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しかし、日本の「気」は「心」と同一視するわけにはいかない。「気は心」という言い回しがあるが、「気」と「心」がイコールであったら、その言葉は意味をなさない。

 心というものは本来、内に向かって閉ざされているのに対して、「気」は人間の肉体から外へ向かって発せられている波長のようなもので、一種の目に見えない触手、触角の機能を果たしているのである。

 例えば、後ろから見詰められていたり、ソッと後を付けられたりしていることを、微妙な気配によって気付いたりするのも、感覚としての「気」の働きである。

 以心伝心も、一つの「気」の働きだ。以心伝心というのは仏教語であり、師から弟子に、言葉に出さないで仏法の根本を伝えることをいう。転じて、口に出さなくても、気持ちが通じることを指す。相手が発した「気」を、こちらの「気」が受け止めて、その意を汲(く)む。まさに「気」の交信といえよう。

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【「気」と日本人2】

[1] 気力、気配り…

[2] 天気、短気…

[3] 病気、気のせい…

[4] 心理的色合い

[5] 「気」の交信

[6] 「気」の放射体

 

【四百四病の事典】

[10] 胃の不快症状

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[19] 器量を磨く

[20] 「気」の神秘

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