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健康ダイジェスト

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■スイス社の新型インフルワクチン解約、違約金92億円

 新型の豚インフルエンザの輸入ワクチンについて、厚生労働省は28日、ノバルティス社(スイス)と契約した輸入量の3割を解約することで合意したと発表しました。

 購入契約を結んだ同社ともう1社のグラクソ・スミスクライン社(イギリス)への支払いは違約金も含めて約853億円に上りますが、すでに納入されたワクチン6694万人分(健康な成人換算)の4分の1が使用期限切れで廃棄される見通し。

 解約するのは、ノ社から購入を予定していた2500万人分のうち、まだ国内に納入されていない838万人分。厚労省は解約に伴って約92億円の違約金を支払います。

 一方、ノ社は今回の解約に際し、今後4年間に別の新型インフルによる世界的大流行(パンデミック)が起きた場合、4000万人分の供給枠を日本に対して確保することを約束したといいます。

 厚労省は昨年10月、新型インフルエンザの流行に備え、ノ社やグ社と計9900万人分の輸入契約(約1126億円)を結びました。しかし、感染が下火になりワクチンの需要が低下。ノ社が納入した1662万人分のうち、5月末で1301万人分の有効期限が切れて使用できなくなりました。6月末には、残り361万人分の有効期限も切れ、廃棄されるといいます。

 多くの専門家は、昨年の新型インフルエンザの第2波が秋以降にくると予測しています。世界保健機関 (WHO)は、季節性インフルエンザ用のワクチンに新型用のワクチンをミックスしたものを製造するように各国に勧めています。

 そのワクチンの接種が日本で始まるのは10月ごろ。今年は注射を1度すれば、新型と季節性の両方の免疫がつけられます。

 2010年6月30日(水)

 

■唾液を調べ、がんを発見する新技術 日米チームが開発

 唾液に含まれる成分を調べ、がんを発見する技術を、慶応義塾大先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)と米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)が共同で開発しました。唾液の検査は、X線や血液の検査より患者の体への負担が小さく、実用化されれば症状が出にくいがんの早期発見につながる可能性があります。

 共同研究チームは、がん細胞が正常な細胞に比べて速く増殖する影響で、唾液中の物質が変化することに注目。UCLAが、膵臓がん、乳がん、口腔がん患者や健常者ら215人の唾液を集め、慶応大がそれぞれのがんに特徴的な物質を探しました。検出された約500種類の糖やアミノ酸などのうち、膵臓がん患者はグルタミン酸の濃度が高いなど、健常者に比べ濃度が高かったり低かったりした54物質を特定しました。

 これらの物質の特徴を組み合わせた解析で、がん患者を対象に、がんが判別できる精度を調べました。この結果、膵臓がんの99パーセント、乳がんの95パーセント、口腔がんの80パーセントを見分けられました。年齢や性別、人種の差は、あまりありませんでした。

 膵臓がんの多くは、早期段階では特徴的な症状がない上、他の臓器に囲まれているために見付けにくく、進行して見付かります。実用化のためには、がんと診断されていない人を対象にした試験や、唾液の状態による影響、早期がんの患者にも有効なのかの確認など、さらなるデータの蓄積と検証が必要になるといい、より安価で簡便に検査できる機器の開発に取り組むとしています。

 この分野に詳しい静岡県立静岡がんセンター研究所の楠原正俊医師は、「唾液のような液体に含まれる物質を一度に何百種類も分析できる方法自体が画期的。既存の血液による検査方法では早期がんの検出は難しい。早期がんが発見できるかに注目していきたい」と話しています。

 研究結果は28日、オランダで開かれているメタボローム国際学会で発表されました。

 2010年6月29日(火)

 

■インスリン維持の機構解明 化学物質のセロトニンが作用

 妊娠に伴い、血糖値を下げるインスリンの効果が低下しますが、インスリン分泌細胞が増えて血糖値上昇を抑えています。この細胞増殖は化学物質「セロトニン」の作用によることをマウス実験で解明したと、綿田裕孝順天堂大教授と弘前大など日米のチームが27日付米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表しました。

