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健康ダイジェスト

2019年1月〜 20187月〜12月 1月〜6月 2017年7月〜12月 1月〜6月 2016年7月〜12月 1月〜6月 2015年7月〜12月 1月〜6月 2014年7月〜12月 〜6月 2013年6〜12月 5月 4月 3月 2月 1月 2012年12月 11 10月 9月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月 2011年12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月 2010年12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月

 

■オリンパスの医療機器、海外での不具合報告漏れ 7年間に853件

 医療用光学機器の世界的メーカー、オリンパス(東京都新宿区)が製造した医療機器を巡り、2017年までの7年間に853件の不具合の「報告漏れ」があったと同社が厚生労働省に報告していたことが明らかになりました。国内で販売されていない機器が海外で使われた際に起きた感染症や事故が大半。同社は厚労省に「心よりお詫(わ)びする」との書面を提出していました。

 朝日新聞社の情報公開請求に対し、厚労省が22日、同社から提出された「顚末(てんまつ)書」と「不具合報告漏れに関するご報告」を開示しました。

 顚末書によると、同社は2010年7月15日~2017年6月15日、国内で製造販売の承認や認証を受けている63機種について、「海外で有害事象を起こした際に不具合報告すべきものを報告していなかった」といいます。

 同社によると、国内で販売していない製品は報告が不要と判断していました。これに対し、厚労省側から2017年4月に報告すべきだと指導され、過去に逆上って報告しました。同社の内部文書によると、アメリカ、オランダ、フランス、ドイツの患者に十二指腸内視鏡TJF-Q180Vを使用した際に発生した院内感染300件余などが含まれています。

 国内の医療機器メーカーは不具合や事故、感染症が起きた際、厚労省に報告を求められています。不具合を迅速に把握し、類似の問題の発生を未然に防ぐのが目的です。

 オリンパス広報・IR部は取材に、「今回の未報告を真摯(しんし)に受け止め、経営トップから法令順守への強い意思を示すとともに、厚労省、外部の弁護士などとの連携もしていく」と回答しました。

 日本からNHK、朝日新聞、共同通信が参加する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)の医療機器を巡る報道プロジェクトの一環で、朝日新聞が厚労省の公表資料などを分析。年に数十件から百件余だったオリンパスの不具合報告が、2018年1月公表分で激増していたため、情報公開請求などをしていました。

 日本ではこの十二指腸内視鏡は販売されず、感染は起きていません。欧米ではその後、特殊な洗浄ブラシの提供や注意喚起で安全対策が取られました。

 2019年1月23日(水)

 

■インフルエンザ患者の異常行動、95件を確認 19歳以下が94件

 厚生労働省によりますと、昨シーズン、季節性インフルエンザの患者による異常行動は95件報告されています。報告数は過去10シーズンで3番目に多く、95件のうち94件が19歳以下でした。

 年齢は10歳前後の子供が中心で、多くのケースが発熱から2日以内に起きています。

 異常行動の内容は、突然走り出すのが最も多くなっていますが、興奮して窓を開けて飛び降りようとしたり、歩き回ったりすることもあるということです。

 厚労省研究班の調査によると、インフルエンザ治療薬の種類別の報告数はタミフル23件、リレンザ16件、イナビル26件、ラピアクタ2件。昨年3月から販売されたゾフルーザは2件でした。イナビルを服用した10歳代の少年が翌日、家族が目を離しているうちに自宅マンションの8階のベランダから転落して死亡したケースもありました。一方、薬を服用していないケースでも、異常行動が16件ありました。

 性別では男性63%、女性37%。年齢は9歳と13歳が12件と最も多く、これまでと同様に小学生から中学生の男児に異常行動が出やすいという傾向が見られました。      

 2007年から厚労省はタミフルの10歳代への使用を原則、禁止してきましたが、異常行動との因果関係が明確ではないとして昨年8月、使用制限を解除しました。

 厚労省はインフルエンザ治療薬の処方にかかわらず、小学1年から19歳までがインフルエンザになった場合は、発熱から2日間はなるべく1人にさせず、玄関に施錠したり、ベランダに面していない部屋に寝かせたりするなど、異常行動に注意を払うよう呼び掛けています。

 2019年1月23日(水)

 

■東京医科大への助成金、2018年度は全額不交付 私学事業団

 私学助成の交付業務を担う日本私立学校振興・共済事業団が、汚職事件や医学部入試の不正問題が昨年発覚した東京医科大に対し、2018年度の私学助成金を全額交付しない方針を決めたことが22日、明らかになりました。柴山昌彦文部科学相が同日、閣議後の会見で明らかにしました。アメリカンフットボール部の悪質な反則問題があった日本大など7大学の助成金も減額します。

 文科省によると助成金の不交付や減額は、東京医科大(前年度約23億円交付)が全額不交付、日本大(同約92億円)が35%減額、医学部入試の不正が発覚した岩手医科大(同約18億円)、昭和大(同約55億円)、順天堂大(約56億円)、北里大(約41億円)、金沢医科大(約13億円)、福岡大(約37億円)がいずれも25%減額。各校への配分額は、3月中に決定されます。

 柴山文科相は、「一連の事案は大変残念。今回の減額措置なども踏まえ、不祥事に対してどのように臨むかを文科省として考えていきたい」などと述べました。

 東京医科大では昨年、文科省の私大支援事業を巡る汚職事件で前理事長と前学長が贈賄罪で起訴され、その後、医学部入試で長年、女子や浪人を重ねた受験生への差別や特定の受験生の優遇などが横行していたことが、全額不交付の理由とされました。私大の助成金が不交付となるのは極めて異例です。日本大はアメフット問題への事後対応など学校法人の管理運営が不適切とされました。助成金は年に2回配分されますが、日本私立学校振興・共済事業団は昨年10月、東京医科大と日本大に対する2018年度分の最初の支給を保留していました。

 岩手医科大など残りの5大学は医学部入試に不正があったものの、受験生の救済策などの対応が速やかにとられたため、減額幅が小さくなりました

 一方、医学部入試で文科省から不正の疑いを指摘されながら、大学側が否定している聖マリアンナ医科大については、事実関係が明らかでないとして現時点で減額の議論が見送られました。

 柴山文科相は、「第三者委員会を設置するよう再三指導してきたが、大学側がいまだに対応していないことは大変遺憾。不適切と確認された場合は、これまで対応が取られていないことも踏まえて減額が議論される」としています。

 2019年1月22日(火

 

ジェネリック医薬品で価格カルテルの疑い 公取委が製薬2社に立ち入り検査

 ジェネリック医薬品(後発薬)の卸価格でカルテルを結んだ疑いがあるとして、公正取引委員会は22日午前、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで医薬品メーカーの「日本ケミファ」(東京都千代田区)、「コーアイセイ」(山形市)の2社に立ち入り検査を始めました。ジェネリック医薬品の取引のみを対象にした立ち入り検査は初めて。

 関係者によると、2社は2018年ごろ、腎臓病患者の治療に使われる高リン血症治療剤のジェネリック医薬品で、「炭酸ランタン口腔(こうくう)内崩壊錠」(OD錠)と呼ばれる口の中で溶けやすい錠剤について事前に連絡を取り合い、卸売業者に納入する卸価格を高めにそろえるカルテルを結んだ疑いがあります。価格競争が起きないようにして値崩れを防ぐ目的だった可能性があるといいます。

 炭酸ランタン口腔内崩壊錠は2社を含む計5社が2018年2月に、厚生労働省の製造、販売承認を受けましたが、同年6月時点では、日本ケミファとコーアイセイだけが販売に向けた準備を進めていました。

 医薬品メーカーからの卸価格は、患者に処方される際の薬価の改定にも影響します。卸価格が高ければ、将来的には患者の医療費負担が増えていた可能性もあります。

 2社のホームページによると、両社はともにジェネリック医薬品を主力と位置付けています。民間信用調査会社によると、日本ケミファの売り上げは約300億円(2018年3月期)、コーアイセは約30億円(2018年6月期)。

 日本ケミファは立ち入り検査を認めた上で、「厚労省の製造、販売承認は得たが、安定供給のめどが立たず、発売時期は未定だった。公取委の調査には全面的に協力していく」としています。

 ジェネリック医薬品は、新たに開発した医薬品(先発薬)に対し、先発薬の特許期間が切れた後に同様の有効成分で製造され、品質や効き目が同等で低価格な薬。日本ジェネリック製薬協会の資料によると、新薬は9~17年程度の開発期間と数百億円以上の投資が必要とされる一方、ジェネリック医薬品は数年の開発期間で、費用も1億円程度に抑えられるといいます。

 公正取引委員会幹部は、「薬の価格を下げるためのジェネリックで、逆に高値を維持しようとしていたなら悪質だ」としています。

 2019年1月22日(火

 

■インフルエンザ脳症で小4男児死亡 長野県北信地方

 長野県北信地方に住む小学4年生の児童がインフルエンザに感染し、今月13日にインフルエンザ脳症で死亡していたことが22日、わかりました。同県では、重症化を防ぐため予防接種を受けるなど対策を呼び掛けています。

 長野県教育委員会などによりますと、北信地方に住む小学4年生の男子児童がインフルエンザに感染し、今月11日は登校したものの、12日から13日にかけて体調を崩し、13日に死亡しました。死因について、保護者から小学校に「インフルエンザ脳症で亡くなった」と説明があったといいます。

 インフルエンザ脳症は、インフルエンザにかかった患者が、突然、けいれんや意識障害などを起こす病気で、1日から2日という短期間に急速に症状が悪化するのが特徴です。

 長野県保健・疾病対策課によりますと、今年に入って、報告があったインフルエンザ脳症の患者数は3人で、重症化を防ぐには予防接種が有効だとしています。

 長野県内では1月7日から13日にかけてインフルエンザ感染者が1医療機関当たり43・87人に上り、30人以上で発令するインフルエンザ警報をこの冬初めて出したばかり。

 同県は、「流水やせっけんを使って十分な手洗いを行う」「具合が悪ければ早めに医療機関を受診する」「インフルエンザと診断されたら、学校や職場は休む」などの徹底を呼び掛けています。

 厚生労働省の人口動態調査によると、ここ数年、長野県内でインフルエンザが原因となった死亡事例は、2017年が47人、2016年が24人、2015年が35人、2014年が22人、2013年が29人。高齢者が多く、未成年は5年間で2014年の1人のみでした。

 2019年1月22日(火

 

■厚労省、ゲノム編集を使った遺伝子治療を4月解禁へ 遺伝病やがんの克服に期待

 厚生労働省は、遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」技術を使った治療の臨床研究を4月に解禁します。16日、遺伝子治療の臨床研究指針の改正案を了承しました。海外では遺伝性難病やがんを対象に臨床研究が進められており、日本でも始まることになります。

 遺伝子治療は、病気の原因となる遺伝子を破壊したり、正しい遺伝子と入れ替えたりすることで病気を治療する方法。これまでの治療では、遺伝子が目的の場所に入らないことがありました。ゲノム編集を使えば狙った場所に遺伝子を入れたり改変したりすることができ、副作用が少なく効果的な治療になると期待されます。

 臨床研究指針の改正案では、遺伝子治療の臨床研究に関する従来の指針を見直し、患者の体内でゲノム編集を使った治療ができるようにします。研究機関には、ゲノム編集に使うタンパク質や核酸などの情報の提供を求めます。患者を治療する場合は、研究実施機関と国の2段階で安全性や効果などを審査しますが、人の受精卵や生殖細胞の遺伝子を改変する研究は禁止します。

 ゲノム編集を使った遺伝子治療は、海外ではすでに臨床試験が始まっています。アメリカでは、遺伝性難病である「ムコ多糖症2型」などで進んでいます。中国では、がん患者を対象に開始されています。

 日本では、マウスなどの動物を使った実験にとどまっていました。今後、自治医科大学は血友病の治療にゲノム編集を使います。京都大学などは、筋肉の機能が衰える「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」の原因となる遺伝子のゲノム編集による治療に向けた研究を進めます。

 2019年1月21日(月)

 

■世界初のゲノム編集の双子、中国調査チームが事実認定 別の1人が妊娠中

 中国広東省の南方科技大学の賀建奎副教授が昨年11月、遺伝子を効率よく改変する「ゲノム編集」技術を使い、エイズウイルス(HIV)に感染しないよう受精卵を操作して双子を誕生させたと主張した問題に関し、地元広東省の調査チームは賀氏の主張は事実だと認定しました。

 動機については、「自分の名誉と利益を追い求めるため、国が禁止する生殖目的のゲノム編集を行った」としています。国営新華社通信が21日に伝えました。ゲノム編集によって子供が生まれたのは世界で初めて。

 賀氏は昨年11月、香港大で開かれた国際会議で、ゲノム編集を経た双子の誕生を発表しました。しかし、根拠となる具体的な情報を明らかにしなかったため、「真偽不明」として国内外で疑問視されていました。

 広東省の調査チームが事実だと認定したことで、今後、倫理面や安全性に問題があるとする批判が、さらに高まりそうです。

 南方科技大は21日、広東省の調査結果を踏まえ賀氏を解雇することを決めたと発表しました。

 調査チームによると、賀氏は2017年3月から2018年11月にかけて、偽造した倫理審査文書を使って、夫がHIVに感染した8組の夫婦(1組は途中で辞退)を募り実験を行いました。このうち2人が妊娠し、1人が双子の女の子を出産。もう1人は妊娠中だといいます。

 賀氏は2016年6月からひそかに外国人を含むチームを組織したとしていますが、かかわった個人や組織、資金源などは明らかではありません。 

 2019年1月21日(月)

 

■今年のスギ花粉、例年より飛散量が多い見込み 日本気象協会が予測発表

 日本気象協会(東京都豊島区)は21日までに、今春の花粉(スギ・ヒノキ)の飛散量の予測を発表しました。スギ花粉の飛散量は全国的に例年より飛散量が多くなるとみられ、中国地方は例年に比べて多く、東北地方から近畿地方はやや多く、九州地方は例年並みか多め、四国地方は例年並み。北海道のシラカバ花粉は例年を下回り、東京都心のスギ花粉は2月中旬に飛び始め、3月上旬から4月中旬までの長期間にわたって大量飛散が続くとしています。

 スギ花粉の飛散開始は、東日本と西日本で例年より遅くなる見通し。九州地方や四国地方、東海地方、関東地方の太平洋側では、2月中旬に飛散が始まるとみられるといいます。中国地方や近畿地方、北陸地方で2月下旬、東北地方南部で3月上旬、東北地方北部で3月中旬に飛散が始まるとみられるといいます。

 また、スギ花粉の飛散量がピークを迎える時期は、気温予想などから各地で例年並みか少し早まる見通し。福岡市で2月下旬から3月上旬、広島市や大阪市で3月上旬、高松市や名古屋市で3月上旬から中旬、金沢市や仙台市で3月中旬から下旬にピークを迎えるといいます。

 スギ花粉の飛散が落ち着くと、ヒノキ花粉が飛び始めます。ヒノキ花粉の飛散のピークは、スギ花粉のピークから約1カ月後になる見込み。ヒノキは花芽の生育がそれほど進んでいないとみられ、昨春に限定して比べると全国的に飛散量は減るとみられます。

