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●無に等しい「気」から誕生した原初宇宙
百数十億年前に逆上って、広大無遍で、調和や秩序を備えた現在の大宇宙は、どうしてできたのか、どういう経過をへて、今に至っているのか述べてみたい。
原初宇宙の誕生した時、つまり宇宙のはじめには天体などはなく、何もなかったとされている。手掛かりもない空間、混沌(こんとん)とした「気」だけの世界であったとされている。ただし、そこには感覚というものがあり、エネルギーというものが存在していた。そして、原初宇宙は真空状態であった。
真空というものもまた、「気」の世界にほかならない。真空の状態がだんだん、時空を超えた空の状態へと変化する。空の状態とは、無ではなく真空妙有・真空妙無という、無であり有である状態であり、全くないと思われるほどの「気」の状態であった。
その頃の「気」というものは、重さもなければ形もなく、何らの手掛かりとなるような「気」ではなかった。薄い、淡い、軽いなどと物理的な表現もできないほど、混沌とした「気」の世界。
その「気」は、はるかな太古から現在に至るまで、絶えず生きている。宇宙に「気」が生ずる前も後も、「気」なのである。「気」の中には、ある力を物に変えるエネルギーが含まれている。
エネルギーというものも「気」である。「気」はエネルギーの本質であり、宇宙始源の空の世界に属するから、無限無上の動力源にもなって働く。
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