状態を定期的にチェックしてほしい」と助言しています。

 2013年6月27日(木)

 

■iPS細胞、世界初の再生臨床応用へ 目の難病向け、国が実施を了承

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って目の網膜の一部を再生し、病気で失われた患者の視力を回復させる臨床研究について、厚生労働省の審査委員会は計画の内容を妥当だとして、実施を了承しました。

 来年夏にも、iPS細胞から作った網膜の組織を患者に移植する世界で初めての手術が行われる見通しになりました。マウスでの作製発表から7年で、iPS細胞は再生医療応用に向けて大きく動き出しました。

 この臨床研究は、「加齢黄斑変性」という重い目の病気の患者の網膜の一部をiPS細胞を使って再生し、失われた視力を回復させようというもので、神戸市にある理化学研究所などの研究チームが今年2月、厚生労働省に実施を申請しました。

 厚労省の審査委員会は26日、非公開で3回目の審議を行い、追加で提出を受けた安全性のデータも含め、倫理面や技術面から研究計画の妥当性を検討しました。その結果、計画の内容は妥当だとして計画書の一部修正を条件に臨床研究の実施を了承。

 26日で、国による研究計画の実質的な審査は終了し、研究チームは今後、厚生労働大臣の了承を得て、臨床研究に参加する患者を選ぶ作業に入ります。

 そして、来年夏にも加齢黄斑変性の患者に、iPS細胞から作った網膜の組織を移植する世界で初めての手術が、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらによって、神戸市にある先端医療センター病院で行われる見通しです。患者は6人を想定しており、募集は年内にも始まる見込み。

 対象は、重症の加齢黄斑変性の患者。日本人に多い滲出型(しんしゅつがた)と呼ばれるタイプでは、網膜の下にある「色素上皮」という組織に不要な血管などができ、網膜が押し上げられて視野が欠けたり、失明したりします。

 臨床研究が了承されたことについて、加齢黄斑変性の患者で作る「加齢黄斑変性友の会」の代表世話人の高橋英夫さんは、「やっとスタート台に立ったという印象だ。まだ臨床研究なので、多くの人に届くというゴールまでは遠いが、患者にとっては一筋の明るい光が見えてきた。加齢黄斑変性の患者は、治療が難しい中で、もっと見たい、見えるようになりたいという思いをずっと抱えて生活している。今回の研究で安全性を確認して、ぜひ次のステップに進んでほしい」と話していました。

 2013年6月26日(水)

 

■マダニ媒介ウイルス感染、死者11人に 高知県の70歳代の男性が死亡

 野外のマダニが媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)を発症して、高知県内の70歳代の男性が死亡していたことがわかりました。このSFTSで死亡が確認されたのは、国内では11人目です。

 高知県によりますと、5月、同県内の70歳代の男性が発熱や全身のだるさを訴えて県西部の医療機関にかかり、血小板の大幅な減少や意識障害が起きたため入院しましたが、受診から6日後に死亡しました。

 医師から報告を受けた高知県が、血液を国立感染症研究所に送ったところ、マダニが媒介するSFTSを引き起こすウイルスに感染していたことが25日、確認されました。

 高知県によりますと、男性は海外に行ったことはなく、ふだん家庭菜園などで農作業をすることが多かったということですが、感染した経路はわかっていません。

 このウイルスの感染で死亡が確認されたのは、高知県内では2人目、国内では11人目です。

 マダニは春から秋にかけて盛んに活動するため、高知県では、農作業などで屋外に出る時は長袖の服を着るなど肌の露出を避けるとともに、帰宅後にシャワーを浴びるなどしてマダニへの対策を取るよう呼び掛けています。

 一方、マダニが媒介するSFTSの知識を深めてもらおうと、愛媛県宇和島保健所は24日、宇和島市天神町の南予地方局で予防研修会を開きました。農林業や医療関係者ら145人が参加、有効な治療法がないため肌の露出を避けるといった対処法を学びました。

 SFTSはウイルスを持つマダニにかまれた時などに感染し、発熱や嘔吐、下痢などを引き起こします。今年1月下旬、山口県で国内初の感染死亡例が確認されました。6月25日現在、感染報告例25人(うち死亡11人)中、愛媛県内は5人(うち死亡2人)と全国で最も多くなっています。

 2013年6月25日(火)

 

■MERSコロナウイルス、中東から欧州で64人が感染、38人が死亡

 中東から欧州にかけて新種のコロナウイルスの感染が広がっている問題で、病院を訪れた人が院内で相次いで感染する集団感染が起きていたことが報告されました。

 専門家は「ウイルスは人に感染しやすくなっている。国内でも感染対策を急ぐ必要がある」と話しています。

 新種のウイルス「MERS(マーズ)コロナウイルス」は、2003年に中国などで猛威を振るった新型肺炎「SARS(サーズ)」を引き起こしたコロナウイルスの仲間で、このウイルスによる感染症「中東呼吸器症候群(MERS)」に中東や欧州でこれまでに64人が感染、38人が死亡しています。

 このうち、患者が集中しているサウジアラビアでカナダのトロント大学などのチームが感染経路を調べたところ、23人の患者のうち21人は人工透析や持病の治療などのために訪れた病院内で感染するなど、人から人への感染だったことがわかりました。

 中には、1人の患者が7人に感染を広げた集団感染のケースもあり、ウイルスは比較的短期間に患者から患者に広まっていました。

 これについて、国立感染症研究所の松山州徳室長は、「この数カ月で感染者が急速に増えている状況をみると、ウイルスは人から人へと感染しやすくなっている。国内に入ってくる可能性もあるので、詳しく情報を分析し医療現場などでの感染対策に生かすことが重要だ」と話しています。

 MERSコロナウイルスについて、世界保健機関(WHO)は17日までにサウジアラビアで新たに4人が死亡し、さらに2歳の男の子を含む3人の感染が確認されたと発表しました。

 これにより昨年の9月以降、世界で64人がこのウイルスに感染し、このうち38人がMERSで死亡しました。

 これまでに感染が確認されたのは、サウジアラビア、ヨルダン、カタール、アラブ首長国連邦の中東の国々に加えて、旅行などで中東から帰国したり、治療のために搬送されたりして、フランス、ドイツ、イタリア、イギリスの欧州の国々、さらには、北アフリカのチュニジアにまで広がり、合わせて9カ国となっています。

 WHOは世界各国の保健当局に対し、急性の呼吸器疾患への監視を続けることや、中東を訪れた後、発熱、せき、息切れや呼吸困難、肺炎などの症状がある場合には検査を行うことを求めています。

 2013年6月23日(日)

 

■増える心の病、労災475人認定 3年連続で過去最多を更新

 過労や仕事上のストレスが原因で、うつ病などの精神疾患を発症し、労働災害と認定された人が2012年度は前年度比150人増の475人となり、3年連続で過去最多を更新したことが21日、厚生労働省のまとめでわかりました。

