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ところで反対に、「般若のような人」といえば、恐ろしい形相をした怨霊(おんりょう)の面を思い出す。また、「外面如菩薩、内心如夜叉(やしゃ)」という言葉もある。表面は菩薩のように優しく見えるが、心の中は鬼のように恐ろしい、というのである。
般若心経というと、その般若を思い出す人もあろうが、般若というのは本当の知恵、すなわち真理のことをいうのであり、恐ろしいどころか、尊い、立派な言葉なのである。
観音様は、年を取らない。顔は艶々していて、シワが寄らない。人間は年を取るにつれて、顔にシワができる。しかし、その自然にできるシワは、浅くて、美しいものである。
深いシワは、醜い。それは何か大きな心配事などがあって、心の圧力によってできるのである。自然でない、圧力が加えられてできるシワは、深く、醜く、不愉快な印象を与える。
女性は化粧をする。いろいろな化粧品が出回って、女性を追い掛けている。化粧とは、もともと化けた粧(よそお)いである。
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