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十四~十五世紀の室町時代になると、「気」には、自分自身の感情や心理を表現する用法が加わった。「庶民の時代」とされた室町で、日本人が自分のものとして「気」を語り始め、「気」に新たな意味が込められたのである。

 その理由を、平安時代の猿楽から発展した能など、芸術の普及と関連付ける説がある。間や拍子を大切にする日本独自の文化にとって、「気」があまりに即物的であってはならなかったのである。「気」は感情や情緒を表現する方向で、日本の中に定着していったようだ。

 同時に、日本における芸術、芸能などの文化面では、特に「気」の表現力で、その真価が問われるようになっていった。「気」の文化は日本の伝統文化の一大特色、といっても過言ではない。

 芸道、茶道、華道、書道、武道など、伝統文化には「道」という字が付けられており、道を究めること、すなわち全身全霊から出る自然の「気」、より偉大で宇宙性の広がりを得た「気」、研ぎ澄まされた「気」が要求される文化なのである。

 宇宙天地大自然に遊ぶことが、文化的に最も「いき」なことだとされる世界である。

 「わび」、「さび」、「もののあわれ」などという日本独特の美学や、勘とか間とか調子などと呼ばれるものも、すべて宇宙的な「気」の働きによるものといえよう。

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【「気」と日本人1】

[1] 「気」の流入

[2] 見えざる手

[3] 「気」の表現力

[4] 思想の広がり

[5] 兵法、武術論

[6] 気力で勝つ

[7] 合気道の極意

[8] 遠当ての使い手

[9] ブームの定着へ

 

【四百四病の事典】

[10] 胃の不快症状

[11] ヘルペス

[12] 視力障害

[13] ピックアップ

 

【健康実用辞典】

[22] インデックスへ

 

【健 康 情 報】

[14] 睡眠を見直す

[15] やる気を練る

[16] ピックアップ

 

【メンタリティ】

[17] 強気勝気弱気

[18] ピックアップ

 

【ライフスタイル】

[19] 器量を磨く

[20] 「気」の神秘

[21] 脳力を研ぐ

 

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