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健康ダイジェスト

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■新薬の国内開発を優先 厚労省、審査期間を短縮へ

 患者が少ない難病やがんなどの治療薬について、厚生労働省は、世界に先駆けて国内での開発を目指す企業を優先的に審査し、承認までの期間を短縮する新たな仕組みを導入することを決めました。

 患者が少ない難病やがんなどの治療薬を巡っては、採算が取れないといった理由から開発に参入する企業が少なく、患者団体などは改善を求めています。

 このため、厚労省は、患者が少ない病気の治療薬について、世界に先駆けて国内での開発を目指す企業を優先的に審査する新たな仕組みを導入することを決めました。

 具体的には、治験の際に求められている審査機関への相談にかかる時間を現在の半分の1カ月程度にするほか、およそ1年かけて行っている薬の承認審査も短くするなどして、承認までの期間をこれまでより7カ月程度短縮するとしています。

 今月24日に決定した政府の新成長戦略(日本再興戦略改訂版)にも、世界に先駆けた医薬品などの実用化の推進が盛り込まれています。

 厚労省は、「新たな仕組みを来年度には導入し、新薬の開発にかかる企業のコストを減らすなどして日本の薬を世界に発信していきたい」と話しています。

 2014年6月30日(月) 

 

■心の病で労災請求、過去最多の1409人 認定者も2番目に多い436人

 厚生労働省は27日、2013年度の脳・心臓疾患と精神疾患の労災補償状況を公表しました。仕事上のストレスによるうつ病などの精神疾患で労働災害を請求した人は1409人で、前年度より152人増え、統計が残る1983年以来、最多となりました。

 労災認定者は742人で、前年度を下回ったものの高止まりの状況となっています。

 労災認定者のうち、精神疾患による労災認定者は436人で、過去最多だった前年度より39人減ったものの、2年連続で400人を超えました。うち自殺と自殺未遂が63人いました。

 一方、くも膜下出血や心筋梗塞など脳・心臓疾患で労働災害を請求した人は784人で、前年度より58人減りました。認定者は306人で、前年度より32人減ったものの、3年連続で300人を超えました。うち死亡者は133人で、前年度より10人多くなりました。

 精神疾患による労災認定者のうち、セクシュアルハラスメントが原因となった人は40人(うち自殺1人)で、過去最多。パワーハラスメントは55人で、2年連続で過去最多を更新。

 精神疾患による認定者を年代別でみると、30歳代が161人で最も多く、40歳代106人、20歳代75人。原因別では、「仕事内容・量の大きな変化」と「パワハラ」がともに55人で最多、「悲惨な事故、災害」の49人も目立ちました。

 脳・心臓疾患による労災認定者は、50歳代が108人と最多で、60歳以上は前年度から8人増えて50人となりました。

 労災認定者の残業時間は、140時間以上160時間未満が22人で前年度より6人増え、長時間労働が改まらない現状が浮かび上がりました。

 厚労省職業病認定対策室は、「労働者の健康調査で仕事にストレスを感じている人が60パーセントを超えるなど、ストレスや長時間労働が精神疾患の増加の原因ではないか」と分析しています。

 労災を防ごうと、通常国会では2本の法律が成立しました。改正労働安全衛生法は、50人以上が働く事業場で、企業に従業員のストレス検査を義務付けます。遅くとも2015年中に施行されます。過労死等防止対策推進法は、国に過労死・過労自殺対策を求める内容で、年内に施行されます。

 2014年6月29日(日) 

 

■新しい出生前診断で113人中絶 受診7775人の集計

 妊婦の血液を分析して胎児に染色体の病気があるかどうか判定する新しい出生前検査を受けた妊婦は、昨年4月の検査導入から1年で7775人に上り、陽性と判定された142人のうち診断が確定するなどし、流産もしなかった妊婦113人が、人工妊娠中絶をしたことが産婦人科医などのグループの調査でわかりました。

 新しい出生前検査は、妊婦の血液を分析して胎児にダウン症など3つの染色体の病気があるかどうかを高い確率で判定できるもので、昨年4月から国内でも受けられるようになりました。

 この検査を実施する全国40の病院の産婦人科医などのグループは、28日に近畿大で開かれた日本遺伝カウンセリング学会で、昨年4月の検査導入から1年で7775人の妊婦がこの検査を受け、これまでに142人が胎児に病気がある可能性が高いことを示す陽性と判定されたことを明らかにしました。

 このうち、羊水検査などで胎児の染色体の異常が確定し、流産もしなかった110人が人工妊娠中絶をしたということです。また、陽性と判定された妊婦の中には、確定診断を受けないまま人工妊娠中絶をした妊婦も3人いました。

 調査を行った産婦人科医のグループの左合治彦医師は、「カウンセリングで検査の意味をしっかりと考えた上で受けて欲しいと考えている。陽性と判定された妊婦に対しては産婦人科医だけでなく、ダウン症の子供を持つ親から体験を聞けるような態勢を作っていくことなども重要で今後整備していく必要がある」と話しています。

 2014年6月29日(日) 

 

■皮膚がんのメラノーマの新薬、世界初承認へ 年内にも流通開始

 ほくろのがんとも呼ばれる皮膚がんの一種「メラノーマ」について、厚生労働省は、国内の製薬メーカーが開発した新たな治療薬を世界に先駆けて承認する方針を決めました。

 メラノーマは進行すると、手術や抗がん剤などによる治療が難しい病気です。

 26日、厚生労働省の専門家会議が開かれ、大阪市に本社がある小野薬品工業が開発したメラノーマの新たな治療薬「オプジーボ」を承認する方針を決めました。

 この薬は体の免疫機能を弱める「PDー1」というタンパク質の働きを妨げることで、免疫にがん細胞を攻撃させてがん細胞の増殖を抑えるのが特徴で、承認されれば世界で初めてだということです。

 オプジーボは、近く正式に承認され、年内にも流通が始まる見通しです。

 メラノーマの患者で作る団体の徳永寛子代表は、「新たな治療薬の承認で救われる患者が増える。患者の数が少ない病気についても薬の開発や承認を進めてほしい」と話しています。

 メラノーマは、メラニンを作り出す皮膚細胞であるメラニン細胞から発生するがん。悪性黒色腫とも呼ばれ、俗に、ほくろのがんと呼ばれることもあります。

 メラニン細胞は、色素を作り、皮膚の色を決める色素細胞。日光がメラニン細胞を刺激すると、メラニンという皮膚の色を濃くする色素がたくさん作られて、メラノーマを発生するリスクが高まります。

 メラノーマは最初、正常な皮膚に新しくできた小さな濃い色の皮膚の増殖性変化として現れます。多くの場合、日光にさらされる皮膚にできますが、もともとあったほくろに発生する場合もあります。体のほかの部位に非常に転移しやすく、転移した部位でも増殖を続けて組織を破壊します。また、メラノーマは遺伝することがあります。

 日本でのメラノーマの発症数は、人口10万人当たり1・5~2人くらいといわれ、年間1500~2000人くらい発症しています。白色人種の多い欧米では人口10万人当たり10数人以上で、オーストラリアは20数人以上の発症と世界一です。日本でも外国でも年々、発症数の増加傾向が認められています。

 日本でのメラノーマによる死亡者は、推計で年間約700人。40歳以上になると発症が多くなり、60~70歳代が最も多くなっています。男女差はありません。

 2014年6月27日(金)

 

■働くがん患者、退職を急がないで 拠点病院で医師が呼び掛けへ

 厚生労働省は本年度中に、働くがん患者に対し性急に仕事を辞めないよう医師が呼び掛ける取り組みを、全国のがん診療連携拠点病院で始めます。働くがん患者の支援に関する有識者検討会で、同省が23日に示した報告書案に盛り込みました。

 がんの告知を受けた人が治療に専念するため、退職を急ぐケースが少なくありません。しかし、退職後に経済的に困窮したり、生きがいを失ったりする患者の増加が、医療現場で指摘されています。

 病気の治療が医師の本来業務ですが、病状によっては仕事と治療の両立が十分可能であるなどと説明します。まず全国397カ所(4月1日時点)の拠点病院で始め、将来は他の病院にも広げる方針です。

 厚労省は2010年の国民生活基礎調査を基に、働くがん患者を約32万5000人と推計。男性14万4000人、女性18万1000人で、男性は60歳代、女性は50歳代が最も多くなっています。一方、がんと診断される人は年約80万人います。

 報告書案では、がんの早期発見や治療法が進歩し、がんの5年生存率は6割近くあるにもかかわらず、患者の約3割が自ら退職する実態を踏まえ、がん患者の就労支援の重要性を指摘し、拠点病院の医師が病状や仕事の状況などに応じて「今すぐに仕事を辞める必要がない」と助言し、治療の見通しを文書などで説明するべきだとしました。

 希望すれば、医師が勤務先と連絡を取り合えることを患者に伝えるべきだとした上で、患者が治療を続けながらできる業務などを勤務先に伝えることが重要だと指摘しました。企業には、働きながら治療や検診が受けられるように、半日単位や時間単位の休暇制度の導入検討を求めました。

 厚生労働省のがん患者の就労を支援する有識者検討会では、患者と企業の間で、情報共有が難しい実態が明らかになりました。

 副作用や通院のため、患者は仕事の内容や働く時間に制約を受けることがあります。しかし、同僚への遠慮や自身のキャリアに不利になることを恐れ、がんになっても職場に伝えていないケースが少なくないといいます。一方、上司に相談しても理解してもらえず、退職に追い込まれることもあるといいます。

 企業側も対応に苦慮しています。有識者検討会では、「個人的なことなので患者に尋ねにくい」「がんは原則的に業務に関連した病気ではないので、手厚い対応は取りにくい」などの声が紹介されました。

 有識者検討会の委員で、がん患者の就労支援をするNPOの理事長桜井なおみさん(47歳)は自身もがんを経験しており、「患者が相談したくても、病気や治療について理解している人事や労務の担当者が少なく、社外の相談窓口も限られている」と指摘しています。

 がんは2人に1人がかかる身近な病気ですが、医療の進歩で生存率は向上し、外来で放射線治療や化学療法を受けながら働く世代のがん患者は増えています。桜井さんは、「患者が可能な限り働き続けられるような体制の充実がもっと必要だ」と話しています。

 2014年6月26日(木)

 

■乳幼児のボタン電池の誤飲、消費者庁が注意喚起 入院、死亡例も

 小型の電気製品やおもちゃに使われているボタン電池を乳幼児が誤って飲み込むと、重大事故につながる恐れがあると、消費者庁が注意を呼び掛けています。入院例や死亡例もありますが、保護者の多くは危険性を認識していないといいます。

 消費者庁に寄せられた事故情報によると、昨年8月、東京都内の1歳男児がLEDライト付き耳かきに取り付けていたコイン形のリチウム電池を誤飲しました。これが食道に引っ掛かり、9時間の手術で摘出したものの、気管と食道に穴が開き、2カ月の入院をしたといいます。

 その間、口から物を食べることはできず、鼻からチューブで栄養を取る状態が続きました。男児の母親は、「電池を飲んだ当初は、便とともに出てくると簡単に考えていて、これほど大変なことになるとは想像していなかった」と話しています。

 このように1歳前後の子がボタン電池を飲み込むと、食道に引っ掛かるケースが多くみられます。粘膜に触れると電流が流れ、アルカリ性の液体が外に流れ出すため、食道の壁に潰瘍(かいよう)ができたり穴が開いたりする恐れがあります。

 潰瘍は、ボタン電池、特にリチウム電池では30分から1時間という非常に短時間でできることもあります。

 消費者庁には、2010年12月~2014年3月に、93件の子供のボタン電池誤飲に関する情報が寄せられました。うち91件は3歳以下の例で、10件で入院をしました。

 2004年には、1歳3カ月の男児が誤飲1日後に摘出しましたが、2週間後に合併症を引き起こし死亡した例があります。アメリカでは、2009年までの19年間で5万人が緊急診療を受け、うち35人が死亡したといいます。

 消費者庁は3月、0~3歳児の母親3248人にインターネットを通じて調査をしたところ、ボタン電池を誤飲し食道にとどまると重症にいたるケースがあることを「知っている」と答えた人は38パーセントにとどまったといいます。

 2014年6月25日(水) 

 

■アレルギー疾患対策基本法が成立 学校、施設の責務も明記

 アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患対策を総合的に推進する「アレルギー疾患対策基本法」が20日、参院本会議で全会一致で可決、成立しました。

 アレルギー性気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーなどのアレルギー疾患は、国民の約半数がかかっているといわれる国民病です。その一方で、医療施設や地域によって診断や治療方法に差があるなど、アレルギー疾患に対する研究や知識の普及が課題となっていました。

 そうした中、2012年には東京都調布市で、食物アレルギーのある小学生が給食後に死亡する事故が発生、医療機関だけでなく、学校など教育機関での知識や適切な対応方法の普及が急がれていました。

 アレルギー疾患対策基本法は、アレルギー疾患対策の一層の充実を図るため、国や地方自治体、医療関係者、学校や児童福祉施設、老人福祉施設の関係者などの責務を明確にし、総合的な施策による生活環境の改善や、全国どこでも適切な医療を受けられる体制づくりなどを基本理念として掲げています。

 その上で、厚労相に対しては、対策の推進に関する基本指針の策定を義務付け、策定に当たっては、患者や学識経験者など関係者で構成される「アレルギー疾患対策推進協議会」の意見を厚労相が聞くものとしています。基本指針は5年ごとに見直し、都道府県については、対策の推進に関する計画を「策定できる」としています。

 また、国に対して、重症化予防のための生活環境改善策として、大気汚染の防止や、アレルギー物質を含む食品表示を充実させることを求めました。

 2014年6月24日(火) 

 

■カネボウ白斑症状、長期化し完治せず 4000人に慰謝料前払い

 カネボウ化粧品(東京都)の美白化粧品で肌がまだらに白くなる白斑症状が相次いだ問題で、カネボウが症状が比較的重いと判断した約4000人に対し、慰謝料や休業補償として一時金を支払うことを決めました。

 1人当たり数十万円で、支払いの総額は10億~20億円規模になる可能性があります。

 カネボウによると、対象はこれまで同社に被害を申告した約1万9000人のうち、「症状が重く治療が長期化しそうな方」と同社が独自に判断した4000人強。判断の基準は明らかにしていないものの、発症時期や症状によって、1人当たり数十万円の慰謝料と、通院などで会社を休んだ場合の収入を補う1日当たり数千円の休業補償を提示し、支払う意向を記した社長名の手紙を送っているといいます。

 被害者支援に当たっている東京弁護団事務局長、中村忠史弁護士によると、総額30万~50万円程度の一時金を提示された被害者を複数把握しているといいます。

 カネボウはこれまで被害者に医療費や交通費を支払い、慰謝料や休業補償は「回復時に支払う」としてきましたが、同社は「症状が回復する前提で対応しているが、症状が重い方も多数いる。回復後の対応では不十分だと判断した」といいます。

 対象者への支払いは、今後も一定期間ごとに続けるといいます。対象以外の人への対応はこれまで通りで、対象者の数を増やす可能性については「未定」としています。

 東京、静岡両地裁などでは損害賠償訴訟が起こされていますが、カネボウ側は争う姿勢を示しています。

 関東地方の50歳代の女性は、5月下旬に一時金の打診を受け、「一時金を受け取っていいのか悪いのか迷っている」といいます。

 中村弁護士は、「どういう基準で算定したのかわからない。本来支払われるべき慰謝料の総額からみたら不十分だと考える。カネボウ側に説明を求めていきたい」としています。

 2014年6月23日(月) 

 

■体外受精、事実婚夫婦に拡大 日本産科婦人科学会が正式容認

 不妊治療で広く行われている体外受精について、日本産科婦人科学会は、これまで法律上の夫婦に限るとしていた学会のルールを改め、婚姻届を出していないいわゆる事実婚の夫婦にも認めることを正式に決めました。

 これは、全国の産婦人科の医師で作る日本産科婦人科学会が21日に開いた総会で決めたものです。

 学会は1983年に定めた会告(倫理指針)で、体外受精を行えるのは婚姻届を出している法律上の夫婦に限るとしていました。

 しかし、夫婦の在り方が多様化し、婚姻届を出していない事実婚も広く受け入れられるようになってきたことなどから、事実婚の夫婦についても体外受精の実施を認めることを正式に決めました。同時に、卵子や受精卵の凍結保存についても、同じように事実婚の夫婦にも認めることになりました。

 学会は会告の見直しの理由について、「婚姻だけでない夫婦関係も広がってきている。事実婚の夫婦に対する社会全体のコンセンサス(合意)ができてきた」と説明。ただし、夫婦という条件は変更せず、独身者や同性カップルは認めないといいます。第三者間の体外受精については、国の方針決定を待つといいます。

 新しい会告は、8月に発行する学会誌に掲載します。体外受精によって、毎年3万人を超える子供が生まれ、約30人に1人を占めています。

 記者会見した学会倫理委員長の苛原(いらはら)稔徳島大教授は、「女性の結婚年齢が上昇し、少子化も進んでいる。多様な夫婦関係がある中で、子供を持ちたいという希望に応える必要がある。大事なのは、生まれる子供の福祉に責任を持つということだ」と話しています。

 2014年6月22日(日)

 

■豚レバ刺し提供禁止へ、タタキやユッケも 厚労省が方針

 重い食中毒などを防ぐため、厚生労働省は2012年に提供が禁止された牛の生レバーに続き、豚の生レバーについても飲食店などでの提供を禁止する方針を決めました。

 これは20日開かれた厚生労働省の専門家会議で決まったものです。

 豚の生レバーを巡っては、内部から最悪の場合死亡することもあるE型肝炎ウイルスの検出が報告されているほか、表面にサルモネラ菌などの細菌が付着し、食中毒を引き起こす恐れがあると指摘されています。

 厚労省は飲食店などに対し豚の生レバーを提供しないよう指導していますが、法的な拘束力はなく、2012年7月に牛の生レバーの提供が禁止された後は規制の対象となっていない豚の生レバーを提供する飲食店が相次ぎ、2012年12月の時点では全国で80カ所に上っています。

 専門家会議では、豚の生レバーは内部まで加熱する以外に食中毒やE型肝炎のリスクを減らせないなどとして、飲食店などで生レバーのほか、タタキやユッケなどを提供することを禁止すべきだという意見で合意しました。

 厚労省は今後、食品安全委員会に意見を聞いた上で、豚の生レバーの提供を禁止する時期などについて決めることにしています。

 豚の生レバーの提供が禁止される方針が決まったことについて、飲食店では店側と客の双方から残念だという声が聞かれました。

 東京都千代田区にある飲食店では、表面を軽く焼き、ほぼ生の状態で提供する「レバテキ」というメニューが人気だということで、提供が禁止された牛の生レバーの代わりに注文する人も多いということです。

 この店では食中毒を防ぐため、調理に使うまな板や包丁をこまめに消毒し、その日に仕入れた新鮮な生レバーだけを使っています。1日に提供できるのは5皿ほどで、すぐに売り切れてしまうということです。

 店長の国府谷尚さんは、「規制されれば提供はやめざるを得ないが、生の食感が好きだというお客さんもいるので、複雑です」と話していました。レバテキを注文した女性客は、「生のレバーが大好きでいつも注文しています。食べられなくなるのはとても残念です」と話していました。

 2014年6月20日(金) 

 

■脊髄損傷の新治療法、慶大が臨床試験開始へ 薬の投与で細胞再生効果に期待

 交通事故などで脊髄が傷付いた患者に、神経を再生する働きのある新しい治療薬を投与し、その回復を図る初めての臨床試験を、慶応大学などの研究チームが6月下旬から始めると発表しました。

 臨床試験を始めるのは、慶応大学の中村雅也准教授(整形外科学)らの研究チームで、バイオベンチャー企業のクリングルファーマ(大阪府)と共同で行います。

 対象となるのは、交通事故やスポーツ外傷などで首の脊髄が傷付いて78時間以内の急性期で、比較的症状の重い患者。神経細胞を保護し、再生を促す働きのある「HGF(肝細胞増殖因子)」と呼ばれるタンパク質から作った薬を、腰から脊髄の周りの髄液内に5回注射し、リハビリなども実施して、半年後に手足の働きの改善の程度を調べます。

 国内では毎年およそ5000人が新たに脊髄損傷になっているとされますが、リハビリ以外に有効な治療法はなく、薬による治療が期待されています。

 HGFは血液中にあり、肝臓などの細胞を修復、再生させる力があります。神経細胞に直接作用し、細胞死を抑えるほか、血管を作ったり、細胞を再生したりする働きも期待できるといいます。

 これまでの脊髄を損傷させたサルの一種マーモセットを使った実験では、HGFを投与して8週間後に手で物をつかめるようになるなど運動機能の回復が見られたということで、研究チームでは今後2年ほどの間に、20歳以上75歳未満の48人の患者に対して、臨床試験を行いたいとしています。

 慶応大学の中村准教授は、「動物の実験では、かなりの手足のまひがあっても治療を行うと動き回れるまでになる。同じような効果があれば、重い脊髄損傷で寝たきりに近いような人が自分の足で立ったり、動かなかった手が動くようになる可能性もある」と話しています。

 2014年6月19日(木) 

 

■アルコール依存症患者、初めて100万人を超える 急増した女性患者は14万人

 飲酒をやめることができないアルコール依存症の患者が増え続け、昨年、推計で初めて100万人を超えたことが厚生労働省の研究班の調査でわかりました。

 とりわけ女性の患者がこの10年間で2倍近くに急増し、研究班は女性の社会進出が進み飲酒の機会が増えたことが背景にあると分析しています。

 この調査はアルコール依存症の実態を調べるため、厚生労働省の研究班が5年ごとに実施しているもので、昨年は無作為に選んだ全国の4000人余りを対象に飲酒の習慣などについて聞き取り調査を行いました。

 その結果、飲酒をやめることができないアルコール依存症の患者は推計で全国で109万人と、この10年間で29万人増加して、初めて100万人を超えたことがわかりました。

 男女別にみますと、男性は95万人、女性は14万人で、とりわけ女性では働く世代の20歳代から50歳代を中心に増え、10年前の2倍近くに急増しました。

 女性の患者が増えた背景について、研究班は女性の社会進出が進み、仕事上の付き合いなどで飲酒の機会が増えたことが背景にあると分析しています。

 調査を行った国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長は、「女性はアルコールの影響を受けやすく、肝臓の病気にかかるなど健康を損なう危険性も高い。依存症から抜け出すのは難しく、早期に専門の医療機関を受診してほしい」と話しています。

 厚生労働省によりますと、節度ある適度な飲酒量の目安は、個人差はあるものの、男性の場合、ビールならロング缶1本程度、日本酒なら1合程度としています。女性の場合は、この半分から3分の2ほどが望ましいということで、女性は肝臓が小さい上に、体脂肪率が高く、アルコールを分解しにくいため、男性以上に注意が必要だとされます。

 2014年6月18日(土) 

 

■高齢者の介護自己負担引き上げ 医療・介護改革法が成立

 高齢者が急増する中、医療・介護制度が行き詰まらないように大きく見直す「地域医療・介護総合確保推進法」が18日午前、参院本会議で自民党、公明党などの賛成多数で可決、成立しました。

 介護分野では、負担増など痛みを伴う改正が随所に盛り込まれました。医療分野では、病院中心から住み慣れた地域と一体で患者を支える体制を目指す改革が柱です。

 同法は、消費増税に伴う社会保障改革の一環で、医療法や介護保険法など計19本をまとめた一括法。野党各党は、「多数の法案を一括審議する国会運営は乱暴。審議も不十分」として反対に回りました。

 介護保険の見直しでは、厳しい保険財政の立て直しのため、サービスの絞り込みや負担増が並び、年間で280万円以上の年金を受け取っている人を念頭に、一定以上の所得がある利用者の負担割合を2015年8月、1割から2割に引き上げるとしています。負担割合の引き上げは、2000年4月の制度創設以来初です。

 同時に、多額の預貯金(単身者で1000万円超を想定)を持つ介護施設入居者を、食費や部屋代の補助対象から外します。

 2015年度から3年かけて、介護の必要度が低い要支援1、2の人向けの家事援助サービスなどを市町村事業に移すほか、2015年4月以降、特別養護老人ホームへの新規入所は、介護の必要度が比較的高い要介護3以上の人に原則として限定します。

 医療では、2015年10月に医療版事故調査制度をつくり、患者が死亡した医療事故の第三者機関への届け出や、原因究明に向けた院内調査を全医療機関に義務付けます。また、介護と共通で使える財源として、在宅医療の充実に取り組む医療機関などを支援する基金(公費ベースで総額904億円)を各都道府県に設置します。

 18日午前に開かれた参議院本会議では、各党の討論が行われ、自民党は、「地域での支え合いや高齢者1人1人にふさわしい支援を育てようとするものだ。地域ごとに充実した医療を提供する体制が整うことになる」と必要性を訴えました。

 これに対し民主党は、「国は、財政面を理由に社会保障から逃げることは許されない。安倍総理大臣の姿勢が表れたもので、介護保険で要支援の高齢者が切り捨てられる」と反対しました。

 この後、採決が行われ、法律は自民党、公明両党などの賛成多数で可決され、成立しました。

 2014年6月18日(水)

 

■痛風予備軍の発症、飲酒より遺伝子変異の影響大 防衛医大などが解析

 痛風の予備軍である「高尿酸血症」へのなりやすさは、肥満や飲酒の習慣よりも特定の遺伝子の変異に左右されるとの研究結果を、防衛医大(埼玉県)や名古屋大などの研究チームがまとめました。

 遺伝子を調べることで、リスクの高い人はより積極的にダイエットや節酒に取り組むなど、効率的な予防に役立つといいます。

 痛風は、尿酸が結晶になって関節にたまることで、足の親指の付け根などがはれて、激しい痛みを引き起こします。成人男性の4人に1人は、血液中に尿酸が多い高尿酸血症の状態。

 防衛医大の松尾洋孝講師や中山昌喜医師らが、浜松市で健康診断を受けた35~70歳の約5000人の血液や身長、体重、年齢、飲酒量などのデータを解析したところ、高尿酸血症だった約1000人のうち29パーセントは遺伝子の変異が主な原因で、肥満の19パーセントや、大量飲酒の15パーセント、加齢の6パーセントよりも影響が大きくなりました。

 変異があったのは、腎臓や腸で尿酸を排出するポンプの役割をしているタンパク質を作る「ABCG2」という遺伝子で、変異があると尿酸を体の外へ出す量が通常より25~75%減ります。

 25パーセント減る変異の場合、身長160センチの人で5キロ、170センチの人で5・7キロ、180センチの人で6・4キロ太るのと同じリスクをもたらすと判明しました。飲酒と比べると、ビールを週13リットル飲むのと同程度でした。

 研究は、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載されました。

 松尾講師は、「遺伝子変異の有無を調べ、生活習慣を改善する目安にしてほしい。ダイエットや節酒の具体的な目標の目安がわかり、より効率的に予防策がとれる」と話しています。

 2014年6月17日(火) 

 

■認知症のリスク、喫煙者は2倍 脳神経細胞に影響か

 たばこを吸う高齢者は吸わない人に比べ、認知症の発症リスクが2倍に高まる。こうした疫学調査結果を、九州大大学院の研究チームが14日、福岡市で開かれた日本老年医学会の学術集会で発表しました。

 福岡県久山町の住民を15年間にわたって、追跡調査して判明しました。日本人を対象に、認知症と喫煙の関係を研究したのは初めてといいます。

 追跡調査した対象は、1988年に健康診断を受けた老年期の712人(当時の平均年齢72歳)。このうち202人が、2003年までに認知症になりました。

 「喫煙なし」「過去に喫煙」「ずっと喫煙」の3群に分け、それぞれ認知症になった割合を調べたところ、ずっと喫煙している人は喫煙なしの人に比べ、発症リスクが2倍になりました。過去に喫煙していた人と喫煙なしの人では、明確な差はありませんでした。

 712人のうち578人は中年期(平均年齢57歳)の健診データもあり、「中年期も老年期も喫煙なし」「中年期は吸ったが、老年期までにやめた」「ずっと喫煙」の3群で比較すると、ずっと喫煙している人は喫煙なしの人より、リスクが2・8倍に上昇しました。一方、たばこをやめた人は、リスクが1・5倍にとどまりました。

 かつて喫煙は認知症を減らすとの報告があり、近年、それを否定する報告も海外で相次いでいましたが、日本人を対象にした研究でも、たばこが認知症のリスクとなることが示されました。

 九州大学の小原知之助教(精神病態医学)は、「喫煙が脳神経細胞の障害をもたらしたり、動脈硬化を促進したりするのが認知症の誘因になっているとみられる。禁煙が認知症の発症リスクを下げる可能性がある」と説明しました。

 2014年6月16日(月)

 

■梅毒、都市部の若年層中心に拡大 昨年、1000人を超える

 主に性行為で感染する感染症「梅毒」の患者が、増えています。昨年の患者数は現行の統計法になった2000年以降、初めて1000人を上回ったことが、判明しました。

 過去には患者数10万人を超える大流行も引き起こした病気も、現在は抗生物質で治療可能。そのため「過去の病気」と思われがちですが、ここへ来て若年層を中心に感染者がジワジワと増加中です。専門家は「早めに治療を受け、感染拡大を防いでほしい」と話しています。

 国立感染症研究所によると、2013年に梅毒と診断された人は前年比351人増(1・4倍)の1226人。2001~05年は500人台で推移していましたが、2011年の621人から3年連続で増加しています。

 男性が989人と8割を占め、特に25~39歳と若年層での感染が目立ちます。都道府県別では、東京都が172人と最も多く、大阪府71人、愛知県56人、神奈川県36人、千葉県20人と都市部で広がっています。

 今年も5月25日までで548人と、昨年を上回るペースで増え続けています。

 感染研細菌第1部の大西真部長は、「増加の原因は不明だが、患者の多くは男性同士の性的接触の経験を持っている。こうしたコミュニティーに梅毒が入り込んでいる可能性がある」と指摘しています。

 梅毒は、梅毒トレポネーマ菌が性行為などによって、皮膚や粘膜の傷口などから侵入することで感染します。皮膚が赤くなったり、リンパ節がはれたりすることから始まり、現代ではまれながら進行すると脳や神経が侵され死亡することもあります。

 感染初期の発疹などの皮膚病変から移りやすく、治ったように見えても再び皮膚に異常が出ることもあります。

 大西部長は、「早期に治療することが感染拡大の予防となる。ためらわずに病院で検査を受けてほしい」と呼び掛けています。

 2014年6月15日(日) 

 

■iPS細胞で目の難病の原因遺伝子を解明 新たな治療薬の開発に期待

 失明につながることもある目の難病「網膜色素変性症」の患者から作り出したiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って、病気の原因となる遺伝子の1つを突き止めることに慶応大学の研究チームが成功しました。

 新たな治療薬の開発につながると期待されます。

 この研究を行ったのは、慶応大学の岡野栄之教授らの研究チームです。

 網膜色素変性症は目の網膜の細胞が死んで視力が低下する難病で、失明することもありますが、根本的な治療法は見付かっていません。

 研究チームは、網膜色素変性症の患者からiPS細胞を作り出し、目の網膜の細胞に変化させて、試験管の中で病気の状態を再現することに成功しました。

 そして、この細胞を詳しく調べたところ、ロドプシンという遺伝子に特定の変化があると細胞が死んで症状が進行することがわかったということです。

 また、抗がん剤の一種が、ロドプシンの働きを抑え症状の悪化を食い止めることもわかったということで、研究グループは新たな治療薬になる可能性もあるとしています。

 岡野教授は、「iPS細胞を使うことで遺伝子の変異と症状の因果関係を証明することができた。遺伝子の変異がある人は症状が進む前に薬の投与を受けるといった予防的な治療も可能になるのではないか」と話しています。

 2014年6月14日(土) 

 

■認知症高齢者に抗精神病薬、死亡率2倍 3カ月から半年でリスク増

 日本老年精神医学会は13日、認知症患者が抗精神病薬を使い始めから3カ月から半年は、使っていない患者に比べて死亡リスクが約2倍に高まるとの結果をまとめ、東京都内で開かれた同学会で報告しました。

 同学会は、「新たに使い始める患者や高齢者、要介護度が高い人は特に注意してほしい」と呼び掛けています。

 認知症に伴う激しい興奮状態や暴力、妄想、徘徊(はいかい)などの行動障害は介護者の負担になるため、医療現場では、統合失調症などに用いる抗精神病薬が使われることが珍しくありません。適応外の認知症では公的医療保険は認められていませんが、医師の判断で広く使われています。

 一方、米食品医薬品局(FDA)は2005年4月、臨床試験の結果から「高齢の認知症患者に抗精神病薬を使うと、死亡リスクが約1・6倍高まる」との警告を出していました。

 このため、同学会は2012年10月から、全国の約360医療機関で診療を受ける65歳以上の認知症患者で抗精神病薬を飲んでいる人、飲んでいない人約5000人ずつを対象に、約2カ月(10週)後と半年(24週)後の死亡率を調べました。

 その結果、飲んでいる群と飲んでいない群全体の比較では、死亡リスクに差はありませんでした。

 しかし、抗精神病薬を飲み始めたばかりの約450人を分析すると、開始3カ月から6カ月(11週から24週)の間の死亡率は3・7パーセントで、飲まない人の1・9パーセントより高く、死亡リスクは2倍に上りました。死因は、肺炎や老衰などが多く認められました。開始約2カ月(10週)までは、差がありませんでした。

 学会は、「半年以上の長期間服用中の人には比較的安全で、急がずに経過をみて使用を判断する」とした上で、新たに使う人は注意が必要としました。

 報告した新井平伊(へいい)・順天堂大教授は、「年齢や要介護度の高い人の使用には十分な配慮が必要で、漫然と使い続けるのではなく、短期間が原則。常に減量や中止を考慮すべきだ」と話しました。

 2014年6月13日(金) 

 

■63人の子供に禁止麻酔薬を投与、その後12人が死亡 東京女子医大病院

 東京女子医科大学病院(東京都新宿区)で今年2月、2歳の男の子が子供への使用が禁止されている麻酔薬を投与されて死亡した医療事故で、病院の理事長らが12日に記者会見し、昨年までの5年間に、同じ薬が63人の子供に使われ、このうち12人がその後、死亡していたことを明らかにしました。

 東京女子医科大学病院では、首のリンパ管の手術を受けた2月当時2歳の男の子が、集中治療室(ICU)で人工呼吸中に動いて呼吸用の管が抜けるのを防ぐため、子供への使用が禁止されている麻酔薬「プロポフォール」を4日間投与された後に、容体が急変して死亡し、警視庁が業務上過失致死の疑いで捜査を進めているほか、病院も調査を行っています。

 12日は、病院を運営する法人の吉岡俊正理事長、永井厚志病院長らが記者会見し、「薬の投与が死因になったとみられる。責任を痛感しており、亡くなったお子様とご遺族に本当に申し訳なく思います」と謝罪しました。

 その上で2009年から昨年までの5年間に、同じプロポフォールが0~14歳の子供63人に使われ、このうち12人が、投与から数日から3年の間に死亡していたことを明らかにしました。いずれもプロポフォールによる副作用の症状はなく、敗血症などの感染症や投与から長い期間がたった後に死亡した例が多かったといいます。

 これについて病院側は、「死亡の状況などから因果関係はないとみられるが、外部の調査機関に依頼して詳しく調査したい」と説明しました。

 この医療事故を巡っては、先週、大学の医学部長らが「病院側の対応が遅い」として独自に記者会見し、同じ薬を63人の子供に投与していたなどとする調査結果を明らかにしています。

 死亡した男の子の母親はマスコミの電話インタビューに答え、「病院側はこれまで私たちに死亡事例は確認されていなかったと説明していたので、今までに12人が亡くなられていたと聞いて、ただただ、びっくりしています。なぜ亡くなったのかきちんと調べるべきだと思います」と話しています。

 また、「12人が亡くなった時に検証を積み重ねていれば、息子も含めこれだけたくさんの人たちが亡くなることはなかったと思います。息子の容体が悪化しても、主治医は『安全な薬だから大丈夫です』といっていたので、きっと大丈夫だと信じて子供を託していたのに残念でならないです」と話していました

 東京女子医科大学病院の理事長らの会見を受けて、大学側の笠貫宏学長らが記者会見し、「同じ薬を投与された子供の12人がその後、死亡したことは記者会見まで知らず極めて驚がくしている。こうした事実をもっと早い時期に公表すべきだった」と述べました。

 また、社会や大学職員との信頼関係が損なわれており、信頼回復のためには幹部が入れ替わって再出発することが必要だと主張して、学長名ですべての理事と評議員に退陣を要求する文書を送ったことを明らかにしました。

 2014年6月12日(木) 

 

■新出生前検査で陽性、確定診断受けずに妊婦2人が中絶

 妊婦の血液を分析して胎児に染色体の病気があるかどうか判定する新しい出生前検査を受けた妊婦2人が、診断を確定させる検査を受けないまま中絶していたことがわかりました。

 検査実施病院を認定する日本医学会は、「あってはならないことで再発防止に努めたい」としています。

 昨年4月から国内で始まった新しい出生前検査は、妊婦の血液を分析するだけで胎児にダウン症など3つの染色体の病気があるかどうか判定するものです。この検査で「陽性」と判定されても、例えばダウン症では35歳で15パーセントほど胎児が病気でない可能性があります。

 このため陽性と判定された妊婦は、羊水を採るなど別の検査を受けて診断を確定させることになっていますが、全国の産婦人科医のグループが調べたところ、これまでに陽性と判定された妊婦141人のうち2人がこうした検査を受けないまま人工妊娠中絶していたことが判明しました。

 2人は、陽性と判定を受けた病院とは別の病院で中絶。うち1人は、判定を受けた病院で結果に関する遺伝カウンセリングを受け、腹部に針を刺す羊水検査も予約しましたが、検査当日に来なかったといいます。

 日本医学会の福嶋義光委員長(信州大教授)は、「本来あってはならないことで医療機関に注意を促すなど再発防止に努めたい。また妊婦の方にも確定診断が必要なことを理解してほしい」と話しています。

