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健康ダイジェスト

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■脳死患者からの臓器提供 97年の移植法施行後100例目

 日本臓器移植ネットワーク(移植ネット)は30日、東北大病院に入院中の30歳代の男性が、改正臓器移植法に基づいて脳死と判定され、臓器提供の手続きに入ったと発表しました。

 7月の改正法本格施行後、本人の意思が書面で残されておらず、家族の承諾だけで提供されるのは13例目。1997年の臓器移植法施行後、脳死の人からの臓器提供は今回が100例目となり、13年で節目を迎えました。

 旧法下では、脳死での臓器提供に本人の書面による意思表示を必要としており、脳死移植は年間10例程度、12年余りで86例にとどまっていました。本人の意思が不明でも家族の承諾で提供可とした今年7月の改正後は、2カ月余りで14例に達しました。

 移植ネットによると、28日に東北大病院から移植ネットに連絡が入り、家族は29日午前9時に脳死判定と臓器摘出の承諾書を移植ネットに出しました。男性は書面で意思表示していませんでしたが、数年前に家族で臓器提供について話した際に「臓器提供はいいことだね」といっていたといい、家族の総意で提供を決めました。

 東北大病院で男性の脳死判定が行われ、29日午後10時45分に2回目の脳死判定が終わって死亡が確定。男性は救命治療後に起こる脳症、蘇生後脳症で治療を受けていました。

 家族が提供を承諾した臓器は心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、眼球。心臓は国立循環器病研究センターで40歳代男性に、肝臓は京都大病院で20歳代女性に、腎臓の一つは仙台社会保険病院で50歳代男性に、もう一つの腎臓と膵臓は同時に大阪大病院で40歳代女性にそれぞれ提供されます。肺と小腸は医学的理由で、提供を断念しました。

 2010年9月30日(木)

 

■医師2万4000人不足 厚労省が初の全国調査

 全国の病院に勤務する医師数は約2万4000人不足していることが、厚生労働省の調査でわかりました。地方に比べ都市部に医師が集中している地域偏在や、救急科やリハビリ科での不足がより深刻であるなど、診療科ごとの偏りも判明。

 医師不足の全国調査は初めてで、全国にある全病院を含め計約1万施設に対して調査。今年6月1日時点で、実際の勤務医師数や求人中の医師数、求人理由、必要とする医師数などを調べました。

 調査によると、病院に勤務している医師数は約16万7000人。診療機能を維持するために病院が求人中の医師数は約1万8000人で、勤務医師数に対して必要医師数の倍率は1・1倍でした。調査時点で求人していなかったが病院が必要とする数を加えれば、必要な医師数は計約2万4000人になり、現在の1・14倍の人数が必要で、医師不足の深刻な実態が改めて浮き彫りになりました。

 都道府県別でみると、必要医師数の倍率が高かったのは岩手、青森、山梨、島根などで1・2倍を超えていました。一方、東京や大阪、神奈川、埼玉、福岡は1.1倍以下と低く、都市部と地方で医師不足に差があることがはっきりしました。医師が十分足りている都道府県はありませんでした。

 また、診療科による医師の偏りも明らかになりました。病気の後遺症で起きる運動障害などを総合的にみるリハビリ科や、救急科では1・2倍を超えていました。反対に必要数が少なかったのは、美容外科、形成外科、アレルギー科など。

 医師を求人しなければならなくなった要因では、転職や開業などで勤務医が退職し、補充のために募集していると答えたケースが最多。次いで、大学病院が地方に医師を派遣する機能が低下したことや、医師の勤務時間を減らすなど勤務環境を改善するためという理由が続きました。

 2004年に新卒医師に2年間の臨床研修が必修化され、自由に病院を選ぶことができるようになりました。大学病院に残る医師が減り、地域の病院に派遣していた医師を引き揚げざるを得なくなりました。このため、各地で医師不足の傾向が顕著になったとされます。

 厚労省や文部科学省は地域偏在の解消に向け、将来その地域で診療することを条件に、医学部に入学する学生の定員枠を設けるなどの対策をしてきました。厚労省は来年度予算の概算要求で、医師不足に悩む病院に医師を派遣する地域医療支援センターを各都道府県に設置することを盛り込んでいます。

 2010年9月29日(水)

 

■受動喫煙の死者、年間6800人 厚労省研究班が推計

 受動喫煙が原因の肺がんや心筋梗塞で年間約6800人が死亡しているとの推計値を、厚生労働省の研究班が28日、発表しました。うち職場での受動喫煙が原因とみられるのは約3600人で、半数以上を占めました。

 喫煙による死者は年間約13万人と推計されていますが、受動喫煙に関する推計は初めて。

 主任研究者の望月友美子・国立がん研究センタープロジェクトリーダーは、「日本の受動喫煙対策は公共の場所から進んでいるが、長時間拘束される職場での禁煙を進めることで、これだけの人が救える」、「年間の労災認定死が約1000例であることを考えると、甚大な被害だ。行政と事業者は、労働者の健康を守る責任を認識すべきだ」と話しています。

 研究は、喫煙との因果関係が明らかな肺がんと心筋梗塞に絞って実施。受動喫煙により、病気になる危険性が1・2〜1・3倍になることが国際機関や同センターの疫学調査により明らかになっており、受動喫煙によって増えるリスクから死者数を算出し、日本の女性の肺がん死亡の8・1パーセントが受動喫煙によると推計しました。

 同様に、女性の心筋梗塞の9・1パーセント、男性の肺がんの1・3パーセント、男性の心筋梗塞の3・7パーセントが受動喫煙によると推計。これを実際の死者数に当てはめると、女性4582人、男性2221人となり、女性の被害が大きいことになりました。

 健康増進法では、受動喫煙を「室内かそれに準ずる環境で、他人のたばこの煙を吸わされること」と定義。喫煙者がフィルターを通して吸った主流煙よりも、たばこの先端から立ち上る副流煙に、より多くの有害物質が含まれるとされています。

 健康被害を防ぐため厚生労働省は2月、飲食店やホテル、百貨店など多くの人が利用する公共的な施設に対し、建物内での全面禁煙実施を求める通知を出しました。神奈川県は4月、全国初となる受動喫煙防止条例を施行しました。

 2010年9月28日(火)

 

■洗髪ロボで、入院中でもマッサージ洗浄 パナソニックが開発

 パナソニックは、髪の毛を自動で洗ってくれる「洗髪ロボット」を開発しました。仰向けになって頭を乗せれば、左右のアームにある合計16個のもみ玉に仕込んだセンサーが頭の形を読み取り、シャンプーしながら頭全体を心地よくマッサージしてくれます。

