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そこで、頭のボケを防ぐために、誰もが自分でできることとして、手のひらを鍛錬するのも一つの効果的な方法である。
お寺の和尚が念仏を唱える時に、数珠を手のひらでもむ。それはお経をありがたくするということだが、手のひらを鍛錬してボケを防ぐということが、その中にちゃんと入っているのだ。
中国の気功術の手始めも、両手の手のひらをこすり合わす。そろりそろりと手のひらを離すと、両手のくぼみの間に「気」が通う。これが気功の第一課だといわれている。
そして、両指先を動かす末端運動もボケの予防になる。なぜなら、血液の循環は心臓の鼓動による力ばかりでなく、血管、ことに毛細管の末端にある動脈系と静脈系を結びつけるグローミーというものの働きが、同時にその原動力となっているというが、末端の運動はその血液循環をよくするからである。
よく、中国では長寿法の一つとして、クルミを両手に始終持って常に動かすという。これなども結局、手、指先を動かすのがいいということである。使えば使うほどよいのが手と頭である。手の五指ばかりではなく、末端運動の一つとして足の指も動かすのもよい。
また、手のコブシで、コメカミのあたりを軽く叩けば、頭に微震動を与えて、頭の血管やその毛細管を相当に刺激し動かすという作用もある。
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