 細胞が十分に増えないと、妊娠糖尿病などになる恐れがあります。セロトニンは人間や動物の体内にあり、消化管の運動や精神活動への作用が知られています。綿田教授は「セロトニンの働きを促進させることで妊娠糖尿病の治療法になる可能性がある。インスリンの分泌低下や肥満などで起きる2型糖尿病の治療にもつながるかもしれない」と話しています。

 綿田教授らは、妊娠期のマウスでは、インスリンを分泌する膵臓のベータ細胞で、セロトニン合成酵素に関係する遺伝子がよく働いていることを見付けました。

 培養したベータ細胞にセロトニンを投与する実験で、ベータ細胞が増殖。また、妊娠期のマウスにセロトニンの働きを抑える薬を投与すると、ベータ細胞が増えず血糖値が上がりました。

 2010年6月28日(月)

 

■薬局・薬店の半数、大衆薬販売の規定守らず

 厚生労働省は、昨年6月の改正薬事法施行で導入された一般用医薬品(大衆薬)の新たな販売方法について、定着状況の調査結果を発表しました。副作用のリスクの程度によって区分した1~3類のうち、リスクが高い第1類医薬品は薬剤師が文書を使って必要な情報を提供することを義務付けていますが、規定通り販売している店は50・5パーセントにとどまり、説明自体を怠っていた店も19・8パーセントありました。

 調査は今年1~3月、全国の薬局・薬店から抽出した3991店を対象に、民間業者の調査員が一般客を装って購入する覆面調査形式で実施。

 第1類医薬品の購入時の説明があった店でも、「口頭のみでの説明だった」が22・5パーセント、「文書を渡されたが詳細な説明がなかった」が7・1パーセントに上りました。説明したのは70・4パーセントが薬剤師でしたが、名札未着用で資格不明が23・4パーセントでした。第1類医薬品の販売資格がない登録販売者が対応したケースも、3・3パーセントありました。

 改正薬事法では、副作用のリスクが比較的低い第3類医薬品以外の通信販売を禁止しています。インターネットで「通信販売」と「医薬品」のキーワードで検索して表示された店上位5件と下位5件の計10件を対象に、電話などで1、2類の購入ができるか調査した結果、6件で購入できました。

 厚労省は、「調査時期が施行から半年程度で、十分徹底されていない店も目立った。適切な販売をしていない店には、都道府県を通じて指導する」としています。

 2010年6月27日(日)

 

■遺伝子変異の肺がん治療 イレッサが女性に高い効果

 肺がんの治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)を使った治療法が特定のタイプの患者に対して、従来の抗がん剤治療に比べて大きく効果があることが、東北大など国内約50施設で行われた臨床試験でわかりました。このタイプは日本人、特に女性に多く、遺伝子診断で対象者を事前に絞れるため、患者はより効果の高い治療を受けられるようになりそうです。

 イレッサは2002年に、世界に先駆けて日本で初めて承認されました。アジア人、特に喫煙との関連が低い女性の肺腺がん患者によく効くと指摘される一方で、承認直後は副作用の間質性肺炎による死亡者が相次ぎ、社会問題となっていました。

 イレッサは、がんの増殖にかかわる上皮成長因子受容体(EGFR)と呼ばれる遺伝子に変異がある、進行性のがん患者に効果があると考えられていました。ただ、遺伝子診断に基づき、投与する患者を限定した場合の有効性を裏付ける十分な研究がありませんでした。

 研究グループは、06年3月から09年5月にかけて、EGFR遺伝子に変異がある進行性の肺がん患者230人(20~75歳)を、最初からイレッサだけを使う患者と、従来の化学療法を受ける患者に分け、大規模な臨床試験を進めました。

 腫瘍が大きくならずに安定している期間を比べると、イレッサを使った患者は平均10・8カ月間、化学療法の患者は5・4カ月間で、大きく差が出ました。平均生存期間は、従来の抗がん剤投与のみでは1年程度でしたが、イレッサ投与の患者は2年半。最初に抗がん剤を投与し、次にイレッサに切り替えた場合でも2年近く生存したといいます。

