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人脈を広げようとする人間ならば、「気分のいい人」とか、「気性がいい人」だとかというように、人は天候、気候と同じように気性に支配されることが大きいから、楽しい気性を養わなくてはいけない。楽しい気性を養えば、人のよいところが見えてくる。
世に、君子に対するに、小人という言葉を使う。君子とは人のよいところのみを見る人、小人とは人の悪いところのみを見る人だともいう。やはり我々は普通、人を悪く見ることのほうが多くて、よいところというのはなかなか見えないものだから、日頃の心得、人格修養のポイントと考えてもいいのではないか。
いい人と付き合う、あるいはすべての人のいいところのみ見ていくということを、今後の指針としていく人は、おのずと人脈も広がっていくはずである。
人脈が広がり、異質の人を受け入れた場合、そのぶん失敗や回り道や空振りも多いことだろう。しかしながら、失敗とか回り道、空振りとかいうのも、長い目で見ると、案外そうでないことが多い。その時にできた友人、知己や温めた知識、経験が、後で役に立って生きてくることがあるのである。
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