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この点、永平寺の修行僧の食事は、一日わずか千二百カロリーで、成人男子の六割程度である。それで激しい修行をしてなお、ふっくら、つやつやしているのはなぜか。朝食はかゆ、ゴマ塩と漬物。昼食は麦飯、野菜のあえ物。夕食はそれに煮物がつく。
修行に訪れる雲水たちは、最初の二カ月で体重が数キロも減り、足もむくむ。それが三カ月をすぎる頃から体重が戻り、お坊さん特有のふっくらした体になってゆく。
分析した専門医師は、「栄養バランスを含めて分析しても、従来の栄養学では解決できない矛盾がある。精神力が食べ物の栄養の吸収力を強めるのではないか」といっている。永平寺の和尚さんは、「新しく入った雲水も、しばらくして心が清らかになり、目も澄んでくる頃には、順応の力が湧き、ゴマ一粒からも活力を求められるようになります」と説いている。
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