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運動によって、脳の中に天然の鎮痛剤であるエンドルフィンという物質が分泌される。モルヒネの数百倍とされる効き目があり、不安の痛みを鈍らせ、ストレスの影響を緩和するといわれている。
ある程度走り込んだ長距離選手は、走って二十分ぐらいたつと、急に苦しさがなくなり、周囲の景色が美しく見える。ランナーズハイという一種の恍惚(こうこつ)感で、これも同じストレス緩和現象だ。
走るより軽い歩行でもストレスを軽減できるし、さらに、歩くことによって下半身の筋肉の運動がなされて、腸の蠕動(ぜんどう)運動も順調になる。便秘というものは、腸の蠕動運動が鈍るために起きる現象である。
このように、歩くという単純な運動でも、脳をも含めての内臓諸器官を調整し、強化することになるのである。このことは、とりもなおさず、一切の病苦に対する最良の防衛力を強化する手段となる。
脳卒中のリハビリテーションの権威は、中高年時代に運動を続けていた人は、脳卒中で倒れた場合でも、その機能回復がスポーツゼロ族に比べ、はるかに早いと述べている。
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