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●システムとしての咀嚼
さて、私が述べてきたよく噛むという行為に関して、最近では、歯は感覚情報器官であり、物を噛んで食べるという咀嚼は口だけの運動ではなく、システムとして捕らえるべきだという研究が発表されている。
これは、歯の根からの神経が、頭を支える首の筋肉群につながっていることを突き止め、脳全体への情報伝達という意味から、幼児期からよく噛むことがボケの予防にも役立つし、唇や舌などの情報は各神経系を通じて脳幹に伝えられ、適切なリズムで噛み続けられるように、咬(こう)筋などの咀嚼筋を調節するというものである。
生理的にいえば、何気なく毎日やっている噛んで食べるという行為も、実は複雑な神経系のお陰ということである。
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