 うち未遂を含めて過労自殺と認定された人は前年度比27人増の93人に上り、2007年度の81人を超えて過去最多となりました。一向に改善されない長時間労働やパワーハラスメントの増加などが、背景にあるとみられます。

 厚労省のまとめによると、精神疾患で労働災害と認定されたのは男性が348人、女性が127人。年代別では、30〜39歳が149人(うち未遂を含む自殺23人)と最も多く、40〜49歳が146人(うち未遂を含む自殺31人)、20〜29歳が103人(うち未遂を含む自殺20人)の順。どの年代も前年度を大きく上回りましたが、特に40歳代は倍以上に急増しました。

 職種別では、「一般事務」(65人)が最も多く、システムエンジニアなどの「情報処理・通信」(30人)、店員などの「商品販売」(29人)が続きました。

 原因は「仕事内容や量の変化」(59人)がトップでしたが、「嫌がらせ、いじめ、暴行」は前年度の40人から55人に増加、「セクハラ」は同6人から24人、「月80時間以上の残業」は同3人から32人に急増していました。

 全体の請求は1257人で前年度比15人減。決定が出た中で、労災認定された割合は39パーセントで、前年度比同8・7ポイント増と過去最も高くなりました。

 一方、脳・心臓疾患の労災認定数は338人(死者数123人)で、前年度比28人増と高止まりしており、職種別の内訳は自動車運転者が83人、営業職21人、商品販売18人の順でした。また、亡くなった人の9割は過労死の危険ラインとされる月80時間以上の残業をしていました。

 厚労省職業病認定対策室は、「2011年12月に精神疾患認定の新基準を作り、セクハラなど事例を細かく示したため、認定が増えたのではないか」と説明し、「社会的背景は分析できていない」としています。

 これに対し、過労死弁護団の幹事長を務める川人博弁護士は、「比較的若い年代の人が精神疾患で労災認定されている例が目立つ。肉体的にも疲弊している50歳代ではなく、若くて元気なはずの若年者が多いことを深刻に受け止めるべきだ。自殺の認定も増えているが、これでもまだ氷山の一角でしかないのではないか」と話しています。

 2013年6月22日(土)

 

■食品のアルミニウム添加物、基準作成へ ケーキや菓子パンに含有

 食品添加物としてケーキや菓子パンなどの一部に含まれているアルミニウムについて、子供たちの一部が国際的な基準を超える量を摂取しているとみられることがわかり、厚生労働省は、食品に含まれる許容量について基準を作ることを決めました。

 21日に開かれた食品添加物に関する厚生労働省の専門家が集まった部会で、決まりました。

 厚労省によりますと、アルミニウムは、ケーキや菓子パンを膨らませる膨張剤の一部や、ウニなど魚介類や野菜の煮物の形が崩れないようにする安定剤などの一部に含まれています。

 国内には摂取量に基準はありませんが、動物実験で神経の発達などに影響が出る恐れが指摘されていることから、国際的には、体重1キロ当たり、1週間の摂取量を2ミリグラムまでとする基準が設けられています。

 厚生労働省が、昨年度までの2年間、年代別に食事の摂取について調べた結果、1歳から6歳までの子供の20人に1人が、国際的な基準を超える量のアルミニウムを摂取していると推計されることがわかったということです。

 この年代の子供は、ケーキなどの「砂糖類・菓子類」と菓子パンなどの「穀類」から、全体のおよそ70パーセントのアルミニウムを摂取しているとみられるということです。

 このため厚労省は、アルミニウムの使用実態を調査した上で、食品に含まれる許容量について基準を作ることを決めました。

 大手の菓子パンメーカーでは、数カ月前からアルミニウムが含まれていない膨張剤に切り替える動きが広がっているということですが、厚労省は近く、パンや菓子、それに製粉業者の業界団体に対してアルミニウムの使用量を減らすよう、自主的な取り組みを要請することにしています。

 専門家による部会の会長で静岡県立大学の若林敬二教授は、「今の食事ですぐに問題になるというわけではないが、より安全にするために基準を作ることになった。国際的な基準を参考にしながら、国内での使用実態を考慮に入れ、基準を作っていきたい」と話しています。

 2013年6月21日(金)

 

■動物の体内で人の臓器作り容認へ 移植用、倫理面で課題

 京都大学の山中伸弥教授が開発したiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使い、動物の体内で人の臓器を作り出す研究を国の専門委員会が認める方針を固めました。

 今後、移植用の臓器作りに向けた本格的な研究が進むと注目されています。

 研究は、京都大学の山中伸弥教授が開発した人のiPS細胞などを特定の臓器になる細胞に変えた後、一定程度成長したブタなど動物の受精卵に入れ、子宮に戻して妊娠、出産させることで、人の臓器を持った動物を作り出すものです。

 ブタの臓器は人とほぼ同じサイズで、人の移植用臓器になり得ます。体の失った機能を回復させる再生医療では、立体的な臓器を作る技術も必要とされ、動物の体を借りる方法はその一つになり得るとして研究が進んでいます。

 生殖医療や生命倫理などの専門家で作る国の生命倫理専門調査会は、18日開かれた会合で、欧米など海外ではすでに研究が進められており、将来、医療への応用も期待できるなどとして研究の実施を認める見解の案をまとめました。

 一方、動物の体内で人の臓器を作る研究は、人の尊厳を傷付ける恐れなど倫理的な問題も指摘されていることから、人に近い霊長類を利用した研究や、動物の体内で人の精子や卵子、それに脳の神経細胞などを作る研究などについては一定の制限を設け、個別の研究ごとに認めるかどうか国が判断する態勢が必要だとしています。

 専門委員会では、18日に示された案を基に来月にも最終的な見解を公表し、人のiPS細胞などを動物に移植することを禁じている現在の指針を見直すよう国に求めることにしています。

 2013年6月19日(水)

 

■風疹患者、わずか半年で1万人超える 9割近くは大人

 妊娠中の女性が感染すると新生児に障害が出る恐れのある風疹の患者は、今月9日までの1週間に全国で新たに517人増え、今年はわずか半年で1万人を超えたことがわかりました。

 患者の9割近くは大人で、専門家は「会社の同僚から感染したケースも多い。職場でも感染予防に取り組んでほしい」と話しています。

 熱や発疹などの出る風疹は患者のせきやくしゃみを通じて広がり、妊娠中の女性が感染すると新生児の目や耳、それに心臓などに障害が出る恐れがあります。

 国立感染症研究所によりますと、今年に入ってから患者数は累計で1万102人で、2008年に今の方法で集計を始めて以降、最も大きな流行となった昨年1年間の患者数の累計2392人の4倍以上に相当します。近年では、2004年に推計約4万人の大流行がありました。