 9月29日に東京ビッグサイトで始まる国際福祉機器展に出展、2012年の市販を目指します。

 左右のアームには、スイング、押さえ、もみ動作を行う左右独立のモータをそれぞれ3個搭載。タッチパネルで髪の長さなどを選択すれば、髪全体にお湯とシャンプーを吹き付け、いろいろな形の頭に対して最適な力加減で、左右8個ずつのもみ玉が頭全体をマッサージしながら、約8分かけて洗い上げます。

 一度使えば個人データを記憶し、好みのメニューで運転が可能となるメモリ機能もあるといい、毎日の使用も簡単な指示で可能です。

 病院などで「お風呂は無理でも髪だけでも洗いたい」という患者からの要望が多いのに、「手が回らない」という看護師らの声を受けて開発。価格は未定ですが、パナソニックでは介護施設などでの導入も想定しているといいます。

 2010年9月27日(月)

 

■メタボには少ない効き目 血圧や脂質を下げる薬

 メタボリック症候群の診断基準より腹囲が大きい高血圧患者のうち、薬で血圧を目標値まで下げられているのは36パーセントにとどまり、腹囲が小さい場合の59パーセントを下回ることが24日、日本心臓財団の生活習慣病に関する調査でわかりました。財団は、「太っていると、薬を使っても数値をコントロールするのが難しいようだ」としています。

 腹囲に関するメタボリック症候群の診断基準は、男性85センチ、女性90センチ。ほかの病気でも、脂質異常症の数値を薬で目標まで下げられているのは、腹囲が大きい患者が54パーセントだったのに対し、小さい患者は66パーセント。糖尿病も腹囲が大きい患者は26パーセント、小さい患者は39パーセントでした。

 調査対象は生活習慣病の治療を続けている全国の男女1351人で、日本高血圧学会などが「脳卒中や心筋梗塞などになりにくい」として定めた目標値を満たしているか調べました。

 2010年9月26日(日)

 

■胃がんの疑い見落とし死亡、2300万円支払い 東大阪市

 大阪府東大阪市は24日、同市立総合病院の医師が胃がんの疑いを指摘した病理検査結果を見落とし、患者の男性(当時82歳)の病状が進行した末に死亡する医療ミスがあったと発表しました。市によると、市側が慰謝料を含む総額約2300万円を遺族側に支払うことで合意したといいます。

 市によると、男性は2006年7月、吐血のために救急外来で受診し、出血性胃潰瘍と診断されて入院。病理検査で「胃の一部ががんである可能性が極めて濃厚」との結果が出ましたが、コンピューター画面の表示をを見落とした同病院消化器内科の20歳代の男性医師が「問題なし」と判断。男性は翌月に退院しました。

 08年4月になって、腹部に不快感を訴えた男性が再び受診したところ、コンピューター断層撮影装置(CT)による検査で胃がんが見付かりました。

 病院側の別の医師が過去のカルテを見直し、06年のミスが判明。男性のがんは進行しており、同年12月に死亡しました。家族には見落としに気付いた時点で謝罪していたといいます。同病院の波多丈院長は、「病理検査の時点で見落とさなければ、何らかの治療ができた可能性もある。あってはならない医療ミスで、再発防止に努めたい」などとするコメントを発表しています。

 2010年9月25日(土)

 

■高齢者医療の対象を65歳以上に広げる案を断念 厚労省

 75歳以上が対象の後期高齢者医療制度(後期医療)に代え2013年4月からの導入を目指す新制度について、厚生労働省は24日、対象を65歳以上に広げる案は断念し、現在と同様、75歳以上とする方針を固めました。27日に開く「高齢者医療制度改革会議」に示します。

 同改革会議が8月にまとめた中間報告では、対象年齢について「75歳以上」と「65歳以上」の両論を併記していました。しかし、新制度で想定する都道府県単位での運営と財政区分を65歳以上に広げると、65~74歳の保険料が大きく変動するほか、公費負担が大きくなることから見送ることにしました。

 09年度の医療費(35兆円)のうち、75歳以上は全体の34パーセントを占めます。25年度には国民医療費56兆円のうち半分近くが75歳以上という試算があり、負担の在り方は新制度の方針を固める上で最大の焦点となっていました。

 新制度では、75歳になると自動的に独立した制度に加入させられる現在の仕組みが批判されたことを受け、高齢者も現役世代と同様、働き方に応じて国民健康保険(国保)と企業の健康保険組合など被用者保険に再編するのが柱。

 75歳以上の8割強に当たる約1200万人が国保に、残り約200万人が被用者保険に加入することになります。

 2010年9月24日(金)

 

■小児科は52病院減…09年前年比 厚労省調査

 厚生労働省は22日、2009年の「医療施設調査・病院報告」の概況を発表しました。09年10月現在、小児科を設置している病院は2853施設、産婦人科・産科は1474施設で、ともに1990年以降で最低となりました。

 仕事の厳しさや訴訟リスクの高さが指摘される小児科と産婦人科・産科の減少傾向に歯止めが掛かっていない実情が、改めて浮き彫りになりました。

 調査結果によると、小児科は前年比52施設が減少、産婦人科・産科も同22施設が減少。90年と比べた減少率は、小児科が約30パーセント、産婦人科・産科は約40パーセントとなっています。厚労省は、「激務のために敬遠され、地域によっては医師を確保できない病院も出ていることが一因では」とみています。

 病院自体は、精神科病院と結核療養所を除いて7655施設で、前年比59施設減、90年比では約15パーセント減でした。

 一方、人口10万人に対する病院の医師数を都道府県別で見ると、最多は高知県の218・3人で、最低は08年に続いて埼玉県の103・5人でした。埼玉県は前年比2・8人増となりましが、最多の高知県とはなお2倍以上の格差があります。

 今回の調査は、医師不足や医師の偏在問題を解消する対策がいまだ不十分で、なかなか効果に結びついていないことをうかがわせる結果となりました。

 産婦人科や小児科といった激務の診療科を中心に、医師不足が指摘されるようになって久しく解消されていません。国は医学部定員を増員したほか、診療報酬を手厚くしたり、新人医師の臨床研修制度で都道府県ごとに募集定員の上限を設けたりするなど、ここ数年、具体的な対策を実行してきました。

 ただ、診療科や地域による医師の偏在を是正するには、どこにどれだけ医師が不足しているのかを把握し、バランスよく人員を配置する必要がありますが、その方策は実質的にはほとんど手つかずといっていい状況。厚労省にとっては、適切な医師確保策を具体化することが急務です。

 2010年9月23日(木)

 

■目覚め維持の仕組みを解明 不眠症の治療に期待

 目覚めている状態を維持するのに、脳内の神経蛋白質「オレキシン」がどう作用するかのメカニズムを解明したと、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の山中章弘准教授(神経生理学)らの研究グループが、22日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」で発表しました。不眠症治療への応用が期待できるといいます。

