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しかし、これは決してアメリカだけの問題ではなく、我が国でもすでに昭和四十年代後半で、睡眠剤の売り上げが三億九千万円から五億に上り、睡眠剤および睡眠作用を有するトランキライザーが、五百五十四種も発売されていたそうである。
それからも、睡眠薬の使用は年々増加の一途をたどり、平成四年には日本全国で約十億錠が処方されたと推定されている。全国民が十錠近く飲んだ勘定になる。
睡眠薬や精神安定剤、アルコールの連用は、レム睡眠を抑制したり、ノンレム睡眠を減少させたりする。このため、睡眠障害を起こし、使用を中止すると、さらに重い不眠を起こすのである。
つまり、睡眠薬服用やアルコール飲用の弊害は、睡眠パターンを変えてしまうことと、習慣性にある。習慣性というと聞こえはいいが、中毒症状を起こすことがあるという意味で、入眠効果を求めるには、次第に睡眠薬やアルコールの量を増やさなければならないということもある。
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