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私にいわせれば、食べる物はどんな物でもよい。カロリーやビタミン計算にばかり心を奪われているのが、現代人だ。旬の物を、よく噛んで食べれば、何を食べても消化、吸収されて、立派な体ができてくるものである。
人間は金で物の寸法を測っているから、金のかかること、値段の高い物はみな尊いと思いがちであるが、大きな間違いである。こういう意識は、改めなければならない。
金のかかる物を食べるよりは、その時節、季節の時を得た物や、その所、所の「気」を得た物を食べるのがよい。
天候、気候、季節、時期というものに、それぞれの内容があり、折がある。その時節に一番たくさんとれる物、できる物を食べるのがよい。そうすると、生命力の弱い人であっても、夏でも冬でも耐えられるように、そういう食べ物、食べ方から、命が養われるということもある。
季節にできる安い物をよく噛んで食べる人には、ビニールハウスでできた高い物を食べる人よりも、よりコクがあり、利益があるものである。
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