 2014年6月11日(水) 

 

■個人輸入サイトの健康食品に注意 半数超から医薬品成分を検出

 厚生労働省は10日、インターネットの個人輸入サイトで販売されている健康食品の2012年度買い上げ調査で、109製品のうち半数超の56製品から医薬品成分を検出したと発表しました。

 厚労省によると、強壮や痩身(そうしん)、健康増進をうたった製品を2013年1~2月に買い上げて成分を分析。強壮用の44製品のうち37製品から、性的不能治療薬の成分シルデナフィルなど5種類を、痩身用の29製品のうち19製品から、国内未承認の肥満症治療薬の成分オリスタットなど9種類を検出しました。

 この健康食品に含まれる成分が原因で、頭痛などの健康被害を起こす可能性があるといいます。

 販売サイトは中国や香港、タイなどいずれも海外で運営されているとみられ、厚労省は電子メールで削除を要請しました。米国の専門会社にも監視を委託しており、改善されない場合はプロバイダーを通じてサイトを強制削除する方針。

 厚労省は、「健康被害を起こす可能性があるので個人輸入はしないでほしい」と注意喚起しています。

 2014年6月10日(火) 

 

■要介護になるリスク、やせた高齢男性は太った人の2倍 栄養不足が影響か

 高齢者になると、やせた男性は太っている人と比べ、介護が必要になるリスクが約2倍高いとする調査結果を東京都健康長寿医療センター研究所(東京都板橋区)のチームがまとめました。栄養の低さが健康に悪影響を与える可能性が示されたとしています。

 チームは12日に、日本老年医学会学術集会で調査結果を発表します。

 チームは2002~12年、群馬県草津町の高齢者(2012年時点で平均74歳)計1620人を昨年6月まで追跡調査しました。最初の健診時で介護が不要だった1546人のうち、82人が死亡し、202人が介護サービスを受ける必要があると認められました。

 体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割った体格指数BMIと、肉や魚を多く摂取すると増えるタンパクのアルブミン値、総コレステロールなど4つの指標で栄養状態を評価し、それぞれを高い順に4グループに分けて比較しました。

 男性では、BMIが最も低いやせグループ(15・9〜21・0)は、最も高いグループ(24・9〜39・9)よりも、介護が必要になるリスクが1・9倍でした。

 また、総コレステロールでも、栄養状態を示す数値が最も低いグループ(118〜170)は、最も高いグループ(216〜313)に比較して、リスクが1・8倍と高くなりました。アルブミンでも、同様にリスクが高くなりました。

 女性では、BMIで男性のような差は出ませんでした。その理由ははっきりしないものの、太っていることによる膝や腰への影響が男性よりも出やすいのではないかといいます。

 研究所の新開省二・研究部長は、「体力の低下やかむ力の衰えなどさまざまな要因で、高齢者は栄養不足になりがちだ。太ることを気にして動物性タンパク質を敬遠せず、バランスよく食べてほしい」と語っています。

 2014年6月9日(月) 

 

■温暖化対策を強化しない場合、真夏日が50日余り増加 環境省が予測

 地球温暖化対策をこのまま強化しなかった場合、国内では、今世紀末に最高気温が30度以上の真夏日になる日が、各地の平均で年間50日余り増加するという最新の予測がまとまりました。

 環境省は、今世紀末の国内の気候の変化について、最新の研究を基に予測しました。

 それによりますと、温暖化対策をこのまま強化せずに温室効果ガスの排出量が増え続けた場合、年間の平均気温は現在よりおよそ4・4度上昇し、真夏日の日数が各地の平均で年間53日増加するということです。

 地域別にみますと、いずれも年間で沖縄・奄美が87日、西日本の太平洋側が69日、西日本の日本海側が66日、東日本の太平洋側が58日、東日本の日本海側が54日、北日本の日本海側が39日、北日本の太平洋側が35日、それぞれ増えるとしています。

 その結果、秋に入っても真夏日が続き、東京の都心で年間3カ月半程度、那覇市は半年程度にわたるようになるということです。

 また、雨が降らない日が平均で3週間余り増える一方、大雨の時の1日の降水量が4割程度増加し、雨の降り方が極端になる恐れがあるとしています。

 一方、2020〜30年までに世界の温室効果ガスの排出量を減少に転じさせる厳しい温暖化対策をとった場合は、年間の平均気温がおよそ1・1度の上昇にとどまり、真夏日の増加を平均で年間12日に抑えられるということです。

 環境省は今回の予測結果を踏まえ、気候の変化が健康面や農業などに与える影響についても、今後、予測を行うことにしています。

 今回の環境省の予測結果について、地球温暖化問題に詳しい国立環境研究所の住明正理事長は、「現在でも暑い時は、東京の夏は亜熱帯に相当する暑さだが、その期間が長くなり、春の遅いころや秋にどんどん暑い日が増えると解釈するのが妥当だ。従来の常識では考えられないようなことになっていくと思う。真夏日が増えると、最も懸念されるのは熱中症の増加で、特に高齢者や幼児、社会的な弱者に影響が出てくることが考えられる。また、ゲリラ豪雨などの災害も懸念される」と指摘しました。

 その上で、住理事長は、「今のまま、温室効果ガスの排出を続ければ、非常に暑い気候になって、いろいろな不都合が起きることは、ある程度確かだと思うので、できる限りそれは避けるべきだ。排出を削減するとともに、都市計画などを見直して、温暖化に対応できる社会を作っていくことが大事だ」と語りました。

 2014年6月8日(日)

 

■清涼飲料の賞味期限、年月単位に簡略化 メーカーが対象拡大

 飲料メーカーやスーパーなどでつくる日本TCGFは6月3日に、缶コーヒーやお茶などの清涼飲料の「賞味期限」が1年以上の場合、今まで期限を「年月日」で表示していたのを順次簡略化して「年月」だけにすると発表しました。

 例えば賞味期限が「2014年6月4日」は前月の「2014年5月」にして、月末の場合だけその月を期限にします。

 賞味期限はおいしく食べたり飲んだりできる期限で、過ぎたら食べたり飲んだりほうがいい「消費期限」と違います。JAS法では、賞味期限が3カ月を超える商品は月単位で期限を表示してもいいことになっています。

 これまで期限の表示が年月日だったため、日付順に細かく商品を出荷したり店頭に並べたりしてきました。年月にすることで環境に配慮してトラックの配送回数を減らしたり、店頭での手間を省いたりできるといいます。

 飲料メーカー各社は、すでに賞味期限が2年ほどの2リットルペットボトル入り国産水で、昨年5月から表示を年月だけに簡略化しており、対象を1年以上の賞味期限の缶やペットボトル入りの清涼飲料などにも大幅に広げます。

 年月表示に移行が決定した清涼飲料水は、キリンビバレッジの缶コーヒー「ファイア」、サントリー食品インターナショナルの缶コーヒー「ボス」、「サントリーウーロン茶」。2社は、6月の製造分から新しい表示を導入します。この2社以外の各社も、移行を検討中。

 同プロジェクトは、主に消費財流通業界の企業で構成する日本TCGFが主体となって実施。国分や三菱食品の大手卸、イオンやローソンなど大手小売業が参加しています。

 2014年6月8日(日)

 

■小児に禁止麻酔薬を投与、5年で63人に 東京女子医大病院

 東京女子医科大学病院(東京都新宿区)で今年2月、2歳男児が手術後に麻酔薬を投与されて死亡した医療事故について、大学の高桑雄一医学部長と男児の手術を執刀した吉原俊雄教授、山口直人教授が5日、東京都内で記者会見しました。

 会見した3人は、病院側が小児への使用を禁止する麻酔薬を男児に過大に投与したと発表。その禁止薬を複数の子供に使っていたことも明らかにし、大学側も5年間で63人に使用したことを認めました。この事故については、警視庁が業務上過失致死容疑で捜査しており、厚生労働省も投与の実態確認を急いでいます。

 3人は、事故後に教授会が関係者から事情聴取した結果に基づいて発表しました。死亡した男児は首のリンパ管の手術後、集中治療室(ICU)で人工呼吸中に動いて呼吸用の管が抜けるのを防ぐため、麻酔薬「プロポフォール」を4日間投与されました。

 プロポフォールは海外で小児の死亡例が報告され、厚労省は2001年9月、集中治療室で人工呼吸中の小児(およそ15歳未満)への使用を禁じる通達を製薬会社に出しました。製薬各社は薬剤の添付文書で、この条件での使用は「禁忌(きんき)」と明示しています。

 担当した麻酔医は、禁止薬であることを知りながら家族への説明もなく投与。成人に換算すると、通常の2・5〜2・7倍の量が使われたといいます。

 麻酔医は教授会の調査に対し、禁止薬を使った理由について「子供への投与が禁止されていることは知っていたが、人工呼吸器の管が患者が動いて外れないようにするために投与した」と説明しているといいます。

 3人は男児の死因について、「病理解剖の担当によると麻酔薬の副作用を示す症状も出ており、カルテに記載された自然死ではなく異状死だ」と指摘しました。

 また、この男児と同様の麻酔薬の使用例を大学が調査したところ、2009年1月から昨年12月までに15歳未満の使用が63人ありました。死亡例はありませんが、重篤な副作用が出たケースがあったかどうかは不明だといいます。

 会見した高桑医学部長は、「死亡から3カ月以上経っても病院が社会に対して説明しないのは問題だと考えて会見に踏み切った。患者に同意を得ずに投与しているのは不適切で、すべての教員に対して再教育を行い再発防止に努めたい」と述べました。

 2014年6月7日(土) 

 

■昨年の自殺者、2万7000人超 4年連続で減少、原因の最多は健康問題

 政府は3日の閣議で、2014年度版の「自殺対策白書」を決定しました。それによると、2013年1年間に自殺した人は2万7000人余りで、前の年よりおよそ2パーセント減少したものの、自殺をさらに減らすために、医療・福祉、経済分野の対策を着実に進める必要があるとしています。

 3日閣議決定された「自殺対策白書」によりますと、2013年に自殺した人は、全国で2万7283人で、前の年に比べて575人、率にして2・1パーセント減少し、2年連続で3万人を下回りました。自殺者数の減少は,

4年連続。ただし、若者の自殺率は諸外国との比較でも高水準で推移しており、自殺対策白書は若年層を対象とした対策の必要性を訴えています。

 自殺した人を男女別でみると、男性が1万8787人と全体の68・9パーセントを占め、女性は8496人で31・1パーセントでした。

 年代別で見てみますと、60歳代が全体の17・3パーセントと最も多く、次いで40歳代が16・8パーセント、50歳代が16・4パーセントなどとなっています。

 70歳代と80歳以上では前の年よりわずかに増加したものの、そのほかの年代はいずれも前の年より減少しました。とりわけ50歳代の自殺率が減っていることが、自殺者数の減少の大きな要因となっており、ピークの2003年には8614人でしたが、2013年は4484人とほぼ半減しました。

 しかし、若年層の自殺率は改善せず、15歳〜39歳については、統計を開始した2007年以来、7年連続で自殺が死因の一位を占めました。特に20歳代男性は、死因全体の5割以上が自殺でした。 

 一方、自殺の原因を遺書などから全体の74パーセントの人について特定し、「健康問題」が1万3680人と最も多く、次いで、借金や失業などの「経済・生活問題」が4636人などとなっています。

 自殺対策白書では、自殺する人をさらに減らすために、医療・福祉、経済分野の対策を着実に進める必要があるとしています。

 菅義偉官房長官は3日の記者会見で、「景気が回復基調にあり、政府のさまざまな対策の効果が現れてきた」と自殺者減少について分析し、「未来に向けて生き抜く力を植え付けることを(目標に)政府として教育を始め対応策を取っていく」と若者に関して語りました。

 2014年6月4日(水) 

 

■3日連続猛暑日、最高35・3度 熱中症の疑いで1人死亡、3人重体、281人を搬送

 日本列島は2日、上空に真夏並みの暖かい空気が流れ込む状態が続き、最高気温が35・3度に達した京都府舞鶴市などで35度以上の猛暑日となりました。猛暑日の地点が出たのは、3日連続。

 気象庁によると、暑さが続いた原因の一つは、中国大陸から日本の上空に流入した暖かい空気。石川県輪島市の上空約1500メートルの気温は、2日午前9時に平年を約10度も上回る20・2度を観測し、真夏の時期よりも高くなりました。

 さらに、日本付近では上空を流れる偏西風が5月末以降、南北に大きく蛇行。列島を覆った高気圧は、偏西風に邪魔されるようにしてゆっくりと東へ進んだため、各地で晴天が続きました。

 マスコミが各地の消防や警察などに取材してまとめたところ、2日午後8時現在で、熱中症とみられる症状で全国で281人が病院に運ばれ、1人が死亡し、3人が意識不明の重体となっています。

 神奈川県で26人、東京都で24人、大阪府で21人、埼玉県で19人、兵庫県で16人など、関東地方を中心に、40の都道府県で合わせて少なくとも281人が熱中症とみられる症状で病院に運ばれました。

 このうち長野県飯山市で、80歳代の男性が畑で倒れているのが見付かり、病院に運ばれましたが、その後、死亡が確認されました。

 また、高知県香南市では、トラックに荷物を積む作業をしていた50歳代の男性が倒れて近くの病院で手当てを受けていますが、意識不明の重体となっています。

 このほか、神奈川県海老名市の小学校では、体育の授業を受けた児童14人が、さいたま市の2つの高校では6人の生徒が、熱中症とみられる症状を訴え病院で手当てを受けましたが、いずれも症状は軽いか、回復に向かっているということです。

 3日、火曜日の関東地方は気圧の谷の影響で朝晩は雲が広がりやすくなり、日中の気温は2日より低くなるところが多いと予想されていますが、内陸を中心にところによって30度近くまで気温が上がる見込みです。

 気象庁は、暑い日が続いているため、引き続きこまめに水分をとるなどして熱中症に注意するよう呼び掛けています。

 2014年6月2日(月)

 

■2日連続猛暑日、最高36・3度 熱中症の疑いで1人死亡、463人を搬送

 日本列島は1日、広い範囲で高気圧に覆われて各地で気温が上がり、群馬県館林市や岐阜県揖斐川町で最高気温が36・3度を記録するなど、2日連続で猛暑日となる地点が出ました。30度以上の真夏日に達したのも、全国の観測地点の4割を超える404地点に上りました。

 気象庁によると、ほかに岐阜県多治見市で36・2度、同県美濃市と京都市で36・0度と、5カ所で36度以上となりました。

 熱中症とみられる症状での搬送も前日に続いて相次ぎ、マスコミが各地の消防や警察などに取材してまとめたところ、1日午後8時の時点で、全国で少なくとも463人が熱中症の疑いで病院に搬送され、このうち、新潟県長岡市で90歳代の女性が死亡しました。

 長岡市消防本部によりますと、1日午後4時ごろ市内の住宅の庭で、この家に住む90歳代の女性が倒れているのを女性の家族が見付けました。女性は市内の病院に運ばれましたが、間もなく死亡が確認されました。

 気象台によりますと、長岡市では午後2時半すぎに30度9分を観測するなど先月30日に続いて真夏日となっており、消防は熱中症の疑いがあるとみています。

 そのほか、広島県と京都府でそれぞれ1人が、意識不明の重体となっています。搬送者は沖縄県を除く46の都道府県で確認されており、大阪府で43人、愛知県で41人、埼玉県で27人、千葉県で26人、東京都で23人などが、熱中症とみられる症状で病院に運ばれました。

 2日、月曜日は西から前線が近付くため、西日本では雲が広がりやすくなりますが、北日本と東日本は引き続き、晴れる地域が多く、厳しい暑さが続く見込みです。

 2日の日中の最高気温は、さいたま市や京都市で34度、東京の都心や長野市で33度、盛岡市や名古屋市、大阪市で32度、札幌市で30度などと予想されています。

 気象庁は、「こまめに水分をとったり、適切に冷房を使ったりして、熱中症に十分注意してほしい」と呼び掛けています。

 2014年6月2日(月) 

 

■大分県で35・6度 熱中症の疑いで2人死亡、300人超を搬送

 日本列島は31日、高気圧に覆われて各地で気温が上がり、大分県日田市で最高気温が35・6度を記録し、全国で今年初めての猛暑日となりました。30度以上の真夏日も315地点に上り、124地点で5月の観測史上最高の気温を記録しました。

 気象庁はこの日、宮城県、福島県、島根県、山口県、福岡県、佐賀県、大分県に高温注意情報を発表。6月1日も山口県を含む九州北部を中心に気温が高い状態が続くとし、水分補給など熱中症への注意を呼び掛けました。

 気象庁によると、31日の最高気温はほかに、福岡県久留米市で34・9度、佐賀県白石町で34・8度、広島県安芸太田町と群馬県館林市で34・7度、愛知県豊田市などで34・4度を観測しました。

 熱中症とみられる症状での搬送も相次ぎ、マスコミの取材によると、31日夜7時の時点で、全国で少なくとも306人が熱中症の疑いで病院に搬送されました。

 このうち、千葉県南房総市では、農業用ハウスで作業していた74歳の女性が倒れているのが午前中に見付かり、熱中症の疑いで病院に搬送されましたが、死亡しました。

 また、茨城県小美玉市でも午前10時、住宅の庭先で61歳の女性が倒れて熱中症の疑いで病院に搬送されましたが、死亡しました。

 福井県勝山市では、中学校のグラウンドで体育祭に参加していた中3の男子生徒が気分の悪さを訴え、病院に搬送されました。同県敦賀市のスタジアムでソフトボールの練習試合中だった金沢市の高3男子生徒も、軽度の熱中症で病院に運ばれました。

 気温の高い状態は1日、日曜日も続く見通しで、総務省消防庁は「こまめな水分補給や、エアコンや扇風機で室温を28度以下にするなど、熱中症対策を心掛けてほしい」と呼び掛けています。

 2014年6月1日(日) 

 

■アルコール依存症は「アルコール使用障害」に 学会、精神疾患の名称変更を呼び掛け

 読み書きなどが難しい学習障害は「学習症」、アルコール依存症は「アルコール使用障害」に―。日本精神神経学会は29日までに、精神疾患の病名の新しい指針を公表しました。

 本人や家族の差別感や不快感を減らすとともに、わかりやすい表現を用いて認知度を高めるのが目的。学会は今後、医療現場などに新指針による病名を用いるよう呼び掛けていきます。

 国内でも広く使われている、米国の精神医学会が発行する精神疾患の新たな診断基準「DSM-5」が昨年5月に策定されたのを契機に、英語の病名の翻訳でさまざまな用語が混在しないよう、関連学会と共同で統一用語を検討しました。

 主な変更点として、子供や若い世代の病気を中心に「障害」を「症」に言い換えました。「障害」の表現が、症状が回復しないとの誤解を与えるためです。

 物事に集中できないなどの症状がある注意欠陥多動性障害(ADHD)は「注意欠如・多動症」、急に不安感や動悸(どうき)などに襲われるパニック障害は「パニック症」、神経性無食欲症(拒食症)は「神経性やせ症」、身体的な性別と心理的な性別が一致せず強い違和感に苦しむ性同一性障害も「性別違和」に変更しました。

 一方、「今後研究するための病態」として「カフェイン使用障害」、「インターネットゲーム障害」などを盛り込みました。

 ◇変更された主な精神疾患名(日本精神神経学会による)

 アルコール依存症→アルコール使用障害 パニック障害→パニック症 神経性無食欲症(拒食症)→神経性やせ症 性同一性障害→性別違和 言語障害→言語症 注意欠陥多動性障害(ADHD)→注意欠如・多動症

 アスペルガー症候群、自閉症→自閉スペクトラム症 解離性同一性障害(多重人格)→解離性同一症

 ◇新しい病気

 カフェイン使用障害 インターネットゲーム障害

 2014年5月31日(土) 

 

■肥満か過体重の人、世界に21億人 子供や発展途上国にも広がる

 世界の成人の約3分の1、子供の約4分の1が過体重または肥満であるとする報告書「世界疾病負担研究」が29日、英医学専門誌ランセットに掲載されました。1980年以降、肥満増加の流れを止めることができた国は一国もないといいます。

 米ワシントン大学や東大などの国際研究チームが188カ国の約1800のデータを分析してまとめられた報告書によると、豊かなライフスタイルと広く関連付けられている過体重の問題は世界中に広がっており、現在、全世界の過体重人口の62パーセントは発展途上国に位置していました。

 報告書によると、過体重または肥満の人口は、33年前の8億5700万人から2013年には21億人に増加。そのうち、肥満とされた人口は全世界で6億7100万人に上りました。肥満指数(BMI)で25以上は過体重、30以上は肥満と判断されています。

 肥満人口が最も多い国は米国で、7800万人。2位は中国、3位はインドで、それぞれ4600万人、3000万人でした。4位以降はロシア、ブラジル、メキシコ、エジプト、ドイツ、パキスタン、インドネシアと続きました。

 肥満者の割合が大幅に上昇したのは中東・北アフリカ、中米、太平洋・カリブ海地域の国でした。

 肥満の人は心臓血管の疾患やがん、糖尿病、変形性関節症、腎臓疾患などにかかりやすいため、肥満人口が増えることは医療制度への大きな負担になると、報告書は指摘しています。過体重による死者は2010年に全世界で、340万人と推計されています。

 過体重または肥満の人口の割合は1980年から2013年までに成人で28パーセント、20歳未満の子供で47パーセント増加。男性では29パーセントから37パーセントに、女性では30パーセントから38パーセントにそれぞれ増えています。

 また、先進国の子供の4分の1近くと、発展途上国の子供の13パーセントが過体重または肥満でした。1980年にはそれぞれ16パーセントと8パーセントでした。

 2014年5月30日(金) 

 

■北半球の二酸化炭素濃度、過去80万年で例のない水準を観測

 世界気象機関(WMO)は地球温暖化の原因となる二酸化炭素の濃度について、先月、北半球のすべての観測地点で400ppmを超えたと公表しました。

 WMOは地球温暖化の進行を監視するため、各国の気象機関による二酸化炭素濃度の観測結果をまとめていて、先月の平均濃度を公表しました。それによりますと、日本やハワイ、アメリカ、ドイツなど北半球の12の観測地点すべてで400ppmを超えていました。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオによれば、今世紀末までに気温の上昇を2度以内に抑えるのは、今後、大幅な排出抑制をしなければ非常に難しい状況です。

 WMOは、「将来のために地球を守ろうとするのであればもう時間はなく、温室効果ガスの抑制のために緊急の行動が必要だ」とコメントしています。

 日本の気象庁の観測では、WMOが公表した観測地点以外でも400ppmを超えています。

 気象庁・全球大気監視調整官の小出寛さんは、「過去80万年で例のない水準だ。温暖化が進むと集中豪雨や熱波など極端な気象現象が増えるといわれているが、それ以上に何が起きるかわからず対策を急ぐ必要がある」と話しています。

 一方、気象庁は26日、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の濃度が国内3観測地点すべてで過去最高を記録したと発表しました。この15年で1割上がっており、同庁は「化石燃料の使用増加や森林伐採が続けば、温暖化がさらに進む」と危惧しています。

 発表によると、同庁が1987年から定点観測する岩手県大船渡市、南鳥島(東京都小笠原村)、与那国島(沖縄県与那国町)の2013年の年平均濃度はそれぞれ、399・6ppm(前年比2・3パーセント増)、397・5ppm(同2・6パーセント増)、399・5ppm(同2・4パーセント増)。いずれも過去最高でした。

 月平均値も先月、3地点とも400ppmを超え、過去最高でした。

 2014年5月28日(水) 

 

■軽い運動でも脳の認知機能が活性化 10分のウオークでも効果

 ウオーキングと同じ程度の軽い運動を短時間行っただけで、脳の認知機能をつかさどる部分が活性化することがわかったと、筑波大学などの研究チームが27日、発表しました。

 脳の認知機能を活性化する運動については、ジョギングに相当する運動を短時間行うと、脳の中の判断力や注意力を支配する部分の活動が活発になることが、筑波大学体育系の征矢英昭教授らの研究でわかっています。

 征矢教授は今回、中央大学と共同でウオーキングと同じ程度のより軽い運動の効果について実験しました。

 実験では、20歳代の健康な男女25人ずつを10分間自転車のペダルをこぐ運動をするグループと、安静にするグループに分け、15分後にパソコン画面に出た色と、色を表す文字が一致しているかなどを判断するテストを行いました。

 その結果、運動をしたグループの回答時間は、安静にしていたグループの回答時間よりも短くなりました。また、運動をしたグループでは、脳の中の判断力や注意力を支配する「前頭前野背外側部」と「前頭極」の活動が、運動をしていない時よりも活発になり、認知機能が高まったことがわかりました。

 この結果について征矢教授は、「ウオーキング程度の軽い運動でも脳の認知機能に効果があることがわかった。今後は長期間軽い運動をした場合の効果などを調べて認知症の予防に役立てたい」と話しています。

 2014年5月27日(火)

 

■熱中症、25日までの1週間で291人搬送 消防庁が今年初めて発表

 総務省消防庁は27日、5月19日から25日までの1週間で、全国で熱中症により病院に救急搬送されたのは291人だったと速報値を発表しました。搬送時に亡くなった人は、いませんでした。

 消防庁によると、搬送時の症状は、3週間以上の入院が必要な重症が3人、入院が必要な中等症が75人でした。

 年齢別では65歳以上の高齢者が145人で、ほぼ半数を占めました。都道府県別では、埼玉県の24人が最多で、愛知県と岡山県が21人でした。

 発表は今年初めてで、昨年より1週間早く集計を開始しました。毎週集計し、火曜日に消防庁のホームページで公表します。

 消防庁は、こまめな水分補給や室温の確認を呼び掛けています。

 一方、暑さが本格化して熱中症が心配される季節を迎えるため、環境省は5月12日から10月17日まで、「暑さ指数」の公開を行って、「危険」から「ほぼ安全」まで5段階で示して、注意を促しています。

 暑さ指数は、湿度や気温、日射量を元に算出。全国840地点で2日先までの予測値、実況値を示しています。好きな場所の予報や実況の情報をメールで配信するサービスも、行っています。

 環境省によると、特に注意が必要なのは、上から2段階に当たる「危険」と「厳重警戒」の時で、外出時は炎天下を避け、室内でも室温の上昇に注意が必要としています。また、運動時には、頻繁に休憩をとり、水分・塩分を補給し、激しい運動や持久走は避けるように呼び掛けています。

 消防庁によると、熱中症で搬送された人の数は昨年6~9月で5万8729人に上り、調査を開始した2010年以来過去最多となりました。

 暑さ指数は、「熱中症予防情報サイト」(http://www.wbgt.env.go.jp/)で見られます。

 2014年5月27日(火)

 

■子宮筋腫の切除装置での内視鏡手術、がん広げる恐れ 米国が自粛要求

 多くの女性が悩む子宮筋腫で、内視鏡手術ができなくなる恐れが出てきました。内視鏡手術で筋腫を細かく切除する装置「モルセレーター」について、がんがあった場合にがんをまき散らすリスクがあるとして、米国が使用を控えるよう求めたためです。

 これを受け、産婦人科の医師で作る日本産科婦人科内視鏡学会は21日、対応を協議する会合を開いた結果、日本では事前に腫瘍が良性か悪性かを高い精度で調べるMRI検査が普及しているため、リスクは極めて低いものの、今後、このモルセレーターでの内視鏡手術を受ける患者にはリスクをきちんと説明することや、すでに手術を受けて不安な人には医師に相談するよう呼び掛けることを決めました。

 モルセレーターは、筋腫などを細かく切除して吸い取ります。ただ、良性の腫瘍である筋腫と見分けにくいがんもあり、米食品医薬品局(FDA)によると、子宮筋腫の手術を受ける患者の0・3パーセントにがんがあったといいます。

 FDAは4月に、腫瘍ががんだった場合周囲に広げる恐れがあるとして、モルセレーターの使用を控えるよう求める通知を医師に出しました。

 日本でモルセレーターを販売しているのは2社で、2000年に承認された米国製がシェアの大半を占めます。米国製は5月上旬に、日本でも販売を停止しました。もう1社のドイツ製も、一時販売停止しました。

 消耗品のため、在庫がなくなれば、モルセレーターでの内視鏡手術ができなくなります。

 子宮筋腫では、成人女性の1〜2割が重い症状に苦しんでいます。内視鏡手術は腹部の傷口が1センチほどで、入院期間も数日ですみます。実施件数は年々増え、2012年では約9000件。ほとんどでモルセレーターが使われました。

 はさみなどによる内視鏡手術も可能ですが、方法が変わることで、ほかの臓器を傷付けるリスクが高まります。

 厚生労働省によると、モルセレーターでがんが飛び散った事例は日本では報告されていません。

 日本産科婦人科内視鏡学会の吉村泰典理事長は、「このモルセレーターが使えないと手術の傷口が大きくなるなどの不利益があるが、通知がある以上、注意が必要だ。今まで、この器具を使った手術を受けた人は病院でもう一度診察を受けてほしい」と話しています。

 2014年5月27日(火) 

 

■糖尿病患者、年間22万人が受診中断 失明・突然死の恐れも

 糖尿病患者で受診を中断してしまう人は年間8パーセントで、約22万人に上るとの推計を厚生労働省研究班がまとめ、大阪市で開かれた日本糖尿病学会で24日、発表しました。

 治療を勝手にやめると、自覚しないうちに病気が進んで失明や足の切断、突然死につながりかねないため、研究班は掛かり付け医に向けて、中断を防ぐマニュアルを作成しました。

 全国11地域の医師会の協力を得て2009~10年、生活習慣が原因とされる2型糖尿病患者約2200人(40~64歳)を調査。予定された受診日から2カ月の間に来院しなかった人を受診の中断として集計すると、8・2パーセントが該当しました。厚労省の2011年の患者調査の受診者数に当てはめると、約22万人になりました。

 受診の中断の理由は、「仕事で忙しい」や「体調がよい」、「経済的に負担」が多くなりました。マニュアルは、多忙な患者への受診時間の配慮や知識の啓発、価格の安い後発医薬品の使用の検討などを勧めました。電話や郵便物、メールなどで受診を促すのも「有効な手段」としました。

 厚労省の推計では、糖尿病患者は受診していない人を含めて約950万人で、その可能性がある予備群の人も合わせると2000万人を超えています。糖尿病は進行すると、視力が落ちる網膜症や足の切断につながる神経障害、腎不全に陥る腎症などが起きます。

 マニュアルをまとめた国立国際医療研究センターの野田光彦部長は、「医療機関はこれまで患者の受診行動に受け身な姿勢だったが、患者が治療を中断することを念頭に置いて、対応を取ることが重要だ」と話しています。

 茨城県つくば市にある糖尿病専門の診療所では、患者の受診の中断を防ごうと、いち早く対策を始めています。

 初診の時にパンフレットで治療継続の重要性を説明した上で、予約の日に受診せず、3カ月以上来院しない患者には、スタッフが電話をして受診の再開を促しています。また、受診の間隔を開けたり、土曜日に受診したりするよう助言しています。

 こうした取り組みの結果、治療を中断した人の6割に当たる人が再開したということです。診療所の川井紘一医師は、「患者には仕事など生活の一番の関心事があって治療を中断しているので、それを防ぐには医療者側から『心配してますよ』という姿勢で働き掛ける必要がある」と話しています。

 2014年5月26日(月) 

 

■昨年のエイズ感染者・患者、過去最多に 感染者の最多は30歳代

 厚生労働省のエイズ動向委員会は23日、昨年国内で新たに報告されたエイズウイルス(HIV)感染者とエイズ患者の合計は1590人と過去最多だったと発表しました。

 厚労省によりますと、昨年1年間に、国内でエイズウイルスへの感染が報告された人は1106人で、一昨年より104人増えて、統計を取り始めた1985年以降、2番目に多くなりました。また、エイズを発症したと報告された患者は484人と、一昨年より37人増えて、これまでで最も多くなりました。

 この結果、感染者と患者を合わせた数は1590人で、一昨年より141人増え、これまでで最も多くなりました。

 厚労省は今年2月、感染者と患者を合わせた数について、過去2番目に多かったとする速報を公表していましたが、保健所から追加の報告があったことなどから、感染者と患者の数が増えたということです。

 感染経路は、同性間の性的接触が7割近くを占めました。年齢別では、感染者は30歳代が最多で370人、患者は50歳代以上が最多で157人。

 感染者と患者の合計人数は2007年以降、毎年1500人前後で推移。累計数は2万3015人に上りました。

 一方、保健所などでの検査件数は13万6400件と、前年よりも約5000件増加。相談件数は14万5401件で、2008年の約23万件から大幅に減りました。

 早期に感染を見付けて適切な治療を受ければ、発症を抑えることができますが、例年症状が出て初めて感染に気付く人が3割ほどいるといいます。

 厚労省のエイズ動向委員会の委員長で、東京大学医科学研究所の岩本愛吉教授は、「感染者と患者の数はここ数年、高止まりしていて、今後の傾向を注意深く見ていく必要がある。感染から発症までは8年ほどかかるので、心当たりがある人は早く検査を受けて治療してほしい」と話しています。 

 2014年5月25日(日) 

 

■難病医療費助成の2法律が成立 対象の疾患300種類に

 難病患者に対する医療費の助成制度について、対象の疾患を今の56種類からおよそ300種類に増やす一方、これまで自己負担がなかった重症の難病患者にも、一定の負担を求めるなどとした2つの法律が、参議院本会議で可決され、成立しました。

 このうち、難病患者に対する医療費の助成制度についての法律は、対象の疾患を今の56種類からおよそ300種類に増やし、自己負担を原則3割から2割に引き下げる一方で、これまで自己負担がなかった重症の難病患者にも、一定の負担を求めるなどとしたものです。

 また、改正児童福祉法は、小児がんなど長期の療養が必要な子供への医療費の助成制度について、対象の疾患を今の514種類からおよそ600種類に拡大するなどとしたものです。

 これらの法律は、23日の参議院本会議で可決され、成立しました。厚生労働省は、来年1月からの新たな制度の実施を目指しており、法改正によって助成の対象の患者は、今のおよそ92万人からおよそ165万人に増えるとしています。

 難病患者に対する医療費の助成制度は、1971年にスモンの入院患者で開始し、対象は2009年までに56疾患に広がりましたが、治療法のない疾患の患者らからはさらに対象拡大を求める声が出ていました。

 2014年5月24日(土)

 

■カラコン、17銘柄で目に症状 国民生活センターが発表

 国民生活センターは22日、国の承認を受けたカラーコンタクトレンズ(カラコン)17銘柄の安全性をテストしたところ、黒目や白目に傷が付いたり角膜がはれたりするなどの眼障害を起こしやすいものがあることがわかったと発表しました。

 国の基準を満たさない形のものがあったほか、着色部分がレンズ表面に出ていたりするものも多かったといいます。

 瞳の色や大きさを変えられると若い女性などから人気があるカラコンは、厚生労働相の承認が必要な高度管理医療機器ですが、着色部に関する基準はありません。同センターは業界に商品の改善を求めるとともに、国にも承認基準見直しなどを検討するよう要望しました。

 消費者には、「リスクを理解し、必ず医師の処方を受け、異常を感じなくても定期的に眼科を受診してほしい」と呼び掛けています。

 発表によると、安全性テストは日本コンタクトレンズ学会、日本眼科医会と共同で2013年9月~14年4月に実施。インターネット通販サイトや女性雑誌などを調べ、利用者が多いと思われた17銘柄を対象としました。

 その結果、レンズの直径が承認基準を超えるものが2銘柄、湾曲の具合が承認基準を満たさないものが5銘柄ありました。また、着色部分がレンズの表面に確認されたものが11銘柄ありました。このうち9銘柄はホームページで、「着色部分はレンズ内部に埋め込まれており安全」などと宣伝していたといいます。

 さらに各銘柄を10人ずつに8時間つけてもらい、眼障害の有無をテスト。その結果、ジョンソン・エンド・ジョンソン社の「ワンデーアキュビューディファイン」を除く16銘柄は、使用中止や治療が必要なほど、角膜や結膜の障害が見られる例がありました。特に、水分が少なく酸素を通しにくいレンズと、角膜側に着色したレンズでは、障害が発生する割合が高くなりました。

 安全性テストに携わった日本コンタクトレンズ学会常任理事の糸井素純医師は、「着色の安全性も確認されておらず、承認基準の変更が必要だ」と語りました。

 メーカーなど30社が加盟する日本コンタクトレンズ協会は、「対応について加盟社と協議をしている」と話しています。ジョンソン・エンド・ジョンソン社は、「消費者の啓発活動に尽力します」とコメントを出しました。

 カラコンは10~20歳代の女性を中心に広く使われています。全国の消費生活センターには2009年からの5年間でカラコンに関する相談が541件寄せられています。娘が購入したカラコンについて母親が相談してくるケースが多く、相談事例の契約当事者の半分が10歳代だといいます。

 国民生活センターは、17銘柄の詳しい安全性テスト結果をホームページ(http://www.kokusen.go.jp/)に掲載しています。

 2014年5月23日(金)

 

■毎日緑茶で、認知症の発症率3分の1に 金沢大研究

 金沢大学の山田正仁教授(神経内科学)の研究グループは15日、60歳以上の男女490人を対象に認知症の発症率を調べ、緑茶を毎日飲む習慣がある人の発症率が、飲まない人に比べて3分の1程度だったと米科学誌プロスワン電子版に発表しました。

 金沢大によると、コーヒーや紅茶についても調べましたが、飲用習慣の有無による発症率の違いは見いだせませんでした。

 研究グループは2007年から2013年にかけて、石川県七尾市中島町に住む60歳以上の男女723人を調査。2007〜08年の初回調査時に認知機能が正常で、2011〜13年に再調査ができた490人について、飲茶の習慣と、認知症やその前段階の軽度認知障害の発症を分析しました。

 その結果、緑茶を飲む習慣がない138人のうち、認知症の発症や認知機能の低下が生じたのは43人(31パーセント)でしたが、緑茶を毎日飲む習慣がある157人のうち、発症するなどしたのは18人(11パーセント)だったといいます。

