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意識が正しく働けば、意識は肉体の五官から発生するものであるから、食物の選択においても誤ることはない。
自然の物を食べる自然食の考え方は、すでにギリシャ時代の哲学者たちも唱えており、その後も多くの人によって提唱されてきた。
だが、近年の自然食の大クローズアップの原因は、農薬による食品の汚染、発ガン物質、食品添加物の乱用などが、人々に不安感を与えたことにある。また、現代の薬害(医原病)、公害(企業害)の多発も、人々に自衛を迫った。人間の体にとって、一番よい食べ物は自然の食品であるということに、ようやく人々は目覚め、ちまたには自然食ブームが続いている。
その目的は大変結構であるし、方法も自然的、真理的であって、何もいうことはないが、実際面においては、人間心が介在、介入してくるために、手放しで喜んでばかりもいられない。
一つには、現代人の食事は、季節感を忘れて夏冬ぶっ通して野菜が食える、温室ばかりではなくて、冷凍施設を利用すれば、世界中の食べ物はいつでも食える。その恵まれの結果は、自然食ブームの陰で、飽食して肥満児を作り、恍惚老人を増やし、病気の種類も多く、病人の数も激増している。
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