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つまり、人間にとって栄養を取ることは必要であり、飲食は本能でもあるが、この飲食には、単にエネルギーの補給とか、味を楽しむというだけではなく、正しい仕方、方法があるのである。
菜食、粗食であれば、食べ物は何を食べてもよいから、量に注意せよ、食べ方に注意せよ。これが、編集子の説く〃正食〃の要領である。
正しい食物を、適量に、よく噛んで食べること。よく噛めば、結果的には小食になる。わかりやすく簡単にいえば、人間は菜食、小食、咀嚼(そしゃく)という三S主義によって、食事を取ればよいのである。
体験しない人には「まさか」と信じられないだろうが、小食で、よく噛むことを長年実践し続けると、空腹に慣れ、いつも胃腸がすっきりしている。何ともいえないさわやかさ。牛飲馬食で、絶えず胃が重くモタモタしている人のちょうど正反対、見事な肉体管理である。
もしも飢餓感があれば、心身ともに悪影響をおよぼすが、習慣は第二の天性だから、体のほうによい癖をつけると、食事時でも、さらに目の前で家族が食べていても平気で、欲しくならない。いつでも全身が軽く、吸収がよく、中毒なども起こしようがない。
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