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●「気」という漢字は長い歴史を有している
人間はそもそも、「気」ということを二千数百年も前から研究してきた。
特に本家の中国では、最も伝統的な思想として、「気」の思想が長い歴史を持っている。紀元前十数世紀の中国最古の王朝、殷(いん)、これに続く周時代の甲骨文などの発掘資料からは、「気」の原初的生命観を知ることができる。
すでに、人の気息の様を表す言葉が明らかとなっており、天気、地気に次いで人気の思想も、中国古代から考察されていたことがうかがわれているのである。
古代の中国人は、目には見えないがパワーを持って宇宙天地大自然に確かに存在する何かを「気」と命名して、さまざまな事物や現象に「気」を看取していった。
例えば、彼らは山中の鉱物や玉石を探す中で、偶然にも発見したと思われる磁界を、天の「気」の作用であると考えて、磁石として軍事や航海に応用した。それは地理学としての風水、望気の軍事利用にも通用する思考の方法であり、肉体の理解においてさらに高度な完成をみることになったのである。
それら多様な「気」が複雑に絡み合いながら、中国の独特な伝統思想、文化が形成されていったのである。
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