 日本人の肺がん患者は、約3割にEGFR遺伝子に変異があり、50歳以下の女性に限ると半数以上に上ります。ただ、日本肺癌(がん)学会が05年に作成した指針では、イレッサを治療の最初から使うことは推奨されておらず、現在改定が進められています。

 研究グループは、「遺伝子変異のある患者にイレッサを用いる個別化治療の有効性が示された。QOL(生活の質)の点からも、今後は進行性肺がんの第一選択薬となる」と指摘しています。

 研究成果は、医学系米学術誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン電子版に掲載されました。

 2010年6月26日(土)

 

■向精神薬の処方に注意喚起 厚労省「自殺につながる」

 抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬など「向精神薬」の飲みすぎが自殺につながっている可能性があるとして、厚生労働省は24日、日本医師会や精神科病院の団体などに対し、自殺の危険性がある患者には長期、多量に処方しないよう呼び掛ける通知を出しました。

 通知は、年間の自殺者が3万人を超える中「自殺の恐れがないか判断し、投与の日数や量に注意する必要がある」としています。

 厚労省研究班が今年3月にまとめた、76例を対象とした調査によると、自殺前の1年間に精神科や心療内科の受診歴があった人のうち57・8パーセントが自殺の際に、治療目的で処方された向精神薬を大量に飲んでいました。

 同省の担当者は、「精神科医は患者に漫然と薬を出さず、自殺の危険性があると判断した場合は薬を小分けにして処方するなどの対策を取ってほしい」としています。

 2010年6月25日(金)

 

日焼けマシンの発がんリスク 利用者の7割が「知らない」と回答

 人工の紫外線を肌に照射して日焼けする「日焼けマシン」について、東京都が全国初の実態調査を実施しました。利用者のうち、日焼けマシンがたばこやアスベストと同レベルの発がん性を持つことを「知らない」と回答した人が7割に上り、その安易な利用実態が明らかになりました。

 また、使用後に体調不良や痛みを感じるなどした人が約2割、やけどや脱水症状、目に傷害を受けた人も2パーセント以上いたことが判明しました。

 都によると、日焼けマシンは全国に約5000台あり、うち約1200台が都内に設置されているといいます。調査は、特に日焼けマシンが集中する首都圏1都3県の小学生以上を対象に行われ、利用経験者の男女1000人を抽出し、アンケートを実施。

 初めて日焼けマシンを利用した時期は、20歳代が約47パーセントと最多で、次いで10歳代が約25パーセントでした。被害者の中には、全身やけどと脱水症状で救急搬送された女子高生など、全治1カ月以上のやけどや入院を余儀なくされた重傷者もいたといいます。

 世界保健機関(WHO)は平成17年、日焼けマシンの18歳未満の使用を禁止するよう警告。国際がん研究機関も昨年、日焼けマシンの発がんリスクをたばこやアスベストと同じ最も危険性のあるグループに引き上げており、欧米各国では法規制が進んでいます。

 一方、都の担当者によると国内では「野放し状態」で、日焼けマシンの大半が外国製のため日本工業規格(JIS)さえ受けていないといいます。国内で唯一、利用ガイドラインを定めた「日本セーフティ・タンニング協会」の加盟店も、日焼けマシンがある全国約1000施設のうち54施設にとどまっています。

 都は「国に日焼けマシンを所管する省庁がないことが問題」とし、国にガイドラインの作成や利用者への啓発を提案しました。

 2010年6月24日(木)

 

■高校生の喫煙経験率、5年で半減して約6パーセント

 高校生の喫煙経験率が2004年の約14パーセントから5年間で半分以下の約6パーセントに減っていることが、岐阜薬科大、兵庫教育大などによる3万人規模の全国調査でわかりました。

 喫煙の害への認識が社会全体で強まっていることが、反映しているようです。飲酒や違法薬物使用の習慣も、減っていました。

 勝野真吾・岐阜薬科大学長(社会薬学)らが昨年10月から今年1月にかけて、全国から抽出した高校にアンケートしました。59校の約2万9000人から回答があり、04年と06年の各約4万人の調査と比べました。