 また、週1〜6日緑茶を飲む195人のうち、発症するなどしたのは29人(15パーセント)と低めで、リスクは半分以下に抑えられました。

 山田教授は、「緑茶に含まれるカテキンやミリセチンといったポリフェノール類に予防効果がある可能性がある。これらの成分の効果が解明できれば、認知症の安全な予防法の開発が期待できる」と話しています。

 2014年5月15日(木)

 

■疲れ、眠気を測る眼鏡を開発 眼鏡チェーンが来春から販売

 目の動きから、疲労の度合いなど体の状態を把握する新しい機能のついた眼鏡が開発され、スマートフォンと連動することで、居眠り運転の防止や望ましい休憩時間の把握などにつながるか注目されそうです。

 この眼鏡は、メガネ専門店チェーン「JINS(ジンズ)」を運営するジェイアイエヌが、脳の研究に詳しい東北大学の川島隆太教授、芝浦工業大などと共同で開発し、13日、東京都内で発表しました。

 眼鏡の鼻パッド2つと眉間部分に搭載された小型のセンサーが、目が動く時に起きる電圧の変化をキャッチして、まばたきの数や視線など目の動きを把握し、無線を使って手元のスマートフォンやパソコンにデータを送る機能が付いています。目の動きは脳と連動しているため、集中度などを測る指標となります。

 使い方としては、運転中のドライバーのまばたきの強さや速さを測った上で、眠気を3段階で画面に表示し、それをドライバー自身が確認することで居眠り運転の防止につなげることや、仕事中の疲労度を数値化し、休憩の望ましいタイミングを把握することなどが想定されています。

 耳に掛けるフレームの部分には、バッテリーと歩数を計測できるセンサーも内蔵。ウオーキングなどの際に、消費カロリーを測れます。

 来年春の発売予定で、価格は未定ですが、一般普及を想定した製品となるため現行のメガネ型ウェアラブル機器の7万円から10万円よりも安価にする計画といいます。公開した試作品は重さ約36グラムで、追加料金で度付きレンズに交換可能、サングラスタイプなども発売する予定です。

 ジェイアイエヌの田中仁社長は、「世界で初めての、自分を見る眼鏡だ。交通事故の減少や過労の防止、健康の維持など、いろいろな使い方が期待できる」と述べ、視力の悪くない人にも眼鏡の対象を広げることで、新たな需要を掘り起したいという考えを示しました。

 2014年5月14日(水)

 

■飲酒が原因で年間330万人が死亡 WHO、対策促進を呼び掛け

 世界保健機関(WHO)は12日、飲酒が原因の病気や事故による死者が2012年に世界で約330万人に上ったとの報告書を発表しました。

 その数は後天性免疫不全症候群(AIDS、エイズ)や結核、暴力による死者を上回っているとして、WHOはアルコール消費量が増加傾向にあると警告し、規制などの対策を促進させるよう各国に呼び掛けました。

 WHOの報告書によると、酒気帯び運転や飲酒に起因する暴力・虐待に加え、多数の病気・障害を含めれば、世界の年間死者のうち20人に1人がアルコールが原因で死亡しているといいます。

 WHOのメンタルヘルス・物質乱用部門を率いるシェカール・サクセナ氏は、「これは言い換えれば、(アルコールにより)10秒に1人が亡くなっている計算になる」と指摘しています。

 飲酒が原因の死者約330万人は、世界全体の死者の5・9パーセントに相当し、男性では7・6パーセント、女性で4パーセントに相当するといいます。ちなみに、エイズによる死者は2・8パーセント、結核は1・7パーセント、暴力は0・9パーセントとなっています。

 さらに、飲酒は肝硬変やがんといった健康被害200種類以上にも関係しています。また、過度の飲酒により、エイズや結核を引き起こすヒト免疫不全ウイルス(HIV)、肺炎といった感染症にもかかりやすくなるといいます。

 アルコールに起因する死者の直接的な死因で最も多かったのは、心疾患と糖尿病で、全体の約3分の1を占めました。車での衝突などアルコール関連の事故は、直接的な死因の17・1パーセントを占めていました。

 WHOの報告書によると、2010年の15歳以上の1人当たりアルコール消費量(純アルコール換算)は平均6・2リットル。ただ、15歳以上の人口の61・7パーセントがアルコール類を摂取していないことから、飲酒人口の1人当たりの消費量は平均を大幅に上回るとみられます。

 2014年5月13日(火) 

クラウドソーシング「ランサーズ」

 

■腸の難病治療に、健康な人の便微生物を移植 慶応大病院が1例目の臨床試験

 下痢や腹痛などを繰り返し、薬で治らない腸の病気に悩む患者の腸に、健康な人の便を移す臨床試験を、慶応大病院が始めました。患者の腸内では免疫力を高める細菌などが適切に働いていませんが、菌の宝庫である便を移植することで、症状が治まる可能性があります。

 人間の腸内には数100種類、数100兆個の細菌がすんでおり、免疫や栄養素の分解などにかかわっています。しかし、大腸粘膜に潰瘍(かいよう)ができる潰瘍性大腸炎など腸の病気の患者では、細菌の種類も個数も少なくなっています。

 慶応大は3月下旬、臨床試験の1例目となる「便微生物移植」を行い、潰瘍性大腸炎の40歳代男性に親族の便を移しました。

 方法は、便を生理食塩水と混ぜてフィルターでろ過した液体を注射器に入れ、50〜300グラムほど内視鏡で大腸に注入します。提供者は、配偶者か2親等以内の家族としています。

 臨床試験の対象は、潰瘍性大腸炎のほか、下痢を繰り返す過敏性腸症候群や難知性感染症、消化管に炎症が起きる腸管ベーチェット病の患者計45人。潰瘍性大腸炎の患者は国内に約14万人、過敏性腸症候群は約1200万人との推計があります。

 便移植は、欧米で研究が進んでいます。昨年、米医学誌に掲載された論文では、難知性感染症の患者約40人を従来の薬による治療と便移植とに分けて経過をみたところ、薬による治療では20〜30パーセントしか治らなかったのに対し、便移植では94パーセントに効果がありました。

 慶応大病院消化器内科の金井隆典教授は、「便1グラムには乳酸菌飲料1本分の数100倍の細菌が含まれている。便の解析で病気と関連する菌がわかれば、新たな治療法につながる可能性がある」と話しています。

 2014年5月12日(月) 

 

■死亡者出た西日本の集落に多数のマダニ 野生動物が持ち込みか

 マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」による死亡者が出た西日本の集落で、 30分間に100匹以上のマダニを捕まえたとの調査結果を10日、国立感染症研究所(東京都)が明らかにしました。周辺に出没するシカやイノシシなどの野生動物がマダニを持ち込んだとみられます。

 沢辺京子・同研究所昆虫医科学部長は、「100匹は非常に多い。野生動物が出没する地域は感染のリスクが高い可能性がある」と指摘。「昨年の患者数は5月が最も多かった。田や畑で作業する時には、 地面に直接座ったり肌を露出したりしないでほしい」と注意を呼び掛けています。

 同研究所は4月中旬、SFTSによる死亡者が昨年出た西日本の集落周辺を調査。旗のような形状の布で地面をなでるように動かし、30分間で捕まるマダニの数を調べました。

 ほぼ同時期にシカがいない別の場所で捕まったのは40匹程度でしたが、死亡者の自宅周辺にある田のあぜ道や畑の周辺では、最多で140匹いました。ほぼすべてが、マダニの一種であるフタトゲチマダニでした。

 同研究所は、今回捕れたマダニがウイルスを持っているかどうか調査中。他の地域での状況を調べるため、全国規模での調査も実施しています。

 集落周辺にはシカのフンが落ちており、イノシシがわなに掛かることもあります。環境の変化で人里に下りてきたシカやイノシシにマダニが付いており、人の生活圏に侵入した可能性があります。

 同研究所は、都道府県名など調査地点の詳細は明らかにしていません。

 一方、宮崎県は5月1日、県内の80歳代男性がSFTSで死亡したと発表しました。県によると、死亡は国内で23人目、県内では5人目。

 男性は4月上旬に発熱や下痢などを訴えて宮崎県延岡市の病院に入院し、約10日後に死亡しました。国立感染症研究所の検査でウイルスが確認され、男性の体にダニにかまれた跡はありませんでした。海外渡航歴もないといいます。

 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はマダニに刺されることで発症し、高熱や倦怠(けんたい)感、腹痛、嘔吐(おうと)、下痢、意識障害、口の中や消化管の出血などの症状が出ます。潜伏期間は6日〜2週間。特効薬はありません。

 マダニは野山に生息し、室内にいるイエダニの約10倍と大きく、血を吸うと体長1センチ以上に膨れ上がり、春から秋にかけて活動が活発になります。

 2014年5月11日(日) 

クラウドソーシング「ランサーズ」

 

■ノバルティスファーマ、重い副作用疑い報告せず 白血病薬の約30例

 スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマ(東京都港区)が販売する白血病の薬を巡って、営業担当の社員が国への報告が義務付けられている重い副作用とみられる症状をおよそ30例把握しながら、国に報告していなかったことが会社の調査でわかりました。

 ノバルティスファーマによりますと、販売する白血病の治療薬であるタシグナ、グリベックの2種類について、営業担当の部署が昨年から今年1月中旬にかけて、およそ3000人の医師や薬剤師を対象にアンケート調査を行った結果、薬事法で15~30日以内に国への報告義務がある重い副作用とみられる症状がおよそ30例見付かったということです。

 しかし、営業担当の社員は副作用を安全担当の部署に連絡しなかったほか、国へも報告していなかったということです。

 ノバルティスファーマから4月8日になってから報告を受けた厚生労働省は、薬事法に違反する可能性があるとして会社に詳しく調査するよう指示しました。

 同社は、「営業職が行ったアンケートが、副作用の症例を分析し国へ報告する社内の安全担当の部署に伝わっていなかった」としています。

 タシグナを巡っては、東京大病院をを中心とする臨床試験で、社員が患者データを入手するなど不適切な関与が発覚。その際も、営業担当の社員が把握した2例の副作用情報を社内に伝えず、国にも未報告となりました。この臨床試験の未報告事例について同社は9日、国の調査の結果、報告義務のかかる重症例ではなかったと公表しました。

 2014年5月10日(土) 

クラウドソーシング「ランサーズ」

 

■紹介状なしの大病院受診、初診料を全額負担に 厚労省方針

 厚生労働省は、紹介状を持たずに大病院を受診した患者に新たな負担金を求める制度を、2016年4月をめどに導入する方針を固めました。

 初診時には現在の初診料に当たる2820円を、再診時には再診料720円を、それぞれ患者に全額負担してもらう案を軸に検討します。軽症で大病院に行く患者を減らし、 医師が高度な治療に専念しやすくするのが狙い。

 厚労省は年末までに具体案をまとめ、来年の通常国会での法改正を目指します。

 一般病床の数が400以上の病院では、紹介状を持たない患者が外来の8割を占めます。患者が集まる大病院は多忙で、本来の役割である重症患者の治療に医師が専念しにくくなります。紹介状なしの患者に上乗せで負担を求めるのは、受診のハードルを上げ、こうした状況を改善するためです。

 厚労省は近く、審議会で具体案の議論を開始。検討の軸とするのが、初・再診料分の金額を患者に負担してもらう案。今は初診料が2820円、再診料は720円ですが、公的な医療保険が適用され、患者の負担は3~1割で済みます。これを診療報酬とは別の料金にし、10割分を自己負担にします。

 ベッドがいくつ以上の病院を対象とするか、救急の患者を対象外とするかなど、詳細は今後詰めます。500床以上の病院は全国に約450カ所(全体の約5パーセント)、200床以上だと約2660カ所(同約31パーセント)あります。

 紹介状を持たない患者への定額負担の導入は、政府の社会保障国民会議が昨年夏に提言し、1万円案も浮上しました。厚労省では「1万円は高い」との意見が多いものの、特に大きな病院では実効性を持たせるため、初診料分の2820円より負担額を重くすることも検討します。

 紹介状を持たずにベッド数200床以上の病院を受診する患者に対しては、現在も病院が特別料金を徴収できる仕組みがあり、金額は平均約2000円。ただし、導入病院は半数に満ちません。

 新制度が導入されると、大病院は一律に、強制的に特別料金を徴収することになります。

 大病院を直接受診しにくくなると、必要に応じて大病院を紹介できる診療所や中小病院の役割が大切になります。こうした掛かり付け医を普及させるため、厚労省は診療報酬の優遇など支援策も進める方針です。

 2014年5月9日(金)

 

■茨城県で、O157感染の男性死亡 今年に入って全国初

 茨城県守谷市の障害者支援施設に入所していた45歳の男性が嘔吐や下痢などの症状を訴え、今月2日に死亡しました。

 男性は病原性大腸菌のO157に感染していて、茨城県が感染経路などを調べています。

 茨城県などによりますと、守谷市の障害者支援施設に入所していた45歳の男性は先月30日、嘔吐や下痢などの症状を訴え、今月1日から市内の病院に入院していました。

 そして、今月2日に腎機能が悪化して死亡したということです。

 病院で検査したところ、男性の便から病原性大腸菌のO157が検出され、茨城県はO157の感染が原因で死亡したとみて感染経路などを調べています。

 この障害者支援施設にはおよそ50人が入所していますが、死亡した男性のほかに症状が出た人はいないということです。

 茨城県によりますと、O157に感染して死亡が報告されたのは、今年に入って全国で初めてだということです。

 2014年5月8日(木) 

 

■トクホ21商品、不適切表示 消費者庁が12社に是正要請

 消費者庁の阿南久長官は7日の記者会見で、特定保健用食品(トクホ)21商品に記載漏れなどの不適切な表示があり、販売する12社に是正を要請したと明らかにしました。

 同庁は、「いずれも消費者を誤解させるような表示ではない」と説明しました。

 消費者庁によると、マンナンライフの「蒟蒻畑」4商品は「特定保健用食品」の記載がなく、トクホのマークだけでした。他の社は、許可した商品名と表示の一部が異なっていました。

 一部のトクホで不適切な表示が判明したため、消費者庁は3月、業界団体の公益財団法人日本健康・栄養食品協会を通じて、1000品目を超える商品の自主点検を要請していました。約150社から約1000品目について自主点検したという報告があったということですが、81商品はまだ回答がありません。

 トクホと通称する特定保健用食品は、厚生労働省がある一定の保健の効果を表示することを許可した食品のことで、1991年にできた制度により、「血圧、血中のコレステロールを正常に保ちたい人に」、「有効、安全にお腹の調子を整える」など、通常の健康食品やサプリメントには認められていない表現が、可能となりました。

 個々の商品ごとに、体の生理学的機能などに影響を与える成分を含んでいて、特定の保健の効果がある科学的根拠を国に示して、有効性や安全性の審査を受けています。

 2014年5月7日(水) 

 

■パキスタンなど10カ国で、ポリオ感染が拡大 WHOが緊急事態宣言

 世界保健機関(WHO)は5日、パキスタンなどのアジア、シリアなどの中東、カメルーンなどのアフリカの少なくとも10カ国で、ポリオ(小児まひ)の感染が拡大傾向にあり、国境を越えて広がるケースも出ているとして「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

 WHOが公衆衛生上の緊急事態を宣言したのは、豚インフルエンザの大量感染があった2009年4月以来。

 WHOによると、今年1~4月にパキスタンからアフガニスタン、シリアからイラク、カメルーンから赤道ギニアへ感染が広がり、現在計10カ国で患者が確認されています。

 通常なら感染が起きにくいこの時期に拡大がみられたため、ポリオウイルスが活発になる5月以降のシーズンに向けて、「国際協調による対応」が不可欠になるといいます。

 ポリオの患者は昨年、世界で計417人に上りました。内戦状態で予防接種が中断したシリアでは昨年10月、約15年ぶりに感染が確認されました。

 今年はすでに74人が感染。このうち59人はパキスタン、4人がアフガニスタンで、残る8カ国は3人以下となっています。

 WHOは、「現状を放置すればポリオ根絶は失敗に終わる」と警告。国際的な感染拡大を防ぐため、感染国の住民や海外渡航者の予防接種を徹底するよう呼び掛けています。

 ポリオは口から感染するポリオウイルスが神経を侵し、手足がまひするなどの症状が出る病気で、主に5歳未満の子供がかかります。

 2014年5月6日(火) 

 

■AEDの一般解禁10年、活用まだ3パーセント 医師ら啓発活動

 心臓が突然止まった時に使う自動体外式除細動器(AED)を一般の人が扱えるようになって10年。全国の施設に設置されたものの、心停止で倒れるのが目撃された人のうち、実際に使われたのは2012年度で3・7パーセントにとどまります。

 医師らで作る「減らせ突然死~使おうAED~」実行委員会が、使用率5パーセントを目指して啓発活動を始め、使用を呼び掛けています。

 AEDは、2004年7月に厚生労働省の通知によって医療従事者以外でも使えるようになりました。これまで一般用に30万台が販売され、全国の駅やスポーツ施設などに設置されています。

 実行委員会や総務省消防庁によると、2012年に心臓が原因の心肺停止で救急搬送されたのは約7万3000人。そのうち救急隊の到着前に一般の人に目撃されていたのは2万3797人で、AEDが使用されたのは881人でした。881人の約4割に当たる365人が少なくとも1カ月間生存し、317人は社会復帰したといいます。

 AEDが使われない理由の一つに、一般の人には電気ショックが必要か否かを判断できないことがあります。しかし、AEDには、人間に代わって自動で判断し、音声で指示してくれる機能があります。

 また、設置場所がわからないことも使用を妨げています。実行委員会は、設置場所がすぐにわかるようにするため、看板で目立つようにするなどの工夫をAED管理者に求めています。

 実行委員会の三田村秀雄委員長は、「心停止では、電気ショックが1分遅れると1割ずつ生存率が下がるといわれる。救急隊を待っている時間はないため、AEDを積極的に使ってほしい」と話しています。

 2014年5月5日(月) 

 

■高齢者のめまい、治療法を開発 東大チーム

 高齢者などに多いめまいや体のふらつきには、これまで有効な治療法がありませんでしたが、東京大学のチームが、耳の後ろの部分に微弱な電流を流すことで症状を改善させることに成功しました。

 高齢者の転倒の予防などにつながると期待されています。

 東京大学の岩崎真一准教授らのチームは、耳の奥にあって体のバランス感覚をつかさどる前庭と呼ばれる器官に注目し、めまいやふらつきなどの症状がある高齢者やメニエール病などの患者11人に、耳の後ろにつけた電極を通じて本人には感じとれない程度の微弱な電流を流しました。

 そして、めまいや体のふらつきで起きる体の重心の移動が、どの程度抑えられるか測定したところ、治療前に比べて45パーセント少なくなり、症状の改善が確認されたということです。

 めまいやふらつきは、病気や加齢などで前庭の働きが落ちると起きますが、今のところ根本的な治療法はありません。

 研究を行った岩崎准教授は、「高齢者の転倒予防などに役立つと期待している。さらに研究を進めれば耳の聞こえの改善などにも応用できるのでは」と話しています。

 前庭に電流を流すことでめまいの症状が改善されることは、これまで知られていませんでした。チームでは今後、患者数をさらに増やして安全性や効果を調べ、実際の治療に生かせるようにしたいとしています。

 2014年5月5日(月) 

 

■軽度認知障害、アプリでチェック 開発した厚労省が今年度中に公開

 iPad上で軽度認知障害(MCI)の可能性を判定できるアプリを、厚生労働省研究班が開発しました。地域の健康診断などに導入し、軽度認知障害に早く気付くことができれば、認知症になるのを防ぐ効果が期待できるといいます。

 厚労省は今年度中にアプリを公開し、保健師らが活用できるようにします。

 軽度認知障害は、本人や家族から物忘れや記憶力低下などの訴えがあるものの、日常生活に支障はない状態で、将来、認知症を発症する可能性のある予備軍といえます。国内に約400万人いると推計されており、このうち半数が認知症に進むと考えられています。

 軽度認知障害の診断は、現状では医療機関への受診が必要なため、「最近物忘れがひどくなった」という状態では受診しない人が多くを占めます。アプリでその可能性が高いとわかれば、受診を促すことができるといいます。

 アプリの検査は、画面上の数字を順番につないだり、表示された言葉を一定時間後に覚えている程度を調べたりするなど計125問に答え、40分ほどで終わります。

 主任研究者の国立長寿医療研究センターの島田裕之・生活機能賦活研究部長によると、地域の保健師やボランティアらが研修を受け、このアプリを用いて判定する仕組みを想定しているといいます。

 島田さんは、「軽度認知障害は本人も周囲も気付きにくい。早期に診断することで、認知症の予防ができるかもしれない」と話しています。

 2014年5月3日(土) 

 

■ブタの組織を移植し、ヒトの筋肉再生 米ピッツバーグ大など成功

 事故やけがで足の筋肉の大半を失った患者に、ブタの組織を移植して筋肉を再生させることに成功した、と米ピッツバーグ大などの研究チームが30日付の米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに発表しました。

 研究チームは、スキー事故や兵役中の爆発事故で片足の筋肉を58~90パーセント失った20~30歳代の男性5人に、ブタの膀胱(ぼうこう)細胞の周りにあるタンパク質複合体「細胞外マトリックス(ECM)」を移植しました。ECMにはコラーゲンなどが含まれており、幹細胞を呼び寄せたり、組織を再生したりする働きがあると考えられています。

 男性5人は手術後3〜6カ月の理学療法を終え、これ以上は機能が回復しない状態でしたが、ECMを負傷した片足に移植して再び理学療法を実施したところ、新しい筋肉や血管が再生し、生活の質(QOL)が改善したといいます。

 5人のうち3人は、足を上げることや、階段を上ることなどの機能が移植前より25パーセント以上よくなり、負傷した足での片足トビの距離が8センチから約90センチに延びた人もいました。 

 研究チームはこれまでにも、指先が切断された傷口にECMの粉を振り掛け、数週間後に指や爪が再生したと明らかにしています。

 ピッツバーグ大のスティーブン・バディラック教授は、「ECMはさまざまな再生医療に応用できるだろう」と話しています。

 2014年5月2日(金)

 

■耐性菌感染、世界すべての地域で拡大 WHOが報告書

 世界保健機関(WHO)は、主要な抗生物質が効かず治療が困難な耐性菌の感染について報告書を発表し、世界のすべての地域で感染が広がっているとして、国際社会が一致して対策を取ることが必要だと強調しました。

 WHOは耐性菌の世界的な感染状況を調べるため、114の加盟国から提供されたデータを基に、黄色ブドウ球菌など7つの細菌について、従来は効果みられた特定の抗生物質が効かなかった例を報告書としてまとめ、30日、発表しました。

 それによりますと、黄色ブドウ球菌の場合、アフリカや南北アメリカの一部の国で、抗生物質のメチシリンを投与しても80パーセントから90パーセントの患者に効かなかったということです。

 また、肺炎などを引き起こす肺炎桿(かん)菌でも、アフリカを中心に多くの国で、50パーセント以上の患者に抗生物質を投与しても効かなかったと報告され、日本やフランス、南アフリカなどの国では、淋病(りんびょう)を引き起こす淋菌で、セファロスポリン系の抗生物質を投与しても効かなかったと報告されるなど、世界中で耐性菌の感染が広がっているとしています。

 報告書は、このままでは将来、抗生物質が役に立たなくなる可能性があると警告した上で、医療従事者らには抗生物質の処方を必要最低限に抑えるように忠告し、一般の患者にも医師が処方した時のみ抗生物質を使用するよう呼び掛けています。さらに、感染情報の調査方法を統一して世界全体で情報を共有することや、新たな治療方法の開発に力を入れることなど、国際社会による一致した対応の必要性を提言しています。

 ジュネーブのWHO本部で記者会見したフクダ事務局長補は、「耐性菌の感染は、一部の地域や途上国の問題ではなく世界全体の問題である。極めて深刻な状況だ」と強調しました。

 2014年5月1日(木)

 

■ウイルス性肝炎の感染者、3人に1人が受診せず 厚労省が調査

 国内で推定300万人の感染者がいるウイルス性肝炎は、早期に治療を受ければ肝臓がんなどへの進行を防ぐことができますが、検査で感染がわかった人の3人に1人は、陽性の結果をそのまま放置するなどして医療機関を受診していないことが、厚生労働省の研究班の調査でわかりました。

 肝臓がんの原因の9割を占めるウイルス性肝炎は、新薬の登場で適切な治療を受ければ多くはウイルスを取り除けるようになっています。しかし、自覚症状がないことなどから感染を知らされても医療機関を受診しない人が多く、受診を促す取り組みが課題となっています。

 厚生労働省の研究班で広島大学の田中純子教授らのグループは、患者が受診しない原因を調べようと、東京都や広島県など7つの都県で、一昨年までに感染がわかった2000人余りを対象にしたアンケート調査の内容を詳しく分析しました。

 その結果、3人に1人が、陽性の検査結果だったのにそのままにして忘れていたり、陰性と誤解したりしていたことがわかりました。

 調査を行った田中教授は、「肝臓がんにもつながる病気だということが十分理解されておらず多くの人が治療の機会を逃している。検査結果を伝える際には、治療の必要性も同時に伝える取り組みが必要だ」と話しています。

 2014年4月30日(水) 

 

■長期化が負担で、家族が心身不調7割 福島県が初の避難者意向調査

 福島県は28日、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で県内外に避難する県民(自主避難者を含む)を対象とした初の意向調査の結果を発表しました。

 大震災発生当時には一緒に暮らしていた世帯のうち、ほぼ半数の48・9パーセントで家族が2カ所以上の場所に離れて暮らしている状況が判明。避難による家族の分散や生活環境の激変、避難の長期化などが要因となり、心身の不調を訴えるようになった家族がいる世帯は67・5パーセントで、約7割を占めました。

 調査は今年1月22日から2月6日に実施し、2万680世帯が回答。心身の不調を訴える家族がいるのは、避難区域内から避難する世帯が70・2パーセントで、避難区域外の54・9パーセントを15・3ポイント上回りました。原発事故で政府指示によって避難を強いられた世帯ほど多い傾向にあります。

 心身の不調の内容については、複数回答で、「何事も楽しくない」「よく眠れない」がともに半数を占め、「イライラする」「憂うつで気分が沈みがち」「疲れやすくなった」「孤独を感じる」が40パーセントを超えました。34・8パーセントが「持病が悪化した」と回答し、「飲酒・喫煙の量が増えた」も22・6パーセントの人が訴えました。

 同県避難者支援課は、「長期化する避難生活の疲労や、将来の先行きがみえないことによる精神面の不安定さが健康不調の背景にあるのではないか。家族の分散も心労の要因になっている」と分析しています。

 避難生活の不安や困り事については、複数回答で最多は「住まい」が63・4パーセントを占め、「体の健康」63・2パーセント、「心の健康」47・8パーセントが続き、心身の健康を心配する避難者が多いことがわかりました。

 避難区域の内外別に見ると、区域内からの避難のトップは「体の健康」で64・7パーセントだったのに対して、区域外は「生活資金」の61・7パーセントがトップでした。

 同県は同日開いた新生ふくしま復興推進本部会議で、調査結果を公表し、対策として避難者の見守り体制の充実、相談員の育成などに努め、避難者の不安を解消する方針を示しました。

 具体的には、東京都を始めとした県外で、地元の社会福祉協議会やNPO法人などと連携した戸別訪問を新たに計画。避難者の健康管理や孤立化対策を強化します。県外の避難者交流会への職員派遣を拡充することで個別の生活状況を把握し、必要な支援に当たります。

 2014年4月29日(火) 

 

■急性心筋梗塞、発症2時間で診断できるたんぱく質を発見 京大

 京都大のグループが、心筋梗塞(こうそく)の目印になるたんぱく質を見付けました。血液中のこのたんぱく質を測ることで、判定が難しい急性心筋梗塞の早期診断ができるといいます。

 広島市で開かれている日本病理学会で26日、発表しました。

 京大の鶴山竜昭准教授(病理学)らは、心筋梗塞の発病直後の患者5人について、心筋をレーザーを使って調査。すると、あるたんぱく質が患部では減る一方、血液中では濃度が3、4倍に増えていました。

 心筋梗塞では、心臓の血管が詰まって周りの心筋が壊れます。心筋が壊れると、このたんぱく質が心筋から血液中に流れ出すと考えられます。

 これまで急性心筋梗塞は、症状と心電図で判断していて早期診断は難しく、発病5時間後ぐらいでないとわかりませんでした。血液中のたんぱく質を測ることで、2時間後ぐらいから早期診断がつき、重症度もわかるといいます。

 鶴山准教授は、「初期にわかってすぐに治療できれば、救命率が高くなり、その後の悪化も防げる」と話しています。

 2014年4月26日(土) 

 

■花粉の飛散、5月上旬までに終息 環境省が予測

 今シーズンのスギとヒノキの花粉について、環境省は25日、いずれの地域でも5月上旬までには飛散が終わるという予測を発表しました。

 環境省によりますと、今シーズンのスギとヒノキの花粉の飛散量は、西日本では例年よりかなり多くなった一方、東日本では少なくなる傾向がみられました。

 飛散の状況は、近畿から西ではピークを越え、次第に減少していますが、東海から関東にかけてはやや多い状況が続き、東北では多い状況が続いているということです。

 終息の時期について、スギ花粉では北陸、東海、近畿、中国、四国、九州は例年並みに飛散が続き、4月下旬に終わる見込みです。東北、関東、甲信は2月の大雪の影響で飛散開始が遅れた地域が多く、例年より1週間程度遅い5月上旬に終わる見込みです。

 また、ヒノキの花粉については、いずれの地域でも例年並みに飛散が続き、近畿、中国、四国、九州は4月下旬、東北、関東、甲信、北陸、東海は5月上旬に終わる見込みです。

 環境省は、「スギとヒノキの花粉の飛散は終わるが、イネ科の花粉は徐々に飛び始めていて、花粉症につながる恐れがあるので注意してほしい」と話しています。

 2014年4月25日(金)

 

■混合診療の対象の拡大、政府が検討 患者が希望する未承認薬などで可能に

 公的な医療保険が使える保険診療と、使えない自由診療を組み合わせる「混合診療」について、政府が対象を広げる検討に入りました。高度ながん治療などを担う一部の病院で、重症の難病患者が希望する未承認薬などについて、幅広く混合診療を認める案が軸。対象となる病院は段階的に増やす方向で、将来の大幅な拡大につながる可能性があります。

 公的な医療保険が使えて3〜1割の自己負担で受けられる保険診療と、保険外で10割負担の自由診療を組み合わせる混合診療は、現在の医療保険のルールでは例外的にしか認められておらず、併用すると原則として全額が自己負担になります。例外的に、国が安全性や有効性を確認した一部の先進医療で認める「保険外併用療養費制度」があります。

 「患者の選択肢を広げるべきだ」と主張する政府の規制改革会議は、医師と患者の合意を条件に対象を大きく広げる新制度「選択療養制度(仮称)」を提案。

 これを受け、安全性に配慮した案を厚生労働省がまとめました。厚労省案は、今の制度と選択療養制度の中間的な内容。がんなどの難病を想定しますが、病名や治療法は限定せず、個々の患者の希望に沿って実施できる点は選択療養制度と同じ。一定数の症例を研究目的で集めないと申請が難しい現行制度に比べ、高度医療の経済的な負担を抑えたい患者のニーズにこたえやすくなるとみています。

 また、厚労省案では、国内で未承認の薬を治療に使えるかどうかの判断を1~2カ月程度に迅速化します。治療が困難な患者から使用の申し出があることが必要ですが、現在の3~6カ月より短くし、患者負担の軽減を図ります。

 治療を受け持つ医療機関は、安全性確保のため、国立成育医療研究センター、国立がん研究センター、東大病院など「臨床研究中核病院」を中心に15カ所程度に限定する考え。研究に参加する協力病院に広げることも検討します。

 一方、政府が検討している混合診療の拡大について、日本医師会の横倉義武会長は「新しい医療の提供は、安全性と有効性を客観的に判断することが必須。拙速な拡大は到底容認できない」と述べ、強い懸念を表明しています。

 一部の先進医療などで混合診療を認める今の保険外併用療養費制度について、横倉氏は「十分機能している。課題には現行の機動性を高めることで対応すべきだ」と強調。混合診療が大幅に拡大された場合の影響については、「治療困難な病気と闘う患者が、わらにもすがる思いで安全性・有効性のない治療法を選択させられる恐れがある」と指摘しています。

 2014年4月25日(金) 

 

■がん診断後1年以内の自殺リスク、20倍に がんセンター調査

 がんと診断された患者が1年以内に自殺するリスクは、診断されていない人の約20倍とする調査結果を国立がん研究センターや国立精神・神経医療研究センターなどの研究班がまとめました。研究班は、診断直後に適切なケアをすることが重要としています。

 研究班は9府県の男女約10万3000人(調査開始時40~69歳)について、1990年から2010年まで追跡調査。この間に、がんが見付かったのは約1万1000人で、診断後1年以内に13人が自殺、16人が事故などで死亡していました。がんになっていない約9万2000人では、同期間で527人が自殺、707人が事故などで亡くなっていました。

 この結果を統計手法を駆使して解析したところ、がんの診断から1年以内の人の自殺のリスクは、がんになっていない人の24倍、事故などによる死亡のリスクは19倍になることが判明。2年目以降は、こうした差はほぼなくなっていました。

 ただし、がんの診断から1年以内に自殺などをした人の数はわずかなため、この調査では約20倍という高い値になった可能性があると説明しています。

 担当した国立精神・神経医療研究センターの山内貴史研究員は、「海外の研究でも診断直後は自殺のリスクが高まる傾向がある。診察から1年間は、治療によって生活が大きく変化し、ストレスが強まる。心理的なケアのほか、就業対策など社会的な支援をする必要がある」と話しています。

 2014年4月24日(木)

 

■ダウン症児の出生、過去15年で2倍に 産婦人科医会が全国調査

 ダウン症で生まれる新生児の数が過去15年間で約2倍に増えているとする推計が、日本産婦人科医会の全国調査の分析をもとにまとまりました。高齢妊娠の増加に伴い、ダウン症の子を妊娠する人が増えていることが背景にあるといいます。

 同医会が全国約330病院を対象に毎年実施している調査結果を、横浜市立大学国際先天異常モニタリングセンターが分析しました。

 ダウン症で生まれた新生児の報告数は1995年が1万人当たり6・3人で、2011年は13・6人と倍増していました。

 また、ダウン症を理由に中絶をしたとみられる数も推計。1995~1999年の中絶数を基準とすると、2005~2009年は1・9倍に増えていたといいます。妊娠を継続していれば生まれていたとされるダウン症の新生児の数の推計では、2011年は1万人当たり21・8人でした。

 調査では実数を出していませんが、2011年の人口動態統計の出生数に当てはめると、ダウン症の新生児は約2300人生まれるはずでしたが、実際に生まれたのは約1500人となります。差の約800人の一部が中絶されたとみられます。

 この15年間で、超音波検査による出生前診断などが広がっています。昨年4月には、妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新しい出生前診断が導入されました。開始から半年間の集計では、3514人が診断を受け、異常が確定した56人のうち9割以上が中絶を選んでいました。

 センター長の平原史樹教授は、「今後、中絶数がどう変化するか、注意深く見守っていく必要がある」と話しています。結果は19日、東京都内で開かれた日本産科婦人科学会学術集会で発表されました。

 2014年4月24日(木) 

 

■脱メタボ、継続的な保健指導が有効 男性2割、女性3割が改善

 特定健康診査(メタボ健診)でメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や肥満とされ、積極的に保健指導を受けた人は1年後、体重や血圧などの値が改善し、男性は2割、女性で3割が脱メタボに成功していました。厚生労働省が18日、調査結果を初めて公表しました。

 厚労省は、「一定の効果がみられたので、受診率向上を目指したい」としています。

 メタボ健診は2008年、生活習慣病予防のため、40~74歳を対象に始まりました。男性で腹囲85センチ以上、女性で90センチ以上の人のうち、血糖、脂質、血圧の2つ以上で基準値を超えるとメタボリックシンドローム、1つだけだと予備群と判定されます。企業の健保組合や国民健康保険などには、判定された人たちへの保健指導が義務付けられています。

 厚労省は2008年度から2011年度にかけ、特定健診で保健指導の対象となった人のうち600万人以上のデータを調べました。

 2008年度に保健師などから電話や面接などの指導を3カ月以上受けた人たちは、受けなかった人たちに比べて、男女いずれもすべての項目で値が改善。指導を受けた人たちは1年後の平均で、腹囲は男性で2・2センチ、女性で3・1センチ、体重は1・9キロ、2・2キロそれぞれ減りました。また、血糖や血圧、中性脂肪の値も改善しました。

 その結果、メタボリックシンドロームと診断された人は、男性で51・0パーセントから29・8パーセント、女性で54・8パーセントから25・1パーセントに減りました。予備群も男性で41・8パーセントから32・0パーセント、女性で35・3パーセントから25・5パーセントに減りました。

 ただし、2009年度、2010年度からの1年間の保健指導では、脱メタボの成功率は2~1割強と初年度の2008年度より低くなりました。

 厚労省は、「初年度に指導を受けた人は意欲が高かったからではないか」とみています。今後、メタボ健診と保健指導がどのくらい医療費の抑制につながるかを分析するといいます。

 2014年4月20日(日)

 

■新しい出生前診断、1年で7775人が受診 陽性判定は141人

 妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新しい出生前診断をしている病院のグループが19日、診断を始めた昨年4月から1年間の実績を日本産科婦人科学会で発表しました。全国で7775人が受診し、このうち異常の可能性がある陽性と判定されたのは、全体の1・8パーセントに当たる141人といいます。

 実施したのは37病院。対象は35歳以上の妊婦らに限られ、受けた人の平均年齢は38・3歳でした。この診断では、陰性の判定なら100パーセントに近い確率で異常はありませんが、陽性の場合、確定するには羊水検査などが必要になります。羊水検査を受けた人数や、異常が確定した人数、中絶した人数は集計中としています。