 山中准教授らはマウスの実験で、脳の視床下部にある神経細胞がオレキシンを放出した後、再びオレキシンを受け取るサイクルを繰り返していることを発見。神経細胞が互いにオレキシンを受け渡し合うなどして活性化を続け、目覚めた状態を維持していることもわかったといいます。

 オレキシンが睡眠と目覚めに関係しているのは知られていましたが、仕組みには不明な点が多くありました。

 山中准教授によると、オレキシンの放出と受容のサイクルを途切れさせる脳の別の機能が働くと人間は眠くなりますが、不眠症の患者はその機能が阻害されているとみられます。また、昼間に過度の眠気に襲われるナルコレプシーという睡眠障害の場合は、放出と受容のサイクルがうまく働いていない可能性があるといいます。

 2010年9月22日(水)

 

■65歳以上、2944万人で過去最高 総人口の23・1パーセントに

 「敬老の日」を前に総務省が19日、高齢者の推計人口(9月15日現在)を発表しました。65歳以上の人口は前年より46万人多い2944万人、総人口に占める割合は0・4ポイント増の23・1パーセントと、人口、割合とも過去最高を更新しました。

このうち、男性は1258万人で、男性人口に占める割合は0・4ポイント増の20・3パーセントと初めて2割を超え、5人に1人が高齢者となりました。女性は1685万人で、女性人口に占める割合は0・4ポイント増の25・8パーセントと、前年に続き25パーセントを超えています。

年齢層別では、70歳以上が2121万人(総人口の16・7パーセント)、75歳以上が1422万人(同11・2パーセント)。80歳以上は826万人(同6・5パーセント)で、前年より38万人増え、初めて800万人を超えました。都道府県別人口で4位の愛知県の約741万人(09年10月1日現在)より多く、3位の大阪府の約880万人(同)をうかがう規模。 

長寿になるほど女性の割合が上昇し、80歳以上では男性の282万人に対して女性は545万人とほぼ2倍になっています。

なお、推計人口は2005年に行われた国勢調査を基に、毎月まとまる人口動態統計の出生・死亡者、出入国統計の出国・入国者のデータを用いてはじき出されています。推計値なので、実際の高齢者の人口増減や高齢者の所在不明問題などとは直接関係しません。

 また、高齢者の家計調査(09年調査)によると、世帯主が高齢者で無職の2人以上の世帯の1カ月の平均支出は27万1000円。一方で、収入は22万7000円しかなく、4万4000円不足しています。10年前の調査では不足額は1万7000円で、高齢者の家計は年々厳しくなっているようです。

 総務省では、高齢者の世帯が預貯金などを取り崩して不足分を補っているとみていますが、そうした資産も減少傾向。65歳以上の高齢者が世帯主の世帯の貯蓄をみると、04年の平均約2500万円をピークに09年は平均約2300万円まで減り、2年連続して減少しました。貯蓄額の高い世帯から低い世帯へ順番に並べた際に、ちょうど中央に当たる世帯の貯蓄は約1500万円で、平均を下回る世帯数が多いことを示しています。

 こうした生活不安を反映してか、年金を受給している65~69歳の就業率は04年ごろから上昇が続き、男性は46・9パーセント、女性は26・3パーセントが働いています。

 2010年9月21日(火)

 

■男40歳の不摂生、命は短く医療費は高く 高血圧などの影響を調査

 高血圧の40歳の男性は、正常値の人よりも平均余命は1・7年短く、生涯医療費は約376万円多くかかる――。健康診断の結果が悪い人や運動をしない人と、そうでない人との平均余命や生涯医療費の違いが、厚生労働省研究班の調査でわかりました。

 研究班は、宮城県大崎保健所管内の国民健康保険加入者の男女約5万2000人(40~79歳)を対象に、1994年から健診結果や生活習慣と、医療費などとの関係を調べました。

 調査をもとに40歳の場合で計算すると、男性では、高血圧の人は平均余命が44・8年、生涯医療費が約1710万円、正常血圧の人は平均余命が46・5年、生涯医療費が約1334万円でした。医療費の本人負担が3割の場合、100万円以上損をする計算になります。

 また、1日に1時間未満しか歩かない人は1時間以上歩く人に比べて平均余命は1・5年短く、生涯医療費は約83万円多くかかりました。血糖値や脂質でも同様の傾向がみられ、高血糖の人は正常値の人よりも平均余命は2・1年短く、生涯医療費は約83万円多くかかり、脂質レベルが高い人は正常値の人よりも平均余命は2・7年短く、生涯医療費は約16万円多くかかりました。

 ただし、喫煙する人は喫煙しない人に比べて平均余命が3・7年も短く、差が大きかったため、医療費は逆に少ないことがわかりました。女性では傾向がばらつき、一貫した結果は出ませんでした。

 研究班の代表者の東北大大学院の辻一郎教授(公衆衛生学)は、「高血圧や高血糖などから起きる病気で要介護者になる例も多い。介護保険の費用も合わせれば、生涯にかかる費用の差はいっそう開くだろう」とみています。

 2010年9月20日(月)

 

■介護職員が無資格でインスリンを注射 大阪のケアホーム

 大阪府箕面市が出資する社会福祉法人「あかつき福祉会」のケアホームで、介護職員が7年間にわたって糖尿病の男性入所者に、無資格でインスリンを注射する医療行為をしていたことが、府の調査でわかりました。医師法などに違反する可能性があるとして、府は来週にも、施設の立ち入り調査をする方針。

 箕面市によると、介護職員は2003年1月から、1型糖尿病の30歳代の男性に対して1日2回、インスリン注射をしていたといいます。

 医師法などでは、原則として医療行為は原則として医師や看護師らに限定しています。1型糖尿病の患者は毎日、注射をする必要があり、医師らから指導を受けた患者やその家族については注射が認められています。ケアホームの男性は重度の行動障害があり、自分で注射できるよう練習したがうまくいかないことが多かったため、やむを得ず介護職員が注射していたといいます。

 介護職員による医療行為を巡っては今年4月、厚生労働省が特別養護老人ホームに対し、たんの吸引やチューブから胃に流動食を入れる経管栄養について、一定の条件下で認めると通知。今後は障害者施設の介護職員らにも対象を拡大する方向で、検討が進められています。一方で、インスリン注射については依然として対象外で、現場からは「解禁」を求める声が根強いとされます。

 今回のケースでは、あかつき福祉会が8月に男性の処遇を巡って箕面市に相談。やはり問題だとして、今月3日に家族に自宅に引き取ってもらったといいます。

 同福祉会は市に対し、「男性が自分で注射する練習をしたが、行動障害でうまくできず危険と判断し、職員にさせていた」と説明。府福祉部の担当者は、「入所者の生活を支える上で緊急避難的にしていたかもしれないが、長期間続くとやはり問題になる」とコメントしています。