 今回の調査までの1年間に喫煙経験があると答えた高校生の割合は6・4パーセントで、04年の14・4パーセント、06年の10・7パーセントから大きく減少。飲酒経験の割合は43・1パーセントで、こちらも04年の62・8パーセント、06年の55・5パーセントから減っていました。

 違法薬物の経験率は04年の1・3パーセントが06年には1・6パーセントに増えましたが、今回は0・74パーセントに減少。シンナーや大麻の使用を誘われた経験も04年、06年に比べ半減していました。英米独仏など欧米の同年代を対象にした同様の調査では、大麻の経験だけで20パーセントを超えており、日本は薬物乱用の予防対策が非常にうまくいっているといえます。

 勝野学長は「社会全体が喫煙に対し厳しくなっていることや、教育やキャンペーンが効果を挙げていると考えられる。だが、経験率が減って社会の関心が薄れると再び増える傾向があり、油断はできない」と話しています。

 2010年6月23日(水)

 

■精神障害による労災の請求件数、2009年度は過去最高

 神奈川県内で2009年度に、仕事上のストレスなどが原因で、うつ病などの精神障害を発症して労災請求した件数が急増し、全国統計を取り始めた2000年度以降、過去最高となったことが神奈川労働局のまとめで判明しました。

 全国でも精神障害の請求件数は前年度比209件増の1136件で、過去最多を記録。神奈川県は東京都、大阪府に次いで、全国3番目の件数を数えました。目立ったのは働き盛りの30歳代が発症し、労災認定されるケース。

 09年度の県内の精神障害などの労災請求件数は94件で、前年度比18件の増。05年度の49件のほぼ倍にまで膨らみました。このうち自殺(未遂も含む)は10件で、前年度より1件増えました。

 請求のうち、労災と認定された件数は15件で、認定率は20・3パーセント。前年度より3件減少し、認定率も5・4ポイント下がりました。

 認定を業種別でみると、「製造業」「卸売・小売業」「その他の事業」が3件ずつ。「医療、福祉」が2件で、「建設業」「運輸業」「情報通信業」「飲食店、宿泊業」が各1件でした。職種別では「専門的・技術的職業従事者」の5件が最多、年齢別では30歳代が8件で、前年度に比べて6件増と急増し、29歳以下が3件と続きました。08年度に最多だった40歳代は5件減の2件でした。

 一方、残業など長時間労働による脳・心臓疾患の請求件数は72件で前年度比10件減、うち労災認定されたのは30件で前年度比2件減。認定率は45・5パーセントで、前年度比0・4ポイント増でした。

 脳・心臓疾患の認定を業種別で分けると、「その他の事業」の8件が最多。職種別では「管理的職業従事者」が8件、年齢別では30歳代、40歳代の各8件が最も多くなりました。

 2010年6月22日(火)

 

■肉食少ないと骨折危険3倍 東北大、高齢者調査で

 食生活が野菜などに偏って肉類をあまり食べない高齢者が、寝たきりにつながる転倒骨折をする危険は、そうでない人に比べて3倍近く高くなるとの調査結果を、東北大の研究チームが21日までにまとめました。

 調査は2002~06年、仙台市に住む70歳以上の男女877人を対象に実施。それぞれ「野菜食」「肉食」「日本食」などの食事パターンを把握した上で、骨折の有無などを継続調査しました。

 調査に当たった岩崎鋼准教授(漢方内科)によると、4年間に交通事故などを除く転倒骨折をしたのは877人中28人。食生活と骨折の関連性を解析したところ、野菜を毎日のように頻繁に食べるが肉類はほとんど食べない「野菜食」の人の骨折リスクは、そうでない人に比べ2・7倍高めでした。個々の食品で見ると、野菜でも淡黄色野菜は若干骨折リスクを 減らすのに対し、海草や根菜類は若干増加させる、菓子類の食べ過ぎは骨折リスクを高めるなどの結果も得られました。