 開始から半年間の集計では、3514人が診断を受け、異常が確定した56人のうち9割以上が中絶を選んでいました。

 出生前診断の問題に詳しい北里大学の斎藤有紀子准教授は、「妊婦にとっては産む、産まないのいずれも大きな決断で、妊婦だけに選択の負担や責任を感じさせるような仕組みは望ましくない。これまでの検査やカウンセリングで何が課題だったかを検証してほしい」と話しています。

 また、病院のグループの調査で、新しい出生前診断の際、妊婦に遺伝カウンセリングをした病院の医師らの約6割が、「妊婦の遺伝に関する基礎知識が不十分だ」と感じていることがわかりました。

 診断を実施している病院で遺伝カウンセリングを担当している専門医やカウンセラーらが対象のアンケート調査で、計115人が回答。

 「診断希望者は遺伝に関する基礎知識を持っていると感じているか」の問いに、「不十分だ」と回答したのは64パーセントで、「妊婦によって差がある」と答えたのは31パーセント、「知識を持っている」は4パーセントでした。

 2014年4月19日(土) 

 

■熊本県の鳥インフルエンザ、韓国で流行の型と判明 周辺の野鳥は異常なし

 熊本県の養鶏場で検出された鳥インフルエンザウイルスは、今年に入って韓国で流行しているH5N8型だったことが判明しました。

 農林水産省は17日、熊本県多良木町の養鶏場で検出された鳥インフルエンザについてウイルスの遺伝子を詳しく調べた結果、H5N8型だったと発表しました。

 H5N8型のウイルスは、今年1月から韓国で流行していて、農水省によりますと先月末の時点でニワトリなど1100万羽以上が殺処分されています。

 農水省の専門家委員会の委員長で鳥取大学の伊藤壽啓教授は、「今回のウイルスが韓国からの渡り鳥などにより持ち込まれた可能性が出てきた。今後さらに詳細なウイルスの解析や疫学調査によってその他の可能性も含めて感染経路の検討を行う必要がある。引き続き油断せずに警戒を続けることが必要だ」としています。

 一方、熊本県多良木町の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されたことを受けて、周辺の野鳥の状況を調べていた環境省などの専門家チームが3日間の現地調査を終え、17日に「新たな鳥インフルエンザの発生をうかがわせる異常は認められなかった」とする結果をまとめました。

 現地調査に入っていたのは、環境省や熊本県の担当者などで構成する調査チームの6人。

 調査チームは、15日から17日までの3日間、鳥インフルエンザが確認された養鶏場から半径10キロのうち、野鳥の飛来地など15地点で、死んだり弱ったりして感染のリスクが高い野鳥がいないかどうか調べました。

 調査結果について、環境省九州地方環境事務所の中村陽子野生鳥獣感染症対策専門官は、「渡り鳥を含めた野鳥すべてをくまなく見て回ったが、死んだ鳥や弱った鳥は見られなかった」と述べ、異常は認められなかったことを明らかにしました。

 また、確認されたアオサギやトビなど61種の中には、冬鳥のカモ類はほとんどおらず、渡り鳥の季節としてはすでに冬から夏に移っているといいます。

 環境省は、引き続き熊本県と連携して周辺の野鳥の監視を行うことにしています。

 2014年4月17日(木) 

 

■認知症で行方不明、1年でおよそ9600人 死亡確認は351人

 認知症やその疑いがあり、徘徊などで行方不明になったとして警察に届けられた人が、2012年の1年間に全国で延べ1万人近くに上り、このうち死亡が確認されたり、行方不明のままだったりする人が合わせて550人を超えることが、全国の警察本部へのマスコミの取材でわかりました。

 今年2月、全国の警察本部を対象にアンケート調査を行った結果、行方不明になったとして2012年の1年間に警察に届けられた人は、全国で延べ9607人に上ることがわかりました。このうち、川に転落したり交通事故にあったりして死亡が確認された人は351人に上り、さらに、その年の末の時点でも行方不明のままの人も208人いたことがわかりました。

 都道府県別で死者数が最も多かったのは大阪府で26人、次いで愛知県が19人、鹿児島県が17人、東京都が16人、茨城県が15人となっています。

 行方不明のままの人の数は愛媛県が最も多く19人、次いで愛知県が17人、兵庫県が16人、東京都が15人、大阪府が14人となっています。

 警察への届け出はいずれも延べ人数で、家族などから通報があれば原則受け付けている大阪府が最も多く2076人、次いで兵庫県が1146人に上る一方、最も少ない長崎県で7人、山梨県が8人と大きな開きがありました。

 正式な届け出前に保護されたり、死亡が確認されたりする人もいるほか、神奈川県、千葉県、埼玉県の3つの警察本部では、いち早く捜索を行うため、正式な届け出前に電話などでの連絡と同時に一時的所在不明者として受理する制度もあり、実際の死者や行方不明者の数はさらに多いとみられます。

 こうした実態が明らかになるのは初めてで、認知症の問題に詳しい認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子部長は、「今回明らかになったのはまだまだ氷山の一角で、今後、認知症による高齢者は増え、徘徊の問題はより深刻化していくことが予想される。国は、正確な実態を把握するとともに詳しい分析を行って、有効な対策を打ち出していく必要がある」と話しています。

 厚生労働省の研究班によりますと、国内の認知症の高齢者は2012年の時点で462万人に上り、高齢者の15パーセントに達すると推計されています。また、認知症の予備軍とされる「軽度認知障害」の高齢者は400万人に上ると推計され、国内の認知症とその予備軍の高齢者は合わせて860万人余り、高齢者の4人に1人に上っています。

 このうち介護サービスを利用する認知症の高齢者は推計305万人。高齢化が進むにつれて今後も増え続けると予測されていて、来年には345万人、6年後には410万人、団塊の世代が75歳を迎える11年後、2025年には470万人に増加する見通しです。

 2014年4月16日(水)

 

■熊本県の養鶏11万羽、殺処分終了 感染源は渡り鳥の可能性

 熊本県は14日、鳥インフルエンザでニワトリが大量死した同県多良木町の養鶏場と、同じ農家が経営する同県相良村の養鶏場で、計約11万2000羽の殺処分を終えました。

 引き続き殺処分したニワトリを養鶏場内に埋める作業を進め、16日までの完了を目指します。

 また、熊本県は当面、2カ所の養鶏場からそれぞれ半径3キロ以内の養鶏場に対してニワトリや卵の移動を禁止し、10キロ以内の養鶏場に対してニワトリと卵の域外への出荷などを禁止する措置を続けることにしています。

 周辺の道路では、24時間態勢で車の消毒が続けられています。

 一方、農林水産省は14日、「(鳥インフルが流行している)韓国から渡り鳥がウイルスを持ち込んだ可能性ある」との見方を示しました。環境省は、15日に野鳥の専門家3人による緊急調査チームを現地に派遣することを決めました。

 熊本県は緊急防疫対策として、約2億2000万円の補正予算を決めました。

 熊本市の動物園では、園内の水鳥が渡り鳥と接触しないよう、おりの中に入れました。

 熊本市動植物園では、すぐそばの湖がマガモなどの渡り鳥の越冬地となっていて、こうした渡り鳥は、ペリカンや黒鳥などおよそ50羽の水鳥がいる園内の池にも飛来してきます。このため、渡り鳥と接触しないよう、およそ30人の職員が水鳥を網で捕まえて、おりに入れる作業を行いました。

 当面おりの中で飼育するということで、熊本市動植物園の松崎正吉園長は、「渡り鳥が多いので、危機感は持っています。ウイルスの侵入を防ぐために、来園者にも入り口の消毒用のマットで靴の消毒をお願いします」と話していました。

 2014年4月14日(月) 

 

■熊本県の養鶏場で鳥インフルエンザが発生 消費者庁、鶏肉・卵は安全と強調

 熊本県は13日、多良木町の養鶏場でニワトリが大量死し、このうち2羽から高病原性鳥インフルエンザウイルスH5型を検出したと発表しました。

 国の機関で遺伝子型を詳しく検査しており、確定すれば今年初。鳥インフルエンザの国内の養鶏場での発生は、9つの県で180万羽が処分された2010年11月から翌年3月にかけての発生以来、およそ3年ぶりです。

 熊本県は感染拡大を防ぐため、関係する養鶏場のニワトリを殺処分するとともに、市町村やJAも含め1000人態勢で防疫対策を進めています。

 同県によると、この養鶏場では肉用鶏(ブロイラー)5万6000羽を飼育。11日から13日朝までに、約1100羽が死んでいるのが確認されました。12日午後に通報を受けた県が簡易検査した結果、10羽のうち6羽が陽性で、その後の遺伝子検査でも2羽で陽性を確認しました。

 このため同県は13日、この養鶏場と、経営者が同じ相良村の養鶏場の2カ所で計11万2000羽の殺処分を始めました。処分したニワトリは敷地内に埋却し、16日までに終える計画。また、両養鶏場から3キロ以内でニワトリや卵の移動をすべて禁止。10キロ以内では域外への搬出を禁止しました。

 同県は、「感染した鶏肉、卵が市場に出回ることはない。食べて鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染することも報告されていない」としています。

 一方、熊本県の養鶏場で鳥インフルエンザが発生したことを受け、消費者庁は13日、ホームページ上で「鳥インフルエンザに感染した鶏肉や卵を食べても、人に感染することはない」とする内閣府食品安全委員会の見解を紹介。「根拠のないうわさなどで混乱せず、正確な情報に基づき冷静に対応してほしい」と呼び掛けました。

 食品安全委員会は見解で、鳥インフルエンザウイルスが酸に弱く、食べても胃酸で不活化されて毒性がなくなると考えられることなどから、「鶏肉・卵は安全」と強調。また、国内では市場に出回る鶏肉・卵の安全確保のため、流通前の段階で殺菌、消毒していることも説明しています。

 2014年4月13日(日) 

 

■職場での風疹対策ガイドライン作成 国立感染症研究所

 一昨年から続いた風疹の大きな流行では、患者の多くが会社員など働き盛りの男性だったことから、国立感染症研究所は、職場での対策が不可欠だとして、集団接種などに取り組むよう促す初のガイドラインを作成し、企業や自治体に配布することになりました。

 風疹の大きな流行では、妊娠中に感染した女性から生まれ、目や心臓に障害が出た新生児が、これまでに40人以上に上っています。

 また、患者の6割以上は20歳代から40歳代の男性で、多くが職場での感染だったため、国立感染症研究所は、職場での対策をまとめたガイドラインを初めて作成し、企業や自治体に配布することになりました。

 ガイドラインでは、妊娠の可能性のある女性がいる職場で特に対策が必要だと強調した上で、ワクチンの集団接種を行うなど、予防接種を受けやすい職場環境を確保することや、風疹と診断された場合は、発疹が消えるまで休ませることなどを求めています。

 国立感染症研究所の大石和徳センター長は、「免疫を持たない大人は500万人と推計され、再び大きな流行が起きてもおかしくない。職場での健康診断を活用して、免疫の有無を調べる検査や予防接種を呼び掛けるなど、対策に取り組んでほしい」と話しています。

 なお、国立感染症研究所は4月1日に、医療機関向けに風疹対策ガイドラインを公表。こちらのガイドラインでは、医療機関の職員や実習生の感染予防や、入院患者に風疹が疑われる症状が出た場合の対策などを示しています。

 2014年4月12日(土) 

 

■マダニ感染症で宮崎市の男性死亡、国内22人目  全国で感染に注意を

 宮崎市は10日、マダニが媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に同市の70歳代男性が感染し、死亡したと発表しました。

 国内での死亡確認は22人目、宮崎県内では昨年12月以来4人目。今年に入ってからの国内での死亡確認としては、1人目です。

 マダニは春から秋にかけてが活動期に当たり、国立感染症研究所は全国的に注意するよう警鐘を鳴らしています。

 SFTSは、ウイルスを保有するマダニにかまれることで感染。6日~2週間ほどの潜伏期間を経て発熱や嘔吐、下痢、食欲低下などの症状が出て、重症化すると呼吸不全や下血などを引き起こします。

 宮崎市によると、70歳代男性は3月末から微熱があり、4月4日に医療機関を受診し、8日に死亡。ダニにかまれた痕があり、国立感染症研究所でSFTSウイルスと確認されました。男性に海外渡航歴はなく、山に入ったこともなかったといいます。

 国内では昨年1月に初めて発症例が報告され、これで発症患者は54人、うち死者は22人となりました。発症例はこれまでのところ西日本のみですが、国立感染症研究所が九州から北海道までの26道府県でマダニを調べたところ、23道府県でSFTSウイルスが検出され、マダニは全国に分布しているとみられています。

 マダニは、鹿やイノシシなど野生動物の住む草むらや畑、民家の裏山に生息しており、春から秋にかけて活動します。東日本でも感染する可能性があり、国立感染症研究所は野外活動の際は肌の露出を避けるなどの対策を促しています。

 2014年4月11日(金) 

 

■中性脂肪や血圧など、健康診断の基準を緩和へ 日本人間ドック学会

 人間ドックの血液検査で「健康」の基準とされる値について、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が作る専門家委員会は4日、現在の基準より緩い新たな基準値を発表しました。

 男性の中性脂肪や男女の悪玉(LDL)コレステロールの上限を大幅に緩和。ただ、基準値をいくつに設定するかは人間ドックの実施施設に任せられており、新たな基準値がどの程度浸透するかは不透明です。

 人間ドックや企業の健康診断では通常、血液中の白血球数やコレステロール、中性脂肪などの値について、基準値の範囲内に入るかどうかを判定しています。基準値は各施設が独自で決めたり、日本人間ドック学会が公表している判別値を使ったりしており、統一されていないのが現状。

 専門家委員会はこうした施設ごとのばらつきをなくそうと、2011年の1年間に人間ドックを受けた150万人の中から、重大な既往歴がなく薬物治療や喫煙をしていない健康な成人約1万人を抽出して、27項目の検査データを分析。その結果、これまでの範囲を超える値でも健康を維持している人が多くいることがわかり、基準値を見直しました。

 新たな基準値では、150未満がよいとされてきた男性の中性脂肪は198以下に。120未満がよいとされてきた悪玉コレステロールは、男性178以下、女性は年齢を3段階に分け、30歳から44歳が152以下、45歳から64歳が183以下、65歳から80歳が190以下となりました。

 総コレステロールも、現在男女とも199未満がよいとされていますが、男性は254以下、女性では30歳から44歳が238以下、45歳から64歳が273以下、65歳から80歳が280以下となりました。

 血圧は、現在正常とされる数値が上の値は129まで、下の値は84までですが、上の値は147まで、下の値は94までとなりました。

 また、肥満度を表すBMIの値は、現在男女ともに25未満ですが、男性は27・7以下、女性は26・1以下となりました。

 これらの数値は、健康な人には当てはまるものの、糖尿病など何らかの病気を持つ人には適用されません。

 日本人間ドック学会は、新基準を6月に正式に決め、来年4月から運用する予定。

 専門家委員会の委員長を務める渡辺清明慶応大名誉教授は、「新たな基準値で将来的に健康を維持できるかについてはさらに検討が必要」と話しています。

 2014年4月10日(木) 

 

■はしかの流行が拡大、3月までに患者231人 昨年1年間にほぼ匹敵

 はしか(麻疹)の流行が拡大し、3月までで昨年1年間とほぼ同じ規模の患者数が発生していることが、国立感染症研究所のまとめでわかりました。

 同研究所によると、2014年に入り、3月24日〜30日の第13週までに確認されたはしか患者は、全国で231人。昨年は計232人で、ほぼ3カ月で1年間の患者数に達した形です。

 都道府県別で最も多いのは東京都の41人で、次いで静岡県27人、京都府と千葉県がそれぞれ22人、埼玉県21人と続き、大阪府16人、愛知県14人、福岡県4人などとなっています。

 人口100万人当たりでみると、京都府が8・3人と最多で、静岡県7・2人、和歌山県7・0人と続き、この3府県が突出して多くなっています。

 年齢別では、20歳代が23パーセントを占めて最も多く、以下は1〜4歳が21パーセント、30歳代が17パーセントなど。予防接種を受けていないか、受けていても時間が経って免疫が弱まっている可能性がある若い世代が、多くなっています。

 また、感染経路は国内が約7割。1月ころまではフィリピンなど海外での感染が目立ちましたが、次第に国内感染にシフトしており、輸入されたはしかウイルスが国内で渡航歴のない人にも広まっている可能性があるといいます。

 はしかは感染力が非常に強く、空気感染します。症状は熱やせき、発疹などで、重症化すると肺炎や脳炎などを起こし、1000人に1人は死亡するとされます。妊婦が感染すると、流産や早産を引き起こす恐れもあります。

 春から夏にかけてが流行期のため、さらに患者が増える恐れがあり、国立感染症研究所は特に子供や高齢者は注意するよう呼び掛けています。

 同研究所によると、はしかの国内の患者数は、全例が報告対象になった2008年は1万人以上でしたが、以降大きく減少し、昨年は232人でした。国内で以前に流行していた土着ウイルスのタイプは、2010年を最後に検出されていません。

 厚生労働省は2015年度までに、土着ウイルスによる感染が1年以上確認されないなどと定義される「排除」を目指していますが、このまま患者が増えていくと、この目標にも影響が出かねません。

 2014年4月9日(水) 

 

■市区町村がん検診、精密検査が必要な36万人の受診確認できず

 市区町村が行う大腸がんや乳がんなどのがん検診で、がんの疑いがあるとして精密検査が必要と指摘されたものの、検査を受けていなかったり、受けたことが確認できない人が、全国で延べ36万人余りに上ることが厚生労働省のまとめでわかりました。

 がん検診は健康増進法に基づく健康増進事業として、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がんの5つのがんについて、子宮がんで20歳以上、そのほかのがんは40歳以上の人を対象に市区町村が行っています。

 厚生労働省によりますと、2011年度にがん検診を受けた人は全国で延べ2550人余りで、このうち5パーセントに当たるおよそ137万人は、がんの疑いがあるとして精密検査を受けるよう指摘を受けたということです。

 しかし、翌年の2012年度末までに精密検査を受けていなかったり、受けたかどうか市区町村が確認できない人が、検査が必要と指摘された人の27パーセントに当たる延べ36万人余りに上ることがわかりました。

 がんの種類別では、大腸がんが最も高く37パーセント、次いで子宮がんが32パーセントとなっています。

 がん検診に詳しい国立がん研究センターの斎藤博検診研究部長は、「自治体や検査機関は精密検査を受けたかどうかわかる体制を作り、個別に連絡を取って検査の必要性を説明するなど検診後のフォローを強める必要がある」と話しています。

 2014年4月8日(火)

 

■慢性疲労症候群、脳の炎症が関連 理研など発表、治療法開発に期待

 原因不明の疲労が半年以上続く慢性疲労症候群(CFS)の患者の脳では、症状の重い炎症が広い範囲で起きており、脳の機能低下を招いているとみられることを、理化学研究所や大阪市立大などの共同研究グループが突き止め、4日発表しました。

 CFSは、1980年代に米国で初めて報告された原因不明の病気。日本では30万人以上が、この症状を抱えているいると推計されています。

 特効薬はない上、CFSは既存の検査では異常がなく見逃されることがあり、診断指標や治療法の開発に役立つと期待されます。

 共同研究グループの理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター(神戸市)の渡辺恭良センター長は、「うつ病など他の病気と比べる必要があるが、CFS発症と脳内炎症には深い関係があるとみられる」と話しています。

 共同研究グループは、ごく微量の放射線を放つ放射性同位元素を注射して陽電子放射断層撮影(PET)で追跡する「分子イメージング」と呼ばれる手法を活用。脳の炎症が起きた部分で多く作られる「TSPO」というタンパク質の量を、患者9人と健常者10人を対象にPETで調べました。

 すると、患者は健常者の約2倍、炎症の程度が重く、症状が重いほど炎症もひどいことがわかりました。

 認知機能の低下や頭痛など症状の違いによって、炎症が生じる脳の部位も違うこともわかりました。

 大阪市立大の中富康仁博士(疲労医学)は、「患者は怠けているだけなどと偏見にさらされている。客観的指標を示すことで周囲も病気を理解しやすくなる」と指摘しています。

 2014年4月6日(日) 

 

■美白化粧品の白斑被害、初の集団提訴 カネボウに14人損賠請求

 カネボウ化粧品(東京都)の美白化粧品で肌がまだらに白くなる白斑症状が出たとして、静岡、山梨両県の30~70歳代の男女14人が4月2日、製造物責任法に基づき、同社に計7000万円の損害賠償を求める集団訴訟を静岡地裁に起こしました。

 弁護団によると、白斑問題を巡る集団提訴は全国で初めて。

 治療費や通院費、慰謝料などの一部として1人当たり500万円を請求します。ただ、実際の損害額は1人当たり3000万~8000万円で、総額約6億円に上ります。今後、裁判の進行を見ながら請求額を増やしていくといいます。

 訴状によると、男女14人はメラニンの生成を抑える美白成分「ロドデノール」を含む同社の化粧水、乳液などを2011年から2013年にかけて使用し、顔面や首回り、手などに白斑の症状が出ました。弁護団は「化粧品としての安全性を欠き、欠陥がある」と主張しています。

 静岡市内で開かれた会見で、原告女性の一人は、「カネボウの対応に誠意が感じられず、非常に不安」と訴えました。

 また、同社の化粧品を20年以上使用してきたという50歳代の接客業の原告女性は、2012年秋ころから、顔、手、首に白斑症状が出始めたといいます。顔には2~3センチほどの白斑が複数あり、3種類のファンデーションやコンシーラーで隠す日々。2013年夏に同社から白斑被害の発表があるまでは、「年齢とストレスが原因」と考えて化粧品を使い続けたといいます。

 同社に対しは、「被害が把握できていたなら、もっと早く発表してほしかった。そうすれば、症状はもっと軽かったかもしれない」と憤り、「早く原因を究明してほしい。そして、治療法を教えてほしい」と求めました。

 弁護団は原告14人のほかに約30人の相談を受けていて、準備が整い次第、追加提訴するとしています。

 カネボウ化粧品は、「訴状を確認できていないのでコメントは控えたい」と回答しました。同社によると、2月25日現在で1万8312人の白斑被害を確認しています。

 白斑被害を巡っては、2013年9月に東京都の女性が同社に約4800万円の損害賠償を求め、東京地裁で係争中。広島県でも今月中に、被害者が集団訴訟を起こすことを検討しています。

 2014年4月3日(木)

 

■糖尿病検査、国際標準に統一 日本糖尿病学会

 糖尿病の検査項目の一つ「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」の測定条件について、日本糖尿病学会は4月1日から日本独自の条件から国際標準に統一しました。

 これによって検査の数値がこれまでよりもおよそ0・4上がるため、医療機関などでは、過去の検査と比べる際は注意するよう呼び掛けています。

 厚生労働省によりますと、糖尿病が強く疑われる人は、およそ950万人で、いわゆる「予備軍」を含めると2050万人に上ると推計されています。

 HbA1cは糖尿病の検査項目の一つで、検査の前およそ2カ月間の血糖値の平均が反映されるため、より正確に診断できるとされています。

 このHbA1cの数値について、国内ではこれまでJDS値という日本独自の測定条件で測った値が使われてきましたが、日本糖尿病学会は1日からNGSP値という国際標準で測った数値に統一しました。

 数値を国際標準に統一したことによって、糖尿病患者が海外に長期間出張するなどして現地で治療を受ける場合も、過去の検査数値の解釈に誤解が生じないほか、海外で開発された新しい薬や治療方法の導入がスムーズに進むということです。

 この統一で検査の数値がこれまでよりもおよそ0・4上がるため、医療機関などでは、過去の検査と比べる際は注意するよう呼び掛けています。

 糖尿病が疑われると診断される基準値もHbA1c6・1パーセント以上から、HbA1c6・5パーセント以上に上がるため、患者は増えないということです。

 このうち東京都中央区にある糖尿病専門のクリニックでは、医師が患者に対し検査結果を示しながら、HbA1cの測定条件が変わったことを説明していました。

 クリニックの真山享院長は、「病院や検診機関などすべての医療機関で統一されるので、これまでと数値が違っても焦らず、医師などに確認してほしい」と話していました。

 2014年4月3日(木) 

 

■地球温暖化、生態系や社会に重大な影響 国連が7年ぶりの報告書で警鐘

 世界各国の科学者などで作る国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は横浜市で開いた総会で、地球温暖化の影響について7年ぶりとなる第2作業部会の報告書を承認し、3月31日に公表しました。

 報告書は、農業や生態系などの面で「すべての大陸と海洋で影響が現れている」と断定。18世紀半ばと比べた世界の平均気温の上昇が今世紀末に4度を超えるなら、後戻りできない環境の激変を起こしかねないと警鐘を鳴らしました。

 心配される温暖化のリスクとしては、食料供給システムの崩壊や生態系の損失など8つの分野を挙げました。こうした影響が暴力的な紛争に発展する可能性にも、初めて言及しました。

 世界の平均気温は、18世紀半ばの産業革命前から最近(1986~2005年平均)までに約0・6度上昇。昨年秋に公表された第1作業部会の報告書では、現状のペースで温室効果ガスの排出増が続くと、今世紀末にさらに2・6~4・8度上昇すると予測しました。温室効果ガスを世界全体で大幅に減らせないと、4度上昇は現実味を帯びます。

 今回の報告書は、気温が2度上昇した場合、異常気象による被害などで年間に最大で世界各国のGDP(国内総生産)の総額の2パーセント程度が失われ、気温が4度上昇した場合、熱帯や温帯地域では小麦や米などの穀物の生産量が落ち込むなど世界的な食糧不足が深刻化する可能性を指摘。さらに、大規模な海面上昇を引き起こすグリーンランドや南極の氷床消失など「深刻かつ広範で不可逆な影響が起こる可能性が高まる」としました。

 ただ、4度未満2度以上の上昇でも、動植物などに大規模な絶滅を招く危険性を指摘。気温の上昇スピードが遅ければ生き物は過ごしやすい場所に移動できるものの、予測される上昇スピードが急激すぎるため生き物の多くが今世紀後半には追い付くことができなくなるからです。

 IPCCのパチャウリ議長は記者会見で、「温暖化が進めば、食料不足などで移住を迫られる人たちが出て、新たな紛争が引き起こされる恐れがある。温暖化のリスクを下げるには温室効果ガスの削減策だけでなく、被害を減らす適応策の両方が重要だ」と指摘しています。

 2014年4月1日(火)

 

■高齢化が進む心臓手術 70歳以上が半数、80歳以上が1割

 心臓手術を受ける高齢者が年々、増えています。70歳以上が全体の5割を占め、80歳以上でも1割を超えていることが、日本冠動脈外科学会の調査でわかりました。

 同学会が、心臓血管外科のある全国約330病院を対象に、主要な心臓手術で広く行われている「冠動脈バイパス手術」の実施状況を調べました。この手術は、狭心症などの治療で、心臓の冠動脈に別の血管をつなぎ合わせて血液の流れをよくすることを目的にしています。

 調査結果によると、2012年にこの手術を受けた約9000人のうち、80歳以上が10・9パーセントで過去最高を更新しました。1割を上回ったのは2年連続。2000年の4・3パーセントから増え続けています。

 70歳以上では2012年が50・4パーセントで、2000年は39・3パーセントでした。

 一方、手術による死亡率は、80歳以上が2012年で1・09パーセントと、2000年の2・91パーセントより改善しています。

 日本冠動脈外科学会は、高齢者の心臓手術が増えている理由について、高齢者人口の増加のほか、体への負担を軽くするために心臓を動かしたまま行う「オフポンプ手術」の普及があるとしています。以前は、血管をつなぎやすくするため、心臓の動きをいったん止めて、人工心肺装置を使って行うことがほとんどだったということです。

 また、体内に長く残らない麻酔薬を使用したり、リハビリを始めたりする取り組みが、高齢者の手術後の回復を支えています。

 天皇陛下も2012年2月、78歳でオフポンプ手術を受けています。

 2014年3月31日(月)

 

■インフルエンザ流行、依然として収まらず 患者、前年同期の3倍

 インフルエンザの流行は例年、3月末になると患者数が急速に減っていきますが、今年はB型のインフルエンザウイルスなどの感染が広がり、患者数が多い状態が依然として続いています。

 国立感染症研究所はピークは過ぎたとしつつ、引き続き注意するよう呼び掛けています。

 国立感染症研究所によりますと、3月17日~23日までの最新の1週間に、全国の医療機関を受診したインフルエンザの患者は推計101万人に上りました。

 例年、インフルエンザの流行は、3月末には患者数が急速に減る傾向にありますが、今年はH1N1のほか、B型のインフルエンザウイルスの感染が広がり、例年に比べ患者数が多い状態が続いているということです。

 定点1医療機関当たりの患者数は、3月17~23日の最新1週間で18・59人。前年同時期の6・75人に比べ、3倍近くになっています。

 1医療機関当たりの患者数を都道府県別にみますと、42都道府県で前週よりも減少しましたが、福井県39・97人、岩手県33・72人で大きな流行が起きている恐れを示す「警報レベル」の30人を超えているほか、宮城県29・42人など東北地方や北陸地方で多い状態が続いています。

 また、和歌山県を除く46都道府県で依然、警報レベルの地域が出ています。

 今シーズンは1月下旬から2月上旬がピーク。その後は減ったものの、2月下旬に再び増えるなど例年に比べて、減少するペースが遅くなっています。

 国立感染症研究所によりますと、複数のタイプのインフルエンザウイルスが同時に流行しているのが今シーズンの特徴で、H1N1のほか、B型の割合も多くなっています。そのため、同じシーズンに複数回かかる恐れもあるといいます。

 国立感染症研究所の砂川富正室長は、「今後、入学式など人が集まる機会が増えるので手洗いやせきエチケットの徹底で予防に努めてほしい」と話しています。

 2014年3月29日(土) 

 

■PM2・5と黄砂、複合すると発がん性高い物質に変化 金沢大学が研究

 大気中の汚染物質PM2・5(微小粒子状物質)と黄砂が混ざると、より発がん性が高い物質に変化することが、金沢大学などのグループの研究でわかりました。

 研究グループは、「PM2・5と黄砂が、共に多く観測されるこれから4月ごろまでは、より注意が必要だ」と呼び掛けています。

 金沢大学医薬保健研究域薬学系の早川和一教授らの研究グループは、毎年春の黄砂が多く飛んでくる時期に、PM2・5の中でも発がん性が極めて高いとされる「NPAH(ニトロ多環芳香族炭化水素)」と呼ばれる物質の濃度が高くなることに着目。大気中に含まれる「窒素酸化物」とPM2・5に必ず含まれる「PAH(多環芳香族炭化水素)」が入った容器に、黄砂を入れて拡散させる実験を行ったところ、NPAHに変化することがわかったということです。

 NPAHは、多くの研究者の実験で肺がんなどを引き起こすリスクがPAHよりも100倍以上高いことが示されています。

 早川教授は、「これまで黄砂だけ、PM2・5だけで対策を考えていたが、複合影響があるという前提で対策を立てることが大切だ。共に多く観測される時期は、PM2・5を通さないマスクを着けるなど特に気を付けてほしい」と話しています。

 この研究成果は28日、熊本市で開かれた日本薬学会で発表されました。

 2014年3月28日(金) 

 

■大気汚染による死者、2012年に世界で700万人 WHO、各国に対策促す

 世界保健機関(WHO)は25日、自動車の排ガスや調理用の炎など、さまざまな要因で発生する大気汚染に関連した死因による死者が2012年に世界全体で700万人に上ったとの推計を発表しました。700万人は全死者の8分の1に当たります。

 WHOは従来予想の2倍以上とし、「700万人は極めて大きな数だ。大気汚染を減らせば(年間)数百万人の命を救える」と各国政府に対策を急ぐよう促しています。まきや石炭の利用による屋内の空気の汚れに起因する健康被害も多いと指摘しています。

 屋内の空気汚染による死者が430万人、屋外は370万人と分析しました。一部には両方が原因で死に至る人もいるため、世界の合計は700万人と推計しました。

 地域別では、日本や中国を含む西太平洋地域が約280万人、インドやインドネシアを含む東南アジア地域が約230万人で、2地域で世界全体の半数以上と突出して多くなっています。両地域は人口10万人当たりの死者数でも、それぞれ1、2位となりました。

 西太平洋地域の人口10万人当たりの死者数は、日本などの高所得国では32人でしたが、中国などの中低所得国では172人と5倍以上に上りました。

 空気の汚染で引き起こされる疾患は、屋内では卒中・発作が34パーセントで最多で、虚血性の心臓疾患が26パーセントで続きました。屋外の場合は、卒中・発作と虚血性心臓疾患が40パーセントずつで並んでいます。

 WHOは、「屋内では空気をきれいに保てる調理器具や暖房器具を使うことが対策になる」としています。

 2014年3月26日(水) 

 

■睡眠、高齢者は量より質 厚労省が新たな睡眠指針

 睡眠を健康的に取るための睡眠指針について、厚生労働省は、世代別の注意点を盛り込んで11年ぶりに見直しました。

 この中で65歳以上の高齢者に対しては、長時間眠ろうと寝床で長く過ごしすぎると不眠につながる恐れがあるため、年齢に合った6時間程度の睡眠時間を心掛けるよう呼び掛けています。

 厚労省は、11年前の2003年に睡眠指針をまとめていますが、不眠に悩む人が多いことなどから、24日に開かれた専門家による検討会で世代別の注意点を盛り込んだ新たな睡眠指針をまとめした。

 まず適切な睡眠時間について、10歳代前半までは8時間以上、25歳はおよそ7時間、45歳はおよそ6・5時間、65歳はおよそ6時間と、個人差はあるものの年を取るにつれ20年で約30分の割合で短くなっていくとしています。

 その上で、65歳以上の高齢者に対しては、長時間眠ろうとして必要以上に長い時間寝床に就いていると、寝付くまでの時間が延びたり夜中に目覚める回数が増えたりして、熟睡感が得られず、不眠につながる恐れがあるとして、年齢に合った睡眠時間を心掛けるよう呼び掛けています。

 働く世代に対しては、疲労を回復し、仕事の能率を高めるため毎日、十分な睡眠を取るよう促すほか、不足して仕事中に眠気が生じる場合は20~30分の短い昼寝が効果的だとしています。

 中高生ら10歳代の若い世代に対しては、頻繁に夜更かしをすると体内時計がずれていくとして規則正しい生活を促すほか、寝床で携帯電話やゲーム機に熱中すると、光の刺激で目が覚めてしまうので、注意が必要だとしています。

 また、新たな睡眠指針では、無理に寝ようとせず、眠くなってから寝床に入り、起きる時間を一定に保つほか、睡眠に問題が生じた場合は、早めに専門の医師などに相談し、睡眠薬は専門家の指示で使用するよう呼び掛けています。

 検討会の座長を務める日本大学医学部の内山真教授は、「睡眠が足りなかったり質が悪かったりすると、日中の作業効率が落ちるだけでなく、高血圧などの生活習慣病のリスクが高くなったり、心の状態に悪い影響を与えたりすることがわかってきている。必要な睡眠は年代ごとに大きく変わるので自分の年齢と生活習慣を指針に照らし合わせて、健康作りに生かしてほしい」と話しています。

 2014年3月24日(月) 

 

■鳥インフル感染者、中国を中心に400人に 昨年3月以降

 中国広東省の衛生当局は22日、同省スワトー市の男性(62歳)がH7N9型鳥インフルエンザに感染したと発表しました。

 昨年3月に初めて感染者が確認されて以降、中国を中心に香港なども含めて確認された感染者は計400人になりました。

 今年に入ってからの感染者は251人で、うち79人が死亡しています。広東省と浙江省で感染者が今年約90人ずつ出ており、両省を中心に感染拡大が続いています。

 昨年の感染者は通年で144人で、死者は46人でした。

 中国当局と世界保健機構(WHO)は、ヒトからヒトへの感染が継続的に起きていることを示す証拠はないとしつつ、関係の密接な親族間で感染が広がる「家系内多発」がみられるとの見解を示しています。

 H7N9型鳥インフルエンザを巡っては、ヒトからヒトへの感染が容易な新型への変異と、それに伴うパンデミック(世界的大流行)が懸念されています。

 専門家は、今年のH7N9型感染状況には季節的な上昇がみられ、寒波の影響があると指摘しています。

 2014年3月23日(日) 

 

■発達障害などで別授業、公立小中で7・8万人 10年で倍増

 発達障害などで心身に障害があり、一部の授業を別に受ける通級指導の児童生徒が、全国の公立小中学校で7万7882人いることが文部科学省の調査でわかりました。

 昨年5月時点の人数で、10年前の2・3倍。障害の認知度が高まり、指導の取り組みも広がった結果と同省はみています。

 全国の公立小中学校を対象にして、通常学級に在籍しながら障害を理由に、一部で専門教員らの指導を受ける子供について調査。校種別では、小学校で7万924人(前年度比5468人増)、中学校では6958人(同895人増)で、公立小中学校の全児童生徒数の0・8パーセント。通級指導のコマ数は、週1~2コマが全体の82パーセントを占めました。

 障害種別では、①言語障害3万3606人②自閉症1万2308人③学習障害1万769人④注意欠陥多動性障害1万324人⑤情緒障害8613人――など。詳細な種別で調べ始めた2006年度以降、②~⑤の合計が4・3倍になり、全体数を押し上げました。②〜④は発達障害と呼ばれます。

 2014年3月22日(土) 

 

■海外で購入した血糖値を下げる漢方薬で重体 国民生活センターが注意喚起

 海外旅行先で「血糖値を下げる漢方薬」として販売されていた製品を購入し、帰国後に服用した日本の女性が一時、意識不明の重体になっていたことがわかり、国民生活センターが注意を呼び掛けています。

 国民生活センターによりますと、日本の60歳代の女性が東南アジアで、血糖値を下げる漢方薬として販売されていた製品を購入し、帰国後の昨年11月に服用したところ、血糖値が異常に下がり、意識不明の重体で病院に救急搬送されるという事故が発生したということです。

