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健康ダイジェスト

2018年7月〜 1月〜6月2017年7月〜12月 1月〜6月2016年7月〜12月 1月〜6月 2015年7月〜12月 1月〜6月 2014年7月〜12月 1〜6月 2013年6〜12月 5月 4月 3月 2月 1月 2012年12月 11 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月 2011年12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月 2010年12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月

 

■月45時間を超える残業、企業に健康対策を義務付け 厚生労働省

 厚生労働省は2019年春から導入する残業時間の上限規制で、原則の上限である月45時間を超えて残業させる場合、社員の健康を守る対策を定めることを企業に義務付けます。内容は限定しないものの、深夜勤務の制限や、退社から出社まで一定の時間を空ける制度の導入などを求め、企業が安易に残業時間を延ばせないようにします。

 労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で決定して、労働基準法に基づく省令で定める労使協定(36協定)の必須記載事項に、月45時間超の残業をした人に対する健康確保の対策の内容を規定します。記載がない労使協定は、労働基準監督署が受け付けません。

 対策の内容は企業の労使に委ねるものの、労働基準法の指針で望ましい項目を示します。特別休暇を与えるほか、連続した年次有給休暇の取得を促す施策や、深夜勤務の回数の制限、退社から出社まで一定の時間を設ける勤務間インターバルの導入などを盛り込む方針。

 6月末に成立した働き方改革関連法で、日本の労働法制で初めて残業時間の上限規制の導入が決まりました。36協定で認める残業の上限は、原則「月45時間・年360時間」に設定。特別条項付きの協定を結んでも、年720時間以内、2〜6カ月平均で80時間以内、単月で100時間未満に抑えなければなりません。

 現在は特別条項付きの36協定を結べば、事実上、青天井で残業の上限を延ばせます。残業時間の上限規制は、大企業は2019年4月、中小企業は2020年4月から適用し、違反企業には懲役や罰金が科せられます。

 残業時間の上限規制は長時間労働の削減につながるものの、単月で100時間未満という基準は脳・心臓疾患の労災認定基準と重なるぎりぎりのライン。厚労省は特別条項付きの協定を結ぶ際に健康対策を設けさせることで、働きすぎや過労死を抑制します。

 従業員が月45時間を超える残業をする企業は多いとみられています。業務には季節ごとに繁閑があり、忙しい時期には残業を延ばさざるを得ないためです。厚労省は特定の対策を求めるわけではないものの、望ましい対策として例示される施策は幅広く、労使のトラブルを避けるためにも、多くの企業が対応を迫られそうです。

 2018年7月15日(日)

 

■熱中症、全国で1535人搬送 富山など6県で6人死亡

 全国的に高気圧に覆われ厳しい暑さとなった14日、熱中症とみられる症状で救急搬送された人が全国で1535人に上ったことが明らかになりました。富山、静岡、鳥取、広島、大分、熊本各県で計6人が死亡しました。

 都道府県別では、搬送者が最も多かったのは大阪府の156人。次いで、愛知県が125人、千葉県と東京都がそれぞれ102人、埼玉県89人、福岡県の84人などでした。

 総務省消防庁によると、静岡県南伊豆町で90歳代の男性が自宅の外で倒れているのが見付かり、病院で死亡を確認。富山県射水市では自宅裏で男性(86歳)が倒れており、病院で死亡しました。大分県津久見市では家にいた70歳代男性が病院で死亡しました。

 鳥取県日野町では畑で倒れていた女性(80歳)が病院で死亡した。広島県三原市では自宅付近に倒れていた農作業中の女性(90歳)が死亡しました。熊本県菊陽町でも住宅で80歳代女性が倒れており、病院で死亡が確認されました。

 厳しい暑さは15日以降も続くため、気象庁が注意を呼び掛けています。関東甲信や近畿では、光化学スモッグへの警戒も必要になります。

 2018年7月15日(日)

 

■パーキンソン病とALSの遺伝子治療、来年にも治験開始へ 自治医科大など

 運動障害などを引き起こす難病「パーキンソン病」と、全身の筋肉が衰える難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の患者に、正常な遺伝子を投与する遺伝子治療の臨床試験(治験)を、来年にも自治医科大学などの研究チームがそれぞれ始めます。1回の治療で長期間、症状改善や病気の進行を抑えられる可能性があり、数年後の治療薬の実用化を目指しています。

 遺伝子治療は、人工的に作った正常な遺伝子を患者の細胞に組み入れ、病気を治療します。遺伝子を細胞に送り込む「運び役」として、安全性の高い医療用ウイルスなどが使われます。

 パーキンソン病は、脳内で運動の指令を伝える物質「ドーパミン」が十分に作れなくなり、体が震えたり動きが鈍くなったりします。治験では、複数の正常な遺伝子をウイルスに入れて作った治療薬を、患者の脳に注入します。一部の遺伝子を患者の細胞に注入する臨床研究では、目立った副作用はなく、運動障害の改善もみられたといいます。

 また、ALSは特定の酵素の減少が筋肉の委縮にかかわっているとされ、治験ではこの酵素を作る遺伝子を入れた治療薬を脊髄周辺に注入します。世界初の試みですが、マウスでは、病気の進行を抑える効果が確認されたといいます。

 いずれの治療薬も、研究チームの村松慎一・自治医科大特命教授らが設立したベンチャー「遺伝子治療研究所」(川崎市)で製造します。

 村松特命教授は、「どちらの病気も遺伝子治療薬はまだなく、なるべく早く実用化したい」と話しています。

 日本遺伝子細胞治療学会理事長の金田安史・大阪大学教授は、「遺伝子治療は、1回の治療で長期的な効果が期待できる。国際競争が激しく、国内でも取り組みを強化する必要がある」と話しています

 パーキンソン病は50歳以降の発症が多く、国内患者数は推定約16万人。薬での治療が一般的で、病気が進むと効きにくくなります。ALSは50〜60歳代の発症が多く、国内患者数は約9500人。進行すると、歩行や呼吸が困難になります。

 2018年7月15日(日)

 

■iPS細胞から大量の血小板の作製に成功 京都大iPS細胞研究所

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、止血作用のある血液成分の「血小板」を大量に作製する方法を開発したと、京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之(こうじ )教授(血液学)らの研究チームが発表しました。慢性的に不足している輸血用血小板の製造につながると期待されます。

 論文は13日、アメリカの科学誌「セル」電子版に掲載されました。

 江藤教授らは4年前、人のiPS細胞から、血小板を生み出す「巨核球」という血液細胞を作ることに成功しましたが、1回の輸血に必要な1000億個以上の血小板を得ることはかないませんでした。