 逆に、2日に1回程度は肉類を食べる「肉食」に当てはまる人の骨折リスクは、肉をあまり食べない人よりも2・8倍低めでした。

 欧米では肉食中心の食生活は骨密度を下げるとする調査が多いといい、岩崎准教授は「意外な結論だが、欧米に比べて日本の高齢者は肉類の摂取量が少ないためかもしれない。野菜に偏りがちな人は、意識的に肉類を食べるようにしたほうが望ましい」としています。

 2010年6月21日(月)

 

■眠れてますか? 睡眠状態を測る睡眠計を発売

 体脂肪計や尿糖計などユニークな商品の開発で知られるタニタ(本社・東京)が、今度は、人の眠りの状態を測る「睡眠計」を開発しました。

 「睡眠計」は、布団の下に敷いて使用し、組み込んだ圧力センサーで、脈拍や呼吸の数、体の動きを寝ている間に測定。専門機関の検査データを基に眠りの深さを判定し、時系列データや点数化した総合評価を示します。日々の記録をグラフで表示し、眠りの傾向を把握することもできるといいます。

 発売は6月末で、定価は税込み3万6750円。一般家庭のほか、医療施設や介護施設、運転手の健康管理に使いたいという運輸業界向けに、初年度1万台の販売を見込みます。

 一方、タニタでは、消費カロリーを詳しく測る「活動量計」も、小型化し、外装にアルミを使ってデザインもよくした2号機を6月初めから売り出しています。「活動量計」は、携帯電話などに使われる3軸加速度センサーで体の動きを細かく検知し、消費カロリーを測ります。衣服の胸ポケットなどに取り付けて使用。

 昨年4月に売り出した1号機は、目標の倍以上の8万6000台売れました。2号機の店頭の想定価格は8000円程度で、年6万台の販売を見込みます。

 タニタは老舗の計測器具メーカー。約50年前に体重計や食品用はかりを開発し、1992年に世界で初めて体脂肪計を発売しました。今回の「睡眠計」の発売で、健康志向の家庭の需要をがっちりつかむ戦略です。

 2010年6月20日(日)

 

■ピロリ除菌の治療、保険適用の対象が拡大

 胃がんとのかかわりが深いとされる胃粘膜細菌ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の除菌治療について、厚生労働省は18日、保険適用の対象範囲を広げる通知を都道府県などに出しました。

 従来は胃潰瘍と十二指腸潰瘍の患者に限られていましたが、除菌治療に使う15種類の医薬品に、新たな効能・効果が承認されたのに伴うもの。新たに保険適用されるのは、悪性リンパ腫の「胃MALTリンパ腫」や難病の「特発性血小板減少性紫斑病」の患者と、早期胃がんに対する内視鏡の治療を受けた患者。

 ピロリ菌は胃の粘膜にいて、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こすとされます。日本ヘリコバクター学会は、薬による除菌治療が胃がんの予防に役立つとして、保険適用の拡大を厚労省に要望していました。

 従来は除菌前の検査や、薬による除菌治療に公的な医療保険が使えるのは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者に限定されていました。

 2010年6月19日(土)

 

■ワインの成分で勃起障害を改善? 大阪大がラットで確認

 ブドウの皮や赤ワインに含まれるポリフェノールの一種の「レスベラトロール」に、男性器の勃起障害(ED)を改善する効果があることを、大阪大の研究チームがラットを使った実験で突き止めました。血管を広げる作用がある一酸化窒素を作るのを促し、血流が増加すると考えられるといいます。

 大阪大大学院生の福原慎一郎さんらは、ラットを糖尿病で性器が十分に勃起しなくなるようにして、レスベラトロールの粉末を4週間飲ませました。その後、電気刺激を与えて性器の変化を調べると、正常なラットの半分ほどに減っていた性器の海綿体への血流が8割ほどに改善しました。

 レスベラトロールとともに性機能改善薬のバルデナフィル(商品名レビトラ)を与えたラットでは、相乗効果で正常な場合の1・2倍の血流に増えました。

 レスベラトロールは近年、認知症の改善などに効果があるとして注目されています。研究チームの辻村晃講師は、「人の勃起障害を改善するかは不明だが、ワインを飲み過ぎるとアルコールによる逆の影響の恐れもある」と話しています。今後、動脈硬化の予防や改善の効果についても調べたいといいます。