 2019年1月21日(月)

 

男性の国内最高齢は111歳の渡辺智哲さん 新潟県上越市在住

 イギリスのギネスワールドレコーズ社から存命中の「世界最高齢の男性」として認定されていた北海道足寄(あしょろ)町の野中正造(まさぞう)さんが20日に113歳で死去したため、国内の男性の最高齢者は新潟県上越市に住む111歳の渡辺智哲(ちてつ)さんとなることが21日、わかりました。

 厚生労働省によると、渡辺さんは1907年(明治40年)3月5日生まれ。渡辺さんが入所している施設「保倉の里」によりますと、渡辺さんは職員から国内最高齢の男性になったことを伝えられると、笑顔で、「健康がまず第一。後10年生きていきたい。おいしい物を何でもいいから食べていきたい」などと話したということです。

 渡辺さんは上越市浦川原区の出身。台湾で働き、戦後に家族と地元へ戻って定年まで公務員として市内で働きました。

 厚労省によりますと、国内の女性の最高齢者は1903年(明治36年)1月2日生まれで、今月116歳の誕生日を迎えた福岡市の田中カ子(かね)さんだということです。

 2019年1月21日(月)

 

■初診からオンライン診療は指針違反 厚労省が是正通知

 今年度の診療報酬改定で新たに算定が認められた「オンライン診療」について、患者に一度も対面せず始めるなど国の指針を守っていない医療機関があるとの情報が、厚生労働省に寄せられています。同省は医師法違反の疑いがあるとして、都道府県に対して、医療機関への実態調査や勧告などで是正するよう求める通知を出しました。

 オンライン診療は、患者が来院せず、タブレット端末やスマートフォンの画面越しに医師の問診や服薬指導などを受ける方法。従来は医師が常駐していない離島やへき地で運用されていましたが、厚労省は2015年の通知でへき地限定ではないとの見解を示し、事実上全面解禁しました。さらに昨年4月の診療報酬改定で「オンライン診療料」(月1回、700円)や「オンライン医学管理料」(1000円)を新設し、普及を促しました。

 ただし、あくまで「対面診療の補完」の位置付けで、初診は原則禁止、同じ医師が半年以上診る、3カ月に1回は対面で診療などの要件が同省の指針で定められています。これに反した場合は、診察せずに治療することを禁じた医師法20条に抵触する恐れがあります。

 厚労省によると、一部の医療機関で、初診からオンライン診療をしたり、定期的な対面診療をしていなかったりするケースのほか、メールや会員制交流サイト(SNS)などを使って文字のみのやり取りで診療をしているとの報告があるといいます。このため昨年末に都道府県に出した通知で、問題事例を挙げながら、指針違反があった場合は調査し、速やかにやめるよう勧告するなど対応の徹底を求めました。

 同省の担当者は、「オンラインでも病気の見落としや誤診が起きないよう、適切に対応したい」と話しています。

 2019年1月20日(日)

 

■113歳の野中正造さん、老衰のため死去 男性で世界最高齢

 イギリスのギネスワールドレコーズ社から存命中の「世界最高齢の男性」として認定され、明治から平成にかけて4つの元号にわたる時代を生きてきた北海道足寄(あしょろ)町に住む野中正造(まさぞう)さんが20日未明、老衰のため113歳で亡くなりました。

 野中正造さんは明治38年(1905年)7月25日生まれで、2016年10月に国内最高齢男性となりました。2017年8月にそれまで世界最高齢と認定されていたイスラエル在住の男性(当時113)が亡くなり、2018年4月に世界最高齢の男性としてギネスワールドレコーズ社から認定されました。

 同居している孫の祐子さんによりますと、20日午前1時半ごろ、布団に横になった状態で息をしていないことに家族が気付き、かかりつけの医師が死亡を確認したということです。

 野中さんは農業や林業に携わった後、雌阿寒岳(めあかんだけ)山麓にある旅館「野中温泉」の2代目として経営に当たってきており、ふだんはテレビで大相撲やプロ野球を楽しんだり、昨年の誕生日には好物のケーキを家族と一緒に食べたりするなど19日まで、普通に食事を取り、特に変わった様子はなかったということです。

 孫の祐子さんは、「おじいちゃんのお陰で、私たち家族も幸せな楽しい日々を送ることができました。最期まで自宅で過ごし、尊厳のある死を迎えることができて、寂しいけども悔いはありません」と話していました。

 通夜は22日、告別式は23日にいずれも北海道足寄町茂足寄159の自宅で営まれます。

 2019年1月20日(日)

 

■ゲノム編集食品、年内にも食卓へ 一部は届け出のみで流通

 「ゲノム編集」と呼ばれる最新の遺伝子操作技術を使って生産された農産物や魚などを食品として流通させる際のルールについて、厚生労働省の専門部会は17日、新たな遺伝子が組み込まれていない食品は安全性の審査は必要ないとする最終報告書の案を大筋でまとめました。

 ゲノム編集は遺伝子を操作する最新の技術で、収穫量が増える稲や野菜、魚など、農林水産業の分野で応用に向けた研究が急速に進んでいます。最終報告書案の中では、ゲノム編集を使って新たな遺伝子を組み込んだ食品については、毒性がないかなど安全性の審査を行う必要があるとしています。その一方で、今、開発が進むほとんどの農水産物で行われている、新たな遺伝子は組み込まずに遺伝子の変異を起こさせる方法を応用した食品については、安全性の審査を必要とせず、事前に厚労省に届け出を求めて公表する仕組みを作ることが適当だとしています。

 そして、届け出が確実に行われるための対応を引き続き検討するよう厚労省に求めています。専門部会では、委員から、「届け出の義務化」についても盛り込むべきといった意見がありましたが、人に健康被害が生じる危険性が報告されていないため、現時点での届け出の義務化の導入は見送りました。

 ただ、将来的な義務化までは否定しない考えを最終報告書案に盛り込むことにしました。さらに、新しい技術に対する消費者の不安に配慮し、厚労省は届け出のない食品が判明した場合、食品の情報を公表するなどの行政指導を行う方針を示しました。

 ゲノム編集食品は早ければ年内にも流通が始まり、食卓に上る可能性があり、厚労省は今夏にも届け出制を導入したい考え。今後、消費者庁も食品としての表示方法の在り方について検討を急ぎます。

 厚労省は今後、最終報告書案の文言を修正した後、国民から意見を公募するほか、2月には東京都内と大阪市内の2カ所で説明会を開きます。

 2019年1月20日(日)

 

■2018年の自殺者2万598人、9年連続の減少 19歳以下は2年連続の増加

 2018年の全国の自殺者は、前年より723人少ない2万598人となったことが18日、警察庁の集計(速報値)でわかりました。9年連続の減少で、2万1000人を下回ったのは1981年以来、37年ぶり。ただ、19歳以下の自殺者数は増加しており、若年層への対策が求められています。

 全体のうち男性は1万4125人(前年比701人減)、女性は6473人(同22人減)で、男性が女性の約2・2倍でした。自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は前年から0・5人減って16・3人で、1978年の統計開始以来最少。都道府県別では、山梨県が24・8人で最多、青森県が22・0人、和歌山県が21・5人と続き、最少は徳島県の12・0人でした。

 厚生労働省が1~11月の統計(1万9030人)を基に分析したところ、年代別では50歳代が3225人で最も多く、40歳代が3222人、60歳代が2811人など中高年の割合も高くなりました。

 20歳代以上の全年代が前年同期比で減少した一方、19歳以下の未成年だけは前年同期より16人増の 543人となり、2年連続で増加しました。男性が35人減ったものの、女性が51人増えました。原因・動機(複数計上)について全体では「健康問題」が9450人と最多で、次いで「経済・生活問題」、「家庭問題」と続きましたが、19歳以下では「学校問題」が最多でした。

 19歳以下の自殺者数は、1990年代から横ばい傾向が続いています。2017年10月、神奈川県座間市の住宅で未成年4人を含む9人が殺害された事件は、被害者らがSNS(交流サイト)に自殺願望をうかがわせる投稿をしたことが被害につながりました。

 政府はSNSの事業者に自殺を誘う情報の削除などを求める再発防止策をまとめ、相談体制の強化にも乗り出しました。

 全体の自殺者数が約3万4427人と最悪だったのは2003年。2012年以降は3万人を下回っています。厚労省自殺対策推進室の担当者は、「景気の回復や自殺を防ぐ取り組みなどが自殺数の減少に寄与している。いまだに2万人を超える人が自ら命を絶つという現状は重く受け止め、特に若者への対策に注力していきたい」と話しています。

 政府は2017年に自殺総合対策大綱を決定し、自殺死亡率を2026年までに2015年比で30%以上減少させることを目標としています。

 2019年1月20日(日)

 

■リンゴ病が関東や東北中心に流行 妊婦感染で流産の恐れ

 風邪に似た症状が出て、両ほおなどに赤い発疹ができる「伝染性紅斑」、いわゆるリンゴ病が関東地方や東北地方を中心に流行しています。主に子供がかかり自然によくなることが多い一方で、妊娠中の女性が感染すると流産や死産の原因になることもあり、自治体などが注意を呼び掛けています。

 国立感染症研究所によりますと、昨年10月以降、患者が急増し、全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された患者の数は先月までの3カ月間で合わせて2万6400人余りに上り、前の年の同じ時期に比べておよそ9倍となっています。

 都道府県別の1医療機関当たりの患者数は宮城県が2・42人と最も多く、新潟県が1・33人、東京都が0・8人、山梨県が0・79人などと首都圏や東北地方を中心に流行しています。

 東京都や宮城県、新潟県などでは警報レベルを超え、自治体が注意を呼び掛けているほか、1月16日には山形県でも警報が出ました。

 リンゴ病の原因はヒトパルボウイルスB19で、感染した人の唾液、たん、鼻の粘液などに触れ、それが自分の口や鼻の粘膜に付いたり、せきの飛沫を吸い込んだりして広がります。10日から20日ほどの潜伏期間の後に発熱やせき、くしゃみなど風邪と似た症状が現れるほか、両ほおに赤い発疹、手や足に網目状の発疹が現れます。

 小児が感染しても、ほとんどが重症化せずに軽快します。成人では、頬の赤い発疹などの特徴的な症状が出ることは少ないものの、強い関節痛のために歩けなくなることもあります。妊婦が感染すると、本人には全く症状がなくても胎盤を介して胎児に感染し、流産や死産となる可能性があります。

 妊婦については厚生労働省研究班が流行した2011年に全国調査したところ、母親から胎児への感染が69例報告され、うち流産が35人、死産14人、中絶3人。感染者の約半数は自覚症状がありませんでした。半数以上の人は家族や子供が発病しており、家庭内での感染に注意する必要があります。

 国立感染症研究所は、「妊娠している人は特に、外出した後はこまめに手洗いをしたり、人混みをなるべく避けたり、風邪のような症状の人には近付かないことなどが重要だ。やむを得ず人の多いところにゆく場合はマスクをしっかり着用してほしい」と呼び掛けています。

 2019年1月19日(土)

 

■心臓ペースメーカー1158台に停止の恐れ 医療機関を通じて経過観察へ

 東京都港区の医療機器製造販売会社が海外から輸入して販売した心臓のペースメーカー1100台余りが不具合を起こす恐れがあることがわかり、この会社は医療機関を通じて患者の経過観察を行うことになりました。

 不具合の恐れがあるのは、医療機器製造販売会社「日本メドトロニック」がアメリカから輸入して販売した植え込み型心臓ペースメーカーで、「メドトロニック Adapta DR」1037台と、「メドトロニック Adapta VDD」91台、「メドトロニック Versa DR」30台の合わせて1158台です。

 会社や東京都によりますと、これらの製品は2017年7月28日から今月7日にかけて、医療機関など全国526の施設に出荷されましたが、集積回路に不具合があり、特定の条件が重なった時に正常に作動しない可能性があり、必要な血液が送られず失神や重い健康被害を引き起こす可能性があるということです。

 今回のペースメーカーは海外で、昨年の秋以降、停止したケースが4件起きているということです。

 国内では今のところ健康被害の情報はありませんが、会社では、医療機関を通じて患者の経過観察を行うことにしています。

 会社では、患者の体内から取り出さず、製品に内蔵されたプログラムを無線通信で修正することを検討していますが、患者の状況次第ではペースメーカーの交換が必要なケースもあるということです。

 日本メドトロニックの患者向けの問い合わせの電話番号は0120ー911ー381で、平日の午前9時から午後5時まで受け付けています。

 2019年1月19日(土)

 

■東北や日本海側で胃がんが目立ち、北海道は肺がん多く がん罹患率に地域差

 厚生労働省が17日付で初めて発表した「全国がん登録」の集計による2016年にがんと新たに診断された患者の実態から、がんにかかる割合を示す罹患(りかん)率に地域差があることも明らかになりました。

 住民の年齢構成を調整した人口10万人当たりの罹患率は、都道府県別で長崎県454・9、秋田県446・3、香川県436・7、北海道428・2、宮崎県426・4の順に高くなりました。最も低いのは沖縄県の356・3で、愛知県367・5、長野県367・6と続きました。

 がんの種類ごとに、都道府県別の罹患率も出ています。地域によって罹患率が異なる理由は明確でないものの、生活習慣の影響も指摘されます。胃がんは、食塩の摂取量が多い東北地方や日本海側で目立ち、新潟県74・7、秋田県70・3、山形県63・2などの地域が、全国平均48・2を上回っています。

 肺がんは、北海道、九州や四国の一部など喫煙率の高い地域に多い傾向がみられ、長崎県55・5、北海道51・4、愛媛県51・0などの地域が、全国平均44・4を上回っています。

 肝臓がんは、西日本で高い傾向があり、肝炎ウイルスの感染者の多さと関連しているといわれます。

 課題を対策につなげる動きも出ています。大腸がんで1位、胃がんで2位だった秋田県の健康づくり推進課は、「全国平均と比べ塩分摂取量が多く、喫煙率が高い。飲酒や運動不足なども含め、複合的に影響している可能性があり、生活習慣の改善などに力を入れたい」としています。

 肺がんで2位の北海道の地域保健課は、「禁煙外来のある医療機関を周知するなど、喫煙や受動喫煙の防止に努めたい」としています。

 がん対策に詳しい国際医療福祉大の埴岡健一教授は、「都道府県は、どのがんで罹患率が高いかを分析し、予防対策の強化につなげてほしい」と話す。

 2019年1月18日(金)

 

■インフルエンザ患者が急増し163万人 42都道府県で警報レベル

 全国でインフルエンザの患者が増えていて、1月13日までの1週間の患者数は163万人余りとなり、42の都道府県で警報レベルを超えました。厚生労働省は、1月下旬にかけてさらに患者が増える恐れがあるとして、手洗いやマスクの着用など予防対策を徹底するよう呼び掛けています。

 厚労省によりますと、1月13日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、前の週より11万2000人余り増えておよそ19万人となりました。

 このため、1医療機関当たりの患者数は38・54人となり、この期間に医療機関を受診した全国の患者数の推計は前の週より100万人以上増え、およそ163万5000人となりました。

