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宗教団体の手かざしも、「気」の効用を応用したものだとすれば、これまた一種の気功法ということになるだろう。
何といっても、「気」を発散し、他者に伝えるのに一番優れた個所といえば、手のひらをおいてほかにはない。
頭痛がする場合には、頭に自分の手を当てる。おなかが痛ければ、自分の手は痛いところに自然に置かれる。手当てなのである。普通、「手当てをする」といえば、薬を飲んだり、塗ったりという医療的な処置を指すが、その言葉の原義は、実際に患部に手を当てて治す手当てからきているのだ。
事実、薬も買えず、医者にもかかれなかった昔の庶民は、子供が病気にでもなったりすると、母親はじっと子供の頭に手を当てて、「早くよくなるように」とひたすら病気の快癒を願ったものであった。この母親の「気」が通じて、苦しみから逃れた子供たちは、何万人、何百万人いたかわからない。
「気」は常に、私たち人間の体から放射されている。痛いところに手を当てるという無意識の動作は、手のひらが「気」の放射口であることを、本能的に知っているからだろう。
眠くなって目の周りをさすったり、疲れた腰をたたいたりすることも、無意識のうちに誰もがやることである。それは最も原始的な治療の方法、すなわち手当てである。手のひらをかざしたり、触れたりすることは、基本的な「気」の治療法であり、疲れた目や腰の「気」の流れを回復させることができる。
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