 2010年9月19日(日)

 

■臓器提供、2カ月で10例 9例は家族承諾のみ

 日本臓器移植ネットワーク(移植ネット)は18日、近畿地方の病院に入院していた30歳代男性が改正臓器移植法に基づいて脳死と判定され、臓器提供の手続きに入ったと発表しました。

 今年7月に改正法が全面施行されてから約2カ月で10例というハイペース。男性は書面による意思表示はしておらず、家族が臓器提供を承諾しました。家族の承諾のみによる脳死判定は9例目。

 移植ネットによると、17日に病院から移植ネットに連絡が入り、家族は同日午後5時に脳死判定と臓器摘出の承諾書を移植ネットに出しました。18日午前6時19分に2回目の脳死判定が終わり、死亡が確定しました。

 男性の家族は、「本人が臓器移植について『人の役に立つ良いことだから』と話していたので、意思を生かしてあげたい」、「誰かの中で生きて役に立ってくれることが誇りに思える」と話しているといいます。

 心臓は国立循環器病研究センター(大阪)で20歳代男性に、肝臓は京都大付属病院の10歳代女性と岡山大病院の40歳代男性に、腎臓の一つは近江八幡市立総合医療センター(滋賀)で20歳代女性に、もう一つの腎臓と膵臓は大阪大付属病院で40歳代女性に提供されます。小腸と肺の提供は、医学的理由により断念しました。

 脳死臓器移植は1997年10月の臓器移植法施行から約1年4カ月後の99年2月、1例目が行われました。10例目の移植は2001年1月と、施行から約3年カ月かかりました。

 2010年9月18日(土)

 

■歯茎からiPS細胞を作製、歯の再生に期待 大阪大など

 歯周病やインプラント(人工歯根)の治療で切除、廃棄された歯茎からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作ることに、大阪大の江草宏助教と京都大の山中伸弥教授らの共同研究チームが成功しました。ほおの表面の皮膚を切り取る通常の方法に比べて患者の負担が少なく、将来の「iPS細胞バンク」で使う細胞になる可能性があるといいます。

 大阪大の江草助教は、歯茎が皮膚よりも増殖能力が高く、傷が治りやすいという特性を持っていることに着目。大阪大歯学部付属病院を受診した男性患者(24)の同意を得て、インプラント治療で切除した3ミリ程度の大きさの歯茎の組織を採取し、活用。世界で初めてiPS細胞を開発した山中教授が発見した4種類の遺伝子を、 培養した歯茎の細胞に組み込むと、神経や軟骨、腸管などになるiPS細胞ができました。

 また、マウスを使った実験では、皮膚からiPS細胞を作るよりも歯茎から作った方が効率が7倍高くなったといいます。

 江草助教は、「もとは捨てられていた組織。患者の負担が少ない上、効率よくiPS細胞ができた」と話しています。将来的には、あごの骨や歯の再生、病気の解明などにつながると期待されます。

 研究成果は、14日付の米オンライン科学誌「プロス・ワン」に掲載されました。

 2010年9月17日(金)

 

■秋でも蚊への油断は禁物 今夏は猛暑と小雨で減少

 今年の秋は例年よりも、蚊に刺されるかゆさの体感が上がるかもしれません。猛暑と降水量減というダブルパンチで今夏の蚊の多くは幼虫の段階で死んでいましたが、暑さが和らいで雨量が増えると通常通りに成長するためです。

 蚊を専門に研究している害虫防除技術研究所(千葉県八千代市)は「夏に蚊に刺される機会が少なかったぶん、秋以降は増えたと感じるはず」と予測しています。

 大阪府立公衆衛生研究所(大阪市東成区)は、蚊が媒介する感染症の調査のため、府内17カ所で蚊を採取して数や種類を確認しています。6月下旬~8月中旬に2週間に1度、夕方から朝にかけて採取した蚊の数は、昨年の2280匹から今年は1939匹へと15パーセント減っていました。

 神戸港の衛生管理のため神戸検疫所(神戸市兵庫区)も、同じ方法で調査をしています。今年8月は昨年8月の138匹から18パーセント減の113匹。京都府保健環境研究所(京都市伏見区)の担当者も、「例年より若干減っている」としており、こうした傾向は各地で共通していたようです。

 害虫防除技術研究所によると、人間の血を吸ったメスの蚊は3~4日後に水面で産卵、卵から2~3日でふ化してボウフラとなり、サナギを経て2週間ほどで成虫になります。

 道路脇の溝や植木鉢の受け皿、古タイヤなどにたまったわずかな水で産卵、成長することが多いのですが、今年6~8月の国内の平均気温は平年より約1・6度上昇し、統計を取り始めた1898年以降で最高を記録。加えて、8月の近畿2府4県の総降水量は平年の54パーセントで、水たまりは干上がっていたために、成虫になる前に死ぬ場合が多かったとみられます。また、住宅街に多いアカイエカは暑さに弱く、気温が30度を超える日が続くと死ぬとされます。

 蚊の殺虫剤などを販売しているアース製薬(東京都)によると、3月末~8月末のハエ・蚊用殺虫剤市場は前年比で約6パーセント落ち込みました。同社の広報担当者は、「春の低温や夏の高温など、例年と違う気候が影響しているのかもしれない」と話しています。

 害虫防除技術研究所によると、蚊は例年9月以降、数が減少する傾向があります。しかし、今夏は一時的に数が減ったため、蚊の産卵が9月以降に例年通りに戻ると、数が増えたように感じるはずだといいます。ヤブ蚊と呼ばれるヒトスジシマカとアカイエカは11月ごろまで生息するといい、同研究所の白井良和所長は、「植木の受け皿など、身の回りに水たまりを作らないことでも予防になる。秋といっても油断大敵です」と話しています。

 2010年9月16日(木)

 

■帝京大病院、院内感染の女性患者が死亡 34人目

 多剤耐性アシネトバクター菌による院内感染問題で、帝京大病院(東京都板橋区)は14日、感染者のうち入院中だった70歳代の女性が同日、死亡したと発表しました。
 同病院によると、女性は感染が確認されていましたが、同菌による症状は出ていませんでした。正確な死因究明のため、第三者機関の「日本医療安全調査機構」に解剖を伴う調査を依頼する予定です。

 これまでに判明している感染者は58人で、このうち死亡したのは計34人になりました。この中で感染と死亡の因果関係が強く疑われるのは9人。

 同病院の院内感染者数については、それまで53人と発表していた感染患者数が58人になったことを11日、病院側が発表。この時点で新たに判明した感染者5人のうちの1人である76歳の女性は、今年6月18日に死亡したといいます。