 都道府県別の1医療機関当たりの患者数は、愛知県で75・38人、熊本県で58・79人、岐阜県で53・94人、鹿児島県で52・34人、静岡県で52・22人などとなり、42の都道府県で警報レベルの30人を超えました。

 入院は60歳代以上が全体の64%を占め、10歳未満も23%と多くなりました。今シーズンのこれまでの患者数は推計で約328万人。休校や学級・学年閉鎖も相次いでおり、1週間で休校は8、学級閉鎖は446に上りました。

 これまでに最も多く検出されているウイルスは、10年前に「新型インフルエンザ」として世界的に流行したH1N1型と呼ばれるタイプが7割と最も多い一方で、昨年多かった「B型」はほとんど検出されていないということです。

 厚生労働省は、今月下旬にかけてさらに患者が増える恐れがあるとして、重症化しやすい子供や高齢者などに対して、こまめな手洗いや、せき、くしゃみが出る時はマスクを着用するなど「せきエチケット」の徹底を呼び掛けています。

 2019年1月18日(金)

 

■新たながん患者過去最多の年99万人に 部位別トップは大腸がん

 厚生労働省は、2016年に新たにがんと診断された患者数は延べ99万人を超え、過去最多となったと、17日付で発表しました。すべての病院に患者データの届け出を義務付けた「全国がん登録」という新たな制度による初の集計で、日本のがんの実態が判明しました。部位別では、大腸がんがトップでした。

 全国がん登録は、病院に届け出を義務化したがん登録推進法の施行に伴い、2016年から始まりました。それ以前の登録制度は任意で、登録漏れが指摘されていました。

 集計結果によると、2016年のがんの新規患者数は99万5132人(男性56万6575人、女性42万8499人、不明58人)。法施行前の登録を基にした2015年の患者数89万1445人(男性51万926人、女性38万519人)に比べ、10万3687人も多くなりました。

 集計した国立がん研究センターによると、患者数が急増したというより、さらに正確なデータが集まったためとみられます。

 部位ごとの患者数を見ると、大腸15万8127人(15・9%)、胃13万4650人(13・5%)、肺12万5454人(12・6%)の順に多くなりました。

 2015年と比較すると、順位は同じながら、全体に占める割合は胃や肺で下がりました。それぞれ原因となるピロリ菌の感染率や、喫煙率の低下を反映したとみられます。逆に、大腸は0・4ポイント上がっており、食生活の欧米化などの影響がうかがえます。

 男性は胃がんの9万2600人が最も多く、前立腺8万9700人、大腸8万9600人と続きました。女性は乳がんの9万4800人がトップで、次いで大腸6万8400人、胃4万1900人の順でした。

 がんと診断された人の割合(罹患(りかん)率)は、年齢構成を調整した人口10万人当たりで402・0。男性が469・8、女性が354・1で、男性のほうが高くなっています。

 今後は、新制度のデータが毎年発表されます。5年生存率については、2023年に最初の公表を行う予定。

 厚労省がん・疾病対策課の佐々木昌弘課長は、「データを詳しく分析し、患者の状態に応じた医療体制の整備を進めたい」としています。

 2019年1月17日(木)

 

■東京都がインフルエンザ流行警報を発表 昨季より1週間早まる

 東京都内でインフルエンザの患者が急激に増えたことから、東京都は17日、インフルエンザの「流行警報」を発表し、こまめな手洗いなど対策の徹底や感染が疑われる場合は早めに医療機関を受診するよう呼びか掛けています。

 東京都によりますと、1月7~13日の1週間に都内の419の医療機関から報告されたインフルエンザの患者の数は1つの医療機関当たり平均31・7人で、前の週の3・4倍と急激に増え、都全体で国の定める基準値の30人を超えました。

 東京都は、インフルエンザが大きな流行になっているとして、これまでの「流行注意報」を切り替えて17日、「流行警報」を発表しました。

 東京都内に警報が出るのは、昨シーズンより1週間早いということです。

 また、東京都内では今月13日までに延べ236の幼稚園や学校で学級閉鎖などの措置がとられたということです。

 これまでに検出されたウイルスを分析したところ、10年前に「新型インフルエンザ」として世界的に流行した「H1N1型」が全体の約72%を占めているということです。

 東京都は、こまめな手洗いなど対策の徹底や感染が疑われる場合は早めに医療機関を受診するよう呼び掛けています。

 2019年1月17日(木)

 

■外国人扶養家族の健保適用、「国内在住」に限定 不正利用防止へ厳格化

 入管法の改正に伴う外国人労働者の受け入れ拡大を受け、政府が検討を進めてきた健康保険法改正案の概要が17日、判明しました。健保が適用される扶養家族を原則「国内在住」に限るなど、不正利用ができないよう適用対象を厳格化することなどが主な柱。今月開会の通常国会に提出する方針です。

 日本の公的医療保険制度では、就労や留学のために来日した外国人も在留資格に応じて各医療保険に加入しなければなりません。入管法の改正で受け入れを拡大するのは労働者のため、加入するのは民間会社の従業員向けの健康保険です。企業などを通じて加入するため「不正な医療目的」では入れないものの、海外に残してきた家族にも使えます。そのため、日本に滞在する外国人が、他人を「母国の家族だ」と偽って健康保険を不正利用するのではないかと懸念する声が出ていました。

 改正案によると、扶養家族について、厚生労働省は「国内在住」を適用要件に加えます。この場合、子供の海外留学や、海外赴任に同行する日本人家族が扶養家族から外れます。海外居住者のうち、一時的な海外生活など「日本に生活の基盤があると認められる家族」は、例外的に扶養家族と認めます。例外となる対象は今後、省令で定めます。

 また、国会審議では、医療費の自己負担が軽減される国の「高額療養費制度」について、在留資格などを偽って来日した外国人が市町村の国民健康保険(国保)に加入して悪用するケースへの懸念が指摘されていました。このため、国保法の改正で、市町村が外国人の留学先の日本語学校に出欠状況などの報告を求められるよう調査対象を拡大します。

 ほかにも、海外で出産した配偶者にも支払われる出産育児一時金の審査も厳しくする見通しです。日本国内在住でも、「なりすまし」など公的医療保険の不正利用を防ぐため、保険証のほか本人確認書類の提示を求めるよう対策を進めます。

 2019年1月17日(木)

 

■地下鉄駅ホームのPM2・5濃度、最大で地上の約5倍に 慶応大が調査

 健康への影響が懸念される微小粒子状物質「PM2・5」について、慶応大学の研究チームが地下鉄駅で調査をしたところ、最大で地上の約5倍の濃度に上ったことがわかりました。電車がブレーキをかける際に車輪やレール、ブレーキの部品が摩擦で削れて発生しているとみられ、専門家は「呼吸器などに病気がある人や長期間働く人などへの影響を調査する必要がある」と指摘しています。

 日本の専門誌「大気環境学会誌」に論文が掲載されました。

 PM2・5は大気中を浮遊する大きさが1000分の2・5ミリ以下の極めて小さい粒子状の物質のことで、成分は鉄などの金属や硫酸塩や硝酸塩、そして有機物などさまざまです。工場や自動車の排ガスなどから発生するほか、中国からも飛来し、吸い込むと肺の奥まで入りこみ、ぜんそくや気管支炎、肺がんなど、呼吸器の病気や不整脈など循環器の病気のリスクが相対的に高まるとされています。

 日本では10年前に屋外の大気中の環境基準がつくられ監視が強化されてきましたが、地下鉄駅や地下街、屋内など閉鎖した場所の基準はなく、実態がよくわかっていません。

 慶応大学の奥田知明准教授(環境化学)の研究チームは、横浜市交通局の協力を得て、横浜市内の地下鉄駅のホームで、昨年7月17日の午前5時から午後8時までPM2・5の調査をしました。

 その結果、始発から濃度が上がり始め、1立方メートル当たりの1時間の平均濃度は午前9時から10時で最も高い約120マイクログラムとなり、同じ時間帯の地上の約5倍に上りました。また、始発後の午前6時から14時間の平均濃度は約80マイクログラムで、環境省の屋外の1日平均の基準35マイクログラムと比べると、約2・3倍となりました。

 成分を分析したところ、金属が多く、特に鉄を含むPM2・5は地上の約200倍に上りました。

 発生原因について、研究チームでは、電車がブレーキをかける際に車輪やレール、ブレーキの部品が摩擦で削れるほか、パンタグラフと架線の接触でもPM2・5が発生しているとみています。このPM2・5はトンネル内を浮遊したり、底にたまったりして、電車が通過するたびに巻き上げられて駅ホームに流れ込むと考えられます。

 また、通勤ラッシュで濃度が高くなるのは、時間当たりの電車の本数が増えることや、多くの人を乗せているため、車体が重くなりブレーキをかける際、車輪やレールにより摩擦がかかるためとみられます。

 奥田准教授は、「地上のPM2・5は改善されているが、地下鉄の実態はわかっていない。今回は1日だけの調査だったが、ほかの駅や地下鉄にも調査を広げる必要がある」とした上で、「地下鉄の空気の環境を誰が責任を持つのかわかりずらく、今まで見過ごされてきた空間だといえる。今後、地下鉄を始め、閉鎖空間の基準の整備も検討すべきだ」と指摘しています。

 横浜市交通局では送風機などでトンネルや駅構内の換気を行っているほか、トンネル内の清掃も定期的に行って粉じん対策をしているということです。

 今回のPM2・5の調査結果について、横浜市交通局は「健康への影響について科学的な知見や研究成果がまだ少ない中で今すぐ具体的な対策を講じるのは難しいが、今後の研究成果によっては対策を検討していかないといけないと考えている」としています。

 海外の地下鉄では10数年前からPM2・5の問題が指摘され、実態調査と対策が進んでいます。このうち、世界で最も古いイギリス・ロンドンの地下鉄では、2003年に調査が行われ、最も高い駅では1立方メートル当たりの3日間の平均濃度が、約480マイクログラムとなるなど、汚染が確認されました。

 調査結果をまとめた報告書では、駅員や一般利用者の肺への影響は低いとする一方、PM2・5の成分の中に鉄が認められ、毒性が確認されたとして、削減努力をすべきと指摘しています。

 こうした実態を踏まえ、ロンドン市長は一昨年、地下鉄の環境を改善するための行動計画を発表し、観測装置の設置や微粒子の吸着装置を使った除去などを行うとしました。

 PM2・5の健康影響に詳しい京都大学の高野裕久教授は、「濃度自体は高いが、一般の利用者のように駅を利用する時間が短ければ大きな問題にならないと考えられる。しかし、PM2・5の影響を受けやすい呼吸器や循環器に疾患がある人やアレルギーの人、高齢者や子供、また長く駅に滞在する人は、より注意をする必要がある。また、成分が屋外と異なって鉄などの金属が多いということが気になる。金属は一般的な大気環境中のPM2・5では、悪影響を及ぼす成分であると指摘されていて、地下鉄のPM2・5でも影響があるか調べることが必要だ」と話しています。

 2019年1月16日(水)

 

■埼玉県がインフルエンザ流行警報を発令 昨季より1週間早まる

 埼玉県は16日、インフルエンザの「流行警報」を発令しました。1月7~13日の1週間でインフルエンザの報告数が1医療機関当たり平均41・02人(前週比27・37人増)となり、県全体で国の定める基準値の30人を超えました。警報発令は昨シーズンより1週間早まりました。

 今シーズンのインフルエンザは昨年12月初めに流行期に入り、昨年末に患者数が増加したため8日に流行注意報を発令しましたが、1月に入りさらに患者数が増加していりため「格上げ」しました。埼玉県保健医療政策課は、せきエチケット、手洗いの励行、適度な湿度の保持、十分な休養とバランスの取れた栄養摂取など感染予防を呼び掛けています。

 埼玉県は259の医療機関から、インフルエンザの患者数などについて毎週報告を受けています。保健所管内別の患者報告数は幸手保健所55・21人が最も多く、鴻巣保健所54・21人、南部保健所(蕨、戸田両市)54・00人と続きました。

 一方、流行には地域差があるといいます。埼玉県は、「まだ流行していない地域でも油断せず、患者が増えている地域は拡大防止を徹底してほしい」と呼び掛けています。

 2019年1月16日(水)

 

■月経異常の女性運動選手、疲労骨折リスクが8倍 慶応大が調査

 月経に異常がある女性運動選手は、疲労骨折を起こすリスクが約8倍に上り、一度骨折すると繰り返すリスクも約5倍高まるとする研究結果を、慶応大学の研究チームがまとめました。イギリスの科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されました。

 日本整形外科学会によると、疲労骨折は1回の外傷で起きる通常の骨折とは異なり、骨の同じ部分に小さな力が繰り返し加わることで、小さなひびが入って、やがて完全に骨折する状態をいいます。女性選手の疲労骨折は、運動量の多さに食事量などが見合わず、エネルギー不足からホルモンのバランスが崩れ、骨粗しょう症を引き起こすことで生じます。

 研究チームは2017年、慶応大の体育会所属の女性選手56人を調べたところ、13人が脚を疲労骨折した経験がありました。このうち11人に、月経不順や無月経などの異常がみられることもわかりました。さらに1年間の追跡調査を行うと、3人が再び疲労骨折していました。また、練習メニューが過密化し、運動による消費エネルギーが高くなると疲労骨折を起こしやすくなる可能性も示されました。

 血液や尿の検査結果をみると、疲労骨折を経験した選手は、骨や筋肉がダメージを受けると生じる酵素の値が高く、骨の形成にかかわるタンパク質の値は低くなりました。これらの酵素やタンパク質の値を調べれば、疲労骨折のリスクを予測できる可能性があるといいます。

 研究を取りまとめた慶応大医学部の宮本健史・特任准教授(整形外科)は、「女性選手の疲労骨折は選手生命にかかわる。過去の骨折経験や月経の異常、血液や尿の検査値を参考に、トレーニングの方法の工夫や見直しが必要だ」と話しています。

 2019年1月15日(火)

 

■がんゲノム医療、全国40病院で 30カ所超を拠点病院に指定

 厚生労働省はがん患者の遺伝情報から最適な治療薬を選ぶ「がんゲノム医療」を全国で受けられるよう医療提供体制をつくります。遺伝子検査を実施し治療方針を決める病院は、中核拠点の大病院11カ所に30カ所程度を追加し、合計約40カ所に整えます。

 遺伝子検査が示した保険外の抗がん剤治療と、保険医療を組み合わせた混合診療を迅速に受けられるようにします。がんゲノム医療は2019年春にも保険適用になる見通しで、がん患者の治療の選択肢が広がりそうです。

 がんゲノム医療で使う遺伝子パネル検査は、多数の遺伝子を一度に検査して最適な抗がん剤を選び出します。効果が高く副作用も少ないとされます。一部の検査は春にも保険適用される見込み。

 厚労省は国立がん研究センター中央病院、東京大学病院、京都大学病院など11病院を「中核拠点病院」に指定しましたが、保険適用が始まれば、対応し切れなくなる恐れもあり、30カ所超を「拠点病院」として2019年度中に追加指定します。実際の治療に当たる全国135カ所の「連携病院」と合わせ、全国で医療を提供する体制が整います。