 今年の流行は関西と首都圏を中心に広がっていて、今月9日までの1週間の患者は大阪府が最も多く129人、次いで東京都が82人、神奈川県が59人などとなっています。

 1万人の患者の9割近くは大人で、男性では20歳代から40歳代、女性では20歳代が多く、職場で感染したというケースも多いということです。

 風疹の感染が拡大している背景には、予防接種を受けていない大人の間でウイルスが広がり続けていることがあります。

 東京都内で大人の風疹患者を数多く診てきた国立国際医療研究センター病院の國松淳和医師は、「患者は働き盛りの男性が多く、まだウイルスを出している状態なのに自分で治ったと判断して職場に戻ってしまう人も多い」と話しています。

 國松医師が診察した患者でも、発疹が出たまま電車に乗って会社に行ったり、接客業の男性が感染に気付かないまま店で働き客や同僚に感染を広げたケースなどがあったということです。

 また、國松医師は「大人は顔に発疹がでても比較的早く目立たなくなることが多く、周りから気付かれにくいことも感染を広げる一因になっている」と話しています。

 全国で最も多く新たな患者が報告された大阪府の公衆衛生研究所などが、昨年、府内で風疹になった400人余りの患者全員を対象に調べたところ、感染経路がわかった79人のうち、最も多かったのは職場の同僚からで42パーセント、次いで家族が22パーセント、友人や知り合いが15パーセント、学校や保育園が4パーセントなどとなっていました。

 國松医師は、「風疹に感染して元気になったと思っても、ウイルスがまだ体から出ている可能性がある。働いている人も、ぜひ医師の指示通り自宅で休養してほしいし、それを可能にするのは職場の理解だと思う。上司も完全に治るまで出勤しないようにできる職場環境作りをしてほしい」と話しています。

 風疹のピークは例年初夏。新規患者の発生数が減少傾向に転じているかは不明ですが、今月9日以前は毎週800人を超える新規患者が続いており、厚生労働省も引き続き注意を呼び掛けています。

 2013年6月18日(火)

 

■子宮頸がんワクチン、積極勧奨の中止で波紋広がる

 子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に長期的な痛みやしびれを訴えるケースが相次いでいることから、厚生労働省が積極的に接種を呼び掛けるのを一時、中止することを決めたことを受けて、医療機関には保護者が相談に訪れ接種を取りやめるなど波紋が広がっています。

 子宮頸がんワクチンは、今年4月に法律に基づく定期接種に追加され、小学6年生から高校1年生までの女子を対象にほとんどの自治体で無料で接種が行われています。

 しかし、14日に開かれた厚生労働省の専門家会議で、接種後に体中の痛みやしびれを訴えるケースが相次いでいることが報告され、「接種との因果関係も否定できない」などとして自治体が対象者に積極的に接種を呼び掛けるのを一時、中止することになりました。

 これを受けて、東京都府中市にある診療所では、今週、ワクチンの接種を受ける予定だった中学2年生の母親が相談に訪れました。この中で、医師は「接種した後、全身の痛みが続くケースが報告されていて、安心して受けてもらうためにもその頻度などが明らかになるまでは、接種を待ってはどうか」と説明し、母親は接種を見送ることを決めました。

 母親は「国の対応はわかりづらく、親としては受けさせていいか迷う。ワクチンでがんを予防できるなら受けさせたいが、短期間、接種を控えても病気のリスクが高まるわけではないということなので、しばらく控えたい」と話していました。

 診療所の日野佳昭医師は、「予防接種を中止するという指示ではないので、保護者に納得してもらうのは難しい。安心して接種を受けてもらうことが大事なので、しばらく待つよう説明していて、実態としては接種中止ということだ。検証を進めてなるべく早く再開してもらいたい」と話していました。

 ワクチン接種を担当している厚生労働省結核感染症課の正林督章課長は、積極的な呼び掛けを中止した理由について、「ワクチンに重大な危険性があるというわけではなく、接種するかどうか国民が判断する時にリスクについてのデータが不十分なためだ。厚労省としてもできるだけ早く、痛みを伴う副反応がどれくらいの頻度で起こるのかなどの国内外のデータを集めて専門家による評価を行って公表するつもりだ。それまでの間、どうしても不安がある場合は、一時的に接種を待つことも選択肢に判断してもらいたい」と話しています。

 また、ワクチンの接種後、痛みを訴えるケースが相次いだことについては、「子宮頸がんワクチンは3年前に基金を作って費用の一部を助成し、接種を続けてきた。その間、定期的に専門家に評価してもらっていたが、4月に定期接種になるまでは大きな懸念はなく、痛みの副反応が問題になったのは定期接種になるころからだ」と説明しました。

 子宮頸がんの予防を呼び掛けるグループの代表の野田起一郎近畿大学前学長は、今回のワクチンは、欧米など海外で高い安全性と効果が認められたものだとした上で、「予防接種を差し控える人が増え、子宮頸がんの予防が進まなくなるのではないか懸念している。医療現場や接種を受ける側が、今後、混乱しないよう、副反応が予防接種によるものなのか、厳密に調査し、できるだけ早く公表してほしい」と話しています。

 子宮頸がんは、子宮の出口に当たる頸部に発生するがん。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が主な原因で、日本では年間約1万5000人が発症し、約3500人が亡くなっています。性交渉を経験する前の11~14歳を中心とした女性へのワクチン接種で予防が期待できますが、ワクチンは半年の間に3回接種する必要があります。

 2013年6月17日(月)

 

■卵子提供の出産、3年で3倍超 年推計300〜400人誕生

 卵子提供による出産の割合は2012年に3年前の約3倍に増えたことが、厚生労働省研究班(主任研究者・吉村泰典慶応大教授)の調査で15日、わかりました。大半が海外からの提供で、平均年齢は45・2歳と高齢出産である実態も明らかになりました。

 吉村教授は、「年間300~400人が卵子提供で生まれている推計」と指摘。高齢での出産リスクの注意喚起や、卵子提供のルール作りを求める議論が活発化しそうです。

 研究班は大学病院や総合病院など全国302施設を対象に、2009年1月から2012年9月までに扱った出産総数と卵子提供による出産数などを問うアンケートを郵送し、163施設が回答。卵子提供の出産件数は117件でした。

 年別では、2009年に14件(出産割合0・015パーセント)だったのが、2010年に30件(0・031パーセント)、2011年に37件(0・038パーセント)、20112年に36件(0・051パーセント)と、3年で卵子提供の出産割合が3・4倍に増えました。国内の年間出生数の約100万人にこれらの出産割合を掛けると、年間300人余りが卵子提供で誕生している計算になります。