 女性は病院で治療を受けて意識が戻りましたが、処置が遅れれば、脳に後遺症が残るか死亡に至っていた可能性もあったということです。

 国民生活センターがこのプラスチック製のボトルにカプセル錠が入った製品を調べたところ、内容物1グラム当たりには、漢方薬だけでなく、血糖値を下げるために使われる「グリベンクラミド」という医薬品成分が約9ミリグラム含まれていましたが、製品のラベルにそうした記載はなかったということです。

 日本国内で定められている医薬品としてのグリベンクラミドの1日最高服用量は10ミリグラムとされており、この製品の1回3錠、1日2回という表示に従って服用すると、1日に約16ミリグラムのグリベンクラミドを服用してしまうものでした。

 このグリベンクラミドが混ぜられた海外の製品はほかにも見付かっており、国民生活センターは、海外で薬や健康食品として販売されている製品の利用には、十分、注意するよう呼び掛けています。

 国民生活センター商品テスト部の菱田和己課長は、「海外の医薬品や健康食品には、安全性が確認されていないものや、表示にない成分が含まれているものもあるので、安易に利用しないよう、気を付けてほしい」と話しています。

 2014年3月21日(金) 

 

■女性ホルモンを含む更年期サプリで、子宮から不正出血 厚労省が注意喚起

 厚生労働省は18日、薬事法上の未承認医薬品に当たる「ESTROMON(エストロモン)」を服用した40歳代の女性が、子宮から不正出血する健康被害を起こしたと発表しました。

 インターネットで購入した九州地方に住む女性は婦人科を受診し、すでに回復しているものの、厚労省は、医薬品成分を含むこうした薬がサプリメントや健康食品として販売されているとし、テレビ番組などの情報から、安易にインターネットで購入しないように、また使用して体調に不安を感じている場合は医療機関を受診するように、注意喚起しています。

 同省によると、エストロモンはタイ製で、女性ホルモンの一種のエストロゲン(卵胞ホルモン)を含み、「更年期対策サプリ」と称して販売されていました。エストロゲンを成分とする飲み薬は、国内ではすべて医師の処方が必要です。

 同省では、このほか女性ホルモンの一種であるエストロゲン、またはメドロキシプロゲステロン酢酸エステル(黄体ホルモン) を成分に含む未承認医薬品として、「PREMARIN(プレマリン)」「Provera(プロベラ)」「oestrogel(エストロジェル)」がインターネット上で販売されているのを確認しています。

 2014年3月20日(木) 

 

■中国で旅行者対象のスモッグ保険発売 旅行先は上海、北京など6都市に限定

 中国のインターネット旅行会社最大手のシートリップと保険大手の中国平安保険が、大気汚染にうんざりしている旅行者を救うと同時に、世論の懸念に乗じた新たなアイデアとして、国内6都市への旅行者を対象にスモッグ保険を発売しました。

 国営英字紙チャイナ・デーリーによると、スモッグ保険の賭け金は10~15元(約165~245円)。旅行先の大気汚染が危険な水準だった場合、加入者には1日当たり最大50元(約820円)の保険金が支払われます。

 加入できるのはシートリップを通じて3~7日間のツアーを予約した旅行者のみで、対象となる旅行先はハルビン、成都、上海、広州、北京、西安の6都市に限定されます。これらの都市では頻繁に、大気汚染が環境基準値を上回っています。

 しかし、技術者のある男性はチャイナ・デーリー紙に対し、「補償金がいくらあっても十分ではない。観光のために旅行をしている人たちが大気汚染のお陰で気分を台なしにされたとすれば、それはお金で埋め合わせられるものではない」と話しています。

 大気汚染を巡る中国世論の怒りは今年1月、一気に高まりました。首都・北京が分厚いスモッグに覆われて、視界は数百メートル未満になり、大気汚染物質のPM2・5(微小粒子状物質)の濃度は世界保健機関(WHO)の指針値の20倍以上となる1立方メートル当たり500マイクログラムに達したためです。

 こうした状況を受け、中国の李克強首相は今月に行われた全国人民代表大会(全人代)で大気汚染問題に「宣戦布告」すると述べ、高排出車両600万台を路上からなくし、小規模の石炭火力発電所5万施設を閉鎖するなど、新たな対策を発表しています。

 2014年3月19日(水) 

 

■はしか患者増加、過去6年で最多 ワクチン接種を

 はしか(麻疹)の患者が今年に入って増え、この時期としては過去6年間で最も多くなっていることが、国立感染症研究所の調査でわかりました。

 国立感染症研究所によりますと、今年に入って全国の医療機関から報告されたはしかの患者は172人で、昨年の同じ時期のおよそ3倍に上り、過去6年間で最も多くなっています。

 今年の初めは、はしかの流行が起きているフィリピンから帰国した若者が発症するケースが目立っていましたが、その後、感染は子供を中心に広がり、東京都内の日本医科大付属病院で小児患者4人と医師1人の集団感染が起きて、小児科の病棟が一時閉鎖される事態も今月5日に起きています。

 はしかは発熱やせき、鼻水などインフルエンザによく似た症状で始まり、体中に発疹が出るウイルス性の感染症で脳炎や肺炎などを起こして重症化することもありますが、患者の8割は、ワクチンを接種していないか接種歴が不明だったということです。

 はしかの流行は、毎年5月から6月にかけてピークを迎えるということで、国立感染症研究所感染症疫学センターの多屋馨子室長は、「1歳児とこの4月に小学校に入る子供たちは、ワクチンを無料で接種できるので早めに接種してほしい」と話しています。

 2014年3月18日(火) 

 

■ヒトiPS細胞を使って声帯粘膜細胞を作製 福島医大

 福島医大医学部耳鼻咽喉科学講座の今泉光雅助教(36歳)は、人間由来のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って声帯粘膜と同様の性質を持つ細胞を作製する実験に成功しました。

 マウスのiPS細胞による組織再生技術を応用し、人間の声帯の再生治療に向けた新たな一歩を踏み出しました。将来的に再生が可能になれば、拒絶反応なしに声帯を修復できます。最先端技術を身近な医療の向上に役立てる研究として注目されます。

 今泉助教は、ヒトiPS細胞の研究で世界的な成果を挙げている米国のウィスコンシン大で信頼性の高いヒトiPS細胞の提供を受け、培養して300万個まで増やした上で、人間の声帯から採取した「線維芽細胞」と混ぜ合わせ、分化・誘導を促しました。

 線維芽細胞は、人体内で組織が損傷を受けた際に損傷部に移動してコラーゲンを作り、修復を助ける性質を持ちます。今泉助教はこの性質に着目し、活用することを発想。培養の過程でヒトiPS細胞を声帯の粘膜細胞と同様の性質を持つ細胞に変化させることに成功しました。

 今泉助教は昨年6月までの2年間、ウィスコンシン大に福島医大から派遣されました。実験は派遣期間中の一昨年春に成功し、研究成果をまとめた論文の内容が認められ、昨年末には米国の専門学術誌に掲載されました。

 今泉助教が所属する福島医大耳鼻咽喉科学講座(大森孝一教授)は、京都大などと連携してマウスiPS細胞など各種細胞による気管組織の再生実験に約十年前から取り組んできました。今泉助教は、講座で蓄積されてきたマウスiPS細胞の培養技術を生かし、マウスより取り扱いが難しいとされているヒトiPS細胞の分化・誘導に挑戦しました。

 人間の声帯の手術は、喉頭がんや、声帯ポリープなどの治療で行われますが、声帯組織を切除すると、手術前と同様に発声するのが難しくなるケースがあります。iPS細胞で再生した組織は、移植しても原則的に拒絶反応がないとされます。将来的にiPS細胞による声帯再生が実現すれば、移植して声を出しやすくするなど患者の日常生活の質向上に結び付くと期待されます。

 今泉助教は昨年7月に福島医大に復帰し、ヒトiPS細胞で再生した細胞を動物の体内に移植して組織化させる実験に入っており、動物実験を重ねて再生技術確立を目指します。「これからもヒトiPS細胞を用いた実験を進め、早い時期に臨床に生かせるように努力したい」と意気込んでいます。

 2014年3月16日(日) 

 

■黄砂飛来日は救急搬送が増加、PM2・5の影響濃厚 国立環境研究所が発表

 中国大陸から飛来する黄砂の濃度が高い日は病気による救急搬送の数が増えるとの研究結果を、国立環境研究所(茨城県つくば市)の上田佳代主任研究員らがまとめました。

 「黄砂とともに飛んでくる大気汚染物質が影響している可能性がある」としています。大気汚染物質にはPM2・5(微小粒子状物質)も含まれ、肺の奥深くまで入りやすいことからぜんそくや気管支炎、肺がんのリスクを高める懸念があります。

 医師でもある上田研究員らは、救急搬送の充実したデータが残る長崎市を調査し、けがや妊婦を除き2003~2007年の3~5月の成人の搬送約9000件を分析。黄砂の濃度が高い日は黄砂がない日に比べ搬送数は12パーセント多く、心臓病と脳卒中の循環器疾患に限ると21パーセントも増えました。

 黄砂を含む大気の飛来ルートを解析した結果、中国大陸沿岸の工業地帯を2キロ未満の高度で通ってきた日のほうが、上空を通ってきた日より搬送数が多い傾向がありました。

 また、福岡県内の病院に入院した脳梗塞の患者を対象とした調査では、特定のタイプの脳梗塞は発症が約30パーセント増えたとの結果も出ました。

 一方、PM2・5は中国大陸から飛来するばかりではなく、日本国内でも発生しています。3月12日に開催されたPM2・5の対策を話し合う中央環境審議会専門委員会の初回会合では、ディーゼル車などから直接排出されるPM2・5は減っているものの、工場や火力発電所から出た汚染物質が大気中で化学反応を起こしてできるPM2・5への対策は進んでいないという実態が報告されています。

 2014年3月15日(土) 

 

■全国の自殺者、4年連続で減少 震災関連の自殺者は増加し38人

 内閣府と警察庁は13日、2013年の全国の自殺者数を前年比2・1パーセント(575人)減の2万7283人(確定値)と発表しました。4年連続の減少で、2年続けて3万人を下回りましたが、政府が目標とする「2万4000人台」は達成できておらず、高止まりが続いています。

 動機別では、多重債務や事業不振などの「経済・生活問題」の減少が583人と最も大きく、内閣府は「景気の好転が自殺者全体の減少につながっている」と分析。一方、東日本大震災関連とみられる自殺者は38人と、前年より14人増えました。

 国は2009年度に、自殺対策を支援する基金を都道府県に創設し、2012年度までに118億4000万円が市町村や民間団体などの活動に充てられました。内閣府の担当者は、「一定の効果が出ている」としています。

 自殺者全体の68・9パーセントが男性。職業別では「無職者」(学生や児童生徒は除く)が6割を占めました。年代別では60歳代が17・3パーセントと最多で、次いで40歳代16・8パーセント、50歳代16・4パーセント、70代13・9パーセントなど。

 2012年はすべての年代で減少しましたが、2013年は70歳代が約3パーセント増、80歳以上が5パーセント増と増加に転じました。一方、19歳以下と20歳代がいずれも7パーセント減と減り幅が大きくなりました。

 人口10万人当たりの自殺者の数を示す自殺死亡率では、山梨県が30・5人で最も高く、次いで岩手県が28・6人、新潟県が28・1人となりました。低い順からみると、神奈川県が17・2人、奈良県が17・4人、大阪府が17・8人でした。

 遺書などから原因・動機を特定できた2万256人について分析(最大で3項目まで計上)したところでは、最多は「健康問題」の1万3680人(前年比0・4パーセント増)。次いで「経済・生活問題」4636人(11・2パーセント減)、「家庭問題」3930人(3・9パーセント減)、職場の人間関係などの「勤務問題」2323人(6パーセント減)、「男女問題」912人(11・9パーセント減)、学業不振やいじめなどの「学校問題」375人(10・1パーセント減)など。

 最多だった健康問題の内訳では、「統合失調症の悩み・影響」の増え方が最も大きく10パーセント(115人)増。経済・生活問題では、「多重債務」の減り幅が最も大きく、17パーセント(151人)減で、中でも40歳代と60歳代の減少ぶりが目立ちました。「就職失敗」は20歳代に顕著で、30パーセント(45人)減でした。

 一方、警察庁が東日本大震災関連の自殺と判断したのは前年比14人増の38人。震災があった2011年(6~12月)の55人から2012年は24人に減りましたが、増加に転じました。原因・動機は「健康問題」の22人が最多で、「経済・生活問題」の9人、「勤務問題」の5人と続いています。

 内閣府などは、仮設住宅に住んだり、避難生活を送ったりしているといった実態や遺書の内容などから、震災の影響とみられる人などについて「震災に関連する自殺」としています。

 被災3県では、福島県が10人増の23人と2年続けて増え、宮城県は7人増の10人と増加に転じました。岩手県は4人減の4人で、2年連続の減少。ほかに、福島県から京都府に避難中の1人がいました。年代別では、40歳代が3人増の6人、50歳代が8人増の13人、80歳以上が4人増の7人と増加が目立ちます。 

 内閣府は、「被災者の孤立を防止するとともに、避難先などでの心のケアの取り組みを引き続き進めたい」としています。

 2014年3月14日(金) 

 

■培養した角膜細胞を3人に移植し視力回復 京都府立医大など、世界初の臨床研究

 目の角膜が濁って視力が大幅に下がる「水疱(すいほう)性角膜症」の患者に、体外で増やした角膜の細胞を移植する臨床研究を、京都府立医大や同志社大、滋賀医大のグループが始めました。3人に移植し、視力がよくなるなど効果が上がっているといいます。

 角膜の細胞を増やして移植した治療法は、世界で初めてといいます。12日発表しました。

 水疱性角膜症は、角膜の内側にある角膜内皮細胞が病気やけがで傷付き、角膜が濁る病気。人間やサルの角膜内皮細胞は増えて再生しないため、これまでは角膜や内皮の移植しか治療法がありませんでした。国内で角膜移植を受ける人は年間約3000人おり、その6割以上が水疱性角膜症の人だとされています。

 同志社大の小泉範子教授(医工学)らは、角膜内皮細胞を体外で低分子化合物を使って培養して人工的に増やし、角膜の裏側に注入して定着させる技術を開発。角膜内皮細胞をはがしたカニクイザル14匹に移植し、細胞が定着して濁りが治ることを確かめました。

 米国のアイバンクから提供を受けた10歳代の人の角膜内皮細胞をこの方法で増やし、京都府立医大の木下茂教授(眼科学)らが、昨年12月から今年2月にかけ、水疱性角膜症の57〜68歳の男女3人の患者に1人当たり約100万個移植しました。経過は順調で、角膜が透明に戻り、0・06以下だった矯正視力が0・1~0・9に回復しているといいます。

 グループは2014年度からの2年間で約30人に移植する計画で、2017年には製薬会社と協力して製品化を目指します。

 木下教授は、「角膜移植に比べ内皮細胞を注入するだけのため、これまで1時間かかった手術が5分になり、視力も回復しやすい。1人の角膜提供者から多くの人に移植できるなどメリットが大きい」と話しています。

 2014年3月13日(木) 

 

■ブラジルでのW杯観戦前に黄熱の予防接種を 厚労省が推奨

 今年6月12日に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会まで、12日であと3カ月となります。

 一部の試合会場がある地域では、蚊が媒介する黄熱(おうねつ)に感染する恐れがあることから、厚生労働省は、観戦や観光などのため現地を訪れる人に事前に予防接種を受けるよう呼び掛けています。

 黄熱の日本国内での発症例は近年ありませんが、蚊がウイルスを媒介して感染から数日で発症し、発熱や寒気、頭痛などの症状が出て死亡することもあります。世界保健機関(WHO)によると、中南米や熱帯アフリカなど44カ国で流行し、死者は年3万人と推計されています。

 ブラジルでは、入国する際に予防接種国際証明書(イエローカード)は求められていないものの、WHOでは、サンパウロなど沿岸の一部地域を除く流行地域に渡航する場合には予防接種を推奨しています。

 厚労省によると、6月24日(現地時間)に日本とコロンビアとの試合が予定されるクイアバが流行地域に含まれます。14日にコートジボワールとの試合が予定されるレシフェ、19日にギリシャ戦が予定されるナタールは対象外。ブラジルから他国へ向かう場合、予防接種国際証明書がないと入国できないこともあります。

 また厚労省は、黄熱以外にも、日本に常在しない疾患や発生がまれな疾患がブラジルで発生していることから、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病などの予防接種も併せて勧めています。これら複数のワクチンを接種する場合、数カ月かかる場合もあるため、早めの予防接種が推奨されています。

 黄熱の予防接種の料金は約1万円で、全国の合わせて26の検疫所と医療機関で、事前予約の上、予防接種が受けられます。

 十分な免疫が得られるまで10日ほどかかるということで、アレルギーの体質がある人や妊娠中の女性などは接種できない場合があるということです。また、生ワクチンのため接種後4週間はほかのワクチンを接種できません。予防接種国際証明書は接種の10日後から10年間有効。

 厚生労働省の中嶋建介感染症情報管理室長は、「大会の直前は予約が混み合う可能性があるので、安心して試合を観戦できるよう早めの接種を心掛けてほしい」と話しています。

 黄熱の予防接種が受けられる国内の合わせて26の検疫所と医療機関は以下です。

 ▽北海道では、小樽検疫所、千歳空港検疫所支所。▽東北地方では、国立病院機構仙台医療センター、国立病院機構盛岡病院。▽関東甲信越地方では、日本医科大学成田国際空港クリニック、国立国際医療研究センター病院、東京検疫所、東京医科大学病院、日本検疫衛生協会東京診療所、日本検疫衛生協会横浜診療所、横浜検疫所、新潟検疫所。▽中部地方では、名古屋検疫所、中部空港検疫所支所。▽関西地方では、大阪検疫所、高槻予防接種センター、関西空港検疫所、神戸検疫所。▽中国地方では、広島検疫所。▽四国では、広島検疫所高知出張所。▽九州・沖縄では、福岡検疫所、福岡空港検疫所支所、門司検疫所支所、長崎検疫所支所、鹿児島検疫所支所、那覇検疫所。

 なお、厚労省はブラジルへの渡航注意事項を検疫所(FORTH)のホームページ(http://www.forth.go.jp)に掲載しています。

 2014年3月12日(水) 

 

■南国ハネムーンでは蚊に要注意 ボラボラ島からの帰国者2人、ジカ熱を発症

 南太平洋上の美しい島として人気で、新婚カップルなど多くの観光客が訪れるフランス領ポリネシアのソシエテ諸島にあるボラボラ島から帰国した後、「ジカ熱」を発症した患者が、国内で初めて確認されました。蚊に刺されて感染し、ボラボラ島や近くのタヒチ島などの現地で、年齢や性別にかかわらず流行しているといいます。

 ジカ熱の症状は、発熱や発疹など風疹やはしかに似ています。重症化することはまれですが、幸せな旅行に水を差されないためにも蚊には注意が必要とされます。

 国立国際医療研究センターのグループが、欧州の専門誌(電子版)で報告しました。日本人の患者は、20~30歳代の男女2人。それぞれ別の旅行で昨年12月、ボラボラ島に6~10日間滞在して帰国後、発熱、発疹、関節痛などがありました。2人とも数日で快復したといいます。

 米疾病対策センター(CDC)などによると、ボラボラ島やタヒチ島があるフランス領ポリネシアで、これまでジカ熱に感染した疑いのある患者は8000人以上。現地では、蚊に刺されて感染するデング熱も流行しています。

 タヒチ観光局などによると、タヒチ島を訪れる日本人は年間約1万3000人で、7~8割はボラボラ島を訪れ、ハネムーンでの利用客のほかスキューバダイビングでの利用客も多いといいます。

 ボラボラ島は豪華な水上バンガローなどで知られ、「地球で最も美しい島」といわれています。世界30カ国で展開する旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」で昨年、南太平洋人気ナンバー1の島に選ばれました。

 厚生労働省検疫所は、蚊に刺されないための対策として、可能な限り、しっかりと網戸が取り付けられているか、エアコンが備わっている、または蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在すること、長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくすること、ディートなどの有効成分が含まれている虫よけ剤を皮膚の露出部につけることなどを挙げています。

 有効な治療薬やワクチンはなく、重症化することもあるため、帰国後に症状があれば受診が望ましいといいます。

 2014年3月11日(火) 

 

■PM2・5を宇宙から観測へ 3年後に打ち上げる人工衛星で

 国内で高い濃度が観測されている大気汚染物質PM2・5(微小粒子状物質)について、環境省などは、大陸からの越境汚染の実態解明につなげようと、2017年度に新たに打ち上げる人工衛星で宇宙からの観測に取り組むことになりました。

 この人工衛星は、地球の温室効果ガスの濃度を観測するため、環境省が宇宙航空研究開発機構(JAXA)などと共同で開発しており、大気中の微粒子も観測することができます。

 環境省によりますと、5年前に打ち上げられた現在の温室効果ガス観測技術衛星「GOSAT:ゴーサット(愛称:いぶき)」では、さまざまな微粒子による大気の濁りだけしか観測できませんでしたが、開発を進めている後継機「GOSATー2」では、より観測精度を向上させるほかPM2・5の観測機器を追加搭載する予定で、微粒子の中にどれだけのPM2・5が含まれているのか、データの分析によって割り出すことが可能になったということです。

 これにより、国内や大陸側の500メートル四方の範囲ごとにPM2・5の1立方メートル当たりの濃度を推計できるということで、観測は3日に1回のペースで行われることになっています。宇宙から観測することで、発生した場所が特定でき、移動の様子もわかりやすくなります。

 後継機「GOSATー2」の開発にはおよそ400億円の事業費がかけられ、3年後の2017年度に打ち上げられることになっています。

 環境省は、「人工衛星での観測データを従来から行われているPM2・5の研究に活用することで、越境汚染の実態解明や発生源の対策につなげていきたい」としています。

 2014年3月10日(月) 

 

■パーキンソン病治療へiPS移植、京大 2016年春にも実施

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使ったパーキンソン病治療の臨床研究について、京都大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)は6日、早ければ2016年の春から夏にかけて初めての移植手術に着手する見通しを示しました。

 研究所の高橋淳教授や土井大輔研究員のグループは、移植用の安全な細胞の大量作製と移植に適した細胞の効率的な選別の方法を開発し、臨床研究に必要な技術をほぼ確立しました。実現すれば、目の難病患者の網膜を再生する理化学研究所の世界初のケースに次ぎ、iPS細胞を用いた2例目の臨床研究になります。

 グループは、iPS細胞からドーパミンを分泌する神経の元となる細胞を作り、パーキンソン病患者の脳に移植して症状を改善させるための研究を進めています。サルの実験で効果を確かめていますが、人への応用には動物由来の成分を使わないようにするなど課題が残っていました。

 グループは、ヒトiPS細胞から神経の元となる細胞を作る際、従来のマウス由来の細胞に代わり、ラミニンという人工タンパク質を使う手法を開発。腫瘍化の恐れが低く、脳内で機能する細胞だけに結合する抗体を見付け、移植に適した細胞のみを選ぶことにも成功しました。関連論文を米科学誌ステムセルリポーツ(電子版)で7日に発表しました。

 グループによると、臨床研究は京大医学部付属病院と連携し、遺伝性でない患者6人の血液細胞からiPS細胞を作製。ドーパミン神経の元となる細胞に変化させて、それぞれ数千万個を脳に移植します。

 2015年1月にも法律に基づく京大の第三者委員会に計画を提出。委員会での審査を経て厚生労働相の承認を受け、早ければ同年夏に臨床研究を開始できる見込みです。患者の血液の採取から神経の元となる細胞の作製、品質の検証に9カ月を要し、1例目の移植手術の実施は2016年春から夏になるといいます。

 臨床研究が認められれば、対象患者6人は募集し、移植手術後は1年以上詳しく調べます。

 高橋教授は、「今年は、開発した技術を霊長類で実験して検証し、臨床研究の安全性や有効性を高めるための準備をしたい」と話しています。

 パーキンソン病は、脳の神経伝達物質ドーパミンを出す神経細胞が減り、手足の震えや体のこわばりなど運動障害が起こる難病。胎児の細胞を移植する治療がある程度効果を上げていますが、現在、神経細胞の減少を根本的に食い止める方法はありません。

 2014年3月9日(日) 

 

■昨年の児童虐待通告、過去最多の2万人超 心理虐待が急増

 虐待を受けているとして全国の警察が昨年1年間に児童相談所に通告した18歳未満の児童は2万1603人で、前年を31・8パーセント(5216人)上回り、過去最多を更新し初めて2万人を超えました。

 警察庁が6日、発表しました。暴言や無視などによって児童の心を傷付ける「心理的虐待」が49・3パーセント(4078人)増で、特に増加が目立つといいます。

 通告児童2万1603人のうち、57・0パーセントに当たる1万2344人が心理的虐待でした。このうち8059人は、配偶者らに対する暴力(DV)を児童の目の前で行うことで心理的な恐怖感を覚えさせる虐待。前年より48・4パーセント増え、全体の増加分の半数をこの形の虐待が占めました。

 「身体的虐待」は17・8パーセント増の6150人、食事を与えないなどの「育児放棄(ネグレクト)」が8・2パーセント増の2960人、「性的虐待」が8・6パーセント減の149人でした。

 通告児童数は、統計を取り始めた2004年の962人から毎年増え続け、10年間で22倍に上りました。

 警察庁の担当者は、「社会的な関心が年々高まり、病院や学校だけでなく、近所の人などからも子供の泣き声が聞こえるといった通報が増えていることが影響している」と分析しています。

 警察の通告は児童虐待防止法に基づいて行われ、通告を受けた児童相談所は児童の一時的な保護や保護者へのカウンセリングなどを行っています。

 また、警察庁によりますと、昨年1年間の児童虐待事件での摘発件数と摘発者数は、それぞれ467件、482人で、いずれも過去最多だった前年と同水準でした。摘発件数で最も多かったのは身体的虐待で334件。心理的虐待は被害の立証が難しいこともあり、摘発は児童に刃物を突き付けるなどした16件にとどまりました。

 摘発された事件で被害者となった18歳未満の児童数は475人で、うち25人が死亡しました。児童の側からみた加害者との関係は、実父が180人で最多、次いで養父・継父118人、実母101人などとなりました。

 一方、児童の裸の写真や画像を製作したり受け渡しをしたりしたとして、警察が昨年に摘発した児童ポルノ事件は前年比3パーセント増の1644件、被害に遭った児童は同21パーセント増の646人で、いずれも過去最多となりました。

 被害に遭った児童が加害者と連絡を取った手段は、スマートフォン(多機能携帯電話)が前年の約4倍増の32パーセントで最も多く、旧来の携帯電話の18パーセントを大きく上回りました。大人が子供を装って写真などを送らせる手口が相次いでいるということで、警察庁は注意するよう呼び掛けています。

 2014年3月7日(金) 

 

■東日本大震災の死者不明者、関連死含め2万1435人 警察庁と復興庁まとめ

 東日本大震災で警察が確認している死者と行方不明者は、合わせて1万8520人となっています。

 また、避難生活などで亡くなったいわゆる震災関連死は復興庁のまとめで2900人余りに上り、合わせると2万1435人に上っています。

 警察庁によりますと、警察によって死亡が確認された人は今年2月末の時点で、宮城県が9537人、岩手県が4673人、福島県が1607人、また茨城県が24人、千葉県が21人、東京都が7人、栃木県と神奈川県がそれぞれ4人、青森県が3人、山形県が2人、群馬県と北海道がそれぞれ1人で、合わせて1万5884人に上っています。

 死亡が確認された人のうち、これまでに99パーセントに当たる1万5786人の身元が確認されているものの、依然として98人の身元はわからないままとなっています。

 また、警察に届け出があった行方不明者は今年2月10日の時点で、宮城県が1283人、岩手県が1142人、福島県が207人、千葉県が2人、茨城県と青森県がそれぞれ1人で、6つの県で合わせて2636人となっています。

 一方、復興庁によりますと、避難生活による体調の悪化などで亡くなった、いわゆる震災関連死は昨年9月末の時点で、岩手県で417人、宮城県で873人、山形県で2人、福島県で1572人、茨城県で41人、埼玉県で1人、千葉県で4人、東京都で1人、神奈川県で2人、長野県で3人の少なくとも合わせて2916人に上っています。

 このうち、警察庁のまとめと重複している1人を除くと、震災による死者と行方不明者の合計は少なくとも2万1435人に上っています。

 2014年3月6日(木) 

 

■風疹で障害の新生児、全国で43人に 16人の東京都が最多

 風疹の流行の影響で障害が出る新生児が相次ぐ中、新たに東京都で1人が「先天性風疹症候群」と診断され、一昨年からの流行で障害が出た新生児は全国で43人となりました。

 風疹は妊娠中の母親が感染すると新生児の心臓や目、耳などに障害が出る先天性風疹症候群になる可能性があり、昨年、大流行したことから、その後に生まれる新生児への影響が心配されています。

 こうした中、先週、東京都内の医療機関から新たに1人の新生児が先天性風疹症候群と診断されたと自治体に報告があったということです。この結果、一昨年から続いた流行で先天性風疹症候群と診断された新生児は全国で43人に達しました。

 都道府県別では、東京都が16人と最も多く、続いて大阪府が6人、埼玉県が4人などとなっています。

 2000年以降、先天性風疹症候群の報告件数は、2000~2003年が各1人、2004年が10人、2005年が2人、2006~2008年がゼロ、2009年が2人、2010年がゼロ、2011年が1人、2012年が4人でした。しかし、2013年は32人と一気に急増、今年は7人目の報告があったことになり、昨年と同じかそれ以上のペースとなっています。

 厚生労働省は、6年後までに風疹の流行をなくすことを目標に予防接種などの対策を進めることにしていて、特に免疫がない人が多い成人の男性などへの接種を進めることが急がれています。

 妊娠20週ころまでの母親が風疹ウイルスに感染すると、胎児が先天性風疹症候群で生まれる可能性があり、その確率は妊娠初期に感染するほど高く、妊娠1カ月では50パーセント以上、2カ月で35パーセント、3カ月で18パーセント、4カ月で8パーセントというデータがあります。妊娠していることに母親や周囲が気付かず、無警戒な時期に感染してしまう恐れもあります。

 風疹ワクチンの接種は、最寄りの内科や小児科で受けることができます。ただし、接種には保険が適用されないため、費用は単独ワクチンは4000〜8000円前後、混合ワクチンは7000〜1万2000円前後といわれ、地域や医療機関によって異なります。

 市区町村によっては、接種費用の一部または全額を助成するところもあります。

 2014年3月5日(水) 

 

■大震災から2年後も、被災3県の子供3割にPTSD症状 厚労省研究班

 東日本大震災当時、岩手県、宮城県、福島県で被災した保育園児のうち約3割に、大震災から約2年経過した時点でも、強い不安や不眠の状態が1カ月以上続く心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状がみられたことが、厚生労働省研究班の調査でわかりました。被災体験のない子供と比べて、約9倍多かったといいます。

 研究班の藤原武男・国立成育医療研究センター研究所部長は、「年齢が上がり、震災の恐怖や友人を失った悲しみなどを表現できるようになって判明したケースがあるのでは」と話しています。

 児童精神科の専門医らでつくる研究班は、大震災が起きた2011年3月11日に3県内の保育園の3〜5歳児クラスに在籍した198人と保護者を調査。2012年9月〜2013年6月に児童精神科医らが面接し、保護者が質問用紙に答えた内容を加えて診断しました。

 その結果、33・8パーセントの子供に、睡眠障害やフラッシュバックなどを経験するPTSDの症状があると判明しました。

 比較のために同年齢の82人の状態を調べた三重県では、同様の症状を示した子供は3・7パーセントにとどまりました。 

 被災3県の子供では、「つらい体験が突然よみがえるフラッシュバック」や「つらい体験をする夢を繰り返し見る」が14パーセント、「つらい体験を思い出せない」や「つらい体験をした場所や行動を避ける」が17パーセント、「ちょっとした物音に驚く」や「眠れない」が10パーセントいました。

 地震や津波、火災、家族・友人との別離、避難所・仮設住宅での生活など、被災体験の数が増えるほど、PTSDになりやすくなりました。親にPTSDの症状がある子供は、親にPTSDの症状がない子供に比べて、症状が出た割合が1・7倍多くなりました。

 また、症状のある子供は、無表情でいる時間が長い傾向がみられたといいます。

 2014年3月4日(火) 

 

■エイズの患者と感染者 過去2番目の多い1546人

 昨年1年間に国内で新たに報告されたエイズの患者とエイズウイルス(HIV)の感染者は合わせて1546人で、過去2番目に多かったことが、厚生労働省のエイズ動向委員会のまとめでわかりました。

 保健所などでの検査件数は前の年より5165件多い13万6400件で、統計を取り始めた1985年以降、過去4番目に多くなりました。昨年11月末にエイズウイルスの感染者が献血し、検査をすり抜けた問題が発覚したことから関心が高まり、12月の検査件数は1万8500件と、11月の1・5倍に急増した影響とみられます。

 エイズ動向委員会によりますと、昨年1年間に国内でエイズを発症したと報告された患者は469人で、前の年より22人増え、過去2番目に多くなりました。患者の約6割は40歳以上が占めています。

 また、エイズウイルスへの感染が報告された人は1077人で、前の年より75人増え、過去3番目に多くなりました。感染者は20~30歳代が約6割を占め、感染経路は同性の性的接触によるものが約7割を占めました。

 患者と感染者の合計は1546人で、過去2番目に多くなりました。患者と感染者の合計は2007年以降、年1500人前後と横ばいのまま高止まりしており、過去最多は2008年の計1577人でした。

 これまでに国内で報告された患者と感染者の合計2万2971人で、感染に気付かず、症状の発症後に医療機関で感染に気付く患者も少なくないといいます。

 HIV検査は各自治体の保健所で匿名、無料で受けられます。厚生労働省のエイズ動向委員会の委員長で、東京大学医科学研究所の岩本愛吉教授は、「早期に治療することで、エイズの発症を抑えるだけでなく、ほかの人に感染させるリスクを下げることにもつながるので、心当たりがある人はぜひ検査を受けてほしい」とコメントしています。

 2014年3月3日(月) 

 

■PM2・5、全国分の注意情報を一覧表示へ 環境省が方針

 大気汚染の原因になり、呼吸器系疾患を引き起こすとされるPM2・5(微小粒子状物質)について、環境省は28日、全国のどこの都道府県で注意喚起情報が出されたか一目でわかるよう、3月中に情報提供サイトを改良すると明らかにしました。

 例年3月から5月にPM2・5の濃度が上がる傾向があり、2月26日には過去最多の10府県で高い値が観測されたため、作業を急ぎます。

 表示を改良するのは、PM2・5のほか、光化学オキシダント、二酸化硫黄などの大気汚染物質の観測データを提供するサイト「そらまめ君」(http://soramame.taiki.go.jp/)。都道府県が設置した観測局の情報をもとに、測定値を公表しています。

 注意喚起の状況が一覧できるようになれば、住んでいる場所の隣県のほか、出張先、旅行先の状況をつかむのにも役立つといいます。

 PM2・5の注意喚起は、1日平均1立方メートル当たり70マイクログラムを超える恐れのある場合、都道府県がそれぞれ出します。2月26日には、福島県、新潟県、富山県、石川県、福井県、三重県、大阪府、兵庫県、香川県、それに山口県の合わせて10府県が呼び掛けました。

 環境省は注意喚起された場合、屋外での長時間の激しい運動や外出をできるだけ控えるよう求めています。

 2014年3月2日(日) 

 

■不妊や未婚の女性に対し、ネットで精子提供を誘い掛け 妊娠や出産のケースも

 不妊や未婚の女性に匿名で精子の提供を誘い掛けるインターネットのサイトが数多く存在し、医療機関を介さない精子の受け渡しが行われて、妊娠や出産に至ったケースもあることが、マスコミの取材でわかりました。

 夫以外の第三者からの精子提供について、日本では、産科婦人科学会のガイドラインに従い、不妊症に悩む法律上の夫婦だけを対象に、精子を洗浄して凍結保存し、半年後に改めて感染症の検査を行うことなどを条件に、一部の医療機関で実施されています。

 こうした医療行為とは別に、妊娠を希望する女性に匿名で自分の精子の提供を誘い掛けるインターネットのサイトが数多く存在することが、明らかになりました。

 このようなサイトは40余り確認され、このうち11のサイトの提供者から直接、話を聞くなどした結果、実際に医療機関を介さない精子の受け渡しが行われ、妊娠や出産に至ったケースもあることがわかりました。

 提供を受けた人の中には、不妊に悩む女性のほか、未婚の女性も含まれており、結婚しなくても子供を授かる方法を探していたところ、サイトの存在を知り、提供者の素性や経歴に不安を感じながらも利用を決めたとしています。

 ほどんどの場合、金銭の要求はなく、精子を入れた容器をシリンジと呼ばれる針のない注射器とともに受け渡されることが多いということです。

 個人による精子提供について、日本産科婦人科学会は、ガイドラインで医療機関に課せられている洗浄や検査などが行われず、相手の女性が感染症などにかかるリスクが高いことや、匿名で行われるため生まれた子供にとって父親を確認する手段がなく、倫理的にも問題があることを指摘し、女性が利用しないよう呼び掛けることにしています。

 また、厚生労働省は、「医療機関で行われる場合と比べて、感染症の予防策が十分とは言い難く、提供者が疾患を抱えているかどうかがわからないといった問題があると考えられる」としています。

 夫以外の第三者からの精子提供は、日本産科婦人科学会のガイドラインに基づき、「人工授精(非配偶者間人工授精)」として慶應大学病院など15カ所の医療機関で実施されています。対象は、不妊症に悩む法律上の夫婦に限られ、精子を洗浄して凍結保存し、半年後に改めて感染症の検査を行うことや、提供者の記録を保存することなどが義務付けられています。

 日本産科婦人科学会によりますと、こうした方法で生まれる子供はここ最近、毎年100人前後で、これまでに1万人以上に上るとみられています。

 第三者の精子などを使う生殖補助医療については、10年前に厚生労働省の審議会が「法整備を含めた制度の整備が必要だ」とする報告書をまとめましたが、法制化には至っていません。

 こうした中で、自民党の作業チームが現在、生殖補助医療を適正に行うために必要な事項を定める法案の提出を目指し、議論を進めています。

 2014年3月1日(土) 