 こちらの計33人目の女性の感染と死亡の因果関係については、同11日に設置された同病院の調査委員会が担当。調査委員会には国立感染症研究所の専門家ら外部委員も加わっており、院内感染の原因を多角的に調査中です。

 2010年9月15日(水)

 

■今年度の満100歳は2万3269人 長寿県は沖縄県から島根県に交代

 厚生労働省は14日、今年度中に満100歳を迎える全国の高齢者が9月1日現在で、2万3269人になると発表しました。前年度より1666人多く、過去最多を更新しました。

 高齢者の所在不明が相次いで発覚した今年は、市区町村が本人面会などで所在を確認。大阪市の5人など全国で10人が所在不明とわかったため、算入しませんでした。

 国内在住で所在が確認できた2万3000人余のうち、本人に面会できたのは35パーセントにとどまりました。ほかの確認先は入院や入所先の施設が29パーセント、近隣住民らが15パーセントで、残りは医療や介護保険の利用状況などで確認しました。海外在住の51人については、今回は生存確認の対象から外しています。

 また、併せて公表した100歳以上の高齢者数は住民基本台帳によると4万4449人(前年比4050人増)で、こちらも過去最高を更新しました。女性が87パーセントを占めます。

 統計を取り始めた1963年には153人でしたが、近年急速に増加し、この10年だけで3・4倍になりました。ただ、同省は「台帳を機械的に集計しただけ」と説明しており、所在不明の高齢者も含まれている可能性があります。東京都からは、113歳で都内最高齢とされ、所在がわからない杉並区の女性を除いた数字との報告があったといいます。

 都道府県別に見た人口10万人当たりの100歳以上の人数は、島根県が74・37人で最多でした。1973年以降、37年続けて最多だった沖縄県は66・71人で2位となり、38年ぶりに長寿県が交代しました。

 昨年の67・44人から減った沖縄県の担当者は、「沖縄は出生率が全国1位で、人口増加率が高いことも一因」と分析しています。一方、島根県は昨年の66・21人から大幅に増えました。最少は埼玉県の18・75人。

 国内最高齢は男女とも113歳で、女性は佐賀県基山町の長谷川チヨノさん、男性は京都府京丹後市の木村次郎右衛門さん。

 2010年9月14日(火)

 

■吸入インフル薬「イナビル」を秋に発売へ 第一三共

 第一三共は10日、抗インフルエンザウイルス治療薬「イナビル吸入粉末剤」(一般名・ラニナミビル)について、製造販売の承認を厚生労働省から得たと発表しました。早ければ今秋にも発売される見通し。

 イナビルは、A型とB型のインフルエンザに効く成人と小児向けの吸入薬。インフルエンザ治療薬としては、タミフル、リレンザ、ラピアクタに次ぐ4種類目となります。

 イナビルは、既存薬のリレンザと同じ口から吸入するタイプで、1日1回、10歳以上は40ミリグラム、10歳未満は20ミリグラムの投薬ですむのが特長。ノイラミニダーゼ阻害薬の一種で、インフルエンザウイルスが細胞内で増殖した後、その細胞から飛び出すのをじゃまします。

 同じノイラミニダーゼ阻害薬の中外製薬のタミフルは1日2回、5日間の経口投与、グラクソ・スミスクラインのリレンザは1日2回、5日間の吸入、塩野義製薬のラピアクタは単回点滴静注と、それぞれ用法、用量が異なります。

 なお、厚生労働省は7月下旬に、化学及血清療法研究所の新型インフルエンザ(H5N1)ワクチンの承認を了承しています。これ以前に、北里研究所と阪大微生物病研究会のワクチンの承認も了承しています。

 2010年9月13日(月)

 

■新規抗菌薬の候補なし 厚労省研究班で「危機的状況」と報告

 多剤耐性アシネトバクターやNDM1遺伝子を持つ大腸菌など、既存の抗菌薬に耐性を示す細菌の対策に欠かせない新規抗菌薬の開発について、国内では現在、発売に向けた段階にある新規薬の候補が一つも残っていないことを、専門家が厚生労働省の耐性菌に関する研究班で報告していたことが11日までにわかりました。

 抗菌薬の収益性が低いことが、企業の開発意欲をそいでいるとみられます。報告者の藤本修平東海大教授(生体防御学)は、「耐性菌との戦いは新規薬の開発に支えられてきたが、現在は危機的状況だ」と指摘しています。

 報告によると、新たな抗菌薬が登場してから最初に耐性菌が報告されるまでの期間が約4年と短いことが、開発の手間の割に大きな収益に結び付かない理由。世界的にも1980年代から2000年代にかけて、新規の抗菌薬の数は4分の1以下と落ち込んでいるといいます。

 なお、細菌感染によって起こる病気では、原因である細菌を排除するために、抗生物質(抗生剤)や合成抗菌薬がよく用いられます。抗生物質は微生物を原料にして作られた薬で、合成抗菌薬は化学物質を合成して作られた薬。抗菌性の抗生物質、合成抗菌薬を合わせて、広義の抗菌薬と呼んでいます。

 2010年9月12日(日)

 

■印パからの帰国者 多剤耐性大腸菌感染に注意

 栃木県の独協医科大学病院で、NDM1という酵素を持つ新型の多剤耐性大腸菌が国内で初めて検出されたことを受け、日本感染症学会(理事長・岩本愛吉東京大教授)は、全国の医療関係者に対し、「インドやパキスタンなどの流行地からの帰国者については、菌を持っている可能性を考えておく必要がある」と注意を呼び掛けました。

 同学会によると、大腸菌は腸内にすみついている菌であるため、感染しても症状がでない可能性があります。そのため、「人の腸管内に潜在し、すでに多数国内に持ち込まれている可能性も否定できない」と指摘。全国規模の耐性菌監視体制を強化することが重要としています。

 一方、新型の多剤耐性菌の発生源と指摘されるインドの保健省は、抗生物質の乱用に歯止めをかける方針を固めました。同国内での抗生物質の乱用が多剤耐性菌の発生につながった可能性を、インド政府自ら認めた形。

 同省は抗生物質の使用に関する指針を策定するため、専門家による特別委員会を設置したことを9月初旬、明らかにしました。特別委員会は6週間以内に提言をまとめます。

 ラオ保健次官は指針について、「インドでは多くの人々が医師の診察を受けず、自分で薬を買い求めるため、抗生物質の多用により、体内の菌が薬物への耐性を獲得することにつながる。これはやめさせなければならない」と、地元紙に語りました。

 2010年9月11日(土)

 