 混合診療を迅速に受けられる仕組みもつくります。日本は混合診療を原則禁止しており、保険診療と保険外診療を組み合わせた治療を受けると、保険診療分も含めて医療費は全額自己負担になります。遺伝子パネル検査を保険適用しても、そこで導かれた治療法が混合診療ルールに抵触すれば患者の医療費負担は重くなり、普及の制約になりかねません。

 そのため厚労省は例外として混合診療が認められる「患者申し出療養」の仕組みを使いやすくします。該当すると薬代は全額自己負担のままですが、保険診療分は原則3割ですみます。

 国立がん研究センター中央病院が抗がん剤治療の計画書を事前に作り、各地の病院が共有。過去の事例から病院内の準備期間を2カ月程度に短縮できる見込みで、患者の申し出から3カ月半程度で治療を始められそうです。

 遺伝子検査で最適な治療法と示されそうなのは保険適用外の抗がん剤が大半とみられ、保険外の治療を希望する患者が大幅に増える可能性があります。胃がんに効果がある保険適用の抗がん剤を、保険外となる肺がんの治療で使うことが有効という結果が示されることなどがあり得ます。

 国立がん研究センターによると、生涯でがんに罹患するリスクは男女ともに「2人に1人」。がんゲノム医療は一人ひとりの患者の状況に合わせた「個別化治療」につながると期待を集めます。ただ、すべてで有効な治療法に結び付けられるわけではありません。数十万円に上る検査費用が保険適用されれば、患者の自己負担は原則3割に抑えられる一方、保険財政を圧迫する恐れもあり、費用対効果の検証が必要になりそうです。

 2019年1月15日(火)

 

■リストバンド型端末で見守り、異変に早期対応 高齢者施設などで導入進む

 リストバンド型の端末を使い、高齢者の見守りや健康維持に役立てる取り組みが広がっています。昨年12月、京都市内のサービス付き高齢者向け住宅では、こうした端末を使った24時間の脈拍モニタリングを始めました。脈拍の異常時にはアラート機能が働き、早期に対応することで、本人や家族の安心につながることが期待されています。

 京都市下京区のサービス付き高齢者向け住宅「メディカルグランメゾン京都五条御前」に住む80歳代の男性は、手首に着けた黒のリストバンド型端末をうれしそうに触り、「最近腕時計をしていないから、代わりになるね」とほほ笑みました。

 男性の室内には専用のデータ通信装置が設置されており、端末が測定した脈拍をリアルタイムで送信。施設側が専用アプリで脈拍の波形を確認できるほか、上限や下限の数値を一定時間超えた場合、自動で職員にアラート(警報)が発信されます。使用者自身が異変を感じて緊急ボタンを長押しすることで、職員に急変を知らせることも可能です。

 施設を運営する「ジェイ・エス・ビー」によると、看護師が24時間常駐していることもあり、看取りを視野に入れた高齢の入居者も少なくありません。高齢者事業本部運営企画部長の井上隆司さん(40歳)は、「脈拍異常を検知することで、いつの間にか亡くなるという事態を防げるのではないか。患者さんと家族の安心、職員の負担軽減にもつながれば」と期待しています。

 昨年12月から試験的に、80~90歳代の入居者5人がリストバンド型の端末を使用。効果が確認できれば、同社が運営するほかの高齢者施設でも導入していく予定です。

 システムは岐阜県笠松町の松波総合病院が発案。2016年からは岐阜市の医療関連サービス会社「トーカイ」も加わって、昨年10月に実用化しました。医療機器としての認証を取得し、高い測定精度を備えています。トーカイの大塚幸平さん(28歳)は、「すでに100人程度のデータを集め、異変が起きた場合の波形を蓄積しつつある」といいます。

 リストバンド型の端末を見守りに生かすサービスはほかにもあり、セキュリティー会社「セコム」は2017年7月から、ホームセキュリティーのオプションサービスとして「セコム・マイドクターウォッチ」を開始。利用者自身がセコムに救急通報できるほか、突然意識を失って転倒した際の衝撃を検知したり、逆に一定時間体の動きを検知しなかった場合、セコムに自動的に通報される機能もあります。広報担当者は「常時装着することで、屋内外を問わずお客様の安全や健康を見守ることができる」と話しています。

 一方、リストバンド型の端末を使い、介護予防のための機能訓練を効率的に行う取り組みも始まっています。2017年8月にスタートした「モフトレ」は、利用者が専用の端末「モフバンド」を腕や足に着け、プログラムに沿った機能訓練などを行うと、どの程度できたかなどの結果を自動で記録。サービスを提供する「モフ」(東京千代田区)によると、高齢者を対象とする数百施設で導入され、高齢者向けのデイサービスなどで数千人が利用しています。可動域やバランス、実施回数などを正確に把握できるため、成果が見えやすく、本人のやる気にもつながっているといいます。

 2019年1月14日(月)

 

■梅毒など性感染症への注意呼び掛ける 全国各地の成人式で

 若者の間で梅毒などへの感染が課題になる中、成人式を機会に性感染症への啓発を進めようという動きが広がっています。

 14日の成人の日を前に、13日に成人式が行われた山形市では、参加者に梅毒の感染が広がっていることを示すチラシを配布したり、性感染症の検査への呼び掛けが行われたりしました。

 今回の性感染症の検査は国の研究事業の一環で無料で行われ、希望者は郵送で後日に届く検査キットで指先の血液を採って返送すると、梅毒やHIV(ヒト免疫不全ウイルス)などに感染していないかをインターネット上で匿名で確認できます。

 新成人の男子大学生は、「病気のことをあまり知らないので、知ることができてよかった。無料なら検査をしてみようと思います」などと話していました。

 このほか、14日に成人式が行われた東京都新宿区では、性感染症への対策をまとめた冊子や相談先の電話番号が書かれた文房具などが配付されました。冊子には、若い世代の感染が増えていることや、予防方法などがまとめられています。

 そして、会場でも梅毒への感染が20歳代で特に多くなっていることを記したシートを使って、新宿区の担当者が集まった人達に直接、感染への注意を呼び掛けました。

 また、仙台市では、成人式会場にブースを設けて、性感染症の種類や症状などをまとめたチラシを配布したほか、さいたま市でも市の職員と地元の大学生が協力して、梅毒の感染が増加している実態や相談・検査の窓口を紹介したチラシなどを配り、感染予防の啓発を進めました。

 2019年1月14日(月)

 

■千葉大の附属病院に1・5億円の賠償命令判決 医療ミスで患者が植物状態

 千葉大学医学部付属病院(千葉市中央区)で形成外科手術を受けた埼玉県の男性(26歳)と両親が、術後の処置のミスで重い障害を負ったとして千葉大に約3億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、東京地方裁判所でありました。佐藤哲治裁判長は看護師の注意義務違反を認め、約1億5000万円の支払いを命じました。

 判決によると、男性は2012年8月の20歳当時、上あごと下あごのズレを矯正する手術を受けました。この際、気管を切開して呼吸用チューブを取り付けられましたが、手術の4日後、チューブにたんが詰まって窒息状態に陥りました。異変に気付いた女性看護師2人が5分ほど吸引したものの改善せず、低酸素脳症による意識障害になり、脳に障害が残りました。

 判決は、看護師が呼吸の回数や脈拍を確認する義務があったにもかかわらず、男性の様子を十分に把握していなかったと指摘。医師を呼ばずに吸引を続けたのも不適切で、「早く処置をしていれば障害は生じなかった」と認定しました。

 男性は今も植物状態で、会見した父親(55歳)は「初歩的なミスが重大な事故につながるということが明らかになったのは大きな意義があると思います。病院には今後、息子の回復のために治療に全力を挙げてほしい」と話しました。千葉大学医学部附属病院総務課は「判決文を確認できていないのでコメントについては差し控える」としました。

 2019年1月14日(月)

 

■アルツハイマー病関連のタンパク質蓄積で学習効果喪失 認知機能が正常でも

 アルツハイマー病に関連する異常なタンパク質が脳に蓄積している人は、認知機能に異常がなくても学習効果を発揮できないとする研究結果を、東京大学の岩坪威(たけし)教授(神経病理学)らの研究チームがまとめました。アルツハイマー病の早期発見と治療につながる可能性があるといいます。

 認知機能が正常な60~84歳の男女154人を対象にして、2008~2014年に調査を実施。19人の脳で、アルツハイマー病患者にみられる異常タンパク質「アミロイドβ(ベータ)」の蓄積が確認されました。

 研究チームは対象者全員に、現在の日時や場所などを問う基本的な認知機能検査を3年間、半年から1年ごとに計5回受けてもらいました。その結果、アミロイドβの蓄積がある人は、ない人に比べて点数が伸びませんでした。

 アミロイドβに加え、もう一つの異常タンパク質「リン酸化タウ」が増えている人は、植物や動物の名前を挙げさせる検査の点数がよくありませんでした。いずれも、学習効果の喪失が原因とみられます。

 アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)は、認知症患者全体の半数以上を占めます。今回の結果を受けて、岩坪教授は「潜在的な認知機能の障害を判定する新たな基準を作り、早期の診断と発症予防につなげたい」と話しています。

 2019年1月13日(日)

 

■小学4年生への検診で受動喫煙が激減 埼玉県熊谷市が実施

 小学4年生を対象に「受動喫煙検診」を実施する埼玉県熊谷市で、たばこの煙に含まれるニコチンの代謝物質が尿中に高濃度含まれる子供の割合がこの約10年で大幅に減少し、受動喫煙の被害が激減しています。熊谷市は検診を長期間行うことで、保護者への意識付けができた結果だと分析しています。

 受動喫煙検診は熊谷市が2007年度から公費で実施。小学4年生全員に呼び掛け、9割に当たる1500人程度が毎年受診しています。尿中のニコチン代謝物質「コチニン」の濃度を測定し、どの程度受動喫煙の被害に遭っているかを調べています。高い値が出た場合は、小児科を受診させるよう保護者に警告文を送っています。

 検診で「高値」とされた子供の割合は、2007年度は12・6%、2008年度は18・9%だったのが、2017年度は4・0%まで減りました。検出限界値以下の子供の割合も、2008年度は44・9%だったのが、2017年度には81・3%と倍近くに増えました。毎年実施して保護者に検診の存在が知られることで、「受動喫煙防止への意識付けができ子供の健康が守られるようになった」と、熊谷市健康づくり課は成果を評価しています。

 2011年度からは中学2年生を対象に、アンケートによる追跡調査を実施。同じ子供の2013年度(小学4年生)と2017年度(中学2年生)で比較すると、保護者(父親)の喫煙率は48・8%から38・08%と約10ポイント減っており、保護者の意識改革にもつながっています。

 熊谷市の取り組みをほかの自治体も評価し、群馬県太田市は熊谷市の検診を応用し、3歳児検診での実施を検討中。千葉県木更津市も、効果的な施策として近く導入する予定。

 子供の受動喫煙に詳しい鈴木修一・国立病院機構下志津病院小児科医長は、「検診は保護者が禁煙する動機になっている。通常の検尿で調べることができ負担も少ない。ほかの自治体でも取り組んでいくべきだ」と話しています。

 2019年1月13日(日)

 

日本病理学会、検査画像にAI導入へ 胃がん判定で正解率8割

 組織や細胞を患者から採取し、がんの有無などを調べる病理検査に人工知能(AI)を導入しようと、日本病理学会が取り組んでいます。すでに8割近い正解率で胃がんを判定でき、「病理医のサポートができるレベル」にあるといいます。医師不足や見落としミス軽減の救世主として期待されます。

 がんなどが疑われる部位を薄く切り取り、病理医が顕微鏡で調べて病気の確定診断をします。がんの場合は悪性度なども判定し、主治医が治療方針や手術方法を決める参考にします。

 しかし、現状は病理医の人手不足と高齢化が深刻。日本病理学会によると、国内の病理専門医は2012年時点で、医師全体の0・8%に当たる約2500人。平均年齢は50歳を上回ります。日本病理学会の研修認定施設ですら2016年の調査で、病床数が400超の510病院の半数近くで常勤病理医が0~1人でした。

 病理医の過重負担や、それに伴う病変見落としは大きな課題です。100件につき約1件の割合で見落としを含む誤診が生じ、100件につき約5件の割合で悪性度などの判定間違いがあるといいます。医療機関が提訴されたケースもあります。

 そこで、国立情報学研究所(東京都千代田区)と協力し、病理検査を支えるAIの利用に乗り出しました。全国の16大学病院や学会支部からデジタル化した11万症例の検査画像計17万枚を集め、病理医が「胃がん」と診断した約1000例の画像をAIに学習させました。

 その結果、76・7%の割合でAIと病理医の判断が一致するようになったといいます。がんではない画像を26・5%の割合で「がん」と誤認してしまうため、実証実験で精度向上を目指します。

 実証実験は2019年にも、徳島県の3病院と福島県の7病院で開始します。2020年度には滋賀、長野両県の計17病院も参加する予定でえす。各地の中核となる病院に画像を送り、病理医とAIの判断を突き合わせます。将来、大腸がんや婦人科系のがんなど他の疾患にも拡大したい考えです。

 開発に携わる京都大病院の吉澤明彦医師(病理診断科)は、「人間とAIとで二重に検査画像をチェックできるようになれば、見落としの可能性や訴訟リスクなどによる病理医の精神的な負担も軽減できる」と期待を寄せています。

 2019年1月13日(日)

 

■AIが心電図判定、治療の要否を瞬時に見極め 慶大医学部が開発

 胸の痛みで救急外来を受診した患者の心電図から、急性心筋梗塞(こうそく)などでカテーテル治療が必要かどうかを見極める人工知能(AI)を開発したと、慶応大学医学部の佐野元昭准教授、後藤信一助教らが発表しました。論文が10日、アメリカの科学誌「プロスワン」電子版に掲載されました。

 後藤助教らは、過去10年間に慶応大学病院の救急外来を受診した約4万人の心電図のデータを基に、急性心筋梗塞や狭心症などカテーテル治療が必要な心電図の特徴をAIに学習させました。その結果、AIは、心電図だけで、経験を積んだ医師よりも高い80%以上の精度で治療の要否を判断できるようになったといいます。

 心臓に酸素や栄養を運ぶ血管が詰まったり、流れが悪くなる病気の中でも、完全に詰まる急性心筋梗塞は、心筋の壊死(えし)が急速に進み、死に至ることもあります。血管を広げるカテーテル治療によって、できるだけ早く血流を復活させることが重要ながら、手足などの動脈から心臓近くまで細い管を挿入するカテーテル検査は血管を傷付けるリスクなどを伴うため、専門医が心電図のほかに血液検査や超音波検査などの結果を総合的に診断した上で行ってきました。

 データに基づく次世代の個別化医療を研究している高木周・東京大学教授(生体力学)は、「将来は自覚症状が出る前の段階で兆候を発見できるようになる可能性がある」と評価しています。

 2019年1月12日(土

 

■昨年の梅毒患者、6923人に上る 出会い系アプリの利用も一因

 国立感染症研究所は11日、性行為などを通じて感染する梅毒の2018年患者数が速報値で6923人だったと発表しました。前年より約1100人増え、48年ぶりに6000人を超えました。

