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輸入に頼っていようと、繁栄した平和日本では飽食を享受している。しかし、今も地球上のどこかで、国と国、民族と民族とが武力抗争を展開し、人間同士が殺りくを繰り返している。また、五十数億の人類のうち、二十億人は必要栄養を満たしておらず、そのうち数百万人は餓死寸前にあったり、栄養失調で生死の間をさまよっている。これが一つの現実なのである。現在の地球は、一方に飽食ありて、一方に餓死ありなのである。
かつて米国政府が発表した報告書「二十一世紀の地球」は、恐るべき未来予測である。人口は六十三億、さらに二〇三〇年には百億人に達し、人口爆発の状態になる。食糧の大半は富める国に流れ、南アジア、中東、アフリカなどの弱貧国の食糧事情は極度に悪化する。国家間の貧富の差は、とみに拡大するという。
六十億、百億の人間が生きてゆくためには、他のあらゆる動物、植物が犠牲になる。
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