 この期間の平均は0・03パーセント。2004~2008年に104施設から回答を得た前回の調査では平均0・009パーセントで、約3・6倍となりました。

 117件中、卵子提供を受けた国・地域について回答があったのは97件。内訳は米国65件、タイ18件、日本7件、韓国4件、台湾、マレーシア、ロシアがそれぞれ1件でした。

 出産した女性の年齢がわかった100人で、平均年齢は45・2歳。5歳刻みでは45~49歳の年齢層が最多で46人、55歳以上も4人いました。妊娠高血圧症候群など、妊娠合併症を伴ったのは68パーセントと多く、研究班は「高齢以外にも、提供卵子で免疫的に通常の妊娠と異なることが関係している可能性がある」としています。

 国内では、生まれ付きの体質で卵巣機能が低下しているターナー症候群や、若くして卵巣機能が低下して月経が止まってしまう早発閉経などの患者に卵子の提供者を仲介する「卵子バンク」が今年初めから活動を始めており、これまでに3組が決まっています。

 卵子提供は、子宮には問題がないものの、病気などで卵子ができない女性や、高齢で妊娠しにくくなった女性が、健康な女性から卵子の提供を受け、夫の精子と体外受精させて出産を目指す生殖補助医療。厚生労働省の審議会が2003年、法整備などを条件に、匿名の第三者からの無償提供を認めました。

 しかし、いまだに法整備されず、卵子採取に伴う副作用や生まれた子供の法的な地位、遺伝的な親を知る権利にどう対応するかなどの課題があります。

 2013年6月16日(日)

 

■風疹ワクチン8月にも不足か 妊婦家族優先にと厚労省

 厚生労働省は14日、全国的に流行している風疹のワクチンが早ければ8月にも供給不足になる恐れがあると発表しました。過去に予防接種の対象外だった成人男性を中心に接種が急増しているため。

 任意接種は免疫が十分ではない妊娠希望者や妊婦の周辺の家族などが優先的に受けられるよう、情報提供や必要最低限のワクチン発注などの協力を都道府県や医療機関に求めました。

 風疹は妊婦が感染すると新生児の目や心臓に重い障害が出ることがあります。今年に入り感染が拡大、接種費用を助成する自治体も増えています。

 任意で受けた人は4月に延べ9万人で、5月は約32万人に急増。月25万人を上回るペースで進むと8月にも供給が不安定になり、月35万人ペースでは在庫がなくなる恐れがあるといいます。

 風疹の任意接種は例年延べ30万人程度。流行を受け、厚労省は今年度の供給計画を77万人分増やし、454万5000人分(うち210万人分は乳幼児の定期接種分)にしたといいます。

 厚労省は、「任意なので受ける受けないの判断に口出しはできないが、優先度が高い人がきちんと受けられるよう情報を発信していきたい」としています。

 2013年6月15日(土)

 

■子宮頸がんワクチン、積極勧奨せず 厚労省、接種の呼び掛け中止へ

 子宮頸(けい)がんワクチンについて厚生労働省の専門家会議は、接種後に長期的な痛みやしびれを訴えるケースが相次いでいるため、積極的に接種を呼び掛けるのを一時的に中止すべきだという意見をまとめました。

 厚労省は近く、全国の自治体に対して積極的に接種を呼び掛けるのを中止するよう求めることにしています。

 これは14日に開かれた、厚生労働省のワクチンの安全性を検討する専門家会議で決まったものです。

 専門家会議では、今年4月に法律に基づく定期接種に追加され、小学6年生から高校1年生までの女子を対象に接種が行われている子宮頸がんワクチンについて議論が行われました。

 この中で、接種した後、体中の痛みを訴えるケースが33例あり、このうち8例は回復していないことが報告され、専門家会議は「接種との因果関係も否定できない」と判断しました。

 その上で、接種は継続するものの、「体中の痛みを訴えるケースは原因不明のため、国民に注意点を説明することができない」として、積極的に接種を呼び掛けるのを、一時中止すべきだという意見をまとめました。

 これを受けて厚労省は、近く全国の自治体に対して、対象者に積極的に接種を呼び掛けるのを中止するよう求めることにしています。

 国が定期接種の対象としているワクチンについて接種の呼び掛けを中止するのは、2005年の日本脳炎のワクチン以来2回目で、極めて異例です。

 厚労省によりますと、接種を希望する人に対しては、これまでどおり公費で接種が受けられるほか、副作用の被害が認められた際の救済制度の対象になるということです。

 専門家会議の座長で、国際医療福祉大学の桃井眞里子副学長は、「臨床試験の時にはわからなかった全身の慢性の痛みが二桁程度、出ていて、未回復のものもあることを重視した結果だ。安全性に問題があるという判断ではなく、国民に対して責任ある対応をするために情報収集を行い、再び積極的な勧奨ができる状態にしていくということだと理解してほしい。がん予防のメリットを選びたい人については接種してもらっても構わない」と話していました。

 子宮頸がんワクチンで重い副作用が起きたと訴えている子供の保護者などで作る連絡会の代表で、東京・杉並区の松藤美香さんは、「積極的な勧奨を差し控えるという結論は、接種を受けるかどうかは親の判断に任せてもらえるということで、ありがたい。会議では子供たちの症状に対する調査も行うとされており、子供たちが苦しんでいる中で治療を考えていくという方針は大きな一歩だ」と話していました。

 子宮頸がんは、子宮の出口に当たる頸部に発生するがん。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が主な原因で、日本では年間約1万5000人が発症し、約3500人が亡くなっています。性交渉を経験する前の11~14歳を中心とした女性へのワクチン接種で予防が期待できますが、ワクチンは半年の間に3回接種する必要があります。

 2013年6月14日(金)

 

■人工乳房に7月から保険適用 がん患者の負担が大幅減

 厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)は12日、乳がんの全摘手術後の乳房再建に使う人工乳房への保険適用を承認しました。国内では初めてで、7月から適用が始まります。

 乳がん患者は増加傾向が続いていますが、乳房を切除した後の人工乳房による再建は自費診療でした。保険適用になると原則3割の自己負担で済むことになり、患者にとって朗報で、普及を後押ししそう。

 中医協が保険適用を承認したのは、米国の医薬品・医療機器メーカーの日本法人、アラガン・ジャパン(東京都渋谷区)の人工乳房と、人工乳房を体内に入れる際に皮膚を伸ばすのに使う皮膚組織の拡張器で、昨年9月に薬事承認を受けていました。価格はそれぞれ6万9400円、3万2100円で、患者の自己負担は3割となります。

 アラガン社によると、従来乳房再建を行う患者は、並行輸入された人工乳房や皮膚組織拡張器の費用のほか、診療費や入院料など含め、全体で70万~90万円ほどかかるコストを自費でまかなっていました。これらの費用も公的医療保険でカバーされるため、患者負担は3分の1程度に大幅に軽減されることになります。保険には月の負担上限額(一般的な所得の場合約8万円)を定めた高額療養費制度もあるため、これを活用すれば負担はさらに少なくなります。