 感染が広がっている原因として、スマートフォンの「出会い系アプリ」や「マッチングアプリ」の利用があるとの見方も出ています。

 梅毒は、性的な接触でスピロヘータ (梅毒トレポネーマ)という細菌がうつる感染症。1948年からの報告制度では年間1万人以上の年もあったものの、近年はペニシリンなどの抗生物質の普及で患者数が年間数百人まで減り、「過去の病気」とされていました。それが2011年からは8年連続で増加を続けています。感染すると発疹のような症状が現れ、病気が進むと脳や神経に障害が出ます。特に注意が必要なのが妊婦で、胎内で感染した子供に失明など重い症状が出ることがあります。

 急増しているのが20歳代女性で、3年間で約10倍になりました。2018年1~9月の患者統計によると、20歳代女性は893人で全体(5081人)の2割近く、女性患者(1730人)の5割を占めました。男性は20~40歳代の幅広い年代に広がっています。地域別では、東京都(1284人)や大阪府(874人)など大都市部で目立っています。

 主な感染経路として、性風俗産業の利用者と従業員の接触があります。東京都の新宿区保健所が区内の医療機関を受診した患者を調べたところ、異性間性的接触による感染のうち、男女とも約半数は性風俗産業を半年以内に利用したか、関連の仕事に従事していた人でした。

 さらに、出会い系アプリやマッチングアプリ、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用を指摘する専門家もいます。出会い系アプリなどは簡単な操作を売りにして2012年ごろから普及し、売買春の温床にもなっているとされます。保健所の相談窓口でもここ数年、これらの利用を明かす相談者が出てきました。

 帝京大学ちば総合医療センター産婦人科の鈴木陽介医師らは、東京都、大阪府、岡山県など人口当たりの梅毒患者が多い都道府県は、ある3つの出会い系アプリの利用率も高い傾向があるとの調査結果をまとめ、昨年秋の日本性感染症学会で発表しました。鈴木医師は、「アプリ利用による男女の接触が新たな感染経路になっている可能性があり、詳細な調査と対策を急ぐべきだ」と指摘しています。

 厚生労働省は今月から、医療機関による患者発生の届け出内容について、「性風俗への従事歴や利用歴の有無」を加えるなどして感染経路を詳しく分析する方針です。

 2019年1月12日(土

 

■鉄剤注射、陸上に限らず全競技で注意喚起 医師会が文書通知へ

 高校駅伝の一部強豪校で貧血治療用の鉄剤注射が不適切に使われていた問題で、日本医師会は全国の医師に向け、陸上選手に限らず各競技、全年代の選手に対し安易に使用しないよう文書で注意喚起する方針を決めました。近く日本医師会長名で、各都道府県医師会などに所属する約21万人の医師に伝達します。

 日本陸上競技連盟が昨年12月に表明した鉄剤注射の「治療名目でも原則禁止」の方針に、医師会が協力することになります。

 陸連は昨年12月27日、鉄剤注射の不適切使用の根絶には医療現場との連携が不可欠と判断し、日本医師会に協力を要請していました。

 陸連や医師会の複数関係者によると、文書では、鉄剤注射が高校生の一部選手に使われていた実態があり、陸連から根絶に向けて協力依頼を受けた経緯などを説明。「鉄分の過剰摂取につながることがあり、慢性の副作用を引き起こす恐れがある」などと指摘し、選手や指導者から依頼されても安易に使わないよう注意を促しています。

 医療現場の理解をより深めてもらうため、文書には陸連の注意事項も添付します。陸連は、重度の貧血治療でも「最初は経口鉄剤」とし、注射による治療を行う場合は血液検査をするよう求め、鉄剤注射の「過剰使用による副作用は重篤」などと注意喚起しています。

 鉄剤注射は、重篤な貧血に対する医療行為で認められている一方、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンを増やすため持久力が上がる効果もあるとして、女子の長距離選手を中心に2000年ごろから全国的に広まったとされます。

 陸連は2016年4月、肝機能障害などを引き起こす恐れがあるため、鉄分の取りすぎに注意するよう選手や指導者に警告。駅伝強豪校での不適切使用の実態が明らかになった昨年12月、鉄剤注射を原則禁止とする方針を表明し、根絶に乗り出しました。

 2019年1月12日(土

 

■子供の難病、6疾病を追加指定 夏ごろから医療費を助成

 厚生労働省の専門委員会は10日、子供の難病として公的な医療費助成を受けられる「小児慢性特定疾病」として、非特異性多発性小腸潰瘍症など6疾病を新たに指定すると決めました。夏ごろから助成が始まる見込み。日本小児科学会などから指定の要望が出ていました。

 小児慢性特定疾病は生命にかかわる慢性の病気で、長期にわたり高額な医療費がかかることなどが指定の要件。現在は小児がんやダウン症、先天性風疹症候群など756疾病、約11万人が対象になっています。

 新たに指定されるのは、非特異性多発性小腸潰瘍症、MECP2重複症候群、武内・小崎症候群、脳動静脈奇形、海綿状血管腫(脳脊髄)、巨脳症―毛細血管奇形症候群。

 2019年1月12日(土

 

■昨年の風疹患者、2917人に上る 10年余りで2番目の多さ

 国内で昨年報告された風疹の患者数は2917人に上り、現在の方法で統計を取り始めた2008年以降の10年余りで2番目に多くなりました。専門家は今年も流行が続く恐れがあるとして、早ければ3月中にも始まる見込みの男性を対象にした予防接種の制度も活用するなどしてワクチンを接種してほしい、と呼び掛けています。

 昨年、全国の医療機関から報告された風疹の患者は7月下旬から増え始め、1週間に報告された患者数は10月中旬に218人と最も多くなったほか、12月下旬まで16週連続して100人を超えました。

 その結果、昨年1年間の患者数は2917人と、現在の方法で統計を取り始めた10年余りで2013年に次いで2番目に多くなりました。

 患者全体の7割が首都圏の患者だったほか、男性の患者数は女性の4倍以上となり、男性患者全体の8割を国のワクチン制度変更の影響で免疫のない人が多い30歳代から50歳代が占めました。都道府県別の累計患者数では、多い順に東京都945人、神奈川県402人、千葉県383人、埼玉県191人、福岡県187人、大阪府120人。

 国立感染症研究所によりますと、風疹の流行は数年にわたって続く傾向があることから、今年も流行する恐れがあるとしています。

 風疹は妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんに障害が出る「先天性風疹症候群」となるケースがあり、厚生労働省によりますと、感染の中心となっている39歳から56歳の男性を対象に予防接種を原則無料とする制度が早ければ3月中にも始まる見込みです。

 国立感染症研究所感染症疫学センター第三室の多屋馨子(たや・けいこ)室長は、「春から再び患者が増加傾向になる恐れがあることから、女性は妊娠前にワクチンを接種するほか、対象となる男性は制度を活用してほしい」と呼び掛けています。

 2019年1月11日(金)

 

■勤務医の残業上限、年2000時間も検討 救急・在宅医療など特例で

 2024年度から勤務医に適用される残業時間の罰則付き上限について、一部の特定の医療機関に勤める医師では年1900~2000時間の水準とする案を厚生労働省がまとめたことがわかりました。2035年度末までの特例として検討します。一部の医師が続けている長時間労働を追認する形となり、異論も出そうです。

 対象は、地域医療への影響が懸念され、救急・在宅医療など緊急性の高い医療に対応する全国の施設を想定。業務がやむなく長時間になる医師に限ります。ほかの一般勤務医の上限は年960時間とします。新年度以降、企業に適用される上限は、休日労働を含めて年最大960時間。特例ではこれらの2倍もの長い残業が認められることになります。

 医師の働き方改革を議論する検討会に11日に提案し、3月末までに結論を出す方針といいます。

 案では、複数の月で平均80時間超という脳・心臓疾患の労災認定基準の残業時間を考慮し、勤務医は年960時間を上限とします。

 この上限まで残業を減らすと診療に大きく影響する場合に特例を認め、年1900~2000時間程度以内で検討します。この場合、月平均約160時間となり、1カ月だけで精神障害の労災認定基準に匹敵します。特例は医師不足や勤務環境の改善を進めながら段階的に引き下げることも検討します。月当たりの上限はいずれも100時間とする一方、例外を認めます。

 年2000時間という突出した長さの背景には、医師の1割が年1920時間超の残業をしている実態があります。こうした医師が一人でもいる病院は全体の3割で、大学病院や救急救命センターがある病院に限ると9割に上ります。規制が始まれば、医療機関は上限超えの勤務医をゼロにすることが求められますが、医師は急に増やせず、一部は対応しきれないとみられているためです。

 医師の都道府県間の偏在を解消する目標時期を2036年としていることなどから、特例は2035年度末までとしているといいます。

 2015年度の調査では、自殺や死を毎週または毎日考える医師が3・6%いるとされます。医師の健康を確保するため、特例を適用する場合、終業から始業までに最低9時間の休息を確保する勤務間インターバルや連続勤務を28時間までとする制限を義務付ける方針。

 2019年1月11日(金)

 

■肺炎ワクチン接種、助成期間を2023年まで延長 高齢者の接種低調により

 厚生労働省の専門部会は10日、高齢者の肺炎予防に有効な肺炎球菌ワクチン接種に対する現行の公費助成を5年間延長することを決めました。2023年度まで引き続き、65、70、75歳といった5歳刻みの年齢に達する時に接種を受けた場合、8000円前後かかる費用の約3割が助成されます。

 肺炎は高齢者の死因として増加傾向にあり、肺炎球菌は肺炎の原因となるほか、血液中などに入ると敗血症や髄膜炎などを引き起こします。ワクチンは1回の接種で、肺炎の発症や重症化を予防する効果が続きます。本来、法律に基づく定期接種として、公費助成を受けられるのは65歳になる時だけですが、厚労省は接種の機会を増やすため、2014~2018年度に限定して、助成対象とする年齢の範囲を拡大する経過措置を取りました。

 しかし、接種率は現在、どの年代の高齢者も10~40%程度にとどまることから、厚労省の部会は経過措置の延長が必要と判断しました。過去に接種したことがある人は、対象外となります。今後、医療機関などを通じて、高齢者に対する周知の強化も課題になります。

 2019年1月11日(金)

 

■センサーで病気の予兆つかむ住宅を開発へ 積水ハウスが2020年春にも販売

 脳卒中などによる自宅での突然死を防ごうと、大手住宅メーカーが病気の予兆をつかむ「見守りシステム」を持たせた住宅の開発に乗り出しました。

 1人暮らしの高齢者などが脳卒中や心筋梗塞などで自宅で倒れると、発見が遅れて突然死につながるケースが後を絶たず、いかにその予兆を早期につかむかが課題となっています。

 こうした中、大手住宅メーカーの「積水ハウス」は、住宅内にセンサーを設置し、病気による体の変調を早期につかむ「見守りシステム」の開発を始めました。

 寝室や浴室、それにリビングの壁などにセンサーを設置して、住んでいる人の心拍や呼吸などを計測し、異常があれば警備会社などに連絡が行く仕組みです。

 脳卒中の年間発症者数は約29万人とされ、その79%が「家」で起き、脳卒中の患者数は老若男女問わず日本では100万人を数えています。

 積水ハウスはNEC、NTTコムウェア、慶応大理工学部、慶応大病院、コニカミノルタ、産業技術研究所、日立製作所と協力して「見守りシステム」の開発を進め、2020年春には実用化して、自社の物件を始め、ほかの住宅メーカーの物件や介護施設などにも広げていきたいとしています。

 積水ハウスの仲井嘉浩社長は、「高齢化が進む中、家はただ単に帰って安らぐ場所だけでなく、健康を維持する場所になるなど、その役割は今後どんどん増えてくると思う」と話しています。

 2019年1月10日(木)

 

■頭頸部のがん治療にiPS細胞を投与 理研と千葉大が年内にも治験開始へ

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から特殊な免疫細胞を作り、顔や首にできる「頭頸部(とうけいぶ)がん」の患者に投与する臨床試験(治験)を、理化学研究所と千葉大学の研究チームが年内にも始める計画であることが明らかになりました。

 免疫力を高めてがん細胞の縮小を目指す治療法で、iPS細胞を使ったがん治療の治験は国内では例がないといいます。

 頭頸部がんは、鼻や口、喉、あご、耳などにできるがんの総称で、日本ではがん全体の5%程度を占めます。進行した頭頸部がんでは現在、抗がん剤と放射線を組み合わせた治療が主に行われていますが、患者の半数は再発するとされ、新たな治療法が求められているといいます。

 治験を計画しているのは、理研生命医科学研究センターの古関明彦・副センター長、千葉大の岡本美孝・教授(頭頸部腫瘍学)らの研究チーム。計画では、健康な人のiPS細胞から免疫細胞の一種「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」を作製。この細胞をがん患部につながる血管に注入します。対象は手術などが困難な再発患者3人で、最初に3000万個を注入し、副作用などを見ながら細胞数を変えて計3回投与します。2年かけて安全性や効果を調べる予定。

 NKT細胞は、自らがん細胞を攻撃する上、他の免疫細胞を活性化する働きを持つとされます。頭頸部がんの患者自身のNKT細胞を培養し、患者に戻す千葉大の臨床研究では、1回の投与でがん細胞が最大3~4割縮小したといいます。しかし、NKT細胞は血液中に0・1%程度しかなく、培養にも時間がかかるため、繰り返し培養して投与するのは難しいという課題がありました。

 こうした課題を解決するため、研究チームは無限に増えるiPS細胞に着目。人の血液からNKT細胞を採取し、いったんiPS細胞にして大量に増やした後、再びNKT細胞に戻す方法を開発しました。この細胞をマウスに投与した結果、がんの増殖が抑えられました。今回の治験で安全性に問題がなければ、有効性を調べる治験に移ります。肺がん治療への応用も検討しています。

 日本がん免疫学会理事長の河上裕・慶応大教授は、「NKT細胞はがんを攻撃する他の免疫細胞を誘導する可能性も報告されており、腫瘍が縮小するだけでなく、生存期間も延びれば、有効な治療法となり得る」と話しています。

 2019年1月10日(木)

 

■忘れた記憶を薬で回復、東大など発表 神経刺激、脳を活性化

 忘れてしまった記憶を薬で回復させる実験に成功したと、東京大学や北海道大学などの研究チームが発表しました。記憶を回復させる効果がある薬の発見は世界初といいます。

 アルツハイマー病などの認知症の治療に役立つ可能性があります。アメリカの科学誌「バイオロジカル・サイカイアトリー」電子版に8日、論文が掲載されました。

 研究チームは20歳代を中心とした健康な男女計38人に100枚程度の写真を見せ、約1週間後に覚えているかを調べる実験を実施。めまいの治療薬として使われている「メリスロン」を飲んだ場合と、飲まなかった場合で正解率を比較しました。

 その結果、薬を飲むと、忘れていた写真を思い出すケースが増え、正解率は最大で2倍近く上昇することが判明。忘れた写真が多かった人ほど効果があり、見たかどうか判別が難しい写真で正解率がより高まる傾向があることも明らかになりました。