 研究チームは、血管が分岐し、血液が不規則な流れ(乱流)を起こす部位ほど、巨核球が多くの血小板を生み出すことを発見。乱流を再現する培養装置を開発しました。装置の中で2枚の円形の板を上下動させ、培養液に乱流を起こさせます。

 この装置で巨核球を培養した結果、約5日間で高品質な血小板を1000億個以上、作製できました。この血小板が正常に機能することも、マウスとウサギの動物実験で確かめました。

 江藤教授は、「今後は、いかに低価格で血小板を製造できるかが課題になる」と話しています。

 2018年7月14日(土)

 

■「カレーを鍋のまま保存」する人が半数近く 食中毒への理解不足、調査で判明

 暑い季節は食中毒の発生が懸念されますが、東京都が行った実態調査で、回答者の半数近くがカレーを鍋のまま冷蔵や常温で保存するなど、食中毒対策への理解不足が明らかになりました。東京都は「日々の食事に食中毒の危険があることを認識してほしい」と注意を呼び掛けています。

 調査は年明けに、東京都内に住む20~79歳の男女を対象に実施し、週1回以上自宅で調理する1000人から回答を得ました。

 調査では、食中毒予防について6割強の人が生肉の水洗いや常温での解凍、解凍後でも再凍結すれば「効果がある」と答えましたが、東京都によるといずれも誤り。生の鶏肉はカンピロバクター菌が付着している場合、水洗いで菌を周囲に飛び散らせてしまう可能性があります。肉や魚を常温で解凍するケースでは、中心部の解凍を待つ間に表面の菌が増殖する恐れがあり、再凍結しても菌は死滅しないといいます。

 8割を超える人が酢や梅干し、わさびに殺菌効果があると考えていましたが、菌増殖を防ぐには食べ切れぬほどの量が必要。調理前の手洗いは基本なものの、実施しているのは女性8割、男性6割にとどまりました。

 気温の高い夏場は一晩寝かせたカレーも要注意。カレーやシチューなどとろみがあって冷めるのに時間がかかる料理は、腹痛や下痢を引き起こすウェルシュ菌が増殖しやすくなります。温度12~50度で増殖し、臭いなどの変化はなく、菌の一部は再加熱しても死滅しません。予防には底の浅い容器に小分けにして素早く粗熱をとり、冷蔵や冷凍で10度以下に急冷する必要があります。

 東京都健康安全研究センターの実験によりますと、調理したカレーに1グラム当たり1000個のウェルシュ菌が残っていると、室温のまま冷ました場合は、5時間後に100万個以上に菌が増えた一方、2時間で急速に温度を下げた場合は、5時間も菌は増殖しなかったということです。

 また、一晩寝かせたカレーを温め直す場合には、ウェルシュ菌が空気を嫌うため、電子レンジではなく、鍋でしっかり混ぜ、空気中の酸素を加えながら、むらがないように加熱することが大切だとしています。

 東京都民3000人から回答を得た昨年11月の予備調査では、普段の食事で気を使っていることについて、半数が「栄養バランス」と回答し、「食中毒予防」と答えた人は22%でした。食中毒の経験者は25%でした。

 東京都健康安全研究センターでは、「食中毒発生の危険が身近にあることを理解し、正しい知識を身に着けてほしい。実践することでリスクは回避できる」と呼び掛けています。

 2018年7月13日(金

 

■介護施設の3割、保証人のいない高齢者の入所拒否 厚労省の委託調査で判明

 高齢者が介護施設に入所する際、身元保証人がいない場合は受け入れを拒否する施設が約3割に上ることが、厚生労働省の委託調査で明らかになりました。単身者や身寄りのない人などが保証人を用意できないケースが増える中、厚労省は入所を拒否しないよう求めていますが、介護施設側には費用の支払いや死亡時の引き取りなどへの根強い不安があります。

 調査は委託先のみずほ情報総研が昨年12月、全国の特別養護老人ホームや老人保健施設、グループホーム、有料老人ホームなど4900カ所を対象に実施し、2387カ所から回答を得ました。

 95・9%の介護施設が身元保証人や身元引受人などとして、入所時の契約書に本人以外の署名を求めており、このうち30・7%は「署名がないと受け入れない」と回答。成年後見制度の申請など「条件付きで受け入れる」が33・7%で、署名がなくても受け入れる施設は13・4%にとどまりました。

 身元保証人に求める役割としては、「緊急時の連絡先」「遺体や遺品の引き取り」「入院時の手続き」「利用料の支払いや滞納時の保証」「医療行為への同意」「医療費の支払い」との回答が多くなりました。受け入れを拒否する割合は、別の民間団体による2013年の調査と変わっていません。

 厚労省は介護施設の運営基準に基づき「身元保証人がいないことは拒否の正当な理由にならず、拒否した施設は指導対象になる」としています。実際の対応は自治体が判断し、口頭での指導にとどまることが多いとみられます。

 今回の調査では、市区町村や成年後見人に身元保証人としての役割を求める意見が多くなりました。厚労省は、成年後見人は葬儀など死後の対応ができないため、権限の拡大などを検討しています。

 2018年7月12日(木)

 

■医療機関の65%が入院患者に保証人を要求 病院や診療所へのアンケートで判明

 医療機関の3分の2が入院患者に対して身元保証人を用意するよう求めていることが、厚生労働省研究班のアンケートで判明しました。そのうち1割弱の医療機関が、身元保証人のいない患者の入院拒否という違法の可能性がある対応を取っていました。

 医師法は正当な理由なく診察を拒むことを禁じています。

 厚労省は「正当な理由」は医師の不在や病気に限られるため、身元保証人の不在が理由の入院拒否は医師法に抵触するとして、都道府県に医療機関を指導するよう4月に通知しました。

 調査は山縣然太朗(ぜんたろう)・山梨大学教授(公衆衛生学)が代表を務める研究班が昨年9~10月に全国の病院・診療所約6000カ所を対象に実施実し、1291カ所から回答を得ました。有効回答率は21%。

 病院では90%超、診療所を含めた全体では65・0%の医療機関が患者の入院時に身元保証人を求め、「求めない」と回答した23・9%を大きく上回りました。身元保証に求める役割(複数回答)を尋ねると、最多が「入院費の支払い」(87・8%)で、緊急連絡先(84・9%)、身柄の引き取り(67・2%)、医療行為の同意(55・8%)が続きました。

 身元保証人を求める医療機関の8・2%が、身元保証人を用意できない患者の入院を拒否していると回答。75・7%が入院を認め、10・7%が社会福祉協議会などが提供する身元保証サービスを利用していると回答しました。身元保証人を用意できない患者に対応する規定や手順書があるとの回答は、全体の7・3%にとどまりました。

