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人間は本来、おのおの「気」でつながるべきもの。「気」を働かせるコツは、相手が黙っていてもその「気」を察し、「気」を合わせて、相手の望むように振る舞うことである。
ところが、現代人は「気」でなしに物でつながる。金でつながる。権力でつながる。趣味でつながるのは、まだしも上等の部類に入れねばならない。
口先では「気が合う」などといっても、その「気」と称するものが多分に意識的な、社交辞令的なものであることも多い。何よりも「気」というものについての認識が欠如しているから、聞きかじりの言葉として使われているような気味合いもある。
人間の内なる世界と、外なる自然との統合はもとより、肉体と精神との根源的統一も、「気」が存在するからこそ可能なのである。
人間の腹には、宇宙から吸収された「気」がプールされている無意識層がある。昔から臍下丹田を気海というが、活力の源泉はすべて、そこから湧き出すものである。胸中に「気」を集めず、丹田に「気」を集めるよう心掛ければ、自然に「気」が養われてくる。
そして、この「気」の流れ、「気」の交換というものは、肉体の健康、家庭生活、社会生活の中で最も大きな価値を持っているものである。
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