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それゆえ、中国の古典には熟語化された「気」が無数に登場するが、まずは漢字の成り立ちと、「気」という字の所出に逆上って観望してみよう。
中国においては「はじめに文字ありき」の感があり、殷代ですでに小学と呼ばれた学校があり、八歳から文字を学んだという。
しかしながら、前三世紀の秦代まで、漢字の字体はきわめて多様であり、始皇帝によって建てられた中国最初の統一国である秦朝にとって、字体の統一は課題であった。秦朝では、字体の模範となる篆書(てんしょ)を作り、これに合わないものを駆逐した。
紀元を挟んでの約四百年、前・後の漢代は空前の隆盛期で、漢朝の領土は拡大し、文化は大いに発達した。文字の使用も多面的になり、秦代の篆書をさらに簡略化して、実用的なスタイルにした隷書が普及する。
この隷書をより簡略化した字体が楷書(かいしょ)であり、現在、日本でいう漢字だ。
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