 身元保証人を用意できない単身者は未婚化などで今後も増え続ける見通しで、対策が求められそうです。

 山縣教授は、「保証人を求めることが慣習になっており、いない場合は病院が医療費を肩代わりする例もある。実態を調べて、医療機関が心配せずにすむ対策を考える必要がある」としています。

 厚労省の別の調査では、身元保証人がいない場合、特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護施設でも約30%が入所を拒否することがわかっています。

 2018年7月12日(木)

 

■愛知県と名古屋市、はしか流行の終息宣言 4週間で新たな患者が確認されず

 今年4月から愛知県内で感染が拡大したはしか(麻疹)について、愛知県と名古屋市はこの4週間で新たな患者が出ていないことから、流行の終息を宣言しました。

 愛知県内では、今年4月にはしかが流行していた沖縄県を旅行した名古屋市の10歳代男性が4月11日、名古屋市内の病院ではしかと診断されて以降、感染が広がり、計25人の感染が確認されました。うち20人は、沖縄県を旅行した10歳代男性から広がったとみられます。

 愛知県によると、10歳代男性が受診した名古屋市と同県東郷町の医療機関を訪れた人が次々と感染し、学校や家庭で広まりました。このほか1人はタイから帰国後に発症し、3人は感染経路を特定できませんでした。

 年齢別では、30歳代と20歳代がそれぞれ8人で、10歳代が7人、10歳未満が2人でした。ワクチンの接種回数では、未接種7人、1回が10人。2回以上は3人で、このうち1人は2回目が患者との接触から数日後でした。残る5人は接種したか不明でした。

 こうした中、愛知県と名古屋市は、6月8日に確認した最後の感染者から、はしかの潜伏期間の2倍となる4週間が経過しても新たな患者が出ていないことから、国立感染症研究所の指針に基づいて、9日、流行の終息を宣言しました。

 愛知県や名古屋市は、はしかの予防には、2回のワクチン接種が有効だとして、1歳と小学校入学前の年度の定期予防接種を忘れずに実施して欲しいと呼び掛けています。

 2018年7月11日(水)

 

■頭に磁気刺激を加えるTMS治療を国内で承認 薬が効かないうつ病患者向け 

 頭部に磁気の刺激を加え、うつの症状を改善する新しい治療が、国内でも導入されます。東京都内の男性会社員(59歳)は、薬を飲んでも意欲の減退や体のだるさなどが続いていましたが、このTMS(Transcranial Magnetic Stimulation:経頭蓋磁気刺激法)治療を受けたところ、体調が回復しました。現在、復職に向けた訓練に取り組んでいます。

 この男性会社員は、気分が落ち込むうつ状態と、調子のよいそう状態を繰り返す双極性障害(そううつ病)を患っています。15年ほど前から症状が出始め、寝付きが悪くなっていましたが、当初は診断がつかず、しばらくして、うつ病と診断され、抗うつ薬を飲み始めたが、良くなったり悪くなったりを繰り返しました。

 6年前に転院したメディカルケア虎ノ門(東京都港区)で双極性障害と判明。しかし、状態は変わらず、休職しては復職し、また休職という生活が続きました。

 昨年8月、院長の五十嵐良雄さんからTMS治療の臨床研究に参加することを提案されました。TMS治療は、頭部に当てると磁場が発生し、それに伴って脳内に微弱な渦状の電流が走る医療機器を使い、神経細胞を刺激することで効果を発現するというもの。

 男性会社員は12月から治療を始め、1日20分間の治療を今年4月までに計30回受けました。最初は頭をたたかれるような衝撃と、こめかみや歯が震える不快感に驚きました。その後は慣れて刺激の強さも上げ、20回続けたところで体調の改善を実感しました。

 男性会社員は、「磁気を当てることで何か副作用が出るのではないかと不安もあったが、やってよかった」と振り返ります。

 気分が落ち込むうつ状態の時、患者の脳内ではセロトニンなどの神経伝達物質の働きが低下していたり、量が異常に減ったりしています。TMS治療の臨床研究をしてきた東京慈恵会医科大学の鬼頭(きとう)伸輔・准教授(精神科)は、効果の仕組みについて、渦状の電流の刺激が神経伝達物質の働きを回復させるとみています。

 TMS治療は2008年、薬の効果が得られないうつ病患者を対象にアメリカで承認され、ヨーロッパやアジアにも広がりました。双極性障害に対してはまだ研究段階なものの、薬が効かないうつ病の患者向けには、日本でも昨年9月、承認され、保険適用となる見込みです。

 これを受けて、日本精神神経学会は今年4月、TMS治療の適正使用指針を作成し、治療の目安は1日約40分を週5回のペースで計20〜30回実施するとしました。

 ただし、磁気で誤作動の恐れがある心臓のペースメーカーなど体内埋め込み型の装置を装着している患者は、対象外。アメリカでけいれん発作を起こしたケースがあることから、てんかんやけいれん発作の経験がある患者は、脳神経外科や神経内科などの専門医と相談して実施を判断するよう求めています。

 鬼頭・准教授は、「連日治療に通わなければならない大変さはあるが、比較的副作用が少なく、効果も期待できる」と話しています。

 今のところ、国内でこの治療が承認されたのはうつ病に限られていますが、五十嵐さんは「うつ病での実績が重なり、治療法として根付けば、双極性障害へも適応が拡大されるのではないか」と話しています。

 2018年7月10日(火

 

■通気性25倍の女性用ナプキンを開発 信州大、ナノファイバーを使用

 信州大学国際ファイバー工学研究所の金翼水准教授は9日、ナノファイバーを使った世界最高レベルの通気性を持つ女性用ナプキンを開発したと発表しました。ナノファイバーの量産設備を持つ韓国企業などと連携して研究してきました。通気性は最も性能が高い市販品の25倍で、人体には無害で優れた抗菌性を示します。

 直径200ナノメートル(ナノは10億分の1)の繊維でできたナノファイバーを通常の不織布に貼り付けました。厚さは4マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。既存品の衛生パッドフィルムと比べて非常に細かい穴が空いているため、通気性が高く、水分は通しません。通気性が高いと、臭いやかゆみ、炎症といった問題が起きにくくなります。

 金准教授は、「具体的な企業名は出せないが、(商品化に向けて)手を挙げている会社はある」と話しています。女性用ナプキンやおむつなどのほかに、耐水性と通気性からアウトドア用品への応用も見込めるとしています。

 2018年7月9日(月)

 

