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●物質性を超えた「気」と空気
人間についてみれば、「気」は体の空の領域において生命力として蓄えられる一方、体の中に蓄えられた「気」は、物を生み出す「気」にも変わっている。空の世界に蓄積された「気」は、空から色へ、色から空へと自由に次元を超えて、「気」の発動となって現れるのである。
いうなれば、「空」と「気」は言葉が違うだけで、実は同じもの。ただし、空というものは物でもなければ事柄でもなく、物や事柄に変化する「気」が充満している宇宙空間の状態を意味している。
例えば、「空気」は「空」という漢字を頭に置くから、何もない気体というイメージを与えているだろうが、空とは禅でいう「色」の逆説的用語であって、すべてが「在る」という意味である。
もちろん、「気」の中には、ないものはない。宇宙天地大自然、万事万物、森羅万象のことごとくが「気」だからである。
また、「空気のようだ」というと、目に見えない存在、気付かない存在、あるようでない物、ないようである物などを例える場合に使うだろうが、空気は物質であり、風や雨や稲妻を生じたりする。
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