■世界自殺予防デーの今日、自殺防止42団体が全国ネット設立

 自殺対策に取り組む全国42の民間団体が10日、情報共有や各自治体の取り組みの底上げなどを目指して「自殺対策全国民間ネットワーク」を設立しました。世界保健機関(WHO)が定める「世界自殺予防デー」のこの日、東京・渋谷でフォーラムを開き、今後の具体的な活動などを話し合います。

 自殺者は1998年以降、12年連続で3万人を超えています。自殺対策基本法が施行されて、まもなく4年。国による100億円の基金が設けられるなど自殺対策は進みつつあります。しかし、各地域に根差して活動している民間団体には、国の基金の活用方法などの情報が十分に行き届いていないケースもあります。こうした情報格差をなくすのがネットワーク設立の狙い。

 また、地方自治体による自殺予防の取り組みは、積極的な自治体とそうでないところの格差が拡大しているのが実態。民間からの働き掛けで自治体の取り組みを活性化することも目指します。NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」(清水康之代表)などが全国の110団体に呼び掛け、25都道府県の42団体が参加を申し出ました。

 ネットワークは、まず(1)国の取り組みなどの情報をメールで共有する(2)各団体のシンポジウムなどを広く告知する(3)ボランティアの募集などを共通して行う、などに取り組みたいといいます。将来的には研修の合同実施などもしたいとしています。

 ライフリンクの清水代表は、「民間の知恵と熱意を結集して自殺対策の底上げをしたい」とコメントしています。

 なお、10日を世界自殺予防デーに定めるWHOによると、世界では毎年およそ100万人、およそ40秒に1人が自殺で死亡しています。国別にみますと、日本の年間自殺者が3万人を超えているほか、高い経済成長が続く中国やインドでも多くの人が自殺で死亡し、深刻な状況が続いているということです。

 また、人口当たりの自殺者はロシアや旧ソビエト連邦のリトアニアとベラルーシなどが最も多く、10万人中およそ30人が自殺で死亡したとみられています。

 WHOは、自殺を防止するためには、特に先進国で、自殺の要因になり得る心の病をいかに早く把握して対処するかが重要だと指摘し、途上国や新興国の農村部では、農薬が自殺に使われないようにすることが緊急の課題だと指摘しています。

 WHOの専門家、フライシュマン博士は「今日は、世界の人達が一緒になって自殺の問題について考える日だ。自殺は防ぐことができるという意識を強く持ってほしい」と述べ、各国政府に対して自殺の問題を最重要課題の一つとして対策を強化するよう求めています。

 2010年9月10日(金)

 

■助産所の1割でホメオパシー 36施設が新生児にビタミンK2を与えず

 社団法人・日本助産師会は7日、加盟助産所の1割弱に当たる36施設で民間療法のホメオパシーが行われ、新生児に必要なビタミンK2を与えない例があったと発表しました。山口県では5月、ビタミンK2を与えられずに新生児が死亡したとして訴訟も起きており、厚生労働省は同日、同会会長あてに注意を求める通知を出しました。

 新生児はビタミンKが欠乏すると頭蓋内出血を起こすため、ビタミンK2シロップを与えるよう、厚労省研究班が指針を出しています。しかし、山口市の助産師がK2シロップの代わりにホメオパシー療法で使うレメディーという砂糖玉を与え、生後2カ月の女児を死亡させたとして、損害賠償を求められました。

 この訴訟を受け、助産師会は7月下旬から8月まで、全国433の助産所(有床266カ所、 無床167カ所)を対象に過去2年以内にK2シロップを与えず、レメディーを与えていたケースがなかったか調査しました。お産をしていない19施設を除く、414施設から回答を得ました。

 この結果、レメディーしか使わなかったケースがあったとする助産所は36施設に上りました。複数の助産師が所属する助産所もあり、ホメオパシーを実践している助産師は36人を大きく上回る可能性が高いといいます。レメディーを与えた理由として、助産師がK2シロップとレメディーの両方を説明し、妊産婦がレメディーのみを選んだり、妊産婦からどうしてもと頼まれたりしたからと説明しています。

 助産師会は「ホメオパシーに傾倒するあまり、通常医療を否定するのは問題」として、助産所にK2シロップを使うよう指導しました。今後は研修などを通じ、通常の医療に代わるものとして、ホメオパシーを使用したり勧めたりしないよう会員に周知徹底するといいます。今回の調査時点では、全助産所でK2シロップを使っていたとされます。

 厚労省医政局も同日、新生児にはK2シロップが有効として、適切にシロップを使い、望まない妊産婦にはリスクを十分に説明することが重要とする通知を出しました。

 助産師は全国に約2万8000人。主に助産師が立ち会うお産は年間約4万5000件で、「自然なお産ブーム」で年々、増えています。

 日本助産師会の岡本喜代子専務理事は、「K2シロップは当然与えるものと認識していたので、36という数字は多いと思う。会員には、お産の現場でホメオパシーを使うことがないよう指導する。また、助産院のホームページなどでホメオパシーについて記載しないよう求めた」と話しています。

 2010年9月9日(木)

 

■多剤耐性菌、都内2カ所でも感染 計3人死亡か

 帝京大学病院などで多くの抗生物質が効かない細菌アシネトバクターの院内感染が相次いでいる問題で、新たに東京都世田谷区の有隣病院と板橋区の都健康長寿医療センターでも院内感染が発生している疑いがあることが8日、わかりました。東京都は7日に有隣病院に医療法に基づく立ち入り調査を行っており、都健康長寿医療センターにも8日午後に実施します。

 有隣病院では、これまでに8人が感染、うち4人が死亡し、細菌との因果関係を否定できない死亡者が2人いるといいます。都によると、同病院でアシネトバクターの感染者が初確認されたのは今年2月で、5月に5人が感染。感染者は同じ病棟に集中しており、院内感染の可能性が高いとしています。

 感染したのは59~100歳の男女計8人で、死亡した4人のうち2人はアシネトバクターとは無関係とみられるものの、残りの59歳の女性と84歳の男性は菌が複数回の検査で検出されるなどし、死因と関連している可能性があるといいます。ただ、菌の検体が保存されていないため、死因との関係を解明するのは不可能といいます。

 有隣病院は1940年に、結核病院として開業。現在は高齢者医療中心で、特別養護老人ホームを併設しています。

 一方、都健康長寿医療センターでも3人が感染し、うち1人が死亡しました。アシネトバクターとの因果関係は不明ですが、死亡した76歳の男性は2月に帝京大病院から転院していました。同センターでは2月に1人、7~8月に2人の感染者が発生。一時、隣同士のベッドにいたといいます。同じく多剤耐性の緑膿菌に感染し、死亡した患者もいましたが、死因と感染の因果関係は不明といいます。都などによると、死亡者は複数といいます。

 有隣病院が都に報告したのは今月6日、都健康長寿医療センターは同7日でした。都によると、有隣病院は「院内感染と疑わなかったので治療に専念した」と説明しているといいます。