■18歳以下の甲状腺がん、福島県の集計漏れ11人 福島県立医大が調査

 東京電力福島第一原発事故当時18歳以下だった約38万人を対象にした福島県の甲状腺検査を巡り、検査でがんと把握されていないがん患者が少なくとも11人いることが、8日、福島市であった県の検討委員会の甲状腺評価部会で報告されました。

 県の検査を受託する福島県立医大によると、同大付属病院で2011年10月〜2017年6月に甲状腺がんの手術を受けた人を調べたところ、県の検査で「がんまたはがんの疑い」としては集計されていない人が11人いました。検査で経過観察と判断された人が7人いたほか、検査を受けていなかった人などもいました。

 内訳は男性4人、女性7人。事故当時0〜4歳1人、5〜9歳1人、10〜14歳4人、15〜19歳5人となっています。

 県の甲状腺検査では、2011年10月〜今年3月に計162人ががんと診断されています。しかし、検査で経過観察と判断され、その後がんが判明した患者が集計から漏れているとの指摘が昨春、小児甲状腺がん患者を経済支援する市民団体からあり、検討委員会が調べるとしていました。

 検討委員会甲状腺評価部会長の鈴木元(げん)・国際医療福祉大クリニック院長は、「いろいろな方法で全数を把握していくのが重要だ」と話しました。

 2018年7月9日(月)

 

■日本ハム、ウインナー1万3040パックを自主回収 樹脂片混入の可能性あり

 日本ハムは8日、ウインナーソーセージ「小さなシャウエッセン85g(2個束)」の製造過程で黒い樹脂片が混入した可能性があるとして、6520束に当たる1万3040パックを自主回収すると発表しました。

 今のところ健康被害は確認されていないといいます。

 回収対象となるのは、子会社の東北日本ハム(山形県酒田市)の工場で6月25日に製造され、パッケージ表面の右下にある賞味期限欄に「18・7・24・NH」と記載された商品。2パックを1束にまとめて6520束が出荷され、関東を中心に販売されました。

 ウインナーの原料などを置くパレット(台)の樹脂片が混入したとみられます。7月2~5日、購入した客から「異物が混入していた」との問い合わせが3件あり、発覚しました。

 商品を着払いで東北日本ハムに郵送すれば、商品代金相当のクオカード(1束当たり500円)で返金します。問い合わせは平日午前9時~午後5時、日本ハムお客様サービス室、電話(0120)276380へ。

 2018年7月9日(月)

 

■新薬にアルツハイマー型認知症の進行を抑制する効果 エーザイが治験で確認

 製薬企業のエーザイ(東京都文京区)は6日、開発中のアルツハイマー型認知症治療薬について、症状の進行を抑える効果が第2相臨床試験(治験)の大規模試験で確認できたと発表しました。アルツハイマー型認知症の原因物質の一つとされる「アミロイドベータ」というタンパク質が脳内で減ることも示しました。

 新薬はアメリカの製薬企業バイオジェンと共同開発する抗体医薬品「BAN2401(開発名)」。アミロイドベータが脳に沈着する前段階の集合体に結合して除去します。2020年代早期の発売を目指しています。

 第2相治験は2012年~2018年に、日米欧などで856人を対象に実施。投与18カ月間の解析で、症状の評価指標に基づく悪化の抑制と、陽電子放射断層撮影装置(PET)による脳内のアミロイドベータ蓄積量減少を確かめました。

 アミロイドベータは脳に蓄積すると神経細胞が機能障害を起こし、細胞死をもたらすとされます。エーザイはこれまでも認知症の症状悪化を遅らせる薬「アリセプト」を販売してきました。新薬ではアミロイドベータを減らすことで、認知症を根本から治療することを目指しています。

 世界の製薬大手がアミロイドベータを標的とする薬の開発に取り組んでいますが、実用化された例はありません。6月には、アメリカのイーライ・リリーとイギリスのアストラゼネカが共同開発した「ラナベセスタット」が、最終段階の第3相治験で十分な治療効果を証明できないとして中止を発表しました。

 エーザイは現在、アミロイドベータを標的にした薬を3品目開発しています。BAN2401のほか、アミロイドベータの発生段階を狙う「エレンベセスタット」と、沈着する直前や沈着後を狙う「アデュカヌマブ」で、いずれも第3相治験に入っています。

 2018年7月9日(月)

 

■あすか製薬、高血圧症治療薬を自主回収 発がん性物質が混入

 あすか製薬(東京都港区)は6日、2016年12月まで製造・販売していた高血圧症治療薬のジェネリック医薬品(後発薬)「バルサルタン錠『AA』」の4製品を自主回収すると発表しました。薬の原材料に、発がん性があるとされる物質「N―ニトロソジメチルアミン」が混入しているとして、海外の規制当局から情報が寄せられ、ヨーロッパで7月上旬から自主回収が始まったため。

 服用した場合、重い健康被害が出る可能性があるものの、現時点で被害の情報はないといいます。

 薬の原材料となる「原薬」をつくる中国企業の工場の製造過程で、問題の物質が発生したとみられます。

 「バルサルタン錠『AA』」は、国内では2014年5月から2016年12月にかけて、あすか製薬と外資系製薬のアクタビスの合弁会社「あすかActavis製薬」が製造し、病院や薬局1315カ所に約11万箱(約1250万錠)を販売しました。すでに大半が服用されているといいます。

 あすか製薬は、アクタビスが他社に買収された後に国内販売を中止したが、まだ市中に残っている可能性があるといいます。

 あすか製薬は、「服用し続けると重篤な健康被害に至る可能性は否定できない」としています。

 厚生労働省によると、問題の中国企業の工場の原薬が使われた薬は、国内ではほかにはないといいます。同省の担当者は、「健康への影響は発がん性物質の混入量によって違う。なぜ混入したかやどれだけの量が混入したか調査結果を報告してもらい、必要があれば対応していく」としています。

 2018年7月9日(月)

 

■福島県ではしか、新たに男女3人 感染者計6人、道の駅利用者も

 福島県は6日、県南部に住む20〜40歳代の男女3人がはしか(麻疹)と診断されたと発表しました。6月29日に感染が確認された外国人女性と同じ建物で暮らしたり、受診に付き添ったりしていました。

 これで6月以降の感染者は6人となりましたが、重症者はいません。

 福島県によると、20歳代の女性2人は就業目的で東南アジアから入国していました。40歳代の日本人男性は女性たちと同じ会社に勤務し、最初に感染した女性を通訳するため、6月22日に医療機関に同行していました。

 男性は発症前の7月1日、栃木県那須町にある道の駅「東山道伊王野」を利用していたため、福島県は栃木県に情報を提供し、「感染拡大の可能性もある」として注意を呼び掛けています。

