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血(けつ)というものについて説明を加えれば、血は営気が変化してできたものであるが、この血は「気」とともに、中国医学に特有の二つの要素である。
血とは現象的、生理的には体内を巡る体液の一種としての血液であり、機能としては全身に酸素や栄養、ホルモンなどを提供するほか、感覚や知覚などをつかさどるもので、生命活動の根本といえる。
日本の伝統的な漢方では、中国の「気」と血のほかに、血以外のすべての体液を表す水を加えて、「気」・血・水という三元的な考えが主流であった。
古典では、「気は血を生じる」、「気がゆけば、血もゆく」、「気は血の総帥である」としており、血よりも「気」が上位にあることがわかる。
この「気」と血が、運行通路である経絡(けいらく)の中をバランスよく順調に流れていれば、私たち人間は健康を保証される。
逆に、「気」と血がどこかにとどまり、流れに支障を来せば、そこに痛みが生じ、アンバランスが大きくなれば、百病が生じることになる。それが病んだ「気」であり、病気である。
「気」の医学は、病んだ「気」を回復し、流れを取り戻すことによって、自然のうちに病気を癒すことを目的としている。
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