 都は、「院内感染の疑われる中、早急に報告しなかったことは遺憾だ」としています。都は今後、遺伝子検査などを実施する方針としています。

 2010年9月8日(水)

 

■週内にNDM1の全国調査 多剤耐性菌の状況把握へ

 長妻昭厚生労働相は7日の閣議後記者会見で、「全国の多剤耐性菌の把握強化に努めたい」と強調、NDM1(ニューデリー・メタロ・βラクタマーゼ1)という酵素を作る遺伝子を持つ新たな耐性菌の全国調査を週内にも始める考えを示しました。また、多剤耐性アシネトバクター菌を国への報告対象にするよう、早期に制度を見直す方針を明らかにしました。

 栃木県の独協医科大学病院で初めてNDM1を作る大腸菌が確認されたことや、東京都の帝京大学病院でアシネトバクター菌が原因の院内感染が発生したことを受けました。いずれも海外で先行して感染が広がっており、国内での拡大に危機感を強めています。

 帝京大病院には、今週中に国立感染症研究所の専門家チームと東京都が入り、院内感染対策を調査する見通しも示しました。その結果を受けて、全国の院内感染に関する新しい対応策を検討したいとしています。

 NDM1の調査方法は今後決めますが、関係者によると、疑いのある患者の検体を国立感染症研究所で高精度に解析。第2、第3の確認例が出た場合、独協医大での検出例との関連なども明らかにしていくとみられます。

 同研究所の荒川宜親・細菌第二部長は、「大腸菌は誰もが持っている。必要以上に怖がることはないが、(健康な人でも)膀胱炎などの症状がある場合、原因の可能性もあるので早めに医療機関を受診してほしい」と呼び掛けています。

 英医学誌ランセットの姉妹誌に8月に掲載された論文では、インドやパキスタン、英国などで見付かった180例を分析。「NDM1は他の菌に移りやすく、他の菌が多剤耐性化する危険性がある」と警告しています。すでに海外では、毒性は強くない菌ながら、肺炎桿菌でも広まっています。食中毒を起こすサルモネラなど毒性の強い菌に移る恐れも指摘されています。

 世界保健機関(WHO)は論文を受けて、「各国政府は耐性菌の発生をきちんと監視すると同時に、抗生剤の誤った使い方を是正し、医療従事者らに手洗いなどの感染対策を徹底するよう改めて周知してほしい」という声明を出しました。

 アシネトバクター菌は一昨年から今年にかけ、帝京大学病院のほか福岡県の福岡大学病院や愛知県の藤田保健衛生大学で集団感染例が複数出始め、本格的な拡大が心配されます。NDM1は集団感染ではありませんが1例目で、厚労省や研究者は警戒を強めています。

 2010年9月7日(火)

 

■新型耐性菌、栃木で国内初検出 インドから帰国の患者 

 抗生剤で治療しにくい新型の耐性菌が、インドから帰国し栃木県内の病院に入院していた患者から、検出されていたことがわかりました。インドやパキスタンから欧州などに広がっている「NDM1」と呼ばれる遺伝子を持つ耐性菌で、国内で確認されたのは初めて。

 厚生労働省によると、独協医科大学病院(栃木県壬生町)は事務連絡を受け、過去の事例について調べたところ、感染が疑われる事例があったため、9月初旬に国立感染症研究所に報告したといいます。

 厚労省や同病院などによると、見付かったのは昨年5月に、独協医大病院に入院していた日本人の50歳代の男性患者。男性は回復し、退院しました。ほかの患者には感染していませんでした。発熱などの症状が現れたため、検査したところ、NDM1の遺伝子を持つ病原性大腸菌が見付かったといいます。

 厚労省の担当者は、「病院からは直接報告は受けていないが、研究者からの情報提供で把握している。早急に情報収集し、今後の対応を検討したい」としています。

 新型の耐性菌について、インドやパキスタンから英国など欧州に広がっていることが今夏報告されました。英医学誌「ランセット」によると、この菌はインド、パキスタンから計143例、英国でも37例が見付かったといいます。英国の感染者の一部は、インドあるいはパキスタンで美容整形手術を受けていました。

 このため厚労省は8月18日、都道府県を通じ全国の医療機関に対し、国内での感染事例があった際には国立感染症研究所への報告を求める事務連絡を出しました。

 2010年9月6日(月)

 

■帝京大病院で46人、藤田保健衛生大病院で24人が多剤耐性菌に感染

 東京都板橋区の帝京大病院の入院患者46人が、複数の抗生物質が効かない多剤耐性の細菌アシネトバクターに感染していた問題で、同病院が感染発生に伴って5月に集中治療室の病棟を一時閉鎖していたことが4日、わかりました。

 東京都は、同病院が今月2日に保健所に報告する3カ月以上前に感染拡大の危険性を認識していたとみて、拡大を防げなかった原因を調べています。

 都によると、患者1人が集中治療室に入った直後、アシネトバクターに感染していることが判明したことから、拡大を防ぐため5月21日に集中治療室の病棟を一時閉鎖しました。その後、病院側は集中治療室の器具などを調べましたが、ほかに同菌は検出されなかったため室内消毒の後、病棟の使用を再開しました。

 都福祉保健局は、「病院は遅くとも5月には感染拡大の危険性を認識していた。この時点で公的機関に報告していれば、その後の拡大を防げた可能性がある」としています。

 一方、8月4日に国と都が同病院に対する定期検査を実施した際、同病院に対して院内感染の防止体制の強化を求めていたことがわかりました。同病院は1154床の大規模病院ながら、院内感染対策の専任医師と専従看護師の配置は各1人でした。厚生労働省の担当者は、「医療法施行規則では、専任職員を1人配置すればよいが、帝京大病院の規模で2人は少ない」と指摘しています。

 また、愛知県豊明市の藤田保健衛生大学病院でも今年2月以降、複数の抗生物質が効かない多剤耐性の細菌アシネトバクターに入院患者24人が院内感染していたことがわかりました。うち6人が敗血症などで死亡しましたが、感染の重症化が死亡原因になった例はないといいます。

 同病院によると、2月10日に患者1人から菌を検出し、直後に別の5人から見付かったため、15日に緊急会議を開き瀬戸保健所に報告しました。その後も救命救急センターや一部病棟で感染者が出ましたが、国立大学付属病院感染対策協議会の指導を受けながら拡大防止を図った結果、7月下旬以降、新たな感染者は確認されていないといいます。感染経路は調査中としています。

 なお、日本細菌学会は、帝京大病院などで複数の抗生物質に耐性を持つ菌の発生が相次いでいることを受け、医療機関で抗生物質を安易に使わないことを求める提言を年内にもまとめることを決めました。欧米に比べ、抗生物質が多用されていることが、耐性菌発生の原因と指摘されています。

