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食べ物を十分に、液状になるまでよく噛むと、本当に水のような何も形のない物になって体に入ってゆく。食べ物が口の中で「気」になり、ただちにエネルギーになって吸収されるのであろう。
一部分は、もちろん下に下りてゆく。おそらく、唾液と食べ物が同化し、気化した後の物が、胃に下がっていくのであろうけれども、やがては肉体に吸収されて、みな「気」になる。細胞が物を「気」にし、エネルギーにして、人間の働きにする。九十六歳という私の老体で、毎日こんなに元気に働けるのは、この「気」ゆえである。
誰もが口を働かせること。五官の一つである口を十分に働かせて、口を通して宇宙の「気」を受けることである。肉体というものは、自覚のいかんを問わず、無限宇宙とつながることのできる唯一無上の存在なのだから、口の働かせ方をおろそかにしてはならない。口は最大の消化器官である。
まず夜は早く寝て、昼は働き、腹が減ったら何でもよく噛んで食べれば栄養にもなる。草を食べて馬は太り、ワラを食べて牛が大量の牛乳を作ってくれるではないか。
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