 乳がんは女性のがんと診断される部位別のトップで、年間の新規患者数は推計で6万人程度まで増加し、約4割が乳房を全摘しています。乳がんはホルモンの影響のほか、出産歴がないことや初産年齢が遅いこと、飲酒などがリスク要因と指摘されています。早期発見できれば生存率が高く、乳房切除による治療も選択肢としてとられます。

 今回の人工乳房などへの保険適用は、乳がんが見付かり乳房を全摘出した後の再建術に限定されます。米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが実施したことで話題となった、予防のための乳房切除には適用されません。

 乳房再建ではこれまで、患者自身の腹部や背中の皮膚や脂肪を移植して使う「自家再建」は保険適用が認められていました。今回、人工乳房も保険適用が承認されたのは、乳がん治療によって失われたものを元の形に戻すことから「治療の一環としてとらえられ、美容整形目的とは異なる」(厚労省)と判断されたためです。

 自家再建は自然な温かみがあるなどのメリットの一方、健康な体の部分を傷付け負担が大きいデメリットがあります。人工乳房は体を余分に傷付ける必要がなく、自然な形を作りやすい半面、シリコーン素材が冷たく感じられるなどの違和感を覚える人もいます。

 人工乳房には保険がきかず費用負担が大きいのも欠点でしたが、今回の保険適用でハードルが低くなります。新たに保険適用される乳房再建術では、がんの切除後、皮膚の下に皮膚組織拡張器を入れて、周囲の皮膚や筋肉を膨らませ、数カ月後にシリコーンでできた人工乳房を入れます。

 アラガン社は、今回の対象品より形状や材質が自然に近い新型の人工乳房も、医療機器として承認申請中。今後乳がん治療の選択肢がより広がる可能性があります。

 2013年6月13日(木)

 

■子供の食物アレルギー事故防ぐカード 全国の医療機関で配布中

 食物アレルギーのある子供が、原因の食品を誤って食べる事故を防ぐため、親などで作るグループが、子供が食べられない食品をイラストで示し周囲の人に知らせるカードを作り、専門の医師がいる医療機関で配布しています。

 医師は「正しい診断を受けた上で活用してほしい」と呼び掛けています。

 このカードは、食物アレルギーのある子供の親などのグループ「ALサインプロジェクト」(神奈川県藤沢市)が作ったもので、子供が食べてはいけない食品がイラストで描かれています。カードは二種類あり、食物アレルギーサインプレートと食物アレルギー緊急時カードと名付けられています。

 自分の症状をうまく伝えられない幼い子供が友達の家に遊びに行ったり、知らない人が多い行事に参加したりする際に、服やかばんなどにつけて使います。

 小学生以上は自分で書き込むようになっていて、子供自身が自分の病気を理解することにもつながると期待されています。

 二種類のカードは、正しい診断を受けた上で使ってもらうため、専門の医師がいる全国およそ130の医療機関で配られています。

 カードを作成したALサインプロジェクトの服部佳苗代表は、「カードが周囲の人に食物アレルギーを理解してもらう切っ掛けになってほしい」と話しています。

 また、カードの監修をした昭和大学医学部の今井孝成医師は、「あやふやな診断しか受けていない子も多いので、本当に食べられないのか正しい診断を受けた上で活用してほしい」と話しています。

 2013年6月12日(水)

 

■風疹患者、半年で9400人超 関西で急増し昨年の4倍に

 妊娠中の女性が感染すると新生児に障害が出る恐れのある風疹の患者は、6月2日までの半年間で、昨年1年間のおよそ4倍に当たる9400人を超えました。

 専門家は「感染を防ぐには予防接種しかない」と、多くの人に接種を呼び掛けています。

 国立感染症研究所によりますと、全国で風疹と診断された患者は6月2日までの半年間で9408人に達し、来週にも1万人を超える見通しとなりました。

 これは5年前に今の方法で集計を始めて以降、最も大きな流行となった昨年1年間の2392人のおよそ4倍です。患者の90パーセント近くは成人で、4分の3が男性。男性ではワクチンの接種機会がなかったとみられる20歳代から40歳代、女性では20歳代が多くなっています。

 1週間の患者数は682人で、都道府県別では、大阪府が208人と最も多く、次いで東京都が111人など、関西と首都圏を中心に全国で感染の拡大が続いています。

 これまでは東京都、神奈川県、千葉県など首都圏で患者の報告が多かったものが、現在では大阪府、兵庫県、和歌山県など関西で急増。また、感染のピークは初夏が多く、医療関係者は警戒を強めています。

 厚生労働省は、「流行地域が移ってきている可能性もあり注意が必要だ。昨年は6月以降にピークが来ており、今年もさらに感染が拡大する恐れは否定できない」としています。

 国立感染症研究所の多屋馨子室長は、「これまでの感染者の大半が、過去に予防接種を受けていないケースや、受けたかどうかわからないケースだと報告されている。感染を防ぐには予防接種しかないので、流行地だけでなく、どの地域も危機的な状況だと認識して、接種をしてほしい」と話しています。

 2013年6月11日(火)

 

■マダニ感染症で死者10人目 愛媛県の90歳代女性

 愛媛県は10日、県内の八幡浜保健所の管内で、3人がマダニが媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)を発症し、90歳代の女性1人が死亡したと発表しました。県によると、死者は国内で10人目、県内では2人目になりました。

 ほかの50歳代と70歳代の2人は一時入院しましたが、すでに退院しています。

 県によると、3人はいずれも5月下旬に病院を受診しました。ダニにかまれた痕があり、発熱や嘔吐、血小板と白血球の減少などの症状がありました。

 亡くなった女性は5月24日、発熱や嘔吐を訴えて病院を受診した後、県内の医療機関に入院し、今月上旬に死亡しました。女性には、太ももなどにマダニにかまれた痕があったといいます。

 マダニは春から秋が活動期で、県は草むらに入る時は肌を出さないようにするなどの対策を呼び掛けています。

 一方、今年に入り、マダニが媒介するSFTSによる死亡例の報告が相次ぎ、石川県内の動物病院では、ペットのマダニ対策の相談に訪れる飼い主が増えています。屋外で犬や猫に付着して家庭に運ばれる可能性があり、専門家はブラッシングやマダニが付着していないか点検するなど、家庭でできる予防法を実践するよう注意を呼び掛けています。

 みやの動物病院(金沢市)では今年に入り、ペットのマダニ予防を相談する来院者が例年と比べて2~3割増えたといいます。予防には犬や猫の首筋に垂らすだけでマダニやノミを駆除し 、効果が約1カ月間続く付け薬が主流で、飲み薬もあります。