 この薬は脳内の情報伝達にかかわる「ヒスタミン」という物質の放出を促進する働きがあります。この効果で記憶を担う神経細胞が活性化し、忘れた記憶の回復につながったとみています。ただし、もともと成績がよかった人では正解率は低下しました。はっきりした記憶に対してはヒスタミンが雑音のように働き、かえって記憶をぼやかしている可能性があるといいます。

 記憶が回復する仕組みを詳しく解明し、認知症の研究成果と組み合わせることで、アルツハイマー病などの新たな治療法につながる可能性がありまうs。

 研究チームの池谷裕二東大教授(薬理学)は、「記憶回復のメカニズムがわかったので、今後はより効果の高い薬の開発につなげたい。認知症患者らの生活の質を高められる可能性がある」と話しています。

 2019年1月9日(水)

 

くわえるだけで磨ける全自動歯ブラシを発売へ 早大などが開発

 口にくわえるだけでブラシが自動的に動き、歯を磨ける全自動タイプの歯ブラシを早稲田大学などのチームが世界で初めて開発しました。自力で歯磨きができない高齢者の自立や、介護の軽減に役立つといいます。

 アメリカのラスベガスで日本時間9日に開幕する家電・IT見本市「CES」で発表します。

 開発した歯ブラシは手のひらに載るサイズの小型装置に、マウスピースのような形のブラシを付けて使います。口にくわえて電源を入れると、内蔵モーターでブラシが上下左右に柔軟に動き、歯を磨けます。

 歯の裏側や奥歯のかみ合わせ部分も磨くことができ、手で磨くのと同等の効果があるといいます。複数の歯を同時に磨くため、所要時間は30秒程度ですみます。電源は充電池を使用。

 早大の石井裕之准教授(ロボット工学)と、大学院生が起業した企業「Genics」(ジェニックス、東京都新宿区)が共同開発しました。来年度中に数万円程度で試験販売を開始し、ブラシは口の大きさに応じて数種類を用意します。

 筋力が衰えて自力で歯を磨けない高齢者や障害者のほか、手を使わずにすむため健常者が歯を磨きながら服を着ることもできます。今回は成人向けに開発しましたが、子供や中高生の口に合う歯ブラシも開発していくといいます。

 石井准教授は、「すべての人を歯磨きの煩わしさから解放する。これはもう歯磨き革命だ」と話しています。

 2019年1月9日(水)

 

■認知機能リハビリ用ゲームがタブレットに対応 東京工科大学が開発

 東京工科大学は、統合失調症などの認知機能障害者の就労支援などを目的としたリハビリテーション用ゲームソフトウエア「Jcores(ジェイコアーズ)」の改訂版を開発しました。2019年4月をめどに病院施設などで運用を開始する予定。

 Jcoresは、東京工科大学コンピュータサイエンス学部の亀田弘之教授らの研究チームが、帝京大学医学部の池淵恵美教授らと2011年に共同開発した日本初の認知機能リハビリテーション専用のゲームソフトです。この種のソフトウエアとしては現在、日本で最も普及しており、統合失調症患者などの就労支援を行うプログラム「VCAT-J」として、デイケア施設や大学病院での臨床現場で運用されています。

 統合失調症では、注意や記憶などの認知機能の障害により、日常生活や就業がうまくいかなくなることが知られています。同ゲームソフトによるトレーニングで、これらの改善効果が報告されています。

 今回の改訂版(Ver2.0)では、従来のパソコン版(Windows)に加え、タブレット端末(iOS、Android)にも対応するとともに、高齢者向けにタッチパネルなどの操作性を向上させました。こうした改良によって、より多くの病院施設などでの導入が期待されるとしています。

 2019年1月9日(水)

 

■インフルエンザ流行、注意報レベルに 1週間で44万6000人が医療機関を受診

 厚生労働省は9日、全国約5000カ所の医療機関から昨年12月24~30日に報告されたインフルエンザの患者数が1医療機関当たり11・17人となり、注意報レベルとされる10人を超えたと発表しました。年末年始の交通機関の混雑、企業や学校の再開などで、患者はさらに拡大している恐れもあります。

 国立感染症研究所によると、昨年12月24~30日に全国の医療機関を受診した患者は約44万6000人と推計され、前週の約31万3000人より約13万3000人増加しました。今シーズンの推計患者数の累計は、約106万人となりました。

 都道府県別では、1医療機関当たり患者数が10人を上回ったのは13都道府県で、多い順に、北海道32・07人、愛知県30・45人、岐阜県20・33人、熊本県14・53人、三重県13・68人、福岡県13・59人、長野県12・78人、東京都11・53人、高知県11・23人、神奈川県11・21人、大阪府11・01人、長崎県10・47人、埼玉県10・02人。このうち北海道と愛知県は、大流行中の目安となる警報レベルの30人を超えています。43都道府県で、前週よりも患者数が増えました。

 直近5週間に検出されたウイルスは、2009年に新型として流行したA型が最も多く、A香港型、B型が続きました。

 厚労省は、動向を注視するとともに、こまめな手洗いや、せきやくしゃみが出る時はマスクを着けるといった「せきエチケット」の徹底を呼び掛けています。インフルエンザは例年、1月末から2月上旬にかけて流行のピークを迎えます。

 2019年1月9日(水)

 

■無痛分娩、両親と病院側が和解 重い障害を負った長女は死亡

 麻酔で出産の痛みを和らげる無痛分娩(ぶんべん)の処置が原因で、生まれた長女が脳に重い障害を負ったとして、京都府内に住む両親が医療法人「ふるき産婦人科」(京都府京田辺市、休院中)と男性院長に約1億円の損害賠償を求めた訴訟が、大阪高裁で和解しました。昨年12月7日付。

 産婦人科側が、長女が重篤な状態に至ったことを厳粛に受け止めて遺憾の意を表し、今月末までに5840万円を支払います。

 訴状などによると、30歳代の母親は2011年4月、同産婦人科で無痛分娩のため、背中に細い管を差し込み麻酔薬を注入する「硬膜外麻酔」を受けました。お産が進まなかったことから陣痛促進剤(子宮収縮薬)を注入するなどしたがうまくいかず、帝王切開で出産。仮死状態で生まれた長女は脳性まひで寝たきりとなり、2014年12月に3歳8カ月で死亡しました。

 昨年3月の1審・京都地裁判決は、院長が合理的な理由がないのに多量の陣痛促進剤や高濃度の麻酔薬を投与し、分娩中に胎児の状態を確認する装置を使用しなかった過失があると認定しましたが、脳性まひとの因果関係は認めず、請求を棄却。両親が控訴し、大阪高裁が昨年9月に和解を勧告していました。

 和解条項では、和解金を7400万円とした上で、出産事故に関する公的な補償金制度で両親に支給された1560万円を和解金から差し引き、産婦人科側には5840万円の支払い義務があるとしました。両親が産婦人科側の刑事責任を問わないことも盛り込まれました。

 ふるき産婦人科では、2012年と2016年にも母子2組が麻酔後に重度障害を負う事故があり、いずれも京都地裁で損害賠償請求訴訟が起こされています。うち1組の家族が院長を業務上過失致傷容疑で刑事告訴しましたが、不起訴(嫌疑不十分)となっています。

 2019年1月8日(火)

 

■男性向けの尿漏れ専門の外来を開設  関西医大病院、日本で初

 関西医科大学附属病院(大阪府枚方市)は7日、前立腺がんなどの手術後に起きる男性の尿漏れを専門に診る「男性尿失禁外来」を開設したと発表しました。病院によると、こうした専門外来は日本の医療機関で初めてといいます。

 自分の意思と関係なく尿が漏れてしまう「尿失禁」は女性に多く、国内の40~50歳代女性の2~3人に1人が経験しているとの研究もあります。一方、男性は女性より尿失禁は少ないものの、前立腺がんの手術後に尿失禁に悩む人が1万人以上いるとされます。

 新たに開設した外来では、通常の泌尿器科では対応が難しい術後の重症患者を主な対象にします。前立腺の摘出手術は国内で年間約2万件あり、多くの患者が尿漏れを経験します。1年後にはほとんどの人が改善しますが、深刻な状況が続く人が1~3%いるといいます。

 尿を止める筋肉や神経が傷付くことが原因で、重症の場合、尿漏れをしにくくする人工尿道括約筋を体内に植え込む手術もありますが、この手術ができる医療機関は限られているといいます。

 関西医科大学附属病院腎泌尿器外科の木下秀文教授は会見で、「専門外来ができることで、これまで悩んでいた人たちに正確な情報を発信することができる。正しい治療を行うことで患者の生活を大きく改善できるはずだ」と話しています。

 会見には実際に人工尿道括約筋を装着している男性も出席し、「尿漏れがひどいと外出もできなかったです。同じ悩みを抱える人にも勧めたいです」と話していました。

 男性尿失禁外来は毎月奇数週の土曜日午前。問い合わせは大学病院の代表072・804・0101。

 2019年1月8日(火)

 

■風疹の新規患者、16週ぶりに100人を下回る84人 累計患者は2806人

 国立感染症研究所は8日、風疹の患者が昨年12月17~23日の1週間で新たに84人報告されたと発表しました。週当たりの新規患者が100人を下回ったのは、昨年8月27日~9月2日以来16週ぶり。

 流行が落ち着きつつある様子がうかがえます。ただし、2012~13年の流行時には、新規患者数が一度減った後に再び増加に転じたこともあります。国立感染症研究所は引き続き、免疫の有無を調べる抗体検査や、免疫状態の低い人のワクチン接種を呼び掛けています。

 都道府県別では、依然として東京都が最多で19人。以下、多い順に神奈川県14人、千葉県と福岡県9人、茨城県と兵庫県4人。

 2018年の累計患者数は、2806人となりました。都道府県別の累計患者数では、多い順に東京都920人、神奈川県387人、千葉県376人、埼玉県183人、福岡県160人、愛知県119人、大阪府115人。

 2019年1月8日(火)

 

■東京都、インフルエンザ流行注意報を発表 昨シーズンより2週間遅く

 東京都内でインフルエンザの患者が急激に増えていることから、東京都は8日、インフルエンザの「流行注意報」を発表し、こまめな手洗いなど対策の徹底を呼び掛けています。

 東京都によりますと、12月30日までの1週間に都内の419の医療機関から報告されたインフルエンザの患者の数は1つの医療機関当たり11・53人で、前の週のおよそ1・5倍になりました。このため、都は今後大きな流行に拡大する恐れがあるとして、8日、インフルエンザの流行注意報を発表しました。

 都内に流行注意報が出るのは、昨シーズンより2週間遅いということです。

 自治体別では、最も多いのが荒川区で17・29人、次いで八王子市が15・94人、大田区が15・81人などとなっています。また、都内では、12月30日までに213の幼稚園や小中学校で学級閉鎖などの措置がとられたということです。

 これまで検出されたウイルスを分析したところ、10年前に「新型インフルエンザ」として世界的に流行した「H1N1型」が全体の71%を占めているということです。

 東京都は、こまめな手洗いのほか、せきやくしゃみが出る場合にはマスクを着用を心掛けるなど、対策の徹底を呼び掛けています。

 このほか、関東の各県では神奈川県と埼玉県、群馬県で8日、インフルエンザの「流行注意報」が発表されました。

 2019年1月8日(火)

 

■胎児の染色体異常を調べる羊水検査、2015年から減少 新型出生前検査利用で

 胎児に染色体異常があるかどうかを確認する羊水検査の実施数(推計)が、2015年以降、減少に転じていたことがわかりました。

 妊婦の高齢化を背景に、2014年までの10年は増加の一途でした。採血だけで調べられる新型出生前検査の登場により、新型検査で陰性の場合、母体に負担の大きい羊水採取をしなくてすむようになったためとみられます。

 羊水検査は妊婦の腹部に針を刺して子宮内の羊水を採るため、0・3%の確率で流産の恐れがあります。しかし、染色体異常が起こりやすい高齢妊娠の広がりとともに実施数は増加し、国立成育医療研究センターなどの推計によると、2014年は最多の2万700件に上りました。

 ところが、2015年に2万100件と減少に転じ、2016年は1万8600件とさらに現象しました。胎盤組織を採取し、染色体異常を調べる絨毛(じゅうもう)検査も2016年は減少していました。

 新型出生前検査は2013年4月に臨床研究として始まり、現在92病院が参加。参加病院の多くが加入する団体によると、2018年9月までの5年半に6万5265人が新型検査を受けました。

 対象は35歳以上や、過去に染色体異常の子供の出産歴がある妊婦らで、母親の血液に含まれる胎児のDNA断片からダウン症など3つの病気の可能性を調べます。新型出生前検査で陽性の場合、羊水検査や絨毛検査で最終確認が必要ですが、陰性なら行いません。

 昭和大学病院産婦人科の関沢明彦教授は、「新型検査が浸透すれば、妊婦の負担を最小限に抑え、流産のリスクも減らすことができるだろう」と話しています。

 2019年1月7日(月)

 

■子供の誤飲事故、たばこが4年連続で最多 厚労省調査

 2017年度中に各地の小児科から報告された子供の誤飲事故を分析した結果、たばこが原因だったケースが23・0%を占め4年連続で最多となったことが、厚生労働省の調査で12月30日までにわかりました。

 厚労省は、「子供の手の届く場所に放置したり、空き缶やペットボトルを灰皿代わりにしたりするのは絶対に避けるべきだ」と呼び掛けています。

 国立成育医療研究センター総合診療部(東京都世田谷区)など全国8カ所のモニター病院から寄せられた家庭用品などによる健康被害情報を分析。2017年度に子供の誤飲事故は640件報告され、原因はたばこが最多で147件でした。灰皿のたばこを食べたり、吸い殻を入れていたお茶の飲み残しを飲んだりするケースがありました。

 たばこ以外の原因は、医薬品・医薬部外品92件、食品類72件でした。

 年齢別では、ハイハイやつかまり立ちを始める「6~11カ月」が最多。「12~17カ月」と合わせ、1人で室内を移動できるようになる1歳前後の乳幼児が9割に上りました。

 たばこを誤って口に入れた場合、水などを飲ませるとニコチンが吸収されやすくなる恐れがあるといいます。厚労省の担当者は、「飲み物を与えず、直ちに病院を受診してほしい」と話しています。

 2019年1月7日(月)

 

■未承認の医薬品医療機器の個人輸入、麻薬取締官に捜査権限 厚労省が法規制を整備へ

 インターネットの普及で急増している未承認の医薬品などの個人輸入について、厚生労働省が近年目立つ偽造薬の流通や健康被害を防ぐため、法規制を整備する方針を固めたことが6日、わかりました。偽造薬を水際で食い止めるなど個人輸入を厳格に監視・管理ために、税関との連携を強化し、麻薬取締官に捜査権限を付与することを検討します。次の通常国会に医薬品医療機器法の改正案を提出することを視野に入れています。

 医薬品や医療機器、化粧品を営業目的で輸入する場合、厚労相や都道府県知事の承認・許可が必要になります。個人が自ら使用するために輸入する場合は、厚労省局長通知に基づき、地方厚生局に商品説明や医師の処方箋などを提出。他に転売や譲渡しないことを確認した上で、通関時に必要な確認済輸入報告書(薬監証明)を取得しなければなりません。ただし、2カ月分など個人で使用することが明らかな数量である場合は、薬監証明を得る必要がありません。

