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●日本の特徴は情緒に重点を置くこと
日本では、「気」は漠然とした事物の状態を表す時にも用いられる場合があり、また、心理的な色合いが濃くなる。
「気味が悪い」という時、その気味はこれといって明確でない、漠然とした心の状態を指す。雰囲気の「気」もそうだし、「恥ずかしげ」の「げ」も同様。「気配」などはまさに、漠然とした「気」を指す典型の言葉といえる。
そして、「気になる」、「気が重い」、「気を付ける」、「気が合う」、「気が詰まる」、「気を静める」、「気がめいる」、「気が散る」、「気がある」、「気を持たせる」、「気に病む」、「気まずい」、「気を悪くする」、「生きた気がしない」など、現代でも枚挙にいとまがないほど「気」が使われている日常語のほとんどが、心の持ち方や情緒、ないし一定の精神状態を指すところに、日本における「気」の特徴があるといえるだろう。
古代中国では万物を生むところの「気」が、現代日本では、心理や精神を説明する言葉として、大いに用いられているのである。この情緒に重点を置き換えた「気」の受容の仕方は、日本文化そのものであるといえるはずだ。
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