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視床下部はちっぽけでも、支配力は絶対的なのが特徴だ。もし、この視床下部の働きがコントロールできれば、「今週は疲れたから眠るとしよう。仕事は来週回しだ」とか、「この秋は大不作なので、一億総冬眠を実施する」などということも可能になって、世の中は一段と暮らしやすくなろうというもの。
もっとも、「今夜はどうしても眠っては困るんだ」という意志の力によって、睡眠の不変のリズムに抵抗することはできる。仕事や授業の最中に、コックリ、コックリしては上役や先生ににらまれると考えて、必死に眠気と闘った覚えのある人もいるだろう。
ちなみに、これまでの人間の断眠の世界記録は二百六十四時間、実に十一日間で、アメリカの高校生が学校の科学祭で記録したものだという。
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