 同病院によると、湿度が高くなる梅雨時期はマダニが活動的になります。草むらなどで散歩中の飼い犬に付着することがあるといいます。自宅でできる予防法として、「小まめにブラッシングする」「顔やわきの下、胸などにマダニが付いていないか点検する」などを説明しています。

 ののいち動物病院(野々市市)では、マダニの予防や相談で来院した飼い主の多くが、これまでマダニ対策をとっていなかったとし、付け薬による予防を勧めています。

 手取フィッシュランドの総合ペットショップ「P-ぽ」(金沢市)では、ペットの首筋に塗る駆除薬やノミ取り用のシャンプーをそろえています。担当者は梅雨入りを控えて今後 、需要が伸びると予測しています。

 みやの動物病院の宮野浩一郎院長は、飼い主がマダニにかまれた場合は、無理に引き抜 こうとするとマダニの体の一部が皮膚内に残ることもあるとし、「かまれた場合は速やかに 医療機関を訪ねてほしい」と話しています。

 2013年6月10日(月)

 

■改正道路交通法が成立 病状虚偽申告に罰則、悪質自転車に講習

 てんかんや統合失調症など車の運転に支障を及ぼす可能性がある病気の患者が、運転免許証の更新や取得時に虚偽申告をした場合の罰則を新設する改正道路交通法が7日午後、衆院本会議で全会一致で可決、成立しました。

 車の無免許運転の罰則引き上げや、ほう助行為に対する罰則の新設、悪質な自転車運転者に対する安全講習の義務化も制度化。病状の虚偽申告は公布から1年以内、無免許運転の規定は半年以内、悪質自転車の講習義務化は2年以内に施行します。

 改正道交法は、病状の虚偽申告をした場合に「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」とする罰則を新設。患者の病状を知る医師が公安委員会に任意で通報する制度も盛り込みました。

 車の無免許運転に関する罰則も、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」に引き上げました。無免許と知りながら車を提供した人への罰則も、運転者と同じ。運転を依頼・要求した同乗者にも、「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」の罰則規定を設けました。

 自転車の運転に関しては、悪質な違反を繰り返した運転者に安全講習を義務付ける制度の導入を盛り込みました。講習は酒酔いや信号無視といった違反で2回以上摘発された運転者が対象で、各都道府県の公安委員会の受講命令に従わないと5万円以下の罰金を科します。

 改正道交法が成立したことを受けて、2011年4月、栃木県鹿沼市の国道で、てんかんの症状を隠して免許を取った男が運転するクレーン車によって小学生6人が亡くなった事故の遺族が記者会見し、「悪質な運転から命を守る法律ができたと子供に報告できます」などと心境を語りました。

 この事故では、クレーン車を運転していた男がてんかんの症状を隠して免許を取った上、過去にも発作で繰り返し事故を起こしていたことがわかり、遺族らが道交法の改正などを求めておよそ20万人の署名を集め、国に提出していました。

 7日、10人の遺族が衆院本会議を傍聴し、改正道交法が可決成立すると、議員から大きな拍手が送られ、遺族は涙を浮かべながら議場に向かって一礼しました。

 この後、遺族は記者会見し、当時9歳だった息子の大芽くんを亡くした伊原高弘さんは、医師から各都道府県の公安委員会への情報提供が任意となった点について、「思いが届かなかった部分もあるが、二度と悲しい事故がないように見守っていきたい。署名してくれた20万人一人一人に感謝したい」と今の心境を語りました。

 また、当時11歳だった息子の卓馬くんを亡くした大森利夫さんは、「息子の写真を見るたびに今も悔しい気持ちでいっぱいになりますが、新たな法律が成立したことはよかったです。今後も実際の運用の中で足りないところが明らかになれば、法律の改善を続けてほしい」と述べました。

 2013年6月9日(日)

 

■マダニが媒介する感染症、元患者が初証言 山口県の60歳代女性

 マダニが媒介するウイルスによる感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」にかかり、一時は意識不明の重体となった山口県内の女性が元患者として初めて、マスコミの取材に応じました。

 女性は「病院に運ばれた前後2週間ほどの記憶がない。自宅周辺の草取りをしていてマダニにかまれたと思うが、かまれた自覚はなく怖い」と、気付かないうちに感染した怖さなどについて話しています。

 マダニが媒介するSFTSは、今年1月に国内で初めて感染患者が報告され、厚生労働省が逆上って調査した結果、2005年からこれまでに、九州、中国、四国の10県で21人の感染が確認され、このうち9人が死亡しています。

 今年4月山口県岩国市の病院に入院し、このSFTSと診断された同県内に住む60歳代の女性は、症状について「体のだるさと39度を超える高熱が1週間ほど続いた。携帯電話に出ないことを心配した夫から連絡を受けた近所の人が、自宅のソファーで倒れているのを見付けてくれ、救急車で病院に運ばれたが、その前後、2週間ほどの記憶がない」と説明しました。

 入院直後、担当の医師は原因がわからなかったものの、入院3日目に女性の容体は急変し、意識不明になったため、医師が体を調べたところ、右腕に3ミリほどのマダニが食い込んでいるのを見付けたということです。

 女性の容体はその後も悪化し、唇から出血したり、心不全を起こしたりしたため、集中治療室で治療を受け、一命を取りとめました。

 女性はマダニが媒介する感染症にかかったことについて、「感染症のことは知っていたが、こんなふうに自分がなるとは思っておらず、後からゾッとした。半ズボンをはいて自宅周辺の草取りをした際、服についたマダニにかまれたと思う。毛虫や蜂に刺されればわかるが、マダニにかまれた自覚はなく、だからこそ怖い」と話しています。

 SFTSウイルスに感染すると、発熱やせき、嘔吐や下痢など風邪のような症状が現れ、重症の場合は、血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、腎臓の機能が低下したりして死亡することもあります。感染してから発症するまでの潜伏期は6日から2週間とされ、血液などを介して人から人に感染することもあるとみられています。

 今のところ有効なワクチンや薬はなく、対症療法が中心になります。

 SFTSを媒介するマダニは体長三~四ミリで、衣類や寝具など家庭内に生息するイエダニとは別種類。アジアやオセアニアに分布し、国内でも青森県以南の山野に生息しています。

 感染予防のポイントは、レジャーや作業などで、草むらややぶなどマダニが多く生息する場所に入る時は、肌をできるだけ出さないように、長袖、長ズボン、手袋、足を完全に覆う靴などを着用することです。また、肌が出る部分には、人用の防虫スプレーを噴霧し、地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないように、敷物を敷きます。帰宅後は衣類を家の外で脱ぎ、すぐに入浴し体をよく洗って、新しい服に着替えます。

 マダニにかまれた時は、つぶしたり無理に引き抜こうとせず、できるだけ病院で処理してもらうことです。マダニにかまれることでかかる感染症には、SFTSのほかにも、日本紅斑熱やつつが虫病などがありますので、山野などに出掛けた後、発熱などの症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診することが必要です。

