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人間の五官や感性を養うのにも、早起き生活が大いに役に立つ。人間の発生学的に大脳と最も近い関係にある皮膚感覚を、早朝のフレッシュな空気に触れさせ、刺激を与えると、目、耳、口、鼻といった感覚器官を敏感にし、大脳の感情をつかさどる部分を豊かに発達させ、感覚を磨き、感性を豊かにすることにつながるのだ。
この点、大脳生理学の専門家によれば、人間が誰でも年を取ると自然に早起きになるのは、肉体的にも精神的にも衰えてきたことから生じる、身体の自己防衛作用の働きによるものだという。
それならば、若い人たちが朝早く起きることで大脳に少し刺激を与えてやれば、大脳は人間に備わった自然治癒力をより活性化させることになる。すなわち、生命のリズムもまた、朝早く起きることで、その活動を活発化させることができるということなのだ。
さらに、早起き生活で貴重なことの一つは、時間がたっぷりあるから余裕を持てるということで、人間の精神に奥深い落ち着きを与えてくれる効果がある。
世の中で駄目な人間といわれるのは、その場限りで物を考えたり、行ったりするタイプである。朝ぎりぎりで起きて勉強をしたり、仕事をしたりという行動パターンでは、どうしても先のことを見ていないということにならざるを得ない。遅寝遅起きの人にありがちな失敗は、余裕のなさが大きな原因である。精神の落ち着きや先を見る先見性など、持てるわけがないのである。
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