 

■がんと心臓病予防に、ビタミンサプリ摂取は推奨せず 米予防医学専門委

 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は24日、ビタミンEとベータカロテンのサプリメントをがんや心臓疾患の予防目的で摂取することについて、「推奨しない」とする勧告を発表しました。

 米医学誌「内科年報」に掲載された予防医学専門委員会の勧告は、ビタミンサプリメントの使用に関する2003年の勧告を改訂し、ビタミンEとベータカロテンに関する情報を追加したもの。市場規模280億ドル(約2兆9000億円)の米ビタミンサプリメント産業にとっては、大きな痛手です。

 がんと心臓疾患は米国における2大死因ですが、その予防効果がビタミンEとベータカロテンにないことは、すでにわかっています。全米の医療専門家が集まった独立委員会であり、米国政府の諮問委員会でもある予防医学専門委員会は、ビタミンEは予防に貢献せず、ベータカロテンに至っては効果よりも健康被害をもたらす可能性があることを示した複数の科学研究を系統的に再検討し、今回の勧告に至りました。

 「ベータカロテンは、ヘビースモーカーで肺がんリスクの高い人が摂取すると、さらにリスクが高まり有害となる恐れがある」と、予防医学専門委員会のマイケル・レフィーバー共同委員長は指摘しています。

 一方、マルチビタミンについては、がん、心臓疾患のいずれについても効果や害の有無を判断するだけの十分な証拠は見付からなかったといいます。

 ビタミン剤は効果が証明されておらず、多数の警告が出されています。にもかかわらず、米国では消費者のビタミンサプリ信仰は根強く、成人人口の約半数が少なくとも1種類のサプリメントを摂取しているほか、3分の1は日常的にマルチビタミンを摂取していることがアンケート調査で明らかになっています。

 今回の勧告は特に健康に問題のない成人を対象にしたもので、予防医学専門委員会は一部の人々に対しては、特定のビタミン成分の摂取を推奨しています。例えば、妊娠中の女性には医師の指示に従って葉酸を含む妊婦用ビタミンの摂取を、また転倒の危険の高い高齢者には骨を丈夫にするビタミンDの摂取を呼び掛けています。

 しかし、大半の人に対しては、サプリメントを摂取するのではなく、果物や野菜、全粒穀物、低脂肪乳製品、海産物などを豊富に含む健康的な食生活をするよう強く勧めています。

 2014年2月28日(金) 

 

■PM2・5、富山県で連日の注意喚起 全国的にはおおむね濃度低下

 富山県は、大気汚染の原因になり、呼吸器系疾患を引き起こすとされるPM2・5(微小粒子状物質)の平均濃度が、27日も国の暫定指針を超える恐れがあるとして、26日に続き注意を喚起する情報を出して、不要な外出を控えることなどを呼び掛けています。

 富山県は、PM2・5を観測している県内6地点のうちいずれか1カ所で、午前4時から3時間の平均濃度が、大気1立方メートル当たり85マイクログラムを超えた場合などに注意を喚起する情報を出すことにしており、射水(いみず)市の観測地点で、1立方メートル当たり85マイクログラムを超えました。

 このため富山県は、1日の平均濃度が、国の暫定指針の1立方メートル当たり70マイクログラムを超える恐れがあるとして、27日午前7時すぎに、26日に続き注意を喚起する情報を出しました。

 同県によりますと、午前4時から7時間の平均濃度では、最も高かった射水市で1立方メートル当たり92マイクログラムでしたが、最も低い魚津市のでは23・1マイクログラムでした。これについて県は、風向きなどによって差が出ているとみています。

 県は直ちに健康に影響が及ぶことはないとしていますが、不要な外出を控えることや、屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らすこと、それに、部屋の換気を必要最小限にすることなどを呼び掛けています。

 一方、環境省や各自治体のホームページなどによりますと、27日の未明から明け方にかけて各地で観測された1時間当たりのPM2・5の平均濃度は、26日と比べて全国的におおむね下がっています。

 環境省によると、例年5月ごろまでPM2・5の濃度が高くなる日が多い傾向があります。風の流れなどで濃度予測も変化するため、各自治体が出す情報に注意するとともに、濃度が高い日には必要のない外出や屋外での激しい運動を控えるよう呼び掛けています。

 2014年2月27日(木) 

 

■PM2・5、各地で濃度上昇 外出自粛の注意喚起も

 26日午前、東北から中国地方にかけての10府県で、大気汚染の原因になり、呼吸器系疾患を引き起こすとされるPM2・5(微小粒子状物質)の濃度が比較的高い値で観測され、26日の平均濃度が国の暫定指針を超える恐れがあるとして、注意を喚起する情報が出されました。

 このうち9の府県では、注意を喚起する情報が出されるのは今回が初めてで、いずれも外出などを控えるよう呼び掛けました。

 注意を喚起する情報を出したのは、福島県、新潟県、富山県、石川県、福井県、三重県、大阪府、兵庫県、香川県、それに山口県の合わせて10府県。

 このうち新潟県では、県内の10の観測地点のうち、新潟市内の3カ所で、26日午前5時から午前7時までのPM2・5の1時間の平均濃度が、1立方メートル当たり88・3マイクログラムから101・7マイクログラムを観測しました。

 このほか、福島県、富山県、それに香川県の観測地点でも、それぞれ85マイクログラム以上に達しました。

 また、大阪市では、26日正午までの8時間に観測されたPM2・5の平均濃度が、1立方メートル当たり90・4マイクログラムに達したほか、兵庫県と石川県、福井県、それに三重県の観測地点でも、それぞれ71・1マイクログラムから85・5マイクログラムに達しました。

 このため9の府県では、PM2・5の26日の平均濃度が、国の暫定指針の1立方メートル当たり70マイクログラムを超える恐れがあるとして、福島県、新潟県、富山県、石川県、福井県、三重県、大阪府、それに香川県の全域と、兵庫県の播磨東部に、それぞれ初めてとなる注意を喚起する情報を発表し、外出などを控えるよう呼び掛けました。

 また、山口県も、山口市などの観測地点で1時間のPM2・5の濃度が85マイクログラムを超えたため、県の東部と中部に注意を喚起する情報を出しました。

 新潟県によりますと、新潟市江南区では午前9時に観測史上最も高い123マイクログラムを観測したほか、午後5時までの1日の平均濃度が96・8マイクログラムに達したということです。

 各府県では、外出をなるべく控え、部屋の換気を必要最小限にすることや、呼吸器系に疾患がある人や高齢者は体調に応じて慎重に行動するよう呼び掛けています。各地で街中にもやがかかったような状態になり、市民生活にも影響が出ています。

 東北から西日本の各地でPM2・5の濃度が比較的高くなったことについて、国立環境研究所の菅田誠治主任研究員は、「数日前から日本の広い範囲の上空を高気圧が覆っていたため、風が弱い状態が続き、大陸から日本の上空に入り込んでいたPM2・5が国外に流れ出さずに、その場で滞留したとみられる。これに加えて、すでに入り込んでいた原因物質が新たにPM2・5に変化するなどして、一時的に濃度が高くなったのではないか」と分析しています。

 その上で、「今後、高気圧が東に移動したり、雨が降ったりすることで、PM2・5の濃度は西日本から東日本の順に徐々に下がっていくことが予想され、明日の朝は注意喚起を行うレベルまで濃度が高まるところはないと考えられる」と話しています。

 また、今後の見通しについては、「風の流れ次第では黄砂と一緒にPM2・5が飛散してくる可能性があり、観測データを注意して見ていく必要がある」と指摘しています。

 一方、環境省は、PM2・5の濃度がこれから5月ごろにかけて上昇するとみられるとして、自治体が出す情報に注意するとともに、濃度が高い日には必要のない外出や屋外での激しい運動を控えるよう呼び掛けています。

 2014年2月26日(水) 

 

■マダニが媒介する感染症、全国に分布 30道府県でウイルスを確認

 マダニが媒介するウイルスによる新種の感染症が西日本を中心に相次いで確認された問題で、感染症を引き起こすウイルスが北海道や東北、関東のマダニからも見付かったことが、厚生労働省の研究班の調査でわかりました。

 厚生労働省は、ウイルスが国内に広く分布している可能性があるとして注意を呼び掛けています。

 マダニが媒介するウイルスによる感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は、昨年1月、国内で初めて山口県で感染が確認され、これまでに九州、中国、四国、近畿の13の県で53人が感染し、このうち21人が死亡しています。感染者は春から秋にかけて、高齢者を中心に発生しています。

 厚労省の研究班は、全国でマダニを採取してウイルスの分布を調べていますが、これまでに調査を終えた北海道や岩手県、宮城県、栃木県、群馬県、長野県、岐阜県、三重県、滋賀県、京都府など23の道府県すべてのマダニから、ウイルスが見付かったということです。

 このほか福岡県や富山県など3つの県でも、マダニが生息する野山にいるシカなどからウイルスに感染したことを示す抗体が見付かっており、合わせて30の道府県で患者やウイルスが確認されたことになります。

 厚労省は、ウイルスが国内に広く分布している可能性があるとして、注意を呼び掛けるとともに、引き続き、調査する方針です。

 田村厚生労働大臣は、「今後、ほかの地域でもウイルスが見付かる可能性があり、春の行楽シーズンで山や草木の多い場所に立ち入る際には、肌を出さないようにして感染に注意してほしい」と話しています。

 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はマダニに刺されることで発症し、高熱や倦怠(けんたい)感、腹痛、嘔吐(おうと)、下痢、意識障害、口の中や消化管の出血などの症状が出ます。潜伏期間は6日~2週間。特効薬はありません。

 マダニは野山に生息し、室内にいるイエダニの約10倍と大きく、血を吸うと体長1センチ以上に膨れ上がり、春から秋にかけて活動が活発になります。

 2014年2月25日(火) 

 

■新しい受精卵診断法を議論へ 産科婦人科学会

 日本産科婦人科学会(日産婦)は22日、体外受精卵を子宮へ戻す前に広く染色体異常を調べる新たな検査「着床前スクリーニング」について、学会としての方針を検討する小委員会を設置すると発表しました。

 日産婦は、「最近、すべての染色体を網羅的に調べる新技術が登場し、会員からも検討を求める声がある。多様な考え方があるので、容認を前提とせずに議論したい」と説明しました。

 3月以降、生殖医療や倫理の専門家でつくる小委員会はデータを集め、1年程度かけてこの検査を導入することの是非、導入する場合の対象や方法を検討します。

 日産婦は現在、目的を限定した受精卵の検査「着床前診断」を認めています。全身の筋力が低下する「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」などの重い遺伝病、流産を繰り返す「習慣流産」で夫婦いずれかの染色体異常が原因の場合を対象として、2004年以降、計308件を承認しました。

 一方、複数の染色体を調べる着床前スクリーニングの実施は認めていません。しかし、学会内では、データを集めて技術の有効性を調べるよう求める意見や、妊娠後に胎児の染色体異常を調べる「新型出生前診断」が昨春始まり、着床前診断が認めないダウン症などの疾患が対象になっていることから、「ダブルスタンダードだ」との指摘があるといいます。

 また、受精卵の検査には、染色体が通常よりも1本多いダウン症などの広範な染色体異常を判別できるため、「命の選別」の拡大につながるとの根強い批判もあります。

 日産婦倫理委員長の苛原(いらはら)稔・徳島大教授は、「日産婦として方針を決める時期にきている。議論の結果、導入しないという選択肢もある。導入する場合でも、ハードルは高い」と話しました。

 ◇着床前スクリーニングは、体外受精による受精卵から一部の細胞を採取し、染色体や遺伝子に異常がないかを調べる検査の一つ。最近、受精卵の23対あるすべての染色体を網羅的に調べられる「アレイCGH」と呼ばれる技術が登場しています。

 国内の一部医療機関では、異常のない受精卵を子宮に戻すことで妊娠率を上げたり流産率を下げたりできると主張して、アレイCGHによる着床前スクリーニングを導入しています。ただし、海外では相反する報告もあり、有効性に関する結論が出ていません。

 2014年2月24日(月) 

 

■高齢者、座る時間が長すぎると健康リスクに 米国の研究

 座って過ごす時間が長いことは、普段どれほどの運動をしているかにかかわらず、60歳以上の人にとりわけ危険である可能性があるとの研究が、19日の米学会誌「身体活動・健康ジャーナル」に掲載されました。

 米ノースウエスタン大学の研究によると、高齢者では毎日の座っている時間が1時間増えるごとに、「体が不自由になる」危険性が倍増しました。例えば、65歳の女性が2人いるとして、1人は1日12時間座っていて、もう1人は1日13時間座っているとすると、体が不自由になる危険性は後者のほうが50パーセント高くなりました。

 なお、体が不自由になることとは、食事や衣服の着用、入浴、ベッドからの出入り、部屋を横断するなどの基本的な活動が制限されることと定義されています。

 研究は、米全国健康・栄養調査に参加した60歳以上の2286人から集められたデータに基づいたもの。

 座り始めてすぐに、足の筋肉からの信号がピタッと止まり、足はカロリーを消費しなくなります。さらに、座って2時間で善玉コレステロールが2割減り、座る時間が長くなるとインスリンの効果にも影響を及ぼしていきます。座って足の筋肉を動かさないと、さまざまなホルモンの分泌に悪影響を及ぼし、コレステロール、中性脂肪、さらには心臓にまで悪い結果をもたらすといいます。

 研究チームを率いたノースウエスタン大のドロシー・ダンロップ氏は、「高齢者は、どれほどの運動をしているかにかかわらず、テレビの前であれコンピューターの前であれ、座っている時間を減らす必要がある」と述べています。

 2014年2月23日(日) 

 

■インフルエンザ患者、2週連続で減少 流行のピークは過ぎた模様

 2月16日までの1週間に全国の医療機関を受診したインフルエンザの患者は、推計147万人と2週連続で減ったことがわかり、国立感染症研究所は、今シーズンの流行はピークを過ぎたとみられると発表しました。

 1医療機関当たりの患者数を都道府県別にみますと、大分県が最も多く50・21人、次いで北海道が42・60人、福岡県が40・30人などとなっていて、全国29の都府県で前の週よりも減りました。

 ただし、東京都や大阪府など42の都道府県では、依然、大きな流行が起きている恐れを示す警報レベルの地域があります。

 国立感染症研究所の砂川富正室長は、「引き続き、注意が必要だ。手洗いの徹底のほか、せきやくしゃみを人の目の前でしないなど予防に努めてほしい」と話しています。

 厚生労働省によりますと、インフルエンザの流行に伴って、2月10日から16日までの1週間に、休校や学級閉鎖などの措置を取った保育所や幼稚園、それに小学校、中学校、高校などの数は、全国で合わせて4331に上り、前の週に比べて20パーセント余り減りました。

 施設別では、保育所が39、幼稚園が373、小学校が3309、中学校が553、高校が37などとなっています。

 都道府県別では、東京都が最も多く407、次いで神奈川県が247、大阪府が197となっています。

 インフルエンザの今シーズンの流行は、ピークを過ぎたとみられますが、厚労省は引き続き、うがいや手洗いなどを徹底するよう呼び掛けています。

 2014年2月22日(土) 

 

■スマホの発熱でやけどの恐れ 国民生活センターが注意呼び掛け

 国民生活センターは20日、スマートフォン(スマホ)の充電端子が焼け焦げたとか、本体が熱くなりすぎるという相談が急増していると発表しました。

 利用者がやけどをした例もあり、「熱いと感じたら肌への長時間の密着は避けて」などと呼び掛けています。

 全国の消費生活センターなどに寄せられた充電中や使用中のスマホの発熱などに関する相談は、2009年度に2件だったのが、2012年度には523件に急増。2009年度から2013年末までで計1032件を数え、顔や手にやけどをしたという申し出は75件ありました。周辺にあったテーブルや布団などが焼けたという事例も23件あったといいます。

 スマホには、従来の携帯電話(ガラケー)に比べて多くのソフトウエアが搭載されており、ゲームやテレビ電話のような負荷が大きい機能を同時に使うと発熱しやすくなります。

 消費電力が大きいぶん、充電する機会も多くなり、充電端子を抜き差しする時に上下を誤るなどして接続部が壊れ、発熱したり焼損することがあります。また、金属片や鉛筆の芯などの異物が混入したり、汗などの液体が付着したりしたまま充電した場合にも焼けることがあるといいます。

 国民生活センターは、「充電端子の取り扱いに十分注意し、異常を感じたら充電を中止してほしい。就寝中、枕元で充電してスマホに体が触れた状態が長時間続くと、低温やけどの恐れもある」と呼び掛けています。 

 同センターは、事業者には商品改良などを要請しました。NTTドコモとKDDI(au)、ソフトバンクの携帯3社は、本体の温度が高くなると画面が暗くなったり電源が切れたりするシステムを導入するとともに、ウェブサイトや説明書で注意喚起をしていると説明しています。

 2014年2月21日(金) 

 

■働くがん患者32・5万人 厚労省、支援策の検討開始

 がん患者で治療を受けながら働いている人は全国で32万5000人いることが、厚生労働省の推計でわかりました。現役世代で新たにがんと診断される人が年約22万人いるのに比べると少なく、医療技術の進歩で長生きする人が増える中、治療と仕事を両立できる環境づくりが必要な実態が改めて浮かび上がりました。

 厚労省が2010年の国民生活基礎調査を基に初めて集計し、17日に開いたがん患者の就労支援に関する検討会の初会合で報告しました。仕事をしながら、がん治療のため通院している人は男性14万4000人、女性18万1000人。年代別では、男性は60歳代が最多で6万1000人、次いで50歳代の3万4000人。女性は50歳代の7万人、40歳代の5万人と続きました。

 がん患者の3人に1人は、現役世代の20~64歳が占めています。診断後に3割以上が仕事を辞めたとの調査もありますが、全国的な実態は不明でした。

 国の「がん対策推進基本計画」は働く世代の支援を柱の一つに掲げていますが、内閣府の2013年の調査では、一般成人の7割が「治療と仕事の両立は難しいと感じる」と答えています。

 厚労省によると、がんの5年生存率は約6割まで上昇していますが、がんになった労働者の34パーセントが退職しています。がんを発症した労働者は経済的負担に加え、職場の無理解などに悩まされるといいます。

 がん患者の就労支援に関する検討会は昨年、閣議決定されたがん対策推進基本計画の目標に、「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」が新たに加わったことを受けて、立ち上げられました。今年夏をめどに就労支援策を取りまとめます。

 検討会委員の高橋都・国立がん研究センターがんサバイバーシップ支援研究部長は、「職場に相談窓口を設けることが大切。患者はできること、配慮してほしいことを職場にきちんと伝えてほしい」と話しています。

 2014年2月20日(木) 

 

■現役世代の介護保険料、初の月5000円超 2014年度見通し

 現役世代の40~64歳が負担する介護保険料が2014年度は過去最高を更新し、1人当たり月額5273円となる見通しであることが18日、厚生労働省の推計でわかりました。現役世代の保険料見込みが5000円を突破するのは初めてで、介護保険制度を開始した2000年度の2075円から約2・5倍に膨らみました。

 高齢者の増加と現役世代の減少が介護保険料の上昇につながっており、厚労省は今後もこの傾向が続くとみています。サラリーマンの場合、2025年度に介護保険料が2012年度の約2倍になるとの政府試算もあります。

 今後も厚生年金の保険料率引き上げが予定通り実施されるなど、現役世代の負担は重くなる一方で、増大する社会保障給付との均衡をどう図っていくかが課題となります。

 利用者負担分を除いた2014年度の介護給付費は、介護予防事業も含め総額9兆3031億円になる見通し。消費税増税に伴う物価上昇や高齢化の進行で膨張が見込まれるためです。介護給付費の50パーセントを保険料で賄い、うち40~64歳が29パーセント、65歳以上が21パーセントを負担します。

 40~64歳の保険料は、厚労省の推計を基に企業の健康保険組合など公的医療保険の運営主体が毎年度改定しています。2013年度は推計4966円ですが、今年4月から307円増える計算です。本人が払うのは原則半額で、医療の保険料と合算して徴収され、支払額は加入者の所得などで異なります。

 65歳以上の保険料は、3年ごとに見直される仕組みで、2012~2014年度は1人当たり全国平均で月額4972円。2015~2017年度の保険料は、各市町村が2015年3月までに決めますが、こちらも5000円を超える見通し。

 厚労省の今回の推計は、介護給付費の見込み額から現役世代の負担分を仮定し、想定される加入者数で割るなどして算出しました。

 介護保険料は、介護保険運営のために40歳以上が払う保険料。介護サービスにかかる総費用は、利用者が1割を負担し、残りを公費と保険料で半分ずつ賄う仕組み。

 40~64歳(2号被保険者)の保険料は加入する公的医療保険を通じて納め、自己負担は原則半額で、残りはサラリーマンなら事業主が負担し、自営業者なら公費で負担します。65歳以上(1号被保険者)の保険料は全額自分で払うのが原則で、自治体が所得に応じて段階的に設定し、低所得者には負担軽減措置があります。

 2014年2月19日(水) 

 

■長生きするための鍵、社会との接触と定期的な運動 米国の研究

 うまく年を重ね長生きするための鍵は、社会的接触と定期的な運動だとする研究結果が16日、米国科学振興協会の年次会合で発表されました。

 研究結果を発表したシカゴ大学心理学部のジョン・カシオッポ教授によると、極めて孤独を感じた場合、高齢者の死が早まる確率は14パーセント上昇し、これは社会経済的に不利な地位によるマイナス影響と同程度だといいます。

 同教授によれば、2010年に発表された複数の研究のメタ分析を行ったところ、社会的孤立が死亡リスクに与える影響は、肥満による影響の2倍でした。2万人を対象にした研究では、孤独を感じることによって起こる睡眠障害や高血圧、免疫細胞の機能低下、抑うつといった健康への悪影響が明らかにされました。

 「自身にとって最も意味のある人たちと離ればなれになってしまうのであれば、暖かいフロリダで引退生活を送ることが、必ずしもよいこととは限らない」と、カシオッポ教授は述べています。孤独になると生活が座りがちになることが多く、これが大きく健康を損ないかねません。

 一方、米ピッツバーグ大学心理学部のカーク・エリクソン助教授によると、定期的に適度な速さで散歩するといった簡単な運動は、循環器系疾患やアルツハイマー病のリスクを半減させるだけでなく、高齢者の脳にみられる通常の老化も明らかに遅らせます。

 エリクソン助教授によれば、年を取ると脳は縮むものの、身体運動は脳の全体的な機能改善を促します。特に海馬の容積を2パーセント増やし、それによって脳の加齢が1~2年程度逆転し、思考能力が強化されます。

 「今回の研究は、成人後期になっても脳が依然、極めて修正可能であることを示すものだ。そして、脳が自然に持つこの柔軟性を生かすよい方法が運動だ。さらによいことに必要なのは、多くの運動ではなく適度の運動量だという点だ」と、エリクソン氏は述べています。

 2014年2月18日(火) 

 

■診療明細書、全病院で無料化 厚労省、2016年度から

 厚生労働省は17日までに、患者が受けた治療の内容や費用の内訳が詳しくわかる「明細付き領収書」(診療明細書)の無料発行を、すべての病院に原則義務付けることを決めました。

 病院が無料発行に必要な機器を用意するための猶予期間を設け、2016年4月から実施します。

 患者への情報提供を充実させ、医療費を一層透明化させる狙いがあります。

 診療明細書は、買い物で受け取るレシートのようなもので、受けた治療の単価とともに、検査や投薬内容などが記されています。自分の受診内容と医療費の内訳が詳しくわかり、健康の記録として保管できます。

 診療明細書の無料発行は2010年度から、診療報酬の請求を電子化している医療機関に義務付けられました。約94パーセントが体制を整備してきましたが、電子化していてもコンピューターや自動入金機に明細書の発行機能がない場合、整備に時間がかかることに配慮し、全体の6・1パーセントに当たる全国の6743医療機関は実施を例外的に免除されてきました。

 厚労省は、ベッド数400床以上の病院には今年4月から例外なく無料発行を義務付けます。ベッド数400床未満の病院も、猶予期間2年を経て義務付け、2016年4月から病院での全面実施が実現する運び。

 診療所については例外規定は残るものの、明細書発行へ向けた機器の改修時期の届け出が必要になります。

 2014年2月17日(月) 

 

■遺伝子制御異常でもがんに iPS細胞で解明、京大

 がんは、遺伝子が傷付くなどの変異の積み重ねによってできると考えられてきましたが、遺伝子を制御する仕組みの異常によっても引き起こされることを、京都大iPS細胞研究所などのチームがiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った実験で確認しました。

 特に子供のがんの主な原因ではないかといい、将来的にはがん細胞を正常な細胞にする薬の開発につながる可能性があるといいます。13日付米科学誌「セル」の電子版で発表しました。

 チームは、細胞を初期化させiPS細胞を作製する際に使う4つの遺伝子をマウスに投与し、腎臓の変化をみました。28日間投与すると腫瘍はできませんでしたが、7日間投与し続けた後、初期化が不完全な状態で7日間放置したところ、腎臓に腫瘍ができ、腫瘍の細胞は小児腎臓がんの腎芽腫によく似ていました。

 遺伝子そのものに傷などは見付からなかったため、遺伝子の変異ががんの主な原因ではなかったことが確認できました。遺伝子を制御する「エピゲノム」という仕組みの異常で、がんが発症したと考えられるといいます。

 チームの山田泰広教授(腫瘍病理学)は、「小児では遺伝子の変化が少ない。小児がんの多くは、遺伝子制御の異常が原因ではないか」と指摘した上で、「遺伝子の傷の蓄積でできるがんでは傷をすべて治すのは非常に難しいが、今回のような場合は薬剤で治療できる可能性がある」と話しています。

 中心メンバーの一人でもある岐阜大大学院生の大西紘太郎さん(幹細胞生物学)は、「今後は大人のがんでも遺伝子制御の異常とがん発症の関連を明らかにしていきたい」と話しています。

 2014年2月16日(日) 

 

■自殺未遂者の半数、繰り返し図る 広島大病院が調査

 自殺未遂で病院に救急搬送された人のうち半数が過去にも自ら命を絶とうとしていたことが、広島大病院(広島市南区)の実態調査で明らかになりました。

 広島県は、「退院後に自殺を繰り返さない対策を作っていきたい」としています。

 広島大病院の調査は県の委託で実施され、10日に県の対策会議で報告されました。2011年6月~2013年8月に自殺を図って広島大病院、県立広島病院(広島市南区)、広島市立広島市民病院(広島市中区)に救急搬送された患者が対象。

 調査に同意した169人のうち74パーセントが女性でした。身近に相談相手がいるかどうかについて尋ねると、全体の35パーセントが「なし」と答えました。

 97人は退院後半年間の状況を把握でき、15人が退院後に1回以上、自殺を図っていました。52人は今回の救急搬送以前にも自殺を図っていました。

 また、退院後半年間に1回でも「死にたい」と思ったことがあるかを尋ねると、相談相手がずっといた人では17人でしたが、相談相手が変わったか、いなかった人では32人が「死にたい」と思っていました。

 県健康対策課は、「繰り返し自殺を図る人の割合が高いことがわかった」「相談できる団体や医療機関の紹介など、退院後の直接的な支援の仕組みを考えていきたい」として、再発防止のマニュアル作りを進める考えを示しました。

 2014年2月15日(土) 

 

■3月下旬にかけ花粉飛散のピーク 環境省が最新予測を発表

 環境省は14日、スギとヒノキの花粉飛散量のピーク時期は、中国と四国の一部、九州は2月下旬、近畿、東海、関東は3月上旬、北陸、信越は3月中~下旬、東北は3月下旬との最新予測を発表しました。

 ピークの前後10~20日間も花粉の量がかなり多いとして注意を呼び掛けています。

 飛散量は、過去10年間を平均した例年の値と比べ、全国的に少ない見通し。スギ花粉はすでに、一部の地域で飛散が始まっています。

 環境省は、花粉のばく露を避けるための基本的な対策には、以下のものを勧めています。

 マスク、メガネを着用する。特にマスク内側に当てガーゼを付け、鼻口部分に枕ガーゼを当てると効果が高い。

 換気時にはレースのカーテンなどで遮るとともに、開窓を10センチ程度にとどめる。掃除はこまめに行い、掃除機の使用だけでなく、ぬれたぞうきんやモップによる清掃を行う。

 洗濯物は屋内に干す。衣類の素材は羊毛や毛織物は避け、ポリエステルや綿製品で起毛のないものを着用する。

 なお、環境省は2月3日から、全国の花粉の観測情報を花粉情報サイト(http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/index.html)で公開しています。

 2014年2月14日(金) 

 

■アスピリンで大腸ポリープの再発を抑制 大腸がん予防に期待も

 解熱鎮痛剤のアスピリンをのむと、大腸ポリープの再発リスクが低下することを厚生労働省研究班が臨床試験で明らかにしました。研究班の論文は、国際的な消化器病関連ジャーナル誌「GUT」(電子版)に掲載されました。

 ポリープは進行して大腸がんになる可能性が高いとされるため、胃がんの次に患者が多い大腸がんの予防につながると期待されます。

 ただし、大腸がんを完全に予防できるという結果ではなく、厚労省研究班は「アスピリンには消化管出血などの副作用を起こす危険もあり、自己判断での服用は避けてほしい」としています。

 臨床試験は、国立がん研究センター(東京都中央区)や京都府立医大(京都府京都市)など国内19施設が参加し、2007年から実施。大腸ポリープを切除した患者311人について調べました。

 その結果、2年間毎日100ミリグラムのアスピリンをのんだグループで大腸ポリープが再発した人は、偽薬(プラセボ)のグループよりも約4割少なくなりました。この有効性は、喫煙者では示されず、非喫煙者に限り有効であることも新たにわかりました。

 欧米では、アスピリンが大腸ポリープを抑制するとの報告がありますが、日本国内で確認されたのは初めて。今後、大規模検証により、罹患率の高い大腸がんの予防法としての確立が期待できます

 国立がん研究センター研究所の武藤倫弘・がん予防研究分野ユニット長は、「アスピリンは副作用がわかっているので安全に使える。症状が重く、大腸全摘出にもつながる家族性大腸腺腫症やリンチ症候群などの治療への使用が期待できる」と話しています。

 臨床試験では、胃潰瘍などの副作用を避けるため、胃で消化できる市販薬でなく腸で消化する処方薬を使いました。 

 武藤さんは、「副作用もあるので、がん予防のため市販薬を購入するのは控えてほしい」としています。

 アスピリンは、別名アセチルサリチル酸。頭痛や発熱などを抑えたり、脳梗塞を治療したりする薬として世界で広く使われ、100年の歴史を持ちます。大腸がん予防のための使用は、世界でまだ認められていません。消化管出血や脳出血などの副作用があります。

 2014年2月13日(木) 

 

■肝臓がん発生のメカニズム解明 愛知県がんセンター研究所

 肝炎ウイルスによる慢性肝炎で、遺伝子の異常な働きが起きて肝臓がんが発生するメカニズムを、愛知県がんセンター研究所ゲノム制御研究部(名古屋市千種区)の研究チームがマウスの実験で解明しました。

 慢性肝炎から発症するがんを予防する治療法の開発につながる成果といいます。

 日本の肝臓がん患者の8割以上が、B型、C型肝炎ウイルスに感染後、長期間の慢性肝炎や肝硬変を経て発症します。慢性肝炎の時点で、肝細胞の遺伝子が正常に働かなくなり、がんにつながるとみられますが、詳しいメカニズムは不明でした。

 近藤豊部長らの研究チームは、人間の肝細胞を移植したマウスで実験。肝炎ウイルスのB型とC型をそれぞれ感染させて肝炎を起こしたマウスと、健康なマウスの計3種類を観察し、比較しました。

 肝炎のマウスは感染後、がん細胞の発生を抑える働きを失った遺伝子が16週間後にはB型で200個、C型で280個に増加したことを確かめました。

 また、ウイルスから体を守るための免疫細胞一つであるナチュラルキラ ー細胞(NK細胞)が活性化する状態の炎症に着目し、活性化したナチュラルキラ ー細胞を抑えて炎症を止めると、遺伝子の異常な働きがなくなりました。

 近藤部長は、「炎症は本来、ウイルスなどの外敵を排除する体の重要な反応だが、遺伝子の異常な働きを誘発し、がんを起こす皮肉な仕組みがわかった。炎症を抑える薬でがんを予防できるかもしれない」と話しています。

 近年、肝炎ウイルスの抗ウイルス薬の効力が格段に向上していますが、さらに抗ウイルス薬と抗炎症薬を投与することで肝臓がん発生を抑制することが期待できます。

 研究チームの成果は、アメリカ消化器病学会誌「ガストロエンテロロジー1」に掲載されました。

 2014年2月12日(水) 

 

■うつ休職の前兆を勤務状況で予測 新サービスを人事支援会社が開始

 人事支援システム会社の「サイダス」(東京都港区)は今月中旬、欠勤や遅刻の状況から、従業員がうつ病で休む前兆を見付け、会社に警告を送るサービスを始めます。

 同社は大量の情報を分析するビッグデータの手法を活用して、約3万人のサラリーマンのデータを集め、うつ病で休んだ人の性格の特徴や、病気にかかる前の勤務状況を分析。ストレス耐性の低い人が、うつ休職する場合に一定の勤務パターンがあることを見付けました。

 例えば、「週2回遅刻し、月2回欠勤」「月曜と火曜の欠勤が多い」「午後10時以降の残業が頻繁に続く」といった勤務パターンは、うつ休職の危険な兆候といいます。

 サイダスは従業員にアンケートをして、ストレスに弱い人を把握し、企業からは出欠や遅刻などの勤務データを受け取ります。欠勤や遅刻の増え方に危険な兆候がみえると、企業にメールで警告を送ります。危険かどうかは「圧迫型」など上司の性格も踏まえて判断します。

 警告を受け取った企業には、従業員の負担を減らしたり、相談に乗ったりといった対応を促します。

 過労や仕事のストレスからうつ病などの「心の病」になって労災を認められた人は、2012年度は475人で、前年度の1・5倍に増え過去最高でした。

 サイダスの松田晋社長は、「ストレスに弱くても優秀な従業員は多い。休職したら企業にとって損失は大きい」と話しています。

 サービス名は「サイダスケア」。利用料は従業員数に応じて決まり、1000人の場合1人当たり月350円。3カ月間は無料。

 2014年2月11日(火) 

 

■柔らかい有機センサーを東大が開発 おむつ、ばんそうこうなどに応用期待

 おむつなどに埋め込み、ワイヤレス通信で替え時を知らせることができる使い捨ての柔らかい有機センサーを10日、東京大学の研究チームが発表しました。

 この炭素や水素を主成分とする有機素材による柔らかい集積回路は、電力供給やデータ通信をワイヤレスで行うことができます。開発した東大の桜井貴康教授と染谷隆夫教授が率いる研究チームによれば、インクジェット印刷技術などで高分子フィルム上に作ることができ、大面積化や低コスト化も見込めます。

 高齢化の進む日本では、こうしたセンサーは子供用おむつだけでなく、大人用おむつへの応用も期待されます。通常のおむつは水分を含むと色が変化して替え時を知らせますが、それでも世話や介護をする人は、色が変化しているかどうかを見るために、おむつをしている人の服を脱がさなければなりません。

 「色の変化が電気的に検出されれば、服を脱がさなくても近くにいるだけでわかるようになる」と、染谷教授は説明しています。

 また、この有機集積回路は、ばんそうこうのように皮膚に直接貼り付けることもできます。現在、病院で脈拍や血中酸素濃度の測定に使用されている指輪型の計測器の代わりになることも期待されます。

 医療関係のセンサーには現在、シリコンなど比較的硬い素材が使われることが多く、使用感を不快に感じる人もいます。1枚のフィルムならば柔らかく不快感を減らせる上、さまざまな部位に装着できるため、健康管理を行う側の医師や介護者に大きな可能性を与えることになります。

 染谷教授によれば、試作品は電気抵抗の変化が生じる湿度や圧力、温度などをモニターできます。広範囲で使用されるようになる前に、電力消費が減るように改良したいといいます。

 2014年2月10日(月) 

 

■重症向け急性期病床の4分の1削減へ 厚労省、医療費抑制で転換

 症状が重く手厚い看護が必要な入院患者向けの急性期病床について、厚生労働省は7日までに、全体の4分の1に当たる約9万床を2015年度末までに減らす方針を固めました。

 高い報酬が払われる急性期病床が増えすぎて医療費の膨張につながったため、抑制方針に転換します。4月の診療報酬改定で、報酬の算定要件を厳しくします。

 全国に約36万床ある急性期病床の削減は、医療機関に支払う診療報酬改定の目玉の一つ。実際は急性期ではない患者が入院を続けるケースも目立ち、医療費の無駄遣いと指摘されてきました。急性期病床以外での看護師不足も招き、「診療報酬による政策誘導の失敗」といった批判も強まっていました。

 急性期病床を減らすため、厚労省は4月から、入院患者7人当たり看護師1人という手厚い配置をすると病院に支払われる「7対1入院基本料」の算定要件を見直します。

 具体的には、重症患者向け病床と認めるチェック項目を細かくするなどして、高い報酬を認める対象を絞り込むことにより、2014〜2015年度の2年間で、7対1病床を約9万床減らす方針。まず2014年度に医療費を600億円減らせる効果も見込みます。

 7対1病床は、高度医療を充実させるため2006年度に導入されました。入院基本料は患者1人につき1日1万5660円で、患者15人当たり看護師1人という慢性期向け病床の1・6倍。全国の病院が収入増をねらって整備を進め、導入時の8倍の約36万床にまで増え、一般的な病床の4割を占めています。厚労省の想定を上回る規模に膨らみ、この部分にかかる医療費は年間1兆数千億円とされます。

 是正に乗り出す厚労省に対して、医療界からは「一気に減らすと混乱する」との声があり、1年間程度、病院の収入減を補う激変緩和措置をとります。

 一方で、高齢化で不足している回復期向け病床や在宅医療の報酬は手厚くし、受け皿を確保します。急性期病床の入院患者の一部をコストが低い医療に誘導し、医療費全体を抑える狙いです。

