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●ツボで発生し経絡を巡る「気」について
漢方で気血の運行通路と見なしている経絡の中を、「気」と血がバランスよく順調に流れている限り、私たち人間は健康でいられると説明した。
では、血をも生じる、生命の根源である「気」はそもそも、肉体のどこから発生すると、古代の中国人は考えたのだろうか。
答えから先にいえば、中焦(ちゅうしょう)。彼らは、肺や心臓や横隔膜よりは下、ヘソや腸や膀胱の上に位置する中焦にこそ、「気」を発生させる力、気化作用があるとしたのであった。
中焦とは、六腑の一つ三焦(上焦・中焦・下焦)の一部であり、脾や胃などの臓器があるところだ。
この胃のあたりの、体の深いところに存在する中焦を源として、先天の「気」と後天の「気」とが一体となった経気(正気)が、経絡を流れて、人間の全身を巡り流れる。
中焦を出発した経気は、頭から足の先、両手の指までをくまなく結び、体中の五臓六腑を巡って、再びスタート地点の中焦に戻るものであり、体内の「気」の循環作用がいかに複雑であるかを物語っている。
経絡とは、経と絡、経脈と絡脈の総称。経、ないし経脈と呼ばれるのは、「気」の流れる太い幹線のことで、動脈の一部を含む主脈ともいわれる。
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