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結局、認知症の治療で主体となるのは、薬物療法によって進行をできるだけ抑制しながら、心理社会的療法を積極的に行うことで残された認知機能を維持し、認知症の人のQOL(生活の質)を低下させないケアが主体となります。
この心理社会的療法では、認知症の人に対するアプローチと同時に、家族や介護者に対するアプローチも併行して行われます。
認知症を発症しても、薬物療法と心理社会的療法による早期治療によって、脳の代償機能と呼ばれるメカニズムが働くようにすることができれば、残された認知機能は維持され、社会生活機能を保つことは可能です。
脳にはもともと、ある部位の機能が失われても、他の障害されていない部位の神経細胞がその機能を補うように働く代償機能が備わっており、たとえ脳の病変があったとしても、代償機能が働くことで発症を抑えたり、症状の進行を抑制することが可能なのです。
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