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昼夜を繰り返す一日に比べ、季節の変化はもっと理解しやすいバイオリズムであるかもしれない。
「荘子」は、戦国時代の道家、荘周の著作で、道家の祖である老子の思想を哲学的に発展させ、巧みなエピソードを用いて、その無為自然の道(タオ)を説いたものである。
この「気」の思想をはじめて体系付けたとされる古典の中には、「四時は気を殊にする」とある。四時とは四季のことであり、四季は「気」の種類が違っているために、移り変わっていくという認識がなされている。
同時に、「気」の種類が四回変わり、一巡りすることを歳(年)としているのである。
大自然の中の「気」については、「荘子」で「雲気を絶ち、青天を負う」、「呂氏春秋」で「地気が上騰し……草木が繁動する」とあり、雲気、地気は自然そのものを表現している。
この大自然を少しばかり拡大し、宇宙にも目をやるとすれば、「気」の範囲は天地ということになる。これを「天地の一気に遊ぶ」、「天気が不和ならば、地気は鬱結(うっけつ)す」などと論じたのは、やはり「荘子」が最初であった。
また、前四世紀の「列子」は老子の説く道を、多くのエピソードによって解説した書物であるが、「天は積もれる気のみ」、「虹(にじ)や雲、霧、風雨、四時などは、積気が天に成りしもの」と述べており、「気」はすでに天地の万物の根源であり、天地を構成する存在として描かれている。
以上見てきたように、中国における「気」の認識は、自分の呼吸や精神の状態から始まり、自然の規則をも包摂するものになっていったわけである。
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