 高齢化で慢性的な病状に悩む患者が急増する将来を見据えた提供体制の改革となります。

 2014年2月8日(土) 

 

■インフル患者、1週間で推計187万人に拡大 40都道府県で警報レベルに

 インフルエンザの患者が急速に増えています。国立感染症研究所の7日の発表によりますと、今月2日までの1週間に、全国の医療機関を受診したインフルエンザの患者は推計約187万人に上り、前の週から約55万人増えました。

 和歌山県と高知県を除く45都道府県で患者が増加し、東京都や大阪府など全国40の都道府県で、大きな流行が起きている恐れを示す警報レベルの患者数の地域が出ています。

 国立感染症研究所によりますと、今月2日までの1週間に、全国約5000カ所の定点医療機関を受診したインフルエンザの患者は17万403人で、これを基に推計した全国の患者数は、前の週の1・4倍に当たる約187万人に上っています。

 1医療機関当たりの患者数は平均34・44人で、前の週の24・81人から大幅に増加。年齢別では5~9歳が約44万人で最も多く、14歳までの患者が計約95万人と半数を占めます。20歳代は約15万人、30歳代は約23万人。昨年9月以降の累計の推定患者数は、約462万人になりました。

 1医療機関当たりの患者数を都道府県別にみますと、沖縄県が68・98人と最も多く、次いで大分県が60・03人、宮崎県が56・08人、神奈川県が47・96人、埼玉県が47・87人などとなっています。都市部では東京都が41・18人、大阪府が30・26人、愛知県が37・04人、福岡が45・57人でした。

 流行しているインフルエンザのウイルスをタイプ別にみますと、今月2日までの5週間では、5年前に新型インフルエンザとして世界的に流行したH1N1型のウイルスが50パーセントを占めていて最も多く、次いでB型が27パーセント、A香港型が23パーセントとなっています。

 インフルエンザに詳しい、けいゆう病院(横浜市西区)の菅谷憲夫医師は、「5年前の大流行の際、H1N1型のウイルスに感染しなかった人を中心に流行が広がっている可能性がある。手洗いなど感染予防策を徹底するほか、インフルエンザのような症状が出た時には、大事をとって休むなど、周囲に感染を広げない対策にも努めてほしい」と話しています。

 一方、厚生労働省によりますと、インフルエンザの流行に伴って先週1週間に休校や学級閉鎖の措置をとった保育所や幼稚園、小学校、中学校、高校の数は全国で合わせて5600施設に上り、前の週の1・8倍に増加しました。

 施設別では、保育所が48、幼稚園が575、小学校が4127、中学校が718、高校が95となっています。

 都道府県別では、神奈川県が最も多く804、次いで東京都が543、大阪府が406となっており、前の週に比べると、愛媛県と高知県を除く、すべての都道府県で増えています。

 厚労省は、教室などで感染が広がっているとみて、手洗いやうがいを徹底するほか、せきをしている人はマスクを着用するよう呼び掛けています。

 2014年2月7日(金) 

 

■インフル新治療薬、3月にも承認へ 新型発生に備えて厚労省

 厚生労働省の医薬品第2部会は4日までに、感染力が強く重症化しやすい新型インフルエンザ発生に備え、新しい抗インフルエンザウイルス薬を条件付きで製造販売してよいとする意見をまとめました。

 薬は富山化学工業(東京都新宿区)が「T―705」の名称で開発した「アビガン錠(一般名ファビピラビル)」。

 タミフル(一般名オセルタミビル)やリレンザ(一般名ザナミビル)などのインフルエンザ治療薬は、細胞で複製されたウイルスを細胞内に閉じ込めて増殖を防ぎますが、このアビガンは細胞の中でウイルスが複製されること自体を防ぐということで、ほかの薬に耐性のあるウイルスにも効果が見込まれます。

 しかし、妊娠中の女性などが服用すると胎児に重い副作用を引き起こす危険性が高いことなどから、医薬品第2部会では使用について条件が付けられました。

 具体的には、安全性や有効性を確認するため引き続き臨床試験を行うことや、患者らに文書で説明して同意を得た上で処方すること、妊娠中の女性などに処方しないことを徹底するとし、その上で新型インフルエンザが発生し、今ある治療薬がすべて効かない場合に限って使うとしています。

 今ある治療薬には、タミフル、リレンザのほか、シンメトレル(一般名アマンタジン)、イナビル(一般名ラニナミビル)、ラピアクタ(一般名ペラミビル)があります。

 厚生労働省は3月にもアビガンを正式に承認する方針で、適切な使用方法や条件についてさらに検討することにしています。

 2014年2月6日(木) 

 

■初診料120円、再診料30円引き上げへ 中医協が了承

 厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は5日午前、総会を開き、2014年度の診療報酬改定で、厚労省が示した初診料と再診料の引き上げ案を了承しました。

 初めて治療を受ける際に病院や診療所に支払う初診料(現行2700円)は120円増、再診料(現行690円)は30円増となります。4月からの消費税率の引き上げに伴い、医療機関の仕入れコストが増すことに対応しました。

 現行制度では、患者は初診料と再診料の1~3割を負担しています。今回の改定に伴い、3割負担の患者の場合、初診料は現在の810円から36円引き上げられて846円に、再診料は現在の207円から9円引き上げられて216円になることになりました。

 一方、歯科に関しても初診料(現行2180円)は160円増、再診料(現行420円)を30円増となります。3割負担の患者の場合、初診料は現在の654円から48円引き上げられて702円に、再診料は現在の126円から9円引き上げられて135円になります。

 医療機関が薬剤や機器などを仕入れる際には消費税がかかりますが、収入に当たる診療報酬は非課税で、患者に直接転嫁できません。2014年度の診療報酬改定では、これを補填するため1・36パーセントを上乗せし、全体の改定率を0・1パーセント増とすることが決まっています。

 1997年の消費税率引き上げの際は、特定の病気に対する診療報酬を増やして対応しました。ただ、設置されている診療科目によっては診療報酬増の恩恵を受けることができないケースもあったため、受診の基本料金を引き上げることにしました。入院基本料も2パーセント程度増額する見通し。

 これまでの診療報酬を巡る中医協の議論では、日本医師会(日医)など診療側は厚労省が示した案を支持。健康保険組合など支払い側は「引き上げ幅が大きすぎる」として反発していましたが、最終的に受け入れました。

 2014年2月5日(水) 

 

■がん患者数、2030年までに1・5倍に急増 WHOが対策を要請

 世界保健機関(WHO)は、新たにがんになる患者の数が今後20年以内に、発展途上国を中心に、現在の1・5倍以上に増える恐れがあるとする報告書を発表し、各国政府に健康診断の機会を増やすなど、がんの早期発見や予防に向けた取り組みを進めるよう呼び掛けています。

 また、タバコの消費を減らすために値段を上げることや、糖分を多く含む清涼飲料水やアルコールの販売を規制することなども、がんにかかるリスクを減らす効果があると評価し、各国政府はこうした法律の整備にも取り組む必要があるとしています。

 報告書は、2月4日の「世界がんの日」を前に、WHOの専門機関の国際がん研究機関(IARC)が発表したものです。

 この報告書では、新たにがんになる人は年々、増え続け、2012年に世界で年間1400万人だった患者数が、2030年までに1・5倍に増え、年間2160万人に達するとの予測しています。その間、がんにより死亡する人は年間820万人から1300万人に増えるとしています。

 2030年までに世界人口が増えるとともに高齢化し、リスクの高い生活習慣を持つ人が増えるのが、その理由です。がんは2011年に心疾患を抜いて、世界の死因の第1位となっています。

 WHOのマーガレット・チャン事務局長は、「全体的にがんによる打撃が最も大きいのは発展途上国で、貧困によってウイルス感染や別の疾患を治療できないために発症するがんと今もすでに闘っている」と語りました。また、貧困とは別に喫煙やアルコール摂取、加工食品、運動不足といった先進国的な生活習慣の変化も、がんの原因となっているといいます。

 死亡する患者が最も多いがんの種類は肺がんで、全体の19・4パーセントを占め、次いで肝がん9・1パーセント、胃がん8・8パーセント。中でも、タバコの売上増を目指す企業の戦略と肺がんの増加には「密接なつながり」があると、報告書は指摘しています。

 がんの発症には地域差があり、世界全体の患者数の60パーセント以上、死亡例の70パーセント以上はアフリカ、アジア、中南米で報告されています。その一方で、人口比を考慮すると、北米や西欧、日本や韓国、オーストラリアやニュージーランドといった高所得国で罹患率が高くなっています。

 2012年にがんと診断された新たな患者数は、全世界でアジアが半数近くを占め、その大半は中国でした。次いで欧州が25パーセント、北中南米が20パーセント、アフリカ・中東が8パーセント強。死亡した患者数では、アジアが50パーセント以上と突出し、欧州21・4パーセント、北中南米16パーセント、アフリカ・中東が約10パーセントでした。

 発展途上国では、進行してしまってからがんと診断されることが多く、また治療も受けにくいと、報告書は指摘しています。

 IARCIのクリストファー・ワイルド事務局長は、がん対策で最も力を入れるべき点は予防だとしつつ、「低・中所得国に今後、降りかかると予測されるとりわけ大きな重荷は、がん撲滅をほぼあり得ないものにしているし、高所得国でさえ上昇する治療費や介護費のコストへの対応に苦しむことになるだろう」と語りました。

 2014年2月4日(火) 

 

■抗凝固薬を服用、間質性肺炎で死亡例も バイエルが注意を呼び掛け

 血を固まりにくくして脳卒中の発生を抑える抗凝固薬「イグザレルト錠(一般名:リバーロキサバン)」を服用した患者13人で、副作用とみられる間質性肺炎が起き、少なくとも1人が死亡していたことが、販売元のバイエル薬品の発表でわかりました。

 バイエル薬品は厚生労働省に報告、医療従事者向けの説明文書を作成し、注意喚起を始めました。間質性肺炎は現在の添付文書に注意記載がなく、2月上旬にも添付文書に副作用として記載します。

 バイエル薬品などによると、13例はいずれも70歳代前半~80歳代後半の高齢者で、販売を始めた2012年4月から今年1月までに間質性肺炎の症状がみられたといいます。このうち80歳代の男性が死亡しました。

 厚労省などが因果関係を確認しています。

 医療従事者向けの説明文書「適正使用についてのお願い」では、せきや息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常が認められた場合には、速やかに胸部X線などの検査を行い、間質性肺炎が疑われる場合には、投与を中止するよう呼び掛けました。また、投与患者には、せき、息切れ、呼吸困難、発熱などが現れた場合には、速やかに主治医に連絡するよう説明することを求めました。

 間質性肺炎は、肺胞と肺胞の間にある壁で、肺胞上皮細胞、肺毛細血管、結合組織などからなる間質に炎症が起こる疾患。進行して炎症組織が線維化すると、肺線維症と呼ばれます。

 間質性肺炎は、原因が不明なものと、原因が明らかなものとがあります。原因が不明なものは、特発性間質性肺炎と呼ばれ、国が難病として研究、調査の対象に指定した特定疾患の中の1つになっています。原因が明らかなものは、有害物質の吸入による過敏性肺炎、放射線による放射線肺炎、中毒や薬剤による肺炎、ウイルスや原虫感染による肺炎によって、間質性肺炎が引き起こされます。

 2014年2月3日(月) 

 

■インフルエンザ、子供の重症肺炎に注意を 小児科学会が治療指針を作成

 日本小児科学会は、15歳以下の子供の季節性インフルエンザ治療指針をまとめました。今季増えつつある型のウイルスは重症肺炎を起こす恐れがあるため、幼児や呼吸器の持病がある場合は早めに抗インフル薬で治療するよう呼び掛けています。

 治療指針では、1~9歳はタミフル、10歳以上には吸入薬のリレンザやイナビルを推奨しています。

 今季は、2009~2010年に新型として流行したH1N1型が主流になりつつあり、このウイルスでタミフルが効きにくい耐性ウイルスも見付かっています。

 そのため、治療指針は「小児で重症肺炎多発の可能性がある」と警告。重症化の恐れがある子供は、抗ウイルス薬をなるべく48時間以内に使うとしました。タミフルで症状が改善しない場合、リレンザやイナビルを使うことを推奨しています。

 タミフルは、服用とその後の異常行動の因果関係は不明ながら、体格が大きく行動の制止が難しい10歳以上については、厚生労働省が使用を制限しています。治療指針も「10歳以上は原則として使用を差し控える」としています。

 ただし、ぜんそくなど呼吸器の持病がある時は、「副作用に注意しながら使用も考慮する」としました。

 重症化した場合、保護者の同意などを得た上で、点滴薬のラピアクタを通常の2倍量投与する治療も選択肢の一つとしました。

 日本小児科学会で予防接種・感染症対策担当理事の野々山恵章防衛医大教授は、「多くの子供は重症化せず回復するので過剰に恐れる必要はない。ただし、注意深く観察し、息苦しいなど症状が重くなりそうなら早く受診してほしい」と話しています。

 一方、インフルエンザの患者は急速に増えており、流行が警報レベルに近付きつつあります。国立感染症研究所が1月31日に公表した調査によると、1医療機関当たりの患者数は平均24・81人で、前週の11・78人の2倍以上に上っています。

 全国約5000カ所の定点医療機関を1月26日までの1週間に受診した患者数が30人を超えたのは、沖縄県、大分県、宮崎県、佐賀県、福岡県、長崎県、滋賀県、埼玉県、千葉県、神奈川県の10県。すべての都道府県で前週より増え、岩手県以外が10人の注意報レベルを上回りました。

 沖縄県が54・12人と最多で、次いで大分県39・62人、宮崎県37・86人、佐賀県34・79人、埼玉県33・69人など。九州や首都圏が多く、福岡県32・19人、長崎県32・47人、熊本県28・75人、鹿児島県22・59人、千葉県30・08人、東京都29・68人、神奈川県31・52人。

 近畿は滋賀県31・32人、京都府24・65人、大阪府25・65人、兵庫県25・85人、奈良県21・24人、和歌山県18・80人。東海は岐阜県25・09人、愛知県25・94人、三重県22・71人。

 ウイルスは12月下旬以降、H1N1型が増えています。新型の時は、ぜんそくや腎臓病の人で重症化したり、若い世代で発症したりするケースが目立ったため、注意が必要。H1N1型の耐性ウイルスも、北海道、山形県、神奈川県、三重県、大阪府の5道府県で20人見付かっています。

 2014年2月2日(日) 

 

■突発性難聴、クラシック音楽で高い治療効果 生理学研究所が発表

 自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の研究チームが、原因不明で急激に聴力が低下する「突発性難聴」の患者を対象に、聞こえにくい耳を使ってクラシック音楽を聴き続けてもらう実験をした結果、高い治療効果があることを突き止めました。

 29日付の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に掲載されました。

 生理学研究所によると、日本での突発性難聴の年間受診率は1万人当たり3人で増加傾向にあり、聴覚が重要なミュージシャンが罹患することもあります。現在は安静にして、ステロイド剤を投与する治療が中心で、研究チームの岡本秀彦特任准教授(神経科学)は「安価で副作用のない新たな治療法につながる」と期待しています。

 耳鼻科医の岡本特任准教授によると、右耳で聞くと左脳、左耳で聞くと右脳がそれぞれ活動します。片耳が難聴になると、正常な耳ばかり使うため、難聴の耳に対応する脳の働きも低下し、悪循環でさらに聞こえなくなります。

 実験では、発症間もない患者約50人を2つのグループに分類。片方のグループはステロイド治療のほか、正常な耳を耳栓でふさぎ、難聴の耳で毎日約6時間、クラシックを聴き、日常生活音もすべて難聴の耳で聞いてもらいました。

 約10日後に調べると、左右で25デシベルあった聴力差が7デシベルほどまで縮小。ステロイド治療だけだと15デシベルほど差が残っていました。

 約3カ月後には、音楽治療を受けた患者の86パーセントが完治し、脳活動も健常者と同等まで回復。難聴の耳から積極的に音を送り続けたことで、対応する脳が再び活性化したと考えられます。

 一方、ステロイド治療だけの患者は完治が58パーセンにとどまり、22パーセントは不変か悪化でした。

 岡本特任准教授は、「これまでは突発性難聴に対しては薬物療法を行い静かに過ごすことが推奨されてきた。しかし、むしろ聞こえにくくなった耳を積極的に使うことで機能の回復を図るリハビリテーション療法が有効であること、また脳活動の回復にもつながることを今回の研究により示すことができた。今後も、より効果的な治療法の開発に役立てゆきたい」と話しています。

 2014年1月31日(金) 

 

■弱酸性の液体に浸すだけで「万能細胞」作成に成功 理化学研究所

 理化学研究所などの研究チームは、体の細胞を弱酸性の液体に30分間ほど浸すだけで、体のさまざまな組織になる「新万能細胞」を作り出すことにマウスの実験で成功したと発表しました。

 いったん役割が定まった体の細胞が、この程度の刺激で万能細胞に変わることはあり得ないとされていた生命科学の常識を覆す画期的な成果として、29日、英科学誌ネイチャー電子版のトップ記事として掲載されるなど注目を集めています。

 神戸市にある理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダー(30歳)などの研究チームは、生後1週間のマウスの脾臓(ひぞう)から取り出した白血球の一種のリンパ球を紅茶程度の弱酸性の液体に30分ほど浸し、その後、培養したところ、さまざまな種類の細胞に変化する能力を維持する遺伝子が活性化することを突き止めました。

 そして、この細胞をマウスの体内に入れると、実際に皮膚や筋肉などのさまざまな細胞に変化するのを確認できたということで、「刺激を与えることでさまざまな細胞になる能力を獲得した」ことを意味する英語の頭文字から「STAP(スタップ)細胞」と名付けました。

 こうした能力を持つ細胞は、皮膚などの細胞に複数の遺伝子を入れて作るiPS細胞(人工多能性幹細胞)などが知られています。今回のSTAP細胞は、外部からの刺激というより簡単な方法で短時間に作れるものとして注目されています。

 研究チームによりますと、iPS細胞は作り出すのに2週間から3週間かかりますが、STAP細胞は1週間ほどでできるということです。加えて、iPS細胞のように遺伝子を入れる操作が必要ない上、外部からの刺激という細胞を取り巻く環境を少し厳しくするだけで効率よく作り出せるため、今後、さまざまな研究者が参入して研究の進展が期待できるということです。

 小保方ユニットリーダーは、「iPS細胞などと違い、周りの環境を変えて刺激を与えるだけで細胞が変化するという革新的な技術で、再生医療や免疫の研究などに貢献できるのではないか」と話しています。

 研究チームは今後、ヒトの細胞でも同じことができるか、研究を進めることにしています。

 今回の研究成果について、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授は、「興味深い研究で、細胞の初期化を理解する上で重要な成果である。医学応用の観点からiPS様細胞の新しい樹立法とも捉えることができ、人間でも同様の方法でできた場合、従来の方法とさまざまな観点から比較検討する必要がある。今後、人間で成果を得られることを期待している」というコメントを出しました。

 iPS細胞などを使った研究を行っている慶応大学医学部の岡野栄之教授は、「体のさまざまな組織に変化する細胞を作り出すのに遺伝子の導入や薬剤を使わずに成功したのはこれが初めてだ。しかもしっかりした手法で証明している点は高く評価できる。遺伝子の導入やクローン技術に続く、第3の方法として発展する可能性が期待でき、画期的だ」と語っています。

 2014年1月30日(木) 

 

■魚介類の摂取で脳卒中のリスク4割低下 厚労省研究班が証明

 日ごろから魚介類をよく食べてDHA(ドコサヘキサエン酸)などの成分を多くとっている人は、魚介類をあまり食べない人に比べ、脳卒中で死亡するリスクが40パーセントほど低いとする研究成果を、厚生労働省の研究班がまとめました。

 厚労省研究班の三浦克之滋賀医科大学教授のチームは、全国の30歳代から50歳代の男女合わせて7000人を24年間追跡調査し、魚介類を食べる量が多い順から4つのグループに分けて、脳卒中で死亡するリスクを調べました。

 その結果、1日の摂取量がサンマに換算して1匹ほどと最も多かったグループは、その4分の1程度の最も少なかったグループに比べ、脳卒中による死亡のリスクが41パーセント低くなっていたということです。

 また、心臓病などを含めた循環器病(心臓血管疾患)で死亡するリスクも20パーセント低くなっていました。

 最も多かったグループの1日当たりの摂取量は、サンマに換算して約1匹(可食部重量約 80〜90 グラム)、アジなら3 匹でした。

 魚介類の中でも、サバやサケ、サンマ、アジなどの脂肪の多い魚には、nー3不飽和脂肪酸のDHAやEPA(エイコサペンタエン酸)などが多く含まれています。

 nー3不飽和脂肪酸、中でも魚油に含まれる長鎖 n-3脂肪酸は、中性脂肪値や悪玉コレステロール値を減らし、脳卒中や心筋梗塞のリスク要因であるアテローム性動脈硬化を防ぐ効果があることが知られています。

 海外の研究では、魚と魚油の摂取が脳卒中や心筋梗塞などの循環器病(心臓血管疾患)の予防と、その死亡リスクの低減に関係することが報告されています。日本人を対象にした研究で、魚介類の摂取と脳卒中による死亡のリスクの関係が明らかになったのはこれが初めてです。

 三浦教授は、「魚介類に含まれるDHAなどの動脈硬化を抑える効果が、こうした結果につながったと思う。循環器病(心臓血管疾患)の予防には、魚介類中心の日本の食生活が有効だということが証明された」と話しています。

 2014年1月30日(木) 

 

■関東全域が花粉シーズンに突入 昨年より1週間から10日早く

 気象情報会社「ウェザーニューズ」(千葉市美浜区)は29日、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県の関東1都6県が26日に花粉シーズンに突入したと発表しました。

 飛散量が花粉に敏感な人の症状が出始めるレベルに達し、今後飛散が徐々に増える見込みであることから発表されたもので、昨年より1週間から10日程度早い、花粉シーズンの到来となります。

 ウェザーニューズは、独自の花粉観測機「ポールンロボ」を全国に設置し、飛散量を調べています。26日に東京都内の約9割の観測点で、そのほかの6県でも23日から26日に一定量以上の花粉を観測しました。

 同社によると、今月下旬に気温の上がる日が増え、風も強まったため、昨年より1週間から10日程度早くなりました。

 そのほかの地域では、寒気が緩んで気温が上がる2月中旬には西日本でも飛散が始まり、関東で本格化する見通し。また、平年(2008年~2013年の平均飛散開始時期)と比較すると、西日本から東日本の太平洋側や九州では1週間前後早まり、北日本や日本海側では平年並みとなる見通し。飛散量は平年よりは多く、昨年よりは少ない所が多いとみています。

 スギ花粉の飛散のピーク時期は、関東から西日本で3月上旬から中旬、北陸で3月下旬、東北で4月上旬から中旬の見通し。スギ花粉の飛散のピークをすぎた後に飛散するヒノキ花粉は、西日本から東日本では4月上旬から中旬にピークとなる見通しです。

 ウェザーニューズは、「今後の花粉情報に注意して、早めの対策を取ってほしい」と呼び掛けています。

 2014年1月29日(水) 

 

■歯が少ない人ほど肺炎に注意 口内の細菌で感染、名古屋大など調査

 抜け落ちた歯が多い人ほど肺炎で亡くなる危険性が高いことが、名古屋大や京都大などの研究グループの調査で判明しました。歯がない人は口の中に細菌が多く、肺にも感染しやすいためだといいます。

 名古屋大大学院医学系研究科博士課程の須磨紫乃(しの)さん(予防医学)らは、全国の歯科医師会の会員約2万人を対象に、歯の状態や健康状態などについて回答してもらい、その後に亡くなった人について死因を調べた結果を分析。肺炎による死亡率と、抜けた歯の本数との関係を調査しました。

 肺炎の死者は計55人。抜けた歯が4本までの人と比べると、年齢や肥満などの影響を差し引いても、5~14本が抜けていた人は危険性が1・74倍、15~27本の人は2・37倍ありました。4本の親知らずを除く28本がすべて抜けていた人の危険性は、2・77倍ありました。

 歯が少ない人には歯周病の人が多く、原因となる細菌が唾液や気管を通じて肺に入って、肺炎を起こしやすいことが理由と見なされます。食べ物をよくかめないために栄養状態が悪化し、細菌への抵抗力が低下することも考えられるといいます。

 須磨さんは、「年を取ると歯がなくなるのは当たり前と思われがちだが、きちんとケアをすればある程度は防げる。歯の健康は体全体にも影響するので、口の中を清潔にしてほしい」と話しています。 

 成果は仙台市で開かれている日本疫学会で24日、報告されました。

 2014年1月27日(月) 

 

■「おなかがスッキリ健康茶」にご注意を 15銘柄から下剤と同じ成分

 国民生活センターは23日、便秘やダイエットに効くとされる健康茶の中に、医薬品の下剤並みの作用がある成分が含まれているとして、飲みすぎへの注意を呼び掛けました。

 「おなかがスッキリする」などのキャッチコピーで販売されているという健康茶を飲んでみたら、効果がありすぎて下痢や腹痛を起こしたとの事例は、2008年4月から昨年末までに、全国の消費生活センターに21件ありました。

 国民生活センターによると、これらの健康茶には、原材料に「キャンドルブッシュ」という南米原産のマメ科の植物が使われています。キャンドルブッシュは葉や茎、花などに下剤成分「センノシド」が含まれていますが、薬事法上の医薬品ではなく、食品に使うことが可能。

 同センターによると、最近は健康食品としてキャンドルブッシュ入りのティーバッグなどが、大手ドラッグストアやインターネットで販売されているといいます。

 同センターがキャンドルブッシュ入りのティーバッグ15銘柄について、商品の説明通りに茶を抽出して成分を調べた結果、カップ1杯(150〜250ミリリットル)で2〜10ミリグラムのセンノシドを検出。医薬品の下剤の最低服用量1回分に含まれるセンノシドの量も調べたところ12ミリグラムあり、ティーバッグの銘柄によっては、下剤に匹敵する量のセンノシドが含まれていることが判明しました。

 また、調査した15銘柄中13銘柄では一日の摂取量の目安も表示されておらず、多量に摂取すると下痢になる可能性に言及するものは1銘柄もありませんでした。

 同センターでは、「人によっては激しい下痢を起こす。キャンドルブッシュの有無を表示で確認してほしい」として、消費者に対して購入の際の注意を促すとともに、事業者に対してもこれらの注意表示を記載するよう要望を出しています。

 なお、インターネットで販売されているキャンドルブッシュ配合の健康茶については、薬事法に抵触するような表現もあり、その場合は事業者に指導を行うよう、行政に対しても要望を出しています。

 健康茶の包装などの原材料の表示には、別名の「ゴールデンキャンドル」「ハネセンナ」、学名の「カッシア・アラタ」と記載されていることもあり、注意が必要だといいます。

 2014年1月26日(日) 

 

■冷凍食品に農薬混入、49歳の契約社員を逮捕

 マルハニチロホールディングスの子会社アクリフーズの群馬工場(群馬県大泉町)で製造された冷凍食品から農薬マラチオンが検出された事件で、群馬県警は25日、この工場に契約社員として勤める49歳の従業員の男が農薬を混入させた疑いが強まったとして偽計業務妨害の疑いで逮捕しました。

 逮捕されたのは、大泉町に住む阿部利樹容疑者(49歳)。県警の説明では、阿部容疑者は「覚えていない」などと話し、容疑を否認しているといいます。

 この群馬工場で製造されたピザやコロッケなど7品目の冷凍食品から殺虫剤などとして使われる農薬マラチオンが、最大で残留農薬の基準値の150万倍もの濃度で検出され、県警は工場内でマラチオンが使用されていないことから、何者かが意図的に混入させた疑いが強いとみて捜査を進めてきました。

 その結果、阿部容疑者が昨年10月3日から7日にかけて工場内で4回にわたって、冷凍食品計4袋にマラチオンを混入させた疑いが強まったとして、25日、偽計業務妨害の疑いで逮捕しました。

 4袋は、「みなさまのお墨付きミックスピザ2枚入り」(10月3日製造)、「チーズがのび~る!チキンナゲット5個入り」(同4日)、「チーズがのび~る!グラタンコロ!」(同5日)、「とろ~りコーンクリームコロッケ」(同7日)で、検体1グラム当たり1マイクログラム未満から430マイクログラムのマラチオンが検出されました。製造日が阿部容疑者の勤務日と一致したといいます。

 阿部容疑者は2005年10月から契約社員として勤め、ピザの製造ラインで、生地を練ったり焼いたりする作業をしていました。ピザ、フライ、グラタン、コロッケは別々の部屋で加工、冷凍されており、各商品の製造ラインが1カ所に集まる「包装室」が農薬の混入場所と疑われていましたが、阿部容疑者は加工段階の担当でした。

 県警は今月10日にアクリフーズから業務妨害容疑の被害届を受理し、従業員の任意聴取を本格化。阿部容疑者からも話を聴きましたが、14日の勤務後に行方不明になっていました。家族から捜索願を受けて24日夜、埼玉県警が同県幸手市の駐車場で阿部容疑者を発見しました。群馬県警は今後、農薬を混入させた具体的な場所や方法、動機などを調べるといいます。

 マラチオンの混入は昨年12月29日、マルハニチロとアクリフーズの両社が公表して明るみに出ました。昨年11月以降、石油や機械油のような臭いがするという苦情が寄せられ、全国で2800人以上の健康被害が疑われています。

 群馬工場で製造された冷凍食品は、94品目約640万袋が自主回収の対象となり、1月21日までに約549万袋が回収されています。

 マルハニチロ広報によると、群馬工場の従業員は昨年12月1日現在で294人。内訳は正社員64人、契約社員194人、パート11人、派遣社員25人といいます。

 2014年1月25日(土) 

 

■生理痛ピル、服用後に10歳代から40歳代の3人死亡 厚労省が注意喚起

 重い生理痛などの月経困難症を抑える治療薬として処方される低用量ピルを服用した後に、血の塊である血栓ができる症状で、この1年間に3人の女性が死亡していたことがわかりました。

 厚生労働省は低用量ピルの服用との因果関係が否定できないとして、脚の急激な痛みや激しい頭痛など前兆とみられる症状が出た場合、救急医療機関を受診してピルの服用を伝えるよう呼び掛けています。

 この低用量ピルは、大阪に本社があるバイエル薬品が製造販売している「ヤーズ配合錠」。

 厚労省とバイエルによりますと、昨年6月、20歳代の女性の脳に血栓ができ、ヤーズ配合錠を飲み始めて13日後に死亡しました。昨年9月には、10歳代前半の女性が死亡後に肺に血栓が見付かり、今年1月には、肺と脚の血栓症によって40歳代の女性が死亡しました。

 20歳代の女性と40歳代の女性は頭や脚の痛みで受診していましたが、重くなるまで血栓症と診断されていなかったとみられます。

 このヤーズ配合錠には、血栓ができやすくなる成分が含まれており、厚労省は薬の服用との因果関係が否定できないとして、17日に安全性速報を出して注意を呼び掛けました。

 この中では、医療機関に対して、このヤーズ配合錠を服用する患者に脚の急激な痛みやむくみ、突然の息切れや胸の痛み、激しい頭痛やまひなどが出た場合には、すぐに救急医療機関を受診させるよう呼び掛けています。

 また、バイエルに対して、薬の添付文書の使用上の注意を改訂して血栓症への警告欄を追加し、注意喚起を徹底するよう指示し、医師が患者に処方する際、副作用の症状や対処方法について説明するよう求めました。

 低用量ピルは月経困難症の治療や避妊目的で利用者が増加し、ヤーズ配合錠は2010年11月の発売以来推計18万7000人が使用しています。

 ピルは血栓が起こるリスクを3~5倍引き上げるとされ、厚労省によると、ヤーズ配合錠以外のピルでも2004年以降、因果関係が不明なものも含め10人の死亡が報告されているといいます。

 2014年1月23日(木) 

 

■感染性胃腸炎、患者数が急増 過去10年間で第2位の水準

 ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者が全国で急速に増えており、国立感染症研究所は、調理や食事の前の手洗いを徹底するよう注意を呼び掛けています。

 国立感染症研究所によりますと、1月12日までの1週間に、全国およそ3000の小児科定点医療機関から報告されたノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者は、1医療機関当たり10・96人で、前の週の2・6倍と急速に増えています。この時期としては過去10年間で2番目に多い患者数です。

 都道府県別にみますと、大分県が最も多く21・25人、次いで鹿児島県が18・11人、高知県が15・50人、熊本県が14・72人などとなっています。

 ノロウイルスは、患者が吐いた物や便などに含まれ、人の手などを介して口から感染するウイルスで、感染力が非常に強く激しい嘔吐や下痢を引き起こします。

 このため、せっけんを使った手洗いを徹底することや、嘔吐物や便を処理する際は、マスクや手袋をして、ぞうきんなどでふき取った上で、塩素系の漂白剤などで消毒する必要があります。

 国立感染症研究所の片山和彦室長は、「流行の推移をみると、1月の患者数が過去10年間で最も多くなった4年前と似ている。調理や食事の前の手洗いを徹底するなど対策を心掛けててほしい」と話しています。

 感染性胃腸炎の患者届出数は例年11月ころから患者数が急増して12月にピークとなり、その後減少していきますが、1月から春季にかけても流行が認められます。

 この秋から春に認められる流行の主な原因はウイルスです。特に11~12月は、ノロウイルスが原因となる胃腸炎が多くなり、春ころにはA群ロタウイルスによる胃腸炎が増加してきます。

 ほかにもサポウイルス、アストロウイルス、腸管アデノウイルスなど胃腸炎を引き起こすウイルスは存在しますが、感染様式は同じであり、嘔吐物や便中のウイルスが直接あるいは汚染食品などを介して感染する糞口感染です。また、ウイルスによる胃腸炎の症状は類似しており、基本的に症状による原因ウイルスの鑑別は困難です。

 2014年1月22日(水) 

 

■インフル患者、全47都道府県で増加 推計患者約34万人

 インフルエンザ患者が全国的に急増し、流行が本格化しています。厚生労働省の推計では、患者は1月6日から12日までの1週間に約20万人増え、計約34万人になりました。

 国立感染症研究所によりますと、1月12日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された患者数は2万7100人で、その前週の約2・7倍に増えました。定点医療機関からの報告をもとに厚労省が推計したところ、定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数は約20万人増え、計約34万人。

 年代別では、30歳代が約6万人、20歳代と40歳代がそれぞれ約5万人、0~4歳、5~9歳がそれぞれ約4万人などとなっています。

 患者数の増加は、全47都道府県に及びます。都道府県別の1定点医療機関当たり報告数は、沖縄県が19・90人と最多で、鹿児島県が9・28人、岐阜県が8・91人、高知県が8・71人、和歌山県が8・10人、熊本県が8・06人、大分県が7・81人、宮崎県が7・66人、佐賀県が7・64人、静岡県が7・27の順に多くなっています。

 また、大阪府が6・00人、東京都も5・07人と大都市圏でも増加し、神奈川県が5・10人、埼玉県が6・29人、千葉県が5・70人など首都圏でも大幅に増加しました。

 前週からの増加率では、山形県が13・5倍、富山県が8・0倍、山梨県が7・1倍と急増し、兵庫県、東京都、三重県なども5倍となっています。

 全国の保健所地域で、大きな流行が起きている恐れがあることを示す「警報レベル」の患者数を超えているのは、大阪府と沖縄県の2カ所。今後4週間以内に大きな流行が起きる恐れが高いことを示す「注意報レベル」の患者数を超えているのは、23道府県の53カ所。

 基幹定点医療機関からのインフルエンザ患者の入院報告数は292例あり、その前週の164例から倍増しました。1~9歳が93例、80歳以上が62例など、子供や高齢者を中心に入院報告数が多くなっています。

 一方、どのタイプのインフルエンザウイルスが多いのか調べたところ、高齢者が重症化しやすいとされるA香港型が全体の50パーセントと最も多いものの、5年前に「新型インフルエンザ」として流行したH1N1型のウイルスも28パーセントを占めています。

 今季は流行期入りが12月下旬と例年よりやや遅く、流行のピークは2月上旬ころになる可能性があるといいます。

 国立感染症研究所の砂川富正室長は、「流行が全国に拡大し、首都圏でも広がっている。今からでもワクチンの接種は遅くない。手洗いの徹底やマスクの着用のほか、人に向かってせきやくしゃみをしないよう気を付けてほしい」と話しています。

 2014年1月21日(火)

 

■喫煙、肺がん以外に肝がん、糖尿病の危険性 米公衆衛生局が発表

 最近のたばこは以前にも増して、肺がん以外に肝がんや失明、糖尿病、性的不能など多くの健康問題を引き起こす可能性があるとする報告書を17日、米国の公衆衛生局が発表しました。

 公衆衛生局は同日、たばこが肺がんを引き起こすことを警告した当時画期的だった1964年の報告の発表から、50年となるのを記念する式典をホワイトハウスで行い、この中で最新の発見を発表しました。

 ボリス・ラッシュニアック公衆衛生総監は、「50年前の1964年には42パーセントだった米国の喫煙率は現在18パーセントにまで下がっているが、最近のたばこはこれまでになかったほど強力に危険を及ぼす可能性を増している」、「たばこの製造法、そしてたばこに含まれる化学物質は年月を経て変わってきた。こうした変化の一部は、肺がんリスクを高める要因かもしれない」と話しています。

 報告書によれば、失明の原因となり得る加齢黄斑変性と呼ばれる視力低下や糖尿病、結腸直腸がん、肝がんを能動喫煙が引き起こすことが現在、専門家の間で知られています。

 また、能動喫煙は、結核、勃起不全、母親が喫煙していた場合の新生児の顔面裂、子宮外妊娠、リウマチ性関節炎、炎症、免疫不全を引き起こすほか、がんの患者や生存者の場合には予後を悪化させます。