 栃木県は6日、はしかを発症した福島県の40歳代の男性が那須町伊王野の道の駅「東山道伊王野」を利用し、不特定多数と接触した可能性があると福島県側から情報提供があったことを明らかにしました。栃木県は、同施設を利用し、発熱などはしかを疑う症状が現れた場合は医療機関に事前連絡の上、受診するよう呼び掛けています。

 はしかを発症した男性は7月1日午後1時~2時半ごろ、同施設を利用しました。麻疹ウイルスの空気中での生存期間は2時間以下とされており、現時点で同施設を利用しても感染することはありません。仮に、はしか患者と接触した場合、潜伏期間を考慮して最大21日間の健康観察が必要といいます。

 2018年7月8日(日)

 

■日本調剤、病院向けに薬剤師を派遣へ 病院勤務を経験しスキルアップ

 調剤薬局チェーンの日本調剤(東京都千代田区)は、病院向けに薬剤師を派遣するサービスを始めます。産休・育休を取得する薬剤師の代わりとして、全国47都道府県の日本調剤の店舗で働く薬剤師らを派遣します。

 薬剤師は女性の比率が高く、人材の一時的な不足を補いたい需要は高いとみており、日本調剤にとっては自社の薬剤師に病院勤務を経験させることでスキルアップも狙います。

 7月中にもサービスを始める予定で、4月1日に東京本社で労働者派遣事業許可を取得しました。日帰りで通勤できる範囲の病院で契約を受け付け、日本調剤の店舗勤務に就いている薬剤師らを派遣します。派遣期間は1〜2年を想定しています。

 日本調剤は全国で約3000人の薬剤師を抱えています。派遣する人数は未定ですが、現場のニーズに応じて対応を検討します。今後は東京本社以外の事業所でも、労働者派遣事業許可を順次取得していく考え。

 自社の無期雇用の社員を派遣する「常用型派遣」である点が特徴で、希望者から登録を受け付けて派遣先の契約期間と同じ長さの雇用契約を結ぶ「登録型派遣」ではありません。病院が登録型派遣で薬剤師を雇うケースはあるものの、今回のようなモデルは珍しいことです。薬剤師は日本調剤の店舗で実務に従事しており、病院にとっては一定のスキルが担保される利点もあります。

 日本調剤は子会社メディカルリソース(東京都千代田区)を通じ、薬局向けの薬剤師の登録型派遣はすでに実施しています。

 資格を持っていながら活用されていない薬剤師は、業界で「たんす薬剤師」と呼ばれることもあります。厚生労働省によると2016年12月末時点で、約30万人の薬剤師全体のうち無職の者は3・5%。約61%を女性が占める薬剤師の場合、出産や育児を機に仕事から離れてしまうケースもあるといいます。

 大手の日本調剤の場合、店舗で勤める正社員の薬剤師のうち5・5%が産休・育休を取得しているといい、業界全体でも同程度のニーズがあると判断しました。病院が派遣を受け入れ、産休・育休を取りやすくすることで、女性薬剤師のつなぎ留めや新規獲得につながることを期待しています。

 日本調剤にとっても、自社の薬剤師に病院内での勤務経験を積ませられる利点は大きく、病院では医師の処方箋に基づき医療用医薬品を提供する調剤以外にも、入院患者向けに薬を提供したり、服薬指導をしたりする業務があります。医師の近くで服薬についての考えを知ることは、薬剤師のキャリアにプラスになるとみています。

 厚労省は2015年、薬局の将来像を示す「患者のための薬局ビジョン」を策定。患者の服薬情報を一元管理する「かかりつけ機能」に加え、抗がん剤の副作用が起きた時の助言など「高度薬学管理機能」も求めています。

 日本調剤は全国47都道府県で展開する約590店のうち、7割以上が病院などに近接する「門前薬局」。高度医療を手掛ける大学病院前などの立地も多く、大学病院内での実務研修も行っています。2018年度からは専門性を高めるため、知識や技能などに応じて薬剤師を4段階で評価する制度も導入しました。

 日本調剤は高度医療に対応できる専門性が強みで、新たな派遣事業を始めることで病院との連携を深め、幅広いニーズに対応します。

 2018年7月7日(土)

 

■厚労省、病気腎移植を条件付きで先進医療に承認 入院費などに保険適用

 がん患者から摘出した腎臓を別の腎不全の患者に移植する「病気腎移植」について、厚生労働省の先進医療会議は5日、健康保険外の治療ながら、入院や投薬の費用に健康保険が適用される「先進医療」に条件付きで承認しました。倫理的な課題が解消されたと判断しました。

 申請したのは徳洲会グループの東京西徳洲会病院(東京都昭島市)で、宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)とともに、重症の腎不全患者を対象に移植手術を実施します。ドナー(臓器提供者)は、直径7センチ以下のがんが腎臓にあり、がんの部分だけを切除するのが難しく、全摘出した腎臓の提供に同意した人がなります。

 2病院の計画では、有効性や安全性を確認するため、4年間で42例の移植手術を実施する予定で、移植後の5年間の生存率やがん発生がないかどうかなどを調べます。ただし、21例目までに4例で腎臓が機能しなければ中止します。

 先進医療会議は承認に当たり、移植のためにドナーのがん治療に不利益がないよう「細心の配慮が必要」とし、移植を受ける腎不全患者の選定にも「客観性と公平性を担保する必要がある」と指摘。「ドナーの適格性だけでなく患者の選定にも日本移植学会などの関係学会が推薦する外部委員が2人以上参加すべきだ」と条件を付けました。

 病気腎移植は、宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが1990年ごろから実施していたことが2006年に発覚。日本移植学会などが安全性や倫理面に問題があると指摘するなど、議論を巻き起こしました。病院を運営する徳洲会グループも一時中止していましたが、腎臓移植を待つ人が1万人以上いるため病気腎移植を進めるべきだとして、2009年に臨床研究として再開。その後、医療費の一部に健康保険が適用される先進医療への承認を申請していました。

 厚労省の先進医療技術審査部会が2017年10月、条件付きで承認し、この日の先進医療会議で正式決定しました。厚労省は8月以降、病院内での手続きなどが適切に進んだことを確認した上で、先進医療として告示し、移植手術が実施されます。

 東京西徳洲会病院の小川由英・腎臓病総合医療センター長は、「我々には相当に責任があるので、慎重にやっていかなければならない」と話しました。

 先進医療会議座長の宮坂信之・東京医科歯科大名誉教授は、「病気腎移植にもろ手を挙げて賛成ではない。保険適用をするかどうかを評価するスタート地点についたにすぎない」と話しました。