 厚生労働省は研究班を設置して、今後3年をかけてSFTSの実態解明を進める方針で、研究班では、各地でマダニを採取してウイルスの分布を調べているほか、予防策や治療方法の開発を進めています。

 2013年6月8日(土)

 

■パートの女性、高い早産リスク 正社員、専業主婦の2・5倍に

 パートタイムで働いている女性は、正社員や専業主婦に比べ、早産するリスクが2・5倍高いことが、厚生労働省研究班の大規模調査でわかりました。国内で労働と早産リスクの関係について調べたのは初めてといいます。

 パート勤務の形態や職種の違いによる分析はできていませんが、産婦人科の専門医らで作る研究班は、おなかの張りなど早産の兆候が出ても、休みを取りにくい労働条件が影響している可能性があるとみています。

 早産は低体重で生まれたり呼吸障害が出たりと、新生児の命にかかわったりする懸念があります。富山大や順天堂大、愛育病院など全国11施設で2008年から2010年に妊娠し、その後出産した1365人について、生活習慣や健診結果などのデータを集め、出産の際に早産につながる要因を解析しました。内訳は専業主婦573人、正社員560人、パートなど192人、不明が40人。

 予定日より3週間以上、早く出産した早産の割合は7・5パーセント。うちパートなど非正規雇用で働く女性は12・5パーセントが早産で、薬の服用の影響を除くなど統計処理したリスクは専業主婦の2・54倍でした。正社員の早産率は6・6パーセントで、専業主婦の6・5パーセントとほぼ同じでした。

 厚労省の統計によると、2011年の早産率は5・7パーセントと、30年前に比べ約4割増えています。切迫早産と診断された場合、治療とともに安静が必要です。

 研究を担当した富山大学産婦人科の斎藤滋教授によると、労働と早産リスクの関係を調べた海外の研究では、長時間労働や立ち仕事ではリスクが高くなる傾向があったといいます。

 研究班は、「パートの人は収入が減ったり、解雇されたりすることを心配して休みがとりにくいのかもしれない。雇用者は、妊婦が安心して休養できる環境を作り、おなかが張る時は横にして休ませたり、産婦人科を受診させるといった対応を取ったりする必要がある」と指摘しています。

 労働相談に応じる「働く女性の全国センター」(東京都台東区)の伊藤みどり代表は、「一般的に、パートの人は立ち仕事などのサービス業に従事している例が多い。早産のリスクとの因果関係を確認するには、仕事の詳しい内容や、休みを取れるかなどの職場環境も調べる必要があるだろう。景気の悪化で、企業として妊娠した女性を保護するという概念が薄れてきている。正社員、パートの別にかかわらず、勤務形態に配慮することが必要」と話しています。

 2013年6月7日(金)

 

■出生率1・41に上昇 16年ぶり水準も出生数は最少

 厚生労働省によりますと、1人の女性が生涯に出産する子供の数の指標となる「合計特殊出生率」は、昨年は1・41で、前の年よりも0・02ポイント上昇しました。出生率が1・40を超えたのは、1996年以来16年ぶり。

 過去最低だった2005年の1・26を底に、緩やかな上昇傾向が続くものの、人口を維持できる2・07と比べると低い水準です。

 都道府県別で最も高かったのは、沖縄県で1・90、次いで島根県が1・68、宮崎県が1・67、鹿児島県1・64となっています。

 一方、最も低かったのは、東京都で1・09、次いで京都府が1・23、北海道が1・26となっています。

 年代別では、30歳代と40歳代で上昇している一方、20歳代で減少傾向が続いています。

 また、第一子を出産した平均年齢は30・3歳で、過去最高を更新し、晩産化が進んでいることがうかがえます。

 このほか、昨年生まれた子供の数は103万7101人で、前の年より1万3705人減ってこれまでで最も少なくなった一方、死亡した人は前の年より3188人増の125万6254人で、戦後、最も多くなりました。

 その結果、死亡数から出生数を引いた人口の自然減は21万9153人で、過去最多を更新しました。

 厚生労働省は、「30歳代で結婚した女性の出産が増えたため、出生率は上昇しているが、20歳代の出生率は上がっていないため、少子化に歯止めはかかっていない」と話しています。

 人口問題に詳しい政策研究大学院大学の松谷明彦名誉教授は、「結婚している女性の出生率はわずかに増加しており、出生率が低迷している大きな原因は、結婚できない20歳代が増えていることだ。その背景には、若者の半数近くが非正規雇用で働いていることや低賃金の問題がある。こうした労働問題を改善して若い男女が結婚・出産できるようにしなければ、さらに少子化に拍車がかかることになる」と話しています。

 2013年6月5日(水)

 

■大衆薬の99パーセント、ネット販売解禁へ 高リスク品は除外

 政府は4日、一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売を解禁する方針を固めました。原則すべての大衆薬を対象とします。

 安全性にも配慮し、医療用医薬品から大衆薬に転用して間もない薬に限り、副作用などの危険性を検証し、一定期間、販売対象から外す例外措置も検討します。月内にまとめる成長戦略の目玉政策として盛り込む方針で、最終とりまとめを急いでいます。

 4日朝、菅義偉官房長官や田村憲久厚生労働相ら関係4閣僚が首相官邸で協議。安全性に配慮しつつ、大衆薬のネット販売を解禁する方向で一致したもよう。早ければ安倍晋三首相が5日に発表する成長戦略の概案に盛り込めるように、詰めの調整を続けます。

 薬のネット販売を巡っては、大衆薬のうちビタミン剤など副作用のリスクが低い第3類(約3000品目)はすでに解禁されています。今回、リスクが高い第2類(約8300品目)から第1類(約100品目)も原則として対象に加えます。消費者の利便性を高め、薬を買いやすくすると同時に価格競争を促し、ネットでの商取引の拡大にもつなげるねらいです。

 副作用リスクが高い薬については一定期間、除外品目を設けることも検討します。鎮痛剤ロキソニンS、鼻炎用薬アレグラFXなど25品目が候補に挙がっています。ただ、全大衆薬1万1400品目の0・2パーセントで、例外が設けられた場合でも、99パーセント超の大衆薬のネット販売が認められることになります。

 例外品目については、対面販売の開始から一定の期間を置くことで、副作用リスクなどを検証し、ネット販売が可能か見極めます。厚労省が専門家を集めた検討会を立ち上げる見通しです。

 リスクが高いと判断された大衆薬を医療用医薬品に戻す案も、浮上しています。副作用リスクの高い薬を分類から外すことで、100パーセントの大衆薬をネットで販売できるようにする考え方で、その場合は対面でもネットでも大衆薬として販売できなくなります。