 個人輸入は近年急増しており、厚労省によると、薬監証明を得た個人輸入は2010年度に1303件、2851品目だったのが、2017年度は4450件、1万1159品目で、品目だけでも約4倍に膨れ上がりました。

 一方で、偽造薬や健康への被害も目立つようになりました。厚労省は2015年までの5年間で、日本向けに広告している海外サイトから製品を買い上げて分析した結果、表示と異なる医薬品成分が含まれる偽造薬が約3割あることを把握しました。2018年4月には、インターネットで「インド製」と表示された経口妊娠中絶薬を個人輸入し、服用した20歳代の女性が多量の出血やけいれん、腹痛などの健康被害を訴えました。2002年には中国製ダイエット食品を輸入し、4人が死亡したケースもあります。

 国際刑事警察機構(ICPO)は2014年に、「世界的な組織犯罪グループが偽造薬の製造や流通に関与している」との報告書をまとめており、厚労省が対応に乗り出しました。

 厚労省は、薬監証明制度の根拠が局長通知レベルにとどまっていることから、法令上の位置付けを明確化することを検討。偽造薬の流通を防ぐとともに、個人輸入の医薬品が正規ルートに入ることを防止します。

 その上で手続き違反や取り締まりに当たって、輸入制限を可能にするための法令を整備します。不正ケースに対する捜査の主体については、薬事規制当局である厚労省の麻薬取締官や都道府県の麻薬取締員が最適と判断しています。

 2019年1月7日(月)

 

■眼鏡で初の定額制、月2100円で掛け替え可能 メガネの田中が全国116店に導入

 メガネの田中(広島市中区)は4月1日から、毎月一定の料金を払うことで眼鏡を掛け替えられる定額制サービスを始めます。洋服などさまざまな業界で「サブスクリプション」(定額制)サービスが広がる中、眼鏡チェーンでは全国初の取り組みで、新規需要の開拓を狙います。

 定額制サービスは「なりたい自分になる」という考え方から「ニナル」と名付け、同社が全国14都府県に展開する116店で導入。利用者は月額2100円(税抜き)で、数百種類の中から眼鏡かサングラスを1本選べます。3年間の契約期間中、フレーム3本、レンズ3組をそれぞれ、いつでも交換できるといいます。

 対象のフレームは、高価格帯とされる3万円台を中心にそろえ、毎回新品を用意します。レンズも交換の度に視力を合わせます。子供向けに月額1800円(税抜き)で、視力の変化や体の成長に合わせてフレームやレンズの交換が無制限のサービスも同時に開始します。

 メガネの田中の調査では、眼鏡を選ぶ際に色やデザイン、形にこだわりたい人が多いものの、実際の購入時は無難なデザインや従来と同じタイプを選ぶ人が多いといいます。担当者は、「今までにないデザインの眼鏡を選び、新年度の学校や職場を新たなイメージで迎えてほしい」とPRしています。

 2019年1月6日(日)

 

■見付けにくいがんを血液や尿で早期発見 検査技術の開発が相次ぐ

 早期に発見することが難しい膵臓(すいぞう)がんや腎臓(じんぞう)がんを、血液や尿で調べる技術開発が相次いでいます。千葉県がんセンターは尿から膵臓がんの目印を見付ける技術を開発し、大阪大学は血液中の4種類の物質をもとに、85%の精度で膵臓がんの患者を見分ける手法を作りました。

 また、がん研究会と大阪大学は、腎臓がんの検査の目印を見付けました。それぞれ健康診断などの簡易検査で実用化できれば、早期治療や生存率向上につながります。

 膵臓がんは発見しにくく、6割以上の5年生存率を見込める「ステージ1」などの早期に見付かる患者は1割という報告があります。腎臓がんも血液検査での目印がなく、8割が別目的の検査で見付かっており、がんが大きくならないと自覚症状がありません。

 磁気共鳴画像装置(MRI)など高価な装置で調べる方法もありますが利用が限られ、安く簡便な検査法が求められています。

 千葉県がんセンター外科の星野敢主任医長と石毛文隆医長は、がんから尿へ出るRNA(リボ核酸)の一種を目印に、膵臓がんを見付ける技術を開発しました。13人の患者と30人の健康な人を対象にした実験では、7割強の精度で患者を見分けることができました。

 実用化には9割の精度が必要とみており、複数の目印を組み合わせるなどの改良を行い。企業に働き掛けて実用化を目指すといいます。

 大阪大学の土岐祐一郎教授と秋田裕史助教は、血液中の4種類の脂質から膵臓がんを調べる手法を開発しました。116人の患者と138人の健康な人で試すと、患者を見分ける精度は85%でした。秋田助教は、「精度は有望な水準にある。より多くの症例で確かめたい」と話しています。

 がん研究会の植田幸嗣プロジェクトリーダーと大阪大学は、がんが血液中へ出す微粒子に着目。その表面にある分子の「AZU1」を目印に、腎臓がんを見付ける手法を作り、初期のがんの患者でも半数以上を検出できました。東ソーが診断装置を作製しており、1~2年後の臨床試験(治験)を目指しています。

 血液や尿からがんを早期に見付ける検査技術の開発には、島津製作所や日立製作所などの企業が積極的に取り組んでいますが、乳がんや大腸がんなど患者数が多いがんが中心です。

 2019年1月6日(日)

 

■訪日客など外国人患者の診察時に通訳費を加算へ 厚労省方針

 厚生労働省は、通訳の確保など医療行為以外のコストのかかる外国人の診察に関し、コスト分を患者に転嫁できるよう算定の目安を定めます。訪日客など外国人患者は今後も増える見通しで、厚労省は医療機関の経営への影響などを考慮し、今年度中に、患者にコスト分を請求する際の算定方法などの具体例を示します。

 厚労省が「月50人の外国人患者のある中規模病院」を想定し、医療行為以外にかかる追加コストを試算したところ、「ウェブサイトの多言語対応など初期費用」に50万~200万円、「通訳や外国語対応できる看護師の確保など運営費」に年1800万~2600万円がかかります。患者1人当たり3万~5万円に相当します。

 だが、厚労省の2016年の調査によると、8割の医療機関が外国人患者に追加コスト分を請求していませんでした。一方で、通常の医療費の2~3倍に設定しているケースもあり、国民生活センターに「喉に刺さった魚の骨を大学病院で取り除いてもらったら5万円近くも請求された」と中国人からの苦情が寄せられました。

 4月には外国人A労働者受け入れを拡大する改正出入国管理法の施行も外国人患者増加の要因になりそうで、厚労省は、放置すれば地域医療の混乱を招きかねないと判断。患者の理解を得られるような方策を示します。追加コストに基づく患者負担の積算方法を示すことなどが想定されます。

 2019年1月5日(土

 

■リンゴ病が首都圏や東北地方で流行中 妊婦感染で流産の恐れ

 両頬が赤くなることからリンゴ病とも呼ばれる「伝染性紅斑」が、首都圏や東北地方を中心に流行しています。主に子供がかかり自然によくなることが多い一方で、妊婦が感染すると胎児に悪影響を及ぼし、流産や死産につながる恐れもあり、注意が求められています。

 リンゴ病の原因はヒトパルボウイルスB19で、感染した人の唾液、たん、鼻の粘液などに触れ、それが自分の口や鼻の粘膜に付いたり、せきの飛沫を吸い込んだりして広がります。10日から20日ほどの潜伏期間の後に発熱やせき、くしゃみなど風邪と似た症状が現れるほか、両頬に赤い発疹、手や足に網目状の発疹が現れます。

 小児が感染しても、ほとんどが重症化せずに軽快します。成人では、頬の赤い発疹などの特徴的な症状が出ることは少ないものの、強い関節痛のために歩けなくなることもあります。妊婦が感染すると、本人には全く症状がなくても胎盤を介して胎児に感染し、流産や死産となる可能性があります。

 国立感染症研究所が全国約3000の小児科定点医療機関から受けている患者報告によると、週当たりの患者数は2018年は10月ごろから増え始めました。その後、近年で最も多い水準で推移しています。

 都道府県別では、最新のデータ(12月10~16日)で1医療機関当たりの患者が最も多いのは宮城県(5・64人)。以下、東京都(2・05人)、埼玉県(1・98人)、新潟県(1・91人)、岩手県(1・87人)、神奈川県(1・45人)、山梨県(1・33人)と続いています。全国平均は0・88人。

 妊婦については厚生労働省研究班が流行した2011年に全国調査したところ、母親から胎児への感染が69例報告され、うち流産が35人、死産14人、中絶3人。感染者の約半数は自覚症状がありませんでした。半数以上の人は家族や子供が発病しており、家庭内での感染に注意する必要があります。

 かずえキッズクリニック(東京都渋谷区)の川上一恵院長によると、東京都でも昨年秋ごろからはやっているといい、「発病前に感染が広がるので予防の難しい面もあるが、妊婦さんは人混みに出るのを控え、出掛ける時はマスクの着用を心掛けてほしい」と話しています。

 2019年1月5日(土

 

■ユニクロ、脱プラスチックの買い物袋を導入へ 2019年にも世界2000店舗で

 ストローから始まった企業の脱プラスチックの取り組みが、世界の大手アパレル企業に広がり始めました。ファーストリテイリング傘下のユニクロは、日本を含む世界2000店舗で使うレジ袋や商品の包装材を全面刷新します。スペインのZARAも2019年以降、日本の店舗で紙製のレジ袋に順次切り替えます。環境問題への対応によって企業を選別する動きが投資家や消費者の間で広がっており、環境重視の経営を進めていきます。

 日本企業の脱プラスチックの動きは、これまで外食店でのストローが中心でした。ただ、消費者から出る年400万トンの廃プラスチックのうちストローはごくわずかであり、買い物袋やスーパーなどで使うレジ袋のほうが圧倒的に量が多いため、アパレル企業の取り組みが定着すれば脱プラスチックの実効性が上がります。

 ユニクロが世界で顧客に提供する買い物袋は、年間数億枚になります。すでにヨーロッパなど環境規制が厳しい一部地域では、紙製の袋に切り替えましたが、大半の店舗ではプラスチック製の袋を使っています。

 約830店を展開する日本を含め世界規模で脱プラスチックを進めるため、新たな素材の活用など実験・検証を始めました。レジ袋だけでなく、年間で約1億枚を販売する機能性肌着「ヒートテック」の包装材なども見直しの対象とします。

 レジ袋では、微生物が分解できる生分解性プラスチックや、紙など複数の素材を対象に、コストと環境対応の観点から切り替えが可能か検討します。導入当初は一定のコスト増を容認するとみられますが、コスト低減に向けた研究も続けます。すでに試作品を作っており、安全性や安定性に加えて消費者の反応を踏まえて切り替え時期を判断するといいます。

 ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、「サステイナビリティー(持続可能性)はあらゆる企業にとって最大の課題」と指摘。投資家が環境問題などへの対応を重視する「ESG投資」で選ばれるようにします。「コストが高いから対応しないでは業界のリーダーになれない」としており、基本的には全世界で統一する方針です。

 ZARAを展開する衣料品世界首位のインディテックスは、日本でプラスチック製の買い物袋から紙製に切り替える計画です。現在はビニールバッグと紙製バッグを使い、靴やかばんなどの商品をビニールバッグで包装しています。2019年以降に、紙製に一本化したい考え。

 スウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は2018年11月、日本で買い物袋を紙製に切り替え、有料にすると発表。国内88店で使う買い物袋を順次、紙製にします。

 良品計画も、2019年春に開店する東京・銀座の「無印良品」で紙製を使い、利用客の反応をみて他店への拡大を検討します。

 2019年1月5日(土

 

■新型がん免疫薬「CAR―T」の治験開始へ 武田薬品が固形がんを対象に

 武田薬品工業は4日、新型のがん免疫療法として知られる「CAR―T」の臨床試験(治験)を今年中にも開始すると発表しました。国内スタートアップ企業から全世界での開発権を獲得しました。武田がCAR―TCの治験を行うのは初めて。がん分野のパイプラインを強化し、世界大手との競合に挑みます。

 治験を開始するのは、国立がん研究センター・山口大学発スタートアップ企業のノイルイミューン・バイオテック(東京都中央区)が保有する候補品で、固形がんを対象としています。武田は2017年9月から同社と共同研究を進めており、今回の契約につながりました。

 CAR―Tは「キメラ抗原受容体T細胞」の略で、免疫を担うT細胞の遺伝子を操作して、がんを見付ける能力を高めたもの。スイス製薬大手ノバルティスファーマの「キムリア」が世界初の製品として2017年にアメリカで実用化し、1回5000万円以上の超高額な薬価が話題となりました。日本では承認申請中です。

 CAR―Tを開発する企業は世界的に増えており、製薬大手が開発を手掛けています。日本でも第一三共や小野薬品工業、タカラバイオなどが参入して、治験やスタートアップ企業との提携を進めています。

 CAR―Tは一般に、白血病やリンパ腫などの血液がんには高い効果を発揮するものの、肺がんや乳がんなどの固形がんでは効果不十分でした。ノイルイミューン・バイオテックのCAR―Tは、山口大の玉田耕治教授が開発した技術を活用し、免疫を活性化する成分を出すよう改良を加えてあり、固形がんへの攻撃力を高めています。

 同様の改良を加えたCAR―Tが世界では複数登場しており、開発競争が激化しつつあります。武田は早期に固形がんへの効果を実証し、この領域で主導的な立場を狙う考えです。

 2019年1月4日(金)

 

■がん遺伝子変異、加齢で増加 飲酒・喫煙が促進、京大などが裏付け

 がんの原因になり得る遺伝子の変異は、健康な人でも多く起き、それは加齢や飲酒、喫煙によって増えるとの研究報告を、京都大学や東京大学などの研究チームがまとめました。加齢や飲酒、喫煙が、がんのリスクを高めることは統計学的な傾向で明らかになっていますが、遺伝子レベルでも裏付けられた形です。

 研究報告は2日付で、イギリスの科学誌「ネイチャー」(電子版)に掲載されました。

 研究チームは、喫煙や飲酒とがんの関連が大きいとされる「食道」に着目。23~85歳の食道がん患者を含む134人について、がんになっていない「正常な食道上皮の組織」を採取。自身の血液細胞の遺伝子と比較し、遺伝子の変異がどれほど起きているか、網羅的に調べました。

 その結果、134人のうち食道がんの患者は全員で、健康な場合も94%の人で、何らかの遺伝子の変異がみられました。がん患者かどうかにかかわらず、変異の数は加齢に伴って増加。飲酒や喫煙の習慣がある人は、ない人に比べて、変異の数が増すペースが統計的に有意に高まっていました。がんとの関連が深いとされる「がん関連遺伝子」でも、同様の傾向がみられました。

 ただし、がん細胞で一般的にみられる遺伝子変異のパターンとは異なる部分もあったといいます。

 研究チームの小川誠司・京都大教授(腫瘍(しゅよう)生物学)は今回の研究成果について、「がんの初期の発生を解き明かす大きな手掛かりだ。一方で、(正常な細胞が)がんになるにはまだ段階があり、飲酒や喫煙をしない人はそれほど心配することはない」と話しており、早期診断や予防につなげたいといいます。