 2018年7月6日(金)

 

■男性喫煙者に交通事故死のリスクが高まる傾向 東北大学が調査

 たばこを吸う男性は、全く吸わない男性より交通事故死のリスクが高まる傾向にあることが4日、東北大学大学院歯学研究科の相田潤准教授らの調査で明らかになりました。

 調査では、1993年当時、茨城県内38市町村で健康診断を受けた40〜79歳の9万7078人を対象とし、2013年までの死亡状況を住民基本台帳や人口動態調査死亡票を用いて追跡しました。そのうち、追跡可能だった9万6384人の喫煙と死亡状況を分析しました。

 喫煙状況については、「非喫煙者」「過去喫煙者」「1日20本未満吸う現在喫煙者」「1日20本以上吸う現在喫煙者」に分類し、それぞれのグループでどれほど交通事故死があったかを調べました。

 その結果、男性では、非喫煙者7335人中31人が、過去喫煙者9115人中46人が、1日20本未満吸う現在喫煙者5125人中29人が、1日20本以上吸う現在喫煙者1万1403人中62人が交通事故により死亡していました。

 このリスクを、年齢や飲酒状況の影響を除いた上でそれぞれのグループ間で比較したところ、厳密には有意差(統計上意味のある差)はみられなかったものの、1日20本以上吸う男性では、非喫煙者の男性より交通事故死のリスクが1・54倍高まっていました。

 また、やはり有意差はないものの、非喫煙者の男性と比べ、過去喫煙者や1日20本未満吸う現在喫煙者の男性のほうが、交通事故死のリスクは高まる傾向がみられました。

 女性は喫煙者の人数自体が少なく、観察期間中に交通事故による死亡がありませんでした。

 喫煙がどのように交通事故に関連するのか。喫煙者が運転手だった場合のリスクについて、相田准教授は「例えば、たばこを吸いながらの運転は、火をつけたり、たばこを落とすなどしたりした時によそ見や不注意運転につながる可能性がある」「ニコチン依存症は吸っていない時にストレスが高まるので、そのイライラが運転に影響したり、たばこによる心疾患や呼吸器疾患の不調も運転に影響したりする可能性がある」と推測しています。

 また、今回の調査では、運転中の喫煙ではなく普段の喫煙習慣を聞いているため、運転中の喫煙による不注意事故が少なく見積もられている可能性があります。さらに、交通事故死の中には、直接喫煙がかかわらなそうな鉄道事故や飛行機事故、歩行者や同乗者としての事故も含まれています。

 相田准教授は、「そうした喫煙との因果関係が低そうな交通事故死を除いたとすれば、実際の喫煙と運転事故の関連はもっと強固であることが予想される」と話しています。その上で、「たばこの煙は、肺がんなどの病気をもたらすだけでなく、喫煙者自身の安全を損ない、巻き込まれる人がいる可能性を重く受け止め、喫煙しながらの運転禁止など命を守る法的規制につなげてほしい」としています。

 海外では、運転中の喫煙は子供への受動喫煙を防止する観点から禁止されていることがありますが、台湾やイタリアなどでは、運転中の喫煙は運転者の注意が散漫になるとして法律で禁止しています。日本では運転中の携帯電話の使用は、注意散漫や運転操作不適による交通事故を増やす可能性があることから道路交通法で規制されています。しかし、運転中の喫煙は規制されていません。

 2018年7月6日(金)

 

■血中カドミウム濃度が高いと早産の頻度1・9倍に  産業医科大などが調査

 産業医科大学(福岡県北九州市)などの研究チームは4日、約2万人の妊婦を対象とした調査で、血液中のカドミウム濃度が最も高いグループは、最も低いグループに比べて妊娠早期に早産となる頻度が1・9倍高いことがわかったと発表しまた。たばこや食品、環境中に含まれるカドミウムが原因となっている可能性があるといいます。

 環境省と国立環境研究所が2011年から始めた全国の約10万組の親子を対象とした「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のうち、化学物質と健康に関する成果の第1弾。

 産業医科大学医学部の辻真弓・准教授らの研究チームは、約2万人の妊婦を対象に妊娠22〜33週を「早期早産」、34〜36週を「後期早産」、37週~42週未満を「正期産」として分類。体格指数「BMI」や喫煙・飲酒歴、妊娠・出産回数などの影響を考慮して分析しました。

 カドミウムと鉛、水銀、セレン、マンガンの5種類の金属の血中濃度を4つのグループに分けて、それぞれ早産との関係を解析したところ、妊婦の血液中のカドミウム濃度が最も低いグループに比べて、最も高いグループでは早期早産の頻度が1・9倍高いという関係がみられました。妊婦の血中カドミウム濃度と後期早産の間には、統計学的に有意な関係は認められませんでした。また、鉛、水銀、セレン、マンガンと早期・後期早産の間には、関係が認められませんでした。

 今後は約10万人のデータを使って再度分析したり、金属以外の因子と早産との関係を検討したりする方針です。成果は6月28日、海外の環境科学・疫学関連の専門誌「エンバイロメントリサーチ」に掲載されました。

 2018年7月5日(木)

 

■線虫を使ったがん検査、本格的な臨床試験へ 日立など2020年の実用化目指す

 線虫という小さな生物を使って、人の尿の臭いからがんを発見する検査方法の研究が進められています。日立製作所と、九州大学発のベンチャー企業「HIROTSU(ヒロツ)バイオサイエンス」が4日、共同で本格的な臨床試験に乗り出し、2020年1月の実用化を目指すと発表しました。

 両社が3年前から研究している検査方法は、犬に匹敵する嗅覚を持つという体長1ミリ程度の生物である線虫が、がん患者の尿には近付き、健康な人の尿からは遠ざかる動きをするのを利用し、ステージ0からステージ1という早期がんを発見できる確率をおよそ90%まで高められるのが特徴だとしています。

 これまでは顕微鏡を使って線虫の動きを人が1つずつ数えて、がん患者かどうかを判定していたため、検査に時間がかかるのが課題でしたが、今回新たに、線虫の分布を画像で解析して自動で調べる装置を開発し、検査時間を大幅に短縮できるようになったということです。

 両社は国内外の17の医療機関や大学と本格的な臨床試験に乗り出し、2020年の実用化を目指すとしています。

 HIROTSUバイオサイエンスの広津崇亮代表取締役は、「検査費用は数千円のレベルですむ。早期発見できる確率が飛躍的に上がるとみている」と話しています。

 線虫は線形動物とも呼ばれ、土の中や海中に生息するものや人などに寄生するものなど、さまざまな種類が自然界にいます。がん検査に使う線虫は、シーエレガンスという主に土の中に生息する種類です。目を持たない代わりに、犬に匹敵する嗅覚で餌を見付けたり天敵を避けたりします。線虫ががん患者の尿に集まるのは、大腸菌やバクテリアといった線虫が好む餌の臭いと、がん細胞から出る物質の臭いが似ているためとみられています。

