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アルツハイマー型認知症などの変性性認知症や、脳血管障害が原因の血管性認知症などほとんどの認知症では、治療によって病態そのものの進行を改善することはできず、現段階ではさまざまな治療法により進行を抑えることしかできません。
近年、認知機能改善薬としてドネペジル(商品名:アリセプト)が開発され、アルツハイマー型認知症を中心として効果が期待されていますが、中核症状となっている狭い意味の認知機能低下、つまり記銘力・記憶力の際立った低下、見当識障害は、薬によって進行を遅らせることはできても、完全には治りません。
認知症の発症者は中核症状のみならず、不眠、自発性低下、意欲減退、不安、焦燥、うつ状態、発語減少、情緒障害、幻覚、妄想、異常行動などの周辺症状を呈すことがありますので、その際は適宜、睡眠薬、抗うつ薬、抗精神病薬、抗てんかん剤などの対症的な薬物療法が有効なこともあります。
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