 大衆薬のネット販売を巡っては、1月の最高裁判決が副作用リスクの高い第1類と第2類の販売を一律に禁じた厚労省の省令を違法と認定。この判決以降、企業による薬のネット販売の参入が相次ぐ「事実上の解禁状態」にあります。

 2013年6月4日(火)

 

■風疹感染、大阪など全国各地で拡大 今年の患者数8500人超す

 風疹の患者は5月26日までの1週間で673人で、大阪府を始めとして全国で感染の拡大が続いています。専門家は「1日も早くワクチンを接種してほしい」と呼び掛けています。

 熱や発疹などの出る風疹は、患者のせきやくしゃみを通じて広がり、妊娠中の女性が感染すると新生児の目や耳、それに心臓などに障害が出る恐れがあります。

 国立感染症研究所によりますと、全国で風疹と診断された患者は週に600~800人のペースで増えていて、最新の1週間での新たな患者は673人と、大型連休の期間中に感染したとみられる報告が各地で相次いでいます。

 患者の数を都道府県別にみると、大阪府の増加が際立っていて204人と最も多く、次いで東京都が112人、兵庫県が85人、神奈川県が61人など、関西と首都圏を中心に全国で感染の拡大が続いています。

 今年に入ってからの患者数は合わせて8507人で、昨年1年間の3倍以上、昨年の同じ時期の36倍に達しています。例年、初夏に流行のピークがあり、警戒が必要。

 今年風疹と診断された患者のおよそ90パーセントは成人で、男性では20歳代から40歳代、女性では20歳代が多くなっています。

 国立感染症研究所の多屋馨子室長は、「患者数の増加傾向は依然として止まる気配がない。風疹は決して軽い病気ではなく、脳炎やほかの合併症を起こしたりすることもある。ワクチンで予防できる病気なので、つらい思いをされる方が一人でも少なくなるように、今すぐ予防接種を受けてほしい」と話しています。

 風疹の患者数が今年に入ってから1700人余りと、東京都に次いで全国で2番目に多くなっている大阪府では、地元の医師会が19歳から49歳までの男女を対象に、平日の夜間と休日、無料でワクチンを接種する取り組みを始めました。

 この取り組みは、大阪府富田林市の医師会が6月2日から始めたもので、富田林市とその周辺の河南町、太子町、それに千早赤阪村に住む19歳から49歳までの男女が対象。

 風疹の流行を受け、府内の自治体は、妊娠を希望する女性と妊娠中の女性の夫についてワクチンの接種費用を助成するなどしていますが、医師会によりますと、広く大人を対象に無料で接種を行うのは、近畿では初めてだということです。

 接種の時間帯は会社帰りのサラリーマンなども利用しやすいよう、平日の夜間と休日となっていて、インターネットで予約ができます。

 すでに120人以上が受けたということで、富田林市の49歳の会社員の男性は、「職場に妊娠中の女性がいて、自分がかかったら、移してしまうのではと不安でした。無料で受けられてほっとしています」と話していました。

 2013年6月4日(火)

 

■認知症の高齢者462万人 予備軍も400万人

 65歳以上の高齢者のうち、認知症の人は推計15パーセントで、2012年時点で約462万人に上ることが1日、厚生労働省研究班(代表者・朝田隆筑波大教授)の調査でわかりました。

 認知症になる可能性がある軽度認知障害(MCI)の高齢者も約400万人に上ると推計。65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍となる計算で、政府は早急な対策を迫られそうです。

 調査は2009~2012年度に、専門医などがいて診断環境が整っている茨城県つくば市、同県利根町、愛知県大府市、島根県海士町、佐賀県伊万里市、大分県杵築市、福岡県久山町、同県大牟田市の全国8市町で選んだ高齢者5386人分の調査データを使い、国立社会保障・人口問題研究所による高齢者人口(2012年)に有病率を当てはめて推計しました。

 1985年に行われた前回の全国調査は、本人への面接や家族への聞き取りデータだけ使っていましたが、今回は画像診断も併用して国際基準に従って専門医が診断しました。

 その結果、全国の有病率を15パーセントと推計し、2012年時点の高齢者数3079万人から、認知症の人を約462万人としました。

 2010年時点では約439万人となり、うち在宅有病者数は約270人、その中で独居者は約43万人と分析しました。

 有病率は、年代別にみると、74歳までは10パーセント以下ですが、85歳以上で40パーセント超となります。また、ほとんどの年代で女性のほうが高くなりました。

 また、アルツハイマー型が67・6パーセントと最多で、脳出血や脳梗塞など脳血管障害が原因の型が19・5パーセント、幻視などを伴うレビー小体型が4・3パーセントでした。

 介護保険のデータに基づき、厚労省が昨年発表した認知症高齢者数は、2010年で280万人、2012年は305万人。今回の調査はそれを大きく上回りました。介護サービスを使っていない高齢者に認知症の人がいるとみられ、介護体制の整備や支援策を充実させる必要がありそうです。

 正常な状態と認知症の中間とみられる軽度認知障害(MCI)の有病率は13パーセントでした。2010年では約380万人、2012年では約400万人と推計しました。 

 2013年6月2日(日)

 

■O157感染、生肉原因は大幅減 焼き肉原因は減らず

 昨年1年間に生レバーを食べるなどして、腸管出血性大腸菌O157に感染した人は過去5年間の平均の3分の1以下に減っていたことが、国立感染症研究所のまとめでわかりました。

 5人の死者が出た焼き肉チェーン店での集団食中毒発生を受け、生食用牛肉の提供基準を厳格化したり、牛の生レバーの提供を禁止したりしたことが効果を上げたとみられています。

 国立感染症研究所は昨年7月に、飲食店などでの牛の生レバーの提供が法律で禁止されたことから、その効果を確かめるため、10人以上の集団食中毒を除いて全国でO157に感染した人の推移を調べました。

 その結果、昨年1年間に生レバーや生肉を食べてO157に感染した人は55人と、2007年以降の5年間の平均の3分の1以下に減っていたことがわかりました。昨年の感染者のうち43人は7月までに報告があったことから、飲食店などで牛の生レバーの提供が禁止されたことが効果を上げたとみられています。

 一方、昨年、焼き肉やしゃぶしゃぶなどでO157に感染したとみられるのは185人と、過去5年とほぼ変わらず、肉の加熱が不十分か、生肉を扱ったはしなどをそのまま使って食事をしていることが影響しているのではないかとしています。

 国立感染症研究所の八幡裕一郎主任研究官は、「焼き肉でO157の感染リスクがなくなったわけではなく、今後、O157による食中毒が多発する時期に入る。肉を取り扱う際には、まな板や包丁などの衛生に気を付けるとともに、生肉は専用の道具であるトングでつかんで十分に加熱して焼き、食べるはしと区別するなど、家庭でも対策を講じてほしい」と話しています。

 2013年6月1日(土)

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