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●生体のリズムを刻む体内時計
人間は一日二十四時間の周期で、覚醒と睡眠を繰り返しているが、考えてみればこれも不思議な習性である。
J・アショッフは、外の環境の変化による影響を遮断した地下壕に、四週間にわたって人を住まわせて、覚醒と睡眠のリズムに狂いが生じるかを実験した。もちろん、時計など時刻を知る手掛かりになるものは、携帯させていない。
すると、真っ暗な部屋で生活した被験者が勘で決めた起床時間には、少しずつ遅れが生じ、約二週間で昼夜は逆転してしまった。
この実験の結果、被験者は平均二十四・九時間で、一日のリズムを繰り返していたことがわかったのである。このズレは二週間も経過すると、昼夜が入れ替わるほどの長さになるが、時刻を知る手掛かりを全く失っているにしては、一日〇・九時間の誤差は驚くほど小さい。
これが、人間が体内にあらかじめ、一日二十四時間を刻むリズムを備えていることの証明となった。
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