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●咀嚼は精神の営みである
食べ物をたくさん食べても、やせている人がいる。いくら食べても元気のない人がいる。一方、小食かつ粗食でありながら、まことにエネルギッシュに活動する人も多い。食べ物の分量だけが人間の肉体を作るのではないことが、よく理解できる。
誰もが腹八分の心構えを平素から身に着け、バランスのとれた物を少しずつ、よく噛んで食べることである。
腹いっぱい食物を押し込まずに、腹八分の自然の食べ物を口の中で気化するほどに、よく咀嚼することが大切。これは、物の味の真髄を極めることに通じる。咀嚼は単なる口腔の運動ではない。全身の営みであり、精神の営みである。
また、人の二倍も三倍もよく噛んで、口の中である程度気化してしまった食べ物が、直接細胞に吸収されると、ハイ・オクタン価のガソリンのように、熱効率の高い物が生産されることになる。
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