 2010年9月5日(日)

 

■1人の提供で8人に移植へ 東北の病院、家族承諾6例目

 日本臓器移植ネットワークは4日、東北地方の病院に頭部外傷のため入院中の成人男性が法的に脳死と判定され、臓器提供の手続きに入ったと発表しました。提供された臓器を移植する患者は計8人の予定で、移植ネットが扱う臓器では1人からの提供としては過去最多。

 厚生労働省によると、アイバンクが扱う角膜を含めると、9人に移植された例はあるといいます。今回、眼球は提供されません。

 移植ネットによると、男性は書面で提供の意思を示しておらず、家族が脳死判定と提供を承諾しました。生前、提供に関する話はしていませんでした。家族は、「本人がどこかで生きていると思えることは私たちの心の支えになります。家族の間で何度も何度も話し合い、みんなで決断した」とコメントしました。

 7月に施行された改正臓器移植法に基づく「本人意思不明」の6例目。脳死移植が行われれば、1997年の臓器移植法施行以来の93例目。

 心臓は東京女子医大病院で20歳代の男性、肺の一方は岡山大病院で20歳代の男性に、もう一方は京都大病院で50歳代の男性に、肝臓は名古屋大病院で50歳代の女性、膵臓は愛知県の藤田保健衛生大病院で20歳代の女性、腎臓は福島県立医大病院で50歳代の男性と40歳代の男性に一つずつ、小腸は福岡県の九州大病院で20歳代の男性に、それぞれ移植される予定。

 2010年9月4日(土)

 

■鼻に吹き付けるインフルワクチン 厚労省が10月から臨床研究

 経鼻ワクチンと呼ばれ、鼻に吹き付けるだけでよいインフルエンザワクチンの効果を調べる臨床研究が、10月に始まります。実施するのは、厚生労働省の研究班。

 研究班の代表は長谷川秀樹・国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター第6室長が務め、ワクチンは阪大微生物病研究会が従来の季節性インフル(A香港型)のウイルスを化学処理し、毒性をなくしたものをもとに作ります。

 経鼻ワクチンは米国では市販されている製品もありますが、日本ではまだ動物実験段階で人での本格的な研究は初めて。注射器が要らないため、新型インフルなどの大流行に備えて多くの人に素早く使えます。

 研究では30~50人の健康な成人に約1カ月をあけて2回、鼻に噴霧してもらい、体内でどんな免疫反応が起こるか、鼻汁や血液などにある免疫細胞などを分析。来年以降の実用化を目指すといいます。

 従来の注射するワクチンは、ウイルスの感染を防ぐというより、体内で感染したウイルスの活動を抑えて重症化を予防するものでした。一方、経鼻ワクチンは、ウイルスが取り付く鼻やのどの粘膜の免疫を活性化し、感染を防ぐ効果があるとされます。

 マウスやサルによる動物実験では、経鼻ワクチンは注射のワクチンと異なり、ワクチンのもとになるウイルスの遺伝子が変化しても、それに対する免疫反応の働きがみられました。また、サルの実験ではワクチンの効果は、1年たっても持続しました。

 研究班の長谷川さんは、「米国の経鼻ワクチンは弱毒化したウイルスを使った生ワクチンで、幼児や高齢者など重症化しやすい年齢に使えない。我々のワクチンは毒性をなくしているので使える。免疫を強化する物質を加えたほうがいいのかなど見極めたい」と話しています。

 2010年9月3日(金)

 

■体調不良を訴える生徒にホメオパシーを渡す 沖縄県の養護教諭 

 沖縄県名護市の公立中学校の養護教諭がホメオパシーと呼ばれる民間医療で使用するレメディーという砂糖玉を、体調不良を訴えて保健室を訪れた生徒に手渡していたことが2日わかりました。同市教育委員会は「学校内で行うのは不適切」と問題視し、砂糖玉の配布などを直ちに中止するよう指導しました。

 ホメオパシーは植物や動物、鉱物の成分などを水で薄め、染み込ませた砂糖玉を飲む療法。

 日本学術会議は8月、治療効果を否定した上で「これに頼ることで、確実で有効な治療を受ける機会を逸する可能性がある」と警告する会長談話を発表。長妻昭厚生労働相も、効果の研究に着手する方針を示しています。

 市教委によると、養護教諭は5年以上前から、校長や校医、保護者らの了解を得ないで生徒に砂糖玉を手渡していました。この養護教諭は普及団体「日本ホメオパシー医学協会」が認定する療法家で、保健室に特別の装置を持ち込み、症状に応じて複数の生徒や卒業生の目の前で砂糖玉を加工し、「普通の薬はいけない」と話していたといいます。

 同校の校長は、「許可した覚えはない。砂糖玉であっても『病気が治る』といって渡しているのであれば問題」と話し、即、中止するよう指導しました。校医も、「効果があるかわからないものを、生徒に勧めるのはよくない」と話しました。

 2010年9月2日(木)

 

■人間に感染しやすい型の鳥インフル 豚で発見

 人に感染すると6割近い致死率を示す高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)が、インドネシアで豚に感染し、一部が人ののどや鼻の細胞に感染しやすいウイルスに変異したことがわかりました。

 解析した東京大医科学研究所の河岡義裕教授らの研究チームは、致死性の高い新型インフル出現に備え、豚インフルの監視の必要性を強調しています。

 河岡さんらはインドネシアのアイルランガ大と共同で、2005年から09年にかけて3回、インドネシアの延べ14州で、無作為に選んだ702匹の豚の鼻汁や血液、ふんなどを調べました。05〜07年に調べた豚の7・4パーセントから高病原性鳥インフルのウイルスが分離され、分析すると、どの豚も近隣の鶏で流行した鳥インフルに感染していました。詳細に調べた39のウイルスのうち、一つが人の鼻やのどの細胞にくっつきやすく変異していました。08~09年の調査では過去に感染していた形跡はありましたが、ウイルスは分離されませんでした。

 これまで見付かった高病原性鳥インフルは人には感染しにくいものの、人に感染しやすい高病原性の新たなインフルの出現が懸念されていました。豚は鳥型インフルにもヒト型インフルにも感染するため、豚の体内で人に感染しやすく変異したとみられます。

 高病原性鳥インフルは豚では症状を起こしにくく、感染した豚は無症状だったため、気付かないうちに広がった可能性があります。河岡さんは、「高病原性で人に感染しやすいウイルスが知らぬ間に広がる恐れがあり、症状がなくても豚のウイルス検査をきちんと実施すべきだ」と話しています。

 調査結果は、米疾病対策センター(CDC)の専門誌「新興感染症」電子版で報告されました。

 2010年9月1日(水)

 

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