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●将来展望から今日一日を考える
人間が仕事や勉強に意欲を燃やし、能力を高めるための工夫を各種述べてきたが、そもそも、私たち人間の体は働きそのものである。仕事や勉強に忠実、勤勉の毎日を積めば、将来の生活の基礎となる自己というものが確立するはずである。
その点、一日を大切にすると同様に、自らの将来のことでも、自分の家庭のことでも、会社の仕事や経営のことでも、先の先を読み取ること、壮大でかつ綿密な先見性という能力を身につけることも大切となる。長い単位としては二十年後、中期では五年から十年後、短期でも一年から二年先までの状態を見つめる。
二十年先にはどうなっているか、どうすべきかと考える。そのためには十年後にはどうなっていなければならないか。その十年後の自分や家庭や会社の理想の状態を可能にするには、一年後にはどう進展していなければならないか。さらに、そのためには明日、そして今日やるべきことは何かを考える。
二十年後という大きな展望から、今日やるべきことまでを考えるのである。二十年後の状態というのは、まだボンヤリとしか見わたせないだろう。
それを十年後、五年後、一年後といったように細分化してゆくと、今日やるべきことにたどり着く。つまり、今日一日の実行すべきことというのは、一見見えないようであっても、実は二十年後にちゃんとつながっていくのである。
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