 研究チームによると、がんは細胞の特定の遺伝子に異常が生じ、増殖することで発症します。加齢に加え、生活習慣によってリスクが高まるとされますが、詳細メカニズムは不明。

 2019年1月3日(木)

 

■昨年夏の猛暑、地球温暖化なければ起こる確率0%だった 気象研究所などがスパコンで分析

 気象庁気象研究所(茨城県つくば市)と東京大学大気海洋研究所の研究チームは、国内の昨年の記録的な猛暑は地球温暖化の影響がなければ、ほぼ起こらなかったとする分析結果をまとめました。

 地球温暖化が進むと、熱波や豪雨などの異常気象が増加すると予測され、個々の異常気象に地球温暖化がどう影響しているか分析する研究が進んでいます。研究では、温暖化が進む実際の地球と、温暖化が起こっていない架空の地球の気温などをスーパーコンピューターで再現して比較します。

 研究チームは今回、温暖化なしのケースでは温暖化の原因となる二酸化炭素の濃度や海面水温などを産業革命前のデータを使って計算。日本で昨年のような高温が発生する確率を比較しました。温暖化ありのケースでは昨年以上の高温は19・9%の確率で発生しましたが、温暖化なしのケースではほぼ0%でした。

 また、昨年夏の西日本豪雨について、降雨量への温暖化の影響も分析。6月28日~7月8日の東海から九州までの地域全体の平均的な降水量は、1980年以降の気温上昇がなかった場合と比べ、6%程度増えた可能性があることもわかりました。

 特定の豪雨に対し、温暖化がどれくらい影響していたか示されるのは今回が初めてです。東京大学大気海洋研究所の渡部雅浩教授は、「6%増加というとたいした数字ではないようだが、それだけ雨量がかさ上げされたことによってより強い雨が広域で続くことにつながったと考えている」と話しています。

 昨年は、埼玉県熊谷市の気温が観測史上国内で最も高い41度1分に達したほか、東日本の6~8月の平均気温が1946年の統計開始以降最も高くなりました。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」では産業革命前からの世界の平均気温の上昇幅を2度未満にすることを目指していますが、すでに1度程度上昇しています。

 今田由紀子・気象研究所主任研究官は、「温暖化が進み1・5~2度上昇すれば、過去数回しか経験したことがないような猛暑が当たり前になる可能性がある」と指摘しています。

 2019年1月3日(木)

 

■小児がん治療で抗体を失った子供へのワクチン再接種に助成広がる 大阪市や京都市など90市区町村

 小児がん治療に伴って骨髄移植の手術を受けたなどの影響で、治療前に受けた定期予防接種ワクチンの抗体が失われてしまった子供を対象に、再接種の費用を独自に助成する自治体が増えています。予防接種法で公費補助は1回だけで、再接種は個人の全額自己負担となる中、患者側の負担が大きいとして患者団体などが助成を求めており、国も制度改正の検討を始めました。

 「健康面も家計の面も、不安が大きかった」。愛知県豊橋市の女性(38歳)の長女(9歳)は、1歳の時に肝臓に腫瘍ができる小児がんになり、肝臓移植を受けました。長女は2歳で退院しましたが、今も免疫抑制剤の服用が必要です。風疹やはしかの抗体ができにくく、何度も予防接種を受ける必要があります。

 女性は入院に付き添い、ドナーとなった夫も会社を休みました。収入が減る一方で、再接種の費用のほか、交通費や食費などで増えた出費は計200万円近くに上ります。

 女性は別の自治体で再接種への助成制度があることを知り、豊橋市に要望。豊橋市は昨年4月から、小児がん治療を受けている子供を対象に助成を始めました。女性は「再接種が必要な子は全国にいる。制度が広がってほしい」と願っています。

 風疹やはしかなど定期予防接種は、予防接種法に基づいて市町村と特別区が実施。費用の約9割を国が負担し、ほとんどの自治体では無料です。予防接種法の施行令で、小児がんによる長期療養などで定期予防接種を対象年齢内に受けていない場合は、回復後2年以内は接種時の助成が可能となっています。しかし、一度接種を受けた後の再接種は、1種類のワクチンにつき1人1回の助成の原則を超えるために対象外となってしまいます。

 しかし、小児がんなどの治療で、骨髄移植など造血幹細胞移植を受けると、一度得た抗体が高い確率で消失します。抗がん剤治療や免疫抑制剤の服用で抗体が弱まるケースもあります。

 1年間で新たに小児がんと診断される子供は全国で約3000人。造血幹細胞移植例(20歳未満)は年550~650例とされます。すべての定期予防接種の対象ワクチンを再接種した場合、10万~20万円以上が必要で、患者の家族らが法改正や助成を求めてきました。

 厚生労働省が昨年秋に、初めて実施した調査では、昨年7月時点で、大阪市や名古屋市、京都市、新潟市、浜松市、堺市など90市区町村が助成を実施し、そのうち28自治体が全額補助していました。83自治体が近く助成を始める予定で、238自治体も実施を検討しています。

 全国に先駆けて、6年前に制度を始めた東京都足立区では、病気治療で抗体が消失し、医師の証明が出たケースに助成。担当者は「がんの子供を支える家庭の経済的負担を少しでも軽減したい」といいます。

 多くの自治体で、造血幹細胞移植の患者を助成の対象としていますが、抗がん剤治療は「免疫が消失することが医学的に実証されていない」として対象から除外している自治体もあります。

 大阪府池田市の女性(40歳)の長男(9歳)は2年前に白血病になり、抗がん剤治療で寛解しましたが、昨年10月に水ぼうそうが重症化して入院。7年前に接種したワクチンの抗体が、抗がん剤治療で失われたとみられるものの、池田市では助成の対象外です。女性は「感染を広めないために、再接種は重要。対象に加えてほしい」と求めています。

 「国が対応すべき課題」として、助成を見送る自治体もあります。厚生労働省は「今後、法改正の必要性や制度の在り方について、厚生科学審議会で検討していく」としています。

 2019年1月2日(水)

 

■千葉大発のバイオベンチャー、遺伝子治療の治験開始へ 今年の春にも

 千葉大学発のバイオベンチャーのセルジェンテック(千葉市中央区)は、遺伝子治療の臨床試験(治験)を今年春にも国内で始めます。患者から取り出した脂肪細胞に必要な遺伝子を入れて体内に戻す治療法で、同様の治療法は国内ではまだ認められていません。治験は千葉大と共同で進め、成功すれば血友病などさまざまな病気にも応用する方針です。

 まずはコレステロールが体内に大量に蓄積する状態を引き起こすまれな遺伝性の病気「LCAT(エルキャット)欠損症」を対象にします。遺伝子が欠けているために、患者が若くても腎不全や角膜混濁などの症状につながる特徴があり、根治する方法は現在ありません。

 欠けている遺伝子を入れた脂肪細胞を患者に移植すると、細胞が必要な酵素「LCAT」を安定して出し、症状が改善する仕組み。脂肪細胞の寿命は10年ほどといわれており、数年間は効果が持続すると考えられています。

 LCAT欠損症は日本で20人ほどの患者がいます。3人の患者を対象に治験を実施し、2020年にも再生医療・遺伝子治療用細胞医薬品としての承認を申請する方針です。この治療法に対して、セルジェンテックは日本医療研究開発機構(AMED)の補助を受けています。

 使う遺伝子を変えれば糖尿病、血友病、ライソゾーム病などの疾患に応用可能で、セルジェンテックでは血友病向けの開発を進めています。血友病は年間数百万~数千万円の薬剤費がかかり、その代替法として遺伝子治療への期待が高まっています。

 セルジェンテックは2003年設立。日水製薬(東京都台東区)が出資し、同社と共同で細胞培養などの技術を研究しています。

 2019年1月2日(水)

 

■餅をのどに詰まらせ10人搬送、うち80歳代の1人死亡 東京都内

 東京都内で1日午前0時から午後4時までに、餅をのどに詰まらせる事故で27~98歳の男女10人が病院に救急搬送され、うち1人が死亡しました。東京消防庁が1日、発表しました。

 同庁によると1日午前10時10分ごろ、昭島市に住む80歳代の男性が、自宅でお雑煮の餅をのどに詰まらせて心肺停止の状態になり、その後に病院で死亡が確認されました。50~80歳代の男女計4人も重篤になっているといいます。

 同庁は窒息事故を防ぐポイントとして、餅は小さく切る、ゆっくりとかんで飲み込む、高齢者や乳幼児の食事には注意を払う、応急手当ての方法を理解するなどの点に気を付けるよう、注意を呼び掛けています。

 2019年1月1日(火)

 

■安く早く酔えるストロング系缶チューハイに人気 アルコール依存症に陥るリスクも

 スーパーやコンビニで売られる缶チューハイは1缶100円程度と手軽で、年末年始の家飲みでも主役となりそうです。元来は低アルコール飲料として人気を集めましたが、近年はアルコール度数7~9%と高めのストロング系が、「安く、早く酔える」と支持されています。その一方で、気軽なイメージで飲みすぎてしまうリスクに、専門家は警鐘を鳴らしています。

 缶チューハイやハイボール、カクテルなどは、RTD(Ready to drink、炭酸水などで割らずにすぐ飲める酒)と呼ばれ、ここ20年、市場が拡大しています。中でも人気を引っ張っているのが、アルコール度数4度~7度が一般的だった缶チューハイのストロング系商品。調査会社インテージによると、2017年のRTD市場売り上げの半分強をストロング系が占め、4年前の2倍近くになりました。現在の主流は9%で、今年はワインの度数に匹敵する12%のチューハイも発売されました。

 切っ掛けとなったのは、キリンビール(東京都中野区)が2008年に発売したアルコール度数8%の「氷結 ストロング」。同社マーケティング本部の名郷根宗(なごうねたかし)さんは、「2008年はサブプライムローン問題やリーマン・ショックの影響で、国内でも節約志向が強かった。1缶で飲みごたえがあり、缶ビールの約半額というお得感が時代のニーズをとらえた」と話しています。

 実際、同社が2017年に「缶チューハイを購入する時の選び方」について300人に複数回答でアンケートを行ったところ、「よりコストパフォーマンスがよいもの」と答えた人が66%でした。

 国内で缶チューハイの先駆けとなったのは、1984年に宝酒造(京都市下京区)が発売した「タカラcanチューハイ」。酒類の消費動向などを調査し、専門誌を発行する酒文化研究所(東京都千代田区)の山田聡昭(としあき)さんは、「街の酒場でのチューハイブームを受けて作られ、辛口テイスト。焼酎ベースで、中高年男性の酒というイメージだった」と振り返っています。

 イメージががらりと変わったのは2000年代。ビール各社が参入し、ベースを焼酎からウオツカなどに変更。アルコール度数は5%前後で果汁感も強め、女性も手に取りやすいよう缶デザインにもこだわり、愛好者の裾野が広がりました。

 大手メーカーによるビール類の総出荷量は13年連続で減少しており、各社はチューハイなどのRTDに一段と力を入れています。酒文化研究所の山田さんは、「ブドウや米から時間をかけて作るワインや日本酒などと異なり、原酒と香料などの組み合わせで作るRTDは商品開発がしやすい」とメーカーの利点も指摘しています。

 果汁感の強さや炭酸の爽快感、カラフルな缶のデザインで「軽い酒」とイメージしがちな缶チューハイ。しかし、ベースは焼酎やウオツカなどで、ストロング系となると度数は7%以上です。9%のチューハイ(350ミリリットル)の純アルコールは約25グラムで、厚生労働省が1日の「節度ある適度な飲酒」の量とする「純アルコール20グラム程度」を1缶で超えてしまいます。

 アルコール専門外来がある「慈友クリニック」(東京都新宿区)の中田千尋院長は、「近年、アルコール依存症と診断される患者さんの多くに、ストロング系がかかわっている印象を受ける」と話しています。

 以前は、患者が「よく飲む酒」としてカップ酒やペットボトル入り焼酎が挙がりましたが、今はストロング系缶チューハイを何缶も飲んでいると話すケースが急増。また、一般的な350ミリリットルではなく、ロング缶と呼ばれる500ミリリットルを選んでいる人が多いといいます。

 慈友クリニックでは、「1人で時間の切れ目なく酒を飲む日が、連続2日以上あること」をアルコール依存症の診断基準の一つとしています。中田院長は、「低価格でどこでも手軽に買えるチューハイなどが、絶え間ない飲酒を招く恐れがある」と指摘しています。

 特に、女性は注意が必要になります。RTDはレモン・グレープフルーツ・桃・ぶどう・オレンジなどの果汁感が強く爽快感があるものや、甘めのものを各社が競って発売しており、男性よりも女性に高い人気を呼んでいます。「個人差もあるが、男性と比較し、女性の代謝能力は約半分。十分注意してほしい」と中田院長。

 アルコール依存症の治療で知られる国立病院機構・久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)によると、アルコールの分解は、肝臓・心臓・筋肉などの働きに左右されます。女性は、一般的に男性よりも体が小さく、肝臓のサイズも比例することや、体脂肪が多い分、筋肉量が少ないので、分解にも時間がかかりやすいといいます。

 NPO法人「ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)」では、女性をターゲットにしたアルコール商品のCMや、缶ラベルに果物などをあしらい、清涼飲料のような印象を招くパッケージデザインについて、酒類メーカーに改善を求めています。

 中田院長は、「早く酔いたいと、より高い度数を選ぶことが習慣化している人は注意してほしい」と呼び掛け、含まれるアルコール量についての知識を持つよう訴えています。

 2019年1月1日(火)

 

■3日程度の診療用の水確保を災害拠点病院などに要請へ 病院の2割で災害設備が不十分

 全国の災害拠点病院など主な病院の約2割が、機能を3日程度維持するのに必要な発電や給水設備を備えていないことが、厚生労働省の調査でわかりました。

 西日本豪雨や北海道地震など大災害が相次いだため、政府は重要インフラ(社会基盤)の緊急点検を実施。736カ所の災害拠点病院に、救命救急センターと周産期母子医療センターを加えた822病院を調べました。

 それによると、必要な非常用自家発電設備を持っていないのは157病院(うち災害拠点病院125カ所)。給水設備では207病院(同179カ所)でした。

 災害拠点病院は2012年に指定要件が改正され、3日分程度の燃料確保や適切な容量の受水槽の保有が義務付けられました。

 主な病院の25%に当たる207病院に必要な給水設備がないことが判明した事態を受け、厚生労働省は12月20日、医療提供が特に求められる災害拠点病院、救命救急センター、周産期母子医療センターに対し、診療を3日程度維持できる水の確保を求める方針を決めました。

 この日の専門家会合で厚労省が提案し、了承されました。医療現場では人工透析や洗浄、清掃などで大量の水を使います。昨年7月の西日本豪雨では大規模な断水が生じ、診療できなくなったり、自衛隊などから給水を受けたりする医療機関が相次ぎました。厚労省は今後、受水槽や地下水設備の増設に必要な経費を補助していきます。

 東京医科歯科大学の大友康裕教授(救急災害医学)は、「改正前に指定された病院で、要件を満たしていないところが多いのだろう。この機会に必要な設備を整えるべきだ」と話しています。

 2019年1月1日(火)

 

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