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つまり、唾液は生命をよりよく維持していくためにも、重大な役割を果たしているわけだ。人間も唾液が出なくなったり、少なくなったりした場合は、「生命力が乏しくなった、注意せよ」、と危険信号が出されている時なのだ。口中に随時分泌されている適量の唾液に負うところは、実に大きいのである。
こうした何人も知らなかった摂理、私の説に、ようやく最近になって科学の裏づけが得られつつある。
平成二年、農水省の食品総合研究所が、人間の唾液に、動脈硬化や老人性痴ほう症の原因物質として注目されている過酸化脂質や、細胞や遺伝子を傷つける活性酸素の発生を防ぐ効果があることを突き止めたのである。
唾液は、消化や殺菌の働きのほかに、生命保存の著しい効果を持っていることが、生理学的にも証明されたわけだ。
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