 ステージ0からステージ1という早期がんの場合、腫瘍マーカーと呼ばれる血液を使ったがんの検査では発見できる確率が10%程度ですが、線虫を使った検査ではおよそ90%まで飛躍的に高まるのが特徴だとしています。ただ、線虫を使ったがん検査は、顕微鏡を使って担当者が一つ一つ線虫を数えていく作業が必要で、一人当たり一日3件から5件が限界でした。

 今回、日立が開発した自動撮像装置は、光を当てながらカメラで撮影し、その画像を解析して線虫の動きを自動で調べる仕組みで、一日に100件以上の検査が可能になるということです。

 装置を開発した日立製作所の久野範人主任研究員は、「線虫のがん検査は早期の発見ができそうで、世の中に貢献できるところが非常に大きい。ベンチャー企業と日立の技術を組み合わせれば早期の実用化ができる」と話しています。

 2018年7月3日(火)

■熱中症で搬送、全国で3473人に上る 前週の5倍以上に急増

 西日本から東日本を中心に猛烈な暑さが続いた先週1週間に熱中症で搬送された人は全国で3473人に上り、前の週に比べて5倍以上に急増したことが3日、総務省消防庁のまとめでわかりました。

 総務省消防庁によりますと、6月25日から7月1日までの1週間に熱中症により病院に搬送された人は、全国で3473人に上りました。これは、その前の6月18日から24日までの1週間の667人と比べて5倍以上、また、昨年の同じ時期と比べて3倍近くにそれぞれ増えました。

 都道府県別にみますと、先週金曜日の6月29日に統計史上最も早く梅雨明けが発表された関東甲信の各地で特に多くなっており、埼玉県が334人と最も多く、次いで東京都が278人、大阪府が248人などとなっています。

 症状の程度は、死亡が3人、入院が必要な中等症から重症が1251人、軽症が2196人で、年齢別では、65歳以上が1848人と全体の半数以上を占めたほか、18歳以上65歳未満が1197人、乳幼児を含む18歳未満が428人でした。

 また、日付別では、7月1日が885人と最も多く、次いで3日前の6月30日が656人で、広い範囲で猛暑日となった週末に搬送された人が多くなりました。

 熱中症で搬送された人が急増したことについて、総務省消防庁は、急激な暑さに体が慣れていない人が多いためと分析しています。

 関東甲信地方を中心に今後も厳しい暑さが予想されるほか、梅雨が明けていない地域でも湿度が高いと熱中症の危険性が高まるため、総務省消防庁は「適切に冷房を使い、こまめに休憩して水分を取るなど予防をしっかりしてほしい」と呼び掛けています。

 2018年7月3日(火)

■梅毒感染者、昨年を上回るペースで増加の一途 女性は20〜30歳代に増加

 性行為などで感染し、重症化すれば失明など深刻な障害につながる恐れもある性感染症の梅毒の増加が続いています。昨年は1973年以来44年ぶりに梅毒感染者が5000人を超え、暫定値で5820人(男性3925人、女性1895人)となりましたが、今年も昨年を上回るペースで、地方都市や若い女性にも広がっています。

 感染に気付きにくく他人に移しやすいため、自分とは無関係と思わずに予防を心掛け、心当たりがあれば検査を受けることが大切です。

 梅毒は、感染から数週間後に性器や口の感染部位に、しこりや潰瘍(かいよう)ができます。ただ、治療しなくても症状が軽くなるため見過ごされやすく、数カ月後には全身の皮膚や粘膜に赤い発疹が出現。この時も治療せずに消えることがあるため、知らずに他人に移したり、治療が遅れて失明したり、記憶障害やまひなどの神経障害につながったりする恐れがあります。

 予防には、不特定多数の人との性行為を避けることが重要。性行為の際は最初からコンドームをつけると、感染リスクを減らせます。

 日本性感染症学会副理事長の石地尚興(いしじたかおき)・東京慈恵会医大教授(皮膚科)は、「リスクのある性行為は避け、感染が心配な時は検査してほしい」と訴えています。感染の有無は血液検査でわかり、地域によっては保健所で無料で受けられます。

 治療には抗菌薬が有効。ただし最長で12週間飲み続ける必要があり、「途中で断念してしまう患者もいる」と性感染症に詳しい産婦人科医の北村邦夫・日本家族計画協会理事長は指摘しています。厚生労働省によると、海外では1度の注射ですむ薬が使え、世界的に標準治療となっているといいます。現在、厚労省はメーカーに開発を要請しています。

 今回の流行では、女性は20〜30歳代に感染者が多く、男性は20~40歳代に多くなっており、性風俗に従事する若い女性やその客となる男性の間で感染が広がっている可能性が指摘されています。妊娠した女性が感染すると流産や死産したり、生まれた子供の肝臓や目、耳に障害が起こったりする「先天梅毒」になる恐れがあります。

 厚労省によると、先天梅毒の新生児は2013年には4人でしたが、2016年は14人。厚労省研究班の報告書によると、2011〜2015年の間に新生児20人が先天梅毒になり、うち3人が死亡、3人に後遺症があったといいます。

 厚労省は4月、梅毒に感染した妊婦の早期治療につなげようと、診断した際に医師に義務付けている保健所への届け出の項目に「妊娠の有無」を加える方針を決めました。また、風俗業の従事歴なども項目に加え、感染経路を分析する方針です。

 2018年7月3日(火)

■ウイルス性の風邪に効かない抗菌薬、6割を超える医師が処方 専門学会が全国調査

 風邪の治療の際に、60%を超える医師が患者が希望すれば、抗生物質などの抗菌薬を処方しているという調査結果がまとまりました。抗菌薬は使用量が多くなるほど、薬が効かない「耐性菌」を増やすことにつながり、専門家は「風邪には抗菌薬が効かないことを広く知ってもらう必要がある」と話しています。

 この調査は今年2月、感染症の専門学会である日本化学療法学会と日本感染症学会の合同調査委員会が抗菌薬の処方の実態を調べるために行い、全国の269の診療所の医師が回答して、先月結果がまとまりました。

 抗菌薬はウイルスが原因の普通の風邪には効きませんが、患者側が効くと誤解し、処方を求めるケースがあります。

 調査では「患者や家族が抗菌薬の処方を希望した時」の対応について聞いていて、12・7%の医師が「希望どおり処方する」と答え、「説明しても納得しなければ処方する」と答えた医師も50・4%に上りました。一方、「説明して処方しない」と答えた医師は32・9%にとどまりました。

