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日本にも、「お斎(とき)の時間を延ばして、思いっ切り空腹にしておけば、香の物だけでもご飯はおいしく食べられる」と説いた、江戸前期の禅僧・沢庵(たくあん)和尚のごちそうという有名な話が伝わっている。
カロリー計算や栄養チェックに神経を使わなくても、食事を取る肉体側に完全吸収、完全燃焼という条件がそろってさえいれば、沢庵や梅干しや豆腐を主にした食事だけでも、もうろくしないで、禅僧のように九十歳、百歳までも生きられる。
山海の珍味も、満腹時には見たくもない。腹いっぱいなのに食べるのは、おいしくないどころか、かえって苦しいものである。
体は本来、素直なものだから、毒物だって口に入れればこなさなければならない。腹も身の内、体こそいい迷惑である。
食事をおいしくいただくコツは、疲れ切らないほどによく働いて、「よくやったなあ」と満足してリラックスし、腹八分目の食事をよく噛むのがよい。
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