 国内外の動物実験の段階では、天然の抗酸化物質であるレスベラトロールには、血小板の粘つきを軽減し、通りやすく弾力のある血管を保つのに役立つことがわかっています。そのほか、がんの進行を妨げる、抗炎症作用がある、肥満による悪影響が減少する、寿命が延びるなどという研究結果も報告されています。

 2010年6月7日(月)

 

■そううつ病への理解求め患者会設立 作家らが講演

 そううつ病(双極性障害)への幅広い理解や当事者同士の相互扶助、治療対策の推進などを目指す患者団体「NPO法人日本双極性障害団体連合会」が設立され、東京都内で5日、記念の講演会が開かれました。

 芥川賞作家の絲山秋子さんは、自身の体験談を披露。症状を認識するために「自分で指標を作るといい。病気は人生の一つの経験」とアドバイスし、「体調はコントロールするもの、時間は自分が管理するもの。これらができればもうちょっと病気が楽になると思う」と述べました。

 そううつ病を世に知らしめた作家・北杜夫さんの長女で、エッセイイストの斎藤由香さんは、北さんを中心とした家族の生活風景をユーモラスに紹介。「家族は振り回されたが、父を嫌いになったことはない。父は『病気は必ず治るものだ』といつもいっています」と語りました。

 講演会には、首都圏を中心に当事者や家族ら約180人が参加。当事者らの質問に応じる座談会や、当事者の体験発表もありました。

 2010年6月6日(日)

 

■自殺率、がん死亡率、秋田県が全国ワースト 09年人口動態統計

 厚生労働省の2009年の人口動態統計(概数)で、秋田県の自殺率が10万人当たり38・1で前年より1ポイント増加し、15年連続で全国ワースト1になったことがわかりました。

 秋田県は自殺以外の10万人当たりの死因別死亡率でも、がん、心疾患、脳血管疾患の三大死因のうち、がんが366・6(全国平均273・4)で11ポイント増加し、全国ワースト1となりました。脳血管疾患が156・8(同97・2)で2番目、心疾患は196・5(同143・5)で6番目に高い順位になりました。がんの死亡率ワースト1は13年連続。三大死因の死亡総数は7869人で、全死者数1万3866人の56・8パーセントを占めました。

 このほかの死因では、交通事故や屋根からの転落といった不慮の事故が52・9で全国ワースト1。肺炎が135・2で全国で2番目、腎不全が27・8で3番目に高い順位になりました。

 出生数は7013人で、前年に比べ408人減少。1000人当たり出生率も6・4(全国平均8・5)と0・3ポイント減少し、全国最低でした。死者数は前年比228人増、1000人当たり死亡率は12・7(全国平均9・1)で全国最高。出生率から死亡率を引いた自然増減率はマイナス6・3で前年に比べ0・7ポイント後退し、全国で最も高い減少率となりました。

 佐竹敬久知事は、「大変残念な結果。一昨年から昨年にかけての(不況による)雇用整理も影響していると思う。今後は雇用、経済対策に重点的に取り組む一方で、 自殺予防の施策をより広範囲に進めたい」と話しました。

 2010年6月5日(土)

 

■免許証で臓器提供の意思表示 警察庁導入へ

 警察庁は3日、運転免許証の裏面に臓器提供する意思の記入欄を設けると発表しました。7月17日に本格施行される改正臓器移植法で、臓器提供の普及拡大策として免許証に意思表示ができるようになることに伴って同日、道交法施行規則を改正し、新設します。

 現在の免許証の在庫がなくなってから本格導入され、秋口から徐々に全国に広がる予定。

 同庁によると、現在の免許証の裏面には、臓器提供の意思の有無などを示すシールを張る欄があり、1999年1月から希望者には警察署でシールを提供していますが、あまり普及していません。新様式の免許証では、裏面の備考欄を減らし、空いたスペース◯印で囲んで意思表示する欄を設けます。

