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●頭も足も使わないと委縮するもの
歩くことの刺激によって、人体の横隔膜の下にある肝臓、胃、腸、脾(ひ)臓、すい臓、膀胱(ぼうこう)、それに女性ならば子宮などの臓器において、停滞している機能が適度にほどけて、働きが活発になる。
すると、横隔膜の上位にある心臓も肺も、同時に機能的に血液の循環をよくし、血液への酸素の供給が盛んになるため、当然、意識はすっきり、気分はさわやかになってくるのである。血液の流れが速くなるので、管にたまった汚れを掃除する。血管が膨張して、若返る。しかも、刺激が強すぎることもない。
歩くことは、基本的に無害なトレーニングであり、運動なのである。この点、運動生理学者も、トレーニングによって体を鍛えられるだけでなく、精神的なストレスも軽減できると保証している。
紀元前四世紀の昔、医学の祖といわれるヒポクラテスが「人間の体は、使うことで開発され、使わないことで弱くなる」といっている通り、人間の肉体はよくできたもので、外界から刺激や緊張などのストレスがかかると、これをはね返そうと働き、体を鍛える。トレーニングの原点はここにある。
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