 また、「過去1年間でウイルスが原因の風邪と診断した患者にどれくらいの割合で抗菌薬を出したか」を尋ねたところ、「4割超」と答えた医師が20・2%、「2割以下」と答えた医師は62%でした。処方した理由は、「重症化予防」(29・8%)や「二次感染の予防」(25・8%)などで、医学的根拠が乏しいと思われる理由でした。

 抗菌薬は使えば使うほど、薬が効かない「耐性菌」が増え、イギリスの研究機関では、何も対策が取られなければ、2050年には世界で年間1000万人が耐性菌によって死亡するという推計まとめています。

 厚生労働省も2020年までに抗菌薬の使用量を3分の2に減らす方針を打ち出していて、普通の風邪で受診した子供に対して抗菌薬は不要と説明して、処方しない場合、診療報酬を加算する試みを今年4月から始めています。

 調査をまとめた国立国際医療研究センターの大曲貴夫副院長は、「風邪には抗菌薬が効かないと患者に広く知ってもらう必要がある。また抗菌薬が必要な感染症もあり、医師が適切に判断できるよう風邪と見分ける検査法も普及させたい」と話しています。

 2018年7月2日(月)

 

■途上国の出産女性の命救う新薬開発 WHO、大量出血防止に向け

 世界保健機関(WHO)は6月29日までに、アフリカやアジアの途上国を中心に、出産時に多くの女性が死亡する原因となっている大量出血の防止に向け、輸送・保管が容易で世界中で利用しやすい薬が開発されたと発表しました。

 世界では毎年、分娩後出血で約7万人が死亡。母親の死亡後1カ月以内に乳児も亡くなるリスクが高く、テドロスWHO事務局長は新薬について、出産後の母子を生かすための医療技術に「大変革をもたらすことになる」と評価するコメントを発表しました。

 WHOはこれまで大量出血の防止薬として「オキシトシン」を推奨してきましたが、セ氏2度から8度でしか輸送・保管できない上、高湿度に弱くて熱帯地方などで利用しにくい欠点がありました。

 別の防止薬の「カルベトシン」を改良したところ、セ氏30度、高湿度でも3年間の保管が可能な薬の開発に成功。アルゼンチン、インド、タイなど10カ国の約3万人の妊婦で試したところ、オキシトシンと同様の効果を確認しました。

 2018年7月2日(月)

 

■フランス保健省、4種類の認知症薬を保険適用外に 効果を示す十分な有用性なし

 認知症の治療に日本でも使われている4種類の薬が、フランスで8月から医療保険の適用対象から外されることになりました。さまざまな副作用が懸念される一方で、期待するような効果を示す有用性が十分に得られなかったとして、「医療保険でカバーするのは適切ではない」と保健省が判断しました。

 日本で適用対象から外される動きはありませんが、効果の限界を指摘する声は国内でもあり、論議を呼びそうです。

 フランス保健省の発表によると、対象はドネペジル(日本での商品名アリセプト)、ガランタミン(同レミニール)、リバスチグミン(同イクセロン、リバスタッチ)、メマンチン(同メマリー)。アルツハイマー型認知症の治療薬として、これまで薬剤費の15%が医療保険で支払われていましたが、8月1日からは全額が自己負担になります。

 東京大学の五十嵐中(あたる)特任准教授(医薬政策学)によると、フランスは薬の有用性に応じて価格や保険で支払われる割合を随時見直しています。今回の薬は7年前にも、医療保険でカバーする薬や医療技術などの臨床効果を評価している高等保健機構から「薬を使わない場合と比べた有用性が低い」との評価を受け、保険で支払われる割合が引き下げられました。高等保健機構は2016年にさらに低い「不十分」と評価し、今回の決定につながりました。

 4種類の抗認知症薬は、病気の症状が進むのを抑えるものの、病気自体は食い止められません。効果は各国で実施された臨床研究で科学的に確認されているとはいえ、薬から得られる恩恵は「控えめ」であり、下痢や吐き気、めまいといった副作用があります。

 日本でアリセプトに続いて実施された3種類の薬の治験では、認知機能の指標では効果があったものの、日常生活動作を含む指標では効果が確認されませんでした。それでも承認されたのは、アリセプトだけでは薬の選択肢が限られるなどの理由から。

 東京都医学総合研究所の奥村泰之主席研究員らの調査では、日本では2015年4月から2016年3月にかけて、85歳以上の高齢者の17%が抗認知症薬の処方を受けました。処方された量はオーストラリアと比べ、少なくとも5倍多いといいます。

 兵庫県立ひょうごこころの医療センターの小田陽彦(はるひこ)・認知症疾患医療センター長は、「欧米はケアやリハビリをより重視する。日本では安易に抗認知症薬が使われている印象だ」と話しています。

 ただし、薬を自己判断でやめると症状が悪化する恐れがあります。日本老年精神医学会理事長の新井平伊(へいい)・順天堂大教授は、「抗認知症薬は病気の進行を1年ほど遅らせることができ、薬がなかった以前と比べればそれなりの価値はある。薬をどう使うかは主治医とよく相談してほしい」としています。

 2018年7月1日(日)

 

■着床前診断の実施の可否、審査迅速化へ 産科婦人科学会が決定

 受精卵の段階で遺伝子や染色体を調べる「着床前診断」の実施を認めるかどうかの審査を、日本産科婦人科学会が迅速化します。審査が長引き、受けるのをあきらめる患者もいたためです。

 学会のルールでは、着床前診断の対象は、重い遺伝病があったり、染色体異常で流産を繰り返したりした夫婦やカップルに限られており、診断で異常がなかった受精卵を子宮に戻します。

 医療機関から申請を受けて学会が一例ずつ審査し、2015年度までの17年間で申請は549件で、うち484件が承認されました。

 従来は医療機関の倫理委員会の許可を受けてから、学会に申請させていました。しかし、学会と施設の倫理委員会で遺伝病の重篤さの考え方が違うなどして、両者で議論になり、審査が長期化することがありました。

 今後は、施設からの申請に基づいて学会がまず審査し、その考え方を施設側に示した上で施設の倫理委にかけて、速やかな審査を目指します。また、申請ごとに施設の体制が十分かどうかも審査していましたが、施設の認可は5年間の更新制として簡略化します。

 同学会の苛原稔・倫理委員長は、「9~12月は施設認定の審査を集中的に進め、来年には認可された施設から症例を受け付けたい」と話しています。

 2018年7月1日(日)

 

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