 また、免許証の表面にあった本籍欄をなくします。2007年から導入され、現在は全都道府県に行き渡ったICカード免許証は、ICチップに本籍地情報を記録し本籍欄に文字記載をせず空白になっています。新様式の免許証では、本籍欄そのものが削除されます。

 2010年6月4日(金)

 

■梅干しにインフル抑制効果 和歌山県立医科大が新成分を発見

 和歌山県立医科大の宇都宮洋才准教授(病理学)と、国立和歌山高専の奥野祥治助教(天然物化学)が1日、梅干しから抽出された新発見の化合物に、インフルエンザウイルスの増殖を抑える効果があることを確認したと発表しました。

 宇都宮准教授らは、和歌山県内の梅加工業者5社からの寄付で、梅が健康に与える効果について研究しています。今回、見付かったのは、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種「エポキシリオニレシノール」。

 新型インフルエンザと同じ「H1N1型」のウイルスに感染させた培養細胞に新化合物のエキスを加え、約7時間後、化合物を加えなかった培養細胞と比較した結果、ウイルスの量が約10分の1になりました。1日に梅干し5個(約100グラム)分の化合物を摂取すれば、インフルエンザにかかりにくくなる効果が見込めるといいます。

 今後は、「エポキシリオニレシノール」に親しみやすい愛称を付け、商標登録することも検討。サプリメントの成分として売り出すことや、梅に含有量を表示して販売促進にも活用できる可能性が出てきました。宇都宮准教授は、「抑制のメカニズムは今後の研究課題。学術的に全く報告のない化合物で、いろんな可能性を秘めている。ほかのウイルスに対しても効果があるのか、研究を重ねたい」と話しています。

 梅産地の小中学校では、新型インフルエンザ流行時に梅干し加工時に出る梅酢を感染予防のうがいに用いました。寄付をした1人、南紀梅干の細川清社長(59)は、「梅干しは体にいいと昔からいわれてきたが、具体的な成果が出たことで、梅干しの消費拡大につながるのでは」と期待しています。

 2010年6月3日(木)

 

カロリーを25パーセント抑えた無菌米飯 エスビー食品が新発売

 健康意識が高まる中、カロリーオフ商品への期待に対応して、エスビー食品(東京都)は6月7日に、無菌米飯市場で初となるカロリーオフ商品「こんにゃく生まれの素材入りごはん」を新発売します。

 精白米に、こんにゃく粉、でんぷんなどを米状に成型した素材を30パーセント配合し、通常の米飯より25パーセントカロリーを抑えることを実現。製品160グラム当たり201キロカロリーとなります。希望小売価格(税別)は179円。

 エスビー食品は、「電子レンジ2分で手軽にお召し上がりいただけます。また、通常の炊飯よりやや柔らかめに炊き上げることにより、こんにゃくの触感を違和感なく召し上がっていただけます」と発表しています。

 無菌米飯市場は、食への健康意識が最も高いシニア層を中心としたヘビーユーザーに支えられた市場といわれ、 カロリーオフ商品への期待も高いと見なされています。問い合わせ先:(電)0120・120・671

 2010年6月2日(水)

 

■庁舎内の全面禁煙、18道府県どまり 厚労省調査

 厚生労働省は「世界禁煙デー」の5月31日、受動喫煙防止のために都道府県本庁舎の建物内をすべて禁煙としているのは47都道府県のうち18道府県だったと発表しました。

 同省は、多くの人が利用する公共施設を原則「全面禁煙」にするよう求める通知を2月に出していますが、約6割の29都県は庁舎内に特定の喫煙場所を設ける「分煙」にとどまっていました。屋内を全面禁煙とした18道府県のうち、大阪府は唯一、屋外も含めて敷地内すべてを禁煙としていました。

 長浜博行厚労副大臣は会見で、「十分に満足できる状況ではない。受動喫煙にならない環境を作るよう指導していきたい」と話しました。

 世界保健機関(WHO)が定めた世界禁煙デーは、たばこと健康の問題について関心と理解を深める日とされています。また、厚労省では、世界禁煙デーに始まる5月31日から6月6日までの1週間を「禁煙週間」と定めています。

 2010年6月1日(火)

 

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