 自分は喫煙しないが副流煙にさらされていた人は、脳卒中などの発作のリスクが増えます。

 報告書は、「たばこが燃えると7000種類以上の化学物質による複合混合物が生まれ、それが広範囲にわたる疾患を引き起こす」と指摘し、喫煙に関連する疾患で米国では年間約50万人が死亡、約1600万人が健康を損ね、それによって毎年3000億ドル(約30兆円)近い経済損失が生じているとしています。

 2014年1月20日(月)

 

■スギ花粉症を根治する、口に含む新薬 厚労省が初承認

 スギ花粉症の根治が期待できる新薬が17日、厚生労働省に承認されました。スギ花粉のエキスを元にした薬で、口に含んで粘膜から取り込んで体を慣らし、異常な免疫反応を引き起こしている体質を改善します。

 花粉症の根治療法で、口に含む口腔薬の承認は国内初。注射薬に比べて患者の負担が少なく、専門医の間で普及への期待が高まっています。

 新薬は、鳥居薬品(東京都中央区)が申請していた舌下免疫療法薬「シダトレン」。舌の裏側に、目薬のように薬液を垂らして2分間維持し、そのまま飲み込みます。1日1回服用し、薬の量は医師の指導の下、計画的に増量します。臨床試験では1年半続けて、症状抑制の効果が確認されました。

 舌下免疫療法は、欧米ではスリット減感作療法として知られ、すでに多くの医療機関で行われている治療法です。世界保健機関(WHO)でも安全な治療法として推奨しています。

 適応患者は今のところ12歳以上で、スギ花粉が飛散し始める3カ月前から服用を始めて2、3年継続して行うことで根治が期待できます。ただし、アレルギー反応によるアナフィラキシーショックなど副作用の危険もあるため、自宅できちんと管理できることが前提。

 医師の側も、学会や製薬会社の講習会を受けて登録されないと処方できません。

 花粉症でアレルギーの原因物質を少しずつ取り込んで、体の過敏性を減らす減感作療法は、根治が期待できる唯一の方法として皮下注射が認められてきました。しかし、注射は痛みのほか、1週間に2回ほどの通院が患者の負担となり、抗アレルギー剤などの対症療法の進歩もあって普及していません。

 今回の新薬の公定価格が決まるのは4月の見込みで、実際に保険診療が受けられるようになるのは5月か6月以降になります。

 日本医科大の大久保公裕・教授は、「十分な知識を持った上で選択すべき治療だ」と話しています。

 2014年1月19日(日)

 

■先天性風疹症候群の新生児、38人に 学会は診療マニュアル作成

 風疹の流行の影響で新生児に障害が出る症例が全国で相次ぐ中、新たに3人の新生児が先天性風疹症候群と診断され、一昨年からの流行で障害が出た新生児は全国で38人に上りました。

 風疹は、妊娠中の母親が感染すると新生児の心臓や目、耳などに障害が出る先天性風疹症候群になる可能性があり、昨年の春から夏にかけて風疹の流行がピークとなったことから、この冬にかけて生まれる新生児への影響が心配されています。

 こうした中、先週、福島県と兵庫県、それに島根県の医療機関からそれぞれ1人ずつ、合わせて3人の新生児が先天性風疹症候群と診断されたと、自治体に報告があったということです。福島県と島根県では、統計を取り始めた1998年以降では初めての報告です。

 この結果、一昨年から続いた流行で先天性風疹症候群と診断された新生児は全国で38人となりました。また、昨年1年間で風疹と診断された人は、1万4357人に上りました。

 日本周産期・新生児医学会では、実際に先天性風疹症候群の新生児を診療した経験のない産科や小児科の医師が多いことから、日本産科婦人科学会など関連10団体の意見も聞いて、対応の方法をまとめた診療マニュアルを国内で初めて作りました。

 この中では、抗体検査の値の見方など具体的な診断や治療の方法が紹介されているほか、生後まもなくは明らかな症状がなくてもその後に障害が見付かるケースもあることから、原因不明の白内障や難聴がある場合には、この先天性風疹症候群を疑う必要があるとしています。

 その上で、専門の相談機関を紹介するなど家族を支援する重要性も強調しています。

 診療マニュアルは近くホームページで公開される予定で、日本周産期・新生児医学会の久保隆彦副理事長は「症状は多岐にわたるので、さまざまな診療科の医師に参考にしてもらい患者や家族の支援につなげてほしい」と話しています。

 2014年1月18日(土)

 

■気圧が低いほどリウマチ悪化 京大が診察と気象データを解析

 雨や曇りで気圧が低くなるほど関節リウマチ患者のはれや痛みが増えることを、京都大のグループが確かめました。天気が悪いとリウマチも悪くなると昔からいわれていますが、通説の湿気より気圧のほうが明確な関連がありました。

 米オンライン科学誌プロスワンに16日、発表しました。

 京都大医学研究科の寺尾知可史(ちかし)特定助教らは、2005~2012年に京都大医学部付属病院に通院したリウマチ患者2131人の診療データ計約2万3000件を使用。手や腕、脚など計28個所の関節について、診療日に把握したはれたり痛んだりした個所数と、気象庁が公表した診療日とその前6日分の京都市の気圧や気温、湿度との関係を調べました。

 すると、気圧が低いほどはれや痛みのある関節の個所が増え、患者の自覚症状も悪化しました。特に診察日の3日前の気圧が最も関係していました。湿度も関係しますが、気圧ほどはっきりした統計学的関連はなく、気温は無関係でした。

 症状を起こす炎症を表す血液の数値との関係はなく、病気の進行には影響しないと考えられます。

 「梅雨時は関節が痛む」「痛みがひどくなると天気が悪くなる」など天候との関係は以前から知られていましたが、患者個人のそういった実感を統計学的に実証したのは、今回の成果が初めて。ただし、メカニズムは不明といいます。

 グループの京大病院リウマチセンターの橋本求(もとむ)特定助教は、「医師が信じていない場合もあったが、疫学的に関連が示されたので、患者の感覚への理解と共感が進むのではないか」と話しています。

 2014年1月16日(木)

 

■先天性風疹症候群の新生児、過去最多に 全国で31人、東京都で13人

 母親が妊娠中に風疹に感染したことで心臓や目、耳などに障害を負った先天性風疹症候群の新生児は、1998年に統計を取り始めて以降、最も多かったことが国立感染症研究所のまとめでわかりました。

 これは国立感染症研究所が、全国の自治体などからの報告をまとめた結果、わかりました。

 それによりますと、母親が妊娠中に風疹に感染したことで障害を負った先天性風疹症候群の新生児は、昨年1年間に少なくも31人に上り、統計を取り始めて以降、最も多かったことがわかりました。これまで最多だった2004年の10人に比べ、3倍に上りました。

 妊娠20週ころまでの母親が風疹ウイルスに感染すると、胎児が先天性風疹症候群で生まれる可能性があり、その確率は妊娠初期に感染するほど高く、妊娠1カ月では50パーセント以上、2カ月で35パーセント、3カ月で18パーセント、4カ月で8パーセントというデータがあります。妊娠していることに母親や周囲が気付かず、無警戒な時期に感染してしまう恐れもあります。

 都道府県別にみますと、東京都が最も多く13人、次いで大阪府が5人、神奈川県が3人、埼玉県、愛知県、三重県、和歌山県がそれぞれ2人、栃木県、千葉県がそれぞれ1人となっています。

 風疹は5年から7年ほどの周期で流行を繰り返すとされますが、昨年は風疹に感染した患者が一昨年の6倍の1万4000人超と大きな流行となり、先天性風疹症候群の新生児の増加が懸念されていました。

 先天性風疹症候群の多くは出産後に判明するため、今後も報告が続く可能性があります。

 これについて国立感染症研究所の多屋馨子室長は、「風疹は春から夏にかけて流行するもので、今年は流行させないようにワクチンを打っていない人は早めに接種するようにしてほしい」と話しています。

 風疹ワクチンの接種は、最寄りの内科や小児科で受けることができます。ただし、接種には保険が適用されないため、費用は単独ワクチンは4000〜8000円前後、混合ワクチンは7000〜1万2000円前後といわれ、地域や医療機関によって異なります。市区町村によっては、接種費用の一部または全額を助成するところもあります。

 2014年1月15日(水)

 

■プライベートブランドの製造者名省略、見直し検討 消費者庁

 マルハニチロホールディングスの子会社アクリフーズの群馬工場(群馬県大泉町)で製造された冷凍食品から農薬「マラチオン」が検出された問題で、森雅子消費者担当相は14日、製造者の記載がない対象商品があったことを受け、記載の在り方について見直す考えを示しました。

 消費者庁によると、アクリフーズが製造し自主回収を進めている市販用冷凍食品のうち、10品目で「アクリフーズ群馬工場」という記載がありませんでした。このため、消費者が誤って食べてしまう可能性が指摘されています。

 これらはすべて他社のプライベートブランド(PB)商品で、製造者の記載の代わりに「製造所固有記号」が表示されていますが、記号から製造所を検索できるのは保健所などだけで消費者はできません。消費者庁のまとめでは、製造所固有記号は昨年11月の時点で88万5300件の登録があり、1つの工場に複数の記号が割り当てられていることもあります。

 こうした中、森消費者担当大臣は「新たに施行される食品表示法で、製造元の情報提供の在り方について検討していきたい。制度全般の見直しを指示した」と述べ、現在、義務付けられていない製造者の記載について、見直しを検討する考えを示しました。

 また、消費者庁は14日、アクリフーズの冷凍食品問題で、関係省庁の局長級を集めた消費者安全情報総括官会議を開きました。厚生労働省は健康被害を訴えた人が全国で2500人に上ると報告し、消費者庁と農林水産省は自主回収が円滑に進むよう、スーパーや小売業の業界団体に対し、店頭での情報提供などの協力を要請します。

 同会議が緊急開催されるのは、2009年の消費者庁発足以来初めて。

 2014年1月14日(火)

 

■カフェイン摂取で長期記憶力が向上 米大学が研究

 コーヒーなどに含まれるカフェインを摂取すると、長期記憶力が高まることがわかったとの研究論文が12日、イギリスの科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」に掲載されました。学生たちにとっては、コーヒー、お茶、栄養ドリンクなどを飲みながらの勉強に科学的根拠を与える研究結果です。

 アメリカ東部のジョンズ・ホプキンス大学の研究チームは、カフェインによって、ある種の記憶が形成されてから少なくとも1日間にわたり強化されることを明らかにしました。

 カフェインの摂取が記憶能力にプラスの効果をもたらすことは、これまでにもマウスを使った試験やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査による脳内イメージングなどによって明らかになっていますが、これらはいわゆる短期記憶に焦点を当てたものがほとんどであり、人間における長期記憶への臨床効果を示した研究は今回が初めてのケースとなります。

 マイケル・ヤッサ助教(心理・脳科学)の率いる研究チームはまず、ボランティアの被験者73人に、植物、かご、サックス、タツノオトシゴなどの多数の物の画像を見せました。

 その後、被験者を半数ずつのグループに分け、一方のグループには、濃いエスプレッソコーヒー約2杯分に相当する200ミリグラムのカフェイン錠を、もう一方のグループには、プラセボ(偽薬)を与えました。カフェインのレベルを測定するために、1時間後、3時間後、24時間後にそれぞれ唾液サンプルを採取しました。

 翌日に両グループにもう一度、一連の画像を見せました。画像には、前日と同じ物の画像のほか、全く新しい物の画像や、かごの取っ手が2つから1つに変わっているなどの微妙に異なる画像も含まれていました。

 研究チームによると、前日にあった画像と前日になかった画像との区別については、どちらのグループも正確度は高かったといいます。しかし、一連の画像の中から、よく似た画像を特定する場合については、カフェインを摂取したグループのほうがかなり正確度は高くなりました。

 このテストは、カフェインが海馬に及ぼす効果を理解することを目的として行われました。海馬は、短期と長期の両方の記憶力が必要な、パターンの違いの区別をつかさどる脳の部位。

 ヤッサ助教は、「違いがわかりにくい画像が含まれない標準的な認識記憶課題を用いると、カフェインの効果は全く検出されないだろう」と指摘、「だが、これらのよく似た画像の使用は、さらに難しいパターン分離と呼ばれる区別を行うことを脳に要求する。今回の実験でカフェインによって促進されたプロセスは、このパターン分離と思われる」と話しています。

 ヤッサ助教らは今後、これらの記憶能力の向上がどのような脳の活動メカニズムに基づいているものか、また長期にわたるカフェインの摂取が記憶能力の向上にどのような影響をもたらすのかといった点を明らかにしてゆくとしています。

 2014年1月14日(火)

 

■脊髄損傷、国内初の幹細胞治療の試験開始 札幌医科大

 札幌医科大は10日、脊髄損傷患者の骨髄から取り出した幹細胞を培養し、患者の静脈に投与して脊髄の神経細胞を再生させる治療法の効果や安全性を確かめる臨床試験(治験)を始めると発表しました。

 幹細胞を使う治療はさまざまな病気での研究が進行中で、脊髄損傷での試験は国内初。10日から被験者の募集を始めています。

 発症してから時間が経過していても治療効果が期待でき、患者自身の細胞を使うため拒絶反応の心配が少なく、安全性が高いとされます。神経などになる「間葉系幹細胞」を使い、静脈に投与する医薬品(細胞製剤)として認可を目指す試験です。

 チームを率いる山下敏彦教授(整形外科)は、「脊髄損傷は事実上、有効な治療法がないが、この方法は多くの患者への効果が期待できる」と話しています。

 チームによると、患者の腰の骨から骨髄液を採取し、間葉系幹細胞を分離。約2週間で約1万倍に培養し、約1億個の細胞が入った40ミリリットルの細胞製剤を作り、30分から1時間かけて静脈に点滴で投与します。

 投与された細胞は脊髄の損傷部位に移動し、神経細胞に分化したり、タンパク質を分泌して傷付いた神経細胞を再生させたりします。神経が再生されると、手足が動かせるようになると見込まれるといいます。

 試験は損傷から14日以内で、脊髄のうち主に首の部分を損傷した20歳以上65歳未満の患者が対象。希望者は主治医を通じて札幌医科大に連絡します。2016年10月までに30人を目標に実施します。

 脊髄損傷は運動機能を失ったり、感覚まひを引き起こしたりします。国内で年間約5000人が脊髄損傷になり、累積患者数は推定約10万人。若年層で損傷し、重篤な後遺症が残ったまま生活する例が多くみられますが、神経が再生できれば、まひした体が動かせるようになる可能性があります。

 札幌医科大は脳梗塞患者の後遺症を改善するため、間葉系幹細胞を使った同様の臨床試験を昨年から行っています。

 2014年1月12日(日)

 

■全国的な流行期入り、インフルエンザ患者増加 患者9307人で10週連続の増加

 インフルエンザが全国的な流行期に入り、各地で患者が増えています。

 北海道や鹿児島県などの9つの道県では、今後、インフルエンザの大きな流行が起きる可能性が高いことを示す注意報レベルの患者数の地域が出ており、国立感染症研究所は、手洗いなどの対策を徹底するよう呼び掛けています。

 国立感染症研究所によりますと、先月29日までの1週間に、全国およそ5000の医療機関から報告されたインフルエンザの患者は9307人で、前の週の1・4倍に増え10週連続の増加となりました。

 1つの医療機関当たりの患者数を都道府県別にみると、鹿児島県が最も多く5・87人、次いで長崎県が5・31人、高知県が4・96人、沖縄県が4・66人、山口県が4・29人、大分県が3・74人、熊本県が3・68人、佐賀県が3・56人の順となっており、41都道府県で前週よりも増加がみられました。

 また、北海道、秋田県、群馬県、静岡県、香川県、高知県、長崎県、大分県、鹿児島県の9道県では、今後4週間以内にインフルエンザの大きな流行が起きる可能性が高いことを示す注意報レベルの患者数の地域も出ています。

 患者から検出されたインフルエンザウイルスは、高齢者で重症化しやすいとされるA香港型が全体の51パーセントと最も多く、次いで5年前の2009年に「新型インフルエンザ」として流行したH1N1型のウイルスが27パーセントを占めていました。

 国立感染症研究所の砂川富正室長は、「これから流行が本格化するのでワクチンの接種は今からでも遅くはない。手洗いの徹底や、人に向かってせきやくしゃみをしないなど口元のエチケットにも気を付けてほしい」と話しています。

 2014年1月11日(土)

 

■ドイツ人女性、日本でデング熱感染の可能性 厚労省発表

 厚生労働省は10日、昨年8月に日本国内を旅行して帰国したドイツ人女性(51歳)がデング熱に感染したと発表しました。日本で感染した可能性があるとされます。

 女性はドイツ帰国後に発症し、すでに回復しています。

 デング熱は現在、日本国内では過去60年以上、感染例は報告されていませんが、海外で感染して帰国後に発症する人が年間200人ほどおり、こうした感染者から蚊を媒介して感染する可能性はあります。

 ドイツ人女性は昨年8月19日から31日まで、長野県上田市や山梨県笛吹市、広島県、京都府、東京都を旅行して帰国しました。

 9月3日から40度の発熱や吐き気などの症状が出て、検査の結果デング熱への感染が確認されました。入院して治療を受け1週間で回復しました。女性は「笛吹市で蚊に複数個所を刺された」と申告しているといいます。

 デング熱は世界の熱帯や亜熱帯の全域で流行しており、蚊の一種ヒトスジシマカなどがデングウイルスを媒介して感染し、3~7日後に突然発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、発疹などの症状が現れます。大半は軽症で、体内からウイルスが消えると治ります。ただし、日本では蚊は越冬せず、デングウイルスは定着しません。

 厚生労働省では、デング熱の感染が疑われる患者がいる場合には、速やかに保健所に報告するよう各自治体に注意を呼び掛けるとともに、流行地域への渡航者に蚊に注意するよう呼び掛けています。

 2014年1月10日(金)

 

■冷凍食品に農薬、症状の訴え1632人に上る 全都道府県で届け出

 マルハニチロホールディングスの子会社アクリフーズの群馬工場(群馬県大泉町)で製造された冷凍食品から農薬マラチオンが検出された問題で、回収が呼び掛けられている商品を食べて体調不良になったと自治体に届け出た人は、全国47都道府県で少なくとも1632人に上っていることが、9日わかりました。

 7日までに発症を確認していなかった群馬、長崎両県でも届けがあったことが判明。47都道府県すべてで何らかの症状を訴えた人が出ました。

 各地の自治体によると、大半は嘔吐や腹痛、下痢などの症状で軽症でした。いずれも商品と症状の因果関係は不明で、自治体の検査で農薬が検出されたケースはありません。

 また、アクリフーズは8日夜、新たに2つの商品からシンナーや薬品などの臭いが確認されたと発表しました。1つは京都府で確認された「レンジミックスピザ2枚入り」、もう1つは宮城県で確認された「みなさまのお墨付き ミックスピザ2枚入り」。これで、商品から異臭が確認されたのは、トータルで25件(17都府県)となりました。

 アクリフーズはホームページ(http://www.aqli.co.jp)で、現在も群馬工場製造の商品が手元にある場合は、購入先のスーパーなどではなく同工場に返品するよう呼び掛けています。送料や商品の代金については、同社が負担します。回収対象商品もホームページで確認できます。

 返品方法などの問い合わせは、同社お客さまセンター(電)0120・690・149(午前9時~午後5時)へ。

 2014年1月9日(木)

 

■カナダでもH5N1型鳥インフルで死者、北米初 北京からの帰途に体調を崩す

 カナダ人が毒性の強いH5N1型鳥インフルエンザに感染して死亡したことが、複数の当局者によって確認されました。北米でH5N1型による死者が出たのは初めて。

 死亡したのはカナダ西部アルバータ州に住む人で、旅行先の中国の北京からカナダに戻る航空機内で体調を崩し、今月3日に死亡しました。

 当局者らは、この事例は孤立したケースで、一緒に旅行していた人や家族からは感染が確認されておらず、ほかの人々への感染リスクは低いとの見方を示しました。しかし、中国と香港、台湾でのさまざまなウイルスへの感染による死亡例が増加していることを受けて、鳥インフルエンザに関する懸念が広がっています。

 カナダ公衆衛生局のジョージ・テイラー副局長は記者団に対し、「これは北米で最初で唯一の確認されたH5N1型のケースだ」と述べました。

 H5N1型鳥インフルエンザは、主にアジアと欧州、アフリカ北東部、中東で、鳥の感染が確認されています。

 テイラー副局長によると、人間の間では過去10年間に、15カ国で約650件の感染例が確認されています。世界保健機関(WHO)によると、H5N1型鳥インフルエンザウイルスで死亡した人々は過去10年間に、世界で384人に上り、そのうち24人は昨年死亡しました。

 当局者らは、今回死亡したカナダ人の年齢や性別については公表を避けました。このカナダ人は昨年12月27日に北京から乗ったバンクーバー行きの航空機内で体調を壊し、アルバータ州エドモントン行きの便に乗り換える前に、バンクーバー空港で数時間すごしたといいます。症状としては、発熱や頭痛、せき、不快感などがありました。その後、入院して手当てを受けていたということです。

 中国国内で訪問したのは北京だけ。養鶏場や鶏肉が売られているような市場などは訪れておらず、感染経路は不明といいます。カナダ政府は、中国側と連携して感染経路などを調べるとともに、中国への渡航者に対して家きん類との接触を避けるよう注意を呼び掛けています。

 テイラー副局長によると、7日夜の検査結果で、死亡はH5N1型鳥インフルエンザウイルスによるものであることが確認されました。

 2014年1月9日(木)

 

■歯科医院でもポイント導入 実質値引きで患者集め、400医院が加盟

 歯科医院で治療を受けると、商品券や電子マネーと交換できるポイントがもらえる仕組みが全国に広がっています。患者にポイントを与えることで実質的な値引き競争につながり、全国で一律であるはずの医療の価格に差ができ、質の格差も生まれかねません。

 歯科ポイントの仕組みは、東京都渋谷区の歯科コンサルタント会社が2006年から運営を始めました。運営会社によると、全国に約6万9000ある歯科医院のうち、加盟しているのは約400。

 加盟医院で治療を受けた患者は、運営会社のウェブサイト上で治療や設備の満足度について6問のアンケートに答え、歯科医院の口コミを書き込むと、治療内容によって100円~1万円相当のポイントをもらえます。

 ポイントの付け方は、歯科医院に任せられているため、患者の勧誘に活用できます。1回の治療で100ポイントをつける医院が多く、初診時や検診1回につき500ポイント、患者を紹介すると1000ポイントをもらえる医院もあります。500ポイントたまると1ポイント1円として、商品券や電子マネーに交換できます。

 歯科医院は運営会社から、「1万ポイント=1万3000円」などとポイントを事前に買い取ります。また、患者が口コミを書き込んだ後、例えば100ポイントにつき3000円を支払う方法もあります。いずれも保険料や税金からなる診療報酬が使われていますが、歯科医院は支払った金額を取り戻すために不必要な治療をして医療費の無駄につながる恐れが指摘されています。

 ポイント導入が増えているのは、歯科同士の競争が激化しているためです。歯科医院の数がコンビニエンスストアよりも約2万も多い約6万9000ある状態で、歯科医師も2010年に10万人を超え、30年前の約2倍になっている一方、虫歯予防が進むなどで年2兆5000億円の歯科医療費は約20年前からほぼ横ばいになっています。

 日本歯科医師会の瀬古口精良常務理事は、「医療は非営利なので、原則的にはポイント制に反対だが、時代の流れもあるので認めることも考えなければいけない」としています。

 厚労省の省令では、公的医療保険を扱う医療機関は「値引きなど経済的な利益を提供して患者を集めてはいけない」としています。同じ治療は、全国のどの保険医療機関でも同じ価格で提供するのが保険医療の原則で、患者集めは治療の質で競うべきだされています。

 厚労省医療課は、「歯科ポイントは値引きにつながる可能性はある」としつつも、「すぐには判断できない」と慎重な姿勢です。

 2014年1月8日(水)

 

■体外受精の治療、事実婚カップルにも容認 婚外子の民法改正を受け、学会が指針変更へ

 日本産科婦人科学会は、これまで結婚した夫婦に限るとしていた体外受精の治療対象について、事実婚のカップルにも広げる方針を固めました。昨年12月の民法改正で、結婚していない男女間の子(婚外子)に対する遺産相続などの法律上の格差が撤廃されたことを受け、同学会は6月にも会告を変更します。

 同学会では、不妊治療の一環として行われる体外受精について、会員の産婦人科医らが守る自主ルール(会告)を定めています。会告では、体外受精を実施する対象について、「婚姻(結婚)しており」「子供を強く希望する夫婦」としています。ただし、実際にどうやって「夫婦」を証明するかは、現場の医師の判断に委ねられてきました。

 国内で初の体外受精児が生まれた1983年に定めた会告は当初、医師が戸籍謄本などを確認することを求めていましたが、婚姻形態が多様化したことなどを受け、2006年に戸籍謄本などの確認に関する記述を削除しました。このため、同学会は事実上、婚姻届を出さない事実婚のカップルの体外受精も容認している状態でした。

 最高裁は昨年9月、家族形態の多様化や国民の意識の変化などを踏まえ、法律上の夫婦の子供の半分と規定されていた婚外子の遺産相続について「違憲」と判断。これを受け、12月には民法が改正され、嫡出子と婚外子との格差が解消されました。

 同学会は「生まれた子供に法的な不利益がある以上、事実婚のカップルへの体外受精は推奨できない」としてきましたが、民法改正を受けて会告を変更する方針を決定。すでに理事会で了承されており、6月の総会で正式決定します。

 日本産科婦人科学会倫理委員長の苛原(いらはら)稔・徳島大医学部長は、「少子化対策の一環としても、変更すべきだと判断した」と話しています。

 体外受精は女性の卵子を取り出し、精子と人工授精させ、受精卵を女性の子宮に戻す不妊治療の1つ。国内では体外受精による子供が2011年末までに30万3806人生まれています。ただし、治療は医療保険の適用外で、採卵を含めて1回30~40万円かかります。

 国と自治体は不妊治療に対して一定の条件で公費助成を行っていますが、事実婚のカップルについては対象外です。厚生労働省は、「学会の動きを見ながら、助成拡大を考えていきたい」としています。

 2014年1月7日(火)

 

■冷凍食品に農薬、新たな体調不良の訴え続く 鳥取で6人嘔吐、福岡では2人腹痛

 マルハニチロホールディングスの連結子会社アクリフーズの群馬工場(群馬県大泉町)で製造された冷凍食品から農薬マラチオンが検出された問題で、鳥取県は6日、同工場製の冷凍食品を昨年末に食べた6人が嘔吐していたと発表しました。いずれも鳥取市在住で、症状は軽いといいます。

 同県によると、いずれも自主回収対象商品で、鳥取市内の3カ所のスーパーで購入されていました。食べた時に酸味を感じた女性もいたといいますが、マラチオンの混入状態などは確認できていません。

 福岡県も6日、同工場製の冷凍食品を食べて腹痛や吐き気などの症状を訴える情報が2件寄せられたと明らかにしました。40歳代男性と中学3年女子の2人で、それぞれ昨年12月27、29日に食べた直後に症状が出ましたが、すでに回復しているといいます。

 この2件とは別にアクリフーズにも直接、福岡県内から4件の苦情があり、うち2件の冷凍食品からマラチオンが検出されたといいます。

 マルハニチロホールディングスとアクリフーズ両社の5日の発表によると、福島県の消費者から回収した冷凍ピザに異臭がするのも確認。この時点で異臭確認は14都府県の21件となり、うち9件でマラチオンの検出が確認されています。

 アクリフーズによると、冷凍ピザは昨年12月29日に、消費者が福島県二本松市の食品スーパーに持ち込みました。同社東北支店が同日中に異臭を確認して回収し、1月3日に本社に届きました。農薬混入の有無は不明で、4日に任意提出を受けた群馬県警が調べています。

 同社は、「商品回収の準備などで対応が遅れてしまった。もっと早く公表すべきだった」としました。

 このほか、群馬工場製のの冷凍食品を食べた大阪市、滋賀県栗東市、山形県の男女3人が下痢などの症状を、冷凍ピザを食べたとみられる愛知県の7歳の児童が嘔吐の症状を各自治体に訴えていたことも判明しました。

 一方、群馬県は5日、同工場製のグラタンなどを食べて吐き気などの症状を訴えた山形県、東京都、愛媛県の消費者が提供した食べ残りを調べた結果、いずれもマラチオンは検出されなかったと発表しました。同県は引き続き、症状が出たと連絡があったケースについて、自治体から食べ残しなどを取り寄せ、農薬が混入していないかなど調査を進めることにしています。

 2014年1月6日(月)

 

■ブラジルでのサッカーW杯観戦、黄熱に注意 厚労省が予防接種を推奨

 ブラジルで今年6月から始まるサッカーのワールドカップ(W杯)で渡航するサポーターに、厚生労働省が黄熱の予防接種を勧めています。黄熱は南米などで流行する感染症で、発熱や頭痛の症状が出て死亡することもあります。

 日本国内で接種できるのは全国25施設に限られ、事前予約が必要。厚生労働省は「直前は混雑するため、早めに検討してほしい」と呼び掛けています。

 黄熱の日本国内発症例は近年ありませんが、蚊がウイルスを媒介し、感染から数日で発症します。世界保健機関(WHO)によると、熱帯アフリカや南米など44カ国で流行し、死者は年3万人と推計されています。

 ブラジルでは、入国する際に予防接種国際証明書(イエローカード)は求められていないものの、WHOでは、サンパウロなど沿岸の一部地域を除く流行地域に渡航する場合には予防接種を推奨しています。

 厚労省によると、6月24日(現地時間)にコロンビア戦が予定されるクイアバが流行地域に含まれます。14日にコートジボワール戦が予定されるレシフェ、19日にギリシャ戦が予定されるナタールは対象外。ブラジルから他国へ向かう場合、予防接種国際証明書がないと入国できないこともあります。

 また厚労省は、黄熱以外にも、日本に常在しない疾患や発生がまれな疾患がブラジルで発生していることから、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病などの予防接種も併せて勧めています。これら複数のワクチンを接種する場合、数カ月かかる場合もあるため、早めの予防接種が推奨されています。

 接種料金は約1万円で、生ワクチンのため接種後4週間はほかのワクチンを接種できません。予防接種国際証明書は接種の10日後から10年間有効。

 厚労省はブラジルへの渡航注意事項を検疫所(FORTH)のホームページ(http://www.forth.go.jp)に掲載。ブラジルへの渡航予定者に向け、早めの黄熱予防接種を呼び掛けるリーフレットも作成しており、今後、旅行関係の団体などを通じて周知を図っていきます。

 2014年1月5日(日)

 

■冷凍食品に農薬、新潟と山形などでも消費者に症状 マルハ系工場を現場検証

 マルハニチロホールディングスの連結子会社アクリフーズが群馬工場(群馬県大泉町)で製造した冷凍食品から農薬「マラチオン」が検出された問題で、群馬県警は4日、工場内を実況見分しました。

 同工場製の冷凍食品を昨年12月に食べた新潟市の8歳と1歳の姉妹が発熱や嘔吐の症状を訴えたほか、山形県の消費者や松山市に帰省中の22歳の男子学生が腹痛や下痢症状などを訴えていたことも判明。群馬県などが状況を調べます。

 殺虫剤などとして使われるマラチオンが工場内で使われておらず、検出濃度も高いことから、群馬県警は何者かが意図的に混入した業務妨害の疑いがあるとみて本格的な捜査に着手。捜査員約50人が午前9時ごろ、工場内に立ち入って製造ラインや流通過程を中心に調べました。

 群馬県警はすでに工場関係者から事情を聴き、会社側が任意提出した商品の鑑定などを進めています。

 新潟市によると、姉妹は「とろ~りコーンクリームコロッケ」を昨年12月16日から20日に毎日1個ずつ食べました。17日から26日にかけて発熱するなどしたため、30日に病院を受診したが軽症です。

 山形県で下痢症状を訴えた人は12月中旬に「えびとチーズのグラタン」を食べ、約1時間後に下痢になったと説明。1月1日に保健所に届けました。

 アクリフーズによると、4日までに農薬が検出されたのは、昨年10月4日から11月5日に3つのラインで別々に製造したピザやコロッケなどの7商品9袋。工場内の同じ部屋で包装し、群馬県外の3カ所の倉庫に分けて保管後、スーパーなどへ出荷されました。

 最も高い濃度は、東京都内で販売されたコロッケで、残留農薬基準の150万倍に当たる1万5000PPMを検出しました。工場は農薬が検出された12月27日以降、操業を停止しています。

 群馬県警の実況見分の開始を受け、マルハニチロホールディングスとアクリフーズは4日、「捜査に全面的に協力しつつ、事故の原因究明を急ぎ、早期に再発防止策を策定したい」とする談話を発表しました。

 両社は社内に調査委員会を設置。4日から群馬工場の全従業員約300人の聞き取り調査をし、職場環境や個々の業務内容を調べるとしています。

 2014年1月4日(土)

 

■花粉シーズンは北海道・釧路へ 東京発着の避粉滞在ツアー増加

 冬から春にかけてスギ花粉症の懸念がない「避粉」を前面に打ち出した北海道の釧路市への滞在型ツアーが、東京などの旅行会社3社から売り出されました。ほかに2社が検討中で、昨年の1社からの増加に長期滞在者誘致を進める釧路市などの関係者は期待を膨らませています。

 販売しているのはエイチ・アイ・エス(HIS、東京都)、オリオンツアー(東京都)、北海道ツアーズ(札幌市)。いずれも東京発着で企画を提案した釧路プリンスホテルに宿泊します。HISは出発が今年2月から4月までで2~5泊、オリオンツアーは2、3月で1~10泊、北海道ツアーズも2、3月で4~13泊。料金は5泊の場合で、4万円前後が中心。

 HISは昨年の3、4月にも同様のツアーを組みましたが、利用は10人程度にとどまりました。ただ「一般への認知が進めば需要はある」として、ホームページでの紹介に加え、今回からは店頭にチラシを置くなどPRを強化。

 初参入のオリオンツアーは昨年11月27日の発売からすでに10人以上の予約が入り、「さらに集客を見込むことができそう」と上々の手応え。同じく昨年11月27日に発売した北海道ツアーズは「釧路の魅力を高めたい」と、観光バスのサービスを付けました。

 釧路プリンスホテルは「旅行会社がツアーを取り扱うこと自体、釧路にとっての宣伝効果は大きい」と、各社にツアー販売を呼び掛けました。3社のほかに、東京、札幌の各1社が商品化を検討しています。

 釧路市の長期滞在者数は2011年、2012年度と連続で、全北海道で一位。一方で大半が涼しい夏に集中し、秋から春にかけての集客が課題です。釧路市内の不動産業などで作る、くしろ長期滞在ビジネス研究会は「夏以外にも気軽に釧路へ来ることができるツアーが増えたことは、避粉などをアピールしてきた成果」と歓迎しています。

 2014年1月3日(金)

 

■回収対象のマルハニチロの冷凍コロッケを食べ嘔吐 鳥取県の男性

 食品大手のマルハニチロホールディングスの連結子会社のアクリフーズが生産した冷凍食品から農薬の一種が検出された問題で、自主回収の対象となっているコロッケを食べた鳥取市の男性が嘔吐(おうと)などをしていたことがわかりました。

 この問題は、アクリフーズの群馬工場で生産された一部の冷凍食品から、農薬のマラチオンが検出されたもので、現在、商品の自主回収が行われています。

 鳥取県の2日の発表によりますと、12月31日、鳥取市に住む40歳代の男性から自主回収の対象になっている冷凍食品を食べて嘔吐したと、鳥取保健所に連絡。県が残っていた袋から回収対象の商品と確認しました。

 同県によりますと、男性は、12月24日の夜に群馬工場で製造された「とろーりコーンクリームコロッケ」8個入り1袋を食べ、翌25日朝になって吐き気で目が覚め、3回ほど嘔吐したほか、体がだるいなどの症状が出たということです。男性はその日のうちに体調が回復し、病院には行っていないとしています。

 同県が聞き取り調査をしたところ、男性は12月23日に鳥取市内のスーパーで購入。賞味期限は今年10月31日までのもので、味やにおいに異常はなかったということですが、男性が8個すべてを食べているため農薬が混入していたかどうかはわからないということです。また、男性は、別の会社の冷凍食品のコロッケなども一緒に食べていたということです。

 鳥取県ではウェブサイトなどを通じて、対象の商品が手元にある場合はすぐに返品するよう呼び掛けています。

 2014年1月2日(木)

 

■細胞医薬品、兵庫の医薬品メーカーが初申請へ 骨髄移植の副作用を抑制

 医薬品メーカーの「日本ケミカルリサーチ」(兵庫県芦屋市)は12月29日、骨髄から取り出して培養した幹細胞を「医薬品」として製造、販売するための承認申請を年度内に出すことを明らかにしました。細胞を医薬品として申請するのは国内初だと説明しています。

 細胞の医療への利用は、国が将来有望な産業分野として、2014年秋に施行される改正薬事法(医薬品医療機器法)で推進する方針。iPS細胞(人工多能性幹細胞)を始めとする再生医療製品の普及に向けた先行事例となりそうです。

 日本ケミカルリサーチによると、今回の幹細胞は、白血病などの治療のために他人の造血幹細胞を移植された患者に起こる「移植片対宿主病(いしょくへんたいしゅくしゅびょう、GVHD)」の治療に使用します。移植された骨髄などの中の免疫細胞が患者の体を「異物」とみなして攻撃してしまう病気で、日本造血細胞移植学会によると年間約1200人が重い移植片対宿主病を発症。このうち約500人は治療薬が効かず、死に至ることがあります。

 同社は、この攻撃を抑えるタンパク質を出す特殊な幹細胞を、健康な第三者の骨髄から採取。培養で大量に増やし、凍結保存しておきます。必要な時に解凍し、患者の体に点滴で投与すると、幹細胞から出るタンパク質が免疫細胞による攻撃を抑えます。

 経済産業省によると、同様の治療用細胞はカナダとニュージーランドで承認されています。日本ケミカルリサーチは2014年中に臨床試験を終える予定で、2015年にも売り出したい考えといいます。

 2014年1月1日(水)

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